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実験報告書の書き方の例 東京電機大学 工学部 電子システム工学科 電子システム工学実験室

実験報告書の書き方の例 - 東京電機大学公式サイト※ 参考にする上での注意 ※ 本書はEH 科の実験報告書の書き方の例であるため、必ずしも厳密に本書に従う必要は

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Page 1: 実験報告書の書き方の例 - 東京電機大学公式サイト※ 参考にする上での注意 ※ 本書はEH 科の実験報告書の書き方の例であるため、必ずしも厳密に本書に従う必要は

実験報告書の書き方の例

東京電機大学 工学部

電子システム工学科 電子システム工学実験室

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※ 参考にする上での注意 ※ 本書は EH 科の実験報告書の書き方の例であるため、必ずしも厳密に本書に従う必要は

無い。ただし、報告書として最低限の様式や体裁などを保ち、完成度の高いレポートを常

に心がけ、しっかりとした知識を身に着けて頂くことを目的に作成した。 本書の文章中に、文字の色が異なる場合がある。特に気をつけて欲しい部分を以下の

ように区別しているので、気にしながら読んで頂きたい。 色の区別

青字:実際のレポートで心がけて欲しい部分 赤字:注釈及び強調

* 報告書の作成にあたって心がけて欲しいこと *

社会に出た後の報告書は、技術的な事柄はもちろんのこと、出張や社内での出来事、

客先との打合せに至るまで、様々な事柄を行った後に要求される。多くの企業では、

報告書のフォーマットが決まっており、それらを用いる事が普通であるが、無い場合

も当然存在する。 また、社会へ出た後には、複数の人たち(例えば直接の上長や更に上の部長など)に読

まれ、それぞれに別個の箇所を指摘される場面が多くある。このような場合、評価の

観点や基準が人それぞれ異なってしまうことは容易に考えられよう。そのため、本実

験でも指摘が人それぞれ異なる事がありうることは承知のして頂きたい。 学生実験における報告書の作成目的は大きく分けて以下の 3 つである。 1) 報告書作成の訓練

実際に実験を行っていない人にも正確に情報が伝える事を目的としている。そ

のため、添削を行うスタッフが分かりづらい、見づらいなどの報告書は総じて点

数が低い。各人が、相手に理解されやすいような解説の文章であったり、作図の

方法であったりを工夫することが望まれる。 2) 文献調査などによる、各人の知識の拡充と応用

基礎学力の向上や知識意欲の向上も 1 つの目的である。また、書籍などから知

識を得て、それらを元に取得データの検証や実証を行う習慣を身につけることも、

実験の報告書の作成の過程でして頂きたいことの 1 つである。 3) 学習、習得した知識のアウトプット

小学校~高等学校、いままでの大学生活で習得した知識を活用して、実験に対

するより良い考察や課題への回答、報告内容のレベルアップを行うと共に、自分

たちの知識の使い方を学ぶことも含まれている。

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○ 文章中の変数記号と単位の表記について ○ - 変数記号について

電気電子分野の変数記号について、特に明文化された決まりはない。しかし、ある程

度の慣例があるので以下に示す。なお、全て斜体(イタリック体)となる事に注意する。

○ 直流(大信号)成分のみの信号は大文字のみで表記する。

ex. VIN、VOUT、IIN、IOUT

○ 交流(小信号)成分のみの信号などは、小文字で表記する。

ex. vin、vout、iin、iout

○ 直流+交流成分の信号は小文字と大文字の添え字で表記する。 ex. vIN、vOUT、iIN、iOUT

- 文章中の単位表記について

文章中の単位表記は、分野や学会などによってさまざまな取決めがある。本実験室

に提出する報告書においては、同一報告書内で表記が統一されていれば、表記の方法

については問わない。以下に幾つか例示する。

○ 数字の後の単位を大括弧 []で囲う

ex. VIN =1 [V]、iin = 1 [mA] など

○ 数字の後に半角スペースを入れて単位を表記する。

ex. VIN =1 V、iin = 1 mA など

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Index

1. 実験報告書の様式 ・・・・・・ 1

1.1 用紙サイズと使用方法

1.2 報告書の構成

1.3 表紙及びセルフチェックシートについて

1.4 報告書の綴じ方

2. 表紙への記入方法 ・・・・・・ 2

3.セルフチェックシートへの記入方法 ・・・・・・ 4

3.1 セルフチェックシートへの記入のタイミング

3.2 記入項目

4.目的 ・・・・・・ 6

5.使用器具とその定格 ・・・・・・ 6

5.1 使用器具表

5.2 本文

6.実験内容 ・・・・・・ 8

6.1 接続図

6.2 実験の手順

6.3 実験中の注意など

7.実験結果と考察 ・・・・・・ 10

7.1 実験結果の書き方

7.2 図及び表の記載方法

7.3 考察について

8.まとめ ・・・・・・ 18

9.課題 ・・・・・・ 20

10.参考文献 ・・・・・・ 22

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1. 実験報告書の様式

1.1 用紙サイズと使用方法

レポートに使用する用紙は A4 サイズとする。また、用紙は縦に使用し、片面に横書

きで書く。

1.2 報告書の構成

報告書の構成は「表紙」 → 「セルフチェックシート」 → 「報告書」とする。ま

た、報告書の項目は次の順序で構成する。

1. 目的

2. 使用機器とその定格

3. 実験手順

4. 実験結果と考察

5. まとめ

6. 課題

7. 参考文献

項目ごとに適宜ページを替えて書くことを推奨する。無理に続けて書くと、1)読みづら

い 2)体裁が崩れる など、見栄えの悪い報告書となり、減点の対象ともなり得る。

1.3 表紙及びセルフチェックシートについて

表紙及びセルフチェックシートは、電子システム工学科の学科 HP よりダウンロード

が可能である。各自がダウンロードして使用すること。 各ファイルは pdf 形式のみでの配布となるため、「Acrobat Rader」や「Adobe Acrobat DC」

などのアプリケーションソフトが必要となる。「Acrobat Rader」は無償で配布されてい

るため、各自で用意すること。

1.4 報告書の綴じ方

綴じる位置は、報告書を縦に向けた時の左側 3 箇所をステープラ(ホッチキス、ジョ

イント)で留める。報告書の枚数や厚みに応じて、適切なものを選択して使用すること。 グラフなどの図を横向きに描いた場合は、綴じた側を上向きとして、図が正しく見

えるように綴じる。綴じていない側にグラフ番号、タイトルが来ることとなる。

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2. 表紙への記入方法

○ 課題番号

報告する実験テーマの番号を記入する。

○ 実験題目

報告する実験テーマ名を記入する。

○ 実験日

実際に実験を実施した日付を記入する。複数週に渡って行う実験の場合、実験を最

後に完了した日付を記入すること。 通常は予定表の日付となるが、やむを得ない事情により日程を変更した場合や、再

実験となった場合には、変更後の日付を記入する。

○ 実験室名

EH 科の実験は、「電子システム工学実験室 A」もしくは「電子システム工学実験室 B」で実施する。実施した実験室名を記入する。

○ 実験班

実験を行ったときの班名を記入する。再実験などの理由で一時的に他の班で実験を

実施した場合、移動後の班名を前の括弧に記入し、元の班名を後ろの括弧書きにて併

記すること。 例:A1 班の学生が K3 班で実験を行った場合は「

実験班 ( A1 ) ☑ 再実験( K3 元の班)

再実験はチェックの上, 本来の班名を括弧に記載

となる。

○ 提出者:学籍番号・氏名

提出者の学籍番号と氏名を記入する。

○ 協同実験者

実際に協同で実験を行った班員の学籍番号と氏名を記入する。

○指摘 / 訂正:再提出時に自身で記入 / チェック

再提出のときに使用する. スタッフから指摘された内容に対して, 「何ページ目」の

「どこを」「どのように」修正したか, を簡潔に文章で示すこと. また, 「□」はセルフ

チェックなので, 確認したらチェックマークを記入すること.

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実 験 報 告 書 実験番号

実験題目

実験日 2019年 月 日

実験室名 電子システム工学実験室( )

実験班 ( ) □ 再実験( 元の班) 再実験はチェックの上, 本来の班名を括弧に記載

学籍番号 氏名

提出者

協同実験者

指摘 / 訂正:再提出時に自身で記入 / チェック ページ 内容 ページ 内容

□ □

□ □

□ □

採 点

初回受取印

最終受取印

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3.セルフチェックシートへの記入方法

3.1 セルフチェックシートへの記入のタイミング

報告書が出来上がり、内容と照らし合わせて「✓」や、該当ページ数(ページ枚数

ではない)を記入する。内容の確認をせず、チェックシートへ「✓」だけを記入する

行為は趣旨に反するため厳禁とする。また、他の人に目を通して貰う事を推奨する。

※ セルフチェックシートのスタッフチェックが記入できない場合、未完とする。

3.2 記入項目

- 表紙の項目に間違いはない.

課題番号や実験題目、実験班、共同実験者の学籍番号や氏名(姓と名)などが適切

に記入されているか。

- ページ番号は, 全ページに通しで付してある.

セルフチェックシートの次ページからを 1 ページ目として、以降にページ番号を

書く。グラフのページなどにも忘れずに記入すること。

- レポートの書式は指定の通りであり, 項目は全て足りている

所定の書式でレポートが作成されているか。実験結果や考察、検討事項、課題に

抜けがないかを確認する。

- それぞれの図表に, 必要な情報が正しく記載されている.

図の場合、図のタイトルや図番号、各軸の名称、単位などは適切か、折れ線グラ

フになっていないかを確認する。表の場合もタイトルや単位などを確認する。

- 実験結果は全て記載されており, 本文で説明されている.

実験結果が全て記載されているか、実験結果となる数値や計算結果などは適切に

丸められているか、それらの単位が合っているかを確認する。また、実験内容を文

章で説明できているかも確認を行う。

- 考察を結果や実験内容に対して行っており, 理論的に筋が通っている.

考察が実験の結果に対してされているか、また実験結果そのものに対してされて

いるかを確認する。また、文章の内容が理系の文章として適切か、重ねて確認する。

- 複数の参考文献を参照し, その全てが本文で適切に引用されている.

複数の書籍を参照し、報告書の本文の中でそれらの書籍を確実に引用しているか

を確認する。インターネット上の資料と判断された場合や、参考文献の記載がある

のに引用/参照がされていない場合、該当レポートを未完とする。 - 報告内容口頭試問.

作成時には使用しない。

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2019 年度 電子システム工学基礎実験Ⅱ セルフチェックシート

*以下の項目と作成したレポートを照らし合わせ, チェックやページのリストなどを記入し, 表紙の

次のページに綴じる. 再提出の場合も同様とする. スタッフ欄に✓がつかない場合, 未完とする. 番 号 チ ェ ッ ク 項 目 学生チェック スタッフチェック

初 回 再 提 出 初 回 再提出

1 表紙の項目に間違いはない. チェック チェック

2 ページ番号は, 全ページに通しで付

してある.

総ページ数 総ページ数

3 レポートの書式は指定の通りであり, 項目は全て足りている.

チェック チェック

4 それぞれの図や表に, 必要な情報が正しく記載されている.

ページ数リスト ページ数リスト

5 実験結果は全て記載されており, 本文で説明されている.

ページ数リスト ページ数リスト

6 考察が結果や内容に対してされ, 理論的に筋が通っている.

ページ数リスト ページ数リスト

7 複数の参考文献(web 禁止)を参照し, 全て本文で参照されている.

ページ数リスト ページ数リスト

8 指摘箇所を吟味して訂正し, 他の項目も見直しを行っている.

ページ数リスト

≪スタッフのコメント≫ [2019 年 月 日]

報告内容口頭試問 (不可の数に応じてレポートの点数を減ずる)

内容 ( ) 結果

可 ・ 不可

内容 ( ) 結果

可 ・ 不可

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4.目的

実験指導書の目的を転記するのではなく、自分で考えた目的を文章に起して記す。な

お、「目的」を受けて「まとめ」を書く必要があるので、この点も気をつけながら作成

すること。

※ 目的とまとめの関係

目 的:「何」を目的に実験や研究を行うのかを明確にする。

まとめ:実験の趣旨と結果、考察を簡潔にまとめ、

定めた目的に対して達成したのかを示す。

5.使用器具とその定格

5.1 使用器具表

使用器具の表には 1)器具の名称 2)製造メーカ 3)型式 4)定格 5)製造番号又は備品

番号を記載する。記載の無い箇所については、「-」や罫線を引いて、記載なしの旨

をはっきりと示す。 1) 使用器具の名称

使用した全ての器具について記す。また、直流と交流など、区別のあるものは

分かるようにする。 2) 製造メーカ 3) 型式

製造メーカは、実際に機器の設計や開発、製作を行っているところが多いので、

就職を考えている学生は覚えておくと良い。また、就職先の企業でもお世話にな

る可能性がある。 4) 定格

安定化電源や発振器であれば、出力電圧/電流や周波数を書く。測定器であれば

クラスや最小測定値/最大測定値や、周波数帯域などを示す。 ※ 実験に使用する機材が適切であることを示す部分である。使用する器具が適

切でないと、実験結果の信頼性が著しく低下する恐れがある。

5.2 本文

図や表は例のように、「本実験で使用した器具とその内訳を表1に示す。」などとして、

本文にて全て参照すること。

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1.目的 [章は MS P ゴシック 14pt が望ましい]

真空管に共通な熱電子放出を, 二極真空管の測定から理解し, 電磁気学を交えて考察を行う. また, 二極真空管における電子の飽和現象と整流作用を理解し, 電磁気学の観点から考察する 本文は 日本語がMS P 明朝 12pt、 英数字 Times New Roman 12 pt が望ましい。 数字、英語はすべて半角 123abcABC が望ましい。

2.使用器具と定格 [章は MS P ゴシック 14pt が望ましい]

本実験で使用した器具とその定格を表1に示す。 ←すべての図表を本文で引用すること。

表 1 使用器具とその定格

器具名 メーカ 型式 定格 備品番号

フィラメント電源 菊水電子工業 PAS20-18 0~20 V / 0~18 A 2017 A 0235

陽極電源 菊水電子工業 PAV320-0.65 0~320V / 0~0.65 A 2017 A 0236

直流電圧計 横河電機 2012 00 Class 0.5 / 0~1000V 1999 B 0195

直流電流計 横河電機 2051 01 Class 1.0 / 0~3000 μA 2001 B 0663

直流電流計 横河電機 2051 03 Class 1.0 / 0~1000 mA 2003 B 0793

真空管 NEC - 95 W -

本文は 日本語:MS P 明朝 12pt、 英数字:Times New Roman 12 pt が望ましい。 数字、英語はすべて半角 123abcABC が望ましい。

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6.実験内容

実験内容には 1) 接続図、 2) 実験の手順、3) 実験中の注意など を含める。また同様の実験を再び実施するときに必要な情報を記載する。再現実験の実施が不可能な報告書は、 報告書としての価値が低い。

6.1 接続図

自ら実験中に行った接続の状態を接続図として記す。予習で間違った接続図を描いてき

た場合、正しい実験の接続図を実験ノートに記録すると共に、報告書の接続図としても使用

する。 ※ 回路図は回路図エディタ(BSch3V、EScad、KiCAD など)や回路シミュレータ(LTSpice、Tinaなど)などを用いると良い。簡単な図であれば、パワーポイントなどで書いても見栄えは悪くならないが、他のドローソフトに触れることも推奨する。

6.2 実験の手順

実験の手順は分かりやすい文章で記す。箇条書きなどで分かりやすくしても良い。実験

テキストのコピーではなく、自分が実験を行った際の手順を記すこと※。このため、実験中の

手順をその都度実験ノートに記録する必要がある。また、文体は過去形となるのが一般的

である。 ※ 操作/作業の手順によっては、実験の結果が違うものとなる可能性があるため。

6.3 実験中の注意など

実験で気をつけなければならないことがあった場合や、任意で決定が可能なパラメータ

があった場合には、実際に実験に用いたものを記す必要がある。

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3.実験内容 [章は MS P ゴシック 14pt が望ましい]

3.1 エジソン効果の実験 [節は MS P ゴシック 12pt が望ましい]

エジソン効果の実験で用いた接続図を図 1に示す。 電流計 IPは陽極電流を測定するためのマイクロアンペアレンジの電流計であり、 横河メ

ータ&インスツルメンツの「2051 03」を使用している。 また、 Ifはフィラメント電流を測定する

ための、大電流測定用の電流計であり、横河メータ&インスツルメンツの「2051 01」を使用している。 ↑αの情報を含める.

下記に実験の手順を箇条書きにて示す。 (1) 図 1(a)のように接続 (2) フィラメント用の電源を徐々に増加し、二極真空管のフィラメントに定格電流を流す (3) IPの指示 IP1を記録 (4) 図 1(b)のように接続:陽極電流計 IPの+側をフィラメントの-側に接続 (5) (4)のときの IPの指示 IP2を記録

図 1 エジソン効果の実験の回路図

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7.実験結果と考察

各々の実験において、「結果」と「考察」を明示する事で読みやすくなるので、記載すること

を推奨する。また, 「検討事項」がある場合には, 「結果」「検討事項」「考察」の順に示す。

7.1 実験結果の書き方

実験結果は表及び図にまとめる。ただし、図にしない結果ものもある。また、実験結果の

表や図、数値について説明を行う文章を忘れずに記す。実験結果に対する説明文が無い

報告書は、原則として認めない。 ※ 実験結果や比較したいデータなどをグラフ化することによって、感覚的に実験データが分かり、比較や検討が行いやすくなる。また、データの異常や実験のミスなどが一目瞭

然となり、考察の材料にもなり得る。

7.2 図及び表の記載方法

(1) 図表の書式について ○ 図及び表は、中央揃えで記載する。 ○ 図番号及び表番号は、重複及び抜けがないように全ての図表に振る。 ○ 図題及び表題、表題は表の上に、図題は図の下に、分かりやすい名称で表記する。 ○ 図及び表の単位(電圧 E [V]や電流 I [A], 周波数 f [Hz]など)は括弧で囲う。

(2) 表について 記載する数値の有効数字について、特に注意する。 表は、1 ページに全てが収まるようにする。しかし、データ量が多く複数ページにまたが

る場合は、表番号と表題は最初のページにのみ書く。ただし、表の項目は全てのページ

の最初に記載する。

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4. 実験結果と考察

4.3 陽極電圧に対する陽極電流の特性測定

結果

陽極電圧 VPに対する陽極電流 IPの特性測定の結果を表 4および図 4に示す。また、図4には二極真空管の定格電力である 95 Wのラインを破線で示す。フィラメント電流 Ifが 10.5 Aまでの場合、VPを増加しても IPは一定数で飽和した。一方、Ifが 12.0 A以上の場合では、VPの増加に伴って IPも増加する結果となり、飽和しなかった。

表 4 陽極電圧に対する陽極電流の特性測定の結果

フィラメント電流 If [A] 9.20 10.0 10.5 12.0 14.0

陽極電圧 VP [V] 陽極電流 IP [mA] 0.0 0.00 0.00 0.00 0.00 0.00 10.0 4.50 5.50 5.90 6.50 7.00 20.0 8.00 14.3 15.8 18.0 19.5 30.0 9.20 21.4 27.5 33.0 36.0 40.0 9.50 25.3 37.7 50.0 55.0 50.0 10.0 27.8 44.0 69.0 76.0 60.0 10.1 29.2 48.5 89.0 100 70.0 10.3 30.5 52.2 110 125 80.0 10.5 31.0 55.0 131 151 90.0 10.8 31.5 57.0 155 180 100 10.8 32.0 58.5 175 210 110 11.0 32.6 59.5 195 241 120 11.1 33.0 60.5 221 275 130 11.2 33.5 61.5 240 310 140 11.4 34.0 62.1 250 345 150 11.5 34.2 63.0 263 382 160 11.6 34.4 63.9 275 420 170 11.6 35.0 64.2 285 460 180 11.7 35.7 65.0 294 - 190 11.8 35.8 65.8 307 - 200 11.9 35.9 66.0 317 - 210 12.0 36.0 66.3 323 - 220 12.1 36.2 67.1 337 - 230 12.2 36.5 68.0 345 - 240 12.2 36.9 68.2 356 - 250 12.3 37.0 69.0 363 - 260 12.4 37.3 69.9 - - 270 12.5 37.9 71.0 - - 280 12.6 38.0 71.9 - - 290 12.6 38.1 72.1 - - 300 12.7 38.2 72.5 - -

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(3) 図の書式

図は A4 用紙 1 枚に全ての情報が収まるように描く。また、A4 用紙に対して縦/横書きは、特に指定がない場合に限り、各自が見栄えが良いものを選択する。 - 軸まわりの書式 ○ 各軸の名称は、軸の中央に揃えて書き、記号と単位を併記する。 ○ 縦軸と横軸の交点は、必ずグラフの左下になるようにする。交点は、必ずしも原点

(x=0, y=0)である必要は無い。グラフの見栄えや数字の見やすさ、データの比較のしやすさを優先すること。

○ 軸の目盛りは内向きとする。内側が目盛り線で格子となっている場合でも、外側に目盛りが飛び出さないように注意する。 ※ Excelの初期設定では、目盛りが外向きなので、逐一変更する必要がある。

- グラフ内の書式 ○ 測定点(対応する表にある点)は全てプロットをうつこと。 ○ 定格や理論値、理論式からの計算値などは、必ずしもプロット点は必要ない。 ○ 複数の測定パラメータがある場合、グラフ内に測定条件として記載する。また、Excelの凡例を用いて、グラフ内の邪魔にならない場所に記載しても良い。 ※ 平面座標では、1 つのパラメータ(横軸)対する結果(縦軸)しか示す事ができない。このため、測定のパラメータが 2 つ以上ある場合には、各々のデータに対して 2つめ以降のパラメータを記載する。

○ 測定点を線で結ぶ際には、曲線や直線で点を結ぶのではなく、近似曲線を引いた方が見栄えが良く、評価の高い報告書となる場合が多い。ただし、なぜその近似曲

線の関数を用いるのか、理論的背景と併せて吟味すること。 ○ 白黒やグレースケールで印刷したときに、各曲線の区別が付くようにする。カラー印刷の場合でも同様である。

※ Wordに Excelのグラフを貼り付ける形式

Excel で描画したグラフを、単純に図として貼り付けて Word 上で拡大すると、1) 図の画素が粗くなる 2) 線や文字がぼやける など、見栄えの悪いものとなり、減点の対象となり得るので注意する。

Excel のグラフを Word に貼り付ける際、貼り付ける形式を選択することができる。グラフのような線の多い図の場合、「Microsoft Excel クラス オブジェクト」や「メタファイル形式」を推奨するが、この他の形式も試してみると良い。

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350

陽極電流IP [mA]

陽極電

圧V P

[V]

図3 陽

極電

圧V P

に対す

る陽

極電流

I Pの

特性

I f=

9.20

[A]

I f=

10.0

[A]

I f=

10.5

[A]

I f=

12.0

[A]

I f=

14.0

[A]

定格

95 [W

]

I f=

9.20

[A]

I f=

10.0

[A]

I f=

10.5

[A]

I f=

12.0

[A]

I f=

14.0

[A]

定格

95 [W

]

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7.3 考察について

考察は実験方法や実験結果に対しての、各人の考えや解釈、理解度などをはかる項目

である。このため、考察の内容が乏しい場合は、実験への理解が欠けるものと捉えられる可

能性があり、評価の低い報告書とされる場合がある。 以下に、考察の内容の指標を示す。以下のような記述内容が好ましいとされているが、こ

の他の事について書いてきても良い。 (1) 実験中に感じた疑問点に対する検討

(2) 実験データの解釈や説明

(3) 実験データを、異なる観点から見た場合の検討や見直し、データの整理など

(グラフの整理の仕方、スケールの取り方によって有意な情報が得られる場合がある)

(4) 理論値や理論式と実験値の比較検討

(5) 実験に用いた装置の評価や精度、信頼性などの検討

(6) 実験方法に対する評価、改善提案

(7) 実験装置や実験条件を変更した場合に、測定を行って得られる結果の予測

※ (1)や(2)は、参考文献を調査し、理論的で合理的な解答や解説をする

努力が必要となる

本書の例では、理論式との比較や実験の解釈などを記している。この場合、以下のような

ポイントが重要となる。

○ 実験結果に対して数値を用いて比較を行っている。

ex. 「~2桁ほど多く流れたことが分かった~」

○ 考察内容を明確にする。

ex. 「~この差について考察する。」

○ 実験中の作業/操作内容について言及している。

ex. 「フィラメントの+側に陽極電流計の+側を接続すると」

○ 各実験の間の比較を行っている。

ex. 「実験 1では~」

○ 理論を式で示す。また、数式より帰結、結論を導く。

ex. 「クーロンの法則より~であらわす事ができる。」

○ 図を用いて自らの考えに対する解説を行う。

ex. 「この様子を、図 4に示す。」

○ 参考文献の調査結果を示し、実際に検証する。

ex. 「~当てはめた結果を示す。」

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考察

この実験では、二極真空管のフィラメント電流 Ifを増加させ、陽極の I-V特性の測定を行った。Ifを増加していき、If =14.0 , 12.0 Aの場合は、他の特性と曲線の様相が異なっていた。そこで、この特性の違いについて考察する。 二極真空管の I-V 特性として、「空間電荷制限領域」と「温度制限領域」がある事が知

られている[2]。空間電荷制限領域と温度制限領域の概略を図 4 で示す。また、以下にこれらの動作説明を示す。 ○ 空間電荷制限領域 フィラメントで発生した熱電子がフィラメント付近に残留してしまい、フィラメントからの

新たな熱電子放出を抑制してしまう動作領域 ○ 温度制限領域 陽極電圧を増加しても陽極電流は増加しないが、フィラメント電流の増加によって陽

極電流が増加する動作領域

空間電荷制限領域

温度制限領域

電圧 図 4 二極真空管の動作領域について

ここで、If =14.0 Aの場合の特性が空間電荷領域であるか、温度制限領域での動作な

のかを考えてみる。空間電荷領域での陽極電流はラングミュア-チャイルドの法則に従う

と言われている[3][4]。ラングミュア-チャイルドの法則を式(4)に示す。陽極電圧の 3/2乗に比例し、電極間距離の 2乗に反比例する。Kは比例定数である。

= K ⁄ ・・・・・・(4)

式(4)は、平衡平板状か同心円筒状の電極のみに適用できると考えられている。本実験で使用した二極真空管は、同心円筒状の電極形状なので、式(4)の適用を考える。 図 5に、If =12.0, 14.0 Aのグラフに対して式(4)を用いて曲線を当てはめた結果を示す。

プロット点が実際に取得したデータである。また、実線はそれぞれ、(1) d=2.5 mm、K=1.3×10-9、(2) d=2.5 mm、K=1.2×10-9 を、式(4)に当てはめて描画したグラフである。 図 5の結果より、If =14.0 Aの場合は、空間電荷制限領域での動作であると言える。ま

た、If =12.0 Aの場合においても, 陽極電圧 VP = 100 V程度までは式(4)に従うものと考えられる。しかし、VP = 100 V以上の部分は当てはまらなかったため、温度制限領域へと遷移している途中か、温度制限領域であると捉えることができる。

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また、考察として以下のようなものは好ましくないので, 避けること。

○ 感想を書く

「~と思う。」や「~が理解できた。」と言った文末で終わる文章は、感想と見なされる場

合があるので、使用を控えることが望ましい。

○ 「~だろう。」「~と考えられる。」など、検証が完結していない

実際に検証し、数値や数式などで結果を担保するまでが考察である。このような場合

は、更に追求して調査などを行い、考察に記述する必要がある。

○ 誤差や誤差率についてのみの記述

○ 測定ミスについての記述

○ ヒューマンエラーについての記述

上記 3 つについては、測定中に(計測器の不確かさなどで)必ず起こり得る事柄である。また、理論等と比較しての誤差率などを算出しても、その数値が有意である事は少な

い。 ※ 誤差率などが有意であり、新しい理論などが確立できる事を証明できるのであれば、その過程を示して記述しても良い。

○ 実験の内容や結果に触れない

実験を実施せずとも書ける内容は、実験の考察としてふさわしくなく、採点の対象とさ

れない。必ず実験の結果や手順などに対しての考えを記述すること。

なるべく多くの文献を読み込み、広く深い知識を得る努力をすると、高学年の実

験や実習が楽になったり、講義の理解が深まったり、卒業研究でより良い研究が行

えたり、就職した後に仕事の役に立ったりする。

また、(他人と重複しないような)オリジナリティのある「視点」を持つことや、考察を

「思いつく」「探す」「考える」事も訓練の1つである。他人と同じもの(こと)には価値が

小さいと考えられる世の中である。今の内からこのような練習や努力を推奨する。そ

のため、安易に理論値との誤差率の計算などに終始して、簡単に終わらせることは

不適切である。

自身の実力が伴わないまま就職して業務(仕事)に従事する事になると、業務の内

容について行けない、指示された内容が分からないなどの事態に陥る。最終的に

は、仕事に追われ、時間が無い中で自己研鑽をしなければならず、最終的には自

身が苦労することとなる。そうならないために、学生の間に基礎的な実力やスキル

を身につけることを推奨する。

なお、社会に出てからで良いと思っている人は、考え直した方が良い。それならば

大学に来ず、そのまま実社会にてスキルアップした方が、金銭/時間/社会人経験

値的にも有意であるろう。

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0

100

200

300

400

500

600

700

050

100

150

200

250

300

陽極電流IP [mA]

陽極電

圧V P

[V]

図5 ラ

ング

ミュ

ア-チ

ャイ

ルドの

法則

の確認

I f=

12.0

[A]

I f=

14.0

[A]

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8. まとめ

まとめの項目は、以下の項目が含まれている事が望ましい。 (1) 各実験の実験内容の簡便な説明

(2) 各実験から得られた考察、知見の簡単な解説

(3) 実験の目的に対する達成度

(1)と(2)は、過不足無く相手に意図を伝えるスキルと、実験に対する理解が無いと、必要な

項目が不足する可能性があるので、慎重に推敲すること。

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5. まとめ

本実験では、熱電子放出や飽和現象、整流作用を理解するために、二極真空管の各種測

定を行った。 エジソン効果の実験では、陽極電圧の違いによる陽極電流の比較を行った。陽極に印加

する電位を正とした場合に電流が多く流れる結果となったことから、フィラメントから放出された

熱電子の電荷が負であることが理解できると同時に、電界に対する知見を得た。 陽極電圧に対する陽極電流の特性測定では、フィラメント電流を一定として陽極電圧と陽

極電流の関係を測定した。陽極電圧を増加することで、陽極電流が増加する部分と、陽極電

流が飽和する部分がある事が分かった。また、フィラメント電流 If = 14.0 Aの場合の曲線と、ラングミュア-チャイルドの法則との比較を行い、全測定範囲が空間電荷制限領域であることが

理解できた。更に、それ以下のフィラメント電流量では温度制限領域での動作であると考える

ことができることも理解できた。 これらの実験によって、熱電子放出とその飽和現象および整流作用、二極真空管の動作

の理解を深めると共に、理論との比較検証も行うことができた。

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9.課題

(1) 課題の書き出しは、配布された課題内容を示す。

(2) 回答は、論理的に筋の通った文章にする。

(3) 数式や数値などを用い、文章の補足を行う。

(4) 回路図や図、グラフなどがあった方が良い場合、必ず示す。

※ 添削するスタッフの理解が容易に得られる構成とすることが望ましい。

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6. 課題

(1) VP-IP 特性を両対数目盛のグラフに描き、If =14.0 A に対しての直線部分(未飽和部分)の傾斜の長さの比 Δy/Δx = n を求め、次の実験式を作れ。定数 G は直線部分を下方

に延長し、VP =1 V に対して IP の値を取るか、直線式の任意点(VP0, IP0)を下式の実験

式に代入して求めれば良い。 【実験式:IP = G VP

n】 また、n が 3/2 に近いことを確かめよ。

両対数目盛グラフに VP - IP 特性を描いたものを、図 7.1 に示す。

図 7.1 陽極電圧に対する陽極電流の特性 (If = 14.0 A の場合)

図より Δy = 11.7 mm、Δx = 8.00 mm となる。これより、求める n の値は,

n = ∆∆ = 11.78.00 = 1.46

となり、3/2 = 1.5 に近いことがわかる。 図 7.1 から、任意の点 VP = 40.0 V、IP = 55.0 mA を読み取って実験式に代入すると、

= 55.0 × 10 = × 44.0 .

= 55.0 × 10218 = 2.52 × 10

であり、実験式は = 2.52 × 10 . [A]

となる。

1

10

100

1000

1 10 100 1000

陽極電流

I P[m

A]

陽極電圧 VP [V]

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10. 参考文献

参考文献は最低限、以下の項目を記述する。 [ (番号) ] 著者名, 本のタイトル, 出版社, 出版年

必ず複数(2冊以上)の学術書や教科書などを文献として参照し、引用箇所を明記すること。

また、以下にあたる行為は禁止とする。 ○ 第三者に担保されていない、インターネット上の資料や画像の無断引用

ただし、作図や理解の参考になるため、活用することは差し支えない。 ○ 参考文献が指導書のみ

○ 1 冊のみしか参考文献がない

○ 参考文献に記載が無いものについて参照した

禁止に相当する行為が確認された場合、その実験の実験点と報告書を 0 点とする。また、考察や課題に対しても、これらは適用される。

インターネット上の資料は、(全てとは言わないが)他人のチェックが行われていな

い、間違った知識が数多く存在する。

そのため、その資料の真偽の判断が可能な人が用いる場合は、大きな問題とな

らない。しかし、その資料の真偽の判断が不可能な人が用いた場合、報告書に間違

った記載がなされるだけに留まらず、自身が間違った知識を得ることとなってしま

う。

この他にも、学術書を読みこなす力を付ける事も目的の 1 つである。学術書を開

けば、関連する他の事柄に付いても、ついでに目を通すことができるため、知識の

幅が広がったり、他の項目との関係を理解したりできる。このため、多くの教科書や

参考資料、参考文献に目を通して頂きたい。

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7.参考文献

[1] 阿部 陽一 : 「電磁気学」,東京電機大学出版,2003 年.

[2] 岡部 豊比古 : 「電子回路」,学献社, 1937 年.

[3] 角田 秀夫 : 「電子回路」,東京電機大学出版,1972 年.

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