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観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について 平成31年1月28観光庁観光産業課 資料2

観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について · 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について 平成31年1月28日 観光庁観光産業課

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観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について

平成31年1月28日

観光庁観光産業課

資料2

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目次

1.観光を取り巻く現状(P.2~)

2.宿泊業の現状と課題(P.16~)

3.「観光産業革新検討会」における議論及び関連する取組の状況(P.39~)

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1.観光を取り巻く現状

2.宿泊業の現状と課題

3.「観光産業革新検討会」における議論及び関連する取組の状況

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2018年3119万人

(8.7%増)

521 614

673 733

835 835

679

861

622

836

1036

1341

1974

2404

2869

0

500

1000

1500

2000

2500

30006年間で3.7倍に

訪日外国人旅行者数の推移

資料:日本政府観光局(JNTO)資料に基づき観光庁作成

注) 2017年以前の値は確定値、2018年1月~10月の値は暫定値、2018年11月~12月の値は推計値、%は対前年同月比

訪日外国人旅行者数の内訳(2018年(平成30年))

資料:日本政府観光局(JNTO)資料に基づき観光庁作成注1:( )内は、訪日外国人旅行者数全体に対するシェア

注2:「その他」には、アジア、欧州等各地域の国であっても記載のない国・地域が含まれる。

◯ 2018年(平成30年)の訪日外国人旅行者数は、3,119万人(対前年比8.7%増)と初めて3,000万人を突破し、過去最高を記録した。(外国人旅行者受入数:世界で11位、アジアで3位に相当※)

◯ 訪日外国人旅行者数の内訳は、アジア全体で2,637万人(全体の84.5%)となった。また、市場別では中国で800万人を、米国で150万人を、タイで100万人をそれぞれ初めて突破した。

訪日外国人旅行者数の推移

ビジット・ジャパン開始

万人

アジア 2637万人(84.5%)うち東アジア 2288万人(73.4%)うち東南アジア 333万人(10.7%)

北米186万人(6.0%)

欧州主要5ヵ国112万人(3.6%)

その他120万人(3.8%)

①中国

838万人

(26.9%)

②韓国

754万人

(24.2%)③台湾

476万人

(15.3%)

④香港

221万人

(7.1%)

⑥タイ

113万人(3.6%)

シンガポール

44万人

(1.4%)

マレーシア

47万人

(1.5%)

インドネシア

40万人

(1.3%)

フィリピン

50万人

(1.6%)

ベトナム

39万人

(1.2%)

インド

15万人

(0.5%)

⑤米国153万人(4.9%)

カナダ

33万人

(1.1%)

英国

33万人

(1.1%)

フランス

30万人

(1.0%)

ドイツ

22万人

(0.7%)

イタリア

15万人

(0.5%)

スペイン

12万人

(0.4%)

ロシア

9万人

(0.3%)

豪州

55万人

(1.8%)

総計3119万人

※ 2017年またはそれ以前の数値との比較で暫定順位であり、変動があり得る。

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国内における旅行消費額(2017年)

旅行消費額の推移について(2010~2017年)

26.7兆円

観光庁「旅行・観光消費動向調査」、「訪日外国人消費動向調査」より算出

日本人海外旅行(国内分)1.2兆円(4.4%)

日本人国内日帰り旅行5.0兆円(18.8%)

訪日外国人旅行4.4兆円(16.5%)

日本人国内宿泊旅行16.1兆円(60.2%)

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年

日本人国内宿泊旅行 15.4 14.8 15.0 15.4 13.9 15.8 16.0 16.1

日本人国内日帰り旅行 5.1 5.0 4.4 4.8 4.5 4.6 4.9 5.0

日本人海外旅行(国内分) 1.1 1.2 1.3 1.2 1.1 1.0 1.1 1.2

訪日外国人旅行 1.1 0.8 1.1 1.4 2.0 3.5 3.7 4.4

合計 22.7 21.8 21.8 22.8 21.6 24.8 25.8 26.7

単位:兆円

4

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視 点 1「観光資源の魅力を極め、

地方創生の礎に」

視 点 2「観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業に」

視 点 3

「すべての旅行者が、ストレスなく快適に観光を満喫できる環境に」

■「魅力ある公的施設」を、ひろく国民、そして世界に開放・赤坂や京都の迎賓館などを大胆に公開・開放

■「文化財」を、「保存優先」から観光客目線での「理解促進」、そして「活用」へ・2020年までに、文化財を核とする観光拠点を

全国で200整備、わかりやすい多言語解説など1000事業を展開し、集中的に支援強化

■「国立公園」を、世界水準の「ナショナルパーク」へ・2020年を目標に、全国5箇所の公園について

民間の力も活かし、体験・活用型の空間へと集中改善

■おもな観光地で「景観計画」をつくり、美しい街並みへ・2020年を目途に、原則として全都道府県・

全国の半数の市区町村で「景観計画」を策定

■古い規制を見直し、生産性を大切にする観光産業へ・60年以上経過した規制・制度の抜本見直し、

トップレベルの経営人材育成、民泊ルールの整備、宿泊業の生産性向上など、総合パッケージで推進・支援

■あたらしい市場を開拓し、長期滞在と消費拡大を同時に実現・欧州・米国・豪州や富裕層などをターゲットにした

プロモーション、戦略的なビザ緩和などを実施・MICE誘致・開催の支援体制を抜本的に改善・首都圏におけるビジネスジェットの受入環境改善

■疲弊した温泉街や地方都市を、未来発想の経営で再生・活性化・2020年までに、世界水準DMOを全国100形成・観光地再生・活性化ファンド、規制緩和などを

駆使し、民間の力を最大限活用した安定的・継続的な「観光まちづくり」を実現

■ソフトインフラを飛躍的に改善し、世界一快適な滞在を実現・世界最高水準の技術活用により、出入国審査の

風景を一変・ストレスフリーな通信・交通利用環境を実現・キャッシュレス観光を実現

■「地方創生回廊」を完備し、全国どこへでも快適な旅行を実現・「ジャパン・レールパス」を訪日後でも購入可能化・新幹線開業やコンセッション空港運営等と連動した、

観光地へのアクセス交通充実の実現

■「働きかた」と「休みかた」を改革し、躍動感あふれる社会を実現・2020年までに、年次有給休暇取得率70%へ向上・家族が休暇をとりやすい制度の導入、休暇取得

の分散化による観光需要の平準化

これまでの議論を踏まえた課題

「明日の日本を支える観光ビジョン」-世界が訪れたくなる日本へ- 概要

■我が国の豊富で多様な観光資源を、誇りを持って磨き上げ、その価値を日本人にも外国人にも分かりやすく伝えていくことが必要。

■観光の力で、地域の雇用を生み出し、人を育て、国際競争力のある生産性の高い観光産業へと変革していくことが必要。

■CIQや宿泊施設、通信・交通・決済など、受入環境整備を早急に進めることが必要。

■高齢者や障がい者なども含めた、すべての旅行者が「旅の喜び」を実感できるような社会を築いていくことが必要。

「観光先進国」への「3つの視点」と「10の改革」

平成28年3月30日策定

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観光まちづくりの現状・課題

○ 文化、農林漁業、商工業、環境、スポーツなど地域の関連事業者や住民等の多様な関係者の巻き込みが不十分

○ 来訪客に関するデータの収集・分析が不十分

○ 効果的なブランディングやプロモーションといった民間的手法の導入が不十分

→ 地域の幅広い資源の最大限の活用につながらない→ 地域住民の誇りと愛着を醸成する豊かな地域づくりにつながらない

→ ターゲットとなる顧客層や地域のコンセプトが十分に練られていない→ 変化する観光市場に対応できない

→ 観光客に対して、「刺さる」競争力を持つ観光地ブランディングができていない6

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DMO形成・確立の必要性

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地域資源を最大限に活用し、効果的・効率的な集客を図る「稼げる」観光地域づくりを推進

地域の多様な関係者を巻き込みつつ、科学的アプローチを取り入れた観光地域づくりを行う舵取り役となる法人 = 「DMO」を各地域で形成・確立

DMO:Destination Management/Marketing Organization

宿泊施設

交通事業者商工業

飲食店

農林漁業

・個別施設の改善・品質保証の導入

・農業体験プログラムの提供

・6次産業化による商品開発

・ふるさと名物の開発・免税店許可の取得

・二次交通の確保・周遊企画乗車券の設定

・「地域の食」の提供・多言語、ムスリム対応

地域住民

・観光地域づくりへの理解

・市民ガイドの実施

内外の人材やノウハウを取り込みつつ、多様な関係者と連携

地域一体の魅力的な観光地域づくり

戦略に基づく一元的な情報発信・プロモーション

観光客の呼び込み

観光による地方創生

多様な関係者との連携

・多様な関係者の合意形成・データに基づくマーケティン

グ・戦略策定・観光地のマネジメント・ブラ

ンディング

行政・観光振興計画の策定・インフラ整備(景観、

道路、空港、港湾等)・文化財保護・活用・観光教育 ・交通政策・各種支援措置

DMO

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(1)DMOを中心として観光地域づくりを行うことについての多様な関係者の合意形成

(2)データの継続的な収集、戦略の策定、KPIの設定・PDCAサイクルの確立

(3)関係者が実施する観光関連事業と戦略の整合性に関する調整・仕組み作り、プロモーションの実施

(4)法人格の取得、責任者の明確化、データ収集・分析等の専門人材の確保

(5)安定的な運営資金の確保

DMO登録の5要件

すでに該当している = DMO

今後該当する予定 = DMO候補法人

日本版DMO登録制度における登録法人として208法人(※)が登録(H30.7.31時点)

日本版DMO登録制度について

8

広域連携DMO

10法人 96法人

地域連携DMO 地域DMO

117法人

・・・DMO

・・・DMO候補法人

・・・DMO

・・・DMO候補法人

・・・DMO

・・・DMO候補法人

日本版DMO登録制度における登録法人として223法人(※)が登録(H30.12.21時点)

※DMO登録数:102法人、DMO候補法人登録数:121法人

(公社)北海道観光振興機構

(一財)関西観光本部

(一社)せとうち観光推進機構

(一社)中央日本総合観光機構

(一社)東北観光推進機構

(一財)沖縄観光コンベンションビューロー

(一社)関東観光広域連携事業推進協議会

【設立予定】(一社)四国ツーリズム創造機構

(一社)山陰インバウンド機構

(一社)九州観光推進機構

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適用時期平成31年1月7日以降の出国に適用 税率出国1回につき1,000円

下記①②③の分野に充当

国際観光旅客税について

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ストレスフリーで快適に旅行できる環境の整備

我が国の多様な魅力に関する情報の入手の容易化

地域固有の文化、自然等を活用した観光資源の整備等による地域での体験滞在の満足度向上

・円滑な出入国・通関等の環境整備・FAST TRAVELの推進・公共交通利用環境の革新等・ICT等を活用した多言語対応等による観光地の「まちあるき」

の満足度向上・旅行安全情報共有プラットフォームを通じた旅行者の安全の確保

顔認証ゲートの導入 多言語音声ガイドの整備自動チェックイン機

・ICTの活用等による先進的プロモーションの実施

グローバルキャンペーン等の先進的プロモーション

首都圏外郭放水路の一般見学 日本博を契機とした観光コンテンツの拡充

※上記のほか、三の丸尚蔵館の整備(宮内庁)についても、国際観光旅客税財源を充当

・インフラを始めとした地域資源を活用したコンテンツの造成等・最先端観光コンテンツ インキュベーター事業・地域観光資源の多言語解説整備支援事業・文化資源(文化財等)を活用したインバウンドのための環境整備・国立公園のインバウンドに向けた環境整備

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まつり広場

〇〇寺

旧〇〇邸(古民家)

〇〇公園

〇〇商店街

△△商店街

サイクルポート

旧○○邸(古民家)

サイクルポート

サイクルポート

○ 訪日外国人旅行者の来訪が特に多い観光地等において、公共交通機関の駅等から個々の観光スポットに至るまでの散策エリアについて、ICTも活用して、多言語案内標識や無料エリアWi-Fiの整備、域内の小売・飲食店を挙げたキャッシュレス決済対応等のまちなかにおける面的な取組や、これらと一体的に行う外国人観光案内所や「道の駅」等の機能強化、古民家等の歴史的資源の活用等を集中的に支援し、「まちあるき」の満足度の向上を目指す。あわせて、観光地の災害等の非常時の対応能力の強化を図る。

■デジタルサイネージの整備

■AI・チャットBotの整備

■多言語音声ガイドの整備

■免税対応端末の整備

■非常用電源装置の整備■情報端末への電源供給

機器等の整備

■VR機器の整備

○まちなかにおける多言語観光案内標識の一体的整備

■デザインを統一した多言語サイン看板の整備

■ICTを活用した案内標識の整備

○無料エリアWi-Fiの整備

■無料公衆無線LAN環境の整備

◯公衆トイレの洋式便器の整備及び清潔等機能向上

■洋式便器の整備及び清潔等機能向上(光触媒タイルの活用等)

■多言語翻訳システム機器の整備■多言語案内用タブレット端末の

整備

■無料公衆無線LAN環境の整備

■施設の整備改良■案内標識の多言語化■洋式トイレの整備

■HP・コンテンツ作成■案内放送の多言語化■掲示物等の多言語化

地域の観光スポットに基づいた散策エリアと一体的整備イメージ■まちなかの周遊機能の強化(まるごとインバウンド対応)■観光地のゲートウェイとしての外国人観光案内所等

の機能の強化

◯情報発信機能の強化

◯訪日外国人旅行者への対応力の強化

◯外国人観光案内所等の情報提供基盤の強化

■多言語翻訳システム機器の整備■多言語翻訳用タブレット端末の整備

■先進的な決済環境の整備■免税店電子化対応環境の整備

○地域の飲食店、小売店等における多言語対応・先進的決済環境の整備

補助率 10分の8、2分の1、3分の1

文化財・国立公園の周辺地域における歴史的資源のインバウンド整備を支援

○歴史的観光資源の高質化 ○シェアサイクルの導入

事業主体

(1)地方公共団体(港務局を含む。)

(2)民間事業者(公共交通事業者等を含む。)

(3)航空旅客ターミナル施設を設置し、又は管理する者

(4)協議会等

○電線の地中化や軒下・裏配線等の無電柱化

主動線

副動線

集中的整備区域

外国人観光案内所

観光案内板 キャッシュレス端末、多言語対応機器の集中整備

公衆トイレWi-Fi

各種誘導看板

地域要件

以下を含む、訪日外国人旅行者の来訪が特に多い、又はその見込みがある観光地として観光庁が指定するもの

○ 訪日外国人旅行者の評価が既に高い観光地

○ 重要な文化財や国立公園が所在する地域

○ 国際的なイベント・会議の開催等により、訪日外国人旅行者の来訪が多

く見込まれる観光地

■古民家等の歴史的資源を活用した観光まちづくり

○古民家等の観光資源化

■「道の駅」インバウンド対応拠点化モデル事業

外国人観光案内所等の整備・改良等

インバウンド向けの体験メニューの開発

空車・満車情報の多言語化

ホームページの多言語化

洋式便器の整備及び清潔等機能向上

多言語翻訳システム機器等の整備

◯非常時の対応能力の強化

○ レンタカーを利用したインバウンド観光の先進県である沖縄県内の「道の駅」における取組について、全国のモデル事業とすべく重点的に支援

※ その他、「道の駅」の管理者、運営者、観光関係者、「道の駅」施設内の民間事業者等からなる協議会により策定される計画の内容を含む。等

ICT等を活用した多言語対応等による観光地の「まちあるき」の満足度向上観光庁(参事官(外客受入担当)):3,050百万円

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○最先端ICTを活用した観光

○有識者会議において新たな観光コンテンツ(公募対象事業)を選定。○各展開事業は、担当の有識者が伴走し、有識者と共に官民連携して新コンテンツを作り上げ。

〇 2020年の訪日外国人旅行消費額8兆円の目標達成に向け、世界での「コト消費」最高水準を目指すため、訪日観光における消費拡大が期待できる新たな観光コンテンツや潜在的コンテンツを、民間事業者とともに開拓・育成する。

平成30年度実施概要○潜在的な観光資源

○地方の医療・観光資源の活用行政

自治体

医療

医療機関

観光

観光協会

宿泊関連業者 旅行代理店

①H30年度実施の新たな観光コンテンツ開拓のための基礎マーケティング調査結果の詳細な分析

②有識者会議において選定されるコンテンツを対象に、課題抽出等に係る調査事業や拡充のための展開事業

③取組拡大のためのガイドラインの策定・優良事例の展開

④情報発信コンテンツ造成・発信媒体の選定⑤情報発信・観光コンテンツ情報提供

H31年度新規コンテンツ

H30年度からの継続コンテンツ

地域活性化に向けた観光コンテンツ拡充推進会議

夜間の観光資源等、必要な対象コンテンツについて協議会を設置

有識者会議体制事業概要

○インバウンド向けARスポーツ観戦(横浜アリーナ)

○お祭りの外国人受入れ(秩父)

○夜間の体験コンテンツ造成(石見神楽)

(全16件を実施)

○通年でのビーチウェディング(沖縄)

○温泉による美容改善体験(玉造温泉)

平成31年度実施予定事業

○夜間の観光資源

(高付加価値・長期滞在向けアグリツーリズモ)

宿泊

収穫体験

地域の野菜・畜産×有名シェフ(VR等による可視化(観光資源の付加価値化))

出典:姫路市出典:姫路市

(地域資源の夜間活用×BARホッピング)

出典:姫路市出典:姫路市

夜間観光 BAR夕食

最先端観光コンテンツ インキュベーター事業 観光庁(観光資源課): 1,300百万円

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【1】DMOの体制に対する支援

【2】DMOと連携したコンテンツ造成の取組に対する支援

世界水準のDMO形成促進事業

○ 全国各地で世界的な競争力を有する魅力ある観光地域づくりを促進するため、①全国の優良なDMOの体制を強化し、世界水準のDMOの形成を促進するとともに、②国とDMOが連携し、訪日グローバルキャンペーンに活用できる優良なコンテンツの造成を推進する。

【事業内容】インバウンドに対応したマネジメント体制が確立されたDMO(※)を対象に、以下の支援を実施。※観光資源の所有者、宿泊事業者、アクティビティー等の事業者、旅行会社、交通事業者等のディスティネーションの関係者が体制に含まれていること。※安定的かつ自立的な経営の確保が行われていること。

訪日グローバルキャンペーンに対応したコンテンツ造成事業

①事業対象の地域資源に関する調査②地域資源を活用したコンテンツの企画・立案③モデルツアーの実施

実施主体:地方運輸局(DMOと連携)

【事業内容】訪日グローバル・キャンペーン(JNTO)に対応したコンテンツが、特に地方部をはじめとして、全国的に不足している状況を踏まえ、地方運輸局とDMOが連携して、訪日グローバルキャンペーンに活用できる新たな滞在型コンテンツを全国各地域に創出することが必要であることから、以下の取組を実施。

外国人旅行者に選好される魅力的なコンテンツの開発・強化

訪日外国人旅行者が快適かつ安全に周遊・滞在できる受入環境の整備

※地域の関係者による計画策定や役割分担が行われていることが要件

フットパスツーリズム

【概要】・里山、石橋、棚田等、日

本の昔ながらの原風景を活かし、地域住民と触れ合いながら歩く旅行商品の開発

伝統工芸の体験

【概要】・陶芸などの伝統的な工芸

を体験する、地域資源を活かした体験型の旅行商品の開発

【想定されるコンテンツ例】

DMOが重点的に求められる専門性

・インバウンドに関するデータ分析・誘客戦略の策定※事業内容について、JNTOの確認を受けるとともに、JNTOと連携して実施することが要件

・国外向けの戦略的な情報発信・プロモーション※プロモーション方針についてJNTOの確認を受けることが要件

①インバウンドにより地域全体の経済効果を高めるための投資戦略やビジネスモデルを確立するための外部専門人材の登用②OJT派遣や視察による中核人材の育成

JNTOが専門性を発揮した上で、それを補完する役割を担う観点から求められる場合の副次的な専門性

補助対象:DMO 補助率:定額(①上限1,500万円、②上限500万円)

地域の観光戦略推進の核となるDMOの改革 観光庁(観光地域振興課):2,296百万円

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◯ 観光庁は、①文化庁・環境省と連携してわかりやすく魅力的な多言語解説文を作成できる英語のネイティブライター等の専門人材をリスト化し、②地域に派遣し解説文の作成を支援。及び、③解説文作成のノウハウを蓄積し、他地域へ横展開できるようガイドラインを作成。

◯ 文化庁においては世界文化遺産や国宝・重要文化財等について、環境省においては国立公園について、最先端技術も駆使しながら外国人に魅力ある観光ストーリーを多言語発信支援。

観光庁:地域観光資源の多言語解説整備支援事業

専門人材

①ネイティブ専門人材のリスト化②解説文の作成費用 100地域程度③ガイドライン作成

文化庁:世界文化遺産や国宝・重要文化財等 環境省:国立公園34公園

・ 地域の文化財を一体的に整備・支援・ 観光資源としての価値を高める美装化への支援・ 文化財の魅力を伝える案内板・解説板の設置

※Writer/Editorを派遣し、文化財の魅力ある多言語解説文の作成支援

※Writer/Editorを派遣し、国立公園の魅力ある多言語解説文の作成支援

※タッチパネル式解説板による案内(日本語音声・多言語字幕)

※2次元コードによる自然資源の多言語解説の整備(多言語音声・テキスト)

・ 登山道やビジターセンター、トイレ等基盤的な利用施設の整備・ 自然を活かした体験型コンテンツの充実、ガイド人材の育成・ 国立公園の魅力を伝える案内板・解説板の設置

地域観光資源の多言語解説整備支援事業 観光庁(観光資源課):1,000百万円

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宿泊分野における特定技能の在留資格に係る制度の運用に関する方針(概要)

(生産性向上のための取組)○ マルチタスク化の推進、スタッフの技能向上、スキルマップの作成等による業務効率化等に取り組んでいる。また、ワークショップやセミナーの開催等を通じ、好事例を全国へ展開。これらの取組により、過去5年間の年平均生産性向上率は2.8%と、全産業平均を大きく上回る状況。

(国内人材確保のための取組)○ 女性のキャリアアップを促進する教育研修制度の確立や高齢者が働きやすい勤務体系の導入、休館日の導入、有給休暇完全消化の徹底等の労働環境の改善に取り組んでいる。

1 生産性向上や国内人材確保のための取組

2 受入れの必要性

○ 近年の訪日外国人旅行者の増加や、2020年4,000万人、2030年6,000万人の政府目標達成に向けた宿泊需要に対応するため、全国にわたり、宿泊分野の人材確保が必要不可欠。

○ 現時点で既に約3万人の人手不足が生じているものと推計。さらに、今後の訪日外国人旅行者の増加等に伴い、5年後(平成35年)までに全国で10万人程度の人手不足が生じる見込み。

3 受入れ見込み数

○ 今後5年間で最大2万2,000人の受入れを見込み、これを5年間の受入れの上限として運用。

○ 毎年2.8%程度の生産性向上を図るとともに、国内人材の確保のための取組により労働効率化(5年間で5万人程度)及び追加的な国内人材の確保(5年間で3万人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる数を上限として受入れ。

4 1号特定技能外国人が従事する業務

○ フロント、企画・広報、接客及びレストランサービス等の宿泊サービスの提供に係る業務

5 特定技能所属機関に対して特に課す条件

○ 旅館・ホテル営業の形態かつ以下の条件を満たすこと・ 旅館業法に規定する「旅館・ホテル営業」の許可を受けていること・ 風俗営業法に規定する「施設」に該当しないこと・ 特定技能外国人に対して風俗営業法に規定する「接待」を行わせないこと

○ 国土交通省が設置する協議会の構成員となり、協議会に対し、必要な協力を行うこと。

○ 国土交通省等が行う調査又は指導に対し、必要な協力を行うこと。等

6 特定技能外国人が大都市圏その他の特定地域に過度に集中して就労することとならないようにするために必要な措置

自治体における一元的な相談窓口の設置、ハローワークによる地域の就職支援等を着実に進める等の業種横断的な措置・方策に加え、国土交通省は以下の措置等を講ずる。

○ 地域における人手不足の状況について、協議会等の場を活用して、定期的な把握を行う。

○ 本制度の趣旨や優良事例を全国的に周知し、各地域の宿泊施設による生活支援の充実を促す。

○ 地域の宿泊施設から送出し国に対し、地域の魅力や受け入れ環境についての情報発信を促す。 14

◯ 新たな外国人材受入れのための在留資格の創設等を内容とする「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が平成30年12月に成立し、一部の規定を除き平成31年4月より施行される。

○ 宿泊分野は、新たな在留資格「特定技能1号」の対象分野の1つとされており、分野ごとに、制度の運用に関する方針を定めることとされている。

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旅館再生を手がける企業・ファンドの事例

15

○ 旅館再生を手がける企業やファンドの事例としては、(株)地域経済活性化支援機構が運営する観光活性化ファンドや年度内に組成予定の「観光遺産産業化ファンド」に加え、以下のようなものが存在する。

○ 旅館再生を手がける企業やファンドの事例としては、(株)地域経済活性化支援機構が運営する観光活性化ファンドや年度内に組成予定の「観光遺産産業化ファンド」に加え、以下のようなものが存在する。

企業・ファンド 概要

オデッセイ・キャピタル○ 歴史的建造物のブティックホテルへの改築や、主要な観光地にあ

る過小評価された旅館、町家等を主な投資対象とする○ リクルートホールディングスが再生案件を紹介

ベインキャピタル○ 米系大手プライベートエクイティファンド○ 大江戸温泉物語を買収し運営

キーストーン・パートナーズ○ 企業再生・成長支援ファンドの組成・運営を実施○ 不動産開発会社と連携し、ホテル開発や地方のホテル再生に取り

組む

オリックス○ 複数のホテル・旅館を運営○ 杉乃井ホテル(大分県別府市)など老舗旅館を傘下に

日本政策投資銀行○ 星野リゾートと共同で旅館等を支援対象としたファンドを運営○ 地方銀行とも協力し、地域の観光振興事業に対して支援

三菱UFJ銀行

○ 平成30年に、積水ハウスやJAL等とともに「ALL JAPAN観光立国ファンド」を組成

○ 宿泊施設の新規開発・改装や、観光立国化を支えるベンチャー企業等を投資対象とする

(各社HPや報道等を元に、観光庁作成)

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16

1.観光を取り巻く現状

2.宿泊業の現状と課題

3.「観光産業革新検討会」における議論及び関連する取組の状況

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■宿泊施設数:82,150施設(平成30年3月現在 厚生労働省「衛生行政報告例」)

・ホテル:10,402(客室数907,500)・旅館:38,622(客室数688,342)・簡易宿所:32,451・下宿:675

宿泊施設数の現状と推移

(軒)(室)

4,000

5,000

6,000

7,000

8,000

9,000

10,000

11,000

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

700,000

800,000

900,000

4 5 6 7 8 9 101112131415161718192021222324252627282930(年)

客室数 軒数

30,000

35,000

40,000

45,000

50,000

55,000

60,000

65,000

70,000

75,000

80,000

500,000

600,000

700,000

800,000

900,000

1,000,000

4 5 6 7 8 9 101112131415161718192021222324252627282930(年)

客室数 軒数

(軒)(室)

(室)

出典:衛生行政報告例〔厚生労働省〕 ※各年3月現在の数値

50,846 48,966 46,906 46,196 44,744 43,363 41,899 40,661 39,489 38,622

9,603 9,688 9,710 9,863 9,796 9,809 9,879 9,967 10,101 10,402

23,050 23,429 23,719 24,506 25,071 25,560 26,349 27,169 29,559 32,451

912 869 752 839 801 787 711 722 693675

0

10000

20000

30000

40000

50000

60000

70000

80000

90000

21年 22年 23年 24年 25年 26年 27年 28年 29年 30年下宿 簡易宿所 ホテル 旅館

宿泊施設数の推移

出典:厚生労働省 衛生行政報告例

(軒)

⇒全体の施設数は減少傾向(旅館は大幅減、ホテルは増加、簡易宿所は大幅増加)

◆ 最近10年間(H20→H30)の増減

・全体の施設数84,411→82,150(-2.7%)

・ホ テ ル :9,603軒→10,402軒(+8.3%)

・旅 館:50,846軒→38,622軒(-24%)

・簡易宿所:23,050→32,451軒(+40.8%)

・下 宿:912→675軒(-25.9%)

宿泊施設数の現状

ホテルの軒数と客室数の推移 旅館の軒数と客室数の推移

出典:衛生行政報告例〔厚生労働省〕 ※各年3月現在の数値

84,411 82,952 81,087 81,404 80,412 79,519 78,838 78,519 79,842 82,150

◆ 最近5年間(H26→H30)の増減

・全体の施設数79,519→82,150(+3.3%)

・ホ テ ル :9,809軒→10,402軒(+6%)

・旅 館:43,363軒→38,622軒(-11%)

・簡易宿所:25,560→32,451軒(+27%)

・下 宿:787→675軒(-14.2%)

17

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都道府県別の旅館・ホテル数(平成29年)

2195

553651

517 474701

1317

680

1250

970

320

11381306

1003

1846

334

626

911

1213

2168

923

2624

874

1295

374

652 732

1091

340

613

315 366526 507

653490

249 295 305

539

297

527

1080987

326

856

613702

140 175268

91 133264 293

168 227374

190

718

338 29499 134 76 128

509

210380 301

99 132269

498 434

66 103 60 68167 190

90 45 132 170 88

418

58 84 133 175 139 176396

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

北海道

神奈川

和歌山

鹿児島

旅館 ホテル

42.1

8.8 9.7 118.2

11.6

21.9

10.6

23.717.7

4.9

21.7

58.6

17.724.2

6.3

13.3

10.6

16.9

36

13.1

40.2 30.6

21.8

5.39.2

18.4 15.14.8 11.3

5 5.8 7.7 9.611.2

6.54.2

5 4.3 9.5 4.913

17.613.1

4.1

12.7 8.9

66.8

11.712.3

23.2

7.8 8.3

18.1 15.711.5 12.6

17.7

33.7

110.6

32.6

20.3

8.8 12.35.2

8.4

27

11.9

29.828.8

9.59.1

27

71.2

29.6

4.4 5.94.5 4.9

12.518.6

7.23.2

8 10.8 6.2

42.5

4.78.1 9.6

13

11.314.9

35.8

0

20

40

60

80

100

120

北海道

神奈川

和歌山

鹿児島

旅館 ホテル

施設数

(千室)

(出典)厚生労働省「平成29年度衛生行政報告例」

客室数

(軒)

18

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48

20

78

160

42

63

8575

39

10

57 52

0

20

40

60

80

100

120

140

160

180

開業予定ホテル数

地域別のホテル開業予定(施設数及び客室数)

出典:『週刊ホテルレストラン』(2018年12月7日号)に基づき観光庁作成

注:各地域の構成 関東:茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、神奈川甲信越・北陸:新潟、富山、石川、福井、山梨、長野

東海・中部:岐阜、静岡、愛知、三重近畿:滋賀、京都、兵庫、奈良、和歌山

○東京、近畿を中心に相当数の開業が予定されている。○東京、近畿を中心に相当数の開業が予定されている。

(施設数)

2018年12月8日以降における開業予定ホテル数、客室数(全国で729施設、109,317室)

6964

2592

12519

23137

4494

1066611664

14947

5214

1217

6187

9716

0

5000

10000

15000

20000

25000

開業予定ホテル客室数(客室数)

19

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旅館・ホテルの倒産実態

○ 宿泊施設の倒産件数は増加傾向にある。○ 宿泊施設の倒産件数は増加傾向にある。

20

69

51

32

24

40

56 54 53 59

57

71

84

91

103

116 112

100

65

70

105 108

123

109

96

129

109

101

79

86

0

20

40

60

80

100

120

140(件)

出典(株)帝国データバンク「旅館・ホテルの倒産実態件数」

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309.38 309.70 301.30

413.05 417.23439.50

465.89 472.32

504.08492.49

509 .60

22.65 22.25 18.30 27.51 18.42 26.31 33.4944.82

65.61 69.3979.69

0

100

200

300

400

500

600

平成19年 平成20年 平成21年 平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年

延べ宿泊者数 外国人延べ宿泊者数(内数)

(百万人泊)

延べ宿泊者数の推移

(注)平成22年4月以降⇒ 全ての施設の集計値

平成22年3月以前⇒ 従業員数10人以上の

施設の集計値

出典:宿泊旅行統計調査〔観光庁〕

21

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日本人延べ宿泊者数の推移(3大都市及びその他)

出所:宿泊旅行統計調査(観光庁)注)3大都市は千葉、埼玉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の合計

○ 日本人延べ宿泊数は3大都市、その他ともにほぼ横ばい○ 日本人延べ宿泊数は3大都市、その他ともにほぼ横ばい

(万人泊)

◆ 最近5年間(H25→H29)の増減・3大都市:14,425 → 14,603(+1.24%)・その他:28,815 → 28,388(△1.48%)

(万人泊)

22

14,425 14,421 14,399

13,973

14,603

10,000

11,000

12,000

13,000

14,000

15,000

平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年

3大都市

28,815 28,447

29,447

28,336 28,388

25,000

26,000

27,000

28,000

29,000

30,000

平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年

その他

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外国人延べ宿泊者数の推移(3大都市及びその他)

出所:宿泊旅行統計調査(観光庁)注)3大都市は千葉、埼玉、東京、神奈川、愛知、京都、大阪、兵庫の合計

○ 外国人延べ宿泊数は3大都市、その他ともに大幅増加○ 外国人延べ宿泊数は3大都市、その他ともに大幅増加

(万人泊)

◆ 最近5年間(H25→H29)の増減・3大都市:2,164 → 4,703(+117.3%)・その他:1,186 → 3,266(+175.3%)

(万人泊)

2,164

2,907

4,047 4,186

4,703

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年

3大都市

1,186

1,575

2,5142,753

3,266

1,000

2,000

3,000

4,000

平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年

その他

23

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・過去5年(2012年から2017年)の都道府県別延べ宿泊者数の伸び率を、①日本人、②外国人別に寄与度分解すると、外国人は全ての都道府県で延べ宿泊者数全体の押上に寄与。

・他方、日本人の減少を相殺している地域(大分県、山梨県、岐阜県、滋賀県、奈良県、富山県、静岡県、青森県、新潟県)や、延べ宿泊者数全体はマイナスであるものの、日本人のマイナスを大きく緩和している地域(香川県、長野県)もある。

近年の訪日外国人旅行者の増加がもたらす影響

<都道府県別延べ宿泊者数の伸び率への日本人・外国人別寄与度分解>(2012年から2017年の伸び率の宇要因分解)

(資料)観光庁「宿泊旅行統計調査」 注:2017年は速報値

北海道

青森県

岩手県宮城県 秋田県

山形県

福島県

茨城県栃木県群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県 石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

兵庫県

奈良県 和歌山県

鳥取県

島根県岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県高知県

福岡県

佐賀県

長崎県熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

-20% -15% -10% -5% 0% 5% 10% 15% 20% 25%

縦軸:外国人の寄与度

横軸:日本人の寄与度

日本人の減少を外国人の増加が上回り、

延べ宿泊者数全体が増加

日本人の減少が外国人の増加で相殺さ

れず、延べ宿泊者数全体が減少

日本人、外国人双方とも増加し、

延べ宿泊者数全体が増加

●大阪府

(日:+3.0%,外:+37.0%)

24

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82.2

70.4

8083.5

83.8 84.7 82.584

75.372 76.2

80

8486.8 86.1

86.1

70 63.4

68.570.9

73.375.3 75.3 76.2

54.2

30.3

38.834.8 41.8

59 59.8

57.256.9

32.5

29.2

40.143.1

50.5

41.8

59.6

52.9

34.7

35.5 33.4 35.237 37.1 37.5

20

30

40

50

60

70

80

90

100

平成22年 平成23年 平成24年 平成25年 平成26年 平成27年 平成28年 平成29年

ホテル/旅館の客室稼働率の推移(東京・大阪・全国)

出典:観光庁宿泊旅行統計調査 第8表(ホテルはビジネスホテル・シティホテルの実績)

大阪旅館

東京旅館

全国旅館

大阪ホテル 東京ホテル

全国ホテル

(%)

東日本大震災

25

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都道府県別の客室稼働率(平成29年)

63.557.5

52.458.1

48.2 49.0 45.353.6 54.6 51.1

65.567.3

80.0

64.8

42.253.1

64.4

41.2 42.936.6

49.155.4

71.3

51.8 55.464.9

82.4

57.250.7

44.551.8

58.2 59.865.7

56.047.7

59.6 56.647.2

72.861.8 56.7 60.5 55.9 53.8 54.2

65.8

0.020.040.060.080.0

100.0

北海道

神奈川

和歌山

鹿児島

宿泊施設全体

(出典)観光庁「平成29年宿泊旅行統計調査」

(%)

旅 館

48.0

38.4 38.4 39.835.3 36.5 35.8

25.6

41.3 44.338.6

29.8

57.2

38.6

26.033.6

50.9

27.8

36.9

26.1

38.145.6

30.535.2

42.0 40.0

59.6

39.633.7 31.9

35.642.4

30.5

40.3 43.0

24.4

41.8 39.332.1 29.9

46.537.9

42.247.6

38.4 41.7 43.6

0.010.020.030.040.050.060.070.0

北海道

神奈川

和歌山

鹿児島

78.4

63.2 66.4 68.1 70.7 66.7 64.9 69.5 66.3 62.378.1

80.3 83.0 83.2

63.4 68.579.5

58.7 64.374.5 71.8 74.2

80.5 75.6 73.283.5 88.7

76.8 76.4 71.8 77.1 73.6 68.8

85.0

63.4 60.3 65.873.0 75.8

82.669.3 71.7 77.1

67.158.0

68.180.4

0.020.040.060.080.0

100.0

北海道

神奈川

和歌山

鹿児島

シティホテル

(%)

(%)

26

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訪日外国人旅行者による宿泊割合(宿泊施設タイプ別)

27

10.6%

23.6%

63.7%

2.6%

14.3%

2.3%

3.5%

39.1%

0.8%

1.4%

13.2%

17.9%

4.4%

1.1%

4.3%

1.3%

3.5%

1.1%

12.8%

49.7%

36.6%

24.2%

21.7%

46.1%

51.1%

51.1%

42.6%

35.1%

59.6%

28.9%

34.5%

32.0%

8.0%

47.7%

24.9%

44.7%

46.0%

16.8%

24.7%

11.0%

4.8%

2.2%

2.2%

2.3%

5.4%

0.4%

3.7%

7.3%

1.7%

8.9%

全国平均

北海道

山形県

東京都

石川県

愛知県

大阪府

愛媛県

福岡県

沖縄県

旅館 リゾート

ホテル

ビジネス

ホテル

シティ

ホテル

簡易宿所 会社・団体の宿泊所

出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(平成29年)より作成

○ 全国的に見ると、訪日外国人旅行者のうち旅館への宿泊割合は1割程度だが、地域により宿泊施設タイプに差異がある。

○ 全国的に見ると、訪日外国人旅行者のうち旅館への宿泊割合は1割程度だが、地域により宿泊施設タイプに差異がある。

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都道府県別・延べ宿泊者数(日本人)の伸び率への宿泊施設タイプ別寄与度分解(2017年/2012年)

(備考)1.観光庁「宿泊旅行統計調査」より作成2.2012年の簡易宿所は宿泊施設タイプ不詳を含む。

28

-20%

-10%

0%

10%

20%

30%

40%

全国北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

旅館 リゾート

ホテル

ビジネス

ホテル

シティ

ホテル

簡易宿所 会社・団体の

宿泊所

日本人延べ宿泊者数伸び率

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都道府県別・延べ宿泊者数(外国人)の伸び率への宿泊施設タイプ別寄与度分解(2017年/2012年)

(備考)1.観光庁「宿泊旅行統計調査」より作成2.2012年の簡易宿所は宿泊施設タイプ不詳を含む。

29

-100%

0%

100%

200%

300%

400%

500%

600%

700%

800%

900%

1000%

1100%

全国北海道

青森県

岩手県

宮城県

秋田県

山形県

福島県

茨城県

栃木県

群馬県

埼玉県

千葉県

東京都

神奈川県

新潟県

富山県

石川県

福井県

山梨県

長野県

岐阜県

静岡県

愛知県

三重県

滋賀県

京都府

大阪府

兵庫県

奈良県

和歌山県

鳥取県

島根県

岡山県

広島県

山口県

徳島県

香川県

愛媛県

高知県

福岡県

佐賀県

長崎県

熊本県

大分県

宮崎県

鹿児島県

沖縄県

旅館 リゾート

ホテル

ビジネス

ホテル

シティ

ホテル

簡易宿所 会社・団体の宿泊所 外国人延べ宿泊者数伸び率

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訪日外国人旅行者が希望する宿泊施設及び実際の宿泊施設

70%

39%36%

25%

15%

4%0%

55%

39%

32%

15%11%

5%1%

日本旅館

豪華で快適な高級ホテル(西洋式)

安価で基本的な設備のみが

備わっているホテル(西洋式)

現地の人から有料で借りる家・アパート

ユースホステル・ゲストハウス

親族・知人宅

その他

希望 実際

n=3,007(複数回答)

出典:「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(2018年度版)」

n=2,883(複数回答)

○ 旅館への宿泊ニーズは高いものの、実際の宿泊とのギャップも大きい。○ 旅館への宿泊ニーズは高いものの、実際の宿泊とのギャップも大きい。

30

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旅行動態の変化の状況

【平成26年度調査】 【平成29年度調査】

無料公衆無線LAN環境

SIMカードの入手、利用手続

ATMの利用

両替

クレジット/デビットカード利用

多言語表示(観光案内板等)

多言語地図、パンフレットの入手場所が少ない

多言語で表示されている内容がわかりにくい

施設等のスタッフとコミュニケーションがとれない(英語が通じない等)

空港から目的地への交通アクセス手段

公共交通の利用方法(乗換方法を含む)

公共交通の乗り場情報(鉄道駅、バス)

目的地までの公共交通の経路情報の入手

割引チケット、企画乗車券の情報の入手

割引チケット、企画乗車券の利用(利用出来る範囲、入手方法)

飲食店、宿泊施設の情報の入手

飲食店、宿泊施設の予約

観光地におけるツアー、旅行商品の少なさ

観光案内所の場所がわかりにくい

外国語の通じる病院情報の入手

その他

「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」調査結果旅行中に困ったこと

31

n=3,225

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旅館・ホテルにおけるインバウンド対応状況について

32

Wi-Fi環境整備状況(図表1)

(出典)図表1,2:観光庁「平成30年度国際観光ホテル整備法登録ホテル・旅館 自主点検表」(平成30年8月)図表3 :(一社)日本旅館協会「平成29年度営業状況等統計調査」(平成30年1月19日)

大旅館…客室数100室以上 中旅館…客室数31室以上99室以下 小旅館…客室数30室以下

ホームページの多言語化対応

◯Wi-Fi環境整備、ホームページの多言語化、クレジットカード対応について、旅館はホテルと比較して整備が遅れている。小規模な旅館ほどその傾向が強い(図表1~4)

◯訪日外国人旅行者が最も必要だと思う多言語表示ツールは多言語案内表示(図表5)

29.4%

32.9%

37.7%

ピクトグラムを用いた表示

日本独特のものの説明書き

多言語案内施設表示(館内施設案内等)

62.8%

93.1%

37.2%

6.9%

旅館業(ホテル営業以外)

旅館業(ホテル営業)

対応済 未対応

クレジットカード対応状況(図表4) 最も必要だと思う多言語ツール(図表5)

(出典)図表4:(株)野村総合研究所 「観光地におけるキャッシュレス決済の普及状況に関する調査」(平成29年2月)図表5:観光庁「訪日外国人旅行者の受入環境整備における多言語対応に関するアンケート結果」(平成30年3月)

n=563

n=1,916

81.5%

95.8%

88.4%

18.5%

4.2%

11.6%

旅館

ホテル

全体

対応済 未対応

62.0%

75.8%

68.7%

38.0%

24.2%

31.3%

旅館

ホテル

全体

対応済 未対応n=563

49.2%

59.1%

83.7%

59.7%

50.8%

40.9%

16.3%

40.3%

小旅館

中旅館

大旅館

旅館全体

対応済 未対応n=333

(図表2) (図表3)

n=101

Page 34: 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について · 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について 平成31年1月28日 観光庁観光産業課

訪日外国人による宿泊施設の手配方法

4% 3%

9%

4% 3%6%

53%

56%

39%

30% 29%

33%

6% 7%5%

3% 2%

7%

全体 アジア全体 欧米豪全体

旅行会社で個別に手配 宿泊施設に直接電話

インターネット(OTAやマッチングサイト) インターネット(宿泊施設のwebサイト)

自分以外が予約したのでわからない 当てはまるものがない出典:「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査(2018年度版)」

n=1,084 n=913 n=171

○ OTAや宿泊施設のwebサイト等、インターネットにより宿泊施設の手配をしている者が多数。○ OTAや宿泊施設のwebサイト等、インターネットにより宿泊施設の手配をしている者が多数。

33

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日本人の国内旅行における旅館ニーズ

単位:%

○ 国内旅行で最も利用される施設はホテルが75%あり、旅館の利用は18%にとどまる。

○ 旅館以外を利用した旅行者の「旅館を選ばなかった理由」は、①価格が高い(割高感)、②予算に見合った旅

館がない、③仲居さんが部屋に来るのがイヤ、といった価格やサービスに対する不満があげられる。

○ 国内旅行で最も利用される施設はホテルが75%あり、旅館の利用は18%にとどまる。

○ 旅館以外を利用した旅行者の「旅館を選ばなかった理由」は、①価格が高い(割高感)、②予算に見合った旅

館がない、③仲居さんが部屋に来るのがイヤ、といった価格やサービスに対する不満があげられる。

『旅館のニーズに関する調査』回答者数5,819名(男性2,979名、女性2,840名)日経リサーチによるWeb調査実施期間:2017年2月10~16日

最も利用することが多い宿泊施設 宿泊先に旅館を選ばなかった理由(n=4,768)

34

民泊1%その他 2%

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宿泊業における就業者の年齢別構成割合(平成29年)

○ 宿泊業における就業者は60代以上の高齢者が3割を占めており、この層の退職による大幅な就業者数の減少が見込まれる。

○ 宿泊業における就業者は60代以上の高齢者が3割を占めており、この層の退職による大幅な就業者数の減少が見込まれる。

総務省 平成29年「就業構造基本調査」より

1.6

14.5

18.9

24.4

19.7

14.7

5.1

1.1

2.83

14.813.5

21.2

17.4

22

7.1

1.1

0

5

10

15

20

25

30

10代 20代 30代 40代 50代 60代 70代 80代以上

全産業 宿泊業

(%)

35

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宿泊分野における有効求人倍率(平成29年度)

職業分類(小分類) 有効求人数 有効求職者数有効求人倍率(求人/求職)

旅館・ホテル支配人 6,311 2,794 2.26

飲食物給仕係 924,027 128,972 7.16

旅館・ホテル・乗物接客員 223,721 55,859 4.01

合 計 1,154,059 187,625 6.15

(単位:人、倍)

(出典)厚生労働省「職業安定業務統計」(注) 数値は全て常用(パート含む)、原数値。

「常用」とは、雇用契約において、雇用期間の定めがない又は4か月以上の雇用期間が定められているものをいう。

(参考)職業計 28,997,798 20,982,347 1.38

36

Page 38: 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について · 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について 平成31年1月28日 観光庁観光産業課

0.3

0.5

1.7

0.8

1.4

2.8

0

0.5

1

1.5

2

2.5

3

15年平均 10年平均 5年平均

全産業(除く金融保険業) 宿泊業

705.0 712.0 698.0 666.0

727.0

465.9 475.9

393.6 397.0

481.3

0

200

400

600

800

2000年度 2002年度 2007年度 2012年度 2016年度

単位(万円)

全産業(除く金融保険業) 宿泊業

労働生産性の推移(全産業、宿泊業)

労働生産性の推移

出典:財務省「法人企業統計調査」

単位(%)

対前年伸び率(過去15年・10年・5年平均)※2000年~2016年

○ 宿泊業の労働生産性は他産業に比べ低いものの、近年の伸び率は他産業に比べ高い。○ 宿泊業の労働生産性は他産業に比べ低いものの、近年の伸び率は他産業に比べ高い。

37

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全産業と宿泊業の賃金比較(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)

333.3

329.2 329.8 330.2 330.8 330.9 330.6 328.8 318.1

323.0 323.8 325.6

324.0

329.6 333.3

333.7

333.8

256.5 254.2 251.8 249.9 243.9

250.7 248.3 251.6 242.5 243.0 242.9 247.0 249.8 250.8

257.5 255.6 257.6

220.0

240.0

260.0

280.0

300.0

320.0

340.0

産業計 宿泊業(※2)宿泊業(※2)

【きまって支給する現金給与額(※1)】(千円)

(※1)きまって支給する現金給与額• 労働契約、労働協約あるいは事業所の就業規則などによってあらかじめ定められている支給条件、算定方法によって6月分として支給された

現金給与額をいう。手取り額でなく、所得税、社会保険料などを控除する前の額である。• 現金給与額には、基本給、職務手当、精皆勤手当、通勤手当、家族手当などが含まれるほか、超過労働給与額も含まれる。1か月を超え、3

か月以内の期間で算定される給与についても、6月に支給されたものは含まれ、遅払いなどで支払いが遅れても、6月分となっているものは含まれる。給与改訂に伴う5月分以前の追給額は含まれない。

• 現金給与のみであり、現物給与は含んでいない。

(※2)宿泊平成13~15年:旅館,その他の宿泊所

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」より

38

○ 宿泊業の賃金は全産業平均に比べ低水準となっている。○ 宿泊業の賃金は全産業平均に比べ低水準となっている。

Page 40: 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について · 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について 平成31年1月28日 観光庁観光産業課

39

1.観光を取り巻く現状

2.宿泊業の現状と課題

3.「観光産業革新検討会」における議論及び関連する取組の状況

Page 41: 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について · 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について 平成31年1月28日 観光庁観光産業課

観光産業が我が国の基幹産業となるために

• 地域一体で観光経営を行うためのリーダーシップの不在、関係するプレイヤーの連携不足。

• どのような観光客をターゲットとして呼び込みたいのかなど、ポジショニングが不明確であり、観光地としての発信力が弱い。

• 観光地の再生支援を促進させるための当該地域のマーケットの状況が客観的かつ定量的に把握できる仕組みが整っていない。

地域における観光コミュニティが抱える課題

宿泊産業が抱える課題

• ターゲットとするセグメントニーズの明確化と、そのターゲットに見合ったサービス提供と価格の設定への取組が不十分。また、ターゲットに対する適切な情報の発信力が弱い。

• 訪日外国人からみて、どのようなサービスを受けられるのかが分かりづらい。

• 生産性が低く、それに起因して賃金が低く、結果として離職率が高く、中核・実務の人材が不足。

• 旅館を中心とした、経営者の人材育成と、生産性向上に向けた取り組みが弱い。

• 世代交代の円滑化と、所有と経営の分離の検討が進んでいない。

• 個別の宿泊施設の生産性向上だけでは経営がうまくいかない場合の、周辺宿泊施設との連携が不足。

• 老朽化している宿泊施設において、負債が多く、投資余力がない場合が多い。

観光関連産業が抱える課題(交通、飲食・物販、伝統工芸等)

• 観光客が宿泊施設のみで滞在するケースも多く、地域全体において消費を促す取り組みを強化する必要。

• 交通では他モードとの接続が弱い。

• 飲食においては、インバウンド対応が不十分。

• 物販は、その土地ならではのオリジナリティが弱い。

• 伝統工芸は、インバウンド向けの発信力が弱い。

• 観光産業が我が国の基幹産業となるために、観光コミュニティの中で重要な役割を果たす宿泊業の改革を、第一に行うことが必要。

• 宿泊業の改革にあたり、各施設が収益性を高め、魅力をしっかりと発信し顧客を捉え、さらなる発展のために投資を呼び込む施設になることが重要。

• 日本を支える基幹産業(自動車産業、素材産業等)が行っている生産性向上やマーケティングの工夫等のように、宿泊業の発展のために、顧客を獲得できる提供サービスの向上が必要。

• そのためには、①収益力強化に向けて、「オペレーションの磨き上げ」を行い、②商品としての施設を「マーケティングの研ぎ澄まし」によってしっかりと売り込み、③投資を呼び込む対象とするためには、「新たなビジネスモデルのあり方」についての検討を関係者と連携して実行していくことが必要。

• 観光産業が我が国の基幹産業となるために、観光に関連するプレイヤーが連携して、地域を活性化し、

観光産業を盛り上げていくことが必要。

• 地域を活性化させるにあたり、①自治体や地域の観光コミュニティが中心となって、観光地の魅力を発見し、その魅力を向上させていくことや、②観光地再生や産業の新陳代謝の促進、投資の呼び込み等の環境整備に取り組んでいくことが必要。

観光産業を基幹産業とする取り組みの方向性

宿泊業の競争力強化

地域の活性化

観光産業革新検討会最終報告書要旨

40

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●生産性向上の成功事例を収集した事例集を作成し、全国へ発信●宿泊施設の経営改善に向けたe-ラーニング講座を開設し、インターネット上で無料配信

事業概要(平成28年度)

●先進的な取り組みを行っている宿泊施設の経営者等を講師に招き、セミナーおよびワークショップを開催

➢ 観光庁では、宿泊施設における生産性向上の優良事例を横展開するべく、事例集の作成やセミナーの開催等を実施している。

➢ 観光庁では、宿泊施設における生産性向上の優良事例を横展開するべく、事例集の作成やセミナーの開催等を実施している。

事業概要(平成29年度)

宿泊施設におけるモデル事例の創出

ワークショップの開催

宿泊施設における好事例をまとめ、事例集を作成 誰でも無料で学べる、e-ラーニング講座

【概 要】宿泊業における生産性向上の取り組みを加速させるため、「旅館経営者によるモデル事例の体験発表」および「付加価値向上についてのワークショップ」をあわせたセミナーを開催

【開催地】 全国5カ所(東京・福岡・大阪・名古屋・札幌)

平成28,29年度 宿泊業の生産性向上支援

41

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平成30年度 宿泊業の生産性向上推進事業

目的

宿泊施設の業務効率化や付加価値向上の取組を支援し、宿泊業の生産性向上を図る

概要

各宿泊施設の生産性向上

各宿泊施設の生産性向上のため、コンサルによる経営診断やワークショップを開催するとともに、宿泊施設当の連携による共同購買や泊食分離等を取組を推進する

宿泊施設等の連携による生産性向上

①経営診断の実施

全国4か所の旅館ホテルで経営診断を実施。⇒モデル事例を創出

事例集を作成し、ノウハウを横展開。生産性向上の取組を全国津々浦々へ

②ワークショップの開催全国の旅館ホテルの幹部層を対象に、以下3コースのワークショップを開催

➢ベーシックコース【全国6か所/各3回】・ICT化やマルチタスク化等による業務効率化➢アドバンスコース【全国6か所/各3回】・付加価値向上も含めた総合的な生産性向上➢マーケティングコース【全国3か所/各3回】・付加価値向上による経営力強化

モデル事業実施

宿泊施設等が連携し、地域全体の生産性を向上させるためのモデル事業を全国複数地域で実施

(取組例)➢共同購買の実施地域で消耗品や食材等を共同購買することにより、仕入れコストのカットやリソースの有効活用、業務効率化を実現➢泊食分離の実施「1泊2食」を前提とせず、地域内で宿泊と食事を自由に組み合わせられる泊食分離を促進することにより、多様な顧客ニーズに対応し、付加価値の向上を実現

プラットフォーム

42

Page 44: 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について · 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について 平成31年1月28日 観光庁観光産業課

モデル事業の実施例(共同購買)

43

○昼神温泉泊食分離推進事業○事業概要(地域の現状・課題、地域活性化に向けた考え方)

地域資源「日本一の星空」のブランド戦略により、新たなマーケットとなった首都圏・関西圏の若年層には、既存の1泊2食という旅館スタイルはマッチしていない状況が見受けられることから、宿泊客が他の宿や飲食店で夕食を食べられる相互利用の仕組みづくりを核に、地域としての新たな魅力創造、価値観の創出により、若年層や訪日外国人のみならず、リニア中央新幹線開通の時代に想定される長期滞在者への利便性や顧客満足度の向上を目指す。

・参加施設▸6施設(うち宿泊施設数:5)

・具体的な参加施設の活用方法▸「選べる夕食プラン」の共同商品造成▸宿泊客以外でも食事が取れる仕組みづくり

・利用者数などの数値目標など▸初年度は計100名(マーケティング調査も含む)▸2回のテスト販売とマーケティング調査により、

品質の向上をはかる

・新たな旅行需要及び宿泊需要の開拓に繋がる工夫▸「日本一の星空」のブランド戦略で増加傾向に

ある若年層や訪日外国人旅行者へ新たな食の魅力を訴求することにより、新規顧客獲得や日帰り客を宿泊客へと転じることを目指す。

・地域DMO 阿智☆昼神温泉観光局+旅館・ホテル+飲食店▸その他旅館15軒及び温泉郷内飲食店とも情報共有をはかって行く

<2018年>6~8月 協議会開催

(企画検討会議)8月上旬 販促物制作

テスト告知8月下旬 試験販売開始

マーケティング調査12月上旬 試験販売開始

マーケティング調査

<2019年>3月 効果検証、改善策検討討

実施体制スキーム

連携内容取組内容/実施スケジュール

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訪日外国人旅行者の受入実績のある旅館経営者に、外国人が旅館を利用する前に抱える疑問・不安、また利用時に感じる不満・要望等に対する取り組み状況についてヒヤリング。 ※ 5~7月 11件

来訪した外国人旅行者の旅館の利用状況、旅館を利用する前に抱える不安・懸念などについてアンケート調査を実施。※ 7~8月 成田国際空港、羽田空港、関西空港

平成30年度 宿泊施設の情報開示促進による旅館利用向上を図る事業

訪日外国人旅行者が「旅館」を選択する際に重視するサービス情報(ハード・ソフト両面)等の調査および、有識者協議会での検討を経て、WEBサイトや動画を作成・展開する。

宿泊施設の情報開示促進事業

訪日外国人目 線

旅館の利用促進 新たな顧客を開拓

① 訪日外国人旅行者および事業者の意識調査

インバウンド対応

② 協議会での検討・検証

【第2回 議事】 2月中予定・情報開示の効果検証、今後の展望について

「旅館」に関する情報開示内容を調査する。

【WEBサイト】

事業者目 線

旅館経営者、外国人有識者、旅行関連サイト事業者から成る協議会を立ち上げ、調査結果をもとにした情報開示のあり方や内容を検討するとともに(第1回) 、情報開示の効果について検証する(第2回)

【第1回 議事】 9月28日・調査結果の共有・訪日外国人旅行者が重視するサービス等をふまえたFAQの内容、イメージ映像、民間サイトとの連携等について協議

イメージ動画(2~3分程度のもの)

旅館に関するFAQ

言語パターン英・中

観光庁HPに設置

JNTOやOTAのサイトとリンク連携(調整中)

44

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99百万円

○ 宿泊業をはじめとした観光産業では、他産業と比較して相対的に生産性が低い状況・加えて、宿泊業においては深刻な人手不足が生じており、今後も拡大していくものと見込まれる。また、訪日外国人旅行者数の増大や宿泊者・旅行者のニーズの多様化など経営環境が大きく変化しており、従来の経営ノウハウから脱却し、変革する必要がある。

○ このため、生産性向上に関する取組の好事例の共有等やAI等の導入により、宿泊施設や旅行会社等の生産性向上・高付加価値を促し、地域の核となる観光産業の活性化を図る。

事業の内容事業の内容

平成31年度 観光産業の生産性向上推進事業

① 宿泊施設の生産性向上推進事業① 宿泊施設の生産性向上推進事業

ICT等の活用により宿泊施設単体の生産性向上を支援するとともに、各宿泊施設間の連携を促し、地域の宿泊施設全体の生産性向上を図るためのモデル事業を実施

【各宿泊施設の生産性向上】・ 経営者のスキルアップや意識改革のためのワークショップを実施

【宿泊施設等の連携による生産性向上】・ 複数の宿泊施設での社員の共同活用や滞在型体験プログラムの共同開発等のビジネス

モデルを構築

ウェブ・専門誌等の活用による優良事例の横展開、業界全体への波及

• 国内の隠れた観光資源の発掘

• 個人の好みを踏まえたより高品質な旅行・宿泊サービスの開発や適正価格での提供

旅行者・宿泊者のニーズ把握

② AI(人工知能)等導入による旅行・宿泊サービスの高度化事業② AI(人工知能)等導入による旅行・宿泊サービスの高度化事業

AI等活用イメージ 高度化イメージ

SNS、ビッグデータ外国人旅行者データ等

DMO※ 旅行会社 宿泊事業者※DMO(観光地域づくりの舵取り役):Destination Management/Marketing Organization

AIツール等の活用による旅行・宿泊サービスの高度化の検証のためのモデル事業を実施。

生産性向上

売上、単価、客数をのばす生産性向上

効果的に経費削減を行う生産性向上

45

Page 47: 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について · 観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について 平成31年1月28日 観光庁観光産業課

宿泊業の生産性向上事例①~京の宿 綿善旅館~

課題①:フロントと客室係の間で、客室清掃・布団上げ等の業務連絡を電話で行っていたため、フロント接客中は電話に出られない等の支障があり、非効率であった。

課題②:従業員によって対応可能な業務にばらつきがあり、繁忙時期は特定の従業員に業務が集中していた。

①ICT化各フロアにタブレット端末を設置し、無料通話アプリ「LINE」の機能を活用し、フロントと客室係の連絡の効率化を実現した。※連絡手段には高額な機器ではなく、「LINE」を活用。

②マルチタスク化全従業員に対して、対応可能な業務について評価を行い、「スキルマップ」を作成して「見える化」を図った。誰がどの業務をどのレベルでできるのか一目瞭然になり、繁忙時期の応援依頼がしやすくなった。

成果:タブレット端末による電話連絡の削減による労働時間削減 ▲24分/日、▲144時間/年繁忙時期の応援態勢の構築により、客室担当の残業時間増加を抑制(労働時間や人件費が増える傾向の中、増加率を抑えることに成功)

洗い場 バックオフィス(フロント・客室業務)

応援中食器洗浄終了

(業務別の職員の作業能力を4段階で把握)

作業水準 水準判定の基準

4 作業を熟知し、指導できる

3 作業を理解し、一人で実施できる。

2 手順書をみて、一人で実施できる

1 一人でできないが、理解している

担当 セッティング 接客 後片付け

Aさん 宴会場 4 2 1

Bさん 宴会場 1 2 1

Cさん 宴会場 3 3 2

Dさん レストラン 2 4 2

Eさん レストラン 2 1 2

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日々の宿泊日報を手書きで作成するのは、重要だが手間が掛かり、煩雑な仕事であった。

〈改善POINT〉

重要だが煩雑な業務こそIT 化が必要。逆に年

賀状や手紙は手書きにこだわっている。

データベースで落とし込み、エクセルにて作成。作業時間の短縮を図ることに成功。

名字が同じお客様に色をつけたり、複数の部屋にまたがる同じグループの方を同じ色にしておくなどもできる。複雑な変更も数分でできるようになった。

〈改善の効果〉時間の短縮:15 分/日×365 日/年=5,475 分/年=91.2 時間/年(一日分記入するだけで、予約台帳から宿泊台帳に記入するのに、30分~40分はかかる。今は、インチャージから情報を抽出し、事務的に当て込むので15分程度。)

宿泊業の生産性向上事例②~湖楽おんやど富士吟景~

改善の背景改善の背景

改善の内容改善の内容

手書きの宿泊日報をデータベースで落とし込み、エクセルにて作成

改善のテーマ改善のテーマ

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地域における取組事例①(岐阜県高山市)

関係事業者と連携した精緻なデータの収集・分析

・行政を中心に、宿泊や交通等の関連事業者、各観光協会等が密接に連携

・月単位での来訪客の細かい属性等、多様かつ精緻なデータの収集・分析

➤(一社)飛騨・高山観光コンベンション協会(岐阜県高山市)

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地域内での戦略共有及び各関係者の事業間調整の徹底

➤(一社)八ヶ岳ツーリズムマネジメント(山梨県北杜市ほか)

・観光関連施設・団体や行政関係者、観光協会等と戦略会議を毎月開催。

・住民参加型のワークショップやシンポジウムの開催による、

情報共有や理解促進に取り組む。

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地域における取組事例②(山梨県北杜市ほか)

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農泊体験(大田原グリーンツーリズム)• 実際に農家の家に泊まり、家族の一員として生活。農業のやりがいや苦労、楽しさを体験できる。• 栃木県大田原市という観光資源が乏しいと言われていた地域に人を呼び込むことを可能にした。• 今まで使われていなかった耕作放牧地などの農地や、廃校等の遊休資産を活用し、観光資源の

魅力増大にもつなげている。

50※写真は(株)大田原ツーリズムより提供

地域における取組事例③(栃木県大田原市)

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丹波篠山の「集落丸山」~古民家等を活用した観光まちづくり~

・人口減少、少子高齢化が進行する歴史地区を、地域の空き家と

歴史的文化を活かして再生、宿泊施設等として運用。

・篠山市では、40軒を超える古民家の再生を行うとともに、

起業家や事業者を誘致。多くのホテル、レストラン、カフェ、

工房などが立ち並ぶ、魅力的な城下町等の街並みを実現。

51※写真は(一社)ノオトより提供

地域における取組事例④(兵庫県篠山市)

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事業内容

宿泊施設インバウンド対応支援事業

2.バリアフリー環境整備

1.基本的ストレスフリー環境整備自社サイト多言語化等 案内表示の多言語化Wi-Fi環境の整備

旅館業法の営業許可を得た宿泊施設(旅館・ホテル等)を対象とし、下記の事業に対する支援を行う。

全国各地の観光地において、全ての訪日外国人旅行者がストレスフリーで快適に宿泊できる環境を整備するため、旅館・ホテル等の宿泊施設が実施するWi-Fi整備や案内表示の多言語化、客室や共用部のバリアフリー化改修等のインバウンド受入環境整備の取組を支援する。

決済端末の整備 ムスリム受入マニュアル作成

等・宿泊事業者(5以上)による協議会が「訪日外国人宿泊者受入体制拡充計画」を策定・宿泊施設館内の整備に係る補助対象は、共用部における整備に限る(客室部を除く)・過去に本補助を受けた宿泊事業者は補助対象外(一定の要件を満たす宿泊事業者は過去に補助を受けた場合でも補助対象となる)

補助区分

【支援事業例】

① 客室の必要最低限の改修等(一般客室のレベルアップ)

② 共用部の改修等 ③ 客室の大規模改修等(車椅子使用者用客室等の整備)

2019年第1期募集

平成30年度二次補正予算- -

1/2補助 上限額1,000万円

※高齢者・障害者等の要配慮者の受入体制等に関して、一定の要件を満たす宿泊施設に限る

2019年第2期募集平成31年度予算

定額補助(必要経費の実額補助)上限額100万円

1/2補助 上限額500万円

手すりの設置 段差の解消 車椅子使用者用客室の整備スロープの設置 エレベーターの設置

平成31年度予算 (公募予定時期 2019年5月頃)

トイレの洋式化 タブレット端末の整備

1/3補助 1者あたり上限額100万円

(公募予定時期 2019年3月頃)

(公募予定時期 2019年6月頃)

※上記内容は2019年1月24日現在のものであり、国会での審議状況等により変更となる場合があります

(2019年1月16日現在)

※赤字は2019年度からの新規項目

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事業引継ぎ支援センター

(データベース)

マッチング(データベースや登録業者による相手探し)

事業引継ぎ実現

後継者不在中小企業等 譲受希望企業等

出所:中小企業引継ぎ支援全国本部

事業引継ぎ支援センターの概要

単年度実績 累計実績

事業引継ぎ件数 相談者数 ※30年度は11月末時点の実績

中規模企業約56万社中規模企業約56万社

小規模企業約325万社小規模企業約325万社

大規模のディール=年商10億円超企業

(手数料3,000万円超)大企業

約1万社中規模のディール

=3億円超の企業(手数料1,000万円超)

小規模ディール=年商3億円以下の企業(手数料1,000万円未満)

事業引継ぎ支援センターで対応すべき領域

事業引継ぎ支援センターの支援スキーム

小規模M&Aマーケットの現状

相談 相談

【事業引継ぎ概要】譲渡者:(有)高和製作所 売上高 70百万円 従業員 7人譲受者:北日本ボード工業㈱ 売上高 非公表 従業員 非公表

【経緯】(有)高和製作所は、50年以上の業歴を有する椅子張り企業。同社は国連本部の椅子も手掛けたほど、高度な技術を持つ秋田の名工。高橋社長は70歳を過ぎたころから、自身の技能や高度な技能を持つ人材を承継したいと考えていた

が、後継者がおらず、将来に不安を抱えていたことからセンターに相談。その後、長年取引のあった北日本ボード工業㈱に事業譲渡を打診、同社は、「事業の多角化につな

がる」として引受を決断。センターは社長の意向・悩みを聞きながら、第三者へ事業承継する際の留意点等を助言し、外部専門家とともに円滑な承継への手続きを進めた。(有)高和製作所としては、優れた技術と従業員の雇用が維持でき、北日本ボード工業㈱としては、内製化により新商品の開発の可能性が広がった好事例である。高橋社長は、匠の技を次世代に伝承していくため、引き続き若手の育成に取り組んでいる。

従業員を指導する高橋社長事業引継ぎ支援センターの支援事例

250994

16342894

4924

6292

85267768

0 17 33102

209

430

687

545

0100200300400500600700800

0100020003000400050006000700080009000

250124428785772

10696

16988

25514

33282

0 17 50 152361

791

1478

2023

0

500

1000

1500

2000

2500

0

5000

10000

15000

20000

25000

30000

35000

23年

24年

25年

26年

27年

28年

29年

30年

後継者不在の中小企業・小規模事業者の事業引継ぎを支援するため、マッチング支援を行う「事業引継ぎ支援センター」を全国47都道府県に設置している。平成23年の発足以来、年々実績を上げており、相談件数は30,000件を突破し、2,000件以上の事業引継ぎを実現した。

事業引継ぎ支援センターの支援実績

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中小企業庁提供資料

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1.民法の特例

1.事業承継税制○非上場株式に係る相続税・贈与税の納税猶予制度

事業承継に伴う税負担の軽減や民法上の遺留分への対応をはじめとする事業承継円滑化のための総合的支援策を講ずる「中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律」が平成20年5月に成立。

◇中小企業の事業の継続を通じた雇用の確保や地域経済の活力維持を図る観点から、後継者が、非上場中小企業の株式等を先代経営者から相続又は贈与により取得した場合において都道府県知事の認定を受けたときは、相続税・贈与税の納税が猶予される。

事業承継の円滑化事業承継の円滑化

地域経済と雇用を支える中小企業の事業活動の継続地域経済と雇用を支える中小企業の事業活動の継続

2.民法の特例 3.金融支援◇後継者が、遺留分権利者全員との合意及び所要の手続を経る

ことを前提に、以下の民法の特例の適用を受けることができる。

①生前贈与株式等を遺留分の対象から除外

②生前贈与株式等の評価額を予め固定

贈与株式が遺留分減殺請求の対象外となるため、相続に伴う株式分散を未然に防止

後継者の貢献による株式価値上昇分が遺留分減殺請求の対象外となるため、経営意欲が阻害されない

◇経営者の死亡等に伴い必要となる資金及びM&Aにより他の事業者から事業を承継するための資金の調達を支援するため、都道府県知事の認定を受けた中小企業者及び後継者個人に対して、以下の特例を設ける。

①中小企業信用保険法の特例②株式会社日本政策金融公庫法及び沖縄振興開発金融

公庫法の特例親族外承継や個人事業主の事業承継を含め、幅広い資金ニーズに対応

(対象:後継者個人)

(対象:中小企業者)

経営承継円滑化法の概要

54

中小企業庁提供資料