卓上 CNC フライス盤

黒い奴

取扱説明書

2013/12/12

はじめにお読みください

この度は卓上 CNC フライス盤「黒い奴」をお買上げ頂き誠にありがとうございます。

工作機械は、使用方法を誤ると大変危険です。

パソコンを使用して工作機の軸を制御しますので、様々な危険が考えられます。

★ ご使用時は必ず保護メガネを着用ください。

★ 回転した刃先を間近で覗かないでください。

★ お子様には手の届かない様にしてください。

★ 運転中は機械の傍を離れないでください。

★ 切削条件は余裕を持った設定にしてください。

★ 各部コネクタの抜き差しはコントローラー・パソコンの電源を切った状態で行なってください。

黒い奴の安全装置について

非常停止スイッチ

コントローラー正面右上に、赤い非常停止スイッチを備えています。

また、外部に非常停止スイッチを増設できます。

詳しくはコントローラーの項をお読みください。

※非常停止ボタンは A 接点で、MACH 上のソフトウェアリミットです。MACH が制御不能になった

際は、このボタンは無効です。そのような時はコントローラーの電源を OFF ににしてください。

軸のリミットスイッチ

XYZ 軸共に原点スイッチを装備しています。

電源投入後原点復帰を行うことで、機械座標上のソフトウェアリミットも有効になります。

またこの原点スイッチは X 軸 Y 軸は下限、Z 軸は上限のハードウェアリミットスイッチも兼ねていま

す。

正常動作時でソフトウェアリミットが有効な場合は、原点スイッチを軸が通過することは有りませんが、

モーターが脱調した場合に、MACH 上の座標と機械の実際の座標がずれます。そのような時に有効で

す。ただし、X 軸 Y 軸上限、Z 軸下限はソフトリミットのみですので、ご注意ください。

主軸異常

主軸のインバーターから出力されるエラー信号をコントローラーに帰還させています。

インバーター異常時は、非常停止ボタンを押した時と同じ状態になります。

主軸異常時はインバーター正面のパネルにエラー内容が表示されます。

エラー内容はインバーターのマニュアルをご参照ください。

1.設置

黒い奴はクロネコヤマトホームコンビニエンスの配達サービスを利用してお届けします。

設置場所まで、クロネコヤマトの方が運んでくれます。

梱包内容の確認

黒い奴本体 1 台

コントローラー 1 セット 通常本体に配線された状態で出荷しています。

電源ケーブル 1 本

通信ケーブル 1 本(パラレルポート接続とイーサネット接続でケーブルが異なります)

結束バンド 10 本程度

インバーターマニュアル 1 冊

クランプセット １セット

ER11-6mm コレット 1 個(主軸に装着されています)

本体とコントローラーの説明

コントローラー 前面

メインスイッチ 主電源の ON-OFF に使用します。下げると OFF 上げると ON

富士電機インバーター 単相 100V 入力のインバーターです。

主軸のスピード調整するために使用します。

MACH でコントロールするため、正面のスイッチ等の操作はありません。

周波数が表示されます。0～400Hz

0Hz で 0 回転 400Hz で 24000 回転 200Hz で 12000 回転

※停止時でもコントローラーの都合上 10Hz 程度の信号が入っています。

外部接続ポート パソコンと接続する線をつなぎます。(写真はイーサネット形状です)

機能増設用開口 黒い奴に機能を増設する際にご使用ください。

開口形状は minidsub9 ピンまたは minidsub15 ピンが設置できます。

非常停止ボタン 機械を非常停止する時に使用します。押したらロック、右まわしで解除。

外部非常停止増設用コネクタ 非常停止スイッチを外部に増設する時に使用します。

コネクタピンの 1 番と 2 番を短絡すると動作しますので、

増設時は A 接点のスイッチをご使用ください。

※非常停止ボタンの処理はソフト上で行われます。緊急時はメインスイッチを OFF にしてください。

機能増設用開口

富士電機インバーター

外部接続ポート

メインスイッチ

外部非常停止増設コネクタ

非常停止ボタン

コントローラー 裏面

X 軸モーター X 軸のステッピングモーターを繋ぐコネクタです。4 ピン

Y 軸モーター Y 軸のステッピングモーターを繋ぐコネクタです。4 ピン

Z 軸モーター Z 軸のステッピングモーターを繋ぐコネクタです。4 ピン

A 軸モーター A 軸のステッピングモーターを繋ぐコネクタです。4 ピン(オプション時)

主軸モーター 主軸モーターを繋ぐコネクタです。(3 ピン)

X 軸原点 X 軸の原点スイッチを繋ぐコネクタです。(3 ピン小)

Y 軸原点 Y 軸の原点スイッチを繋ぐコネクタです。(3 ピン小)

Z 軸原点 Z 軸の原点スイッチを繋ぐコネクタです。(3 ピン小)

A 軸原点 Z 軸の原点スイッチを繋ぐコネクタです。(3 ピン小※オプション時)

交流側ヒューズ 交流回路の安全ヒューズです。 10A(サイズφ6.35mm-31.8mm)

直流側ヒューズ 直流回路の安全ヒューズです。 8A(サイズφ6.35mm-31.8mm)

M4 タップ穴 黒い奴本体とフレームグランドを取る場合にご使用ください。

※各コネクタは誤挿入防止の為、サイズやピン数が異なるものを使用しています。

※A 軸に関わる電気的な接続は内部で行われていません。(通常は使用しません。)

Z 軸原点

外部出力 1(ポンプ)

X 軸原点 Y 軸原点

Z 軸モーター

A軸原点 外部出力 2

Y 軸モーター

X 軸モーター

電源コネクタ

A 軸モーター

放熱ファン

交流側ヒューズ

直流側ヒューズ

主軸モーター

機能増設用開口

ちち

M4 タップ穴

電装の説明

各軸独立の 3A バイポーラステッピングモータードライバを使用しています。

ドライバーのマイクロステップの細分は最高 1/125 です。(1 回転 25000 パルス)

標準出荷時は 1/4 1 回転 800 パルスの状態です。

駆動電流は 3A 設定

カレントダウンありで出荷しています。

電源電圧は DC18V から DC50V です。黒い奴は直流

48V で駆動しています。

出荷状態のスイッチ位置

上が OFF 下が ON です。

※デップスイッチの設定を変更する際は、必ずコントロ

ーラーの電源を OFF にしてください。

パソコンとの接続に使用している基板について

パラレルポート接続 http://sec1977suzuki.cart.fc2.com/ca55/112/p-r46-s/

技術資料 http://sec-suzuki.com/PALA-CNC-V2.pdf

イーサネット接続 http://www.warp9td.com/

技術資料

http://www.warp9td.com/files/ESS%20User's%20Manual%20Rev%200.1.pdf.zip

MACH3 のインストール

黒い奴は MACH3 という CNC ソフトで稼動します。

MACH3 は Artsoft のホームページよりダウンロードできます。

Artsoft のホームページ

http://www.machsupport.com/

トップページより Downloads にカーソルをあわせ Mach and LazyCam をクリックすると、ダウン

ロードのページにジャンプします。

ここをクリックするとダウンロードが始まります。

パソコンのデスクトップか適当な場所に保存します。

ダウンロードした Mach の実行ファイルを管理者として実行してインストールします。

※MACH はＣドライブ直下にインストールされます。通常のダブルクリックでインストールすると OS

やセキュリティーソフトの都合で正常にインストールできない場合があります。

※インストール後、必ずパソコンを再起動してください。

MACH の詳しいインストール方法については、ネットに情報が多数ありますので、ここでは詳細に説

明しません。ご了承ください。

MACH3 の設定

MACH3 をインストールすると C ドライブに mach3 のフォルダーが作られます。

このフォルダ内に配布されている設定ファイル(****.xml)をコピーして下さい。

ライセンスお買い上げの方はライセンスファイル(Mach1Lic.dat)も mach3 フォルダにコピーして下

さい。

イーサネット接続仕様の場合は、別紙の初期セットアップを実行して接続可能にして下さい。

Mach3 インストール時にデスクトップに作成される をダブルクリックして、設定ファ

イルを呼び出して下さい。

Ports and Pins の設定

パソコンとコントローラー間で通信する際の、様々な設定をします。

ポートアドレスとカーネルスピードの設定 (イーサネット接続は設定不要です。)

ここに記載された 0×378 という数字は使用するパラレルポートのアドレスです。

カーネルスピードは 35000Hz を設定してください。

ウインドウズのコントロールパネル→デバイスマネージャーからご使用のパラレルポートのプロパテ

ィを参照し、アドレスを確認することができます。

オンボードのパラレルポートを使用する際はデフォルトのアドレスが多いようですが、オプションでパ

ラレルポートを増設した場合は注意が必要です。

弊社で増設パラレルポートをテストした品番とメーカーは下記の通りです

Owltech 社 OWL-PCDPP25F/PE (PCI Express)

センチュリー社 CIF-P1PCle (PCI Express)

※PCI スロット接続のカードも 2 種類試験しましたが、弊社では正常な動作が確認出来ませんでした。

テストに使用パソコンについて マザーボード ECS 社 H55H-M

CPU Core i3 3.07GHz メモリ 4GB グラフィックボード NVIDIA GeForce 9500GT

設定が終わったら適用ボタンを押して値を確定させてください。

※パラレルポートの接続が出来ない場合は USB 接続ボード SmoothSteppes をオプションでご用意

しております。 必要な際は弊社まで御用命ください。

原点とソフトリミットの設定

原点復帰時の軸の動作やソフトリミットの値を設定します。

Config の Homing/Limits をクリックして値を写真のように設定します。

原点スイッチを使用して原点復帰をする(REF ALL HOME ボタン)と、機械座標が有効になり、機械座

標ベースでソフトウェアリミットが使用できるようになります。

入力信号の設定で原点と下限(Z は上限)を兼用する設定をしたので、ソフトリミットの座標 0 の時に下

限リミットを検出しないように、原点検出時に 1mm ずつオフセットをかけています。

原点検出時はソフトリミットをオフにしてください。

ソフトリミットボタン

原点検出後、機械座標をソフトリミットの範囲内に移動してからソフトリミットをオンにしてください。

以上で MACH の設定は完了です。

運転までの手順

MACH を起動します

秘密基地配布の設定プロファイルを使用する場合は、Mach3 Loader を立ち上げ

黒い奴のプロファイルを選択します。

OK を押すと、使用するコントローラーの選択画面になりま

す。

パラレルポート接続の場合は

Normal Printer port Operation

イーサネット接続の場合は

ESS_v**

を選択して下さい。

Mach3 を立ち上げたら、コントローラーのメインスイッチを ON にします。

※イーサネット接続の際は、先にコントローラーのスイッチを入れて下さい。

立ち上げ時に Mach3 の左下で点滅している Reset のボタンをクリックします。

リセットの点滅が解除されることを確認してください。

また、コントローラー前面の赤い非常停止ボタンを押すと MACH がリセット状態になることも、確認

してください。

この状態で運転可能になりました。

黒い奴特有の機能について

黒い奴は mach 上から主軸の ON-OFF 及び 回転数の設定が行えます。

24000 回転で主軸を回したい場合は

MDI モードのコマンドで

M03 S24000

と入力します。 停止は M30 G コード中でも、このコマンドが実行できます。

クーラントポンプ付き仕様の場合は mach 上から ON-OFF 出来ます。

ポンプを ON したい場合は

MDI モードのコマンドで

M08

と入力します。 停止は M30 G コード中でも、このコマンドが実行できます。

※電気的には外部出力コネクタの 1 ピンに+24 2 ピンに 0V が通電しますので、40W 程度の軽負荷を

つなぐことも可能です。

※クーラント仕様でない場合にはリレー等の 24V0.2A 以下の負荷に限られます。

クーラントポンプ付きの仕様での切削液は水溶性切削液をご使用ください。

ポンプに異物が混入しない様、吸水側にフィルター等ご設置ください。

使用しているチューブは耐油チューブで内径 6mm 外径 9mm です。

劣化したらホームセンター等でお買い求め下さい。

季節により、ホースが硬くポンプに取り付けにくい場合は、ホースをお湯等で

温めた後、ポンプに装着して下さい。

オイルトレードレン側配管のサイズは 1/2 です。ホームセンター等で 1/2 の継手をお求め下さい。

1/2 サイズのホース継手等をご利用下さい。

1/2 のソケットが溶接されています

Mach の一般的な使用方法については、ネットの情報等をご参考にお願いします。

Mach3 のホームページ http://www.machsupport.com/

弊社で使用しているおすすめの CAM AION http://nctool.jp/

ご不明な点等ございましたら、メールにてお問い合わせ下さい。

Ｓ．ラボ有限会社 info1@slab.jp