8
֎ஷଂλϯΫͷجΛύΠϧυϥϑτجͱ ܭख๏ͷධՁʹΔௐ ౼ݕʢओڀݚʣʹ ৹෦ ⚑ɽΊʹ ֎ஷଂλϯΫͷجܗɺεϥϒجͳ Ͳͷجͱجߌͷ⚒ʹେผΕ·ɻ ύΠϧυϥϑτجͱশΕΔجͱ ߌجͷதతͳجܗɺͷಛΒӷঢ় ԽʹΔͷ؇߹ཧతͳઃܭՄ ͱߟΒΕ·ɻ ͷΑͳύΠϧυϥϑτجͷߟΛऔ ΓೖΕઃܭख๏Λɺ֎ஷଂλϯΫͷجʹ ద༻ΔͱՄͱͳΕɺΑΓ߹ཧతͳ ܭՄͱߟΒΕ·ɻߟͷ ͱΒɺڠձͰ֎ஷଂλϯΫͷجʹύ ΠϧυϥϑτجΛಋೖ߹ͷௐڀݚΛ ฏΑΓ։ɺύΠϧυϥϑτجʹ ΔڍಈΛѲΔΊͷ౼ݕΛߦ ·ɻ ɺຊௐڀݚͷऴͱҐஔɺ Ε·ͰͷௐʹڀݚΑΓಘΒΕݟΛ جʹɺ৽๏ج४ͱಉҎͷશอͰΔ ՄͷΔύΠϧυϥϑτجʹΔઃ ܭख๏ҊΛఆΔΊͷ౼ݕΛߦ·ɻ ߘͰɺຊௐڀݚͷՌΛͱΓ·ͱΊ جʹɺಘΒΕݟܭख๏ ҊͷཁʹղઆΔͱͱ·ɻ ⚑ʣɿʮ֎ஷଂλϯΫͷجΛύΠϧυϥϑτ جͱઃܭख๏ͷධՁʹΔௐ ڀݚʢฏ⚓ɺݥةอज़ڠձʣʯ ⚒ɽύΠϧυϥϑτجͱ ύΠϧυϥϑτجͱɺਤ⚑ͷதԝʹ ΑʹɺεϥϒجͳͲͷجʢਤ⚑ʣ ͱجߌʢਤ⚑ӈʣͷதతͳجܗͰɻ ಛఆ֎ஷଂλϯΫʹΔجߌͰɺ جεϥϒఈ໘ͷ൫ͷ߅Λແɺߗ ൫ʹΕߌͷͷΈͰ෦ߏ ͷՙॏΛΔʢߌʣઃܭߦΘΕ ·ɻ४ಛఆ֎ஷଂλϯΫͰɺߌͷ ଞʹɺߌߗ൫ʹΕߌͷຎ ߅ͰՙॏΛΔຎߌͷઃܭߦΘΕ Γɺͷ߹ʹجεϥϒఈ໘ͷ ߅Λແܭ·ɻ ύΠϧυϥϑτجɺΔఔͷ൫ͷ Safety ˍ Tomorrow No.170 ʢ2016.11ʣ48 ਤ⚑ جܗ

屋外貯蔵タンクの基礎をパイルドラフト基礎とした 設計手法 …...Safety&TomorrowNo.170(2016.11)50 図3 既設タンクの挙動計測概要図 9í 9î

  • Upload
    others

  • View
    5

  • Download
    0

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: 屋外貯蔵タンクの基礎をパイルドラフト基礎とした 設計手法 …...Safety&TomorrowNo.170(2016.11)50 図3 既設タンクの挙動計測概要図 9í 9î

屋外貯蔵タンクの基礎をパイルドラフト基礎とした設計手法の耐震性評価に関する調査検討(自主研究)について

土木審査部

1.はじめに屋外貯蔵タンクの基礎形式は、スラブ基礎な

どの直接基礎と杭基礎の2つに大別されます。パイルドラフト基礎と称される直接基礎と杭

基礎の中間的な基礎形式は、その特性から液状化等に関する問題の緩和や合理的な設計が可能と考えられています。このようなパイルドラフト基礎の考え方を取

り入れた設計手法を、屋外貯蔵タンクの基礎にも適用することが可能となれば、より合理的な設計が可能と考えられます。こうした考えのもとから、当協会では屋外貯蔵タンクの基礎にパイルドラフト基礎を導入した場合の調査研究を平成17年度より開始し、パイルドラフト基礎に関する地震時挙動を把握するための検討を行ってきました。昨年度は、本調査研究の最終年度と位置づけ、これまでの調査研究により得られた知見を基に、新法基準と同等以上の安全性が確保できる可能性のあるパイルドラフト基礎に関する設計手法案を策定するための検討を行いました。

本稿では、本調査研究の成果をとりまとめた報告書注1)に基づき、得られた知見や設計手法案の概要について解説することとします。注1):「屋外貯蔵タンクの基礎をパイルドラフト基

礎とした設計手法の耐震性評価に関する調査

研究(平成28年3月、危険物保安技術協会)」

2.パイルドラフト基礎とはパイルドラフト基礎とは、図1の中央に示すように、スラブ基礎などの直接基礎(図1左)と杭基礎(図1右)の中間的な基礎形式です。特定屋外貯蔵タンクにおける杭基礎では、基礎スラブ底面の地盤の抵抗力を無視して、硬い地盤に支持された杭の支持力のみで上部構造物等の荷重を支持する(支持杭)設計が行われています。準特定屋外貯蔵タンクでは、支持杭の他に、杭が硬い地盤に支持されず杭の摩擦抵抗だけで荷重を支持する摩擦杭の設計も行われており、この場合においても基礎スラブ底面の地盤抵抗力を無視して設計しています。パイルドラフト基礎は、ある程度の地盤の沈

Safety & Tomorrow No.170 (2016.11)48

図1 基礎形式

Page 2: 屋外貯蔵タンクの基礎をパイルドラフト基礎とした 設計手法 …...Safety&TomorrowNo.170(2016.11)50 図3 既設タンクの挙動計測概要図 9í 9î

下を許容し、ラフト(スラブ)底面の地盤の抵抗力が期待できる場合は、上部構造物等の荷重をラフトと杭が複合して抵抗する合理的な基礎形式と考えられています。また、パイルドラフト基礎は、液状化等に関する問題を緩和できる可能性を含んでいることから、液状化対策のための地盤改良を行うことが困難な狭小な敷地である場合においても、基礎構造の特徴を活かすことにより一定の支持機能を確保したタンクの建て替えが可能と考えられます。このように、直接基礎と杭基礎の設計手法を

併用したパイルドラフト基礎の考え方を屋外貯蔵タンク基礎の設計手法に取り入れることが可能となれば、より合理的な設計が可能と考えられます。

3.調査研究経緯と概要⑴ 調査研究の経緯本調査研究では、主に以下の3つの事項に関して実験等を重ね、検討を実施してきました。① 杭基礎を有した既設タンクの挙動計測② 遠心模型振動実験によるパイルドラフト基礎の地震時挙動把握③ 数値解析シミュレーションによるパイルドラフト基礎の地震時挙動把握平成17年度から開始した本調査研究の代表的な検討項目の経緯について以下に記すとともに、検討経緯のフローを図2に示します。初年度となる平成17年度は、パイルドラフト基礎に関する設計事例や文献・資料収集等を行い、設計を行う際の課題等を整理しました。平成19年度から本格的な実験等を開始し、平成19年度は、杭基礎を有した既設タンクを利用して、杭の挙動計測を実施しました。それと平行して、パイルドラフト基礎の地震時挙動を把

Safety & Tomorrow No.170 (2016.11)49

図2 検討経緯のフロー図

Page 3: 屋外貯蔵タンクの基礎をパイルドラフト基礎とした 設計手法 …...Safety&TomorrowNo.170(2016.11)50 図3 既設タンクの挙動計測概要図 9í 9î

握すべく遠心模型振動実験も開始し、実験ケースを替えながら、平成25年度まで検討を行ってきました。平成23年度と26年度は、遠心模型振動実験の

結果を再現すべく、数値解析シミュレーションによるパイルドラフト基礎の地震時挙動の検証解析を実施しました。昨年度は、これまで実施してきた実験等で得

られた知見を整理することにより、パイルドラフト基礎に関する設計手法案を策定しました。⑵ 調査研究の概要ここでは、前述の①~③の検討事項について、その検討内容と得られた知見の概要について説明します。① 杭基礎を有した既設タンクの挙動計測

本検討は、杭基礎を有した既設の特定タンクを利用して、水張り時に杭とラフト(スラブ)の鉛直荷重の分担率を把握することを目

的として実施しました。図3は、実験を行った既設タンクの基礎図です。実験では、杭頭部の地盤を掘り起こし、杭頭部に歪ゲージを設置した後埋め戻し、空液から満液状態になるまでタンクに注水を行いました。この間の液荷重の増加に伴う杭の軸力増分を計測することにより、常時における杭の挙動を把握しました。また同時に、基礎スラブの沈下量も計測しており、杭軸力と沈下量をフィッティングさせた逆解析により、ラフトと杭の荷重分担率を算定しました。② 遠心模型振動実験によるパイルドラフト基礎の地震時挙動把握本検討は、遠心模型振動実験により、タンク基礎に関する沈下性状や支持力性状等の地震時挙動を把握することを目的に実施しました。遠心模型振動実験とは、図4に示すような

Safety & Tomorrow No.170 (2016.11)50

図3 既設タンクの挙動計測概要図

Page 4: 屋外貯蔵タンクの基礎をパイルドラフト基礎とした 設計手法 …...Safety&TomorrowNo.170(2016.11)50 図3 既設タンクの挙動計測概要図 9í 9î

遠心装置に実物の1/ N に縮尺した小型模型をセットし、重力加速度の N 倍に相当する遠心力を与え、この遠心力下でさらに振動を加えることにより、地震時挙動等の把握を行うものです。模型のサイズや材質等の構造特性を十分把握し、入力地震動についても相似則を考慮する必要がありますが、この遠心模型振動実験は、実物大に相当する応力状態を再現することで、模型による実物対応の実験を行うことができる特徴があります。図5は実験に使用した模型図の一例です

が、基礎形式や地盤構成等の組み合わせを替えた模型を作成し、入力地震動も変化させて、合計10ケースについて遠心模型振動実験を実施しました。なお本検討では、層厚10mの地盤に容量300kL(直径及び高さ7m)相当のタンクが設置されていることを想定し、1/50縮尺で模型を作成しました。基礎形式は、スラブ基礎、パイルドラフト基礎及び杭基礎(支持杭)の3タイプとし、杭径は実物大で400mm 程度を想定しました。また地盤構成は、全層を液状化層としたケースの他、液状化層と非液状化層が混在する地盤ケースも作成し、このケースについては、液状化層の位置を変化させて実験を行いました。なお、図5は上層が非液状化層、下層が液状化層としたパイルドラフト基礎の実験ケースです。

③ 数値解析シミュレーションによるパイルドラフト基礎の地震時挙動把握本検討は、遠心模型振動実験によって把握されたパイルドラフト基礎の地震時挙動を解析的な観点から再現すべく、検証解析を実施しました。数値解析シミュレーションは、遠心模型振動実験の10ケースのうち、4ケースを対象として実施しました。平成23年度の検討では、平成19年度に実施した遠心模型振動実験のうち、全層液状化層とした地盤に、パイルドラフト基礎が設置された場合とスラブ基礎が設置された場合の2ケースを対象として解析を行いました。平成26年度は、平成25年度に実施した遠心模型振動実験のうち、上層を非液状化層、下層を液状化層とした地盤に、パイ

Safety & Tomorrow No.170 (2016.11)51

図4 遠心模型振動実験の概要図

図5 実験模型概要図(パイルドラフト基礎)

: 140

650

21

255

10kPa

10

20

25

80

A

A

A

P2

P4

PA

(Unit : mm)

A16

205

P

60

A

8 , Dr= 50%

A

A

P1

P3

650

60

:

60

1 2

3 4 5

6 7

10

20

65

20

A

45

45

A 30

515

0

215

60, Dr= 0%

80

Page 5: 屋外貯蔵タンクの基礎をパイルドラフト基礎とした 設計手法 …...Safety&TomorrowNo.170(2016.11)50 図3 既設タンクの挙動計測概要図 9í 9î

ルドラフト基礎が設置された場合とスラブ基礎が設置された場合の2ケースについて解析を行いました。このように、数値解析シミュレーションで

は、パイルドラフト基礎とスラブ基礎の2種類の基礎形式に関する地震時挙動のメカニズムを確認し、遠心模型振動実験結果で得られたパイルドラフト基礎の優位性を再現しました。シミュレーションの解析手法は、図6の一

例で示すように、加振直交方向の1/2断面でモデル化し、三次元有効応力動的解析により実施しました。以上の検討により得られた主な知見を、総

合的にまとめると次のとおりとなります。【上記検討項目①より】・既設タンクを利用した挙動計測実験により、ラフトの荷重分担率が25%程度あることが確認され、常時においては、鉛直荷重を杭とラフトで分担していることが明らかとなりました。

【上記検討項目②と③より】・パイルドラフト基礎における鉛直荷重分担率は、地盤構成に関わらず、加振直後に杭の分担率が上昇し、その後、地盤の液状化に伴いラフトの分担率が一時的に増加しますが、最終的には液状化前の荷重分担率に

回復することが確認されました。・地表部に非液状化層が存在し、PL注2)が5~15の一定の範囲であれば、パイルドラフト基礎はスラブ基礎に対して最大沈下量や不等沈下量を抑制する効果が確認されました。また、タンクのロッキング振動を抑制している効果も確認されました。

注2):液状化指数と呼ばれ、液状化の可能性の程

度を示した指標。一般的に次のように判定さ

れている。

PL=0(液状化の可能性は極めて低い)

0< PL≦5(液状化の可能性は低い)

5< PL≦15(液状化の可能性がやや高い)

15< PL(液状化の可能性が高い)

4.パイルドラフト基礎に関する設計手法案昨年度の検討において策定したパイルドラフト基礎に関する設計手法案は、杭基礎等に関する現行基準と比較しながら、パイルドラフト基礎の特性を活かした設計手法として、とりまとめることができました。調査研究報告書では、屋外貯蔵タンクにパイルドラフト基礎を適用する際の設計手法について、解説もまじえながら詳細に記載していますが、ここでは、設計手順と設計時のポイントについて簡単に解説することとします。また、設計のポイントの解説においては、基準の比較が

Safety & Tomorrow No.170 (2016.11)52

図6 解析最終時刻における残留変形と液状化程度

Page 6: 屋外貯蔵タンクの基礎をパイルドラフト基礎とした 設計手法 …...Safety&TomorrowNo.170(2016.11)50 図3 既設タンクの挙動計測概要図 9í 9î

できるよう、新法の特定タンクの基準を参考として記載しています。パイルドラフト基礎の設計手順を図7に示し

ます。① 地盤の液状化に関するポイント

液状化に対する安全性が確保できる地盤要件を次のとおりとしました。・地表面からの深さが20m以内の地盤における PL≦5

・基礎上面からの深さが3 m以内の地盤におけるFL注3)>1

これは、PL値5~15までの範囲であれば、

パイルドラフト基礎はスラブ基礎に対して不等沈下量等を抑制する効果が確認されたこと、また、地盤改良等でタンク基礎直下の地盤を液状化させないことでさらに不等沈下等の抑制効果が期待できると考えたことによるものです。上記地盤要件の確認には、標準貫入試験が必要であることとしました。なお、地盤の平面範囲は、タンク中心から、タンク半径に5 mを加えた距離を半径とした円の範囲内としました。【参考】新法・特定タンクの場合

:地表面から深さ15m 以内の地盤が液

Safety & Tomorrow No.170 (2016.11)53

図7 パイルドラフト基礎の設計手順

Page 7: 屋外貯蔵タンクの基礎をパイルドラフト基礎とした 設計手法 …...Safety&TomorrowNo.170(2016.11)50 図3 既設タンクの挙動計測概要図 9í 9î

状化しないこと(限界N値法)、かつ、基礎上面から3m以内の地盤が平板載荷試験において100MN/m3以上の堅固さを有するものであること。地盤の平面範囲は、タンク中心から、タンク半径に原則10m を加えた距離を半径とした円の範囲。

注3):液状化に対する抵抗率と呼ばれ、一般的に

次のように判定している。

FL≦1(液状化の可能性あり)

FL>1(液状化可能性が低い)

② ラフトの鉛直支持力に関するポイント常時におけるパイルドラフト基礎の鉛直支

持力の検討は、「建築基礎構造設計指針(2001年日本建築学会)」を基に、杭の抵抗を無視し、直接基礎と同様に扱うこととしました。支持力検討の際の安全率は1.0以上を確保することとしています。安全率を1.0以上としたのは、鉛直荷重に対しては、杭も荷重を分担している調査研究成果から得られた知見を基に、合理的な考えを取り入れたことによるものです。地震時における鉛直支持力の検討は、不要

としました。これは、上記①の地盤条件を満足すれば、不等沈下等に対する抑制効果が十分期待できると判断したためです。【参考】新法・特定タンクの直接基礎の場合

:常時の安全率は1.5以上。地震時の検討は不要。

③ 不等沈下に関するポイント常時における不等沈下の検討も、直接基礎

と同様に取り扱うこととし、上部構造物等の荷重を100%ラフトで受け持つ計算により行うこととしました。不等沈下量はタンクに悪影響を与えない軽微な量に抑えることとし、次の値以下にすることとしています。・タンク直径が15m未満のもの:0.05m以下

・タンク直径が15m以上のもの:タンク直径に対する不等沈下の割合が1/300以下地震時における不等沈下量の照査は不要としました。これは、上記②の理由と同じです。【参考】新法・特定タンクの直接基礎の場合

:常時の不等沈下量及び地震時の検討不要な件については、上記パイルドラフト基礎の場合と同じ。

④ 杭の鉛直支持力に関するポイント常時における杭の鉛直支持力の検討は、ラフトの抵抗を無視した従来の杭基礎の支持力検討と同様に取り扱うこととしました。ただし、杭の許容支持力の算出は、準特定タンクの設計手法の一つである杭先端の支持力を見込まない摩擦杭による方法としました。杭の支持力検討の際の安全率は1.0以上を確保することとしました。安全率を1.0以上としたのは、鉛直荷重に対して、ラフトも荷重分担している調査研究成果から得られた知見を取り入れたこと、また一方で、上部構造物の鉛直荷重に対しては、上記②のラフトでも検討していることを踏まえたことによるものです。地震時における鉛直支持力の検討は不要としました。これは、上記②の理由と同じです。【参考】新法・特定タンクの杭基礎の場合

:杭先端は硬い支持地盤に根入れされていることが必要とされ、許容支持力の算出方法は、杭先端支持力+周面摩擦力とされている。常時の安全率は3.0、地震時は2.0である。なお、準特定タンクにおける摩擦杭の安全率は常時4.0、地震時3.0である。

5.おわりにパイルドラフト基礎は、地盤の液状化をある程度許容(地表面から20mまでの PL値を5以下)するとしても地表部(基礎上面から3mま

Safety & Tomorrow No.170 (2016.11)54

Page 8: 屋外貯蔵タンクの基礎をパイルドラフト基礎とした 設計手法 …...Safety&TomorrowNo.170(2016.11)50 図3 既設タンクの挙動計測概要図 9í 9î

で)の液状化を許容しないことで、新法基準と同等の安全性を確保した合理的な設計を行うことが可能と考えられます。平成17年度より実施した本調査研究により、

パイルドラフト基礎に関する設計手法案をとりまとめることができましたが、今回提案した設計手法案は、これまでの一連の調査研究において設定した地盤条件、構造条件等により得られた知見であることから、あらゆる地盤条件等に対応したものではありません。本調査研究において想定していない地盤条件等にパイルドラフト基礎を適用できるか否かの判断については、更なる検討が必要と考えられます。

本稿は、パイルドラフト基礎に関する調査研究の概要説明としたため、10年間に渡る調査研究の成果及び設計手法案について、詳細に解説することができませんでしたが、本調査研究に関する詳細情報の希望やご質問がある方は、下記までお問い合わせいただければ幸いです。最後に、これまでの長い期間に渡り積極的にご協力いただきました東京工業大学大学院准教授の竹村次朗委員長はじめ、委員及び関係各位に厚く御礼を申し上げます。

問い合わせ先:危険物保安技術協会土木審査部TEL03-3436-2354/FAX03-3436-2252

Safety & Tomorrow No.170 (2016.11)55