32
1) 論文種別: 原著論文 2) 題名: 非ニュートン流体特性を設定した数値流体力学 (CFD) による脳動脈瘤の血行 力学的評価 3) 著者名: 田中克浩 1 石田藤麿 1 川村公人 2 山本秀樹 3 堀川大輝 3 岸本智之 1 辻正 4 種村浩 5 霜坂辰一 1 4) 所属施設: 独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター 脳神経外科 1 , アサヒグ ループホールディングス株式会社 2 関西大学環境都市工学部 3 ,紀南病院組 合立紀南病院 内科 4 ,日本赤十字社伊勢赤十字病院 脳神経外科 5 5) 連絡著者の氏名,連絡先: 田中 克浩 独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター 脳神経外科 514-1101 三重県津市久居明神町 2158-5 tel:059-259-1211 (内線 4606) mail: [email protected] 6) キーワード: 脳動脈瘤,血液粘稠度,CFD,非ニュートン流体 7) 宣言:

関西大学環境都市工学部 · 性が確認された.両モデルの血行力学的パラメータ の系統誤差は十分 小さく,相関係数は WSS: 0.9999,WSSG:

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1) 論 文 種 別 :

原 著 論 文

2) 題 名 :

非 ニュートン流 体 特 性 を設 定 した数 値 流 体 力 学 (CFD) による脳 動 脈 瘤 の血 行

力 学 的 評 価

3) 著 者 名 :

田 中 克 浩 1 石 田 藤 麿 1 川 村 公 人 2 山 本 秀 樹 3 堀 川 大 輝 3 岸 本 智 之 1 辻 正

範 4 種 村 浩 5 霜 坂 辰 一 1

4) 所 属 施 設 :

独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 三 重 中 央 医 療 センター 脳 神 経 外 科 1, アサヒグ

ループホールディングス株 式 会 社 2,関 西 大 学 環 境 都 市 工 学 部 3,紀 南 病 院 組

合 立 紀 南 病 院 内 科 4,日 本 赤 十 字 社 伊 勢 赤 十 字 病 院 脳 神 経 外 科 5

5) 連 絡 著 者 の氏 名 ,連 絡 先 :

田 中 克 浩

独 立 行 政 法 人 国 立 病 院 機 構 三 重 中 央 医 療 センター 脳 神 経 外 科

514-1101 三 重 県 津 市 久 居 明 神 町 2158-5

te l:059-259-1211 (内 線 4606)

mai l:[email protected]. jp

6) キーワード:

脳 動 脈 瘤 ,血 液 粘 稠 度 ,CFD,非 ニュートン流 体

7) 宣 言 :

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本 論 文 を , 日 本 脳 神 経 血 管 内 治 療 学 会 機 関 誌 JNET Journal of

Neuroendovascular Therapy に投 稿 するにあたり,筆 頭 著 者 ,共 著 者 によって,

国 内 外 の他 雑 誌 に掲 載 ないし投 稿 されていないことを誓 約 致 します.

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要 旨 :

目 的 : 脳 動 脈 瘤 の C F D 解 析 に お い て , 血 液 を 粘 稠 度 が 一 定 の

N e w t o n 流 体 で は な く , 測 定 値 か ら 得 ら れ た 非 N e w t o n 流 体

( C a s s o n 流 体 ) で 設 定 し た 解 析 を 行 い , 血 液 粘 稠 度 特 性 が 動 脈 瘤

内 の 血 行 力 学 的 パ ラ メ ー タ に 与 え る 影 響 を 検 討 し た . 方 法 : 小 型 落 針

式 レ オ メ ー タ ー を 用 い て , 健 常 成 人 5 0 人 の 血 液 粘 稠 度 を 1 2 の せ

ん 断 速 度 域 で 計 測 し た . 次 に N e w t o n m o d e l と C a s s o n m o d e l を

作 成 し , 1 2 脳 動 脈 瘤 で 非 定 常 解 析 を 行 い , W a l l s h e a r s t r e s s

( W S S ) , W a l l s h e a r s t r e s s g r a d i e n t ( W S S G ) , F l o w v e l o c i t y

( F V ) と そ れ ぞ れ の ベ ク ト ル の 揺 ら ぎ を 定 量 評 価 す る O s c i l l a t o r y

s h e a r i n d e x ( O S I ) , G r a d i e n t o s c i l l a t o r y n u m b e r ( G O N ) ,

O s c i l l a t o r y v e l o c i t y i n d e x ( O V I ) を 計 算 し た . 両 モ デ ル 間 で

B l a n d - A l t m a n 分 析 を 行 い 系 統 誤 差 を 検 討 し た . 結 果 : 健 常 成 人

5 0 人 の せ ん 断 速 度 - み か け 血 液 粘 稠 度 曲 線 に よ り C a s s o n 流 体 特

性 が 確 認 さ れ た . 両 モ デ ル の 血 行 力 学 的 パ ラ メ ー タ の 系 統 誤 差 は 十 分

小 さ く , 相 関 係 数 は W S S : 0 . 9 9 9 9 , W S S G : 0 . 9 9 9 9 , F V : 0 . 9 9 8 5 ,

O S I : 0 . 9 7 3 4 , G O N : 0 . 9 7 5 8 , O V I : 0 . 9 2 5 8 で あ っ た . ま た こ れ ら の パ ラ

メ ー タ は , そ の 瘤 全 体 の 平 均 値 が 両 群 間 で 高 い 一 致 度 を 示 す 一 方 で ,

b l e b な ど の 局 所 で は 異 な る 例 が 散 見 さ れ た . 結 論 : N e w t o n 流 体 で の

数 値 モ デ リ ン グ は , 瘤 全 体 の 検 討 で は 十 分 妥 当 と 考 え ら れ た . 一 方 動

脈 瘤 増 大 や 破 裂 に 関 与 す る 動 脈 瘤 局 所 の 血 行 力 学 的 に お い て 生 理

的 な 血 液 粘 稠 度 特 性 が 一 部 異 な る 影 響 を 及 ぼ す こ と が 判 明 し た .

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緒 言 :

C o m p u t a t i o n a l f l u i d d y n a m i c s ( C F D ) に よ る 脳 動 脈 瘤 の 血 行 力

学 的 評 価 は , 脳 動 脈 瘤 の 発 生 , 増 大 , 破 裂 状 態 , 破 裂 リ ス ク な ど 病

態 に お い て , 新 た な 理 解 を も た ら す . さ ら に 近 年 で は , 破 裂 点 , 止 血 パ タ

ー ン , F l o w a l t e r a t i o n t r e a t m e n t , コ イ ル 塞 栓 術 後 の 評 価 な ど に 臨

床 応 用 さ れ て い る 1 - 6 ) .

脳 動 脈 瘤 の C F D 解 析 は 患 者 固 有 形 状 を 用 い て , 血 流 , 境 界 条

件 , 血 液 の 数 値 モ デ リ ン グ に 基 づ く 計 算 科 学 で あ る . こ れ ら の 数 値 モ デ

リ ン グ を す べ て 患 者 固 有 デ ー タ で 設 定 す る こ と は 困 難 で あ る た め , 多 数

例 の 検 討 で は , 入 口 の 血 流 量 , 血 液 密 度 , 血 液 粘 稠 度 な ど は 標 準 化

さ れ た 値 が 設 定 さ れ た も の が 多 い .

血 液 は 血 液 粘 稠 度 が 一 定 値 で あ る N e w t o n 流 体 と 定 義 さ れ て い る

研 究 が 多 い が , 血 液 は 非 N e w t o n 流 体 で あ り , 低 せ ん 断 速 度 域 で は

血 液 粘 稠 度 は 上 昇 し , 高 せ ん 断 速 度 域 で は 一 定 値 に 収 束 す る . こ れ

ま で 血 液 の 非 N e w t o n 特 性 は , C a s s o n m o d e l , H e r s c h e l - B u l k l e y

m o d e l , C a r r e a u - Y a s u d a m o d e l な ど の 構 造 式 に よ り 表 現 さ れ て い る .

ま た 動 脈 瘤 内 部 に は , せ ん 断 速 度 が 低 下 し て い る 部 分 が あ り , 粘 稠 度

変 化 が 瘤 内 血 栓 化 や 瘤 壁 リ モ デ リ ン グ の 一 因 と 考 え ら れ て い る 2 ) , 7 ) .

こ の た め せ ん 断 速 度 に 応 じ て 変 化 す る 血 液 粘 稠 度 の 正 確 な 数 値 モ デ

リ ン グ は , 血 行 力 学 的 評 価 の 適 化 に 寄 与 す る と 考 え ら れ る . そ こ で

小 型 落 針 式 レ オ メ ー タ ー ( A s a h i G r o u p H o l d i n g s , L t d . , N i p p o n

S t e e l & S u m i k i n T e c h n o l o g y C o . , L t d . ) を 用 い 幅 広 い せ ん 断 速 度

域 で 血 液 粘 稠 度 を 測 定 し , 健 常 成 人 の せ ん 断 速 度 - み か け 血 液 粘 稠

度 曲 線 を 作 成 し た . さ ら に 患 者 固 有 形 状 を 用 い た 脳 動 脈 瘤 の C F D

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解 析 を 行 い , 血 液 粘 稠 度 が 一 定 の N e w t o n m o d e l と 健 常 成 人 で 得

ら れ た せ ん 断 速 度 - み か け 血 液 粘 稠 度 曲 線 を 設 定 し た m o d e l

( C a s s o n m o d e l と 定 義 ) を 比 較 し , 血 液 粘 性 の 血 行 力 学 的 パ ラ メ

ー タ に 与 え る 影 響 を 検 討 し た .

対 象 と 方 法 :

● 血 液 粘 稠 度 測 定

健 常 成 人 5 0 例 ( 2 0 代 か ら 6 0 代 ま で 各 年 代 で 男 女 5 人 ず つ ) を 対

象 と し , 水 分 摂 取 を 制 限 し な い 空 腹 時 の 午 前 7 時 3 0 分 か ら 8 時 の 間 に

採 血 を 行 っ た . 脳 血 管 障 害 , 冠 動 脈 疾 患 , 閉 塞 性 動 脈 硬 化 症 , 悪

性 腫 瘍 の 既 往 者 や 抗 血 栓 薬 内 服 例 は 除 外 し た . な お こ の 臨 床 研 究 に

関 し て は , 自 施 設 の 倫 理 委 員 会 の 承 認 を 得 て い る ( 承 認 番 号 :

2 0 1 6 - 0 9 ) .

血 液 採 取 後 の シ リ ン ジ は 全 て 3 7 ℃ の 恒 温 水 槽 で 1 0 分 間 保 温 処 理 し

た 後 , 小 型 落 針 式 レ オ メ ー タ ー ( F i g . 1 ) の 測 定 セ ル に 移 し 替 え た . 検

査 室 や レ オ メ ー タ ー と の 温 度 差 に よ り 検 体 温 度 が 低 下 し , 先 行 研 究 で

は そ の 平 均 温 度 が 3 2 ℃ で あ る こ と を 確 認 し た . な お 器 具 の 表 面 材 料 に

つ い て 採 血 用 シ リ ン ジ は プ ラ ス チ ッ ク 製 の E D T A - 2 K , 6 c c ( B D

V a c u t a i n e r ® b l o o d c o l l e c t i o n t u b e s , J a p a n B e c t o n , D i c k i n s o n C o . ,

L t d . , H u k u s h i m a , J a p a n ) で , レ オ メ ー タ ー の 測 定 セ ル は ポ リ プ ロ ピ レ ン

製 で , 全 例 採 血 か ら 粘 稠 度 測 定 ま で 2 時 間 以 内 で 施 行 し た . 採 血 し た

血 液 を 満 た し た レ オ メ ー タ ー の 測 定 セ ル 内 に 同 一 形 状 の 密 度 が 異 な る

1 2 本 の ニ ー ド ル を 終 末 速 度 で 自 由 落 下 さ せ 流 動 解 析 を 行 っ た . 終 末

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速 度 で 自 由 落 下 す る ニ ー ド ル 周 辺 の 流 体 モ デ ル を F i g . 2 に 示 す . 基

礎 式 と し て ニ ー ド ル 周 辺 の 運 動 量 の つ り あ い の 式 , ニ ー ド ル 周 囲 の 微 小

流 体 要 素 に 働 く 力 の つ り あ い の 式 , ニ ー ド ル 落 下 に 伴 い 動 く 流 体 量 の

つ り あ い の 式 に 境 界 条 件 を 導 入 し , こ れ ら を 連 立 さ せ 解 く こ と で せ ん 断

応 力 ( τ ) と せ ん 断 速 度 ( γ ) が 求 め ら れ る 8 ) . 血 液 密 度 は 測 定 精 度

1 0 - 3 g / c m - 3 , 再 現 性 5 × 1 0 - 4 g / c m - 3 で あ る ポ ー タ ブ ル 密 度 計

( D M A - 3 5 , A n t o n P a a r C o . , L t d . , G r a z , A u s t r i a ) を 用 い た . 再 使

用 す る 測 定 セ ル は 水 洗 し た 後 , タ ン パ ク 汚 れ を 除 去 す る た め に 洗 浄 液

に 浸 漬 し , 超 音 波 洗 浄 を 施 し た . 洗 浄 液 は エ ン ド ザ イ ム A W ト リ プ ル プ ラ

ス ( R U H O F C o r p . , N e w Y o r k , A m e r i c a ) を 2 0 倍 に 希 釈 し た も の を 使

用 し , 洗 浄 後 十 分 に 水 洗 し 乾 燥 さ せ た . 計 測 値 を 上 述 の 式 に 代 入 し

1 2 個 の せ ん 断 速 度 域 に お け る み か け 粘 稠 度 を 算 出 し , こ れ を も と に せ

ん 断 速 度 - み か け 血 液 粘 稠 度 曲 線 を 作 成 し C a s s o n m o d e l に 適 用

し た . 一 方 血 液 は 高 せ ん 断 速 度 域 で は N e w t o n 流 体 を 呈 す る こ と か

ら , 上 で 求 め た 血 液 粘 稠 度 曲 線 上 で 十 分 高 い せ ん 断 速 度 域 ( 3 0 0 0

1 / s ) に お け る 粘 稠 度 を 近 似 的 に 求 め , N e w t o n m o d e l に 適 用 し た .

● 脳 動 脈 瘤 の C F D 解 析

形 状 モ デ ル 作 成

内 頚 動 脈 瘤 1 2 例 を 対 象 と し た ( F i g . 3 ) . 3 D - C T A で 得 た

D I C O M デ ー タ を M i m i c s I n n o v a t i o n S u i t e 1 6 . 0 ( M a t e r i a l i s e

J a p a n , Y o k o h a m a , J a p a n ) に 読 み 込 み , 形 状 セ グ メ ン テ ー シ ョ ン を 行

い , s t e r e o l i t h o g r a p h y ( S T L ) で 出 力 し た . こ の S T L フ ァ イ ル を

M a g i c s 1 7 . 0 1 ( M a t e r i a l i s e J a p a n , Y o k o h a m a , J a p a n ) に 取 り 込

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み , 関 心 領 域 の 血 管 を 抽 出 し た . S T L を 構 成 す る 三 角 形 の 歪 み を 補

正 す る た め , 3 - m a t i c 8 . 0 ( M a t e r i a l i s e J a p a n , Y o k o h a m a , J a p a n )

で 大 長 0 . 2 5 m m の 三 角 形 で r e m e s h し , さ ら に 形 状 の 曲 率 に 応

じ た s m o o t h i n g ( c u r v a t u r e s m o o t h i n g ) を 行 い 患 者 固 有 形 状 モ デ

ル と し た .

格 子 作 成

A N S Y S I C E M 1 6 . 1 ( A N S Y S I n c . , C a n o n s b u r g , P A , U S A ) に 患

者 固 有 形 状 モ デ ル を 取 り 込 み , O c t r e e 法 で 格 子 サ イ ズ を 大 0 . 6

m m 小 0 . 1 m m に 設 定 し た . 次 に 大 曲 面 形 状 の 細 分 化

( c u r v a t u r e r e f i n e m e n t ) を 設 定 し , t e t r a h e d r a l e l e m e n t s を 作 成

し た . さ ら に 血 管 表 面 は i n i t i a l h e i g h t 0 . 0 1 5 m m , t o t a l h e i g h t

0 . 1 4 8 m m で 6 層 の p r i s m e l e m e n t s を 追 加 し た . 入 口 に は 十 分

に 発 達 し た 層 流 を 設 定 す る た め , ポ ワ ズ イ ユ の 法 則 に 従 っ た 助 走 距 離

を 計 算 し た 後 , 入 口 面 を 垂 直 方 向 に 血 管 を 延 長 し た .

数 値 モ デ リ ン グ

血 流 は 非 圧 縮 性 の 層 流 で , 連 続 の 式 と ナ ビ エ - ス ト ー ク ス 方 程 式 に 従

う と し , 離 散 化 は 有 限 体 積 法 を 用 い た . 血 液 密 度 は 1 0 5 6 k g / m 3 で ,

粘 稠 度 は N e w t o n m o d e l が 0 . 0 0 5 7 P a · s , C a s s o n m o d e l で は せ ん

断 速 度 - み か け 血 液 粘 稠 度 曲 線 を 設 定 し , A N S Y S C F X 1 6 . 1

( A N S Y S I n c . , C a n o n s b u r g , P A , U S A ) で 非 定 常 解 析 を 行 っ た . 出

口 は 自 由 端 で 0 P a と し , 入 口 に は 健 常 成 人 で 獲 得 さ れ た 内 頚 動 脈

の m a s s f l o w w a v e f o r m を 血 管 内 径 に 応 じ た 血 流 量 を 設 定 し た . 血

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流 量 は ポ ア ズ イ ユ の 法 則 ( 下 式 ) に 基 づ き 血 管 内 腔 径 の 3 乗 に 比

例 し , 生 理 学 的 条 件 で は マ レ ー の m i n i m u m c o s t 仮 説 に 基 づ く

c o n s t a n t s h e a r t h e o r y が 成 立 す る と 仮 定 し W a l l s h e a r s t r e s s

( W S S ) を 1 . 5 P a に 設 定 し て 計 算 し た 9 ) , 1 0 ) . 血 行 力 学 的 パ ラ メ ー タ

は W S S , W a l l s h e a r s t r e s s g r a d i e n t ( W S S G ) , F l o w v e l o c i t y

( F V ) と そ れ ぞ れ の ベ ク ト ル の 揺 ら ぎ を 表 す O s c i l l a t o r y s h e a r i n d e x

( O S I ) , G r a d i e n t o s c i l l a t o r y n u m b e r ( G O N ) , O s c i l l a t o r y

v e l o c i t y i n d e x ( O V I ) 1 1 ) を 計 算 し た . 統 計 学 的 解 析 は J M P 9 を 用

い た . N e w t o n m o d e l と C a s s o n m o d e l で 計 算 さ れ る 形 態 学 的 お よ

び 血 行 力 学 的 パ ラ メ ー タ を B l a n d - A l t m a n 分 析 し , 系 統 誤 差 と 相 関

係 数 を 算 出 し 検 討 し た .

P o i s e u i l l e ’ s s o l u t i o n , w h i c h r e l a t e s v e s s e l f l o w r a t e , Q , b l o o d

v i s c o s i t y , μ , v e s s e l d i a m e t e r , d , a n d w a l l s h e a r s t r e s s , τ w .

血 行 力 学 的 パ ラ メ ー タ

W a l l S h e a r S t r e s s ( W S S )

W S S は 1 心 拍 中 の 時 間 積 分 平 均 値 を 算 出 し た .

w h e r e w s s i i s t h e i n s t a n t a n e o u s W S S v e c t o r a n d T i s t h e d u r a t i o n

o f t h e c y c l e . �

O s c i l l a t o r y S h e a r I n d e x ( O S I )

Q

32wd 3

WSS 1

Twssi dt

0

T

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W S S ベ ク ト ル の 1 心 拍 中 の 時 間 平 均 方 向 を 基 準 と し て , W S S ベ ク

ト ル の ゆ ら ぎ を 評 価 す る 指 標 で あ り , 次 式 で 計 算 さ れ , 高 い O S I は 頚

動 脈 分 岐 部 に お け る 血 管 内 膜 肥 厚 と 一 致 す る . ま た 脳 動 脈 瘤 壁 の 動

脈 硬 化 と の 関 連 も 報 告 さ れ て い る .

w h e r e w s s i i s t h e i n s t a n t a n e o u s W S S v e c t o r a n d T i s t h e d u r a t i o n

o f t h e c y c l e .

W a l l S h e a r S t r e s s G r a d i e n t ( W S S G )

非 定 常 解 析 に お い て W S S ベ ク ト ル 方 向 に お け る W S S 分 布 の 均 一

性 を み る た め に , せ ん 断 応 力 勾 配 ( w a l l s h e a r s t r e s s

g r a d i e n t : W S S G ) を 評 価 し た . 接 面 方 向 の W S S ベ ク ト ル を 接 面 で

W S S 時 間 平 均 ベ ク ト ル の 方 向 ( p ) と そ れ に 垂 直 な 方 向 ( q ) に 分

解 し た と き , 次 式 で 計 算 さ れ る . な お W S S G の 大 き さ は 乱 流 の 程 度 と

相 関 し 動 脈 硬 化 関 連 因 子 の 活 性 化 に 関 与 す る .

w h e r e τ w i s t h e W S S v e c t o r , t h e p - d i r e c t i o n c o r r e s p o n d s t o t h e

t i m e - a v e r a g e d d i r e c t i o n o f t h e W S S a n d t h e q - d i r e c t i o n i s

p e r p e n d i c u l a r t o p .

OSI 1

21

wssi dt0

T

wssi dt

0

T

WSSG w,p

p

2

w,q

q

2

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G r a d i e n t O s c i l l a t o r y N u m b e r ( G O N )

W S S G ベ ク ト ル の ゆ ら ぎ を 評 価 し , W S S ベ ク ト ル と O S I の 関 係 に 類

似 し て お り 次 式 で 計 算 さ れ る . G O N は 脳 動 脈 瘤 発 生 を 説 明 す る た め

に 開 発 さ れ , s i d e w a l l ( o r l a t e r a l ) t y p e の 動 脈 瘤 で 高 い G O N 部

位 に お け る 脳 動 脈 瘤 発 生 が 確 認 さ れ て い る .

w h e r e w s s g i i s t h e i n s t a n t a n e o u s W S S g r a d i e n t v e c t o r a n d T i s t h e

d u r a t i o n o f t h e c y c l e . �

F l o w V e l o c i t y ( F V )

血 流 領 域 に お い て 時 間 平 均 血 流 速 度 ( m / s ) を 計 算 し 3 次 元 流

線 ( 3 D s t r e a m l i n e s ) や 任 意 断 面 に お け る f l o w v e l o c i t y ベ ク ト ル

を 評 価 し た .

O s c i l l a t o r y V e l o c i t y I n d e x ( O V I )

血 流 領 域 に お け る f l o w v e l o c i t y ベ ク ト ル の 時 間 依 存 性 の ゆ ら ぎ を

次 式 で 求 め た . 複 雑 な 動 脈 瘤 内 で は 血 流 速 度 は 低 下 し , そ の 時 間 依

存 性 ベ ク ト ル の ゆ ら ぎ は 大 き く な る と 考 え ら れ , 破 裂 状 態 の 評 価 で 検 討

さ れ た . 破 裂 脳 動 脈 瘤 で は , 未 破 裂 脳 動 脈 よ り も 高 い O V I が 観 察 さ

れ る 1 1 ) .

GON 1wssgi dt

0

T

wssgi dt

0

T

OVI 1

21

fvi dt0

T

fvi dt

0

T

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w h e r e f v i i s t h e i n s t a n t a n e o u s F V v e c t o r a n d T i s t h e d u r a t i o n o f

t h e c y c l e .

結 果 :

血 液 粘 稠 度 測 定

対 象 と な っ た 健 常 成 人 5 0 人 の 背 景 は ( T a b l e ) の 通 り で あ っ た .

血 液 粘 稠 度 は C a s s o n の 式 ( 下 図 ) で 近 似 さ れ る 非 N e w t o n 流

体 の 特 性 を 示 し た . 1 2 の せ ん 断 速 度 域 で 得 た み か け 粘 稠 度 の 実 測

値 ( F i g . 4 A ) を も と に ア ン サ ン ブ ル 平 均 を 算 出 し , 全 体 と 男 女 別 の 近

似 的 な 平 均 曲 線 を 作 成 し た ( F i g . 4 B ) . な お 男 性 の み か け 粘 稠 度 は 女

性 よ り も 高 い 傾 向 を 示 し た . 今 回 は 全 体 の せ ん 断 速 度 - み か け 血 液 粘

稠 度 平 均 曲 線 を C F D 解 析 に お け る C a s s o n m o d e l に 適 用 し た .

一 方 , こ の 平 均 曲 線 の せ ん 断 速 度 3 0 0 0 1 / s に お け る 粘 稠 度 は

0 . 0 0 5 7 P a · s で , こ れ を N e w t o n m o d e l の 血 液 粘 稠 度 と 定 義 し た .

C a s s o n ’ s e q u a t i o n w h i c h r e l a t e s s h e a r s t r e s s , τ , y i e l d s t r e s s , τ 0 ,

v i s c o s i t y , η a n d s h e a r r a t e , γ .

動 脈 瘤 の C F D 解 析

内 頚 動 脈 瘤 1 2 例 の 内 訳 は 未 破 裂 脳 動 脈 瘤 6 例 ( m e a n

a n e u r y s m a l d e p t h 7 . 9 ± 5 . 5 m m , m e a n n e c k w i d t h 6 . 9 ± 3 . 5 m m ) ,

破 裂 脳 動 脈 瘤 6 例 ( m e a n A n e u r y s m a l d e p t h 8 . 0 ± 3 . 2 m m ,

m e a n n e c k w i d t h 5 . 9 ± 3 . 0 m m ) で あ っ た . 脳 動 脈 瘤 1 2 例 の 瘤

全 体 に お け る 血 行 力 学 的 パ ラ メ ー タ を N e w t o n m o d e l , C a s s o n

0

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m o d e l で 計 算 し た 上 で B l a n d - A l t m a n 分 析 し 以 下 の 項 目 を 算 出 し

た . モ デ ル 間 の 平 均 差 ( b i a s ) , 平 均 差 9 5 % 信 頼 区 間 ( b i a s 9 5 %

C I ) , 相 関 係 数 ( r ) は そ れ ぞ れ W S S : b i a s = - 4 . 4 1 1 0 - 3 P a , b i a s

9 5 % C I = - 1 . 3 2 1 0 - 2 t o 4 . 4 1 1 0 - 3 P a , r = 0 . 9 9 9 9 , O S I :

b i a s = 6 . 5 2 1 0 - 4 , b i a s 9 5 % C I = - 7 . 5 1 1 0 - 4 t o 2 . 0 5 1 0 - 3 ,

r = 0 . 9 7 3 4 , W S S G : b i a s = - 1 6 . 8 P a / m , b i a s 9 5 % C I = - 2 5 . 5 t o

- 8 . 0 7 P a / m , r = 0 . 9 9 9 9 , G O N : b i a s = 6 . 6 0 1 0 - 4 , b i a s 9 5 %

C I = - 1 . 8 4 1 0 - 3 t o 3 . 1 6 1 0 - 3 , r = 0 . 9 7 5 8 , F V : b i a s = - 2 . 6 4 1 0 - 3

m / s , b i a s 9 5 % C I = - 5 . 8 5 1 0 - 3 t o 5 . 6 1 1 0 - 4 m / s , r = 0 . 9 9 8 5 , O V I :

b i a s = - 1 . 1 0 1 0 - 4 , b i a s 9 5 % C I = - 1 . 6 1 1 0 - 3 t o 1 . 3 9 1 0 - 3 ,

r = 0 . 9 2 5 8 で あ っ た ( F i g . 5 ) . モ デ ル 間 で 瘤 全 体 の パ ラ メ ー タ の 誤 差 は

十 分 に 小 さ く , 一 致 性 も 高 い 事 が 示 さ れ た ( F i g . 6 A ) . 一 方 で 瘤 内 の

不 整 形 部 や b l e b な ど の 局 所 で F V ベ ク ト ル や O V I が 異 な る 症 例 が

未 破 裂 ( 1 例 ) , 破 裂 動 脈 瘤 ( 2 例 ) 双 方 で あ っ た . 代 表 例 を 示 す

( F i g . 6 B ) .

考 察 :

血 液 粘 稠 度 は 血 液 細 胞 成 分 の 質 と 量 , 血 漿 成 分 の 量 , 細 胞 成 分 と

血 漿 成 分 の 相 互 作 用 , 血 液 の お か れ て い る 環 境 に よ っ て 左 右 さ れ る .

そ の た め 厳 密 に は , 血 液 は 粘 稠 度 が 一 定 の N e w t o n 流 体 で は な く ,

せ ん 断 速 度 に よ り 粘 稠 度 が 変 化 す る 非 N e w t o n 流 体 で あ る こ と は 知

ら れ て い る 1 2 ) , 1 3 ) . 特 に 低 せ ん 断 速 度 域 の 粘 稠 度 上 昇 は 血 管 あ る い は

動 脈 瘤 の 血 管 内 皮 に 影 響 を 及 ぼ し , 血 液 粘 稠 度 上 昇 と 末 梢 動 脈 疾

患 , 虚 血 性 脳 血 管 障 害 に 関 し て 報 告 さ れ て い る 2 ) , 1 4 ) , 1 5 ) . し か し 血 液

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粘 稠 度 に 関 す る 大 規 模 研 究 は , 一 定 の せ ん 断 速 度 域 で 測 定 さ れ る こ

と が 多 く 1 6 ) , 広 い せ ん 断 速 度 域 に お け る 血 液 粘 稠 度 変 化 に 関 す る 研

究 は 少 な い . 今 回 筆 者 ら は こ れ ら の 血 液 粘 稠 度 特 性 が 脳 動 脈 瘤 の

C F D 解 析 結 果 に 影 響 す る か に つ い て , 高 精 度 の 小 型 落 針 式 レ オ メ ー

タ ー か ら 取 得 し た デ ー タ を も と に 検 討 し た 1 7 ) . ( み か け 粘 稠 度 曲 線 )

5 0 人 の 健 常 成 人 を 対 象 に 1 2 の せ ん 断 速 度 域 の み か け 血 液 粘

稠 度 を 測 定 し , せ ん 断 速 度 - み か け 血 液 粘 稠 度 の 平 均 曲 線 を 作 成 し

た . 幅 広 い せ ん 断 速 度 域 に お け る 血 液 粘 稠 度 平 均 曲 線 は 渉 猟 し う る

範 囲 で 初 め て で あ っ た . 本 研 究 で は 血 液 粘 稠 度 は 従 来 か ら 報 告 さ れ て

い る 通 り 1 2 ) , 1 3 ) , 低 せ ん 断 速 度 域 で 増 大 す る C a s s o n の 式 に お お よ

そ 一 致 し た . し か し 技 術 的 限 界 か ら せ ん 断 速 度 が 0 の 時 の C a s s o n

降 伏 値 と C a s s o n 粘 度 は 算 出 で き て お ら ず , 今 回 は せ ん 断 速 度 が 0

の 時 は 無 限 大 に 発 散 す る 近 似 式 を 採 用 し た . 一 方 で 高 せ ん 断 速 度 域

( > 3 0 0 1 / s ) に お い て 血 液 は N e w t o n 流 体 と し て 振 る 舞 う こ と か ら ,

我 々 の 粘 稠 度 平 均 曲 線 に お け る 十 分 に 高 い せ ん 断 速 度 域 ( 3 0 0 0

1 / s ) に お け る 血 液 粘 稠 度 ( 0 . 0 0 5 7 P a · s ) を N e w t o n m o d e l の 血

液 粘 稠 度 に 設 定 し た . な お 過 去 の 報 告 で は 血 液 粘 稠 度 が

0 . 0 0 3 - 0 . 0 0 4 P a · s の 範 囲 で 報 告 さ れ て お り 数 値 に 乖 離 を 認 め る が ,

こ れ は 筆 者 ら の 先 行 研 究 の 結 果 で 3 7 ℃ の 検 体 の 粘 稠 度 は 3 2 ℃

に 比 し て 1 0 ~ 2 0 % ほ ど 低 値 を 示 し て お り , 測 定 環 境 温 度 に 大 き く 依

存 す る こ と が 判 明 し て い る .

( C a s s o n m o d e l に よ る C F D 解 析 )

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O h t a ら は 脳 動 脈 瘤 治 療 に お け る ス テ ン ト 留 置 後 の 血 流 動 態 の

s i m u l a t i o n に お い て 非 N e w t o n 流 体 の d y n a m i c v i s c o s i t y を 適

用 し , ス テ ン ト 留 置 後 に 瘤 内 の W S S の 急 激 な 低 下 と , 粘 稠 度 上 昇

が 血 栓 化 に 繋 が る こ と を 予 測 し た 1 8 ) . X i a n g ら は N e w t o n m o d e l と

比 較 し て C a s s o n m o d e l の C F D 解 析 に お け る 動 脈 瘤 の b l e b の

W S S 低 下 を 報 告 し て お り , N e w t o n m o d e l の 計 算 で は 動 脈 瘤 破

裂 予 測 を 過 小 評 価 し て い る 可 能 性 を 示 唆 し て い る 1 9 ) . S u z u k i ら は 未

破 裂 脳 動 脈 瘤 の C F D 解 析 に 粘 稠 度 の 異 な る 2 種 の C a s s o n

m o d e l と N e w t o n m o d e l を 適 用 し , n o r m a l i z e d w a l l s h e a r

s t r e s s が C a s s o n m o d e l で 大 2 5 % 低 下 し 解 析 に 影 響 し う る と

報 告 し て い る 2 0 ) . 今 回 我 々 は 健 常 成 人 5 0 人 の 実 測 値 に 基 づ く せ ん

断 速 度 - 血 液 粘 稠 度 平 均 曲 線 か ら C a s s o n m o d e l を 作 成 し , C F D

解 析 に 初 め て 適 用 し た . そ の 結 果 , 血 行 力 学 的 パ ラ メ ー タ の 中 で

W S S , W S S G , F V の 瘤 全 体 の 平 均 値 は モ デ ル 間 で 大 き な 誤 差 を 認

め ず , 瘤 の 大 き さ や 破 裂 の 有 無 も 関 与 し な か っ た . そ し て 上 3 つ の パ ラ メ

ー タ の ベ ク ト ル の ゆ ら ぎ を 表 す O S I , G O N , O V I に 関 し て は わ ず か に 相

関 係 数 が 低 下 し た . 特 に 不 整 形 部 分 や b l e b な ど の 局 所 に お い て ,

F V ベ ク ト ル が 異 な る 例 を 破 裂 ・ 未 破 裂 双 方 の 動 脈 瘤 で 認 め た . こ の こ

と は N e w t o n 流 体 で 設 定 し た 従 来 の C F D 解 析 が , 瘤 全 体 の 物 理

量 を 平 均 値 と し て 評 価 す る 場 合 に は 妥 当 性 を 損 ね て い な い こ と , 一 方

で 動 脈 瘤 増 大 や 破 裂 に 関 与 す る 不 整 形 部 分 や b l e b な ど の 局 所 環 境

で は , 血 行 力 学 の 予 測 結 果 が 異 な る 可 能 性 を 示 唆 し て お り , 今 後 さ ら

な る 症 例 集 積 と 解 析 が 必 要 と 考 え る .

( L i m i t a t i o n )

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血 液 粘 稠 度 は 流 動 が 停 止 す る 際 の C a s s o n 降 伏 値 と C a s s o n

粘 度 を 有 す る が , 測 定 に 技 術 的 な 困 難 を 伴 う た め 今 回 は 近 似 式 を 使

用 し た . せ ん 断 速 度 が 0 に お け る 無 限 大 の 粘 稠 度 は 生 理 的 に 存 在

し な い が , 本 研 究 で は 瘤 内 せ ん 断 速 度 が 0 あ る い は そ れ 近 い 低 値 を 示

す こ と は な か っ た た め , 計 算 結 果 の 誇 張 は な い と 考 え て い る . ま た 近 似

曲 線 は m a n u a l f i t t i n g で 作 成 し た が , こ れ ら の 問 題 点 を ふ ま え 数 学

的 に 精 密 な 近 似 式 を 作 成 し 報 告 す る 予 定 で あ る .

次 に 平 均 曲 線 作 成 の 一 方 で , 血 液 粘 稠 度 は ダ イ ナ ミ ッ ク に 変 化 す る

た め , 血 液 物 性 や 循 環 動 態 の 変 化 に よ る 病 的 状 態 の 把 握 も 重 要 で あ

る . 今 後 脳 卒 中 患 者 の 血 液 粘 稠 度 を 計 測 し , C F D 解 析 に 与 え る 影 響

も 検 討 す る 予 定 で あ る .

後 に , 動 脈 瘤 の 局 所 環 境 に お い て 一 部 の 血 行 力 学 的 パ ラ メ ー タ が

モ デ ル 間 で 違 い を 認 め た が , 瘤 の n e c k , d o m e , f u n d u s , b l e b 等 の

p a r t 別 の 比 較 検 討 は で き て お ら ず , 局 所 パ ラ メ ー タ の モ デ ル 間 不 一 致

検 出 に 関 し て は 主 観 的 評 価 に 依 存 し た . 技 術 的 困 難 を 伴 う が 瘤 の

p a r t 別 に お け る 血 行 力 学 的 パ ラ メ ー タ の 定 量 化 が 必 要 と 考 え る .

結 語 :

健 常 成 人 5 0 人 の 採 血 結 果 か ら 1 2 の せ ん 断 速 度 域 の 血 液 粘

稠 度 を 測 定 し , せ ん 断 速 度 - み か け 血 液 粘 稠 度 平 均 曲 線 を 作 成 し た .

こ の 結 果 を 脳 動 脈 瘤 C F D 解 析 に 適 用 し , N e w t o n 流 体 と

C a s s o n 流 体 の 設 定 間 で , 動 脈 瘤 局 所 の 血 行 力 学 的 パ ラ メ ー タ の 違

い を 観 察 し た . 血 液 を N e w t o n 流 体 で 設 定 し た C F D 解 析 は 瘤 全 体

の 平 均 値 を 評 価 す る 上 で は 妥 当 で あ る が , b l e b な ど の 局 所 環 境 で は 異

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な る 血 行 力 学 が 観 察 さ れ る 場 合 が あ り , 解 析 適 化 の た め 非

N e w t o n 特 性 を 考 慮 に 入 れ る 必 要 性 が 示 唆 さ れ た .

な お , 本 報 告 の 趣 旨 は 第 3 2 回 N P O 法 人 日 本 脳 神 経 血 管 内 治

療 学 会 学 術 総 会 ( J S N E T 2 0 1 6 ) で 発 表 し た .

利 益 相 反 の 開 示 :

筆 頭 著 者 及 び 共 著 者 全 員 の 利 益 相 反 は な い .

文 献 :

1 . C e b r a l J R , C a s t r o M A , B u r g e s s J E , e t a l : C h a r a c t e r i z a t i o n

o f c e r e b r a l a n e u r y s m s f o r a s s e s s i n g r i s k o f r u p t u r e b y

u s i n g p a t i e n t - s p e c i f i c c o m p u t a t i o n a l h e m o d y n a m i c s

m o d e l s . A J N R A m J N e u r o r a d i o l , 2 0 0 5 ; 2 6 : 2 5 5 0 - 2 5 5 9 .

2 . C e b r a l J , O l l i k a i n e n E , C h u n g B J , e t a l : F l o w C o n d i t i o n s

i n t h e I n t r a c r a n i a l A n e u r y s m L u m e n A r e A s s o c i a t e d w i t h

I n f l a m m a t i o n a n d D e g e n e r a t i v e C h a n g e s o f t h e A n e u r y s m

W a l l . A J N R A m J N e u r o r a d i o l , 2 0 1 7 ; 3 8 : 1 1 9 - 1 2 6 .

3 . M i u r a Y , I s h i d a F , U m e d a Y , e t a l : L o w W a l l S h e a r S t r e s s

I s I n d e p e n d e n t l y A s s o c i a t e d W i t h t h e R u p t u r e S t a t u s o f

M i d d l e C e r e b r a l A r t e r y A n e u r y s m s . S t r o k e , 2 0 1 3 ; 4 4 ;

5 1 9 - 5 2 1 .

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4 . F u k a z a w a K , I s h i d a F , U m e d a Y , e t a l : U s i n g

c o m p u t a t i o n a l f l u i d d y n a m i c s a n a l y s i s t o c h a r a c t e r i z e

l o c a l h e m o d y n a m i c f e a t u r e s o f m i d d l e c e r e b r a l a r t e r y

a n e u r y s m r u p t u r e p o i n t s . W o r l d N e u r o s u r g , 2 0 1 5 ;

8 3 ( 1 ) : 8 0 - 6 .

5 . U m e d a Y , I s h i d a F , T s u j i M , e t a l : C o m p u t a t i o n a l f l u i d

d y n a m i c s ( C F D ) a n a l y s i s u s i n g p o r o u s m e d i a m o d e l i n g

p r e d i c t s a n g i o g r a p h i c o c c l u s i o n s t a t u s a f t e r c o i l i n g o f

u n r u p t u r e d c e r e b r a l a n e u r y s m s - P r e l i m i n a r y s t u d y . J N E T

2 0 1 5 ; 9 : 6 9 - 7 7 .

6 . T s u j i M , I s h i k a w a T , I s h i d a F , e t a l : S t a g n a t i o n a n d

c o m p l e x f l o w i n r u p t u r e d c e r e b r a l a n e u r y s m s : a p o s s i b l e

a s s o c i a t i o n w i t h h e m o s t a t i c p a t t e r n . J N e u r o s u r g , 2 0 1 7 ;

1 2 6 ( 5 ) : 1 5 6 6 - 1 5 7 2 .

7 . B o u s s e l L , R a y z V , M c C u l l o c h C , e t a l : A n e u r y s m g r o w t h

o c c u r s a t r e g i o n o f l o w w a l l s h e a r s t r e s s : p a t i e n t - s p e c i f i c

c o r r e l a t i o n o f h e m o d y n a m i c s a n d g r o w t h i n a l o n g i t u d i n a l

s t u d y . S t r o k e , 2 0 0 8 ; 3 9 : 2 9 9 7 - 3 0 0 2 .

8 . Y a m a m o t o H , K a w a m u r a K , O m u r a K , e t a l : D e v e l o p m e n t

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o f a C o m p a c t - S i z e d F a l l i n g N e e d l e R h e o m e t e r F o r

M e a s u r e m e n t o f F l o w P r o p e r t i e s o f F r e s h H u m a n B l o o d .

I n t . J . T h e r m o p h y s i c s , 2 0 1 0 ; 3 1 , 2 3 6 1 .

9 . M u r r a y C D : T h e P h y s i o l o g i c a l P r i n c i p l e o f M i n i m u m W o r k

A p p l i e d t o t h e A n g l e o f B r a n c h i n g o f A r t e r i e s . J G e n

P h y s i o l , 1 9 2 6 ; 9 : 8 3 5 - 8 4 1 .

1 0 . P r i e s A R , S e c o m b T W , G a e h t g e n s P : D e s i g n p r i n c i p l e s o f

v a s c u l a r b e d s . C i r c R e s , 1 9 9 5 ; 7 7 : 1 0 1 7 - 1 0 2 3 .

1 1 . S a n o T , I s h i d a F , T s u j i M , e t a l : H e m o d y n a m i c D i f f e r e n c e s

B e t w e e n R u p t u r e d a n d U n r u p t u r e d C e r e b r a l A n e u r y s m s

S i m u l t a n e o u s l y E x i s t i n g i n t h e S a m e L o c a t i o n : 2 C a s e

R e p o r t s a n d P r o p o s a l o f a N o v e l P a r a m e t e r O s c i l l a t o r y

V e l o c i t y I n d e x . W o r l d N e u r o s u r g , 2 0 1 7 ; 9 8 : 8 6 8 e 8 6 5 - 8 6 8

e 8 1 0 .

1 2 . H a r t e r t H : F l o w P r o p e r t i e s o f B l o o d a n d O t h e r

B i o l o g i c a l S y s t e m s , P e r g a m o n P r e s s , O x f o r d , N e w Y o r k &

P a r i s , 1 9 6 0 ; 1 8 6 - 1 9 2 .

1 3 . M e r r i l l E W : R h e o l o g y o f B l o o d , P h y s i o l . P h y s i o l o g i c a l

R e v i e w s , 1 9 6 9 ; 4 9 : 8 6 3 - 8 8 8 .

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1 4 . L o w e G D , F o w k e s F G , D a w e s J , e t a l : B l o o d v i s c o s i t y ,

f i b r i n o g e n , a n d a c t i v a t i o n o f c o a g u l a t i o n a n d l e u k o c y t e s

i n p e r i p h e r a l a r t e r i a l d i s e a s e a n d t h e n o r m a l p o p u l a t i o n

i n t h e E d i n b u r g h A r t e r y S t u d y . C i r c u l a t i o n , 1 9 9 3 ; 8 7 :

1 9 1 5 - 1 9 2 0 .

1 5 . V e l c h e v a I , A n t o n o v a N , D i m i t r o v a V , e t a l : P l a s m a l i p i d s

a n d b l o o d v i s c o s i t y i n p a t i e n t s w i t h c e r e b r o v a s c u l a r

d i s e a s e . C l i n H e m o r h e o l M i c r o c i r c , 2 0 0 6 ; 3 5 : 1 5 5 - 1 5 7 .

1 6 . L i R Y , C a o Z G , L i Y , W a n g R T : I n c r e a s e d w h o l e b l o o d

v i s c o s i t y i s a s s o c i a t e d w i t h s i l e n t c e r e b r a l i n f a r c t i o n .

C l i n H e m o r h e o l M i c r o c i r c , 2 0 1 5 ; 5 9 : 3 0 1 - 3 0 7 .

1 7 . B u r g e r J , Y a m a m o t o H , S u z u k i T , e t a l : A p p l i c a t i o n o f

f a l l i n g - n e e d l e r h e o m e t r y t o h i g h l y c o n c e n t r a t e d D N A

s o l u t i o n s . B i o r h e o l o g y 5 1 ( 2 0 1 4 ) 2 9 – 4 5

1 8 . O h t a M , W e t z e l S G , D a n t a n P , e t a l : R h e o l o g i c a l c h a n g e s

a f t e r s t e n t i n g o f a c e r e b r a l a n e u r y s m : a f i n i t e e l e m e n t

m o d e l i n g a p p r o a c h . C a r d i o v a s c I n t e r v e n t R a d i o l . 2 0 0 5 ;

2 8 ( 6 ) : 7 6 8 - 7 2 .

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1 9 . X i a n g J , T r e m m e l M , K o l e g a J , e t a l : N e w t o n i a n v i s c o s i t y

m o d e l c o u l d o v e r e s t i m a t e w a l l s h e a r s t r e s s i n i n t r a c r a n i a l

a n e u r y s m d o m e s a n d u n d e r e s t i m a t e r u p t u r e r i s k . J

N e u r o i n t e r v S u r g , 2 0 1 2 ; 4 : 3 5 1 - 3 5 7 .

2 0 . S u z u k i T , T a k a o H , S u z u k i T , e t a l : V a r i a b i l i t y o f

h e m o d y n a m i c p a r a m e t e r s u s i n g t h e c o m m o n v i s c o s i t y

a s s u m p t i o n i n a c o m p u t a t i o n a l f l u i d d y n a m i c s a n a l y s i s o f

i n t r a c r a n i a l a n e u r y s m s . T e c h n o l H e a l t h C a r e . 2 0 1 7 ; 2 5 ( 1 ) :

3 7 - 4 7 .

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F i g . 1 小 型 落 針 式 レ オ メ ー タ ー の 模 式 図

F i g . 2 終 末 速 度 で 自 由 落 下 す る ニ ー ド ル 周 辺 の 流 体 モ デ ル と 各 種 つ

り あ い の 式

d : n e e d l e d i a m e t e r ( m ) � g : g r a v i t a t i o n a l a c c e l e r a t i o n

( m / s 2 ) � G : g e o m e t r i c n e e d l e c o n s t a n t ( 1 / m 2 ) � k : r a t i o o f

c o n t a i n e r t o n e e d l e d i a m e t e r � k R : n e e d l e r a d i u s ( m ) � n : f l u i d

i n d e x � L : t o t a l n e e d l e l e n g t h ( m ) � P 1 , P 2 : p r e s s u r e o f t h e

u p p e r a n d l o w e r e n d o f a m i n u t e c i r c u l a r c y l i n d e r ( P a )

∆ p : p r e s s u r e d i f f e r e n c e (∆P = P 1 - P 2 ) ( P a )

Q : f l o w r a t e o f f l u i d p u s h e d a s i d e b y t h e n e e d l e ( m 3 / s )

r : r a d i u s c o o r d i n a t e ( m )

R : c o n t a i n e r r a d i u s ( m )

u : v e l o c i t y i n t h e s y s t e m l e n g t h d i r e c t i o n ( m / s )

U t : t e r m i n a l v e l o c i t y o f a f a l l i n g n e e d l e ( m / s )

π : c i r c u l a r c o n s t a n t

ρ f : f l u i d d e n s i t y ( k g / m 3 )

ρ s : n e e d l e d e n s i t y ( k g / m 3 )

γ : s h e a r r a t e ( 1 / s )

τ : s h e a r s t r e s s ( P a )

μ : N e w t o n v i s c o s i t y ( P a · s )

F i g . 3 解 析 を 行 っ た 1 2 内 頚 動 脈 瘤 . 上 段 が 未 破 裂 動 脈 瘤 6 例 .

下 段 が 破 裂 動 脈 瘤 6 例 .

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F i g . 4 A 横 軸 は 健 常 成 人 5 0 人 の せ ん 断 速 度 ( 1 / s ) を 表 し , 縦 軸

は み か け 血 液 粘 稠 度 ( P a · s ) を 表 す . s m a l l c i r c l e は 3 2 ℃   の 環 境

下 に お け る 1 2 本 の 落 下 針 に よ り 計 測 し た 各 せ ん 断 速 度 域 の 平 均 み

か け 粘 稠 度 を 表 し , t r a n s v e r s e b a r は せ ん 断 速 度 , v e r t i c a l b a r は

み か け 粘 稠 度 の 9 5 % 信 頼 区 間 を 表 す .

F i g . 4 B m a n u a l f i t t i n g に よ る 平 均 み か け 粘 稠 度 曲 線 を 表 す ( 破 線

は 男 性 2 5 人 , 太 い 実 線 は 5 0 人 全 体 , 細 い 実 線 は 女 性 2 5 人 の

平 均 曲 線 ) .

F i g . 5 1 2 の 内 頚 動 脈 瘤 の N e w t o n m o d e l と C a s s o n m o d e l を 用

い た そ れ ぞ れ の 血 行 力 学 的 パ ラ メ ー タ の B l a n d - A l t m a n 分 析 結 果 を

示 す . グ ラ フ の x 軸 は 各 パ ラ メ ー タ ー の C a s s o n m o d e l と N e w t o n

m o d e l の 値 の 平 均 値 , y 軸 は C a s s o n m o d e l と N e r w t o n m o d e l

の 値 の 差 を 示 す . 実 線 は 平 均 差 , 点 線 は 平 均 差 9 5 % 信 頼 区 間 を

示 す . r は 相 関 係 数 を 示 す . W a l l s h e a r s t r e s s ( W S S ) ( 上 段 左 ) ,

w a l l s h e a r s t r e s s g r a d i e n t ( W S S G ) ( 上 段 中 ) , f l o w v e l o c i t y

( F V ) ( 上 段 右 ) は 両 m o d e l 間 で 高 い 一 致 性 を 示 し た . o s c i l l a t o r y

s h e a r i n d e x ( O S I ) ( 下 段 左 ) , g r a d i e n t o s c i l l a t o r y n u m b e r

( G O N ) ( 下 段 中 ) , o s c i l l a t o r y v e l o c i t y i n d e x ( O V I ) ( 下 段 右 ) は

上 段 に 比 し て や や 低 値 を 示 し た .

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F i g . 6 A 内 頚 動 脈 瘤 C F D 解 析 の 一 例 . 粘 稠 度 と 6 つ の 代 表 的

パ ラ メ ー タ に つ い て 図 示 し , 図 の 隣 り に 各 パ ラ メ ー タ の 瘤 全 体 の 平 均 値

を 示 し た . D V : d y n a m i c v i s c o s i t y , W S S : w a l l s h e a r s t r e s s ,

W S S G : w a l l s h e a r s t r e s s g r a d i e n t , F V : f l o w v e l o c i t y , O S I :

o s c i l l a t o r y s h e a r i n d e x , G O N : g r a d i e n t o s c i l l a t o r y n u m b e r ,

O V I : o s c i l l a t o r y v e l o c i t y i n d e x

F i g . 6 B F i g . 6 A の 拡 大 像 . b l e b ( c i r c l e ) で s t r e a m l i n e s は 描 出 さ

れ な か っ た が ( 左 上 段 ) , b l e b ( g r a y c i r c l e , 左 下 段 ) で 時 間 平 均 F V

の ベ ク ト ル を 評 価 す る と 異 な る 血 流 パ タ ー ン が 観 察 さ れ た . 一 方 で W S S ,

W S S G に 関 し て は ほ ぼ 同 じ 所 見 で あ っ た ( 右 上 段 , 右 下 段 ) .

T a b l e 患 者 背 景

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Male Female All25 25 50

age 20-29 yo 5 5 10age 30-39 yo 5 5 10age 40-49 yo 5 5 10age 50-59 yo 5 5 10age 60-69 yo 5 5 10

age mean 43.6 43.9 43.7

BMI mean 23.1 21.1 22.1

smoke never 18 (72%) 21 (84%) 39 (78%)former 4 (16%) 2 (8%) 6 (12%)current 3 (12%) 2 (8%) 5 (10%)

drink never 14 (56%) 22 (88%) 36 (72%)current 11 (44%) 3 (12%) 14 (28%)

hypertension 2 (8%) 2 (8%) 4 (8%)

diabetes mellitus 1 (4%) 0 (0%) 1 (2%)

dislipidemia 4 (16%) 3 (12%) 7 (14%)

Sex

Table. 患者背景

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