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改訂生物基礎 1編1章2節 No.2(教 p.18~p.25)
2節 生物の共通性としての細胞
A 生物の基本単位
〔1 細胞 〕… 生物の体をつくる基本単位である。すべての〔1 細胞 〕は,
〔2 細胞膜 〕に包まれた構造をもつ。
*〔1 細胞 〕の構造は,1つの細胞からなる〔3 単細胞生物 〕でも,多数の
細胞からなる〔4 多細胞生物 〕でも,共通してみられる特徴である。
* 多くの生物では,〔1 細胞 〕の大きさが 1~100 µm(マイクロメートル)であ
る。1µm=1/1000 mm,1 nm(ナノメートル)=1/1000µm(p.18 図 7)
B 細胞の多様性
〔5 真核細胞 〕… 〔6 核 〕をもつ細胞。
〔6 核 〕,〔7 ミトコンドリア 〕,〔8 葉緑体 〕
などの膜でつくられた複雑な構造をもつ。
例)動物細胞,植物細胞,菌類の細胞など
〔9 原核細胞 〕… 核をもたない細胞。
例)〔10 細菌 〕の細胞
〔11 真核生物 〕… 〔5 真核細胞 〕からなる生物。
〔12 原核生物 〕… 〔9 原核細胞 〕からなる生物。
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コラム 単細胞生物と多細胞生物(p.19 図 a)
〔3 単細胞生物 〕… 1つの〔1 細胞 〕からなり,その〔1 細胞 〕
内ですべての生命活動を行う生物。
例)ゾウリムシ,クラミドモナスなど
〔4 多細胞生物 〕… さまざまな形や機能に分化した複数の〔1 細胞 〕
からなる生物。 類似した〔1 細胞 〕が集まって
〔13 組織 〕をつくり,いくつかの〔13 組織 〕
が集まって特定のはたらきをする〔14 器官 〕を形
成する。
例)動物,植物など
*〔15 細胞群体 〕(細胞分裂によって増えたクラミドモナス型の細胞がばら
ばらにならずにつくる構造)をつくる生物もいる。例)ボルボックスなど
コラム 身近な原核生物
大腸菌やシアノバクテリアなどを含む〔10 細菌 〕は,原核生物である。細
菌は,生態系のなかで,動物の遺体や排出物,植物の枯死体のような有機物を分
解するなどの重要なはたらきをしている。また,私たちは古くから食品加工など
に〔10 細菌 〕を利用してきた。
(1) 〔10 細菌 〕の例
① 大腸菌 … 病原性をもつ大腸菌はほんの一部である。病原性をもたない
多くの種類の大腸菌が,腸内環境の維持に役立っている。ま
た,生物学の研究にも大きく貢献している。
② 乳酸菌 … ヨーグルトやチーズの製造に用いる。
③ 淡水生シアノバクテリア … 水前寺海苔の原料。
(2) 群体などをつくっている原核生物は,肉眼で見ることができる。
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Ⅽ 細胞の共通性
〔5 真核細胞 〕と〔9 原核細胞 〕の構造の比較
〔5 真核細胞 〕と〔9 原核細胞 〕では,〔1 細胞 〕の大きさや〔1 細胞 〕
内部の構造が異なるが,〔2 細胞膜 〕で包まれ,〔1 細胞 〕内部に遺伝子の本
体である〔16 DNA(デオキシリボ核酸) 〕という物質をもつという共通した特徴
をもつ。(p.22 図 11)
Ⅾ 真核細胞の構造
(1) 〔5 真核細胞 〕の構造
* 〔22 細胞小器官 〕や〔18 細胞質基質 〕には,さまざまな〔23 酵素 〕
〔5 真核細胞 〕
〔6 核 〕… 一般に,〔5 真核細胞 〕には1つある。内部には,
〔20 染色体 〕がある。
〔21 細胞質 〕… 細胞の〔6 核 〕以外の部分。〔22 細胞小器官 〕
があり,それぞれが特定の機能を分担。
〔22 細胞小器官 〕の間を〔18 細胞質基質 〕
という液状の成分が満たしている。
9 原核細胞 17 細胞壁
18 細胞質基質
5 真核細胞
7 ミトコンドリア
18 細胞質基質
17 細胞壁
8 葉緑体 19 液胞
5 真核細胞
6 核
2 細胞膜
17 細胞壁
6 核
8 葉緑体
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が含まれていて,物質の合成や分解などの化学反応が行われている。
* 植物細胞は,〔2 細胞膜 〕の外側を〔17 細胞壁 〕が取り囲む。
〔17 細胞壁 〕のおもな成分は〔24 セルロース 〕で,〔1 細胞 〕の形を決
めるはたらきや,〔1 細胞 〕どうしを結び付けるはたらきをしている。
(2) 〔5 真核細胞 〕の構造とはたらき
● 〔6 核 〕… 核の内部の〔20 染色体 〕のおもな成分は〔16 DNA 〕と
〔25 タンパク質 〕である。〔20 染色体 〕は,酢酸オル
セインや〔26 酢酸カーミン 〕などの染色液によって染まる。
● 〔21 細胞質 〕
〔7 ミトコンドリア 〕… 球形あるいは円筒形。〔27 呼吸 〕によりエネル
ギーを取り出すはたらきを行う。
〔8 葉緑体 〕… 紡錘形で植物細胞にみられる。〔28 クロロフィル 〕とい
う色素を含み,光エネルギーを吸収して〔29 光合成 〕
を行う。
〔19 液胞 〕… 成熟した植物細胞で顕著にみられる。細胞液で満たされてお
り,糖や〔30 無機塩類 〕の貯蔵,〔30 無機塩類 〕の濃
度調節などのはたらきをしている。植物細胞の種類によって
は,色素である〔31 アントシアニン 〕を含んでいること
がある。
〔18 細胞質基質 〕…〔22 細胞小器官 〕の間を満たしている液状の成分。
コラム 原核細胞と真核細胞の構成成分
〔9 原核細胞 〕と〔5 真核細胞 〕の構成成分(p.23 図 a)
水,有機物{〔25 タンパク質 〕,脂質,炭水化物,核酸(〔16 DNA 〕また
は RNA)など},無機物など
* それぞれの有機物は,
〔1 細胞 〕の生命
活動を支える物質と
しても重要なはたら
きを担う。
例)〔25 タンパク質 〕
(代謝の際の酵素),
核酸(遺伝物質)など
細
胞
質
細
胞
小
器
官
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電子顕微鏡で明らかになった細胞の構造(p.24 図 a)
〔6 核 〕〔7 ミトコンドリア 〕〔8 葉緑体 〕
…〔32 2枚の膜 〕でできた構造。
〔33 リボソーム 〕…〔16 DNA 〕の遺伝情報に基づいて,〔25 タンパク質 〕
が合成される場。
〔34 小胞体 〕… 表面に〔33 リボソーム 〕が付着した〔35 粗面小胞体 〕
と,付着していない〔36 滑面小胞体 〕とがあり,
〔25 タンパク質 〕の運搬,脂質の合成などに関係。
〔37 ゴルジ体 〕… 〔1 細胞 〕内でつくられた物質を小胞に取り込み,
〔1 細胞 〕外へ〔38 分泌 〕する。
〔39 リソソーム 〕… 内部には〔23 酵素 〕が含まれていて,不要な物質の分
解などを行う。
〔40 中心体 〕… おもに動物細胞の細胞分裂にかかわる。一般的に,植物細胞で
はみられない。
7 ミトコンドリア 40 中心体
6 核 35 粗面小胞体
41 核小体
36 滑面小胞体
33 リボソーム
39 リソソーム
18 細胞質基質
7 ミトコンドリア
6 核
41 核小体
37 ゴルジ体
42 リン脂質
42 リン脂質
8 葉緑体
33 リボソーム
18 細胞質基質
37 ゴルジ体
36 滑面小胞体
35 粗面小胞体
19 液胞
2 細胞膜
25 タンパク質
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! 1章2節のポイント
◎〔2 細胞膜 〕の構造
〔2 細胞膜 〕… 〔1 細胞 〕の内部と外部を隔てる重要なはたらきをもつ。
おもに〔42 リン脂質 〕と〔25 タンパク質 〕とで構成
されている。
* 水を通すが,多くの溶質を通しにくい〔43 半透性 〕と呼ばれる性質をもつ。
* 〔42 リン脂質 〕は,親水性の部分を外側に,疎水性の部分を内側にして,
二重に並んだ構造をしているため,〔2 細胞膜 〕の断面を電子顕微鏡で観
察すると,暗・明・暗の構造が観察される。
* 〔25 タンパク質 〕は,イオンや物質の輸送や,情報伝達の役割を担う。
〔44 生体膜 〕… 〔7 ミトコンドリア 〕や〔8 葉緑体 〕といった
〔22 細胞小器官 〕でもみられる,〔2 細胞膜 〕と同様
の構造の膜。
コラム 細胞の発見と顕微鏡
1665年 〔45 フック 〕(イギリス)
… 2枚のレンズを使用した顕微鏡を使って無数の中空の構造を発見。
これを〔1 細胞 〕「cell」と名付け,「ミクログラフィア」に発表。
*〔46 コルク 〕の切片を検鏡したが,実際に観察したのは〔17 細胞壁 〕
で,中の〔21 細胞質 〕は失われていた。
19世紀 〔47 シュライデン 〕(ドイツ)…植物細胞を観察。
〔48 シュワン 〕(ドイツ) …動物細胞を観察。
* すべての生物は,〔1 細胞 〕を基本単位としてできていることを主張。
1930年代 〔49 ルスカ 〕ら … 電子顕微鏡を開発。光の代わりに〔50 電子線 〕
を用いる。現在では,0.1~0.2nmの大きさのもの
まで見ることができる。
すべての細胞は,細胞膜に包まれた構造と DNAをもつ。
生物は,真核細胞からなる真核生物と,原核細胞からなる原核生
物に分けられる。真核細胞は,細胞小器官をもつ。
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MEMO
(1) 生物の基本単位
* ヒトの細胞 … 数十兆個からなる。
* 核,ミトコンドリア,葉緑体 … 二重の膜と独自の DNAをもつ。
* 核小体 … 核内にあり,タンパク質と RNAを含む。
(2) 細胞研究の歴史
1590年 ヤンセン父子(オランダ)… 初めて顕微鏡を作成。
1665年 フック(イギリス) … コルクの切片から,細胞を発見。
1674年 レーウェンフック(オランダ) … 初めて生きた細胞を観察。
1831年 ロバート・ブラウン(イギリス)… 細胞の核を発見。
1838年 シュライデン(ドイツ)植物
1839年 シュワン(ドイツ)動物
*細胞説 … 生物は,細胞を基本単位としてできているという説。
*その後,フィルヒョー(ドイツ)が「細胞は細胞から生じる」
と唱えて,現在の細胞説となる。
(3) 顕微鏡
* 分解能 … 2つの点を見分けることができる最小の距離。
肉眼 … 約 0.1mm
光学顕微鏡 … 約 0.2μm
電子顕微鏡 … 約 0.1~0.2nm
(4) 細胞の観察
① 固定液 … 酢酸,カルノア液,ホルマリン,エタノールなど
② 染色液 … 酢酸オルセイン(核),酢酸カーミン(核),ヤヌスグリーン
(ミトコンドリア),サフラニン(細胞壁),中性赤(液胞),
スダンⅢ(脂肪)など
(5) 細胞分画法
細胞を等張のスクロース液に入れて破砕し,超遠心分離機にかけ,細胞の構造
物を大きさや密度の違いで分離する方法(大きくて重いものから分離)。
核・細胞破片>葉緑体>ミトコンドリア>小胞体・リボソーム
…細胞説の提唱。