23
1 内閣府政策統括官(共生社会担当) 交通安全担当参事官 安部雅俊 交通安全対策の現状と課題 資料1

交通安全対策の現状と課題1 内閣府政策統括官(共生社会担当) 交通安全担当参事官 安部雅俊 交通安全対策の現状と課題 資料1 2 目次

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1

内閣府政策統括官(共生社会担当)交通安全担当参事官 安部雅俊

交通安全対策の現状と課題

資料1

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2

目次

Ⅰ.道路交通事故の動向・・・・・・・・・・・・・3

Ⅱ.第9次交通安全基本計画について・・21

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3

道路交通事故による交通事故発生件数、死者数及び負傷者数

952,191件(16年) →

736,688件(21年)→

← 31,274人(26年)

981,096人(45年) →

← 596,282人(54年)

1,183,120人(16年) →

910,115人(21年)→

← 4,429人(26年)←4,696人(27年)

16,765人(45年) →

8,466人(54年) →

4,914人(21年)→

5,772人(21年) →

7,314人(20年)→

0

200,000

400,000

600,000

800,000

1,000,000

1,200,000

昭和26 31 36 41 46 51 56 61 平成3 8 13 18

交通事故発生件数・負傷者数

0

5,000

10,000

15,000

20,000

死者数

事故発生件数 負傷者数

死者数(24時間)

死者数(30日以内)

死者数(厚生統計)

1 道路交通事故の長期的推移

Ⅰ.道路交通事故の動向

【交通事故死者数の推移】○昭和45年に史上最悪の1万6,765人を記録(交通安全対策基本法が45年に制定され,同法に基づく交通安全基本計画を46年以降5年ご

とに策定し,交通安全対策を総合的・計画的に推進。)○昭和54年には8,466人まで減少

(その後増勢に転じるが,平成4年(11,451人)を境に再び減少に転じる。)○平成21年は4,914人となり,9年連続の減少(57年ぶりに5千人を下回る。平成16年に過去最悪の事故発生件数及び負傷者数を記録する

も5年連続で前年を下回った。)

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4

年齢層別交通事故死者数の推移

111人(2.3)

519人(10.6)

184人(3.7)

372人(7.6)382人(7.8)

523人(10.6)

371人(7.5)

2,452人(49.9)

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

昭和54 59 平成元 6 11 16 21年

15歳以下

16~24歳

25~29歳

30~39歳

40~49歳

50~59歳

60~64歳

65歳以上

若者の減少傾向が顕著

注1 警察庁資料による。2 ( )内は,年齢層別死者数の構成率(%)である。

2 年齢層別交通事故死者数の推移

(1)死者数は,65歳以上の高齢者(2,452人)が17年連続で最も多く,全死者数に占める割合は49.9%となっている。 16~24歳(32人減)の若者の減少傾向が続いている。

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5

(2)75歳以上の状況75歳以上の年齢層の減少は小さく,10年前と比較した場合,死者数全体では4,092人(45.4%)減少し

ているのに対し,75歳以上では108人(6.6%)の減少にとどまっている。また,人口10万人当たりの死者数を比較すると,平成21年中の全年齢平均が3.85人であるのに対し,

65歳〜74歳で6.09人,75歳以上で11.63人と高齢になるほど死者数が多くなっている。

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6

(3)第1当事者原付以上運転者(第1当事者)による死亡事故件数を年齢層別にみると,若年層の件数が大きく減少して

いるのに対し,75歳以上では逆に増加しており,10年前と比較した場合,死亡事故全体の件数が3,565件(44.8%)減少しているのに対し,75歳以上の年齢層では,145件(53.5%)増加している。

また,免許保有者10万人当たりの死亡事故件数を比較すると,平成21年中の全年齢平均が5.4件であるのに対し,65歳以上で7.1件,75歳以上で12.8件と高齢になるほど件数が多くなっている。

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7

状態別交通事故死者数の推移

1,600人(32.6)

527人(10.7)

359人(7.3)

695人(14.1)

1,717人(34.9)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

昭和54 59 平成元 6 11 16 21年

自動車乗車中 自動二輪車乗車中 原付乗車中

自転車乗用中 歩行中 自動車乗車中の減少が顕著

注1 警察庁資料による。ただし,「その他」は省略している。2 ( )内は,状態別死者数の構成率(%)である。

昭和54年以降の自動車乗車中の死者数を見ると,平成5年をピークに大きく減少し始め,減少傾向が続いている。一方,歩行者については,死者数は減少しているものの,その傾向が緩やかであり,状態別に見ると,20年からは歩行者が最も多くを占めており,21年の全死者数に占める割合は34.9%となっている。

3 状態別交通事故死者数の推移

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8

平成21年中の状態別の交通事故死者数を状態別・年齢層別にみると,次のような特徴がみられる。① 自動車乗車中(37.0%),原動機付自転車乗車中(43.7%),自転車乗用中(64.0%)及び歩行中

(70.0%)の4つの状態別で,65歳以上の高齢者が最も多くを占めており,中でも自転車乗用中及び歩行中については,極めて高い割合となっている。

② 自動二輪車乗車中については,16~24歳の若者が全体の30.9%と依然として最も多くを占めている。

15歳以下

16~24歳

25~29歳

30~39歳

40~49歳

50~59歳60~64歳

65歳以上

自動

車乗

車中

自動

二輪

車乗

車中

原付

自転

車乗

車中

自転

車乗

用中

歩 行

592(37.0)

148 211(13.2)155

153

91 222(13.9)

28

45

1639

94116

53163

(30.9)1

157(43.7)

3142

2121

775

5

445(64.0)

49

71

30

2510

2936

1,202(70.0)

125159(9.3)

8157

2230

41

0人

200人

400人

600人

800人

1,000人

1,200人

1,400人

平成21年中の状態別・年齢層別交通事故死者数

自動車乗車中

自動二輪車乗車中

原付自転車乗車中

自転車乗用中

歩 行 中

注 警察庁資料により作成。ただし,「その他」は省略している。

○事故発生件数 73万6,688件(前年比△2万9,459件,△3.8%)

○死傷者数 91万5,029人(前年比△3万5,630人,△3.7%)

○うち負傷者数 91万 115人(前年比△3万5,389人,△3.7%)

○うち死者数(24時間) 4,914人(前年比△241人, △4.7%)

うち死者数(30日以内) 5,772人(前年比△251人, △4.2%)

4 状態別・年齢層別交通事故死者数

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9

32.8%

11.3%

12.8%

22.3%

14.6%

11.8%

16.1%

7.6%

4.4%

10.2%

19.3%

15.6%

25.4%

19.2%

17.1%

21.1%

58.7%

51.6%

50.0%

52.9%

10.7%

6.8%

6.7%

4.0%

5.2%

1.9%

3.5%

14.2% 39.2% 32.8%

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

日 本

スウェーデン

フランス

イギリス

ド イ ツ

アメリカ

(%)

歩行中 自転車乗用中 二輪車乗車中 乗用車乗車中 その他 不明

5 欧米諸国との比較(2008年)

(1)状態別交通事故死者数の状況我が国と主な欧米諸国(アメリカ,ドイツ,イギリス,フランス及びスウェーデン)の状態別交通

事故死者数の状況を見ると,我が国は乗用車乗車中の死者数の構成率が低く,歩行中及び自転車乗車中の死者数の構成率が高い。イギリスは,歩行中死者数の構成率が我が国に次いで高い。一方,スウェーデン,フランス及びドイツは,乗用車乗車中の死者数の構成率が高い。また,アメリカは,乗用車乗車中とその他で,死者数の72%程度を占めている。

注 1 IRTAD資料による。 2 数値は状態別構成率

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10

日 本

13.5

10.4

54.1

22.1

10.9

37.7

49.0

2.4

0 ~14

15~24

25~64

65~

不明

アメリカ

20.1

14.0

53.1

12.823.4

57.9

14.80.23.6

0 ~14

15~24

25~64

65~

不明

フランス

18.3

12.6

52.6

16.526.4

51.7

19.02.9

0 ~14

15~24

25~64

65~

不明

イギリス

17.5

13.4

52.9

16.226.5

50.4

18.94.2

0 ~14

15~24

25~64

65~

不明

スウェーデン

16.8

13.0

52.7

17.519.4

53.4

25.7

1.5

0 ~14

15~24

25~64

65~

不明

ドイツ

13.7

11.6

54.6

20.1 23.7

50.1

23.8

0.12.3

0 ~14

15~24

25~64

65~

不明

(2)年齢層別交通事故死者数の状況我が国と主な欧米諸国(アメリカ,ドイツ,イギリス,フランス及びスウェーデン)の年齢層別交通

事故死者数の状況を見ると,主な欧米諸国で は,15~24歳の年齢層の構成率が我が国よりも高く,人口構成率を6~14ポイント上回っている。我が国は,65歳以上の年齢層の構成率が際立って高い。

注 1 IRTAD資料による。 2 数値は構成率(%) 3 内円は人口、外円は交通事故死者数

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11

資料)警察庁

6 自転者関連交通事故の状況

(1)自転車関連事故の相手当事者別交通事故件数推移

126,920

130,721

637

3,909

633

2,934

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

140,000

160,000

180,000

平成

9年

10年

11年

12年

13年

14年

15年

16年

17年

18年

19年

20年

21年

0

500

1,000

1,500

2,000

2,500

3,000

3,500

4,000

4,500

5,000

対自動車(左軸)

自転車相互(右軸)

対歩行者(右軸)

(件) (件)

出典)警察庁資料

(100)

(100)

(100)

(614)

(103)

(464)

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12

資料)警察庁

※「指導警告票」とは、違反を現認した際に検挙はしないが、注意を喚起するために交付する書面をいう。

(2)自転車の交通指導取締り状況

1,127,331

1,451,353

1,926,260

2,188,646 2,165,759

326

585

814

1,211

1,616

0

500,000

1,000,000

1,500,000

2,000,000

2,500,000

H17 H18 H19 H20 H21

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

1,600

1,800

指導警告票交付件数 検挙件数

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13

資料)交通事故統計より作成

1,178

1,086

979 982 957887 878

75514.4%

15.7%

14.0%

13.6%

13.1%

13.9%

14.4%

15.0%

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20

12.5%

13.0%

13.5%

14.0%

14.5%

15.0%

15.5%

16.0%

交通死亡事故件数  (件)  (車道幅員5.5m未満)

全体に占める割合 (%)

生活道路(車道幅員5.5m未満)における交通死亡事故件数の推移(件)

197,255 198,141 201,151 208,135 205,568197,643

210,589

193,316

20.8%21.2%

21.2%

21.9%22.0%

22.3%

25.2%25.3%

0

40,000

80,000

120,000

160,000

200,000

240,000

280,000

H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20

20.0%

21.0%

22.0%

23.0%

24.0%

25.0%

26.0%

交通事故件数     (件)(車道幅員5.5m未満)

全体に占める割合 (%)

生活道路(車道幅員5.5m未満)における交通事故件数の推移(件)

に占

割合

通事

7 生活道路における交通事故の状況

(1)生活道路の交通死亡事故、交通事故件数の推移生活道路における交通事故の発生状況に着目すると、生活道路における交通死亡事故件数の全死亡

事故件数に占める割合は増加傾向にある。また、全交通事故件数は近年減少傾向にある一方で、生活道路における交通事故件数は横ばいで推移しており、全交通事故件数に占める割合が増加する傾向にある。

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14

55.2% 56.3% 55.8% 56.2% 56.0% 56.6% 54.8% 58.1% 56.4% 57.4% 56.1%

1,420 1,4311,371

1,3401,307

1,273

1,1531,192

1,095

987 964

0%

25%

50%

75%

100%

H11 H12 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21

0

400

800

1,200

1,600

不明2km以上1km~2km500m~1km0~500m以内

0~

50

m

数(

れ線

フ)

全体

合(

グラ

フ)

歩行中の交通事故死者

40.3% 41.2% 40.5% 38.5% 37.7%43.0%

34.6% 36.3%

42.5%40.3%42.6%

437

396

419398 398

345324

305319

248 251

0%

25%

50%

75%

100%

11年

12年

13年

14年

15年

16年

17年

18年

19年

20年

21年

0

100

200

300

400

500

不明2km以上1km~2km500m~1km0~500m以内

0~

m

数(

フ)

合(

フ)

自転車乗車中の交通事故死者

資料)警察庁資料より作成

歩行中の交通事故死者数について、自宅から500m以下の道路における死者の占める割合は高い水準のまま横ばいで推移しており、自転車乗用中の死者のうち、自宅から500m以下の道路における死者の割合は、近年減少傾向にあるものの依然として高い水準にある。

(2)生活圏(自宅から500m以下)の歩行中・自転車乗用中の交通事故死者数の推移

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15資料)ITARDA提供データを基に国土交通省作成注)本表における生活道路は、道路法に基づく市町村道である。

0.1(1%)

18.1(20%)

80.7(39%)

11.5(99%)

72.5(80%)

126.9(61%)

0 50 100 150 200 250

全道路

自動車

専用道路

幹線道路

生活道路

死傷事故率(件/億台キロ)

歩行者・自転車

その他

12

91

208

10977.5(71%)

31.6(29%)

(3)道路種類別の死傷事故率(平成19年)道路種類別の死傷事故率で見ると、生活道路は幹線道路の約2.3倍、自動車専用道路の約18倍と

なっており、安全性が非常に低い水準にある。

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16

 シートベルト着用者率及び致死率(自動車乗車中)の推移

84.1

86.487.2 87.5

88.388.8 89.1 89.1

91.3

93.3

81.8

0.55

0.50

0.47

0.410.39

0.38

0.34

0.310.29 0.28

0.60

80

90

100

平成11年 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21年

シー

トベルト着用者率

0.2

0.3

0.4

0.5

0.6

0.7

致死率

(自動車乗車中

シートベルト着用者率

致死率

注1 警察庁資料による。

  2 シートベルト着用者率=シートベルト着用死傷者数(自動車乗車中)÷死傷者数(自動車乗車中)×100

  3 致死率(自動車乗車中)=死者数(自動車乗車中)÷死傷者数(自動車乗車中)×100

(% (%)

○致死率の違い(21年)

着用  0.16%

非着用 2.07%13倍

8 近年の交通事故死者数減少の主な要因

(1)シートベルト着用者率の向上シートベルト非着用者の致死率は,着用者の13倍でありシートベルトの着用が交通事故の被害軽減

に寄与していると認められる。シートベルト着用者率の向上に伴い,致死率(自動車乗車中)も平成11年の0.60 %から0.28%まで減少しており,死者数減少の要因の一つである考えられる。

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17

危険認知速度別交通事故件数(一般道路)及び死者数の推移

87.9

23.4

49.3

54.6

20

30

40

50

60

70

80

90

100

110

120

130

平成11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21年

指  数

50㎞/h以下

50㎞/h超~80㎞/h以下

80㎞/h超

死者数

(平成11年=100)

注 1 警察庁資料による。

   2 危険認知速度とは,自動車又は原付運転者が,相手方車両,人,駐車車両又は物件等(防護さく,電柱等)を認め,危険を認知した時点の速度をいう。   3 死亡事故率=死亡事故件数÷交通事故件数×100

○死亡事故率の違い(21年)

50㎞/h以下       0.4%

50㎞/h超~80㎞/h以下   5.1%(50㎞/h以下の13倍)

80㎞/h超        28.3%(50㎞/h以下の71倍)

(2)高速走行の事故の減少一般道路での危険認知速度別の死亡事故率を比較すると,50㎞/h以下が0.4%,50㎞/h超~80㎞/h

以下が5.1%(50㎞/h以下の13倍),80㎞/h超が28.3%(50㎞/h以下の71倍)と速度が高くなるほど死亡事故率が高くなっている。10年前と比較すると死亡事故率の低い50㎞/h以下の事故の減少が約12%にとどまっている一方死亡事故率が高い80㎞/h超の事故は4分の1以下となっており,高速走行の事故が減少してきていることが,死者数減少の要因の一つであると考えられる。

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18

飲酒運転・最高速度違反による交通事故件数及び死者数等の推移

26.9

34.4

86.6

54.6

0

20

40

60

80

100

120

140

平成11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21年

指数

飲酒運転による交通事故件数最高速度違反による交通事故件数

交通事故件数死者数

○死亡事故率の違い(21年)

飲酒運転    4.9%(飲酒なしの7.8倍)

最高速度違反  11.8%(法令違反別平均の18.8倍)

(平成11年=100)

注 警察庁資料により作成。

(3)飲酒運転等悪質・危険性の高い事故の減少10年前と比較すると飲酒運転による交通事故は約3分の1に,最高速度違反による交通事故は約2

分の1にそれぞれ減少している。これら悪質・危険性の高い違反による事故の減少が,死者数減少の要因の一つであると考えられる。

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19

第1‐19図 原付以上運転者(第1当事者)の飲酒運転による交通事故件数,交通死亡事故件数の推移

26,280

6,219 5,725

7,558

11,625

13,87515,178

16,374

20,328

25,400

21,602

1,2571,2761,191

997

780710 707

611

430305 292

0

5,000

10,000

15,000

20,000

25,000

30,000

平成11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21年

交通事故件数

0

500

1,000

1,500

2,000

交通死亡事故件数

交通事故件数

死亡事故件数

(件) (件)

注 警察庁資料により作成。

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20

交通事故発生年

0

1

2

3

4

5

6

7

8

9

10

2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19

初度登録年

10万台当たり死者数

(人

平成11年

平成13年

平成15年

平成17年

平成19年

事故年別・初度登録年別10万台当たり乗員(運転者を含む)死者数(普通乗用車)

資料)ITARDA提供データを基に作成

(4)「車両の安全性の向上」・・・車両の初度登録年別の死者数車両対車両衝突事故における死亡事故率(正面衝突)は,平成12年度から20年度までに3.6%から

2.9%へと減少した。また,同一事故発生年内における事故年別・初度登録年別10万台あたりの乗員の死者数は,初度登録年が新しくなるに従って死者数が減少する傾向が示されており,車両安全対策の拡充・ 強化による車両安全性の向上により,人的被害軽減効果が発現している。

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21

○交通安全対策基本法に基づき、作成。

○道路交通、鉄道交通、海上交通及び航空交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱。

○現行の第8次基本計画(計画期間:平成18年度~平成22年度)の終了に伴うもの。【交通安全基本計画における数値目標】 交通事故死者数 5,500人以下

交通事故死傷者数100万人以下

交通安全基本計画とは

検討体制

○中央交通安全対策会議(会長:内閣総理大臣、委員:関係閣僚)○中央交通安全対策会議専門委員会議(有識者20名)

Ⅱ.第9次交通安全基本計画について

○平成22年2月より約1年間、中央交通安全対策会議専門委員会議にて検討開始○平成22年10月5日、交通安全基本計画(中間案)公表○平成22年10月5日から11月4日まで、パブリックコメント募集○平成22年10月22日、公聴会開催○平成23年3月中央交通安全対策会議において決定

今後の日程(案)

1 概要

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1.道路交通事故のない社会を目指して○ 人命尊重の理念に基づき,究極的には,交通事故のない社会を目指す。

○ 今後は,死者数の一層の減少に取り組むことはもちろんのこと,事故そのものの減少についても積極的に取り組む必要がある。

2.道路交通の安全についての目標① 24時間死者数を3,000人(※)以下とし,世界一安全な道路交通を実現する。(※この3,000人に平成21年中の24時間死者数と30日以内死者数の比率を乗ずるとおおむね3,500人)② 死傷者数を70万人以下にする。

3.道路交通の安全についての対策

<3つの視点>① 高齢者及び子どもの安全確保 ② 歩行者及び自転車の安全確保③ 生活道路及び幹線道路における安全確保

<8つの柱>① 道路交通環境の整備② 交通安全思想の普及徹底③ 安全運転の確保④ 車両の安全性の確保⑤ 道路交通秩序の維持⑥ 救助・救急活動の充実⑦ 損害賠償の適正化を始めとした被害者支援の推進⑧ 研究開発及び調査研究の充実

道路交通の安全

2 第9次交通安全基本計画(中間案)の概要

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3 世界一安全な道路交通の実現を目指して本計画の目標である平成27年までに年間の24時間死者数3,000人に、平成21年中の24時間死者数と

30日以内死者数の比率(1.17)を乗ずると、おおむね3,500人となる。これにより、人口10万人当たりの30日以内死者数は2.8人となり、この目標を達成した場合には、他の各国の交通事故情勢が現状と大きく変化がなければ、最も少ない国となる。

また、平成22年に設定した中期目標である「平成30年を目途に、交通事故死者数を半減させ、これを2,500人以下とし、世界一安全な道路交通の実現を目指す」を達成すると、人口10万人当たりの30日以内死者数は2.3人にまで減少するが、中期目標の達成以前に、本計画の計画期間において、世界一安全な道路交通が実現できることとなる。

人口10万人当たり死者数

2.32.8

3.84.1 4.3 4.3

4.7 4.7

5.4 5.5

6.3 6.56.8 6.9 6.9

7.2 7.47.9 8.2

8.4 8.6

9.69.9 10.1

10.410.4

11.6

12.312.7

14.314.4

0

2

4

6

8

10

12

14

16

日本(2

018 )

日本(2

015 )

アイスランド

オランダ

イギ

リス

スウェー

デン

スイス

日本

ノル

ウェー

ドイツ

アイル

ランド

フィンランド

オー

ストラリア

スペ

イン

フランス

ルクセンブル

グデ

ンマー

イタリア

オー

ストリア

カナダ(200

7 )

ニュー

ジー

ランド

ポル

トガル

(200

7 )ハ

ンガリー

ベル

ギー

(200

7 )チェコ

スロベ

ニア

スロバ

キア

(200

7 )

アメリカ合

衆国

韓国(200

7 )ポー

ランド

ギリシャ(200

7 )

注1IRTAD資料による。  2国名に年数(西暦)の括弧書きがある場合を除き,2008年の数値である。(ただし、「日本(2015)」及び「日本(2018)」を除く。)  3数値は全て30日以内死者(事故発生から30日以内に亡くなった人)のデータを基に算出されている。  4日本(2015年)の数値は、第9次交通安全基本計画(中間案)における数値目標である2015(平成27年)の24時間死者数の目標3,000人に、  2009年の日本の24時間死者数と30日以内死者数の比率を乗じることで2015年における30日以内死者数を3,500人と推定し、この推定死者  数と125,430千人(2015年における日本の予測人口)を用いて算出した(125,430千人は国立社会保障・人口問題研究所「総人口年齢3区分  別人口及び年齢構造係数:出生中位(死亡中位)推計」(平成18年12月推計)より引用)。  5日本(2018年)の数値は、政府方針である2018年(平成30年)の24時間死者数の目標2,500人に、2009年の日本の24時間死者数と30日以  内死者数の比率を乗じることで2018年における30日以内死者数を2,936人と推定し、この推定死者数と123,915千人(2018年における日本の  予測人口)を用いて算出した(123,915千人は国立社会保障・人口問題研究所「総人口年齢3区分別人口及び年齢構造係数:出生中位(死  亡中位)推計」(平成18年12月推計)より引用)。