11
農林中金総合研究所 2017 10 13 日号 調査第二部 農林中金総合研究所 無断転載を禁ず。本資料は、信頼できると思われる各種データに基づき作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するも のではありません。本資料は情報提供を目的に作成されたものであり、投資のご判断等はご自身でお願い致します。 木村 俊文 ≪来週のポイント≫ 米政治動向、日米経済対話、米企業決算、中国共産党大会、衆院選、北朝鮮リスク 米国では、次期 FRB 議長候補の選任や税制改革法案をめぐる議論の行方など、引き続き政治動向 が注目され、これらに関連したトランプ大統領の発言にも注意する必要がある。 また、16 日にワシントンで2 回日米経済対話が開催される。麻生副総理兼財務相とペンス米副大統 領が出席し、経済政策や貿易分野などについて議論するとみられる。 なお、米国では 79 月期の決算発表が本格化する。足元やや慎重にみられている企業業績(トムソ ンロイター調べ、前年比 4.4%増益)がどの程度上昇修正されるか、高値圏にある米株式市場の今後を 占う上で注目される。 中国では、18 日に中国共産党第 19 回全国代表大会が開幕する。この党大会で習近平総書記が過 5 年間の施政をまとめた活動報告を行う。その後に採択される党規約改正案では、習近平氏の理論と 戦略思想がどの程度盛り込まれるのかが焦点となっている。 日本では、22 日に衆院選の投開票が行われる。報道各社の調査によれば、自民党が単独過半数 233)を大きく上回り、与党で 300 議席に迫ると予想されている。 このほか、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮をめぐる地政学的リスクにも引き続き注意が必要だろう。 経済指標:日本では貿易収支、米国では住宅着工、中国では GDP 日本では19日に「貿易収支(9月)」が発表される。世界経済の持ち直しを背景に輸出が堅調さを維持 すると見込まれることから、当総研では9月の通関貿易収支は原系列で4ヶ月連続の黒字を予想する。 米国では18日に「住宅着工・建設許可件数(9月)」が発表される。コンセンサス中央値(Bloombergとり まとめ、13日現在)では前月比0.0%と、前月(▲0.8%)に続き大型ハリケーンの影響を受けた可能性が あり、弱い動きになる予想である。また、建設許可件数も前月を下回ると予想されている。 中国では19日に79月期GDPが発表される。コンセンサス中央値(Bloomberg社とりまとめ、13日現 在)は前年比6.8%と小幅減速することが予想されている。 来週のスケジュール(10/1610/22国内の予定 海外の予定 10 16 日(月) 「鉱工業生産(8 月確報)」 日米経済対話(米ワシントン) 「消費者物価 CPI9 月)」「生産者物価 CPI9 月)」 「貿易収支(8 月)」 10 17 日(火) 20 年利付国債入札(1.0 兆円) 「消費者物価 HICP9 月)」「ZEW 景況感(10 月)」 「輸出入物価(9 月)」「鉱工業生産(9 月)」 10 18 日(水) 「訪日外客数(9 月)」 国庫短期証券(1 ) 入札(2.3 兆円) 桜井日銀審議委員講演(函館市) 中国共産党全国代表大会(~24 日) 「建設支出(8 月)」 「住宅着工・建設許可件数(9 月)」 地区連銀経済報告(ベージュブック) 10 19 日(木) 「貿易収支(9 月)」2p に予測掲載) 「全産業活動指数(8 月)」2p に予測掲載) 国庫短期証券(3M) 入札(4.4 兆円) 5 年利付国債入札(2.2 兆円) GDP79 月期)」 「小売売上高(9 月)」「鉱工業生産(9 月)」 「新規失業保険申請件数(10 14 日週)」 「失業保険継続受給者数(10 7 日週)」 EU 首脳会議(~20 日、ブリュッセル) 10 20 日(金) 黒田日銀総裁挨拶(全国信用組合大会) 「国際収支(8 月)」 「中古住宅販売(9 月)」 イエレン FRB 議長講演 APEC 財務相会合(~21 日、ベトナム) 10 22 日(日) 衆院選投開票 【お知らせ】新着通知メールの設定で、より早く「Weekly 金融市場」の掲載通知を受け取ることができます。 →こちらをクリックして設定できますので、ぜひご登録ください。 https://www.nochuri.co.jp/newcome_notice/

農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

  • Upload
    others

  • View
    4

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

農林中金総合研究所 2017 年 10 月 13 日号

調査第二部

農林中金総合研究所 無断転載を禁ず。本資料は、信頼できると思われる各種データに基づき作成しておりますが、その正確性、完全性を保証するも

のではありません。本資料は情報提供を目的に作成されたものであり、投資のご判断等はご自身でお願い致します。

木村 俊文

≪来週のポイント≫

米政治動向、日米経済対話、米企業決算、中国共産党大会、衆院選、北朝鮮リスク 米国では、次期 FRB 議長候補の選任や税制改革法案をめぐる議論の行方など、引き続き政治動向

が注目され、これらに関連したトランプ大統領の発言にも注意する必要がある。 また、16日にワシントンで第2回日米経済対話が開催される。麻生副総理兼財務相とペンス米副大統

領が出席し、経済政策や貿易分野などについて議論するとみられる。 なお、米国では 7~9 月期の決算発表が本格化する。足元やや慎重にみられている企業業績(トムソ

ンロイター調べ、前年比 4.4%増益)がどの程度上昇修正されるか、高値圏にある米株式市場の今後を占う上で注目される。 中国では、18 日に中国共産党第 19 回全国代表大会が開幕する。この党大会で習近平総書記が過

去 5年間の施政をまとめた活動報告を行う。その後に採択される党規約改正案では、習近平氏の理論と戦略思想がどの程度盛り込まれるのかが焦点となっている。 日本では、22 日に衆院選の投開票が行われる。報道各社の調査によれば、自民党が単独過半数

(233)を大きく上回り、与党で 300 議席に迫ると予想されている。 このほか、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮をめぐる地政学的リスクにも引き続き注意が必要だろう。

経済指標:日本では貿易収支、米国では住宅着工、中国では GDP 日本では19日に「貿易収支(9月)」が発表される。世界経済の持ち直しを背景に輸出が堅調さを維持

すると見込まれることから、当総研では9月の通関貿易収支は原系列で4ヶ月連続の黒字を予想する。 米国では18日に「住宅着工・建設許可件数(9月)」が発表される。コンセンサス中央値(Bloombergとり

まとめ、13日現在)では前月比0.0%と、前月(▲0.8%)に続き大型ハリケーンの影響を受けた可能性があり、弱い動きになる予想である。また、建設許可件数も前月を下回ると予想されている。

中国では19日に「7~9月期GDP」が発表される。コンセンサス中央値(Bloomberg社とりまとめ、13日現在)は前年比6.8%と小幅減速することが予想されている。

来週のスケジュール(10/16~10/22)

月 日 国内の予定 海外の予定

10 月 16 日(月) 「鉱工業生産(8 月確報)」

日米経済対話(米ワシントン)

中 「消費者物価 CPI(9 月)」「生産者物価 CPI(9 月)」

欧 「貿易収支(8 月)」

10 月 17 日(火) 20 年利付国債入札(1.0 兆円) 欧 「消費者物価 HICP(9 月)」「ZEW 景況感(10 月)」

米 「輸出入物価(9 月)」「鉱工業生産(9 月)」

10 月 18 日(水) 「訪日外客数(9 月)」

国庫短期証券(1 年) 入札(2.3 兆円)

桜井日銀審議委員講演(函館市)

中 中国共産党全国代表大会(~24 日)

欧 「建設支出(8 月)」

米 「住宅着工・建設許可件数(9 月)」

米 地区連銀経済報告(ベージュブック)

10 月 19 日(木) 「貿易収支(9 月)」(2p に予測掲載)

「全産業活動指数(8 月)」(2p に予測掲載)

国庫短期証券(3M) 入札(4.4 兆円)

5 年利付国債入札(2.2 兆円)

中 「GDP(7~9 月期)」

中 「小売売上高(9 月)」「鉱工業生産(9 月)」

米 「新規失業保険申請件数(10 月 14 日週)」

米 「失業保険継続受給者数(10 月 7 日週)」

欧 EU 首脳会議(~20 日、ブリュッセル)

10 月 20 日(金) 黒田日銀総裁挨拶(全国信用組合大会) 欧 「国際収支(8 月)」

米 「中古住宅販売(9 月)」

米 イエレン FRB 議長講演

APEC 財務相会合(~21 日、ベトナム)

10 月 22 日(日) 衆院選投開票

【お知らせ】新着通知メールの設定で、より早く「Weekly 金融市場」の掲載通知を受け取ることができます。

→こちらをクリックして設定できますので、ぜひご登録ください。

https://www.nochuri.co.jp/newcome_notice/

Page 2: 農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

農林中金総合研究所

1.来週発表予定の経済指標予測 南 武志

9 月の貿易統計【10 月 19 日(木)8:50】 <当社予測>貿易収支:原系列 5,705億円(8月:1,126億円)、季調済 3,093億円(8月:3,673億円)

輸出:前年比 15.0%(8月:18.1%)、輸入:同 14.8%(8月:15.2%)

9 月上中旬分の統計に

よれば、輸出額は前年比

14.8%と、7、8 月に続き、

二桁増ペースを維持して

いる。世界経済が概して持

ち直し基調にあることに加

え、輸出物価も前年比上

昇率を徐々に高めている

(9 月:9.4%)こともあり、9

月全体としても堅調な伸び

となるだろう。また、輸入に

ついても、9 月の輸入物価

は前年比 13.5%へ加速、

上中旬分の輸入額も同

14.6%と底堅く推移してい

る。以上を踏まえると、9 月の通関貿易収支は原系列で 5,700 億円と、4 ヶ月連続の黒字が予想される。

8 月の全産業活動指数【10 月 19 日(木)13:30】 <当社予測>全産業活動指数:前月比▲0.1%(7月:▲0.1%)

既に公表されている鉱工業生産指数(速報)は前月比 2.1%と好調だったが、第 3次産業活動指数は

広義対個人サービスの大幅低下などにより、同▲0.2%と悪化。建設業については、国内向け建設財出

荷が頭打ち気味の推移となったことや、高い伸びとなった 7 月分(同 2.7%)の反動もあり、低下が見込ま

れる。以上を踏まえると、8 月の全産業活動指数は小幅ながらも 2 ヶ月連続の低下となるだろう。

-50

-40

-30

-20

-10

0

10

20

30

40

50

-2,000

-1,500

-1,000

-500

0

500

1,000

1,500

2,000

2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年

通関貿易の動向

貿易収支(右目盛)

輸出(左目盛)

輸入(左目盛)

(資料)財務省 (注)通関貿易収支は季節調整値

(10億円) (%前年比)

Page 3: 農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

農林中金総合研究所

2.債券市場 多田 忠義

◎市場概況 (10/10~10/13 前場)

長期金利(新発 10 年国債利回り)は、材料交錯で狭いレンジでの推移となった。

週初の長期金利は、前週末の米金利上昇を受けて一時上昇したものの、日銀オペが強めの内容だっ

たことから低下に転じた。週央以降の長期金利は、衆院選で与党優勢との見方が広まって低下圧力とな

ったものの、日本の株式市場で 20 年ぶりの高値を更新したことでリスク選好による上昇圧力もあり、狭い

レンジでの推移となった。13 日は、0.065%でスタートした。

11日の 30年債入札は、応札倍率が上昇し、テールも縮小するなど、順調にこなされた。また、10日の

日銀国債買入れオペでは、1 年以下の買入れ額を 300 億円減額し、700 億円でのオファーとなった。

◎来週の市場予想 (10/16~10/20)

長期金利は、22 日投開票の衆院選情勢をにらみながらも、今週末の水準と同程度で推移すると予想

される。ちなみに、17 日に 20 年利付国債入札、19 日に 5 年利付国債入札、16 日に 1 年超 5 年以下と

5 年超 10 年以下、18 日に 10 年超、20 日に 1 年超 5 年以下と 5 年超 10 年以下の日銀国債買入れオ

ペが予定されており、債券市場では毎日材料のある週となるものの、大きな材料とはならないだろう。

◎国債入札結果

▲ 0.4

▲ 0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 15 20 25 30 40

(%)

(年)

日本国債のイールドカーブ

2017年10月12日

2017年10月6日 (先週末)

2017年9月12日 (1ヶ月前)

2017年7月12日 (3ヶ月前)

2017年4月12日 (6ヶ月前)

▲ 0.06▲ 0.04▲ 0.02

0.000.020.040.060.08

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 15 20 25 30 40(年)

先週末差 1ヶ月前差 3ヶ月前差

▲ 0.020

0.000

0.020

0.040

0.060

0.080

0.100

8/1 8/16 8/30 9/13 9/28 10/13

(%) 新発10年物国債利回り

(資料)財務省「国債金利情報」、日本銀行Web公表資料より作成

新発10年国債利回りはBloombergより作成

<10/13 12時52分時点> ・新発10年国債(#348) 0.065% (先週末比 +1ベーシスポイント)

<10/13 12時32分時点> ・10年国債先物(中心限月12月物)  150円33銭 (先週末比 ▲7銭)

0

1,000

2,000

3,000

4,000

5,000

6,000

7月

8月

9/4

9/1

910/

10

7月

8月

9/2

710/

410/

10

7月

8月

9/2

710/

410/

10

8月

9月

10/

410/

610/

12

7月

8月

9/2

910/

610/

12

7月

8月

9/2

910/

610/

120-1 1-3 3-5 5-10 10-25 25-

(億円) 直近の日銀国債買入状況過去の買入予定額

直近の買入予定額

オファー額

(オファー日)

●年超

▲年以下

入札日 銘柄 (回号) 表面利率 発行予定額 応札倍率 テール 最低価格 最高利回

10/11 30年利付国債 (#56) 0.8%(0.8%) 0.8兆円 3.98倍(3.67倍) 7銭(21銭) 98.0円 0.884%

10/13 流動性供給 (#247)(10年:#326-

347,20年:#59-144;30年:#1-10)― 0.55兆円 3.64倍 ― ― ―

(資料)財務省ホームページより農中総研作成。表面利率及び応札倍率、テールの(  )内数値は前回入札の値

Page 4: 農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

農林中金総合研究所

3.株式市場

古江 晋也

◎市場概況 (10/10~10/13前場)

政局や楽観的な景気見通しを受け、日経平均株価は年初来高値を更新

連休明けの日経平均株価は、北朝鮮労働党の創建記念日(10 日)に挑発行動がなかったこと、衆院選で

与党が勝利するとの見方が広がったこともあり、6営業日続伸。TOPIXは 10年ぶりの高値となった。11日は、

予想を上回る機械受注(8月)の発表に加え、IMF が世界経済の成長率を引き上げたこと、NY ダウ平均が 10

日に史上最高値を更新したことなどが追い風となり、株価は終値で 1996年12月以来、20年 10ヶ月ぶりの高

値を更新した。12 日も NY ダウ平均が 2 日連続で史上最高値を更新したことが好感され、日経平均株価は 8

営業日続伸。終値は 2万 954円 72銭と 2営業日連続で年初来高値を更新した。週末前場は続伸し、2万 1,

000円台に乗せて推移している。

◎来週の市場予想 (10/16~10/20)

来週の日経平均株価は衆院選の結果次第の面はあるものの、予測どおりとなれば、政局安定や米国景気

に対する楽観的な見方から、高値警戒感からの利益確定売りをこなしながらも、上値を試す展開を予想する。

ただし、北朝鮮情勢を巡る地政学的リスクへの注意は必要だ。

決算発表 注目銘柄 (変更になることがありますのでご注意ください) (資料) Bloombergより農中総研作成

(10/16)東宝

(10/20)リコーリース、KOA、エンプラス、小松ウオール工業、ゲンキー、モーニングスター、東京製鐵、ジャフコ、光世証券

10

15

20

25

30

35

5

10

15

20

25

30

9/1 9/6 9/11 9/14 9/20 9/25 9/28 10/3 10/6 10/12

(千億円)(億株) 東証一部 出来高 出来高 株数

出来高 金額

19,000

19,500

20,000

20,500

21,000

21,500

8/24 8/30 9/5 9/11 9/15 9/22 9/28 10/4 10/11

日経平均株価の日足グラフ

25日移動平均線 200日移動平均線(円)

-15

-10

-5

0

5

10

15/1/2 15/12/2 16/11/2

(兆円)投資部門別株式売買状況(15年1月~累積)

買越

売越

海外投資家

信託銀行

個人

<10/13前場終値> 日経平均: 21,003.50 (前週末比 +312.79 ) TOPIX: 1,699.25 (同 +12.09 )

-4% -3% -2% -1% 0% 1% 2% 3%

TOPIX

食品

エネルギー資源

建設・資材

素材・化学

医薬品

自動車・輸送機

鉄鋼・非鉄

機械

電機・精密

情報通信・サービス他

電力・ガス

運輸・物流

商社・卸売

小売

銀行

金融(除く銀行)

不動産

TOPIX 業種(17)別前週末比変化率

Page 5: 農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

農林中金総合研究所

4.外国為替市場 佐藤 彩生

◎市場概況 (10/9~10/13 前場)

ドル・円相場は 112 円前半の狭いレンジで小動き

先週末のドル円は、6 日発表の米雇用統計で賃金上昇が確認され、年内利上げ観測が一段と強ま

り、一時 1 ドル=113 円 44 銭の円安ドル高となったが、北朝鮮のミサイル発射計画についてロシア議員

が発言したことを受けて 112 円台半ばまで円は買い戻された。週明けは日米休場のなか、1 ドル=112

円 60 銭付近の小動き、10 日は米金利の低下で一時 112 円ちょうど付近まで円が買われたものの、衆院

選で与党が過半数を占めるとの世論調査結果や FOMC 議事要旨発表を控えた米金利上昇で株高とと

もに円安が進んだ。議事要旨の内容からは年内利上げが不透明であると受け止められ、結局円安の流

れは続かなかった。その後発表された経済指標に対する市場の反応は薄く、13 日前場も 112 円台前半

の取引となっている。

ユーロ・円相場は、ドイツの強い経済指標等で 133 円央のユーロ高水準となるも一服

ユーロ円は、9 日にドイツの強い鉱工業生産指数の発表に加え、ECB のラウテンシュレーガー専務理

事が来年の資産買入れ縮小と将来的な買入れ終了に言及したことを材料に、1 ユーロ=132 円台前半

までユーロが買われた。さらに 10 日にドイツの強い貿易統計が発表され、またスペイン・カタルーニャ州

の事態が一時収束したことからユーロ買いの動きが強まり、1 ユーロ=133 円央付近までユーロ高となっ

た。12 日は持ち高調整で 132 円台前半まで円が買い戻された。13 日前場は 132 円台後半で推移。

◎来週の市場予想 (10/16~10/20)

ドル円は、FRB 次期議長人事や税制改革など米政治情勢の動きを見極める展開と予想。ユーロ円も

ドルの動きにつられたレンジ取引とみられる。日米経済対話と米財務省為替報告書にも注目したい。

120

122

124

126

128

130

132

134

1362017/7/21 2017/8/18 2017/9/15 2017/10/13

(円/ユーロ)円/ユーロ・レート

円安

円高

25日移動

平均 200日移動

平均

98100102104106108110112114116118120▲ 14

▲ 12▲ 10▲ 8▲ 6▲ 4▲ 2

02468

1016/11 17/01 17/02 17/04 17/06 17/08 17/10

(円/ドル)シカゴIMM投機筋円ポジション

円ポジション(左軸)

円ドル(右軸)

(1万コントラ クト)

(注) 1コントラクト=1,250万円

(資料)Bloombergより農中総研作成

106

108

110

112

114

1162017/7/21 2017/8/18 2017/9/15 2017/10/13

(円/ドル)円/ドル・レート

円安

円高

200日移動

平均

25日移

動平均

1.08

1.1

1.12

1.14

1.16

1.18

1.2

1.22

2017/7/21 2017/8/18 2017/9/15 2017/10/13

ドル/ユーロ・レート(ドル/ユーロ)

ユーロ安

ユーロ高

200日移動

平均

25日移動

平均

Page 6: 農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

農林中金総合研究所

5-1.海外市場(米国、欧州) (米国)佐古 佳史(欧州)山口 勝義

◎市場概況 (10/6~10/12)

【米国】

ハリケーンの影響を受けた雇用統計や北朝鮮情勢、ややハト派的な FOMC 議事要旨の公表などが材料と

なったが、債券・株式市場ともに小動きであった。米国の長期金利(10 年債利回り)は期間を通じて 3bp 低下

し、12 日には 2.31%で引けた。一方、株式市場ではダウ平均が 11 日に史上最高値を更新した。12 日にはザ

ラ場高値を更新(22,884.82)したものの、結局反落し 22,841.01ドルで引け、期間を通じて 0.24%の上昇にとど

まった。主要セクターでは、テレビサービス契約者数の減少を発表した AT&T の影響で通信が 5.9%の下落、

金利低下の恩恵を受けやすい公益が 2.0%の上昇となった。

【欧州】

今週の主要な注目点はスペインのカタルーニャ情勢であったが、10 日夜の州議会での演説で、プチデモ

ン州首相が投票結果の発効を数週間停止し対話の期間を設けることを提案したことで、スペインの市場では

安心感が広まった。その一方、中央政府は州政府に対し独立断念を迫る圧力を強めており、引き続き動向が

注目されている。期間を通じ 10 年債で、ドイツ国債は 1bp、スペイン国債は 6bp の各利回り低下。一方、株式

市場ではストックス欧州 600 指数は 0.2%下落したが、このうち主要セクター別では、銀行は 1.6%の下落。な

お、スペインの IBEX35 指数は 0.6%上昇した。

(資料)Bloomberg より農中総研作成

160

170

180

190

200

360

370

380

390

400

17/4 17/5 17/6 17/7 17/8 17/9 17/10

(ポイント) 欧州の株価指数

ストックス欧州

600指数

(左軸)

うち銀行

セクター

(右軸)

5

6

7

8

9

0

1

2

3

4

17/4 17/5 17/6 17/7 17/8 17/9 17/10

欧州の国債利回り(10年債)

ポルトガル

イタリア

スペイン

アイルランド

ドイツ

ギリシャ

(右軸)

(%)

▲ 10

0

10

20

フランス

イタリア

スペイン

ギリシャ

アイル

ランド

ポル

トガル

英国

(参

考)米

(参

考)日

(bp) ドイツ国債との利回りスプレッド(直近1週間の変動幅)(10年債)

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

1ヶ月 2ヶ月 6ヶ月 1年 2年 3年 5年 7年 10年 30年

(%) 米国債のイールドカーブ

17/10/12

17/7/12

17/4/14

▲ 0.10

▲ 0.05

0.00

0.05

0.10

0.15

0.20

0.25

1ヶ月 2ヶ月 6ヶ月 1年 2年 3年 5年 7年 10年 30年

1週前差1ヶ月前差3ヶ月前差

20,000

20,500

21,000

21,500

22,000

22,500

23,000

17/4 17/5 17/6 17/7 17/8 17/9 17/10

(ドル)米国の株価指数

NYダウ工業株30種

Page 7: 農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

農林中金総合研究所

5-2.海外市場(中国、その他新興・資源国) (中国)王 雷軒

◎市場概況 (10/6~10/12)

【中国】

中国人民銀行(中央銀行)が大型連休(10 月 1 日~8 日)前に一定基準を満たした金融機関に対して 18 年

から法定準備率を最大で 1.5%引き下げると発表した。また、17 年の実質 GDP 成長率見通しについて、国家

統計局のトップである寧吉喆局長が 10 日の記者会見で目標の「6.5%前後」の達成には「問題ない」と述べた

ほか、IMF の見通しも 17 年は 6.8%、18 年は 6.5%と、7 月からそれぞれ 0.1 ポイント上方修正した。さらに、

来週 18 日からの共産党第 19 回全国代表大会の開催を控えて政策期待もあり、上海総合指数は 4 営業日続

伸し、11 日の終値は 3,388 ポイントで 1 年 10 ヶ月ぶりに高値水準を更新した。しかし、その後は、材料に乏し

い中、高値警戒感から利益確定売りが優勢となり、小幅な下落に転じた。

110

120

130

140

150

160

170

17/

04

17/

05

17/

06

17/

07

17/

08

17/

09

17/

10

('16.01=100)新興国株価指数(MSCI Index)

MSCI-EM EMアジア EMラテンアメリカ EMヨーロッパ

0

2

4

6

8

10

12

14

17/04 17/05 17/06 17/07 17/08 17/09 17/10

(%) 政策金利の推移

ブラジル

ロシア

インド

インドネシア

中国

オーストラリア

340

353

367

380300

320

340

360

17/4 17/5 17/6 17/7 17/8 17/9 17/10

ポイント

(逆

目盛)

米ドル

高→

bp(新興国債券と米債とのスプレッド)

債券スプレッド・通貨指数

EMBI+(債券スプレッド)← ELMI+(通貨指数)→

▲2% 0% 2% 4%

中国元/上海指数

オーストラリア・ドル/ASX200

インドネシア・ルピア/ジャカルタ総合

インド・ルピー/SENSEX

ロシア・ルーブル/RTS

ブラジル・レアル/ボベスパ

通貨:対米ドル騰落率/株価騰落率 株価10/5比

為替10/5比

(注)前週が休場の場合、前週の休場前終値との比較

(資料)Bloomberg、Thomson Reuters Datastreamより農中総研作成

株高・自国通貨高(ドル安)

株安・自国通貨安(ドル高)

4.6

4.8

5.0

5.2

5.4

5.6

35

40

45

50

55

60

17/4 17/5 17/6 17/7 17/8 17/9 17/10

(億バレル)

十万

(米ドル/バレル) 原油価格・在庫の動向

米原油在庫(SPR除く)→WTI期近物←ICE(北海)ブレント期近物←

160

170

180

190

200

2,600

2,800

3,000

3,200

3,400

17/4 17/5 17/6 17/7 17/8 17/9 17/10

(ポイント)('84=1000) 商品価格指数の動向

LMEX金属指数←

CRB指数→

1.20

1.27

1.33

1.405,400

5,600

5,800

6,000

17/4 17/5 17/6 17/7 17/8 17/9 17/10

↑豪ドル高

(USD/AUD)(ポイント) オーストラリア:株価指数・対米ドル為替

株価:S&P/ASX200指数← 為替:USDAUD→

6.4

6.5

6.6

6.7

6.8

6.9

7.03,000

3,100

3,200

3,300

3,400

17/

04

17/

05

17/

06

17/

07

17/

08

17/

09

17/

10

↑人民元高

(人民元/ドル)(ポイント) 上海総合指数/人民元レート

上海総合指数← USD/CNY→

Page 8: 農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

農林中金総合研究所

6.指標分析・注目点 南 武志

① 今週のレビュー

今年のノーベル経済学賞(正確には、アルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞)は

シカゴ大学ブース・スクール・オブ・ビジネスのリチャード・セイラー教授に授与された。行動経済学という

分野への貢献が評価されてのものといえるが、同様の分野では 2002年にダニエル・カーネマン(プロスペ

クト理論)が受賞している。人間は必ずしも合理的な経済行動をするとは限らないことが彼らの研究の根

底にある。なお、セイラー教授は行動経済学についての啓蒙書もいくつか執筆しているが、「The Winners

Curse(邦題:市場と感情の経済学(後に、「セイラー教授の行動経済学入門」として復刊))」は、和訳が出

版された 90 年代後半当時は話題となったが、マーケット関係者だった人の中には懐かしさを感じる方も

少なくないのではないだろうか。

こうした中、10 日には国際通貨基金(IMF)が最新の世界経済見通し(WEO)を公表、世界全体の成長

率見通しを 17 年 3.6%、18年 3.7%と、前回 7 月の中間見直し時点からいずれも 0.1 ポイントの上方修正

となった。日本についても、17 年 1.5%、18 年 0.7%と、それぞれ 0.2 ポイント、0.1 ポイントの上方修正で

あった。IMF では、世界経済は力強さを増しつつあるが、中期的には依然下振れリスクがあるとしている。

以下、今週発表された経済指標を確認してみよう。8 月の国際収支統計によれば、経常収支は 2 兆

2,669 億円(季節調整後、以下同じ)と 41 ヶ月連続の黒字で、かつ約 10 年ぶりの 2 ヶ月連続の 2 兆円台

であった。内訳は、貿易収支が 6,276 億円と 23 ヶ月連続の黒字で、2 ヶ月連続で前月から黒字幅拡大。

サービス収支は▲513 億円と 4 ヶ月連続の赤字ながらも、前月からは赤字幅縮小。第一次所得収支は 1

兆 9,114 億円の黒字で、2 年ぶりの高い水準となった。なお、輸出入物価を用いて、実質貿易・サービス

収支(GDP 統計上の実質純輸出に近い)を試算すると、7~8 月分の四半期換算値は再び黒字拡大方向

に転じたことから、7~9月期の外需寄与度(前期比成長率に対する)はマイナスの可能性を示した 7月分

から一転、プラスになる可能性が出てきた。

次に、8月の機械受注によれば、代表的な「船舶・電力を除く民需」は前月比 3.4%と 2ヶ月連続の増加。

内訳は製造業が同 16.1%と 2 ヶ月連続、非製造業(除く船舶・電力)が同 3.1%と 3 ヶ月連続で、ともに増

加した。また、民需全体では同 6.2%と 5 ヶ月連続の増加である。内閣府が集計した 7~9 月期見通しは

前期比 7.0%であったが、9 月分が前月比▲2.0%の減少でも達成可能である。そのほか、関連指標であ

る工作機械受注によれば 9 月の国内需要分は前月比 9.3%と 3 ヶ月連続の増加となるなど、総じて設備

投資は底堅いといえるだろう。

また、9月の国内企業物価は前年比3.0%と9ヶ月連続の上昇で、3%以上の伸びは14年9月以来(消

費税要因を除けば 08 年 10 月以来)。また、輸出物価は同 9.4%、輸入物価は同 13.5%と、上昇率を高

めつつある。また、消費者物価・財指数の上流に位置する消費財指数は全体で同 1.7%へと上昇率を高

めている(うち、国内品は同 0.8%へ鈍化したが、輸入品は同 3.7%へ上昇幅が拡大)。このうち、耐久消

費財は同 0.1%と、15 年 11 月以来のプラスに転じている。

最後に、8月の第 3次産業活動指数は前月比▲0.2%と 2ヶ月ぶりの低下。鉱工業生産が大きく上昇し

たことで卸売業が同 1.2%と上昇したものの、ソフトウェア業(同▲6.6%)、金融・保険業(同▲2.3%)、小

売業(同▲3.0%)などが低下した。

Page 9: 農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

農林中金総合研究所

②9 月雇用統計と賃金上昇率について 佐古 佳史

米労働省が 6 日発表した雇用統計によると、9 月の非農業部門雇用者数は市場予想の前月比 8 万人

増を大幅に下回る同 3.3万人減と、2010年以降で初のマイナスとなった。8月後半から 9月初めにかけて

米国に上陸し、テキサス州やフロリダ州等に被害をもたらしたハリケーン「ハービー」と「イルマ」の影響が

反映された。一方で、9 月の失業率は 4.2%と 2001 年 2 月以来の低水準を記録した。また、賃金の伸び

は加速し、平均時給は前月比 0.5%増、前年同月比では 2.9%増となった。

ただ、今回の雇用統計を受けて賃金上昇率が高まったと解釈するのは時期尚早と思われる。以下では

その理由をみていこう。図表 1 を見ると、今回の非農業部門雇用者数の減少は飲食店などのレジャー・接

客セクターでの 11.1 万人減の影響が大きかったことがうかがえる。このレジャー・接客セクターは平均賃

金が低いため、同セクターでの雇用者の減少は雇用者全体としての平均賃金の上昇に寄与すると考えら

れる(図表 2)。

ハリケーンの影響で調査ができなかった事業所も存在することから、9 月の非農業部門雇用者数は、10

月分以降で大きく修正される可能が高い。また、雇用統計を作成するための事業所調査の“癖”も、今回

の賃金上昇率に影響したと考えられている。雇用統計のベースとなる事業所調査では毎月 12日を含む 1

週間を調査期間としているが、この調査期間に 15 日も含まれていた 9 月のような場合には、月 2 回賃金

を支払う米企業の慣習が反映され、該当月の賃金が高めに計測されてしまうとも指摘されており、注意が

必要だ。

▲ 15

▲ 10

▲ 5

0

5

10

15

20

25

30

35

'15/9 '15/12 '16/3 '16/6 '16/9 '16/12 '17/3 '17/6 '17/9

(万人)

図表1 非農業部門雇用者数変化

政府部門 教育・医療 レジャー・接客専門・ビジネスサービス 卸売業・輸送・公益 サービス(情報、金融、その他)小売 製造業 合計

(資料)米労働省より農中総研作成

製造業 小売 情報 金融その他

サービス卸売業 輸送・倉庫 公益

専門・ビジネ

スサービス

レジャー・

接客教育・医療 合計

平均時給(ドル) 23.3 18.3 38.9 33.4 23.9 30.3 24.0 39.4 32.0 15.6 26.5 26.6雇用者全体に占

める割合(%) 13.7 10.8 1.8 5.8 3.9 4.0 3.5 0.4 14.2 10.8 15.8 100(注)

(資料)米労働省(注)雇用者の内15.2%を占める政府部門の雇用者を除いている。

図表2 業種別平均賃金の動向

Page 10: 農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

(資料)Bloomberg より農中総研作成 農林中金総合研究所

7.日米経済指標の動向(グラフ)

【日本】

▲ 15

▲ 10

▲ 5

0

5

10

15

'15.8 '16.2 '16.8 '17.2 '17.8

(%) 機械受注(船舶・電力を除く民需、8月)

前月比 前年比

機械受注(船舶・電力を除く民需)は前月比3.4%と、2ヶ月連

続で増加した。前年比では4.4%と、3ヶ月ぶりに増加した。

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

'15.8 '16.2 '16.8 '17.2 '17.8

(兆円) 国際収支(8月)

経常収支 経常収支(季調済)

経常収支(原数値)は、2兆3804億円と38ヶ月連続の黒字と

なった。同季節調整値は2兆2669億円41ヶ月連続の黒字と

なった。

98

102

106

110

114

118

'15.8 '16.2 '16.8 '17.2 '17.8

(ポイント) 景気動向指数 (8月速報)

一致CI 先行CI

景気動向指数(速報値)の一致CIは117.6、先行CIは106.8

と、共に2ヶ月ぶりに上昇した。一致CIは14年3月以来の水準

に回復。一致CIによる景気の基調判断は「改善」で据え置

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

'15.9 '16.3 '16.9 '17.3 '17.9

(%) マネーストック:前年比(9月)

M2M3

M2(現金+ゆうちょ銀行を除く国内金融機関の預貯金)は前

年比4.1%と、前月から増加率が拡大した。M3(現金+全預

貯金)は同3.4%と、増加率は前月と変わらずであった。

40

45

50

55

'15.9 '16.3 '16.9 '17.3 '17.9

(ポイント)景気ウォッチャー調査:季調済(9月)

現状判断DI

先行き判断DI

景気ウォッチャー調査(季調済)の現状判断DIは51.3と、3ヶ

月ぶりに上昇した。先行き判断DIは51.0と前月とほぼ同じで

あった。

▲ 1.0

▲ 0.5

0.0

0.5

1.0

1.5

'15.8 '16.2 '16.8 '17.2 '17.8

(%) 第三次産業活動指数:前月比(8月)

第三次産業活動指数は前月比▲0.2%と2か月ぶりに低下し

た。

Page 11: 農林中金総合研究所 10 13 - nochuri.co.jp · 月)」「鉱工業生産(9 月)」 米 「新規失業保険申請件数( 10 月14 日週)」 米 「失業保険継続受給者数(

(資料)Bloomberg より農中総研作成 農林中金総合研究所

【米国】

新規失業保険申請者件数は24.3万人と、事前予測(26.5万

人)を下回った。失業保険継続受給者数(9月30日週)は

188.9万人と、事前予測(195.0万人)を下回った。

185

187

189

191

193

195

197

199

22

24

26

28

30

32

4/22 6/3 7/15 8/26 10/7

(万人)(万人) 新規失業保険申請件数(10月7日週)

新規失業保険申請者件数4週移動平均失業保険継続受給者(右軸)

4.0

4.5

5.0

5.5▲ 10

0

10

20

30

40

'15.9 '16.3 '16.9 '17.3 '17.9

(万人) (%)雇用統計:季調済(9月)

非農業部門雇用者変化(左軸)失業率(右軸、逆目盛)

雇用統計の非農業部門雇用者数は前月比3.3万人減と、事

前予測(8.0万人増)を下回り、2010年以降で初のマイナスと

なった。失業率は事前予測(4.4%)より改善し4.2%へ低下し

た。

▲ 0.6

▲ 0.4

▲ 0.2

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

'15.9 '16.3 '16.9 '17.3 '17.9

(%) 生産者物価指数:季調済前月比(9月)

最終需要財 コア

生産者物価指数(PPI)の最終需要は前月比0.4%と、事前予

測通りだった。食料品・エネルギーを除くコアも同0.4%で事

前予測(同0.2%)を上回った。