腹水濾過濃縮再静注法(Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy : CART)

市販後調査 最終報告主に癌性腹水における安全性と有効性について

日　時 2015年10月31日（土）11:50～12:50

座　長

演　者

菅野 仁 先生東京女子医科大学 輸血・細胞プロセシング部

　花房 規男 先生

東京大学医学部附属病院 腎疾患総合医療学講座・血液浄化療法部

会　場 川越プリンスホテル第3会場 3F「サファイアルーム」〒350-0043 埼玉県川越市新富町１-２２

第36回日本アフェレシス学会学術大会共催：

第36回日本アフェレシス学会学術大会ランチョンセミナー４

本セミナーにおける市販後調査は製造販売業者自主的な市販後調査のことを指します。

第36回日本アフェレシス学会学術大会

東京大学医学部附属病院 腎疾患総合医療学講座・血液浄化療法部花房 規男 先生Norio HanafusaDivision of Total Renal Care Medicine, The University of Tokyo Hospital

腹水濾過濃縮再静注法(Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy : CART)

市販後調査 最終報告～主に癌性腹水における安全性と有効性について～

　腹水濾過濃縮再静注法(CART)は、主に肝硬変における利尿剤抵抗性の腹水に対する治療法として行われてきた。近年、癌性腹水に対してもCARTが行われるようになり、緩和医療の観点から、その有効性に注目が集まってきている。しかし、CARTは1981年に保険適用取得後30年以上に渡って広く実施されているが、副作用発現頻度等が未だ明確になっていない。そこで2014年1月から約1年間、日常診療下で施行されたCARTの安全性、有効性に関する市販後調査が実施された。本調査は、難治性の腹水症（又は胸水症）を対象に、全国22施設の登録施設にて2014年1月から2015年1月末の期間内に147例356回の症例が集積された。患者情報として、原疾患および合併症、併用薬剤、CART施行前後の患者状態（PS、食事摂取状況）や尿量変化、血液中総蛋白質及びアルブミン濃度変化、副作用の内容と発現頻度等が集積された。また、濾過濃縮に関する情報として腹水濾過濃縮の施行条件、腹水の性状、濾過濃縮前後の腹水中総蛋白濃度及びアルブミン濃度変化、腹水濾過器および腹水濃縮器の不具合等が調査された。講演では、本調査の最終解析結果について報告し、CARTの使用実態や施行における注意点などを紹介する。

本講演の共同演者：石原知明（四日市消化器病センター 消化器・肝臓内科）、井上哲也（日田中央病院 外科）、石谷健（東京女子医科大学 産婦人科学講座）、槍澤大樹（東京女子医科大学 輸血・細胞プロセシング部）、山家敏彦（神奈川工科大学 工学部 臨床工学科）、伊藤哲也（日本赤十字社医療センター 緩和ケア科）、加藤道夫（加藤道夫肝臓内科クリニック）

Safety and Efficacy of Cell-free and Concentrated Ascites Reinfusion Therapy in Malignant Ascites : A Post-Marketing Surveillance Study

No.2015.9-0590本セミナーにおける市販後調査は製造販売業者自主的な市販後調査のことを指します。