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大学スポーツが社会を変える-WAP(早稲田アスリートプログラム)を中心に-
2017年9月28日早稲田大学総長 鎌 田 薫
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1.大学スポーツの果たしてきた役割
・野球 1872年 旧制一高・サッカー 1874年 工学寮→師範学校・ラグビー 1899年 慶應義塾大学・漕艇 1905年 早慶レガッタ・バスケットボール 1908年 東京YMCA
1934年 早稲田、立教大学、東京商大・バレーボール 1908年 東京YMCA・アメリカンフットボール1920年一高、高等師範付属
1934年立教大学、明治大学、早稲田・ラクロス 1986年 慶應義塾大学
Ⅰ 新しいスポーツの導入と活性化
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1905年第一回早慶レガッタ出典:早稲田スポーツの一世紀
1905年早大野球部アメリカ遠征⇒ 新技術の持ち込み
野球用具(帽子・ユニフォーム・スパイク・グラブ等の洗練された用具)の導入
新しい野球技術の輸入:打撃重点・積極的攻撃打法・スクイズバンド・ヒットエンドラン・すべりこみ、練習法のみならずコーチャーの重要性、スコアブックの記入方法(後の「早稲田式スコアブック」)、審判法、団体的応援法など
橋戸信(ハシド マコト)著「最近野球術」が、遠征で得た新しい野球技術を紹介(野球体育博物館蔵)
Ⅱ 近代的なスポーツの理論・技術の導入・開発
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例) 早稲田大学野球部アメリカ遠征が日本の野球の近代化に貢献
出典:早稲田スポーツの一世紀
1908年9月 早大戸塚球場で日本初の日米学生対抗戦早大がアメリカのワシントン大学野球チームを招聘
入場料徴収(わが国初の入場料徴収は、1907年慶應vs.ハワイ・セントルイスチーム(綱町グラウンド)
Ⅱ 近代的なスポーツの理論・技術等の導入・開発
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従来の戸塚球場 木柵、土手を利用したスタンドを設置した戸塚球場で、入場料を徴収して対抗戦開催
出典:早稲田スポーツの一世紀
1917年12月日本統治時代の台湾に早大野球部遠征。その熱戦が台湾での野球人気につながった。
1931年夏の甲子園で準優勝した呉明捷(嘉義農林学校)は後に早稲田に進学し、東京六大学野球で、本塁打タイ記録を樹立、首位打者にもなった。
早大野球部は、2017年3月に、遠征100年を記念して台湾校友会から招待された。
Ⅲ 国外スポーツのレベルアップにも貢献
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呉 明捷投手銅像 2017年野球部台湾遠征
現在も、例えば競走部がラオス、スリランカのトップアスリートを迎えて、近代的な走法や練習方法を身につけさせるなど、国外への普及活動を行っている。
例)早大野球部が台湾の野球の本格的展開をもたらした
提供:アシックスジャパン株式会社
1906年 早慶戦、両校学生の加熱により、中止。 1925年 早慶戦復活 1929年春: 熱狂的なファンの出現
(徹夜組の出現、入場券の抽選制⇒ハガキ申込23万枚)★早慶野球戦が日本スポーツ界の最大のイベントとなる
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1925年復活した早慶戦(戸塚球場)1933年早慶戦:
りんご事件
Ⅳ 大学スポーツがスポーツ人気を牽引
出典:早稲田スポーツの一世紀提供:早稲田大学野球部
1946年春: 東京六大学野球再興神宮球場が米軍に接収され後楽園球場で実施早慶戦はファンが前夜から詰めかけて溢れかえる
1960年秋:早慶6連戦 6試合で合計38万人試合終了と同時に翌日の試合観戦のため切符売り場に長蛇の列、徹夜組も多数。
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Ⅳ 大学スポーツがスポーツ人気を牽引
出典:早稲田大学野球部百年史(下巻)5試合を投げ抜いた安藤投手
シーズン 試合数 総観客数 一試合平均 早慶戦平均 特記事項 優勝
1978春 37 841,000 22,730 52,500 早慶戦2試合江川卓選手4年生 法政
2007春 32 378,500 11,828 26,000 早慶戦3試合斎藤佑樹選手入学
早稲田
2016秋 36 296,000 8,222 14,000 早慶戦3試合 明治
しかし、一部の大学スポーツで人気に翳り?
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【東京六大学野球観客動員数】
(東京六大学野球連盟:WEBサイト、野球年鑑)
1973年春東京六大学リーグ戦優勝出典:早稲田大学野球部百年史(下巻)
2017年春東京六大学リーグ戦提供:早稲田スポーツ新聞会
【ラグビー早明戦】歴代最多:1982年の早明戦が66,999人(有料入場券販売数) 2007年:42,679人 2008年:25,710人 2013年:国立競技場最後の早明戦:46,961人 2016年:21,916人(秩父宮)
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2013年国立最後の早明戦 2012年ラグビー早明戦
(出典:日本スポーツ振興センター 『SAYONARA国立競技場56年の軌跡 1958-2014』
大学スポーツの低迷が当該スポーツ全体の人気衰退をもたらすリスクも
出典:早稲田大学ラグビー蹴球部WEBサイト
大学スポーツ(学生アスリート)のレベルアップ
そのためには、より科学的なスポーツ強化策を講ずること、産学官一体となった大学スポーツ支援体制の整備などが求められる。
一般学生・市民と大学スポーツの距離を縮める
そのためには、市民(とりわけ子供達)がスポーツに親しむ機会を増やすこと、アスリートの社会的ステータスを高めることなどが求められる。
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Ⅴ 大学スポーツに課せられた課題
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2.早稲田スポーツ
大隈重信は体育(スポーツ)の重要性を説き、
文武両道を奨励した。
「世の中にたって大事をなし得るものは、身体の強健なる
ものに限る。身体の強健を得るには、是非運動でなければ
ならぬ。……最後の月桂冠は、身体の強健にして精力の
優越なるものに帰する。」
「先ず体育を根本として人の人たる 形体を完全にし、
而して後道徳訓ふべく、知識導くべきのみ」
早稲田大学は、宿沢広朗氏(73年政経卒、ラグビー日本代表監督、三井住友銀行専務執行役員)、イラクで凶弾に倒れた奥克彦大使(81政経卒、早大ラグビー蹴球部、オックスフォード大ラグビー部)など文武両道を体現したアスリートを多数輩出してきた。
早稲田スポーツの歴史(総論)
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1882年 東京専門学校創立 1883年 東京専門学校運動会開催 1897年 東京専門学校「体育部」(課外活動)設置 1921年 「体育部」を早稲田大学「体育会」に改称 1949年 早稲田大学「体育部」(正規授業)設置 1952年 体育会と体育部を統合し、「体育局」を設置 2003年 「競技スポーツセンター」および「オープン教
育センター(保健体育部門)を設置し、前者が競技スポーツを統括し、後者が正規授業を担うこととなった。
※ 現在、44体育部を競技スポーツセンターが統括。
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早稲田スポーツの歴史(競技スポーツ)
1990年代の低迷をきっかけに、2000年以降の大学の将来構想 ・中長期計画等の中に「大学スポーツ」の振興を位置づけ、改革を継続的に実施。
2000年 「スポーツ振興協議会答申書」
2003年 競技スポーツセンター設置 (体育局の発展的改組)
2008年 「Waseda Next 125」、「早稲田アスリート宣言」の策定
2012年 「早稲田スポーツフェスタin東伏見」開始
2013年 「Waseda Vision 150」
- 「早稲田スポーツの新たな展開プロジェクト」
- 「早稲田アスリートプログラム」設計
2014年 「スポーツ振興協議会答申書」
- 東京オリパラの目標設定等
「早稲田アスリートプログラム」開始
2016年 「早稲田大学オリンピック・パラリンピック事業推進室」設置
競技スポーツの強化に向けた改革
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オリンピアン・パラリンピアン、プロ選手ほかトップアスリート、指導者、
その他に教育界、経済界など、各分野で活躍する人材やリーダーを輩出
●オリンピック 金14、銀21、銅21 を獲得 (夏季+冬季、学生・校友)
・織田幹雄氏 日本人初の金メダリスト (1928年)
●パラリンピック 金6、銀7、銅9を獲得(夏季+冬季、学生・校友)
・河合純一氏 個人で21個のメダル獲得 (2016パラリンピック殿堂入り)
早稲田競技スポーツの実績
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3. WAP(早稲田アスリートプログラム)
Waseda Vision 150
大学スポーツの価値を高める!↓
学生アスリート(Student-Athletes)の価値を高める!↓
社会を支えるグローバルリーダーを育成する!
↓
文武両道を高いレベルで実現し、ライフスキルプログラムで学生の成長を促進する
「WAP(早稲田アスリートプログラム)」を開始(2014)
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WAP(早稲田アスリートプログラム)とは
WAPは、早稲田大学の代表として戦う、すべての学生アスリート(体育部員)に提供する、組織的かつ統合的な教育プログラムです。
豊かな人間性を涵養するための「人格陶冶の教育プログラム」と、部員の学業をサポートする「修学支援プログラム」の2本の柱から成りたっています。
WAPでは、大学を代表する学生アスリートとして、ふさわしい基本的な心構え、知識、教養、社会で求められるスキルを学びます。
本学は、競技成績や勝利の追及のみでなく、文武両道を高いレベルで実践し、社会の様々な分野で活躍できるリーダーを育成します。
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WAP 2本の柱
人格陶冶のための
教育プログラム
アスリートとしての教養プログラム
キャリア形成支援プログラム
ボランティア・地域貢献活動支援プログラム
国際交流支援プログラム
修学支援
プログラム
学業情報管理と活用
部員指導とアカデミックアドバイス
成績優秀者の表彰(GPA:個人・部)
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WAP学年別目標1年生
• 学業と部活動を両立する生活習慣の確立する。• 早稲田大学と早稲田スポーツの歴史を理解し、大学を代表してプレーする誇りと自覚を持つ。
2年生• 上級生としての自覚と責任を持って後輩を指導するとともに、自立したアスリートになる。
• 社会を構成する一員としての高いモラルを持ち、早稲田アスリートにふさわしい言動ができる。
3年生• 課題解決についての明確なビジョンを持ち、チームの中で自分を活かす。• 社会において自ら率先して行動できる能力を身につける。
4年生• 最上級生としてのリーダーシップを発揮し、チームを目標達成に導く。• 文武両道の実践により培われた人間力で社会に貢献できる人材となる。
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提供:早稲田スポーツ新聞会
WAPをなぜ開始したのか
【 WAP開始記者会見(2014年4月)での最初の質問】・WAPを開始する理由は、やはり部員は成績が悪いからなのか?・成績の悪い部員は、出場させないのか。競技結果に悪影響は?
【本学のメッセージ】・成績が悪いからスタートするのではない。多くは4年間で卒業し文武両
道を実践。就職活動も良好。WAPは、さらなる高みを目指すプログラム。・部員の人間的成長を統合的・組織的に支援・推進。・修学支援の必要な部員への組織的サポート+成績優秀者の表彰・蓄積データ(学業成績、社会貢献)の分析と新施策へ
の展開。・情報発信(ボランティア、地域連携等)による活動紹介。・大学スポーツ(=人材育成)の目標の明確化
→部員の社会的評価向上
22提供:早稲田スポーツ新聞会
成果①人格陶冶のための教育プログラム
・すべての部員にテキストを配布、動画配信・教養プログラム(講演会、セミナー)・キャリア形成支援プログラム(キャリアセミナー)・ボランティア・地域貢献(スポーツ教室・障がい者支援
・震災復興)・各学期の振り返りレポート提出
⇓
・アスリートとしての教養の深まり。・出会いや発見が増え、部員の人間的成長の場の拡大。・部員の活動・成果が可視化され、関係者の理解促進。・高いレベルで人間的成長をめざす機運の上昇。・学生、指導者、関係者の満足度・評価が高い。
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・学業データを集約することに関する全部員、部長の了解。
・学内各種会議体におけるWAPの主旨説明。・所属学部、関係箇所の賛同を得、大学全体がWAP
開始に協力。・規則や運用内規を定め、制度化。
⇓
・OB・OG含む部全体で、高いレベルの文武両道を目指す機運の拡大。・スタート時と比較し、要指導部員(修得単位数不足)の比率低下。・成績優秀な部員を可視化・表彰。・44部でGPA1位の部員→所属学部の首席という例も散見。
成果②修学支援プログラム
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成果③『テキストブック』の市販化・広報
・2014年:WAPテキストブックを独自に作成し全部員に配布。・2016年:テキストを再編集し市販化(BookWay)。・WAPにおける各活動をWebサイト、SNS等で発信。
⇓・早稲田スポーツが進めていること(WAP)を
積極的に公開。・ 『テキストブック』を通じた指導者、学内関係者
にWAP理解促進。・他大学、学外(メディア、企業)の関心の高まり。
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成果④他大学、企業、メディアとの交流
・WAPの実施と情報発信
⇓・全国大学関係者との情報交換、交流機会の増加。・メディア(新聞、テレビ等)取材による、幅広い情報発信。・WAPと連動し、結果的に本学/早稲田スポーツの発信機会が増加。・一般、校友、受験生保護者等による評価。・「大学でスポーツをすることの価値観」の醸成。・早稲田スポーツ+部員の評価上昇
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提供 : 共同通信社
成果⑤アシックスとの組織的連携
・大学スポーツのあり方、理念について共感、一致・2016年 早大とアシックスの組織的連携開始
⇓・授業、教育プログラムへの協力・スポーツに関する共同研究・スポーツボランティアの支援・スポーツ教室の支援・キャンパスストアの設置・応援グッズの制作・販売・スポーツを「する」「見る」「応援する」
機会の提供・協力
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4.大学スポーツの振興に向けて
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SGU: 健康スポーツ科学拠点 アメリカヨーロッパ アジアオセアニア凡例●スポーツを多角的な視野から科学的に分析することで、競技
スポーツにおける記録向上や障害予防に加え、子供の健全な発達から中年者・高齢者の健康維持を図れるプログラムを一貫した視点から提供する。
●生命科学、運動生理学、フィジカル・セラピー、コーチング、スポーツ文化社会学・ビジネスなど幅広い学術的視点から地球社会の人々への予防医学的な貢献を果たすことを目指している。
●運動・神経生理学、スポーツマネジメントなどの国際学会の中心となる研究者を擁し、同時にスポーツ医学とトレーニング理論の専門家を養成してきた伝統から、サッカー女子日本代表フィジカルコーチ、五輪水泳チームドクター、JOC本部ドクターなどの専門指導者を擁す。
●世界的な子どもの不活動、要介護高齢者など、世界中が直面する子どもと中高年の「心身」の問題をスポーツ科学を通して解決することを目指した教育研究拠点を形成する。
●スポーツを多角的な視野から科学的に分析することで、競技スポーツにおける記録向上や障害予防に加え、子供の健全な発達から中年者・高齢者の健康維持を図れるプログラムを一貫した視点から提供する。
●生命科学、運動生理学、フィジカル・セラピー、コーチング、スポーツ文化社会学・ビジネスなど幅広い学術的視点から地球社会の人々への予防医学的な貢献を果たすことを目指している。
●運動・神経生理学、スポーツマネジメントなどの国際学会の中心となる研究者を擁し、同時にスポーツ医学とトレーニング理論の専門家を養成してきた伝統から、サッカー女子日本代表フィジカルコーチ、五輪水泳チームドクター、JOC本部ドクターなどの専門指導者を擁す。
●世界的な子どもの不活動、要介護高齢者など、世界中が直面する子どもと中高年の「心身」の問題をスポーツ科学を通して解決することを目指した教育研究拠点を形成する。
●アジアにおけるスポーツ科学の研究教育のハブを構築すべく英語による大学院研究教育プログラムを開設し、優秀な学生・研究者の国際流動拠点とする。欧米、オセアニアなどの協定校から著名な研究教育者を招聘し、大学院で研究教育の場を提供すると共に、先進的大学との連携やネットワークを構築する。
● 国際研究教育における2つの領域を設定1.スポーツビジネスとマネジメント2.スポーツと健康の科学
●アジアにおけるスポーツ科学の研究教育のハブを構築すべく英語による大学院研究教育プログラムを開設し、優秀な学生・研究者の国際流動拠点とする。欧米、オセアニアなどの協定校から著名な研究教育者を招聘し、大学院で研究教育の場を提供すると共に、先進的大学との連携やネットワークを構築する。
● 国際研究教育における2つの領域を設定1.スポーツビジネスとマネジメント2.スポーツと健康の科学
・QS University Rankingで世界トップ10にランクイン・卓越した外国人教育研究者の雇用・英語による修士課程、博士課程の卒業生の国際的な活躍・連携大学で海外研修する博士課程学生の増大・国際提携校とのJAプログラム設定と実施
・QS University Rankingで世界トップ10にランクイン・卓越した外国人教育研究者の雇用・英語による修士課程、博士課程の卒業生の国際的な活躍・連携大学で海外研修する博士課程学生の増大・国際提携校とのJAプログラム設定と実施
学位・人事等の取組、数値目標
拠点の特長
国際流動に資する活動内容
教育研究力のランキング上昇に向けて
KasetsartUniversity
National Taiwan Normal University
Brock University
Loughborough University
Deutsche SporthochschuleKöln
WasedaUniversity
スポーツ科学学術院
【欧州】・ユヴァスキュラ大学
【東南アジア】・タマサート大学
ChulalongkornUniversity 【東アジア】
・北京大学・台北市立大学・台湾国立体育大学
2017年QS University Rankingのsports-related subjectにおいて国内1位、世界19位である。今後、同ランキング1位のラフバラ大学やケルン体育大学・ユヴァスキュラ大学等との共同研究を推進する。また、卓越した研究実績を有する研究者を国際公募により採用することや、研究業績の高い現行教員に対する支援策を講じ、実施することにより、本分野の論文数や被引用数は飛躍的な増加が見込まれる。
2017年QS University Rankingのsports-related subjectにおいて国内1位、世界19位である。今後、同ランキング1位のラフバラ大学やケルン体育大学・ユヴァスキュラ大学等との共同研究を推進する。また、卓越した研究実績を有する研究者を国際公募により採用することや、研究業績の高い現行教員に対する支援策を講じ、実施することにより、本分野の論文数や被引用数は飛躍的な増加が見込まれる。
Ⅰ スポーツ科学の推進
30※QS分野別ランキング2017 スポーツ関連分野より抜粋
Ⅰ スポーツ科学の推進
現役学生の育成プログラムとして2014年度から早稲田アスリートプログラム(WAP)を実施。
スポーツ科学部でのスポーツ科学の教育・研究に加え、人間科学部e-schoolに羽生結弦やJリーガーなど現役トップアスリートが多数在学しており、海外での活動が多いアスリートの学習、セカンドキャリア、デュアルキャリア形成を支援する有効な手段となっている。
スポーツ科学研究科1年コースで、アスリートのセカンドキャリア形成、スポーツ指導者、トレーナーなどの学習・研究支援。
公認指導者(約190名)について、大学と委任契約を締結し、権限と責任を明確化。
公認コーチ:部員20名につき1名ずつ増員可能。 コーチサミットを通じで、指導者間のコミュニケーション、ディカッション
の場を提供
Ⅱ 優れたアスリート、指導者、社会人の養成
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地域と大学の連結点としてのスポーツ
早稲田スポーツフェスタin東伏見:2012年開始。競技スポーツセンターが、体育部員800名とともに開催するスポーツイベント。毎年5000人の子供を中心とした地域住民が参加。
Ⅲ スポーツの普及、地域貢献
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プレイボールプロジェクト:
野球部OB有志と大学が連携。
12月のオフシーズンを利用し、現役プロ野球選手(ソフトバンク
和田毅投手、NYメッツ青木宣親選手、日ハム斎藤佑樹投手、
有原航平投手等)も参加。
野球少年対象の野球ゲーム、野球未経験者対象の野球あそび、
指導者対象の指導教室、現役選手による模範プレイ等。
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Ⅲ スポーツの普及、地域貢献
ASO-VIVA(アソビバ):野球部OB有志と大学が連携。西東京市を中心とする小学生対象。野球あそびを経験し、野球を愛する人の裾野拡大を進めている。
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Ⅲ スポーツの普及、地域貢献
震災復興ボランティア:体育各部の部員が、東日本大震災被災地を中心に、中高校生に対するスポーツ技能指導、子供向けスポーツ教室、学習支援、募金活動などを展開。 陸前高田市では、毎年、ア式蹴球部を中心に、少年サッカー・成人サッカーの大会「早稲田カップ」を展開。
NPO法人WASEDA CLUB:17種目におよぶスポーツスクール事業を中心とした活動。早稲田大学の体育部と連携し、東伏見キャンパス等を使用して活動している。施設提供だけでなく、スポーツチームのコーチやスタッフ、選手たちが活動に参加し、高度なレベルのソフトを提供。
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Ⅲ スポーツの普及、地域貢献
出典:WASEDA CLUB WEBサイト
「大学スポーツの振興に関する検討会議」
タスクフォース取りまとめ概要【抜粋】
【課題】学生アスリートの学業環境への支援、運動部局の運営、大学の教育・研究との連携、学連間の連携等の課題が山積し、抜本的な改革が求められている。
↓【日本版NCAAの創設構想】大学スポーツ全体を統括し、その発展を戦略的に推進する組織が必要。
↓【日本版NCAAの理念】スポーツを通じた学生の人格形成を図るとともに、母校や地域の一体感を醸成し、地域・経済の活性化や人材の輩出に貢献すること。
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提供:早稲田スポーツ新聞会
大学スポーツの振興に向けて
日本版NCAAが大学スポーツの理念を明確化するとともに、オール・ジャパンでのスポーツ振興策を強力に牽引することを大いに期待する。
大学スポーツは、アスリートの育成のみならず、スポーツ・サポーターの育成・拡充に重要な意義をもっている。
少なくとも大都市圏の私立大学にとって、キャンパスの近傍に競技・練習施設や合宿所を設けることが著しく困難になっており、そのことがアスリートの練習・学業に支障を来しているだけでなく、一般学生との距離を広げている。また、児童・生徒・学生・市民が日常的にスポーツに親しむ環境を整えることがスポーツの発展に強固な基盤を形成する。こうしたことを意識した公的支援策、あるいは産学官の協働のあり方について早急に検討し、具体策を実現することを期待する。
大学スポーツをめぐる体育部、そのOB・OGや父母、学生競技団体、大学(学校法人)および関連企業等の役割(施設整備や日常的な活動費の負担のあり方を含む)が必ずしも明確かつ効率的になっているとは言えない。とりわけ、学生の健康管理と学業のあり方、監督・コーチの権限と責任等について、早急に明確な指針を示すことが求められる。
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ご清聴有り難うございました。
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