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ソフトウェア品質保証部長の会 情報発信 ~普遍的、基礎となるべき品質保証~ 人財育成グループ: 風見 玲衣(株式会社 mediba) 周藤 裕和(株式会社ProVision) 高林 秀樹(株式会社メタテクノ) 早崎 伸二(株式会社リンクレア) 牟田 香奈 (日本ATMヒューマン・ソリューション株式会社) 森中 秀明(アンリツネットワークス株式会社) (以上五十音順) 品質力の高速伝承 - ベテランQAの経験を後進へ効率的に伝承するアイデア - ソフトウェア品質シンポジウム2018 SQiP特別セッション ~SQiPからの情報発信~ 2018年9月13日

品質力の高速伝承...となるパターンの一例をご紹介。Ⅲ 高品質力人財の短期育成でやっていること 18 組織の共通性をパターン言語化した

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Page 1: 品質力の高速伝承...となるパターンの一例をご紹介。Ⅲ 高品質力人財の短期育成でやっていること 18 組織の共通性をパターン言語化した

ソフトウェア品質保証部長の会 情報発信~普遍的、基礎となるべき品質保証~

人財育成グループ: 風見 玲衣(株式会社 mediba)

周藤 裕和(株式会社ProVision)

高林 秀樹(株式会社メタテクノ)

早崎 伸二(株式会社リンクレア)

牟田 香奈(日本ATMヒューマン・ソリューション株式会社)

森中 秀明(アンリツネットワークス株式会社)

(以上五十音順)

品質力の高速伝承- ベテランQAの経験を後進へ効率的に伝承するアイデア -

ソフトウェア品質シンポジウム2018

SQiP特別セッション ~SQiPからの情報発信~

2018年9月13日

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Agenda

Ⅰ 前期(8期)の振り返り

Ⅱ 求められるQAの需要変化と課題

Ⅲ 高品質力人財の短期育成

Ⅳ パターンを用いた高速伝承

Ⅴ 活動のまとめ

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本提案の趣旨

第8期では個人に宿る品質力を引っ張り上げる『品質のハンカチモデル』と、それが組織や開発現場の品質文化を醸成していく好循環ループとなる『品質文化醸成モデル』を提唱し、品質保証部門の優位性を説明しました。

現在、事業環境の急激な変化による要求品質の多様化や組織改革が急速に起こり、高品質力人財の育成が急務となっています。

従来の伝統的なQAの育成では、ベテランQAとともに長い時間をかけて「経験」を積み重ねてきましたが昨今、ベテランQAの「経験」は形式知化されてきており、それらを後進に高速伝承することで高品質力人財を短期間で育成できると考えました。

本提案ではベテランQAの形式知化された経験をパターンを用いて

高速伝承する『品質力伝承プラクティス』を提案します。

3

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Ⅰ前期(第8期)の活動ふりかえり

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第8期の活動ふりかえり①

■品質力の定義とハンカチモデル

「品質のハンカチモデル」

品質力をひっぱりあげることで高品質力人財が育ち、好循環ループの

形成により、事業環境の変化に追従し発展し続ける組織となる

品質力 知識 経験研ぎ澄まされた

五感

Ⅰ5

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第8期の活動ふりかえり②

■品質保証部門による高品質力人財の育成

品質監査品質評価リリース判定振り返り会議品質教育情報提供火消し

実践

経験知識

プロ人財スキル

教育 QA部門

気付き研ぎ澄まされる

5感

開発現場

多くの気付きの機会と実践で研ぎ澄まされた5感(センス)が品質力を増し、プロ人財スキルをさらに発揮させる(好循環)

多くの現場を知る立場にあり、より多くの気付きを得ることができる。

Ⅰ6

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第8期の活動ふりかえり③

■開発現場での高品質力人財の育成

品質監査品質評価リリース判定振り返り会議品質教育情報提供火消し

品質保証部門

気付き

あるべき姿

実践

経験知識

プロ人財スキル

実際の姿

開発現場

発揮 醸成

品質保証部門が密な係わりを持つことにより、開発現場に“気付き”を与えられる。

気付きによって良い経験の蓄積と正しい知識の学習が促され品質力が増し、プロ人財スキルが醸成される(好循環)

Ⅰ7

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Ⅱ求められるQAの需要変化と課題

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2つの外的環境の『変化』による

求められるQAの需要変化と課題

緊急課題

伝統技術を守りながらも事業環境の変化に追従できるQAの育成が必要!

現状専門知識と業務経験をあわせ持つベテランQA(匠/職人)は育成に時間がかかる。

IoTやAIの技術普及によりあらゆるモノにソフトウェアが活用され、求められる品質は急激に多様化。

変化

① 要求品質の多様化 組織変更・異動・転職

会社は事業環境のめまぐるしい変化への俊敏な対応、社員は自分らしい働き方のため、組織は短期間に変化。

変化

Ⅱ9

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2つの外的環境の『変化』による

求められるQAの需要変化と課題

品質力 知識 経験研ぎ澄まされた

五感

■後進に継承する伝統的技術とは

経験量

知識量

ベテラン(高品質力人財)

経験量

知識量

後進(ターゲット)

品質力を高めるための経験

ソフトウェア開発において継承すべきは属人的なやり方でなく、品質力を高めるための経験

Ⅱ10

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「アーリーアダプター」を人選!品証(QA)部門に求められる要求変化は著しいため、「変化」に対応しやすく、集団に影響を与えられるアーリーアダプターを人選することも大切。

■ 人選基準はあるのか?

「品証(QA)」部門を育成!開発現場(組織)には「高品質力人財」による8期で定義した「品質文化醸成モデル」にて組織育成が成されるため、まずは品証(QA)

部門を育成する。

■どの役割の人物がよいか?

QA 開発

QA ◎ △開発 〇 △

教える側

教わる側

誰を育成するかターゲットを明確にする。

(※1) E.M. Rogers,青池愼一・宇野善康,イノベーション普及学,1990年, 産能大学出版部

前提条件

2つの外的環境の『変化』による

求められるQAの需要変化と課題

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Ⅱレビュー 技術力 プロセス監査 テスト技法 資格習得 報告書作成

洞察力 説得力 コミュニケーション力 経営者視点 調整力 傾聴力

交渉力 ルール遵守 ファシリテーション 推進力 構築力 次の一手

客先報告 器 ガジェット力 好奇心 データ分析 アブダクション

見える化 嗅覚 立て直し 分析力 名推理 指導力 怯まない度胸

統率力 忍耐力 問題解決 積極性 能動的姿勢 マネジメント

提案力 HUB力 プレゼン技術 理解力 意思の強さ 許容力

トラブル予兆 力量把握 判断力 IT知識 決断力 フィードバック

2つの外的環境の『変化』による

求められるQAの需要変化と課題

前提条件 QAに必要とされる経験・スキルはたくさんある。

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Ⅲ高品質力人財の短期育成でやっていること

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Ⅲスキルなど 獲得手段

レビュー 公式レビューへレビュアーとして参加して実践を経験しながら、レビュー能力の高い人のノウハウを目で見て学ぶの、積み重ね

報告書作成 客先報告書を自身が作る。報告書作成能力の高い人にどこがどの様に問題かをレビューで指摘してもらう、積み重ね

調整力・傾聴力 開発PL・PM、企画(事業)、スポンサーなど利害関係者とのやり取りの経験を明確な指標もなく何年も積ませることで、やり方を習得する

不具合の勘所 個人の能力・経験にまかせていてOJTで身につくだろうと根拠のない期待

怯まない度胸 資質と経験

忍耐力 火消しプロジェクトや高難易度プロジェクトに放り込み、修羅場をくぐり抜けたという成功体験を得られることから自信へ転化

意志の強さ 長いものに巻かれないQAとしての信念と気概

: :

ベテランQAはどうやってスキルをつけてきたか?

高品質力人財の短期育成でやっていること

従来

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社内のベテランQA・ QAの先人たちの多くの経験が

高品質力人財の短期育成でやっていること

経験量

知識量

ベテラン(高品質力人財)

経験量

知識量

後進(ターゲット)

社内ノウハウ

チェックリストノウハウ集

…etc

外部ノウハウ

品質保証部長の会 6期ソフトウェア品質保証の肝

…etc

形式知化後進に伝えたい経験やスキルを

形式知化 されたものを利用している

近年

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自分の経験によって

五感を磨く

自分の経験から学ぶ

時間

形式知化された経験

■近年は社内や世の中にあふれる形式知化されたものを利用しながら、後進を効率よく育成しようとしている。

同じ時間をかけずに短期育成できる

高品質力人財の短期育成でやっていること

短縮

従来

近年

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狙ったほど効率化できていない、スキルが伸びていない(ように思える…)

ただ実際には

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What(何を)

ソフトウェア品質保証の肝

品質保証部長の会 6期

・・・etc

How(どうやって)

関心を引き出し知りたいと思う場を意識的に醸成することが大切

教え方のノウハウ

場を醸成するノウハウ

社内ノウハウ

高品質力人財の短期育成でやっていることⅢ17

そもそも

無関心受動的

正直興味ないなぁ

知りたい!

関心主体的

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では関心を引き出し知りたいと思う場は、どうすれば醸成できるのか?

このHowもすでに「パターン」が存在する。それを活用してみよう!

課題

対策

今回は私たちが参考にした『場を醸成するノウハウ』となるパターンの一例をご紹介。

高品質力人財の短期育成でやっていることⅢ18

組織の共通性をパターン言語化した

「Fearless Change アジャイルに効くアイデアを組織に広めるための48のパターン」

マリリン マンズ (著)

を部下への伝承に活用しよう。

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Ⅳパターンを用いた高速伝承

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パターンを用いた高速伝承Ⅳ■パターンランゲージとは・・・

“デザインの知(問題発見+問題解決の知) ”を記述した言語どのような「状況」でどのような「問題」が生じ,それをどう「解決」すればよいのかという知見・発想を記述したもの。

慶應義塾大学総合政策学部准教授 井庭 崇『「パターンランゲージ 3.0:新しい対象×新しい使い方×新しい作り方」(1) 』

“建築”デザイン橋渡し

“ソフトウェア”デザイン差を埋める

“人間行為”デザイン経験をつなぐ

『48のパターン』は3.0に該当

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Ⅳ パターンを用いた高速伝承

1. エヴァンジェリスト2. 小さな成功3. ステップバイステップ4. 予備調査5. ふりかえりの時間6. 協力を求める7. ブラウンバック・ミーティング8. コネクター9. 何か食べながら10. 電子フォーラム11. アーリーアダプター12. 外部のお墨付き13. グループのアイデンティティ14. 達人を味方に15. 空間を演出する16. イノベーター

17. やってみる18. 感謝を伝える19. 次のアクション20. 個人的な接触21. 便乗22. 種をまく23. 適切な時期24. 定期的な連絡25. 勉強会26. テイラーメイド27. 著名人を招く28. 経営層の支持者29. 正式な推進担当者30. アーリーマジョリティ31. 達人のレビュー32. 体験談の共有

33. みんなを巻き込む34. ちょうど十分35. 身近な支援者36. 場所重要37. メンター38. 謁見39. 相談できる同士40. 成功の匂い41. 勢いの持続42. トークン43. 橋渡し役44. 懐疑派代表45. 根回し46. 恐れは無用47. お試し期間48. 将軍の耳元でささやく

新しいアイデアを導入することで組織変革を与える手法(How)をパターンとしてまとめたもの。

■『アジャイルに効くアイデアを組織に広めるための48のパターン』とは…

パターン名

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同じWhatに対して、Howを変えるだけで、参加者の意欲・姿勢が変わった!!!

■パターンを用いた実際の伝承例

What(何を)

客先への障害報告のナレッジ展開

How(どうやって)

Ⅳ パターンを用いた高速伝承

22

無関心受動的

受けたくない

講義

関心主体的

何か食べながら(9)

「Fearless Change アジャイルに効くアイデアを組織に広めるための48のパターン」

※()はパターン番号

気軽に聞ける!

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Ⅳ パターンを用いた高速伝承

■伝承(How)するためのパターン利用例 -その①-

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経験名 実効的なレビューを行う力

What(何を)

レビューの心得プロジェクトを前に進める、よい成果物を作ることを前提に建設的なレビューをするようのぞむこと。 …etc

How(パターン名)

外部のお墨付き(12)達人を味方に(14) …etc

パターンの具体例 達人を味方に(14)

社内のシニアエンジニアにレビューアをお願いし、不足している観点を補完してもらい、レビュ観点書に漏れている観点を追加する。

外部のお墨付き(12)外部(世の中)で活用されているPBR(Perspective-based Reading)を活用する。

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Ⅳ パターンを用いた高速伝承

■伝承(How)するためのパターン利用例 -その②-

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経験名 報告書を作成する力

What(何を)

報告書のフォーマットの活用

How(パターン名)

外部のお墨付き(12) 個人的な接触(20)勉強会(25) …etc

パターンの具体例

外部のお墨付き(12)/勉強会(25)文章構成を適切に記載をすることを学ぶセミナーで文章構成する力を磨き、社内においてその学んだことを勉強会として展開する。

報告書作成の手引きの活用 …etc

個人的な接触(20)部下の作成した報告書を回覧だけでなく、一対一で対面で確認することで報告書の内容フィードバックだけでなく、当人のやる気にも効果が生まれる。

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Ⅳ パターンを用いた高速伝承

■伝承(How)するためのパターン利用例 -その③-

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経験名 常に新しいもの(IT製品/動向)へ興味を示す好奇心

What(何を)

How(パターン名)

電子フォーラム(10) 勉強会(25)体験談の共有(32) …etc

パターンの具体例

電子フォーラム(10)新しい仕組みやツールを導入することを部門内で啓蒙する。

勉強会(25)/体験談の共有(32)外部コミュニティへの参加を上司自身が飛び出て参加すること,さらに部下を外のコミュニティへ参加させる。

シンポジウムへの参加(SQiPやJaSSTなど)

新しい技術(言語)やツールの活用 …etc

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Ⅴ活動のまとめ

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人財育成Gの第9期活動成果Ⅴ■第9期活動の成果

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後進の短期育成手段として、第8期で提唱した「個人に宿る品質力」をベテランがひっぱり上げる『品質力伝承プラクティス』を構築しました。

関心を引出し、知りたいと思わせる場をパターンを用いて醸成することを特徴とする品質力(経験)を高速に伝承する方法

品質力伝承プラクティスとは…

これにより、形式知化されたベテランQAの経験を後進に高速に伝承することができると我々は考えています。

人財育成の検討テーマや課題に今後も取り組んでいきます。①真の高品質力人財育成における時間というファクターの考察②品質力の伝播状況の計測 …etc

■今後の活動

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さいごに

何か食べながら(9)

高品質力人財の育成について一緒に話しましょう!

私たちの活動にご興味のある方は

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大場 充,松瀬 健司,堀田 勝美, ソフトウェアプロセス改善と組織学習―CMMを毒にするか?薬にするか? , 2003年, ソフト・リサーチ・センター

高間 邦男, 学習する組織 現場に変化のタネをまく, 2005年, 光文社

SQuBOK策定部会 (編集), ソフトウェア品質知識体系ガイド -SQuBOK Guide-(第2版), オーム社

E.M. Rogers,青池愼一・宇野善康,イノベーション普及学,1990年, 産能大学出版部

第6期ソフトウェア品質保証部長の会 肝検討チーム ,ソフトウェア品質保証の肝 ~ソフトウェア品質保証活動に潜む煩悩を取り払う108の肝~,2016年,SQiPソフトウェア品質保証部長の会

マリリン マンズ(著),リンダ・ライジング(著),川口 恭伸 (監訳), 木村 卓央,高江洲 睦,高橋一貴,中込 大祐,古家 朝子,安井 力, 山口 鉄平,米沢 仁,角 征典(訳),Fearless Change アジャイルに効く アイデアを組織に広めるための48のパターン,2014年,丸善出版

井庭 崇 「パターンランゲージ 3.0: 新しい対象 × 新しい使い方 × 新しい作り方」

参考文献

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