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咽喉頭を塞いだ鼻咽頭ポリープの猫の1症例
ぬのかわ犬猫病院
布川智範
鼻咽頭ポリープ
・耳管あるいは中耳の鼓室
腹側から発生する良性の線維性ポリープ。
・先天性で若齢に多い。
・鼻咽頭にできた場合には吻側より摘出する。
症例
• 7ヶ月 去勢♂ 日本猫 保護猫出身
既往歴:FVR
• 2ヶ月前よりスターターを認める
鼻汁(ー) くしゃみ(ー)
• 軟口蓋過長症と診断されたが、呼吸状態が悪化してきているため来院
一般身体検査
• T:38.1℃ P:180 R:28(スターター)
• 体重 2.62 kg BCS 3/5
• 可視粘膜:ピンク色 CRT
初診時症状
血液検査
RBCHCTHGBMCVMCHCRETIC
WBCNEULYMMONOEOS
PLT
8.27×106
33.411.640.434.79.9×103
1043065602280880680
373×103
/μl%g/dlfLg/dl/μl
/μl/μl/μl/μl/μl
/μl
GLUBUNCRETPALBGLOBALTALKP
97210.97.23.24.04849
mg/dlmg/dlmg/dlmg/dlmg/dlg/dlg/dlg/dl
レントゲン検査
喉頭検査
鑑別診断
• 鼻咽頭ポリープ
• 咽頭部腫瘍
方針
• 気管挿管は困難なため、一時的気管切開を行い、挿管。
• 鼻咽頭ポリープなら牽引摘出し、摘出が困難な腫瘤の場合は生検・永久気管切開術を行う。
手術方式
• 仰臥位にて気管切開を行い、挿管後十分な麻酔深度を確保。
手術方式
• 吻側より腫瘤を牽引、摘出。
手術方式
• 口側から気管チューブを挿管、気管切開チューブを抜去し、気管切開部より遠位でカフを固定。
• 気管切開部を4-0吸収糸で縫合。リークテストを行い、閉創。
ビデオオトスコープ
術後呼吸
退院時レントゲン検査
• 病理組織診断:鼻咽頭ポリープ
• 方針:CT・MRI検査で中耳の評価を行い、
ポリープがあれば腹側鼓室胞切開を行う。
診断・方針
考察
• 若齢猫のスターターの鑑別に鼻咽頭ポリープは重要。
• 挿管困難な鼻咽頭ポリープでも、気管切開を行うことで牽引摘出が可能である。
• 他の腫瘍性疾患の可能性も考慮してインフォームドコンセントする必要がある。
ぬのかわ犬猫病院
http://www.nk-inuneko.com
布川智範
E-mali: [email protected]
http://www.nk-inuneko.com/