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堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 平成29年3月 国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課

堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

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堤防等河川管理施設の点検結果評価要領

参考資料

平成29年3月

国土交通省 水管理・国土保全局

河川環境課

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堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料

目 次

1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連 ........... 1

1.1 土堤 ...................................................................... 1

1.2 護岸 ...................................................................... 3

1.3 特殊堤・高潮堤防 .......................................................... 5

1.4 鋼矢板護岸 ................................................................ 7

1.5 樋門・樋管 ................................................................ 8

1.6 水門 ..................................................................... 17

1.7 堰 ....................................................................... 20

2 点検結果評価記録様式 .......................................................... 23

2.1 堤防および護岸・鋼矢板護岸、特殊堤・高潮堤防の点検結果評価記録様式 ....... 23

2.2 樋門・樋管、水門、堰の点検結果評価記録様式 ............................... 26

3 事例写真集 .................................................................... 29

【巻末資料】堤防等河川管理施設の点検結果評価要領について .......................... 72

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- 1 -

1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状箇所ごとの点検結果の評価を実施する際の判定目安は、各河川の特性に応じて、河川ごと

に設定するものとする。参考として、既往文献やこれまでの河川管理施設の維持管理の実績を踏

まえて判断した変状の判定例を本節に示すが、今後、知見の積み重ねや本要領の運用による事例

収集、課題の整理等を踏まえ、必要に応じて、内容の見直し・充実を図るものとする。

特に堤防は、過去幾度にも渡って築造や補修が繰り返されて現在に至る土構造物であるため、

構成される材料の品質は不均一である場合が多い。このため、定量的な判定基準を示すだけの技

術的なデータが現時点では揃っていない。これまでの堤防の点検やその結果の評価は、技術者の

経験等に頼って実施されており、今後も河川維持管理に経験のある技術者による点検や評価を継

続するものとし、今後、有用な技術的データが蓄積され、分析が可能となった時点で、定量的な

判定基準を設けるものとする。

1.1 土堤 土堤の評価は表-1に示す機能に着目し、機能低下の状態を判断するものとする。

表-1 土堤の機能低下の状態

機能 機能低下の状態

越水防止機能

【沈下】

・堤体あるいは基礎地盤の沈下により所要の高さが確保できない状態で、越水防止機

能が損なわれるもの。

耐浸透機能

【すべり破壊】

・洪水時に河川水あるいは降雨が堤体に浸透することによって間隙水圧が上昇し、堤

体の強度が低下して堤体すべりが生じる状態で、耐浸透機能が損なわれるもの。

【パイピングの発生】

・洪水時の河川水が基礎地盤に浸透することによって間隙水圧が上昇し、土粒子が移

動しパイピングが生じる状態で、耐浸透機能が損なわれるもの。

耐侵食機能

【侵食】

・雨水あるいは洪水時の流水の掃流力により堤体表面あるいは裏法尻部等に侵食が生

じ、耐侵食機能が損なわれるもの。

■ 点検・評価部位

土堤の評価対象箇所は、図-1に表記した土堤部(天端、表法面、裏法面、小段、裏法尻)及び

堤脚保護工とする。

図-1 堤防の構造

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- 2 -

土堤は、越水防止機能、耐浸透機能及び耐侵食機能に着目し、以下のような点検事項の評価を

実施する。

表-2 土堤の点検事項 機

機能低下

の状態

変状種別

堤防等河川管理施設及び河道の点検要領の記載

項目 箇所 点検事項

沈下 [1]亀裂

土堤

法面・小段 ・ 法面・小段の亀裂、陥没、はらみだし、法崩れ、寺勾配化、侵食等はな

いか(あるいは出水期前よりも進行していないか)

天端 ・ 堤防天端及び法肩に亀裂、陥没、不陸、沈下等の変状はないか(ある

いは出水期前よりも進行していないか)

[2]陥没や不陸

土堤

法面・小段 ・ 法面・小段に不陸はないか

天端 ・ 堤防天端及び法肩に亀裂、陥没、不陸、沈下等の変状はないか(ある

いは出水期前よりも進行していないか)

[4]沈下 土堤 天端

・ 堤防天端及び法肩に亀裂、陥没、不陸、沈下等の変状はないか(ある

いは出水期前よりも進行していないか)

[6]はらみ出し 土堤 法面・小段

・ 法面・小段の亀裂、陥没、はらみだし、法崩れ、寺勾配化、侵食等はな

いか(あるいは出水期前よりも進行していないか)

[8]モグラ等の小動物

の穴 土堤

・ モグラ等の小動物の穴が集中することによって、堤体内に空洞を生じて

いないか

・ モグラ等の小動物の穴が集中していた箇所に陥没等を生じていないか

すべり

破壊

[1]亀裂 土堤 法面・小段

・ 法面・小段の亀裂、陥没、はらみだし、法崩れ、寺勾配化、侵食等はな

いか(あるいは出水期前よりも進行していないか)

[2]陥没や不陸 土堤 法面・小段

・ 法面・小段に不陸はないか

・ モグラ等の小動物の穴が集中していた箇所に陥没等を生じていないか

土堤 天端 ・ 堤防天端及び法肩に亀裂、陥没、不陸、沈下等の変状はないか(ある

いは出水期前よりも進行していないか)

[3]法崩れ 土堤 法面・小段

・ 法面・小段の亀裂、陥没、はらみだし、法崩れ、寺勾配化、侵食等はな

いか(あるいは出水期前よりも進行していないか)

[5]堤脚保護工の変形 土堤

・ 堤脚保護工の変形はないか(あるいは出水期前よりも進行していない

か)

[6]はらみ出し 土堤 法面・小段

・ 法面・小段の亀裂、陥没、はらみだし、法崩れ、寺勾配化、侵食等はな

いか(あるいは出水期前よりも進行していないか)

[7]寺勾配 土堤 法面・小段

・ 法面・小段の亀裂、陥没、はらみだし、法崩れ、寺勾配化、侵食等はな

いか(あるいは出水期前よりも進行していないか)

[8]モグラ等の小動物

の穴 土堤 法面・小段

・ モグラ等の小動物の穴が集中することによって、堤体内に空洞を生じて

いないか

・ モグラ等の小動物の穴が集中していた箇所に陥没等を生じていないか

[9]排水不良

土堤 法面・小段

・ 雨水排水上の問題となっているような、小段の逆勾配箇所や局所的に

低い箇所がないか

・ 法面及び小段が泥濘化しているような箇所はないか

パイピング

破壊

[1]亀裂 土堤 法面・小段

・ 法面・小段の亀裂、陥没、はらみだし、法崩れ、寺勾配化、侵食等はな

いか(あるいは出水期前よりも進行していないか)

[2]陥没や不陸 土堤 法面・小段 ・ 法面・小段に不陸はないか

土堤 天端 ・ 堤防天端及び法肩に亀裂、陥没、不陸、沈下等の変状はないか(ある

いは出水期前よりも進行していないか)

[8]モグラ等の小動物

の穴 土堤 法面・小段

・ モグラ等の小動物の穴が集中することによって、堤体内に空洞を生じて

いないか

・ モグラ等の小動物の穴が集中していた箇所に陥没等を生じていないか

[9]排水不良

土堤 法面・小段

・ 雨水排水上の問題となっているような、小段の逆勾配箇所や局所的に

低い箇所がないか

・ 法面及び小段が泥濘化しているような箇所はないか

・ 局部的に湿性を好む植生種が群生していないか

土堤 裏法尻部 ・ 堤脚付近の排水不良に伴う浸潤状態はないか

・ しぼり水でいつも浸潤状態のところはないか

[12]漏水・噴砂 土堤 裏法尻部 ・ 法尻付近の漏水、噴砂はないか

侵食 [2]陥没や不陸 土堤 法面・小段

・ 法面・小段に不陸はないか

・ モグラ等の小動物の穴が集中していた箇所に陥没等を生じていないか

土堤 天端 ・ 堤防天端及び法肩に亀裂、陥没、不陸、沈下等の変状はないか(ある

いは出水期前よりも進行していないか)

[8]モグラ等の小動物

の穴 土堤 法面・小段

・ モグラ等の小動物の穴が集中することによって、堤体内に空洞を生じて

いないか

・ モグラ等の小動物の穴が集中していた箇所に陥没等を生じていないか

[10]樹木の侵入 土堤 法面・小段 ・ 樹木の侵入、拡大は生じていないか

[11]侵食(ガリ)・植生

異常 土堤 法面・小段

・ 張芝のはがれ等、堤防植生、表土の状態に異常はないか(あるいは出

水期前よりも進行していないか)

・ 坂路・階段取り付け部の路面排水の集中に伴う洗堀、侵食がないか

土堤 天端 ・ 天端肩部が侵食されているところはないか(あるいは出水期前よりも進

行していないか)

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1.2 護岸 護岸は表-3 に示す機能に着目し、機能低下の状態を判断するものとする。

表-3 護岸の機能低下の状態

機能 機能低下の状態

耐侵食機能

【護岸の損壊】

・洪水流による流体力や流下物の衝突、洗掘、材質の劣化等によって護岸工が破

損し、耐侵食機能が損なわれるもの。

・護岸工の隙間から護岸背後の土砂が吸い出され、護岸自体が洪水によって流出

しやすくなった状態。

耐浸透機能

【漏水の発生】

・洪水流による流体力や流下物の衝突、材質の劣化等によって護岸工が破損し、

耐浸透機能が損なわれるもの。

■ 点検・評価部位

護岸の評価対象施設・箇所は、図-1 に表記した護岸部(堤防護岸、高水護岸)とする。なお、

低水護岸は原則として評価対象外とするが、堤防防護ラインよりも堤防側に設置されており、土

堤と一体となって防護しているものは評価対象とする。

■ 護岸の点検・評価対象

護岸の種類は多種多様であるが、本要領においては、表-4 の代表的な9種類を基本とした判定

目安について示している。

また、高水護岸の構造形式は、一般的に、漏水・浸透対策のための護岸と漏水・浸透対策のた

めの護岸の2つに分類される。漏水・浸透対策のための護岸は、遮水矢板と遮水シートによる漏

水・浸透対策が施された構造となっており、近年では覆土等による被覆が施されている例も多い。

このため、評価にあたっては、それぞれの構造形式の設置目的が異なる点に留意が必要である。

なお、このような護岸については、本参考資料を参考に、事務所の関係各部署が参加する横断

的連絡調整会議等で組織として評価するものとする。

表-4 護岸の評価対象種類

構造 種類 概要

張り構造

ブロック張り護岸 裏込コンクリートを打設し、コンクリートブロックを設置する工法

練石張り護岸 裏込コンクリートを打設し、自然石や間知石を設置する工法

空石張り護岸 石材をかみ合わせて法面に設置する工法

積み構造

ブロック積み護岸 裏込コンクリートを打設し、コンクリートブロックを設置する工法

練り石積み護岸 裏込コンクリートを打設し、自然石や間知石を設置する工法

空石積み護岸 石材をかみ合わせて法面に設置する工法

その他

法枠護岸 法面にコンクリート枠を設置し、石材や張りコンクリートで枠内を覆う工法

連節ブロック護岸 コンクリートのブロックを鉄線等にて連結し、法面に敷設する工法

鉄線籠型護岸 鉄線の網を籠状に組み、石材を充填する工法

※1 勾配が 1:1.0 以上の場合は張り構造、1:1.0 未満の場合は積み構造とする

※2 上記の護岸の種類のうち、遮水矢板や遮水シートが設置された護岸を漏水・浸透対策護岸に分

類し、遮水矢板・遮水シートが設置されていない護岸を一般的な侵食、洗掘対策護岸に分類す

る。

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護岸は、耐侵食機能と耐浸透機能に着目し、以下のような点検事項の評価を実施する。

表-5 護岸の点検事項

機能低下

の状態

変状種別

堤防等河川管理施設及び河道の点検要領の記載

項目 箇所 点検事項

護岸の損壊 [13]護岸の破損 護岸 堤防護岸

高水護岸

低水護岸

・ 堤防護岸・高水護岸に目地の開き、亀裂、破損等

の変状はないか

・ 堤防護岸・高水護岸に浸透対策として表法面に被

覆工が施されている箇所において、遮水シートの露

出や破断がないか

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じてい

ないか

・ コンクリートブロックや捨て石等の積み構造が、沈

下、崩れ等の変形を生じていないか

・ 低水護岸に沈下、崩れ、陥没等変状発生が懸念さ

れる河床低下や局所洗掘が生じていないか

[14]はらみ出し 護岸 堤防護岸

高水護岸

低水護岸

・ コンクリートブロック等の積み構造が、はらみ出しを

生じていないか

[15]基礎部の

洗掘

護岸 堤防護岸

高水護岸

低水護岸

・ 護岸及びその端部に洗堀、侵食がないか

・ 低水護岸に沈下、崩れ、陥没等変状発生が懸念さ

れる河床低下や局所洗掘が生じていないか

[16]端部の侵食 護岸 堤防護岸

高水護岸

低水護岸

・ 護岸及びその端部に洗堀、侵食がないか

漏水の発生 [13]護岸の破損 護岸 堤防護岸

高水護岸

・ 堤防護岸・高水護岸に浸透対策として表法面に被

覆工が施されている箇所において、遮水シートの露

出や破断がないか

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1.3 特殊堤・高潮堤防 特殊堤・高潮堤防本体の評価は表-6 に示す機能に着目し、機能低下の状態を判断するものとす

る。

表-6 特殊堤・高潮堤防本体の機能低下の状態

機能 機能低下の状態

越水防止機能

【本体の破損】

・洪水流による流体力や流下物の衝突等によって本体が破損し、遮水性の低下によ

り越水防止機能が損なわれるもの。

・基礎地盤の沈下や支持力不足、地震時の液状化などにより、本体全体が沈下し、

所要の高さが確保できない状態で、越水防止機能が損なわれるもの。

耐侵食機能

【本体の破損】

・洪水流による流体力や流下物の衝突等によって本体が破損し、耐侵食機能が損な

われるもの。

耐浸透機能

【漏水の発生】

・擁壁前面の河床低下や河岸侵食、局所洗掘等の河道変化に伴い、本体底面に水み

ちを形成し、耐浸透機能が損なわれるもの。

・接合部の破断によって水密性が低下し、耐浸透機能が損なわれるもの。

土留め機能

【本体の破損】

・コンクリートの浮きや剥離、擁壁の不同沈下、塩害や中性化等によるコンクリー

トのひび割れを原因として鉄筋が腐食し、構造耐力(土留め機能)が損なわれる

もの。

※土堤部、護岸部、鋼矢板護岸部においては、各部における機能低下の状態を踏まえるものと

する。

■ 特殊堤・高潮堤防の構造と評価部位

特殊堤・高潮堤防の構造は、表-7 に示した自立式構造、胸壁(パラペット)構造、三面張構造

の3種程度であり、三面張構造においては土で覆われた覆土構造の場合もある。

特殊堤・高潮堤防の評価は、それぞれの構造の本体部(自立式構造の本体、胸壁、波返工)、土

堤部、護岸部、鋼矢板護岸部において実施するものとする。

表-7 特殊堤・高潮堤防の構造と評価部位

類 自立式構造 胸壁(パラペット)構造 三面張構造(覆土構造)

鋼矢板

鋼管杭

H.W.L 被覆工

本体部堤体

笠コンクリート

鋼矢板 鋼矢板

H.W.L 胸壁

護岸工

堤体 笠コンクリート

鋼矢板鋼矢板

波返工

被覆工護岸工

堤体

覆土

計画高潮位

コンクリートおよび矢板、鋼管

杭等に類するもので自立した

構造。

盛土部の上部に胸壁を設けた構

造。表法は護岸工に覆われる。

のり面、小段、天端をコンクリート

その他類するもので被覆した構造。

越波を許容しているため、三面張構

造が基本。堤脚水路により処理。

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特殊堤・高潮堤防の本体は、越水防止機能、耐侵食機能、土留め機能及び耐浸透機能に着目し、

以下のような点検事項の評価を実施する。土堤部、護岸部、鋼矢板護岸部においては、それぞれ

の機能低下の状態に着目し、評価を実施する(詳細は、表-2、表-5、表-10 を参照のこと)。

表-8 特殊堤・高潮堤防本体の点検事項

機能低下

の状態

変状種別

堤防等河川管理施設及び河道の点検要領の記載

項目 箇所 点検事項

水防止

機能

本体の

損壊

[17]本体の破損 高潮堤防 波返工

(及び胸壁の堤体工)

・ ひび割れはないか

・ 剥離・剥落・欠損はないか ・ 錆汁、鉄筋露出等はないか ・ 隣接スパンの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ず

れ、開きはないか

[17]本体の破損 特殊堤 (自立式構造堤防)

本体・ 波返工

・ ひび割れはないか ・ 剥離・剥落・欠損はないか

・ 錆汁、鉄筋露出等はないか ・ 隣接スパンの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ず

れ、開きはないか

[17]本体の破損 特殊堤 (胸壁構造堤防)

胸壁部 ・ 沈下・陥没はないか ・ ひび割れはないか

・ 剥離・剥落・欠損はないか ・ 錆汁、鉄筋露出等はないか ・ 隣接スパンの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ず

れ、開きはないか

耐侵

食機能

本体の 損壊

[17]本体の破損 高潮堤防 波返工 (及び胸壁

の堤体工)

・ ひび割れはないか ・ 剥離・剥落・欠損はないか

・ 錆汁、鉄筋露出等はないか ・ 隣接スパンの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ず

れ、開きはないか

[17]本体の破損 特殊堤 (自立式構造堤防)

本体・ 波返工

・ ひび割れはないか ・ 剥離・剥落・欠損はないか

・ 錆汁、鉄筋露出等はないか ・ 隣接スパンの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ず

れ、開きはないか

[17]本体の破損 特殊堤 (胸壁構造堤防)

胸壁部 ・ 沈下・陥没はないか ・ ひび割れはないか ・ 剥離・剥落・欠損はないか

・ 錆汁、鉄筋露出等はないか ・ 隣接スパンの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ず

れ、開きはないか

土留

め機能

本体の 損壊

[17]本体の破損 特殊堤 (自立式構造堤防)

本体・ 波返工

・ ひび割れはないか ・ 剥離・剥落・欠損はないか

・ 錆汁、鉄筋露出等はないか ・ 隣接スパンの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ず

れ、開きはないか

耐浸透

機能

漏水の 発生

[18]接合部の変形、破断

高潮堤防 波返工 (及び胸壁の堤体工)

・ 隣接スパンの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ずれ、開きはないか

[18]接合部の変形、破断

特殊堤 (自立式構造堤防)

本体・ 波返工

・ 隣接スパンの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ずれ、開きはないか

[18]接合部の変形、破断

特殊堤 (胸壁構造堤防)

胸壁部 ・ 隣接スパンの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ずれ、開きはないか

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- 7 -

1.4 鋼矢板護岸 鋼矢板護岸の評価は表-9に示す機能に着目し、機能低下の状態を判断するものとする。

表-9 鋼矢板護岸の機能低下の状態

機能 機能低下の状態

耐侵食機能

【鋼矢板及び笠コンクリート等の傾倒】

・過荷重の作用、基礎部の洗掘、地震時の液状化等により矢板が傾倒し、耐侵食

機能が損なわれるもの。

【鋼矢板護岸からの吸出し(漏水)】

・鋼矢板の腐食や継手部の開き等により背後土砂が吸い出され、耐侵食機能が低

下しているもの。

土留め機能

【鋼矢板及び笠コンクリート等の傾倒】

・過荷重の作用、基礎部の洗掘、地震時の液状化等により矢板が傾倒し、土留め

機能が損なわれるもの。

鋼矢板護岸は、耐侵食機能と土留め機能に着目し、以下のような点検事項の評価を実施する。

表-10 鋼矢板護岸の点検事項

機能

機能低下 の状態

変状種別

堤防等河川管理施設及び河道の点検要領の記載

項目 箇所 点検事項

耐 侵 食

機 能

鋼矢板及び笠コンクリート等の

倒壊

[19]鋼矢板の変形、はらみ出し、破損

鋼矢板護岸

鋼矢板 ・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていないか

・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との

接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[20]鋼矢板の腐食(サビ、

孔、肉厚の減少)

鋼矢板

護岸

鋼矢板 ・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていない

[21]鋼矢板継手部の開き、欠損

鋼矢板護岸

鋼矢板 ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[22]背後地盤の沈下、 陥没

鋼矢板護岸

背後 地盤

・ 背後地盤に沈下・陥没はないか

[23]笠コンクリートの変形、破損

鋼矢板護岸

笠コンクリート

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていないか

・ 笠コンクリートの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ずれ、

開きはないか

鋼矢板護

岸からの吸出し(漏水)

[19]鋼矢板の変形、はらみ

出し、破損

鋼矢板

護岸

鋼矢板 ・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていない

か ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との

接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[20]鋼矢板の腐食(サビ、孔、肉厚の減少)

鋼矢板護岸

鋼矢板 ・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていないか

[21]鋼矢板継手部の開き、欠損

鋼矢板護岸

鋼矢板 ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[22]背後地盤の沈下、

陥没

鋼矢板

護岸

背後

地盤

・ 背後地盤に沈下・陥没はないか

留め機

鋼 矢 板 及

び笠コンクリート等 の倒壊

[19]鋼矢板の変形、はらみ

出し、破損

鋼矢板

護岸

鋼矢板 ・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていない

か ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との

接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[20]鋼矢板の腐食(サビ、孔、肉厚の減少)

鋼矢板護岸

鋼矢板 ・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていないか

[21]鋼矢板継手部の開き、欠損

鋼矢板護岸

鋼矢板 ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[22]背後地盤の沈下、

陥没

鋼矢板

護岸

背後

地盤

・ 背後地盤に沈下・陥没はないか

[23]笠コンクリートの変形、

破損

鋼矢板

護岸

笠コンク

リート

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていない

か ・ 笠コンクリートの目地部、打ち継ぎ部に高低差、ずれ、

開きはないか

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1.5 樋門・樋管 樋門・樋管の評価は表-11 に示す機能に着目し、機能低下の状態を判断するものとする。なお、

函体部の機能低下の状態については、「樋門・樋管のコンクリート部材における点検結果評価ガイ

ドライン(案)」平成 28年 3 月国立研究開発法人 土木研究所 先端材料資源研究センターを参

考とすること。

表-11 樋門・樋管の機能低下の状態

機能 機能低下の状態

止水機能

【周辺堤防からの漏水】

・盛土荷重により地盤が沈下し、樋門・樋管周辺堤防の不同沈下による堤防のクラッ

クや緩み、底版下の空洞化等が生じて止水機能が損なわれるもの

【周辺堤防の損壊】

・函体、胸壁、翼壁等の破損や継手の破断によって水密性が低下し、土砂が流失して

堤体が変形し、止水機能が損なわれるもの

【ゲートの開閉不全】

・門柱や操作台が変形・損傷し、ゲートの閉扉ができなくなり、止水機能が損なわれ

るもの

取水・排水

機能

【函体の漏水】

・函体の破損や継手の破断によって水密性が低下し、漏水が生じて、取排水機能が低

下するもの

【流下能力不足(通水断面の減少)】

・函体内の土砂堆積や函体の過大な沈下により、流下断面が減少して、取排水機能が

低下するもの

※樋門・樋管の評価は、構造形式の違い(剛支持構造・柔支持構造)を踏まえて行うこと。

■ 樋門・樋管の構造名称

堤防部;天端、表法面、裏法面、小段、法尻

構造部;函体(函渠)、継手(函体、翼壁との接合部)、門柱、操作台、操作室、遮水壁、ゲ

ート、胸壁、翼壁、護岸工(取付護岸)、管理橋

図-2 樋門・樋管の構造名称

①函体(函渠) ②継手 ③門柱 ④操作台 ⑤操作室 ⑥遮水壁 ⑦ゲート ⑧胸壁 ⑨翼壁 ⑩遮水工 ⑪護岸工(取付護岸) ⑫管理橋

天端裏法面 表法面

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■ 構造形式の違い

樋門の構造形式には、「剛支持構造」、「柔支持構造」に分かれており、基礎形式が異なること

により設計手法及び竣工後の挙動も大きく異なる。従って、樋門の構造形式の違いにも留意し

て変状を評価する必要がある。形式別の特徴を整理すると以下の通りである。

表-12 樋門の構造形式の違いと特徴

イメージ図

剛支持構造

・強固な地盤に根入れした支持杭又は摩擦杭などを打設し函体沈下を生じさせない

形式。

・盛土荷重等による地盤沈下に函体が追随しないため、函体周辺の空洞化や、堤体

及び函体のクラックが発生し、樋門としての止水機能(水密性)が低下する場合

がある。

柔支持構造

・支持杭等を用いずに、比較的大きな沈下を許容する形式

・変位に対応する継手を用い、地盤の沈下に追随できる函体構造とする。

・樋門が堤防と一体となって挙動するため、函体周辺の空洞化や堤体のクラック等

の発生が少ない。

・許容沈下量(一般に 30cm 程度)以上の大きな沈下が生じる場合がある。

沈下

クラック

沈下

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樋門・樋管は、止水機能と取水・排水機能に着目し、以下のような点検事項の評価を実施する。

表-13 樋門・樋管の点検事項

機能低下

の状態

変状種別

堤防等河川管理施設及び河道の点検要領の記載

項目 箇所 点検事項

周辺堤防

からの

漏水

[1]周辺堤

防のクラ

ック、緩

み、取付

護岸のク

ラック

樋門等構

造物周辺

の堤防

構造物上

部の天端

及び法面

・ 構造物上部の天端及び法面の抜け上がりや亀裂の状態

に変化はないか。幅、段差が拡大していないか。

・ 構造物上部の天端及び法面の堤体法尻部、小段部や堤

脚水路より漏水・噴砂等吸出しの痕跡はないか。

・ 構造物上部の天端及び堤体法尻部、小段、堤脚水路に

陥没はないか。

構造物

本体

樋門・樋

管、水門

・ 樋門・樋管、水門本体と周辺堤防に不同沈下、傾き、土

構造との接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[2]函体底

版下等の

空洞化

樋門等構

造物周辺

の堤防

構造物上

部の天端

及び法面

・ 構造物上部の天端及び法面の抜け上がりや亀裂の状態

に変化はないか。幅、段差が拡大していないか。

・ 構造物上部の天端及び法面の堤体法尻部、小段部や堤

脚水路より漏水・噴砂等吸出しの痕跡はないか。

・ 構造物上部の天端及び堤体法尻部、小段、堤脚水路に

陥没はないか。

周辺堤防

の損壊

[3]函体等

の破損

樋門等構

造物周辺

の堤防

函体 ・ 函体の撓み、折れ曲がりや、継手の開き、函体のクラック

の状態に変化はないか。拡大していないか。

構造物

本体

コンクリー

ト構造・鋼

構造一般

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていない

か。

・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との

接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[4]継手の

変形、

破断

樋門等構

造物周辺

の堤防

構造物

同士の

接合部

・ 構造物各部の接合部の開きの状態に変化はないか。幅、

段差が拡大していないか。

・ 構造物各部の接合部から吸い出しの痕跡が生じていない

か。

ゲートの

開閉不全

[5]門柱等

の変形、

破損

構造物

本体

コンクリー

ト構造・鋼

構造一般

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていない

か。

・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との

接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

樋門・樋

管、水門

・ 樋門・樋管、水門本体と周辺堤防に不同沈下、傾き、土

構造との接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

函体の

漏水

[3]函体等

の破損

樋門等構

造物周辺

の堤防

函体 ・ 函体の撓み、折れ曲がりや、継手の開き、函体のクラック

の状態に変化はないか。拡大していないか。

構造物

本体

コンクリー

ト構造・鋼

構造一般

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていない

か。

・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との

接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[4]継手の

変形、

破断

樋門等構

造物周辺

の堤防

構造物

同士の

接合部

・ 構造物各部の接合部の開きの状態に変化はないか。幅、

段差が拡大していないか。

・ 構造物各部の接合部から吸い出しの痕跡が生じていない

か。

樋門等構

造物周辺

の堤防

函体 ・ 函体の撓み、折れ曲がりや、継手の開き、函体のクラック

の状態に変化はないか。拡大していないか。

流下能力

不足

[6]函体内

の土砂

堆積

樋門等構

造物周辺

の堤防

樋門・樋

管、水門

・ 樋門等の水路及び排水機場の沈砂池、調整池、導水路

等に土砂堆積や植生・水草の異常な繁茂を生じていない

[7]函体の

過大な

沈下

構造物

本体

函体 ・ 函体の撓み、折れ曲がりや、継手の開き、函体のクラック

の状態に変化はないか。拡大していないか。

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【参 考】

■ 継手の開きの判定目安(閾値)の考え方

樋門や水門のような構造規模が大きく、変形が予想される構造物の止水板としては、ある程度

変形に追随できるセンターバルブタイプとよばれる図-3 に示すものが使用されることが多い。

(FF型も使用されるが比較的構造規模が小さく、変形が小さいものに使用されることが多い)

図-3 センターバルブタイプの形状

センターバルブタイプは各メーカーで改良が加えられ、図-4 に示すように、より変形性能が高

いセンター片バルブタイプや耐震タイプ等の製品も開発されている。

図-4 センター片バルブタイプ(左)、耐震タイプ(右)の形状

従来の樋門、水門設計においては、止水板の性能を規定するような設計をしている事例は少な

く、耐震型止水板の採用実績も少ないと推測される。

以上の事項を踏まえ、止水板製作メーカーにヒアリングした止水板の変形性能は、図-5 に示す

通り、標準的な止水板の性能が確保できる下限値は 2cm 程度、最大値は 6cm 程度となっている。

図-5 止水板の幅と変形性能(伸び量)の関係

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

0 50 100 150 200 250 300 350 400

伸び量(cm)

止水板の幅(mm)

止水板の幅(W)と伸び量の関係

センターバルブタイプ

センター片バルブタイプ

耐震タイプ

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上記値は許容値であり安全率が考慮されているため、限界状態(破断)としてはこれよりも大

きな変形能力を有していることとなる。

「樋門補強マニュアル(案)(H13.10) 財団法人国土技術研究センター」では、「7cm」程度

以上になると止水板が破断するとされているため、破断の有無だけでなく継手の開き幅につい

ても着目し、評価の目安を設定することとした。

表 4-13 既設樋門の目視健全度

項 目 区 分

目視健全度 直接基礎 直接基礎以外

樋門変状

本体不同沈下

30cm 以上 15cm 以上 ds 10~30cm 5~15cm cs~ds 10cm 未満 5cm 未満 as~bs

函体のクラック・損傷

漏水を伴う損傷 ds クラック多数(漏水なし) cs~ds

ヘアークラック bs~cs な し as

コンクリート劣化

劣化度Ⅳ~Ⅴ ds 劣化度Ⅲ cs~ds 劣化度Ⅱ bs 劣化度Ⅰ as

継手開口

翼壁接続部開口

7cm 以上 ds 7cm 未満 bs~cs

な し as 凡例

as : 健全である bs : ほぼ健全であり、補修等によって回復が見込める cs : 今後危険な状態に進行する可能性がある ds : 非常に危険な状態であり、抜本的な対策が必要

継手開口が 7cm 程度以上になると一般に止水板が破断し、漏水や土砂の流入を生じ

るおそれがある。継手開口や翼壁接続部開口の原因は、地盤の軟弱性に起因する地盤

の側方変位や側方流動によるものであり、加えて小規模な地震動等の繰り返し荷重に

よって地盤の側方変位が徐々に進行することも原因と考えられる。継手開口が大きい

場合は、継手部の補強だけの対応では不十分の場合が多い。継手開口や翼壁接続部開

口の根本的な原因である軟弱地盤に対する対策も不可欠となると考えられる

出典:樋門補強マニュアル(案)(H13.10) 財団法人国土技術研究センター(P.76~77)

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以上より、継手の開き(止水板の変形性能)については表-14 の値を判定の目安とした。

表-14 継手の開きの閾値

区分 変状ごとの評価 備考

a 2cm 未満 一般的な止水板の変形能力の下限値

b 2cm 以上 7cm 未満 一般的な止水板の変形能力の下限値~破断の実

績値(樋門補強マニュアルに基づく)

c 7cm 以上 破断の実績値を超えており、状態を見ながら計画

的な対策を実施する状態

d 破断 性能が確保されていない状態

図-6 止水板の幅と変形性能(伸び量)と閾値の関係

0.0

2.0

4.0

6.0

8.0

10.0

12.0

0 50 100 150 200 250 300 350 400

伸び量(cm)

止水板の幅(mm)

止水板の幅(W)と伸び量の関係

センターバルブタイプ

センター片バルブタイプ

耐震タイプ

※d:破断している

▼7cm(実績最大値)

▼2cm(性能を確保できる下限値)

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■ 函体の抜け上がりの判定目安(閾値)の考え方

函体の抜け上がりは、「樋門補強マニュアル(案)(H13.10) 財団法人国土技術研究センター」

における、既設樋門の周辺堤防の目視健全度の評価基準をもとに設定した。

表 4-14 既設樋門の周辺堤防の目視健全度

パラメータ 項 目 区 分 目視健全度

堤防変状

空 洞注)

(函体底版下)

20cm 以上 d 5~20cm c ~d 5cm 未満 b

な し a

堤体抜け上がり

護岸抜け上がり

(不同沈下)

30cm 以上 d 10~30cm c ~d 10cm 未満 b

な し a

胸壁背後の沈下

翼壁背後の沈下

10cm 以上 c ~d

10cm 未満 b ~c

な し a 堤防亀裂

堤体緩み

あ り c ~d な し a

注)空洞量は、対策の有無を問わない 凡例

a : 健全である b : ほぼ健全であり、補修等によって回復が見込める c : 今後危険な状態に進行する可能性がある d : 非常に危険な状態であり、抜本的な対策が必要

表 4-15 堤体および護岸の抜け上がりによる空洞量の推定

堤体抜け上がり

護岸抜け上がり 推定空洞量

30cm 以上 20cm 以上

10cm 以上~30cm 未満 5cm~20cm

10cm 未満 な し

函体底版下に発生する空洞量は、過去の空洞調査から堤体表面で観察される

抜け上がりと相関性が高いことが確かめられている。抜け上がりには堤防盛土

の圧縮によるものが含まれるため、これを 5~10cm 程度として堤防および護岸

の抜け上がりから推定できるものとした。

出典:樋門補強マニュアル(案)(H13.10) 財団法人国土技術研究センター(P.78~79)

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空洞化自体は目視点検では確認できないものの、上記資料によれば、空洞化と抜け上がりには

相関性があり、抜け上がりを確認することで空洞化の有無と程度を推定できる。

以上の事項より、点検項目としては抜け上がりの量を閾値として空洞化を評価することとした。

ただし、変状の初期段階では堤防のクラック、緩み等と空洞化の区別をつけることが難しいこと

から、空洞化の可能性が高いcランクになった段階で詳細調査を実施し、空洞化の評価を実施す

るよう判定目安を設定した。

抜け上がり(空洞化)の判定目安を表-15 に示す。

表-15 抜け上がり(空洞化)の判定目安

区分 変状ごとの評価 備考

a 変状なし 健全である状態

b 10cm 未満 抜け上がりが発生しているものの、推定空洞量は

ない。ほぼ健全であり、補修等によって回復が見

込める状態。

c 10cm 以上 30cm 未満 推定空洞量が 5cm~20cm 程度あり、今後機能に

支障が生じる状態に進行する可能性がある。状況

をみながら計画的な対策を実施する状態

d 30cm 以上 推定空洞量が 20cm 以上あり、機能に支障が生じ

ており、抜本的な対策が必要な状態

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■ 詳細点検の必要性について

樋門・樋管の点検は、樋門の機能(止水機能、取水・排水機能)が確保できているかを確認す

ることとし、機械設備及び電気通信施設は別途設備として点検を実施する。

また、水位が高く目視等で容易に点検できない場合や中小河川のように函体断面の規模が小さ

く内部への進入が困難な場合等は点検を除外することができる。

ただし、天端部や法面部において変状が現れ、目視点検ができない箇所での変状が疑われる場

合や予防保全段階において機能低下状態を再評価する場合は、詳細点検(調査を含む)を実施

して状態を把握する必要がある。詳細点検(調査を含む)が必要な変状例を図-7 に参考として

示す。

図-7 点検評価箇所位置図

堤防天端や法面の抜け上がり、クラック、緩み

天端舗装の亀裂

門柱、操作台コンクリートのクラック、浮き、剥離、錆汁等

堤防法面や法尻の漏水、噴砂、陥没等

胸壁等と取付護岸との段差

取付護岸のクラック

継手の水密ゴム、止水板の劣化、損傷

構造物周辺からの漏水

底版下の空洞 クラック、浮き、剥離、錆汁等

樋門本体と翼壁接合部の開き、止水板の劣化、損傷

函体の沈下

函体内部の土砂堆積状況

※1

※2

※2

※2

※2

函体継手の開き

※1:目視での確認は困難であるが、空洞化の兆候がある場合は詳細

点検(調査を含む)により確認が必要

※2:函体内部に容易に進入できる場合に実施

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1.6 水門 水門の評価は表-16 に示す機能に着目し、機能低下の状態を判断するものとする。

表-16 水門の機能低下の状態

機能 機能低下の状態

排水機能

【ゲートの開閉不全】

・門柱や操作台が変形・損傷し、ゲートの開扉ができなくなり、排水機能が損

なわれるもの

【流下能力不足(通水断面の減少)】

・水路内の土砂堆積により流下断面が減少し、排水機能が低下するもの

止水(逆流防止)

機能

【周辺堤防からの漏水】

・盛土荷重により地盤が沈下し、水門周辺堤防の不同沈下による堤防のクラッ

クや緩み等が生じて止水機能が損なわれるもの

【周辺堤防の損壊】

・堰柱、床版、胸壁等の変形、破損に伴って堤体が変形し、止水機能が損なわ

れるもの

【水路の漏水】

・堰柱、床版等の変形、破損に伴って堤体側から漏水し、水路の止水機能が損

なわれるもの

【ゲートの開閉不全】

・門柱や操作台が変形・損傷し、ゲートの閉扉ができなくなり、止水機能が損

なわれるもの

舟運機能

【ゲートの開閉不全】

・門柱や操作台が変形・損傷し、ゲートの開閉ができなくなり、舟運機能が損

なわれるもの

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■ 水門の構造名称

水門は、床版、堰柱、門柱・胸壁、翼壁、門扉、操作台(巻き上げ機)、遮水壁、水叩き、護床

工、取付護岸工、管理橋等からなる。

図-8 水門の構造名称

①床版

②堰柱

③門柱

④ゲート操作台

および操作室

⑤胸壁

⑥翼壁

⑦水叩き

⑧護床工

⑨遮水工

⑩ゲート

⑪管理橋

⑫基礎杭

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水門は、排水機能と止水(逆流防止)機能及び舟運機能に着目し、以下のような点検事項の評

価を実施する。

表-17 水門の点検事項

機 能

機能低下 の状態

変状種別

堤防等河川管理施設及び河道の点検要領の記載

項目 箇所 点検事項 排 水 機 能

ゲートの 開閉不全

[4]門柱等の変形、破損

構造物本体

コンクリート構造・鋼構造一般

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていないか。 ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との接合

部に隙間や吸い出し等が見られないか [5]水路内の

土砂堆積 樋門等構造物周辺の堤防

樋門・ 樋管、 水門

・ 樋門等の水路及び排水機場の沈砂池、調整池、導水路等に土砂堆積や植生・水草の異常な繁茂を生じていないか

流下能力 不足

[5]水路内の 土砂堆積

樋門等構造物周辺の堤防

樋門・ 樋管、 水門

・ 樋門等の水路及び排水機場の沈砂池、調整池、導水路等に土砂堆積や植生・水草の異常な繁茂を生じていないか

止 水 (逆流防止) 機 能

周辺堤防からの漏水

[1]周辺堤防のクラック、緩み、取付護岸のクラック

樋門等構造物周辺の堤防

構造物上部の天端及び法面

・ 構造物上部の天端及び法面の抜け上がりや亀裂の状態に変化はないか。幅、段差が拡大していないか。

・ 構造物上部の天端及び法面の堤体法尻部、小段部や堤脚水路より漏水・噴砂等の吸出しの痕跡はないか。

・ 構造物上部の天端及び堤体法尻部、小段、堤脚水路に陥没はないか。

構造物本体

コンクリート構造・鋼構造一般

・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

周辺堤防の損壊

[2]堰柱、床版、胸壁、翼壁、水叩き等の変形、破損

構造物本体

コンクリート構造・鋼構造一般

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていないか。 ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との接合

部に隙間や吸い出し等が見られないか [3]継手の変形、

破断 樋門等構造物周辺の堤防

構造物同士の接合

・ 構造物各部の接合部の開きの状態に変化はないか。幅、段差が拡大していないか。

・ 構造物各部の接合部から吸い出しの痕跡が生じていないか。

水路の 漏水

[2]堰柱、床版、胸壁、翼壁、水叩き等の変形、破損

構造物本体

コンクリート構造・鋼構造一般

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていないか。 ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との接合

部に隙間や吸い出し等が見られないか [3]継手の変形、

破断 樋門等構造物周辺の堤防

構造物同士の接合

・ 構造物各部の接合部の開きの状態に変化はないか。幅、段差が拡大していないか。

・ 構造物各部の接合部から吸い出しの痕跡が生じていないか。

ゲートの 開閉不全

[4]門柱等の変形、破損

構造物本体

コンクリート構造・鋼構造一般

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていないか。 ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との接合

部に隙間や吸い出し等が見られないか [5]水路内の

土砂堆積 樋門等構造物周辺の堤防

樋門・ 樋管、 水門

・ 樋門等の水路及び排水機場の沈砂池、調整池、導水路等に土砂堆積や植生・水草の異常な繁茂を生じていないか

流下能力不足(通水断面

の減少)

[4]門柱等の変形、破損

構造物本体

コンクリート構造・鋼構造一般

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていないか。 ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との接合

部に隙間や吸い出し等が見られないか

[5]水路内の 土砂堆積

樋門等構造物周辺の堤防

樋門・ 樋管、 水門

・ 樋門等の水路及び排水機場の沈砂池、調整池、導水路等に土砂堆積や植生・水草の異常な繁茂を生じていないか

舟 運 機 能

ゲートの 開閉不全

[4]門柱等の変形、破損

構造物本体

コンクリート構造・鋼構造一般

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていないか。 ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との接合

部に隙間や吸い出し等が見られないか [5]水路内の

土砂堆積 樋門等構造物周辺の堤防

樋門・ 樋管、 水門

・ 樋門等の水路及び排水機場の沈砂池、調整池、導水路等に土砂堆積や植生・水草の異常な繁茂を生じていないか

流下能力不足(通水断面

の減少)

[4]門柱等の変形、破損

構造物本体

コンクリート構造・鋼構造一般

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていないか。 ・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造との接合

部に隙間や吸い出し等が見られないか

[5]水路内の 土砂堆積

樋門等構造物周辺の堤防

樋門・ 樋管、 水門

・ 樋門等の水路及び排水機場の沈砂池、調整池、導水路等に土砂堆積や植生・水草の異常な繁茂を生じていないか

※ 継手に関する判定目安については、樋門・樋管の閾値を参考とする。

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1.7 堰 堰の評価は表-18 に示す機能に着目し、機能低下の状態を判断するものとする。

表-18 堰の機能低下の状態

機能 機能低下の状態

流水制御

機能

【河床の不安定化】

・水叩き、護床工等の変形、破壊、上下流河床の洗掘により、通水断面の維持や本体

の安定に支障が生じて、流水制御機能が損なわれるもの

【ゲートの開閉不全】

・床版、堰柱、門柱等の変形・破損や、ゲート周辺の土砂堆積により、ゲートの開閉

ができなくなり、流水制御機能が損なわれるもの

土砂排出

機能

【ゲートの開閉不全】

・床版、堰柱、門柱等の変形・破損や、ゲート周辺の土砂堆積により、ゲートの開閉

ができなくなり、土砂排出機能が損なわれるもの

舟運機能

【ゲートの開閉不全】

・床版、堰柱、門柱等の変形・破損や、ゲート周辺の土砂堆積により、ゲートの開閉

ができなくなり、舟運機能が損なわれるもの

【流下能力不足(通水断面の減少)】

・閘門内に土砂が堆積し、所定の通水幅、水深を確保できなくなり、舟運機能が損な

われるもの

魚道機能

【流下能力不足(通水断面の減少)】

・魚道内に土砂が堆積し、所定の通水幅、水深を確保できなくなり、魚道機能(遡上)

が損なわれるもの

【隔壁機能不全】

・魚道の側壁や隔壁の破損等によって、魚道内流量や水位に変化が生じて、魚道機能

が損なわれるもの

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- 21 -

■ 堰の構造名称

堰は、床版、堰柱、門柱、ゲート操作台、ゲート操作室、ゲート、水叩き、護床工、管理橋、

基礎杭、遮水工、魚道、土砂吐き、閘門、取付擁壁、取付護岸、取水口床版部等からなる。

図-9 堰の構造名称

①床版

②堰柱

③門柱

④ゲート操作台

⑤ゲート操作室

⑥ゲート

⑦水叩き

⑧護床工

⑨管理橋

⑩基礎杭

⑪遮水工

⑫魚道

⑬土砂吐き

⑭閘門

⑮取付擁壁

⑯取付護岸

⑰取水口

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- 22 -

堰は、流水制御(洪水流下、分派、取水)機能、土砂排出機能、舟運機能及び魚道機能に着目

し、以下のような点検事項の評価を実施する。

表-19 堰の点検事項

機能低下

の状態

変状種別

堤防等河川管理施設及び河道の点検要領の記載

項目 箇所 点検事項

(洪

下、

派、

水)

河床の

不安定化

[1]水叩き、護床工等

の変形、破壊、上

下流の河床の洗

構造

物本

堰・

床止工

・ 堰・床止工の護床工、本体の安定性に影響を及ぼす

ことが懸念される河床低下あるいは洗掘が生じていな

いか

・ 堰・床止工本体等の河床を横断するコンクリート構造

について、クラック、水叩きの砂礫による損傷や摩耗、

継ぎ目の開き等を生じていないか

・ 取付擁壁・護岸に河床低下や局所洗掘の徴候である

沈下や崩れを生じていないか。高水敷保護工に出水

や河床変動に伴う変状を生じていないか

ゲートの

開閉不全

[2]床版、堰柱、門柱

等の変形、破損

構造

物本

堰・

床止工

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていな

いか。

・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造と

の接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[4]河道内(ゲート周

辺)、閘門内、魚

道内の土砂堆積

構造

物本

堰・

床止工

・ 本体上流部に治水上問題のある堆積を生じていない

ゲートの

開閉不全

[2]床版、堰柱、門柱

等の変形、破損

構造

物本

堰・

床止工

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていな

いか。

・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造と

の接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[4]河道内(ゲート周

辺)、閘門内、魚

道内の土砂堆積

構造

物本

堰・

床止工

・ 本体上流部に治水上問題のある堆積を生じていない

ゲートの

開閉不全

[2]床版、堰柱、門柱

等の変形、破損

構造

物本

堰、

床止工

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていな

いか。

・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造と

の接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[4]河道内(ゲート周

辺)、閘門内、魚

道内の土砂堆積

構造

物本

堰・

床止工

・ 本体上流部に治水上問題のある堆積を生じていない

流下能力不

足(通水断

面の減少)

[4]河道内(ゲート周

辺)、閘門内、魚

道内の土砂堆積

構造

物本

堰・

床止工

・ 本体上流部に治水上問題のある堆積を生じていない

ゲートの

開閉不全

[2]床版、堰柱、門柱

等の変形、破損

構造

物本

堰、

床止工

・ コンクリート構造、鋼構造に劣化や腐食が生じていな

いか。

・ コンクリート構造、鋼構造に不同沈下、傾き、土構造と

の接合部に隙間や吸い出し等が見られないか

[4]河道内(ゲート周

辺)、閘門内、魚

道内の土砂堆積

構造

物本

堰・

床止工

・ 本体上流部に治水上問題のある堆積を生じていない

流下能力不

足(通水断

面の減少)

[4]河道内(ゲート周

辺)、閘門内、魚

道内の土砂堆積

構造

物本

堰・

床止工

・ 本体上流部に治水上問題のある堆積を生じていない

隔壁機能

不全

[3]魚道の変形、

破損

構造

物本

堰・

床止工

・ 堰等の魚道に破損等の変状や土砂・流木の堆積を

生じていないか

流下能力不

足(通水断面

の減少)

[4]河道内(ゲート周

辺)、閘門内、魚

道内の土砂堆積

構造

物本

堰・

床止工

・ 本体上流部に治水上問題のある堆積を生じていない

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- 23 -

2 点

検結

果評

価記

録様

今後

のデ

ータ

ベー

ス化

を踏

まえて

点検

・評

価様

式を

作成し

た。

主な

記入

項目

のポイ

ント

は以下の

とお

りであ

る。

2.1

防お

よび

護岸

・鋼

矢板

護岸

、特

殊堤

・高

潮堤

防の

点検

結果

評価

記録

様式

式1(

総括

表)

・任

意設

定区

間ご

とで

の箇

所数の

集計

堤防

(土

堤及

び護

岸、

鋼矢

板護

岸、

特殊

堤・高

潮堤

防)の

点検

結果

評価

記録

様式

様式

[1]

[2]

[3]

[4]

[5]

[6]

[7]

[8]

[9]

[10]

[11]

[12]

その

他小

計評

価[1

3]

[14]

[15]

[16]

[17]

[18]

その

他小

計評

価[1

9]

[20]

[21]

[22]

[23]

その

他小

計評

価評

価評

価理

由(土

堤、

護岸

・特

殊堤

本体

、鋼

矢板

に関

して

も記

載の

こと

~b

31

12

12

13

124

24

kmc

24

17

7

d

~b

kmc d

~b

11

120

15

240

11

13

43

kmc

12

21

15

15

d

~b

11

1

kmc

11

22

d

~b

kmc d

~b

kmc d

~b

kmc d

~b

kmc d

~b

kmc d

~b

kmc d

kmb

42

13

222

28

365

11

13

68

kmc

317

31

24

24

kmd

72

01

30

00

239

31

04

89

00

01

11

03

00

00

00

092

※b,c

,d の

記入

欄に

は変

状箇

所数

を記

入の

こと

。「-

」は評

価対

象外

を示

し、

空欄

は使

用不

可と

する

土堤

の評

価項

目:[1

]亀裂

、[2

]陥没

や不

陸、

[3]法

崩れ

、[4

]沈下

、[5

]堤脚

保護

工の

変形

、[6

]はら

み出

し、

[7]寺

勾配

、[8

]モグ

ラ等

の小

動物

の穴

、[9

]排水

不良

、[1

0]樹

木の

侵入

、[1

1]侵

食(ガ

リ)・植

生異

常、

[12]漏

水・噴

砂護

岸・本

体の

評価

項目

:[1

3]護

岸・被

覆工

の破

損、

[14]は

らみ

出し

、[1

5]基

礎部

の洗

掘、

[16]端

部の

侵食

、[1

7]本

体の

破損

、[1

8]接

合部

の変

形・破

断鋼

矢板

護岸

の評

価項

目:[1

9]鋼

矢板

の変

形、

はら

み出

し、

破損

、[2

0]鋼

矢板

の腐

食(サ

ビ、

孔、

肉厚

の減

少)、

[21]鋼

矢板

継手

部の

開き

、欠

損、

[22]背

後地

盤の

沈下

、陥

没、

[23]笠

コン

クリ

ート

の変

形、

破損

小計

右岸

側L=

35.0

0

合計

L=

65.0

0

河川

合計

左岸

側L=

30.0

0

4

20.0

0 k

m30.0

0 k

m

右岸

側L=

5.0

0

右岸

側L=

10.0

0

2

4.0

0 k

m15.0

0 k

m

右岸

側L=

5.0

0

右岸

側L=

11.0

0

※う

ち3km

は山

付き

区間

右岸

側L=

4.0

0

左岸

側L=

0.0

0

右 岸

1

0.0

0 k

m4.0

0 k

m

5 3

15.0

0 k

m20.0

0 k

m

5

30.0

0 k

m35.0

0 k

m

B

-C

左岸

側L=

5.0

0

※山

付き

区間

左岸

側L=

10.0

0

※う

ち3km

は山

付き

区間

B左

岸側

L=

8.0

0-

C-

左岸

側L=

7.0

0

4

20.0

0 k

m30.0

0 k

m

12.0

0 k

m

7.0

0 k

m

A

3

12.0

0 k

m20.0

0 k

m

B

AA

A

--

--

合 計

総合

的な

評価

● ● 地 方 整 備 局

● ● 河 川 事 務 所

● ● 出 張 所

● ● 川 水 系

● ● 川

左 岸

1

0.0

0 k

m

区 間距

離標

判 定

土堤

護岸

・特

殊堤

本体

鋼矢

板護

岸整 備 局

事 務 所

出 張 所

水 系

河 川 名

岸 別

2

7.0

0 k

m

任意

区間

を設

定し

、各

区間

変状

数を

集計

意区

間(一

区間

)の

総合

な評

価を

記入

土堤

部、

護岸

・特

殊本

体部

、鋼

矢板

護岸

部の

評価

を踏

まえ

て、

総合

的な

評価

理由

を記

区間

設定

によ

ては

、出

張所

区分

を分

割す

土堤

部、

護岸

・特

殊本

体部

、鋼

矢板

護岸

部の

評価

を踏

まえ

て、

総合

的な

評価

を決

区間

を増

やす

合は

行毎

コピ

し、

区間

2~

4の

間に

挿入

する

不要

な行

は削

する

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- 24 -

■ 様式2(変状箇所ごとの個票)

・箇所ごとの記載書式(距離標にて位置を記載)

・撮影写真の標準化(全景写真による位置記録と近景写真による変状規模の撮影を標準とする)

・亀裂(クラック)においては、方向の記入欄を設定(将来的なデータベース化・分析に配慮)

・補修・詳細点検等の対応の記入(所内での対応方針の記載に配慮)

・過去の変状記録の可視化(点検履歴の可視化に配慮)

・RMDIS との連携(将来的な RMDIS 書式、中小河川においては、Excel での作成に配慮)

堤防及び護岸、鋼矢板護岸の点検結果評価記録様式

●●出張所

岸別 右岸 76 km+ 地先

■点検結果

No ランク

① b

※方向(形状)は1.亀裂のあった場合のみ記入のこと(縦断、横断、網目状等)

■位置図・概略図・写真等

■同一箇所の点検履歴

No ランク

① b① b① b

点検項目 点検箇所 点検事項変状の規模(m)

土堤 天端 縦断 32.0

方向(形状) 長さ L

状況等(特記事項)

天端のアスファルト舗装にひび割れが見られる。過去の点検時から変状規模が変わらず、進行性が低いため、要監視段階のb評価とする。

全景写真

近景写真

過去の点検NO

点検実施日 変状項目変状の規模(m)

方向(形状) L B H

0.02 0.17 -

様式2

点検NO 1水系名 ◆◆川水系 河川名 ○■川

点検者 ●●事務所 ●● ●●

亀裂

補修・詳細点検等の対応幅 B 高さ H

131m

評価

0.01 0.05H25-●-1 平成25年10月1日 縦断 10 0.01 0.05H26-●-1 平成26年10月1日 縦断 10

亀裂亀裂

平成27年7月6日●●地先

点検年月日距離標

評価

0.05H24-●-1 平成24年10月1日 縦断 10 0.01亀裂

変状箇所ごとに記録

全景写真欄

近景写真欄

点検履歴欄

方向の記入欄

対応の記入欄

「要詳細点検」

「要継続監視」

「維持工事で対

応」等

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- 25 -

■ 様式3(追加写真用様式)

・追加写真用様式の作成(補足として撮影する場合に配慮)

堤防及び護岸、鋼矢板護岸の点検結果評価記録様式

●●出張所

岸別 右岸 76 km+ 地先

■補足写真

平成27年7月6日水系名 ◆◆川水系 河川名 ○■川

様式3

点検NO 1距離標

点検年月日点検者 ●●事務所 ●● ●●131m ●●地先

コメント コメント

コメント コメント

コメント コメント

追加写真欄

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- 26 -

2.2

門・

樋管

、水

門、

堰の

点検

結果

評価

記録

様式

門・樋管、水門

、堰

の点

検結果

評価

記録

様式

は、記入

項目

が異

なる

ものの

、構

成は

ほぼ

同様

である

ことか

ら、代

表と

して樋

門・樋管

の様

式に

いて

下記

に説

明す

る。

■ 様

式1(

総括

表)

樋門

・樋

管の

点検

結果

評価

記録

様式

様式

変状

種別

評価

区分

変状

種別

評価

区分

変状

種別

評価

区分

変状

種別

評価

区分

変状

種別

評価

区分

変状

種別

評価

区分

変状

種別

評価

区分

変状

種別

評価

区分

変状

種別

評価

区分

変状

種別

評価

区分

変状

種別

評価

区分

1H

●●

年●

●月

●●

日●

●樋

管2010

●●

地先

●●

川●

●川

左岸

●●

km+

●●

m柔

構造

直接

基礎

2.3

[2]

c-

a-

a-

a-

a-

a-

a-

a-

a-

a-

aC

BA

C

土木

施設

にお

いて

、堤

防天

端に

抜け

上が

りと

思わ

れる

変状

が確

認で

きる

。機

械設

備、

電気

通信

施設

の評

価と

比較

し、

土木

施設

の方

がよ

り重

度で

ある

こと

から

、土

木施

設の

評価

を優

先し

、施

設評

価を

Cと

する

2H

●●

年●

●月

●●

日●

●樋

管2000

●●

地先

●●

川●

●川

左岸

●●

km+

●●

m柔

構造

直接

基礎

6.3

-a

-a

-a

-a

-a

-a

-a

-a

-a

-a

-a

AB

AB

土木

施設

にお

いて

は変

状が

確認

され

ない

。機

械設

備の

評価

がよ

り重

度で

ある

こと

から

、機

械設

備の

評価

を優

先し

、施

設評

価を

Bと

する

3H

●●

年●

●月

●●

日●

●樋

管1990

●●

地先

●●

川●

●川

右岸

●●

km+

●●

m柔

構造

地盤

改良

9.0

-a

-a

-a

-a

[4]

b-

a-

a-

a-

a-

a-

aB

AA

B

土木

施設

にお

いて

、函

体継

手部

に開

きが

見ら

れる

。7cm

未満

であ

り、

今後

も監

視を

続け

る。

機械

設備

、電

気通

信施

設の

評価

と比

較し

、土

木施

設の

評価

を優

先し

、施

設評

価を

Bと

する

4H

●●

年●

●月

●●

日●

●樋

管1980

●●

地先

●●

川●

●川

右岸

●●

km+

●●

m剛

構造

杭基

礎15.0

-a

-a

-a

-a

[4]

d-

a-

a-

a-

a-

a-

aC

AA

C

土木

施設

にお

いて

、函

体継

手部

に破

断が

見ら

れる

。変

状確

認後

に直

ちに

応急

処置

を実

施し

たこ

とか

ら、

土木

施設

の評

価を

Cと

する

。施

設の

総合

評価

は、

土木

施設

の評

価を

優先

する

もの

とし

た。

※種

別及

びラ

ンク

の記

入は

、様

式2

の各

部位

の変

状の

うち

、最

も重

度な

もの

を記

載す

る。

本体

構造

基礎

形式

ゲー

ト操

作台

・操

作室

取付

護岸

その

他施

設の

総合

評価

土木

施設

機械

設備

電気

通信

施設

河川

名岸

別距

離標

部位

ごと

の評

価総

合的

な評

周辺

堤防

函渠

(函体

)函

体継

手部

門柱

所見

天端

表法

裏法

翼壁

胸壁

扉体

面積

(m2)

水系

名番 号

点検

年月

日施

設名

設置

年所

在地

様式

2の

部位

ごと

の記

録欄

のう

ち、

最も

重度

なも

のを

括表

に記

入す

る。

施設

の総

合評

を決

定し

た理

を記

載す

る。

土木

施設

、機

械設

備、

電気

通信

施設

の評

価を

踏ま

えて

施設

の評

価を

決定

する

本体

構造

、基

礎形

式、

扉体

面積

等の

構造

要を

記入

する

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- 27 -

■様

式2

(施

設ご

との

個票

樋門

・樋

管の

点検

結果

評価

記録

様式

様式

NO

●●

m

Hm

2

Hm

2

Hm

2

※函

体の

断面

形状

、ゲ

ート

形式

がそ

れぞ

れで

異な

る場

合に

記入

のこ

と。

函体

①と

同一

の場

合は

「-

」と

記載

する

こと

。函

体の

断面

形状

が4

種類

以上

の場

合は

、扉

体面

積合

計に

4種

類目

の扉

体面

積を

加算

し、

その

旨を

「そ

の他

」に

記載

する

こと

部位

ごと

の評

価基

本情

報(位

置図

、全

景写

真、

図面

等)

7 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -

※部

位ご

とに

最も

重度

な変

状を

上段

から

記入

のこ

と。

変状

ごと

の状

況写

真は

様式

3に

記入

のこ

と。

その

他(点

検履

歴と

の比

較、

補修

履歴

等)

総合

的な

評価

※機

械設

備・電

気通

信施

設の

評価

結果

を含

め、

総合

的な

判断

のも

とに

樋門

全体

の点

検結

果評

価区

分を

決定

し、

記入

する

こと

。※

施設

全体

の写

真や

位置

図、

図面

等を

添付

する

。H●

●年

●●

月●

●日

名称

●●

樋管

所在

地●

●地

先岸

別左

岸距

離標

●●

km+

管理

●●

事務

所点

検年

月日

H●

●年

●●

月●

●日

点検

履歴

ふり

がな

●●

ひか

ん水

系名

●●

川河

川名

●●

●●

●●

出張

所点

検者

●●

事務

所 

●●

●●

施設

概要

設置

年2010年

(平成

22年

)設

置目

的P

Cボ

ック

ス感

潮域

感潮

区域

継手

形式

可と

う性

継手

堤防

天端

利用

河川

管理

専用

堤内

地利

用住

取水

、排

水等

本体

構造

柔構

造基

礎形

式直

接基

礎函

体種

ゲー

ト形

式ス

ライ

ドゲ

ート

等敷 高

T.P

.+●

●m

函体

②※

断面

-m

 ×

 B

-m

 ×

 L

5扉

体面

積2.3

扉体

面積

合計

2.3

m2

扉体

面積

-

m 

× 

L15.0

0m

 ×

 1.0

0連

(門)

スパ

ン割

ゲー

ト形

式-

函体

③※

断面

-m

 ×

 B

-m

 ×

 L

-m

 ×

 

-m

 ×

 -

連(門

)ス

パン

割-

ゲー

ト形

式-

部位

変状

項目

変状

の規

模(m

)評

価部

位ご

との

変状

に対

する

所見

補修

・詳

細点

検等

の対

応写

真N

O方

-連

(門)

スパ

ン割

-扉

体面

積-

函体

寸法

函体

①断

面1.5

0m

 ×

 B

1.5

0

長さ

L幅

B高

さH

変状

種別

評価

区分

1

周 辺 堤 防

天端

抜け

上が

り-

要詳

細点

検1,2

--

--

--

0.2

5[2

]函体

底c

高さ

25cm

程度

の抜

け上

がり

と思

われ

る段

差が

生じ

てい

るこ

とか

らc評

価と

する

-

表法

面-

--

--

--

- -a

--

--

--

--

-

裏法

面-

--

--

-a

--

--

--

--

-

2函

渠(函

体)

--

--

--

--

-

a小

口径

なた

め、

内部

確認

が困

難で

ある

。-

3,4

--

-

3函

体継

手部

--

--

-

--

a-

- --

--

--

-

--

a-

-

--

--

--

5胸

壁-

--

-

-4

門柱

--

--

--

a-

--

- --

--

-

--

a-

-

--

--

--

7ゲ

ート

操作

台・操

作室

--

--

-6

翼壁

--

--

--

a-

--

- --

--

-

--

a-

- --

--

--

--

9そ

の他

--

--

--

8取

付護

岸-

--

-

a

--

--

--

--

--

--

--

--

-

土木

施設

の評

価所 見

堤防

天端

にお

いて

、抜

け上

がり

と思

われ

る変

状が

生じ

てい

る。

函体

内部

につ

いて

は、

小口

径な

ため

目視

確認

が困

難な

状況

であ

る。

周辺

地盤

の沈

下が

想定

され

るた

め、

詳細

点検

によ

って

確か

める

必要

があ

る。

よっ

てC

評価

とす

る。

C

CB

AC

土木

施設

にお

いて

、堤

防天

端に

抜け

上が

りと

思わ

れる

変状

が確

認で

きる

。機

械設

備、

電気

通信

施設

の評

価と

比較

し、

土木

施設

の方

がよ

り重

度で

ある

こと

から

、土

木施

設の

評価

を優

先し

、施

設評

価を

Cと

する

施設

の総

合評

価所

見土

木施

設機

械設

備電

気通

信施

コメ

ント

コメ

ント

例え

ば位

置図

など

例え

ば全

景写

真な

位置

図や

写真

の自

由記

入欄

レイ

アウ

ト等

も調

整の

こと

部位

ごと

の点

部位

ごと

の評

価が

「a」

また

は「

-」の

場合

は必

ず「A

」を

選択

土木

施設

、機

械設

備、

電気

通信

施設

の評

価を

記入

した

上で

、施

設評

価を

決定

対応

の記

入欄

「要

詳細

点検

「要

継続

監視

「維

持工

事で

対応

」等

個別

変状

の評

理由

や補

修履

につ

いて

記入

個別

変状

の記

写真

NO

記入

NO

の記

施設

の総

合評

価を

決定

した

理由

を記

Page 30: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

- 28 -

■ 様式3(個別の写真用様式)

■状況写真

写真NO 1

写真NO 2

写真NO 3

タイトル(全体状況など) タイトル(近景状況など)

タイトル(全体状況など) タイトル(近景状況など)

タイトル(全体状況など) タイトル(近景状況など)

様式3

フリガナ ●●ヒカン・スイモン・セキ水系名 ●●川 水系名 ●●川

名称 ●●樋管・水門・堰

遠望写真 近景写真

遠望写真 近景写真

遠望写真 近景写真

状況等

状況等

状況等

一つの変状に

対して、 変状の

位置の確認でき

る遠望写真と、変

状規模の確認で

きる近景写真の

添付を基本とす

る。

追加で複数撮

影し、記録に残

す場合は、下段

の欄を自由に用

いること。

Page 31: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

- 29 -

3 事例写真集

表-20 事例写真集リスト

区分 施設区分 変状種別 NO

堤防 土堤 [1]亀裂 土-1

[2]陥没や不陸 土-2

[3]法崩れ 土-3

[4]沈下 土-4

[5]堤脚保護工の変形 土-5

[6]はらみ出し 土-6

[7]寺勾配 土-7

[8]モグラ等の小動物の穴 土-8

[9]排水不良 土-9

[10]樹木の侵入 土-10

[11]侵食(ガリ)・植生異常 土-11

[12]漏水・噴砂 土-12

護岸 [13]護岸の破損 護-1~護-3

[14]はらみ出し 護-4

[15]基礎部の洗掘 護-5

[16]端部の侵食 護-6~護-7

特殊堤・

高潮堤防

[17]本体の破損 特-1

[18]接合部の変形、破断 特-2

鋼矢板護岸 [19]鋼矢板の変形、はらみ出し、破損 矢-1

[20]鋼矢板の腐食(サビ、孔、肉厚の減少 矢-2

[21]鋼矢板継手部の開き、欠損 矢-3

[22]背後地盤の沈下、陥没 矢-4

[23]笠コンクリートの変形、破損 矢-5

河川管理施

設(堤防を

除く)

樋門・樋管 [1]堤防のクラック、緩み、取り付け護岸のクラック 樋-1

[2]函体底版下等の空洞化 樋-2

[3]函体等の破損 樋-3

[4]継手の変形、破断 樋-4

[5]門注等の変形、破損 樋-5

[6]函体内の土砂堆積 樋-6

[7]函体の課題な沈下 樋-7

水門 [1]堤防のクラック、緩み、取付護岸のクラック 水-1

[2]堰柱、床版、胸壁、翼壁、水叩き等の変形、破損 水-2

[3]継手の変形、破断 水-3

[4]門柱等の変形、破損 水-4

[5]函体内の土砂体積 水-5

堰 [1]水叩き、護床工等の変形、破壊、上下流河床の洗

掘、土砂堆積

堰-1

[2]床版、堰柱、門柱などの変形、破損 堰-2

[3]魚道の変形、破損 堰-3

[4]河道内(ゲート周辺)、閘門内、魚道内の土砂堆積 堰-4

Page 32: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

○変状の状況・堤防天端に縦断方向の亀裂が見られる。・亀裂以外に陥没や不陸といった変状も複合的に発生している。

○評価・地震の発生によって広範囲に多種多様な変状が発生している。・堤防の機能に支障が生じており、早急な対応が必要であることから、措置段階とする。

[1]亀裂

参考事例 状況と評価理由

変状事例写真(土-1)

評価区分

c予防保全

段階

 盛土は洪水等により、急激に変状が進行することもあるため、劣化の予測困難であることから、①~⑦については、「c」評価を設定しないことを基本とする。 ただし、これまでも一定規模以上の変状については補修を実施している実態を踏まえ、変状の発生原因が不明な場合や、目視点検の結果だけでは評価が困難な場合は、必要に応じて、詳細点検(調査を含む)を実施するものとする。

変状種別

b要監視段階

○変状の状況・天端のアスファルト舗装に縦断方向の亀裂が見られる。

○評価・過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

施設区分 土堤

d措置段階

- 30 -

Page 33: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

d措置段階

○変状の状況・堤防法面に陥没が発生している。

○評価理由・堤防の機能に支障が生じているため、措置段階とする。

変状種別 [2]陥没や不陸

評価区分

c予防保全

段階

○変状の状況・堤防天端に不陸が生じている。

○評価・車両通行に伴う不陸であり、堤防の機能に支障は生じていない。・維持工事での対応とする。

変状事例写真(土-2)

施設区分

状況と評価理由

土堤

参考事例

 盛土は洪水等により、急激に変状が進行することもあるため、劣化の予測困難であることから、①~⑦については、「c」評価を設定しないことを基本とする。 ただし、これまでも一定規模以上の変状については補修を実施している実態を踏まえ、変状の発生原因が不明な場合や、目視点検の結果だけでは評価が困難な場合は、必要に応じて、詳細点検(調査を含む)を実施するものとする。

b要監視段階

- 31 -

Page 34: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状種別 [3]法崩れ

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・裏法面に部分的な法崩れが生じている。

○評価理由・堤防の機能に支障は生じていないことから、要監視段階とする。・軽微な変状であるため、維持工事での対応とする。

c予防保全

段階

 盛土は洪水等により、急激に変状が進行することもあるため、劣化の予測困難であることから、①~⑦については、「c」評価を設定しないことを基本とする。 ただし、これまでも一定規模以上の変状については補修を実施している実態を踏まえ、変状の発生原因が不明な場合や、目視点検の結果だけでは評価が困難な場合は、必要に応じて、詳細点検(調査を含む)を実施するものとする。

d措置段階

○変状の状況・降雨後に雨水の浸透に起因して法崩れが発生している。

○評価理由・堤防の機能に支障が生じているため、措置段階とする。

土堤

変状事例写真(土-3)

施設区分

- 32 -

Page 35: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状事例写真(土-4)

施設区分

変状種別 [4]沈下

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・堤防天端において、部分的な沈下が見られる。

○評価理由・H.W.Lまでの高さは満足しており、堤防の機能に支障は生じていないことから要監視段階とする。

c予防保全

段階

 盛土は洪水等により、急激に変状が進行することもあるため、劣化の予測困難であることから、①~⑦については、「c」評価を設定しないことを基本とする。 ただし、これまでも一定規模以上の変状については補修を実施している実態を踏まえ、変状の発生原因が不明な場合や、目視点検の結果だけでは評価が困難な場合は、必要に応じて、詳細点検(調査を含む)を実施するものとする。

d措置段階

○変状の状況・広範囲に沈下が見られる。

○評価理由・堤防の機能に支障が生じているため、応急対策等の措置が必要である。

土堤

- 33 -

Page 36: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状事例写真(土-5)

施設区分

[5]堤脚保護工の変形

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・堤脚保護工の上部が押し出され、段差が生じている。

○評価理由・過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。・要監視段階とする。

c予防保全

段階

 盛土は洪水等により、急激に変状が進行することもあるため、劣化の予測困難であることから、①~⑦については、「c」評価を設定しないことを基本とする。 ただし、これまでも一定規模以上の変状については補修を実施している実態を踏まえ、変状の発生原因が不明な場合や、目視点検の結果だけでは評価が困難な場合は、必要に応じて、詳細点検(調査を含む)を実施するものとする。

d措置段階

○変状の状況・堤脚保護工が堤防の土圧によって傾倒している。

○評価理由・堤脚保護工の機能に支障が生じているため、措置段階とする。

土堤

変状種別

- 34 -

Page 37: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状事例写真(土-6)

施設区分

変状種別 [6]はらみ出し

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・はらみ出しが生じている。

○評価理由・過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。・要監視段階とする。

c予防保全

段階

 盛土は洪水等により、急激に変状が進行することもあるため、劣化の予測困難であることから、①~⑦については、「c」評価を設定しないことを基本とする。 ただし、これまでも一定規模以上の変状については補修を実施している実態を踏まえ、変状の発生原因が不明な場合や、目視点検の結果だけでは評価が困難な場合は、必要に応じて、詳細点検(調査を含む)を実施するものとする。

d措置段階

○変状の状況・はらみ出しの範囲の一部に法崩れが生じている。

○評価理由・はらみ出しに以外に、複合的に法崩れが発生しており、堤防の機能に支障が生じている。・早急な対応が必要となることから措置段階とする。

土堤

- 35 -

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変状事例写真(土-7)

施設区分 土堤

変状種別 [7]寺勾配

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・定規形状から20cm程度沈下した寺勾配が見られる。

○評価理由・過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。・要監視段階とする。

c予防保全

段階

 盛土は洪水等により、急激に変状が進行することもあるため、劣化の予測困難であることから、①~⑦については、「c」評価を設定しないことを基本とする。 ただし、これまでも一定規模以上の変状については補修を実施している実態を踏まえ、変状の発生原因が不明な場合や、目視点検の結果だけでは評価が困難な場合は、必要に応じて、詳細点検(調査を含む)を実施するものとする。

d措置段階

○変状の状況

○評価理由・寺勾配に起因して、堤防の機能に支障が生じていることから措置段階とする。

該当事例写真し

事例が集まった

段階で更新する

- 36 -

Page 39: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状事例写真(土-8)

施設区分 土堤

変状種別 [8]モグラ等の小動物の穴

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・堤防法面にモグラの穴が見られる。・周りを歩いても地盤が沈みこむ状態ではない。

○評価理由・堤防の機能に支障はないため要監視段階とする。・維持工事で簡易的な補修を行い、経過を観察する。

c予防保全

段階

○変状の状況・堤防法面に小動物の巣穴と思われる穴が発生している。

○評価理由・雨水や洪水による侵食や、巣穴の拡大による堤防形状の変化を予防する必要があるため、予防保全段階とする。

d措置段階

○変状の状況モグラ塚の群集が陥没し、さらに雨水によって侵食を受けた状況。

○評価理由堤防の機能に支障が生じており、早急な対応が必要であることから措置段階とする。

- 37 -

Page 40: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状事例写真(土-9)

施設区分 土堤

変状種別 [9]排水不良

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・出水後に、裏法尻に水溜りが見られる。

○評価理由・堤防の機能に支障は生じていないことから、要監視段階とする。

c予防保全

段階

○変状の状況・降雨後に数日しても湿潤状態にある。

○評価理由・原因が不明であることから、詳細点検が必要である。

d措置段階

○変状の状況・降雨後に堤防法面にすべり破壊が生じた。

○評価理由・堤防天端からの排水不良に起因した変状である。・堤防の機能に支障が生じているため、措置段階とする。

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

- 38 -

Page 41: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状事例写真(土-10)

施設区分 土堤

変状種別 [10]樹木の侵入

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・堤防法面に背丈の低い樹木の侵入がみられる。

○評価理由・草刈り機等で容易に伐採が可能であるため、維持工事で簡易的な補修を行い、経過を観察する。

c予防保全

段階

○変状の状況・堤防法面に背丈の高い樹木の侵入がみられる。

○評価理由・洪水時の偏流によって弱部となることから、予防的に伐採する必要がある。

d措置段階

○変状の状況

○評価理由・樹木の侵入によって堤防の形状が変化していることから措置が必要である。

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

- 39 -

Page 42: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状事例写真(土-11)

施設区分 土堤

変状種別 [11]侵食(ガリ)・植生の異常

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・堤防法面に裸地化がみられるが、侵食(ガリ)は発生していない。

○評価理由・堤防の機能に支障はないため要監視段階とする。

c予防保全

段階

○変状の状況・堤防法面に侵食(ガリ)が発生している。・既往のモニタリング結果から、進行性が確認できる。

○評価理由・侵食の助長により、更なる拡大が予想される。・進行性があるため、予防保全段階とする。

d措置段階

○変状の状況・ガリ侵食によって表法面が崩れている。

○評価理由・堤防の機能に支障が生じていることから、措置段階とする。

- 40 -

Page 43: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状事例写真(土-12)

施設区分 土堤

変状種別 [12]漏水・噴砂

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・裏法尻に湿性植生が生育している。

○評価理由・堤防の機能に支障は生じていないことから、要監視段階とする。

c予防保全

段階

○変状の状況・裏法尻に湿性植生が生育している。・裏法尻は常時、湿潤となっている状態である。

○評価理由・湿潤となっている箇所は、目視できる水分の供給源がなく、原因が不明であることから、詳細調査が必要である。

d措置段階

○変状の状況・漏水・噴砂が確認できる。

○評価理由・堤防の機能に支障が生じていることから、措置段階とする。

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

- 41 -

Page 44: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

c予防保全

段階

○変状の状況・部分的な欠損が生じている。・護岸背面には空洞化は見られない。

○評価・洪水等の外力による部分的な欠損であり、今後の洪水によって拡大する恐れがある。・進行性があるため、予防保全段階とする。

d措置段階

○変状の状況・部分的に護岸が流出している。

○評価・護岸の機能が失われた状態であるため、措置段階とする。

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・護岸に亀裂が見られる。・打音検査においては空洞化が懸念される篭った音は発しない。

○評価・過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

変状事例写真(護-1)

施設区分 護岸

変状種別 [13]護岸の破損

- 42 -

Page 45: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

c予防保全

段階

○変状の状況・広範囲な陥没が見られる。

○評価・護岸背面の空洞化が疑われることから、変状範囲の特定のための詳細点検を行う必要がある。

d措置段階

○変状の状況・部分的な陥没が見られ、陥没箇所から護岸背面の空洞化状況が確認できる。

○評価・護岸の機能を失っており、洪水によって変状範囲が拡大する恐れがあることから、措置段階とする。

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・部分的なブロックの陥没が見られる。・陥没量はブロック厚の1/2以下の5cm程度である。

○評価・過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

変状事例写真(護-2)

施設区分 護岸

変状種別 [13]護岸の破損

- 43 -

Page 46: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状事例写真(護-3)

施設区分 護岸

変状種別 [13]護岸の破損

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・鉄線籠型護岸の鉄線にサビが見られる。

○評価・鉄線は破断しておらず、護岸の機能に支障はないことから要監視段階とする。

c予防保全

段階

○変状の状況・鉄線籠型護岸の鉄線が破断している。

○評価理由・中詰め材の流出は軽微であるが、洪水によって流出範囲が拡大する恐れがあることから、予防保全段階とする。

d措置段階

○変状の状況・鉄線籠型護岸の鉄線が破断し、中詰め材が流出している。

○評価・護岸の機能を失っている状態であることから、措置段階とする。

- 44 -

Page 47: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

施設区分 護岸

d措置段階

○変状の状況・法枠護岸の鏡が浮き上がっている。

○評価・護岸の機能を失った状態であるため、措置段階とする。

変状種別 [14]はらみ出し

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

c予防保全

段階

○変状の状況・護岸表面にはらみ出しが生じている。

○評価・変状原因の推定が目視だけでは困難なため、詳細調査が必要である。・詳細調査によって状態を確認し、対策工を検討する必要があることから、予防保全段階とする。

○変状の状況・護岸の目地が開いている。・縦断方向に連続しており、延長は5m程度である。

○評価・基礎部の洗掘に伴って、基礎部に釣られて目地が開いた。・はらみ出しによって目地が開いた。の2つのメカニズムが考えられるが、既往点検結果と比較した結果、変状の進行が見られないことから、今後もモニタリングを継続する。

変状事例写真(護-4)

- 45 -

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変状事例写真(護-5)

施設区分 護岸

変状種別 [15]基礎部の洗掘

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・護岸の目地が開いている。・縦断方向に連続しており、延長は5m程度である。

○評価・基礎部の洗掘に伴って、基礎部に釣られて目地が開いた。・はらみ出しによって目地が開いた。の2つのメカニズムが考えられるが、既往点検結果と比較した結果、変状の進行が見られないことから、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況・堤防護岸の基礎部が沈下している。・縦断方向に延長10m程度である。

○評価・洗掘に伴う変状であり、基礎部の状態確認が必要である。・詳細点検が必要なため、予防保全段階とする。

d措置段階

○変状の状況・河床洗掘によって、基礎コンクリート底面まで洗掘されている。部の沈下、基礎コンクリートと護岸との間に開きが見られる(写真は対策時のものである)。

○評価・護岸が損壊する前に応急対策が必要であることから措置段階とする。

- 46 -

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変状事例写真(護-6)

施設区分 護岸

変状種別 [16]端部の侵食

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・部材厚未満の侵食が見られる。

○評価・護岸の機能に支障はないことから、要監視段階とする。

c予防保全

段階

○変状の状況・部材厚以上に侵食しており、護岸下面に空洞化が見られる。

○評価・洪水による被害拡大を予防する必要があることから、予防保全段階とする。

d措置段階

○変状の状況・天端保護工が流出している。

○評価・護岸の機能に支障が生じていることから、措置段階とする。

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

該当事例写真なし

事例が集まった

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- 47 -

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変状事例写真(護-7)

施設区分 護岸

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・部材厚未満の侵食が見られる。

○評価・護岸の機能に支障はないことから、要監視段階とする。

c予防保全

段階

○変状の状況・部材厚以上に侵食しており、護岸下面に空洞化が見られる。

○評価・洪水による被害拡大を予防する必要があることから、予防保全段階とする。

d措置段階

○変状の状況・洪水によって、護岸の端部がめくれあがっている。

○評価・護岸の機能を失っており、早急な対応が必要であることから措置段階とする。

変状種別 [16]端部の侵食

該当事例写真なし

事例が集まった

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- 48 -

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変状事例写真(特-1)

施設区分 特殊堤・高潮堤防

変状種別 [17]本体の破損

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況本体の剥離している。

○評価HWLよりも高い位置の変状であり、進行性はないと判断できる。今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況本体にクラックが発生し、錆汁が出ている。

○評価HWLより低い位置の変状であり、今後も進行する恐れがある。予防保全の観点から、対策を行う。

d措置段階

○変状の状況本体にひび割れが発生している。

○評価HWLより低い位置での変状であり、特殊堤本体の機能が失われた状態である。補修または更新・復旧等の対策が必要な状態であるため、措置段階とする。

▽HWL

該当事例写真なし

事例が集まった

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- 49 -

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変状事例写真(特-2)

施設区分 特殊堤・高潮堤防

変状種別 [18]接合部の変形、破断

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況止水板が劣化し、無くなっている。

○評価HWLよりも高い位置の変状であることから、止水性に影響はないと判断できる。今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況段差が発生し、接合部が開いている。

○評価特殊堤本体の機能に支障が生じていないが、進行する可能性があり、予防保全の観点から、対策を行う。

d措置段階

○変状の状況接合部が開き、止水板が破断している。

○評価サビの進行により孔があき鋼矢板護岸の土留め機能が低下しており、補修または更新・復旧等の対策が必要な状態であるため、措置段階とする。

該当事例写真なし

事例が集まった

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- 50 -

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変状事例写真(矢-1)

施設区分 鋼矢板護岸

変状種別 [19]鋼矢板の変形、はらみ出し、破損

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況鋼矢板の軽微な変形が見られる。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況鋼矢板のはらみ出しにより、化粧パネルが脱落している。

○評価化粧パネルの脱落は鋼矢板護岸の機能に支障しないが、鋼矢板のはらみ出しに進行性があり、予防保全の観点から、対策を行う。

d措置段階

○変状の状況鋼矢板の顕著なはらみ出しが発生している。

○評価鋼矢板護岸の土留め機能が失われた状態であり、補修または更新・復旧等の対策が必要な状態であるため、措置段階とする。

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変状事例写真(矢-2)

施設区分 鋼矢板護岸

変状種別 [20]鋼矢板の腐食(サビ、孔、肉厚の減少)

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況鋼矢板に不均一な腐食が生じている。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況鋼材表面に層状な腐食生成物が生じている。

○評価鋼矢板護岸の機能に支障が生じていないが、サビが進行する可能性があり、予防保全の観点から、対策を行う。

d措置段階

○変状の状況顕著な漏水により腐食が進行している。

○評価サビの進行により孔があき鋼矢板護岸の土留め機能が低下しており、補修または更新・復旧等の対策が必要な状態であるため、措置段階とする。

- 52 -

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変状事例写真(矢-3)

施設区分 鋼矢板護岸

変状種別 [21]鋼矢板継手部の開き、欠損

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況継手部の軽微なズレが認められる。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況継手部が開いており、漏水の懸念がある。

○評価鋼矢板護岸の機能に支障が生じていないが、詳細点検等によって、機能低下状態を再評価する。

d措置段階

○変状の状況漏水による継手部の顕著な腐食が生じている。

○評価鋼矢板護岸の土留め機能が低下しており、補修または更新・復旧等の対策が必要な状態であるため措置段階とする。

- 53 -

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変状事例写真(矢-4)

施設区分 鋼矢板護岸

変状種別 [22]背後地盤の沈下、陥没

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況矢板背面地盤に軽微なひび割れが生じている。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況矢板背面の護岸・保護工に軽微な沈下・陥没が認められる。

○評価鋼矢板護岸の機能に支障が生じていないが、鋼矢板が傾倒したことで沈下・陥没が生じている可能性等があるため、詳細点検等によって、機能低下状態を再評価する。

d措置段階

○変状の状況矢板背面の護岸・保護工に顕著な沈下・陥没と明らかな空洞化が生じている。

○評価鋼矢板の傾倒によるものと見られ、鋼矢板護岸の土留め機能が低下している。補修または更新・復旧等の対策が必要な状態であるため、措置段階とする。

- 54 -

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変状事例写真(矢-5)

施設区分 鋼矢板護岸

変状種別 [23]笠コンクリートの変形、破損

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況笠コンの剥離等が発生している。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況耐久性に影響を与える恐れのあるクラックと欠損が発生している。

○評価鋼矢板護岸の機能に支障が生じていないが、笠コンの耐久性に影響を与えるクラック(欠損)を生じているため、詳細点検等によって、機能低下状態を再評価する。

d措置段階

○変状の状況鋼矢板天端(笠コン)の顕著なはらみ出しが発生している。

○評価鋼矢板護岸の土留め機能が低下して補修または更新・復旧等の対策が必要な状態であるため、措置段階とする。

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変状事例写真(樋-1)

施設区分 樋門・樋管

変状種別 [1]堤防のクラック、緩み、取付護岸のクラック

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況取付護岸にクラックが生じている。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況取付護岸にクラックが生じ、ゆるみが発生している。

○評価進行性があり、目視点検結果からだけではゆるみの発生原因推定が困難である。詳細調査を行い原因を特指定したうえで対応を検討する必要がある。

d措置段階

○変状の状況・堤体からの漏水が発生している。

○評価堤防の機能に支障が生じているため措置段階とする。

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変状事例写真(樋-2)

施設区分 樋門・樋管

変状種別 [2]函体底版下等の空洞化

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況函体の抜け上がり(10cm未満)が発生している。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況・函体の抜け上がり(10cm以上30cm未満)が発生している。

○評価抜け上がりの可能性が高いため、詳細調査を行い、空洞化の有無や原因を推定したうえで、対応を検討する必要がある。

d措置段階

○変状の状況・函体の抜け上がり(30cm以上)が発生している。

○評価抜け上がりの発生により機能に支障が生じており、早急な対応が必要であることから措置段階とする。

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変状事例写真(樋-3)

施設区分 樋門・樋管

変状種別 [3]函体等の破損(堤防の損壊につながる恐れがあり、外観で確認できる函体、胸壁、翼壁等)の破損

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・クラックとさび汁が発生している。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、周辺堤防の変状も発生していないため、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況鉄筋が露出するなど断面の欠損が発生しており鉄筋も腐食している。

○評価放置しておくと鉄筋の腐食が進行し断面性能の低減が発生するため、予防保全を実施する。

d措置段階

○変状の状況構造耐力に影響する断面欠損が生じている。

○評価函体の構造上の健全度が失われており、早急な対応が必要であることから、措置段階とする。

- 58 -

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変状事例写真(樋-4)

施設区分 樋門・樋管

変状種別 [4]継手(翼壁との接合部を含む)の変形、破断

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・継手(止水版)に開き(2cm未満)が発生している。

○評価過年度の変状状況からの進行性はなく、止水板の変形量の所定の性能内であるため、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況・継手(止水版)に開き(2cm以上)が発生している。

○評価止水板の性能以上の開きが発生しており、止水機能の低下が生じているため、詳細調査による原因を推定したうえで対応を検討する必要がある。

d措置段階

○変状の状況継手の水密ゴム、止水板が破断している。

○評価機能に支障が生じているため、早急な対応が必要であることから措置段階とする。

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

- 59 -

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変状事例写真(樋-5)

施設区分 樋門・樋管

変状種別 [5]門柱等(ゲートの開閉不全につながる恐れがあり、かつ、外観で確認できる門柱、操作台等)の変形、破損

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況門柱にクラック、エフロレッセンスが発生している。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況耐久性に影響のある恐れのあるコンクリートの断面欠損が生じている。

○評価進行性であり、鉄筋が露出するなどの恐れがある。それにより、断面性能の低減が発生するため予防保全を実施する。

d措置段階

○変状の状況構造耐力に影響する断面欠損が生じている。

○評価門柱部の構造上の健全度が失われており、早急な対応が必要であることから、措置段階とする。

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

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変状事例写真(樋-6)

施設区分 樋門・樋管

変状種別 [6]函体内の土砂堆積

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況余裕高以下の土砂堆積が生じている。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

管理上支障がある場合は土砂を排除する措置を実施する。

c予防保全

段階

d措置段階

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

- 61 -

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変状事例写真(樋-7)

施設区分 樋門・樋管

変状種別 [7]函体の過大な沈下

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況・樋門断面の余裕高以下の沈下が発生している。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、設計資料からも想定している沈下量内となっていることから、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

d措置段階

○変状の状況・樋門断面の余裕高以上の沈下が生じている。

○評価流下能力に支障が生じており、早急な対応が必要であることから、措置段階とする。

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

- 62 -

Page 65: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状事例写真(水-1)

施設区分 水門

変状種別 [1]堤防のクラック、緩み、取付護岸のクラック

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況取付護岸にクラックが生じている。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況取付護岸にクラックが生じ、ゆるみが発生している。

○評価進行性があり、目視点検結果からだけではゆるみの発生原因推定が困難である。詳細調査を行い原因を特指定したうえで対応を検討する必要がある。

d措置段階

○変状の状況堤体からの漏水が発生している。

○評価堤防の機能に支障が生じているため措置段階とする。

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変状事例写真(水-2)

施設区分 水門

変状種別 [2]堰柱、床版、胸壁、翼壁、水叩き等の変形、破損

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況クラックが発生している。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況鉄筋が露出するなど断面の欠損が発生しており鉄筋も腐食している。

○評価放置しておくと鉄筋の腐食が進行し断面性能の低減が発生するため、予防保全を実施する。

d措置段階

○変状の状況構造耐力に影響する断面欠損が発生している。

○評価構造耐力が低下しており、早急な対応が必要であることから、措置段階とする。

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

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変状事例写真(水-3)

施設区分 水門

変状種別 [3]継手の変形、破断

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況継手(止水版)に開き(2cm未満)が発生している。

○評価過年度の変状状況からの進行性はなく、止水板の変形量の所定の性能内であるため、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況継手(止水版)に開き(2cm以上)が発生している。

○評価止水板の性能以上の開きが発生しており、止水機能の低下が生じているため、詳細調査による原因を推定したうえで対応を検討する必要がある。

d措置段階

○変状の状況継手(止水版)に開き(7cm以上)が発生している。

○評価機能に支障が生じているため、早急な対応が必要であることから措置段階とする。

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

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変状事例写真(水-4)

施設区分 水門

変状種別 [4]門柱等の変形、破損

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況門柱にクラックが発生している。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況耐久性に影響のある恐れのあるコンクリートの断面欠損が生じている。

○評価進行性であり、鉄筋が露出するなどの恐れがある。それにより、断面性能の低減が発生するため予防保全を実施する。

d措置段階

○変状の状況構造耐力に影響する断面欠損が生じており、鉄筋が露出している。

○評価構造耐力が低下しており、早急な対応が必要であることから、措置段階とする。

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b要監視段階

変状事例写真(水-5)

施設区分 水門

c予防保全

段階

d措置段階

○変状の状況管理上、支障が生じる場合は適切に土砂を除去する

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

管理上支障がある場合は土砂を排除する措置を実施する。

変状種別 [5]水路内の土砂堆積

評価区分 参考事例 状況と評価理由

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

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変状事例写真(堰-1)

施設区分 堰

変状種別 [1]水叩き、護床工等の変形、破壊、上下流河床の洗掘

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況クラックが発生している。

○評価過年度の変状状況から進行性は無く、その他の変状が確認されていないため、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況鉄筋が露出するなど断面の欠損が発生しており鉄筋も腐食している。

○評価放置しておくと鉄筋の腐食が進行し断面性能の低減が発生するため、予防保全を実施する。

d措置段階

○変状の状況構造耐力に影響する変状、断面欠損が生じている。

○評価所定の機能に支障が生じており、早急な対応が必要であることから措置段階とする

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

- 68 -

Page 71: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

変状事例写真(堰-2)

施設区分 堰

変状種別[2]床版、堰柱、門柱等の変形、破損(ゲートの開閉不全につながる恐れがあり、かつ、外観で確認できる部材(門柱、操作台等)を対象とする)

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況クラックが発生している。

○評価過年度の変状状況から進行性は無く、その他の変状が確認されていないため、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況耐久性に影響のある恐れのある断面欠損が生じている

○評価進行性があり、目視点検だけでは原因推定が困難である。詳細調査(出水時の条件に基づく安定検討等)により、対応を検討する必要がある。

d措置段階

○変状の状況構造耐力に影響する断面欠損が生じており、堰本体の機能に支障が生じている。

○評価堰本体の機能に支障が生じており、早急に対応が必要であることから、措置段階とする。

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

- 69 -

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変状事例写真(堰-3)

施設区分 堰

変状種別 [3]魚道の変形、破損

評価区分 参考事例 状況と評価理由

b要監視段階

○変状の状況クラックが発生している。

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

c予防保全

段階

○変状の状況鉄筋が露出するなど断面の欠損が発生しており鉄筋も腐食している。

○評価放置しておくと鉄筋の腐食が進行し断面性能の低減が発生するため、予防保全を実施する。

d措置段階

○変状の状況構造耐力に影響する断面欠損が生じている。

○評価魚道の構造上の健全度が失われており、早急な対応が必要であることから、措置段階とする。

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

- 70 -

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b要監視段階

変状事例写真(堰-4)

施設区分 堰

c予防保全

段階

d措置段階

○変状の状況管理上、支障が生じる場合は適切に土砂を除去する

○評価過年度の変状状況から進行性はなく、今後もモニタリングを継続する。

管理上支障がある場合は土砂を排除する措置を実施する。

変状種別 [4]河道内(ゲート周辺)、本体上流部、閘門内、魚道内の土砂堆積

評価区分 参考事例 状況と評価理由

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

該当事例写真なし

事例が集まった

段階で更新する

- 71 -

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【巻末資料1】

堤防等河川管理施設の点検結果評価要領について

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堤防等河川管理施設の点検結果評価要領について

平成29年3月

国土交通省 水管理・国土保全局河川環境課

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目 次(1/2)

1.検討の背景(1)河川法の改正(2)河川管理施設毎の点検結果等の公表(3)戦略的な維持管理

2.河川管理の現状(1)河川管理施設の状況(2)河川管理施設数(3)河川管理施設の点検手法(4)河川管理施設の点検状況

3.点検結果評価基準・要領の基本方針(1)目的(2)対象施設(3)点検と評価の流れ(4)評価の手順(5)点検結果評価方法(6)変状箇所ごとの評価区分(7)総合的な評価の区分(8)総合的な評価を実施する単位(9)河川構造物の施設ごとの評価方法

4.堤防の評価4.1 土堤(1)土堤の構造(2)土堤の機能(3)土堤に発生する変状(4)土堤に発生する変状と原因(5)点検結果評価の判定目安(案)

4.2 護岸(1)設置目的と評価対象(2)護岸の機能(3)護岸に発生する変状(4)護岸の主な工法(5)護岸に発生する変状と点検項目(6)点検結果評価の判定目安(案)

4.3 特殊堤・高潮堤防(1)設置目的と評価対象(2)特殊堤・高潮堤防の種類(3)特殊堤・高潮堤防の機能(4)特殊堤・高潮堤防の評価部位(5)特殊堤・高潮堤防に発生する変状と点

検項目(6)点検結果評価の判定目安(案)

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3

目 次(2/2)

4.4 鋼矢板護岸(1)機能と構造(2)鋼矢板護岸に発生する変状(3)鋼矢板護岸に発生する変状と点検

項目(4)点検結果評価の判定目安(案)

5.河川構造物(構造物周辺の堤防を含む)の評価5.1 樋門・樋管(1)設置目的・構造(2)樋門・樋管の機能(3)樋門・樋管の主な形式(4)樋門・樋管に発生する変状と点検

項目(5)点検結果評価の判定目安(案)

5.2 水門(1)設置目的・構造(2)水門と樋門の違い(3)水門の機能(4)水門に発生する変状と点検項目(5)点検結果評価の判定目安(案)

5.3 堰(1)設置目的・構造(2)堰の形式(3)堰の機能(4)堰に発生する変状と点検項目(5)点検結果評価の判定目安(案)

4

1.検討の背景(1)河川法の改正1)河川法の改正(平成25年6月12日公布、12月11日施行)(河川管理施設等の維持又は修繕)

第15条の2 河川管理者又は許可工作物の管理者は、河川管理施設又は許可工

作物を良好な状態に保つように維持し、修繕し、もって公共の安全が保持されるように努めなければならない。

2 河川管理施設又は許可工作物の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は、政令で定める。

3 前項の技術的基準は、河川管理施設又は許可工作物の修繕を効率的に行うための点検に関する基準を含むものでなければならない。

高度成長期に整備された多数の構造物の老朽化

ポンプ設備(逆流防止弁)の損壊状況 護岸の損壊状況

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5

2)維持又は修繕に関する技術的基準等(河川法施行令)

(河川管理施設等の維持又は修繕に関する技術的基準等)

第9条の3 法第15条の2第2項の政令で定める河川管理施設又は許可工作物

(以下この条において「河川管理施設等」という。)の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は、次のとおりとする。

一 河川管理施設等の構造又は維持若しくは修繕の状況、河川の状況、河川管理施設等の存する地域の気象の状況その他の状況(次号において「河川管理施設等の構造等」という。)を勘案して、適切な時期に、河川管理施設等の巡視を行い、及び草刈り、障害物の処分その他の河川管理施設等の機能(許可工作物にあっては、河川管理上必要とされるものに限る。)を維持するために必要な措置を講ずること。

二 河川管理施設等の点検は、河川管理施設等の構造等を勘案して、適切な時期に目視その他適切な方法により行うこと。

三 前号の点検は、ダム、堤防その他の国土交通省令で定める※1河川管理施設等にあっては、一年に一回以上の適切な頻度で行うこと。

四 第二号の点検その他の方法により河川管理施設等の損傷、腐食その他の劣化その他の異状があることを把握したときは、河川管理施設等の効率的な維持及び修繕が図られるよう、必要な措置を講ずること。

2 前項に規定するもののほか、河川管理施設等の維持又は修繕に関する技術的基準その他必要な事項は国土交通省令で定める※2。

6

3)維持又は修繕に関する技術的基準等(省令)

※1 国土交通省令で定める河川管理施設等

1 ダム(土砂の流出を防止し、及び調節するために設けるもの並びに基礎地盤から堤頂までの高さが15メートル未満のものを除く)

2 堤防(堤内地盤高が計画高水位(津波区間又は高潮区間にあつては、計画津波水位又は計画高潮位のうちいずれか高い水位)より高い区間に設置された盛土によるものを除く。)

3 可動堰(上記堤防が存する区間に設置されたもの)

4 上記堤防が存する区間に設置された水門、樋門その他※の流水が河川外に流出することを防止する機能を有する河川管理施設等

※ 閘門、陸閘、揚排水機場の取排水口 等

※2 国土交通省令で定めるその他の事項として

点検結果の記録(点検年月日、点検者氏名、点検の結果)と保存

コンクリート

▽ 計画高水位○

鋼矢板

▽ 計画高水位

笠コンクリート

▽ 計画高水位

土堤

×

▽ 計画高水位

パラペット

×

自立式構造の特殊堤を含む掘込み区間の余裕高堤(土堤,パラペット)を除く

▽ 計画高水位

土堤

▽ 計画高水位

パラペット

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7

「今後の社会資本の維持管理・更新のあり方について」答申(平成25年12月 社会資本整備審議会・交通政策審議会)

第3章 戦略的な維持管理・更新に関する基本的な考え方1.国の責務

(中略)国は所管する全ての社会資本の維持管理・更新が的確に行われるよう、自ら管理する施設の維持管理・更新にあたって、全ての管理者の模範となるよう率先として体制を整え、必要な取組を行うとともに、地方公共団体や民間事業者が管理する施設の維持管理・更新が的確に行われるよう、基準等の整備及び制度化、並びに地方公共団体への支援等を実施すべきである。

2.国民の理解と協力の促進(中略)国は、地方公共団体や民間事業者が管理する施設も含めた社会資本の健全性等の実態の公表や、的確な維持管理・更新の重要性に関する情報発信を積極的に実施すべきである。また、管理者は、維持管理の実施状況や施設の健全性等の実態についての「見える化」を推進すべきである。

第4章 戦略的な維持管理・更新のために重点的に講ずべき施策1.施設の健全性等を正しく着実に把握するための取組(1)全ての施設の健全性等を正しく着実に把握するための仕組みの確立

・健全性を正しく把握するため、その考え方(健全性評価を行う頻度、対象施設、部位、方法、指標等)を示した基準等について、整備・見直しを推進する。

(3)施設の健全性等及びその対応方針の国民への公表と国民の理解と協力促進・社会資本の管理者は、その管理する施設の健全性等に関する点検・診断結果を国

民に公表する。

(2)河川管理施設毎の点検結果等の公表

8

「河川砂防技術基準 維持管理編(河川編)(H27年3月改定)」

第1章 総 説 第2節 河川維持管理の基本方針 (3)戦略的な維持管理

各河川における管理水準を持続的に確保し、中長期的な維持管理に係るトータルコストの縮減や平準化を図るためには、河川及び河川管理施設がその本来の機能を発揮されるよう計画的に維持管理を行うとともに、状態監視保全への移行や長寿命化対策を踏まえた戦略的な維持管理を行うことが必要である。

①中長期的視点に立った維持管理計画維持管理は長期的視点に立って計画的に取り組むことが重要であり、そのためには、点検結果・診断

結果やこれらの評価結果を踏まえ、施設の長寿命化計画等の維持管理に係る中長期的な計画の策定や見直しを推進し、当該計画に基づき対策を実施していく必要がある。②メンテナンスサイクルの構築(中略)点検・診断・評価の結果に基づき、適切な時期に、着実かつ効率的・効果的に必要な対策を実施するとともに、これらの取組を通じて得られた施設の状態や対策履歴等の情報を記録し、次期点検・診断等に活用するというメンテナンスサイクルを構築し、このメンテナンスサイクルを継続的に発展させていく必要がある。③状態監視保全・事後保全の移行(中略)維持管理の対象となる施設について、施設の部材、部品が故障することにより施設機能に壊滅的な影響を与えるか否かを考慮した上で、「時間計画保全」すべき部材、部品を除き、「状態監視保全」や「事後保全」の考え方に移行していく必要がある。④長寿命化対策の推進河川管理施設については長寿命化対策を進めトータルコストの

縮減に取り組んでいく必要がある。特に、確実に経年劣化を生じる機械設備や電気通信設備を有する河川構造物については、新たな技術を開発・導入して状態監視の信頼性を高めていくとともに、施設そのものに耐久性のある構造・部材・部品を適用していく必要がある。

(3)戦略的な維持管理

長寿命化対策によるトータルコスト縮減のイメージ

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0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

0

50

100

150

200

250

300

350大

正以前

昭和元年 2 3 4 5 6 7 8 9

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平成元年 2 3 4 5 6 7 8 9

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23

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25

年度別設置数

累計

年別設置数(

箇所)

累計施設数(

箇所)

平成26年3月末時点

20年後に設置後40年経過する施設全体の約8割に増加

10年後に設置後40年経過する施設全体の約7割に増加

現在、設置後40年経過した施設全体の約4割に増加

9

2.河川管理の現状(1)河川管理施設の状況(直轄管理施設)

出典)国土交通省 水管理・国土保全局資料による。

10

(2)河川管理施設数

堰, 146(0.4%)水門, 801(2.5%)

樋門・樋管,

16,508(50.9%)

陸閘門, 1,182(3.6%)

その他, 446(1.4%)

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000

堰 床止め 水門 樋門・樋管 陸閘門 揚排水機場 その他

床止め, 12,950(39.9%) 揚排水機場, 421(1.3%)

堰, 117(1.1%)

床止め, 309(2.9%)水門, 327(3.1%)

陸閘門, 762(7.3%)

その他, 183(1.7%)

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000

樋門・樋管, 8312(79.2%)

揚排水機場, 479(4.6%)

国管理施設数

都道府県等管理施設数

13,400(18.2%)

8,786(7.2%)

40,920(55.7%)

77,370(63.4%)

19,128(26.0%)

35,834(29.4%)

0 50,000 100,000 150,000

堤防延長

河川延長

国管理河川 都道府県・政令市管理河川(1級) 都道府県・政令市管理河川(2級)

河川延長・堤防延長【単位:km】

平成26年3月末時点

平成26年3月末時点

平成26年3月末時点

:年に1回以上の頻度で点検を実施することが位置付けられている河川管理施設出典)1.国管理の施設数及び河川延長、堤防延長は国土交通省 水管理・国土保全局資料による。

2.都道府県・政令市の施設数及び河川延長、堤防延長は、「都道府県等管理河川における河川維持管理状況等に関する調査」による。

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11

(3)河川管理施設の点検手法・堤防等河川管理施設及び河道の点検要領※に基づき点検を実施

※平成24年5月17日付国河環第14号 河川環境課長通達(最終改正:平成28年3月31日)(各都道府県、政令指定都市に対しては、平成26年3月に技術的参考資料として送付(最終改正:平成28年3月31日))

手 段 体 制

堤防

土 堤 ・点検は徒歩で行うことを基本とし、点検を効率的に行うため、管理用通路の状況等に応じて、自転車等を使用することもできる。

・点検は、外観を目視により状態把握することを基本とし、必要に応じてスケール等による計測を行う。

・変状が発見された場合、堤防の治水機能に及ぼす影響について評価を行った上で、緊急対応、原因把握のための調査や経過観察等、適切な対応を行うものとする。

・2~5人の班編制

高潮堤防 ・2~5人程度の班編制

特 殊 堤 ・2~3人程度の班編制

陸 閘 ・堤防点検の班編制の中で実施

樋 門 等構 造 物周 辺 の堤 防

・点検は目視により行い、目視点検の結果変状が確認された箇所については、計測による定点観測を実施。

・目視点検と定点観測の結果をもとに必要に応じて実施する詳細点検は、「樋門等構造物周辺堤防詳細点検要領」(H24.5)に基づくものとする。

・2~5人程度の班編制・構造物上部の天端及び法面は1~3人

・函渠を含む構造物1~3人

河川管理施設(堤防除く)、河道

・徒歩にて点検を行うことを基本とする。・点検は、外観を目視により状態把握することを基本とし、

必要に応じてスケール等による計測を行う。・河川管理施設の変状の経過観察を行うために必要な場合

には計測定点を設ける。・水面からのみ視認できる低水護岸(矢板護岸)等は、必

要に応じて船上から点検を実施する。・河道の点検では、砂州の変化や樹木の繁茂状況の変化を

把握するため、橋梁等の定点より目標を定めて写真撮影を行う。

・2人以上の班編制

12

堤防点検(堤防の変状(亀裂、法崩れ等)把握)

河川管理施設等点検(河川管理施設等の状態把握)

(4)河川管理施設の点検状況

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3.点検結果評価要領の基本方針(1)目的

・堤防等河川管理施設の点検結果評価要領は、「堤防等河川管理施設及び河道の点検要領」 (H28.3 国土交通省 水管理・国土保全局河川環境課)等に基づく、目視主体の点検(1回/年以上)結果を評価するための考え方を示し、もって適正な河川の維持管理に資することを目的としたものである。

(2)対象施設・対象施設は、河川管理施設として設置された土堤、護岸(堤防等と一

体となって機能を発揮するもの及び低水護岸であっても、堤防防護ラインよりも堤防側に設置されており、土堤と一体となって防護している低水護岸は対象)、樋門・樋管、水門、堰等とする。

・H27年度末までに、土堤及び護岸、鋼矢板護岸、樋門・樋管、水門及び堰について策定。

14

※「堤防等河川管理施設の点検結果評価要領(案)」(H28.3 国土交通省 水管理・国土保全局 河川環境課 河川保全企画室)、「樋門等構造物堤防詳細点検要領」(H24.5 国土交通省 水管理・国土保全局 治水課)による

(3)点検と評価の流れ河川維持管理計画

・河川維持管理計画を作成する。

点検の計画

点検

評価

要監視段階異状なし

措置段階

・点検対象、点検の実施時期や点検手法を定める。

・点検の計画に基づいた点検を実施する。

・点検結果について、変状箇所ごと・施設ごとに機能低下の状態を評価する。

・評価結果を踏まえ、補修・更新等の対策を実施する。

・異状が認められない。

・変状の進行状況等を継続的に監視する。

・機能に支障が生じていないか予防保全の観点から対策を実施することが望ましい。

・詳細点検(調査を含む)によって機能低下状態を再評価する。

・変状の発生原因が不明な場合や、点検結果だけでは評価が困難な場合は、必要に応じて詳細点検(調査を含む)を実施し、原因分析を行う。

予防保全段階

詳細点検

概ね5年ごとに河川維持管理計画の内容を見直す

見直し

再評価

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評価の手順

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※1. 既往資料等(治水地形分類図、災害履歴、地質情報 築堤履歴、定期横断測量図、浸

透流解析結果、設計資料等)を踏まえる※2. 不可視、発生原因が不明な変状については、必要に応じて、詳細点検(調査を含む)

を実施し、その点検結果を踏まえる※3. 軽微な補修を必要とする変状を含む※4.必要に応じて、詳細点検(調査を含む)を実施

(4)評価の手順

変状発見

【二次評価】横断的連絡調整会議等で

組織として評価※1,※2

(a,b,c,d)

B区分

(要監視段階)※3

C区分

(予防保全段階)※4

D区分(措置段階)

【一次評価)】

点検者等が機能低下の状態・進行性を評価

(a,b,c,d)

※評価結果は小文字(a、b、c、d)で表示

A区分(異常無し)

[総合的な評価](一連区間又は施設ごと)

※評価結果は大文字(A、B、C、D)で表示

[変状箇所ごとの評価]

点 検■一次評価

点検結果に基づき点検者等が機能低下の状態や進行性を評価する。

■二次評価一次評価結果や既

往資料等を踏まえ、事務所の関係各部署が参加する横断的連絡調整会議等で組織として変状箇所ごとの二次評価を実施するとともに、 総合的な評価を実施する。

16

(5)点検結果評価方法着目する事象

点検結果をもとに施設の状態を把握し、その施設に講じるべき措置を評価するために

は、施設の機能の状態を評価する必要がある。

河川管理施設は堤防や基礎地盤等と一体で機能を発揮する構造物であるため、自然公

物的な要素や不可視部分が多く、目視等による点検結果で機能の維持状態を評価する

ことは容易ではないが、可能な限り目視により変状を確認する。

目視での確認が困難な場合(空洞化等)には、必要に応じて詳細調査を行うものとする。

詳細調査を実施した場合には、その結果を活用して評価するものとする。

⇒施設の機能に影響を与え、目に見える形で現れる「変状」に着目し、機能の

維持状態の評価(点検結果の評価)を行うものとする。

※施設の建設時の状態を基本として評価するものとする。

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17

(5)点検結果評価方法データの蓄積について

点検者が評価をおこなう上で、評価基準が定量的に示されることが望ましい。

ただし、堤防は原則として土で作られ、過去幾度にもわたって築造・補修され現在に

至っているという歴史的経緯を有しており、構成する材料の品質が不均一である特徴

を有している。

また、河川の特徴も河川ごとに異なることから、護岸や樋門等の河川構造物の変状の

要因・メカニズム等についても様々である。

このため、評価基準を定量的に示すことが困難であり、またそれを示すだけの技術的

裏付けとなるデータも現時点では揃っていない。

これまで、『点検者の経験等』に頼って評価してきていることから、当面も経験豊富

な技術者による評価を継続し、データが蓄積され分析可能となった段階で、定量的な

基準を設けるものとする。

(6)変状箇所ごとの評価区分・河川管理施設の機能低下は、不定期な外力(出水等)によりもたらされる場合が多いが、通行止め等の対応が可能な道路や鉄道などの施設とは異なり、河川管理施設はそのサービスを停止することができない。

・また、戦略的維持管理として、河川管理施設の長寿命化や維持管理コストの縮減を図るために「予防保全」の推進が位置付けられている。

・下図に示すとおり、河川管理施設の受ける外力は、低頻度の大規模な外力を主な対象としているため、施設の機能に影響を及ぼすほどではないが、進行する可能性のある変状等は、継続的に「監視」を続けておく必要がある。

⇒変状箇所ごとの評価は、変状がほとんどない「異状なし(a)」、機能に支

障が生じており、補修や更新等が必要な「措置段階(b)」に、「要監視段

階(c)」、「予防保全段階(d)」を加えた4段階に区分する。

18

(外力)

(機能)

出水等のインパクトと機能低下の関係(概念)

出水等による機能低下

低下

出水等によるインパクト 区分

a 異状なし

b 要監視段階

c 予防保全段階

d 措置段階

点検結果評価区分(4段階)

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19

・変状箇所ごとの評価区分の各段階の状態は、下表のとおりとする。

変状箇所ごとの点検結果評価区分

区分 状態変状確認

機能支障

a 異状なし

・ 目視できる変状がない、または目視できる軽微な

変状が確認されるが、堤防等河川管理施設の機

能に支障が生じていない健全な状態なし なし

b要監視

段階

・ 堤防等河川管理施設の機能に支障が生じていな

いが、進行する可能性のある変状が確認され、経

過を監視する必要がある状態(軽微な補修を必

要とする場合を含む)

あり なし

c予防保全

段階

・ 堤防等河川管理施設の機能に支障が生じていな

いが、進行性があり予防保全の観点から、対策を

実施することが望ましい状態

・ 詳細点検(調査を含む)によって、堤防等河川管

理施設の機能低下状態を再評価する必要がある

状態

あり なし

d 措置段階

・ 堤防等河川管理施設の機能に支障が生じており、

補修又は更新等の対策が必要な状態

・ 詳細点検(調査を含む)によって機能に支障が生

じていると判断され、対策が必要な変状

あり あり

20

● 総合的な評価は、堤防等河川管理施設に生じた変状箇所ごとの点検結

果の評価に基づき、各施設の有するべき機能状態に着目して実施し、そ

の結果を踏まえて、各河川の堤防等河川管理施設の健全性等の全体像を

把握することを目的に実施する。

● 総合的な評価は、評価結果に応じて、迅速又は計画的に対策を実施す

る必要があるため、1年に1回、当該年度の変状箇所ごとの評価が全て

終了した後に、速やかに実施することを基本とする。

● 総合的な評価は、変状に関する調査結果等の既往資料、変状確認後の

応急対策等の対応状況等を踏まえるとともに、詳細点検(調査を含む)

や今後の対策工事等を合わせて検討する必要があることから、事務所の

関係各部署が参加する横断的連絡調整会議等において実施し、組織的な

確認を行う。

● 必要に応じて、学識者等の助言や、各地方整備局等の河川部局に設け

られている「河川砂防保全技術支援チーム」の技術相談窓口、又は国土技

術政策総合研究所等の技術支援を受けるものとする。

(7)総合的な評価の区分

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21

●大河川の総合的な評価を実施する単位・土堤及び護岸は、氾濫ブロック、支派川の分合流点や山付き箇所などを考慮し

て設定した「一連区間」を基本とする。

・なお、氾濫ブロックが広大であるなどにより、「一連区間」が長大になる河川

では、主要な橋梁や堤内地の状況なども考慮した上で、改めて「一連区間」を

設定する。

・河川構造物については、河川構造物は土木施設、機械設備及び電気通信施設が

一体となり機能を発揮することから、総合的な評価を実施する単位は、樋門、

水門等の「施設」を基本とする。

●中小河川の総合的な評価を実施する単位・土堤及び護岸は、大河川と同様の考え方により設定した「一連区間」を基本と

する。

・なお、中小河川は、明瞭に氾濫ブロックを分けることが困難である場合もある

ことから、河川の状況に応じて、土堤及び護岸の総合的な評価を実施する単位

を、「河川」をすることができる。

・河川構造物については、大河川と同様に、「施設」を基本とする。

(8)総合的な評価を実施する単位

22

・総合的な評価の区分の各段階の状態は、下表のとおりとする。

総合的な評価の点検結果評価区分

区分 状態変状確認

機能支障

A 異状なし

・ 目視できる変状がない、または目視できる軽微な

変状が確認されるが、堤防等河川管理施設の機

能に支障が生じていない健全な状態なし なし

B要監視

段階

・ 堤防等河川管理施設の機能に支障が生じていな

いが、進行する可能性のある変状が確認され、経

過を監視する必要がある状態(軽微な補修を必

要とする場合を含む)

あり なし

C予防保全

段階

・ 堤防等河川管理施設の機能に支障が生じていな

いが、進行性があり予防保全の観点から、対策を

実施することが望ましい状態

・ 詳細点検(調査を含む)によって、堤防等河川管

理施設の機能低下状態を再評価する必要がある

状態

あり なし

D 措置段階

・ 堤防等河川管理施設の機能に支障が生じており、

補修又は更新等の対策が必要な状態

・ 詳細点検(調査を含む)によって機能に支障が生

じていると判断され、対策が必要な変状

あり あり

Page 86: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

23

※大河川堤防の一連区間の設定と総合的な評価のイメージ

※「-」は工種の存在しない箇所を示す

河川名

岸別

区間

距離標区間延長

評価実施堤防延長

評価総合的な評価

備考土堤 護岸

特殊堤・高潮堤防

鋼矢板護岸

A川

左岸

1 0 ~ 13 km 13 km 13 km A B A B B

2 13 ~ 20 km 7 km 7 km A A - - A

3 20 ~ 30 km 10 km 10 km A A - - A

右岸

1 0 ~ 7 km 7 km 7 km A A - A A

2 7 ~ 12 km(山付き) 5 km 0 km - - - - - 評価対象外

3 12 ~ 20 km 8 km 8 km B B - - B

4 20 ~ 30 km(L=3kmは山付き)

10 km 7 kmC - - - C

22~23km,24~25km,26~27kmは山付き

12~20 km山付き部

0~13 km 13 ~20 km

L1ブロック

R1ブロックR2ブロック

L2ブロック本川(A川)

0~7 km

20 ~30 km

20 ~30 km

山付き部 山付き部 山付き部

24

●機械設備や電気通信施設を有する樋門等の河川構造物は、土木施設の点検結果の他に、

機械設備及び電気通信施設の点検結果を踏まえて、総合的な評価を実施する。

●樋門・樋管、水門、堰の機械設備や電気通信施設を有する施設の総合的な評価(施設の

評価)は、土木施設の評価を実施し、さらに機械設備及び電気通信施設の点検結果を総合

的に判断した上で、前ページの「総合的な評価の点検結果評価区分」を基本として施設ご

との総合的な評価を実施する。

●なお、施設ごとの総合的な評価は、事務所内の横断的連絡調整会議にて判定する。

(9)河川構造物の施設ごとの評価方法

※1:「河川用ゲート設備 点検・整備・更新マニュアル(案)」(H27.3 国土交通省)、「河川ポンプ設備 点検・整備・更新マニュアル(案)」(H27.3 国土交通省)を適用

※2:「電気通信施設アセットマネジメン要領・同解説(案)」(H24.10国土交通省)を適用

土木施設点検結果

土木施設の評価

機械設備等の評価※1 ※2

河川構造物全体の評価

機械設備等点検結果

河川構造物の全体の評価手順

【樋門全体の評価】横断的連絡調整会議に

て判定

【変状毎・設備毎の評価】担当者レベルでの判断が困難な場合は、横断的連

絡調整会議にて判定 変状毎の評価 設備毎の評価

Page 87: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

【樋門等河川構造物の施設ごとの評価イメージ(例)】

25

工種 変状箇所ごとの評価土木施設・機械施

設等の評価樋門全体の評価

土木施設

樋門本体

①周辺堤防のクラック、緩み、取付護岸のクラック c

B

B

②函体底版下等の空洞化 a

③函体等の破損 b

④継手の変形、破断 a

⑤門柱等の変形、破損 b

⑥函体内の土砂堆積 a

取付護岸

⑬護岸の破損 a

⑭はらみ出し b

⑮基礎部の洗掘 a

⑯端部の侵食 b

機械設備等

①扉体 ○

△②戸当たり △

③・・・・ ○

④・・・・ ○

横断的連絡調整会議等で評価

横断的連絡調整会議等で評価

横断的連絡調整会議等で評価

26

4.堤防の評価

• 河川管理施設等構造令の記述によると、堤防は、護岸、水制その他これらに類する施設と一体として、計画高水位(高潮区間にあっては、計画高潮位)以下の水位の流水の通常の作用に対して安全な構造とするとされている。

計画高水位 (H.W.L)

平水位

堤防 (土堤のみ) 堤防 (高水護岸あり)天端

表のり裏のり

堤体

基礎地盤

小段

のり尻

(1)土堤の構造

堤防 (護岸あり)堤防 (土堤のみ)

4.1 土堤

Page 88: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

・「河川砂防技術基準(案)同解説 設計編〔Ⅰ〕」の記述内容によると、堤防の主な機能(本来備えているべき働き)は、①越流防止機能、②耐浸透機能、③耐侵食機能の3項目とされている。

基準類名称 記述内容 主な機能

河川砂防技術基準(案)同解説設計編〔Ⅰ〕

• 堤防の高さおよび断面については計画高水位を対象に築造されるが、一般に堤防は土砂でできているので越流①や浸透②に対して十分な配慮が必要である。したがって余裕高が必要であり、また浸透等に耐える安定した断面形状と構造が必要である。さらに流勢に対して侵食③による破壊を防ぐためには必要に応じて護岸(のり覆工に根固め等を加えたもの)等を設け、堤防の土羽部分は芝等で被覆する。

①越流防止機能②耐浸透機能③耐侵食機能

(2)土堤の機能

27

流水による侵食

堤 防

水位上昇による越流

浸透によるすべり破壊

浸透によるパイピング

28

• 堤防に発生する主要な機能低下の状態と、その予兆として発生する変状は下表に示すとおりである。

機能 機能低下の状態 発生する変状

越流防止機能

沈下 ・天端の陥没や不陸・法崩れ・基礎地盤の沈下

耐浸透機能

すべり破壊 ・法面・小段の亀裂・天端の陥没や不陸・法崩れ・ドレーン工の目詰まり、

濁水 等

パイピングの発生 ・法尻付近の漏水・ドレーン工の目詰まり・濁水 ・モグラ等の

小動物の穴 等

耐侵食機能

侵食 ・法面の侵食・モグラ等の小動物の穴

(3)土堤に発生する変状

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29

・堤防の機能について、機能低下の状態と発生する変状及び主な原因を整理

すると下図に示すとおりである。

(4)土堤に発生する変状と原因

越流防止機能

土堤の機能 機能低下の状態

耐浸透機能 すべり

パイピング

侵 食耐侵食機能

沈 下

発生する変状

主な原因

流水と雨水

地盤等の沈下

その他外力(動物・植物)

[1]亀裂 ○ ○

[2]陥没や不陸 ○ ○ ○

[3]法崩れ ○ ○ ○

[4]沈下 ○

[5]堤脚保護工の変形 ○ ○

[6]はらみ出し ○ ○

[7]寺勾配 ○ ○

[8]モグラ等の小動物の穴 ○

[9]排水不良 ○

[10]樹木の侵入 ○

[11]侵食(ガリ)・植生異常 ○ ○

[12]漏水・噴砂 ○

30

(5)点検結果評価の判定基準(案)

• 土堤の変状箇所ごとの点検結果の評価を実施する際の判定の目安は、各河川の特性に応じて、河川ごとに設定するものとする。参考として、既往文献やこれまでの河川管理施設の維持管理の実態を踏まえて設定した判定目安を下表に示す。(以下、全ての施設等に共通する。)

a 異状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし A ●変状なし

b要監視

段階

●亀裂が発生しているが、堤防

の機能に支障は生じていない。●軽微な補修を含む。

●不陸が発生しているが、堤防

の機能に支障は生じていない。●軽微な補修を含む。

●法崩れが発生しているが、堤防

の機能に支障は生じていない。●軽微な補修を含む。

●沈下が発生しているが、堤防

の機能に支障は生じていない。●軽微な補修を含む。

●堤脚保護工の変形(目地の開

き等)が発生しているが、堤防の機能に支障は生じていない。●軽微な補修を含む。

●はらみ出しが発生しているが、

堤防の機能に支障は生じていない。

●寺勾配が発生しているが、堤防

の機能に支障は生じていない。

●モグラ等小動物の穴が確認で

きる。

●出水時又は出水後、降雨後に

排水不良が確認できる。●軽微な補修を含む。

●丈の低い樹木を確認できる(草

刈り機等で容易に伐採可能なもの)

●裸地化しているが、堤防の機

能に支障は生じていない。●裸地化の原因となる植生(イタドリなど)が確認できる。

●裏法尻に湿生植物が生育して

いるが、湿地化している原因が堤体や基礎地盤を浸透する河川水以外の場合。

●堤防の機能に支障は生じてい

ないが、進行する可能性のある変状が確認され、経過を監視する必要がある状態。

c予防保全

段階

●モグラ等小動物の穴により、穴周辺部が崩壊に進展することが予想される。

●モグラ塚の場合、塚周辺を歩き、大きく足が沈み込むなど。

●降雨後に数日経過しても、湿潤状態にある。●堤体からの湧水(しぼり水)な

ど。

●樹木が侵入しているが、堤防形状の変化は見られない。しかし、樹木が生育し

堤防機能に支障が生じる恐れがある。

●堤体に侵食(ガリ)が発生している。●はがれ等、堤防植生に異常が

ある(容易に修復可能)●堤防植生に異常があり、堤体

のゆるみが確認される場合には、詳細点検(調査

を含む)を行い必要な措置を講じる。

●裏法尻や裏法面が湿地化し、湿性植物の生育などが見られるが、湿地化の原

因が不明なため詳細点検(調査を含む)が必要な場合。

●堤防の機能に支障は生じていないが、進行性があり、予防保全の観点から、対策

を実施することが望ましい状態。●詳細点検(調査を含む)によっ

て、堤防の機能低下状態を再評価する必要があ

る状態。

d措置段階

●亀裂により堤防の機能に支障

が生じている。●亀裂がH.W.L以下まで及んでいるなど。

●陥没により堤防の機能に支障

が生じている。●陥没や不陸がH.W.L以下まで及んでいる。水みち

が形成されているなど。

●法崩れにより、堤防の機能に支

障が生じている。

●沈下により堤防の機能に支障

が生じている。

●堤脚保護工の機能に支障が生

じている。●変状やズレが大きく、裏法すべりが懸念される

場合など。

●はらみ出しによる亀裂、法崩

れの発生など、複合的に他の変状も発生し、堤防の機能に支障が

生じている。

●寺勾配による亀裂、法崩れの

発生など、堤防機能に支障が生じている。

●モグラ等の小動物及びキツネ

などの穴に起因して「①~④の形状の変化」が現れ堤防機能に支

障が生じている。又は穴が堤体深く掘られ、堤防機能に支障が生じる恐れがある。

●排水不良に起因して、「①~⑦

の形状の変化」が現れ、堤防機能に支障が生じている。

●堤脚付近の土砂の流動化による堤防法尻の変形・崩壊など。

●樹木の侵入に起因して、「①~

⑦の形状の変化」が現れ、堤防機能に支障が生じている。

●侵食(ガリ)に起因して、耐侵

食機能が失われ、堤防機能に支障が生じている。

●漏水・噴砂が確認できる。

●洪水後に漏水や噴砂が確認された場合。

●堤防の機能に支障が生じてお

り、補修又は更新等の対策が必要な状態。

[7] 寺勾配※4

[8] モグラ等の小動物の穴

[9] 排水不良 [10] 樹木の侵入

盛土は洪水等により、急激に変状が進行することもあるため、劣化の予測が困難であることから、①~⑦については、「c」評価を設定しないことを基本とする。ただし、これまでも一定規模以上の変状については補修を実施している実態を踏まえ、変状の発生原因が不明な場合や、目視点検の結果だけでは評価が困難な場合は、必要に応じて、詳細点検(調査を含む)を実施するものとする。

[11] 侵食(ガリ)・植生異常

[12] 漏水・噴砂

    変状種別

評価区分

変状箇所ごとの評価 ※1 総合的な評価

[1] 亀裂 [2] 陥没や不陸 [3] 法崩れ[4] 沈下

※2

[5] 堤脚保護工の変形

※3[6] はらみ出し

評価区分

状 態

※1:堤防の規模や過去の被災履歴等を勘案し、河川ごとに設定する(変状全般)。※2:樋門等の構造物周辺は除く。※3:堤体や基礎地盤の変状に起因するものでないか注意する。※4:法すべりなどの要因により変状した場合の他に、道路占用のため盛土をした際の摺り付けで寺勾配のような状況になった場合などがあるため、評価の際には履歴等を確認する必要がある。

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31

(1)設置目的と評価対象・護岸は、流水の作用から河岸又は堤防を保護するために設けられる構造

物である。

・護岸の点検・評価対象は、堤防護岸・高水護岸(堤防防護ラインよりも

堤防側の低水護岸を含む)とする。

4.2 護岸

高水護岸

低水護岸

根固工

堤防護岸

基礎工

法覆工天端工

単断面(高水敷無し)複断面(高水敷有り)

:分類名称:構造名称

茶色 :土堤部青色 :護岸部

天端

表のり裏のり

法尻

小段

32

・「護岸の力学設計法」の記述内容によると、護岸の主な機能(本来備え

ているべき働き)は、耐侵食機能とされている。

・また、施工実積より、堤防への浸透を防ぐ目的(耐浸透機能)で設置さ

れる護岸もある。

基準類名称等 記述内容

護岸の力学設計法 第1章目的と性格 解説

• 護岸は、堤防および低水河岸を洪水時の侵食作用に対して保護することを主たる目的として設置されるものである。

なし(施工実積)

• 施工実積より、堤防への浸透を防ぐ目的(耐浸透機能)で設置される「漏水・浸透対策護岸」もある。

(2)護岸の機能

流水による侵食

漏水・浸透対策

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33

• 護岸に発生する主要な機能低下の状態と、その予兆として発生する変状は下表に示すとおりである。

(3)護岸に発生する変状

機能 機能低下の状態 発生する変状

耐侵食機能

耐浸透機能

[13]護岸の破損 ・目地の開き、亀裂、破損

・遮水シートの露出や破断

耐侵食機能

[14]はらみ出し ・目地の開き、亀裂、破損等

・はらみ出し等

[15]基礎部の洗掘 ・洗掘、侵食・沈下、崩れ、陥没

[16]端部の侵食 ・小口止め等の端部の侵食

・天端保護工背後の洗掘

吸出し 空洞化護岸の破損

はらみ出し

河床低下

河床洗掘

端部の侵食

34

(4)護岸の主な工法・護岸の種類は多種多様であるが、点検・評価は、以下の代表的な9種

類を基本とする。

点検・評価対象とする代表的な護岸工法構造 種類 概要

張り構造

ブロック張り護岸 裏込コンクリートを打設し、コンクリートブロックを設置する方法

練石張り護岸 裏込コンクリートを打設し、自然石や間知石を設置する方法

空石張り護岸 石材をかみ合わせて法面に設置する方法

積み構造

ブロック積み護岸 裏込コンクリートを打設し、コンクリートブロックを設置する方法

練石積み護岸 裏込コンクリートを打設し、自然石や間知石を設置する方法

空石積み護岸 石材をかみ合わせて法面に設置する方法

その他

法枠護岸法面にコンクリート枠を設置し、石材や張りコンクリートで枠内を覆う工法

連節ブロック護岸 コンクリートのブロックを鉄線等にて連結し、法面に敷設する工法

鉄線籠型護岸 鉄線の鋼を籠状に組み、石材を充填する工法

※1 勾配が1:1.0以上の場合は張り構造、1:1.0未満の場合は積み構造とする。※2 上記の護岸の種類のうち、遮水矢板や遮水シートが設置された護岸を漏水・浸透対策護岸に分類し、遮

水矢板や遮水シートが設置されていない護岸を一般的な侵食・洗堀対策護岸に分類する。

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35

(4)護岸の主な工法点検・評価対象とする代表的な護岸工法(代表例)

種類 ブロック張り(積み)護岸 練石張り(積み)護岸 空石張り(積み)護岸

概要

・裏込めコンクリートを打設し、コンクリートブロックを設置する工法である。 ・裏込めコンクリートを打設し、自然石や間

知石を設置する工法である。・勾配が1:1.5以上場合は積み構造と

する。

・石材をかみ合わせて法面に敷設する工法である。

・勾配が1:1.5以上場合は積み構造とする。

事例写真

種類 法枠護岸 連節ブロック護岸 鉄線籠型護岸

概要・法面にコンクリート枠を設置し、石材や張

りコンクリートで枠内を覆う工法である。

・1:1.5以下の勾配に適用する。

・コンクリートのブロックを鉄線等にて連結し、

法面に敷設する工法である。

・1:1.5以下の勾配に適用する。

・鉄線の網を籠状に組み、石材を充填する工法である。

・勾配1:1.5以上の場合は多段積みとする。

事例写真

・勾配が1:1.5以上の場合は積み構造とする

36

その他の護岸工法

種類 捨て石護岸 シート系護岸 杭柵護岸

概要・ポリレエチン等の網状シートを敷設し、張り

芝を行う工法である。・一般に低水護岸や水衝部には適用さ

れない。

・法面に木杭と詰石で階段状の護岸を設置し、柳の挿し木を行う工法である。

事例写真

・自然河岸に自然石を投入する工法である。

※上記の護岸については、前述の9種類の護岸の点検・評価方法を参考に、適宜対応するもの

とする。

(4)護岸の主な工法

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37

・護岸の機能について、機能低下の状態と発生する変状及び主な原因を整理

すると下図に示すとおりである。

(5)護岸に発生する変状と点検項目

発生する変状(評価項目)

主な原因

洪水(流水)

材料劣化

その他外力(地震等)

[13]護岸の破損 ○ ○

[14]はらみ出し ○

[15]基礎部の洗掘 ○

[16]端部の侵食 ○

耐侵食機能 護岸の損壊

護岸の機能 機能低下の状態

耐浸透機能 漏水の発生

38

護岸の点検結果評価の判定目安(案)

(6)点検結果評価の判定目安(案)

[14]はらみ出し※2,3,4

鉄線籠型護岸以外の護岸・被覆工

鉄線籠型護岸 護岸全般 根固工有り 根固工無し連節ブロック以外の護岸

連節ブロック

a 異状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし A ●変状なし

b要監視段階

●目地の開き、クラック(2mm以上裏込材の粒径以下)●段差(目視で分かる程度)●欠損●湧き水

●鉄線の腐食 ●はらみ出しによる目地の開きやクラック。(2mm以上裏込材の粒径以下)●段差(目視で分かる程度)

●根固工の沈下(残存設置幅:ブロック2列または2m)

●基礎工前面の河床低下(護岸の基礎工天端高以上)

●端部(小口止め)付近の洗掘(端部の部材厚未満)

●端部付近の洗掘(端部の部材厚未満)

●護岸の機能に支障は生じていないが、進行する可能性のある変状が確認され、経過を監視する必要がある状態。

c予防保全

段階

●樹木の侵入●目地の開き、クラック(裏込材の粒径以上)●段差(概ね石材・ブロック厚の1/2以上)●空洞化(叩音点検により確認できる状態)

●鉄線の破断 ●はらみ出しによる段差。(概ね石材・ブロック厚の1/2以上)●目地の開き、クラック(裏込材の粒径以上)●土堤側の変状が疑われる場合には、詳細点検(調査を含む)を実施し必要な措置を講じる。

●根固工の沈下(根固工前列低下)

●基礎工の露出(基礎工天端が露出している状態)

●端部(小口止め)付近の洗掘(端部の部材厚さ以上)

●端部付近の洗掘(端部の部材厚以上)

●護岸の機能に支障は生じていないが、進行性があり、予防保全の観点から、対策を実施することが望ましい状態。●詳細点検(調査を含む)によって、堤防及び護岸の機能低下状態を再評価する必要がある状態。

d 措置段階

●欠損(背面土の露出状況)※2●陥没・沈下(吸出しに起因するもの)●樹木の侵入(護岸に変状が生じた状態)

●中詰め材の流出 ●はらみ出しによる護岸の破損

●天端保護工の流出(端部の侵食が進行し、天端保護工が流出した状態。または、天端保護工背面の洗掘が進行し、天端保護工が流出した状態)

●めくれ上がり(端部の侵食と流水の作用によって護岸がまくれ上がっている状態)

●護岸の機能に支障が生じており、補修又は更新等の対策が必要な状態

    変状種別

評価区分

変状箇所ごとの評価 総合的な評価

[13] 護岸・被覆工の破損 [15] 基礎部の洗掘 [16] 端部の侵食評価区分

状 態

●基礎工の浮き上がり(基礎工の底面まで洗掘され、基礎工が浮き上がっているように見える状態)

※1:本要領で評価対象とする護岸は、点検要領 表2.5の9種類とするが、その他の護岸種類を評価する場合は、本要領を参考とすること。※2:背面土のほかに、遮水シート、吸出し防止材が露出した場合を含む。※3:土堤の変状と併せて評価する必要がある。※4:積み護岸の場合は「はらみ出し」、張り護岸のはらみ出しは「浮き上がり」という表現で称される場合がある。

Page 94: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

39

• 特殊堤は、本来、堤防は土堤が原則のところ、土地利用の状況その他の特別な事情によりやむを得ない場合に採用される形式である。

• 計画高水位(高潮の影響を受ける区間においては、計画高潮位)以上の高さで、盛土部分の上部に胸壁を設ける構造とし、これより難い場合は、コンクリート及び矢板等これに類するものによる自立構造とされる。

• 高潮堤防(高潮の影響を受ける区間の堤防)は、越波を考慮して一般にコンクリートまたはこれに類するもので三面張りにし、堤防に越波した水を集水する排水路を設けることが必要となる。

波返工天端被覆工

裏法被覆工

排水工

表法被覆工

消波工根固工

本体・波返工

消波工根固工

鋼管杭基礎

洗掘・止水矢板

排水工

自立式構造の特殊堤の概略図 三面張構造の堤防の概略図

(1)設置目的と評価対象

4.3 特殊堤・高潮堤防

• 特殊堤・高潮堤防の種類は、大別すると下記の4種程度であり、土堤部(堤体)、護岸部、鋼矢板護岸部、本体部による複合的な構造となる。

40

(2)特殊堤・高潮堤防の種類

自立式構造の特殊堤事例

三面張構造の高潮堤防事例 (越波を許容する構造)※他に、階段形式などにより越波量を抑える構造もある

胸壁(パラペット)構造の特殊堤事例

三面張構造を盛土で覆った事例(覆土の勾配を緩くし、越波量を抑える構造)

笠コンクリート

鋼矢板 鋼矢板

波返工

被覆工護岸工

堤体

覆土

計画高潮位

笠コンクリート

鋼矢板 鋼矢板

波返工

被覆工護岸工

堤体

計画高潮位

笠コンクリート

鋼矢板 鋼矢板

H.W.L

胸壁(パラペット)

護岸工

堤体

鋼矢板

鋼管杭

H.W.L 被覆工

本体部堤体

Page 95: 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領 参考資料 - …...- 1 - 1 変状箇所ごとの点検結果評価と堤防等河川管理施設に求められる機能の関連

• 特殊堤・高潮堤防は、土堤部、護岸部、鋼矢板護岸部、構造物本体部の組み合わされた複合的な構造であることから、主な機能は、①越水防止機能、②耐侵食機能、③耐浸透機能、④土留め機能である。

種類 自立式構造 胸壁(パラペット)構造 三面張構造(覆土構造)

概要

コンクリートおよび矢板、鋼管杭等に類するもので自立した構造。

盛土部の上部に胸壁を設けた構造。表法は護岸工に覆われる。

のり面、小段、天端をコンクリートその他類するもので被覆した構造。越波を許容しているため、三面張構造が基本。堤脚水路により処理。

41

基準類名称 記述内容 主な機能

建設省河川砂防技術基準(案)設計編

• 地形の状況その他特別の理由により本章2.1.4(堤防の断面形状)の規定を適用することが著しく困難な場合は、それらの規定に関わらず次の特殊な構造とすることができる。

• 計画高水位(高潮の影響を受ける区間の堤防については、計画高潮位)以上の高さで、盛土部分の上部に胸壁を設ける構造とする。ただし、さらにこれより難い場合は、コンクリートおよび矢板等これに類するもので自立構造とする。

①越水防止機能②耐浸透機能③耐侵食機能④土留め機能

(3)特殊堤・高潮堤防の機能

笠コンクリート

鋼矢板 鋼矢板

H.W.L胸壁

護岸工

堤体

鋼矢板

鋼管杭

H.W.L 被覆工

本体部堤体

笠コンクリート

鋼矢板鋼矢板

波返工

被覆工護岸工

堤体

覆土

計画高潮位

• 特殊堤・高潮堤防は、土堤部と護岸部、鋼矢板護岸部、本体部に構造が分かれており、それぞれの部位に着目して評価する必要がある。

笠コンクリート

鋼矢板 鋼矢板

H.W.L胸壁(パラペット)

護岸工

堤体

鋼矢板

鋼管杭

H.W.L 被覆工

本体部堤体

笠コンクリート

鋼矢板 鋼矢板

波返工

堤体

覆土

計画高潮位

42

構造タイプ部 位

備 考土堤部 護岸・被覆工部 鋼矢板護岸部 本体部

自立式構造 ○ △ ○ ○ 護岸部は鋼矢板護岸に含まれる

胸壁構造 ○ ○ ○ ○

三面張構造△

(天端のみ)○ ○ ○ 天端は土堤に準じて評価を実施

覆土構造(三面張構造)

○ △ ○ ×内部構造物は確認できないことから、土堤に準じて点検・評価を実施

(4)特殊堤・高潮堤防の評価部位

特殊堤・高潮堤防の評価部位

自立式構造 三面張構造(又は覆土構造)胸壁(パラペット)構造

護岸部

鋼矢板護岸部

土堤部

土堤部

本体部本体部

護岸部なし

鋼矢板護岸部

各構造タイプに応じて、確認できる部位の評価を実施する○・・・確認可能、×・・・確認できない△・・・構造によっては部分的に確認できる場合がある

本体部

護岸部

土堤部

鋼矢板護岸部

被覆工部

被覆工部

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笠コンクリート

鋼矢板 鋼矢板

H.W.L

胸壁(パラペット)

護岸工

堤体

• 確認できる部位の評価は、それぞれの機能低下の状態に着目して実施する。

• 被覆工部においては、構造が護岸と類似することから、護岸の評価項目を準用し、評価するものとする。

43

(4)特殊堤・高潮堤防の評価部位

例:胸壁(パラペット)構造

【護岸・被覆工部】

【土堤部】

【本体部】

【鋼矢板護岸部】機能

すべり

パイピング

侵 食

沈 下

機能低下の状態

耐侵食機能

機能

耐浸透機能

機能低下の状態

漏水の発生

護岸・被覆工の損壊

機能

土留め機能 鋼矢板の倒壊

鋼矢板からの吸出し(漏水)

耐侵食機能

機能低下の状態

機能 機能低下の状況

越水防止機能

耐侵食機能土留め機能

本体の損壊

耐浸透機能 漏水の発生

越水防止機能

耐浸透機能

耐侵食機能

※特殊堤・高潮堤防の本体部の評価

を実施する

※被覆工は、護岸の評価項目

を準用して評価する

※鋼矢板護岸工として評価する ※土堤として評価する

44

・本体に発生する変状の詳細と点検項目は下表に示すとおりである。

機能 発生する変状 発生する変状

土留め機能

耐侵食機能

越水防止機能

[17]本体の破損 ・本体のクラック・本体の剥離・剥

落・欠損・本体のズレ(沈下)・錆汁・鉄筋露出

耐浸透機能

[18]接合部の変形、破断 ・目地の開き・段差・目地部の劣化・止水板の破断

特殊堤・高潮堤防の本体に発生する変状と点検項目

H.W.L

H.W.L沈下

目地の開き

目地部の劣化・止水板

の破断

クラック・剥離・剥落、欠損

錆汁・鉄筋露出クラック・剥離・

剥落、欠損錆汁・鉄筋露出

(5)特殊堤・高潮堤防に発生する変状

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(5)特殊堤・高潮堤防に発生する変状• 既往の補修実績より、本体の機能について、機能低下の状態と発生する変状及び主な原因

を整理すると、下図に示すとおりである。

45

発生する変状

主な原因

洪水(流水) 材料劣化その他外力(地震等)

[17]本体の破損 ○ ○

[18]接合部の変形、破断 ○ ○ ○

機能 機能低下の状況

越水防止機能耐侵食機能土留め機能 本体の損壊

笠コンクリート

鋼矢板 鋼矢板

H.W.L

胸壁(パラペット)

護岸工

堤体

【本体の損壊】⇒コンクリートの欠損やひび割れ等の破損に伴う変状(本体の破損)に対して評価を実施する

【漏水の発生】⇒目地の材料劣化や破断等の接合部の破損に伴う変状(接合部の変形、破断)に対して評価を実施する

【本体の損壊】⇒コンクリートの欠損やひび割れ等の破損に伴う変状(本体の破損)に対して評価を実施する

【漏水の発生】⇒目地の材料劣化や破断等の接合部の破損に伴う変状(接合部の変形、破断)に対して評価を実施する

本体部

耐浸透機能 漏水の発生

三面張構造 胸壁構造 自立式構造

鋼矢板

鋼管杭

H.W.L

被覆工

本体部堤体

本体部

笠コンクリート

鋼矢板 鋼矢板

波返工

堤体

計画高潮位

本体部

46

特殊堤・高潮堤防の点検結果評価の判定目安(案)

(6)点検結果評価の判定目安(案)

※1:特殊堤・高潮堤防の本体は、特殊堤の胸壁、自立構造の本体、高潮堤防の波返工に該当する。被覆工は護岸に類似した構造であることから、護岸工に含めて評価を実施する。

※2:[18]の接合部の変形、破断は、特殊堤本体部との接合部であり、護岸工と隔壁等の接合部は含まない。※3:[17],[18]の変状は、H.W.Lと背後地盤高を踏まえて評価を実施する。

a 異状なし ●変状なし ●変状なし A ●変状なし

b要監視段階

●クラック、浮き、剥離、サビ汁等

●接合部(止水板)の開き・段差(2cm以上7cm未満)

※2cm:一般的な止水板の変形能力の下限値 7cm:樋門補強マニュアルに基づく止水板が破

断に至る実績

●護岸の機能に支障は生じていないが、進行する可能性のある変状が確認され、経過を監視する必要がある状態。

c予防保全

段階

●耐久性に影響を与える恐れのあるクラック●断面の欠損●鉄筋の腐食

●接合部(止水板)の開き・段差(7cm以上)

※7cm:樋門補強マニュアルに基づく止水板が破断に至る実績

●護岸の機能に支障は生じていないが、進行性があり、予防保全の観点から、対策を実施することが望ましい状態。●詳細点検(調査を含む)によって、堤防及び護岸の機能低下状態を再評価する必要がある状態。

d 措置段階

●構造耐力に影響する断面欠損

●止水板の破断●基礎部(土堤部)の変状が疑われる段差の発生

●護岸の機能に支障が生じており、補修又は更新等の対策が必要な状態

    変状種別

評価区分

変状箇所ごとの評価 総合的な評価

[17]本体の破損 [18]接合部の変形、破断 評価区分

状 態

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47

・護岸の力学設計法等の記述内容によると、鋼矢板護岸の主な機能は、①耐侵食機能、②土留め機能である。

・鋼矢板護岸の種類を以下に例示する。点検要領等では全てを対象とする。

基準類名称 記述内容

護岸の力学設計法 第1章目的と性格 解説

・護岸は、堤防および低水河岸を洪水時の侵食作用に対して保護することを主たる目的として設置されるものである。

災害復旧工事の設計要領 第Ⅳ編 参考資料

・矢板護岸は土留め機能を主とした特殊堤の一部となることが多いので土圧、水圧、地震力等の外力による転倒、滑動等に対して十分安定した構造とする必要がある。

流水による侵食

土留め機能

種類 自立式 タイロッド式 その他形式

概要

・鋼矢板の下部を地中に打ち込んだだけで、錨を設けない形式の鋼矢板工法

・鋼矢板の上部において、タイロッドで控え工をとり、根入れ地盤と控え工を支承として鋼矢板を安定させる工法

・その他、いずれにも属さない工法(ラーメン構造等)鋼矢板

笠コンクリート

H鋼杭

鋼矢板

笠コンクリート

背面護岸・保護工 鋼矢板

控え工

タイロッド

4.4 鋼矢板護岸

(1)機能と構造

48

• 鋼矢板護岸の点検事項は、「鋼矢板」、「背後地盤」及び「笠コンクリート」の箇所ごとに設定した。なお、鋼矢板自体の点検は、根固工が設置されている場合や、感潮区間による不可視等、直接的に目視点検が困難であることから、定期縦横断測量等の測量時に併せて実施できるものとし、鋼矢板自体に変状が生じていた場合は、必要に応じて、詳細点検(調査を含む)を実施するものとする。

鋼矢板護岸に発生する変状(1)

機能 機能低下の状態 発生する変状

耐侵食機能

土留め機能

[18]鋼矢板の変形、はらみ出し、破損 ・鋼矢板の傾倒、はらみ出し

・流下物の衝突による破損(孔やへこみ、欠損)

[18]鋼矢板の腐食(サビ、孔、肉厚の減少) ・不均一な腐食・層状な腐食生成物・孔等による漏水の有無

鋼矢板そのものの変状

を把握

(2)鋼矢板護岸に発生する変状

はらみ出しによる化粧パネルの落下

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49

鋼矢板護岸に発生する変状(2)

機能 機能低下の状態 発生する変状

耐侵食機能

土留め機能

[19]鋼矢板継手部の開き、欠損 ・継手部の嵌合状況・継手部からの漏水の有無

土留め機能

[20]背面地盤の沈下、陥没 ・背面地盤の沈下や陥没・護岸等の目開き、ひび割れ、沈下や陥没(空洞化を含む)

[22]笠コンクリートの変形、破損 ・法線のはらみ出し、傾倒・笠コンと背面護岸等との隙間

・コンクリートのクラック、浮き、剥離、錆汁等

背面地盤又は護岸等の沈下、陥没

笠コンの変形、破損

鋼矢板の継手

(2)鋼矢板護岸に発生する変状

50

・水門の機能について、機能低下の状況と発生する変状及び主な原因を整理 すると下図に示すとおりである。

・水門の取り付け護岸に発生する変状は、「護岸」に準じて評価する。

• 鋼矢板護岸の機能について、機能低下の状況と発生する変状及び主な原因を整理すると下図に示すとおりである。

• ただし、タイロッドや控え工等の地中構造物は点検できないため、これらの変状は除いている。

(3)鋼矢板護岸に発生する変状と点検項目

発生する変状主な原因

洪水(流水,洗掘)

材料

劣化

地震

[19]鋼矢板の変形、はらみ出し、破損 ○ ○ ○

[20]鋼矢板の腐食(サビ、孔、肉厚の減少) ○

[21]鋼矢板継手部の開き、欠損 ○ ○

[22]背面地盤の沈下、陥没 ○ ○

[23]笠コンクリートの変形、破損 ○ ○ ○

機能 機能低下の状況

土留め機能 鋼矢板の

倒壊

鋼矢板からの吸出し

(漏水)

耐侵食機能

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51

(4)点検結果評価の判定目安(案)

※[19]~[21]の変状種別

においては、定期縦横断測量等の測量時に併せて変状を確認できるものとし、必要に応じて詳細点検(調査を含む)を実施するものとする。

a異状なし

●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし A ●変状なし

要監視段階

●鋼矢板の軽微な傾倒、はらみ出し

●不均一な腐食 ●継手部からの軽微な漏水

●背後地盤の軽微なひび割れ

●クラック、浮き、剥離等●鋼矢板天端(笠コンクリート)の軽微なずれ B

●鋼矢板護岸の機能に支障が生じていないが、進行する可能性のある変状が確認され、経過を監視する必要がある状態

予防保全段階

●鋼矢板の傾倒、はらみ出し●軽微な破損

●鋼材表面の層状な腐食生成物

●継手部からの顕著な漏水

●背後地盤の軽微な沈下・陥没

●耐久性に影響を与える恐れのあるクラック●鋼矢板天端(笠コンクリート)のずれ(5cm以内を目安とするが、壁高等の構造規模を踏まえて設定する)

●鋼矢板護岸の機能に支障が生じていないが、進行性があり予防保全の観点から、対策を実施することが望ましい状態。●詳細点検(調査を含む)によって、堤防及び鋼矢板護岸の機能低下状態を再評価する必要がある状態

措置段階

●鋼矢板の顕著なはらみ出し●破損による孔あき

●顕著な層状腐食、孔あき、漏水

●漏水による継手部の顕著な腐食

●背後地盤の顕著な沈下・陥没、明らかな空洞化

●構造耐力に影響する断面欠損●鋼矢板天端(笠コンクリート)のずれ(5cm以上を目安とするが、壁高等の構造規模を踏まえて設定する)

●鋼矢板護岸の機能に支障が生じており、補修又は更新等の対策が必要な状態

状 態

総合的な評価

評価区分

   変状   種別

評価区分

変状箇所ごとの評価

[19] 鋼矢板の変形、はらみ出し、破損

[20] 鋼矢板の腐食(サビ、孔、肉厚の減少)

[21] 鋼矢板継手部の開き、欠損

[22] 背後地盤の沈下、陥没

[23] 笠コンクリートの変形、破損

52

5.河川構造物(構造物周辺の堤防を含む)5.1 樋門・樋管(1)設置目的・構造・河川堤防を横過して設けられる函渠(管渠を含む)構造物で、以下の

目的で設置される施設をいう。

①堤内の雨水、工場等からの排水を目的として

設置されるもの

②河川からの取水を目的として設置されるもの

①函渠 ②継手 ③門柱 ④操作台⑤操作室 ⑥遮水壁 ⑦ゲート⑧胸壁 ⑨翼壁 ⑩遮水工 ⑪護岸工⑫管理橋

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53

・河川管理施設等構造令の解説の記述内容によると、樋門の主な機能(本来備えて

いるべき働き)は、①取水・排水機能、②止水(逆流防止)機能とされている。

①取水・排水機能

・取水樋門は計画取水量を確実に取水する機能

・排水樋門は支川又は水路の計画排水量を確実

に排水する機能

②止水(逆流防止)機能

・本川の洪水時にゲートを全閉し、洪水を止水

し、逆流を防止する機能

・函渠と堤防との接触面からの浸透や、樋門周

辺堤防からの漏水等に対する水密性の確保も

含む

基準類名称 記述内容 主な機能

河川管理施設等構造令第6章水門及び樋門解説

・水門及び樋門とは、河川又は水路を横断して設けられる制水施設①であって、堤防の機能②を有するものをいう。

①取水・排水機能②止水(逆流防止)機能

(2)樋門・樋管の機能

ゲート(開)計画取水量の確実な取水又は計画排水量の確実な排水

樋門周辺堤防からの漏水等の防止

函渠と堤防との接触面からの浸透の防止

ゲートを全閉し、本川洪水の逆流を防止

54

(3)樋門・樋管の主な形式

・樋門の構造形式には剛支持構造と柔支持構造があり、現在は、軟弱地

盤上に建設する樋門・樋管は柔支持構造が原則とされている。

①剛支持構造

・強固な地盤に根入れした支持杭、又は摩擦杭などを打設し、函体

に沈下を生じさせない形式

・盛土荷重等による地盤沈下に函体が追随しないため、函体周辺の

空洞化や、堤体及び函体のクラックが発生し、樋門としての止水

機能(水密性)が低下する例がある。地盤沈下により空洞化や堤防のクラックが発生

強固な地盤

盛土荷重による地盤沈下

函体のクラックが発生

支持杭

堤防のクラック、函体の抜上がり

支持杭 摩擦杭

空洞化

堤防のクラック、函体の抜上がり

空洞化

堤防のクラック、函体の抜上がり

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55

②柔支持構造

・支持杭等を用いずに、比較的大きな沈下を許容する形式

・大きな変位に対応する継手を用い、地盤の沈下に追随できる函体

構造とする。

・樋門が堤防と一体となって挙動するため、函体周辺の空洞化や堤

体のクラック等の発生が少ない。

・許容沈下量(一般に30cm程度)以上の大きな沈下が生じる場合があ

る。

大きな変位に対応できる継手等を用い、函体が地盤の沈下に追随することで空洞化や堤防及び函体のクラックを防ぐ

必要に応じて地盤改良等で過大な沈下を抑制する

沈下

クラック

沈下

56

・樋門の機能について、機能低下の状態と発生する変状及び主な原因を整理

すると下図に示すとおりである。

・樋門の取付護岸に発生する変状は、「護岸」に準じて評価する。

(4)樋門・樋管に発生する変状と点検項目

※目視での確認は困難であるが、空洞化の兆候がある場合は詳細点検(調査を含む)にて確認が必要

取水・排水機能

樋門の機能 機能低下の状態

止水(逆流防止)

機能

発生する変状主な原因

地盤・堤防沈下

洪水材料劣化

その他外力

[1]堤防のクラック、緩み取付護岸のクラック

○ ○

[2]函体底版下等の空洞化※ ○

[3]函体等の破損 ○ ○ ○

[4]継手の変形、破断 ○ ○

[5]門柱等の変形、破損 ○ ○

[6]函体内の土砂堆積 ○

[7]函体の過大な沈下 ○ ○

堤防の損壊

ゲートの開閉不全

函体からの漏水

流下能力不足

堤防からの漏水

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57

(5)点検結果評価の判定目安(案)

評価区分

状態評価区分

状態

a異状なし

●変状なし ●変状なし ●変状なし●変状なし(継手の開きが2cm未満)

●変状なし ●変状なし ●変状なし A ●変状なし A ●変状なし

b要監視段階

●堤防天端舗装のクラック●取り付け護岸のクラッ

●函体周辺(門柱等から推測される函体端部位置を想定)の堤防天端舗装

のクラック●函体の抜け上がり(10cm未満)●堤体法尻の湿潤化

●クラック、浮き、剥離、さび汁等

●継手(止水板の開き)(2cm以上7cm未満)●可撓継手の開き(許容

値未満)

※2cm:一般的な止水板の変形能力の下限値 7cm:樋門補強マニュアルに基づく止水板が破断に至る実績

●クラック、浮き、剥離、さび汁等

●函体の沈下(樋門断面の余裕高以下)

●樋門等の機能に支障が生じていないが、進行する可

能性のある変状が確認され、経過を監視する必要がある状態

●樋門等の機能に支障が生じていないが、進行する可

能性のある変状が確認され、経過を監視する必要がある状態

c予防保全段階

●堤体のクラック、緩み ●函体の抜け上がり(10cm以上30cm未満)

●詳細点検(調査を含む)による空洞化の確認

●耐久性に影響を与える恐れのあるクラック

●断面の欠損●鉄筋の腐食

●継手(止水板の開き)(7cm以上)

●可撓継手の開き(許容値以上)

※7cm:樋門補強マニュアルに基づく止水板が破断に至る実績

●耐久性に影響を与える恐れのあるクラック

●断面の欠損●鉄筋の腐食●門柱の傾き

●樋門等の機能に支障が生じていな

いが、進行性があり予防保全の観点から、対策を実施することが望ましい状態。●詳細点検(調査を含む)によって、樋門等の機能低下状態を再評価する

必要がある状態

●樋門等の機能に支障が生じていな

いが、進行性があり予防保全の観点から、対策を実施することが望ましい状態。●詳細点検(調査を含む)によって、樋門等の機能低下状態を再評価する

必要がある状態

d措置段階

●堤体からの漏水 ●函体の抜け上がり

(30cm以上)●堤体からの漏水、パイピングの発生

●構造耐力に影響する

断面欠損

●継手の水密ゴム、止水

板の破断

●構造耐力に影響する

断面欠損●ゲートの開閉不全

●函体の沈下(樋門断面

の余裕高以上)

●樋門等の機能に

支障が生じており、補修又は更新等の対策が必要な状態

●樋門等の機能に

支障が生じており、補修又は更新等の対策が必要な状態

電気通信施設の評価は、「3.5河川構造物の施設の

評価」に記載した関連通知等に従い点検結果に基づき評価する。

  変状種別

評価区分

●管理上、支障が生じる場合は速やかに土砂を除去する

機械設備の評価は、「3.5河川構造物の施設の評

価」に記載した関連通知等に従い点検結果に基づき評価する。

機械設備 電気通信施設

総合的な評価

土木施設総合的な評価(施設の評価)

変状箇所ごとの評価

[1] 周辺堤防のクラック、緩み、取付護岸のクラック

[2] 函体底版下等の空洞化

[3] 函体等(堤防の損壊につながる恐れがあり、外観で確認できる函体、

胸壁、翼壁等)の破損

[4] 継手(翼壁との接合部を含む)の変形、破断

[5] 門柱等(ゲートの開閉

不全につながる恐れがあり、かつ、外観で確認できる門柱、操作台等)の

変形、破損

[6] 函体内の土砂堆積 [7] 函体の過大な沈下

58

・水門とは、河川又は水路を横断して設けられる制水施設であって、堤防の機能を有するものをいう。

①床版 ②堰柱 ③門柱④ゲート操作台および操作室⑤胸壁 ⑥翼壁 ⑦水叩き⑧護床工 ⑨遮水工 ⑩ゲート⑪管理橋 ⑫基礎杭

⑩⑦ ⑦⑥ ⑥

③②

側面図③

⑦ ⑧⑩

⑧ ⑦

⑥ ⑤ ⑤②

正面図

⑥⑥

④③

平面図

※図は河川砂防技術基準(案)同解説・設計編〔Ⅰ〕H9.9 p.108に基礎杭を加筆

5.2.水門(1)設置目的・構造

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59

水門:当該施設の横断する河川又は水路が合流する河川(本川)の堤防を分断して設けられるもの

樋門:堤体内に暗渠を挿入して設けられるもの

・樋門と比較した時の水門の特徴は以下のものが挙げられる。①水門は杭基礎等の剛支持基礎であるが、樋門には、剛支持基礎の他、支

持杭等を用いずに比較的大きな沈下を許容する柔支持基礎もある。②水門の管理橋は、一般車両の道路利用に供する場合もある。③水門は、舟運利用に供する場合もある。

水門の事例(荒川昭和水門) 樋門樋管の事例(利根川太田排水樋管)

暗渠構造

(2)水門と樋門の違い

管理橋

60

・河川管理施設等構造令の解説等の記述内容によると、水門の主な機能は、①排水機能、②止水機能、③舟運機能である。

①排水機能、③舟運機能 ②止水機能

基準類名称 記述内容 主な機能

解説・河川管理施設等構造令 第6章水門及び樋門

・水門及び樋門とは、河川又は水路を横断して設けられる制水施設①であって、堤防の機能②を有するものをいう。

①排水機能②止水機能③舟運機能

国土交通省 河川砂防技術基準 維持管理編第6節樋門・水門

・水門は、本川の堤防を分断して設けられる工作物で、堤防としての機能、本川からの逆流を防止する機能②、それが横断する河川の流量を安全に流下させる機能①、また、舟運等に利用する水門(閘門)においては、安全に通航できる機能③を有しており、これらの機能を確保するよう常に良好な状態を保持する必要がある。

(3)水門の機能

床版等下面からの浸透の防止

ゲートを開扉し、河川又は水路の流水を本川に排水

舟運等に利用することもある

水門周辺堤防からの漏水等の防止

ゲートを全閉し、本川洪水の逆流を防止

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61

(4)水門に発生する変状と点検項目

・水門の機能について、機能低下の状況と発生する変状及び主な原因を整理 すると下図に示すとおりである。

・水門の取り付け護岸に発生する変状は、「護岸」に準じて評価する。

・水門の機能について、機能低下の状況と発生する変状及び主な原因を整理すると下図に示すとおりである。

・水門の取り付け護岸に発生する変状は、「護岸」に準じて評価する。

発生する変状主な原因

地盤沈下

洪水 材料劣化

地震等

[1]周辺堤防のクラック、緩み、取付護岸のクラック

○ ○

[2]堰柱、床版、胸壁、翼壁、水叩き等の変形、 破損

○ ○ ○ ○

[3]継手の変形、破損 ○ ○ ○

[4]門柱等の変形、破損 ○ ○ ○

[5]水路内の土砂堆積 ○

水門の機能 機能低下の状況

止水機能

排水機能舟運機能

周辺堤防からの漏水

周辺堤防の損壊

ゲートの開閉不全

水路の漏水

流下能力不足(通水断面の減少)

62

(5)点検結果評価の判定目安(案)

評価区分

評価評価区分

状態

a異状なし

●変状なし ●変状なし●変状なし(継手の開きが2cm未満)

●変状なし ●変状なし A ●変状なし A ●変状なし

b要監視段階

●堤防天端舗装のクラック●取り付け護岸のクラック

●クラック、浮き、剥離、さび汁等

●継手(止水版の開き)(2cm以上7cm未満)●可撓継手の開き(許容値未満)

※2cm:一般的な止水板の変形能力の下限値 7cm:樋門補強マニュアルに基づく止水板が破断に至る実績

●クラック、浮き、剥離、さび汁等

●水門の機能に支障が生じていないが、進行する可能性のある変状が確認され、経過を監視する必要がある状態 B

●水門の機能に支障が生じていないが、進行する可能性のある変状が確認され、経過を監視する必要がある状態

c予防保全段階

●堤体のクラック、緩み ●耐久性に影響を与える恐れのあるクラック●断面の欠損●鉄筋の腐食

●継手(止水版の開き)(7cm以上)

※7cm:樋門補強マニュアルに基づく止水板が破断に至る実績

●耐久性に影響を与える恐れのあるクラック●断面の欠損●鉄筋の腐食●門柱の傾き

●水門の機能に支障が生じていないが、進行性があり予防保全の観点から、対策を実施することが望ましい状態。●詳細点検(調査を含む)によって、水門の機能低下状態を再評価する必要がある状態

●水門の機能に支障が生じていないが、進行性があり予防保全の観点から、対策を実施することが望ましい状態。●詳細点検(調査を含む)によって、水門の機能低下状態を再評価する必要がある状態

d措置段階

●堤体からの漏水 ●構造耐力に影響する断面欠損

●継手の水密ゴム、止水板の破断

●構造耐力に影響する断面欠損●ゲートの開閉不全

●水門の機能に支障が生じており、補修又は更新等の対策が必要な状態

●水門の機能に支障が生じており、補修又は更新等の対策が必要な状態

機械設備 電気通信施設

機械設備の評価は、「3.5河川構造物の施設の評価」に記載した関連通知等に従い点検結果に基づき評価する。

電気通信施設の評価は、「3.5河川構造物の施設の評価」に記載した関連通知等に従い点検結果に基づき評価する。

総合的な評価(施設の評価)

変状箇所ごとの評価

[1] 周辺堤防のクラック、緩み、取付護岸のクラック

[2] 堰柱、床版、胸壁、翼壁、水叩き等の変形、破損

[3] 継手(翼壁との接合部)の変形、破断

[4] 門柱等(ゲートの開閉不全につながる恐れがあり、かつ、外観で確認できる門柱、操作台等)の変形、破損

[5] 水路内の土砂堆積

  変状種別

評価区分

土木施設

●管理上、支障が生じる場合は速やかに土砂を除去する

総合的な評価

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・堰は、河川の流水を制御するために、河川を横断して設けられるダム以外の施設であって、堤防の機能を有しないものをいう。

63

⑧ ⑧

①⑦⑦

⑤④

側面図

H.W.L

⑬⑥①⑫ ⑭

正面図

①床版 ②堰柱 ③門柱 ④ゲート操作台⑤ゲート操作室 ⑥ゲート ⑦水叩き⑧護床工 ⑨管理橋 ⑩基礎杭 ⑪遮水工⑫魚道 ⑬土砂吐き ⑭閘門 ⑮取付擁壁⑯取付護岸 ⑰取水口

⑯⑯

⑮⑮

⑫⑭ ⑦

⑪ ⑰

平面図

※図は河川砂防技術基準(案)同解説・設計編〔Ⅰ〕 H9.9 p.61より

5.3.堰(1)設置目的・構造

64

・解説・河川管理施設等構造令の記述内容によると、堰の構造上の分類は以下のとおりである。・これらの全ての構造の堰を対象とする。

(2)堰の形式

堰 可動堰

固定堰(又は洗い堰)

引上げ式

起伏式

鋼製堰

ゴム引布製起伏堰

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65

・河川管理施設等構造令の解説等の記述内容によると、堰の主な機能は、①流水制御機能(常時および洪水時)であり、さらに、②土砂排出機能、③舟運機能、④魚道機能を有する場合もある。

基準類名称 記述内容 主な機能

解説・河川管理施設等構造令第5章堰(一部要約)

• 堰とは、河川の流水を制御①するために、河川を横断して設けられるダム以外の施設で、堤防の機能を有しないものをいう。

• 河川の流水を制御するという堰の目的を更に細分して、堰は用途別に分流堰、潮止堰、取水堰、その他(多目的等)に分けられる。 ①流水制御機能

②土砂排出機能③舟運機能④魚道機能

建設省河川砂防技術基準(案)同解説 設計編〔Ⅰ〕第7節堰

• 堰は、計画高水位以下の水位の洪水の流下を妨げることなく①、付近の河岸および河川管理施設の構造および機能に著しい支障を及ぼさず、ならびに堰に接続する河床、高水敷き等の洗掘の防止について適切に配慮した構造とし、操作性、景観および経済性を総合的に考慮して設計するものとする。

• 堰には、必要に応じて土砂吐き②、舟通し(閘門等)③、魚道④等の施設が設けられる。

(3)堰の機能

66

①流水制御機能(取水堰の場合)

〔常時〕 〔洪水時〕

②土砂排出機能、③舟運機能、④魚道機能

H.W.L

洪水の流下を妨げないよう洪水吐きのゲートを開扉ゲートによっ

て水位を調節

閘門(舟通し):船舶の通路

魚道:魚類の遡上等の通路

土砂吐き:取水口付近の堆積土砂の排除や、みお筋の維持等

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67

(4)堰に発生する変状と点検項目

・水門の機能について、機能低下の状況と発生する変状及び主な原因を整理 すると下図に示すとおりである。

・水門の取り付け護岸に発生する変状は、「護岸」に準じて評価する。

・堰の機能について、機能低下の状況と発生する変状及び主な原因を整理すると下図に示すとおりである。

・堰の取り付け擁壁・護岸に発生する変状は、「護岸」に準じて評価する。

発生する変状主な原因

地盤沈下

洪水 材料劣化

地震等

[1]水叩き、護床工等の変形、破壊、上下流の河床の洗掘

○ ○

[2]床版、堰柱、門柱等の変形、破損

○ ○ ○ ○

[4]河道内(ゲート周辺)、本体上流部、閘門内、魚道内の土砂堆積

[3]魚道の変形、破損 ○ ○ ○

堰の機能 機能低下の状況

流水制御機能河床の

不安定化

ゲートの開閉不全

流下能力不足(通水断面の

減少)魚道機能

隔壁機能不全

土砂排出機能舟運機能

68

(5)点検結果評価の判定目安(案)

※1 堰については、可動堰(鋼製ゲート構造、ゴム引き布構造等)及び固定堰(コンクリート構造、根固めブロック構造等)などがあるため、構造の分類により、機能の評価を実施することとする。

※2 上下流の河床状況については、河川定期縦横断測量等により評価する。

評価区分

評価評価区分

状態

a異状なし

●変状なし ●変状なし ●変状なし ●変状なし A ●変状なし A ●変状なし

b要監視段階

●クラック、浮き、剥離、さび汁等●護床工の変状(護床ブロックの連結金具の切断等)

●クラック、浮き、剥離、さび汁等

●クラック、浮き、剥離、さび汁等

●堰の機能に支障が生じていないが、進行する可能性のある変状が確認され、経過を監視する必要がある状態

●堰の機能に支障が生じていないが、進行する可能性のある変状が確認され、経過を監視する必要がある状態

c予防保全段階

●耐久性に影響を与える恐れのあるクラック●断面の欠損●鉄筋の腐食●上下流の洗掘、一部の護床工の沈下・流失

●耐久性に影響を与える恐れのあるクラック●断面の欠損●鉄筋の腐食●門柱の傾き

●耐久性に影響を与える恐れのあるクラック●断面の欠損●鉄筋の腐食

●堰の機能に支障が生じていないが、進行性があり予防保全の観点から、対策を実施することが望ましい状態。●詳細点検(調査を含む)によって、堰の機能低下状態を再評価する必要がある状態

●堰の機能に支障が生じていないが、進行性があり予防保全の観点から、対策を実施することが望ましい状態。●詳細点検(調査を含む)によって、堰の機能低下状態を再評価する必要がある状態

d措置段階

●構造耐力に影響する断面欠損●上下流の著しい洗掘、多数の護床工の沈下・流失

●構造耐力に影響する断面欠損●ゲートの開閉不全

●構造耐力に影響する断面欠損

●堰の機能に支障が生じており、補修又は更新等の対策が必要な状態

●堰の機能に支障が生じており、補修又は更新等の対策が必要な状態

●管理上、支障が生じる場合は速やかに土砂を除去する

機械設備の評価は、「3.5河川構造物の施設の評価」に記載した関連通知等に従い点検結果に基づき評価する。

電気通信施設の評価は、「3.5河川構造物の施設の評価」に記載した関連通知等に従い点検結果に基づき評価する。

土木施設総合的な評価(施設の評価)

変状箇所ごとの評価 ※1

[1] 水叩き、護床工等の変形、破壊、上下流河床の洗掘※2

[2] 床版、堰柱、門柱等の変形、破損(ゲートの開閉不全につながる恐れがあり、かつ、外観で確認できる部材(門柱、操作台等)を対象とする)

[3] 魚道の変形、破損

[4] 河道内(ゲート周辺)、本体上流部、閘門内、魚道内の土砂堆積

  変状種別

評価区分

総合的な評価

機械設備 電気通信施設

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【参考】

■国土交通省HP_水管理・国土保全局_基本情報_指針・マニュアル・ガイドラ

イン_河川のアドレスに、下記の資料が掲載されております。

⇒http://www.mlit.go.jp/river/shishin_guideline/index.html

○ 河川砂防技術基準_維持管理編(河川編)(平成27年3月改定)

○ 堤防等河川管理施設及び河道の点検要領(平成28年3月改定)

○ 樋門等構造物周辺堤防詳細点検要領(平成24年5月策定)

○ 中小河川の堤防等河川管理施設及び河道の点検要領(平成29年3月改定)

○ 堤防等河川管理施設の点検結果評価要領(平成29年3月改定)