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2017 1 18 博報堂金融マーケティングプロジェクト 「お金」に関する生活者意識調査 Vol.1 博報堂金融マーケティングプロジェクトは、FinTechによる金融分野でのテクノロジー進化が、生活者に 対して、どのような意識変化、行動変化をもたらすのかを分析するために、「決済」と「スマートフォン」を 軸とした「お金」に関する生活者意識調査を実施しました。 調査結果によると、1ヶ月あたりの使用金額の決済手段別比率は、依然「現金」決済が51.4%と半数 以上を占めるものの、「クレジットカード」21.6%、「ICカード」9.1%、「カードでのインターネット決済」8.5%「デビットカード」1.6%で、「カード決済」の合計も40.8%と4割程度を占めることがわかりました。 また、スマートフォンを利用した金融サービスの増加に伴い、「スマートフォンに財布機能を集約する意 向のある人」は31.4%と、モバイル決済普及への期待が見える結果となりました。特に、男性のスコアは 41.3%と、女性(20.2%)に比べて約2倍の高い利用意向があることがわかりました。 ただし、「スマートフォンでの支払いに情報流出リスクを感じる人」は全体の83.4%と多数を占め、今後 セキュリティ不安が普及における心理的な障壁になる可能性が見えてきました。同時に、そのうち、「高 セキュリティの決済サービスに魅力を感じる人」は73.3%であり、テクノロジーの進化により心理的な障壁 は取り除かれていくことも期待できる結果となりました。 また、本調査に付随して、「お金・テクノロジーに関する意識に基づくクラスター分析」を行い、新決済サ ービス普及の鍵となるクラスターの抽出も実施しています。その結果、「その場決済重視IT好き層」と「ポ イント好きネット決済マダム」と規定したクラスターが、普及の鍵となるアーリーアダプター層であることが わかりました。 金融業界は、FinTechの興隆に代表されるように、大きな変革期を迎え、様々な新しい商品・サービス が生み出されています。当プロジェクトでは、生活者がその変化をどのように捉えているかを把握し、金融 機関サービス提供者の中長期的なマーケティング戦略やビジネス刷新に向けたソリューションの提供を 行っていきます。 【調査概要】 実施時期: 2016 9 30 ()10 5 () 調査方法: インターネットリサーチ 対象者: 16 歳~69 歳男女 かつ 銀行口座保有者 かつ スマートフォン保有者 対象エリア: 全国 サンプル数: 3097 決済手段は依然「現金主流」だが、カード決済も 4 割程度。 スマートフォンに財布機能を集約する意向のある人は 31.4%。 <お問い合わせ先>博報堂広報室 朴・藤井 TEL03-6441-6161

博報堂金融マーケティングプロジェクト 「お金」に …2017/01/18  · 2017 年1 月18 日 博報堂金融マーケティングプロジェクト 「お金」に関する生活者意識調査Vol.1

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2017年 1月 18日

博報堂金融マーケティングプロジェクト 「お金」に関する生活者意識調査 Vol.1

博報堂金融マーケティングプロジェクトは、FinTechによる金融分野でのテクノロジー進化が、生活者に

対して、どのような意識変化、行動変化をもたらすのかを分析するために、「決済」と「スマートフォン」を

軸とした「お金」に関する生活者意識調査を実施しました。

調査結果によると、1ヶ月あたりの使用金額の決済手段別比率は、依然「現金」決済が51.4%と半数

以上を占めるものの、「クレジットカード」21.6%、「ICカード」9.1%、「カードでのインターネット決済」8.5%、

「デビットカード」1.6%で、「カード決済」の合計も40.8%と4割程度を占めることがわかりました。

また、スマートフォンを利用した金融サービスの増加に伴い、「スマートフォンに財布機能を集約する意

向のある人」は31.4%と、モバイル決済普及への期待が見える結果となりました。特に、男性のスコアは

41.3%と、女性(20.2%)に比べて約2倍の高い利用意向があることがわかりました。

ただし、「スマートフォンでの支払いに情報流出リスクを感じる人」は全体の83.4%と多数を占め、今後

セキュリティ不安が普及における心理的な障壁になる可能性が見えてきました。同時に、そのうち、「高

セキュリティの決済サービスに魅力を感じる人」は73.3%であり、テクノロジーの進化により心理的な障壁

は取り除かれていくことも期待できる結果となりました。

また、本調査に付随して、「お金・テクノロジーに関する意識に基づくクラスター分析」を行い、新決済サ

ービス普及の鍵となるクラスターの抽出も実施しています。その結果、「その場決済重視IT好き層」と「ポ

イント好きネット決済マダム」と規定したクラスターが、普及の鍵となるアーリーアダプター層であることが

わかりました。

金融業界は、FinTechの興隆に代表されるように、大きな変革期を迎え、様々な新しい商品・サービス

が生み出されています。当プロジェクトでは、生活者がその変化をどのように捉えているかを把握し、金融

機関サービス提供者の中長期的なマーケティング戦略やビジネス刷新に向けたソリューションの提供を

行っていきます。

【調査概要】

実施時期: 2016年 9月 30日(金)~10月 5日(水) 調査方法: インターネットリサーチ

対象者: 16 歳~69 歳男女 かつ 銀行口座保有者 かつ スマートフォン保有者

対象エリア: 全国 サンプル数: 3097

決済手段は依然「現金主流」だが、カード決済も 4割程度。

スマートフォンに財布機能を集約する意向のある人は 31.4%。

<お問い合わせ先>博報堂広報室 朴・藤井 (TEL:03-6441-6161)

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【主要参考データ】

<各決済手段使用金額の割合(1ヶ月間)>

■決済手段別の使用金額は依然として「現金主流」だがカード決済も 4割程度。

「現金」51.4%、「クレジットカード」21.6%、「ICカード」9.1%、「カードでのインターネット決済」8.5%、

「デビットカード」1.6%

Q.下記について 1 ヶ月あたりの使用金額を、合計を 100%とした場合の各割合をお知らせください。

※利用されていないものについては「0」とご記入ください。

<スマートフォン集約型サービス利用意向>

■スマートフォンに財布機能を集約する意向のある人は 31.4%。

男性のスコアは女性の約 2倍で 41.3%

Q. スマートフォンを下記のような使い方で、使ってみたいと思いますか。

「おサイフケータイなどの機能を利用し、スマートフォンに決済機能をつけ、財布機能と通信機能の全

てをスマートフォンに集約する」

全体 N=3,097

男性16-19歳 N=105

男性20代 N=303

男性30代 N=370

男性40代 N=327

男性50代 N=324

男性60代 N=214

女性16-19歳 N=146

女性20代 N=352

女性30代 N=365

女性40代 N=253

女性50代 N=212

女性60代 N=126

性年代

51.4

75.4

55.5

44.8

41.8

39.8

40.6

82.8

65.9

55.7

47.8

44.3

43.5

1.6

3.5

2.6

1.7

1.9

1.9

2.5

1.1

1.0

0.7

1.4

0.6

1.6

21.6

2.9

18.2

24.9

24.5

26.3

23.7

2.9

15.8

22.2

25.9

29.1

26.5

9.1

9.7

9.4

8.7

9.4

8.9

9.5

7.0

7.6

9.7

9.4

9.6

10.4

5.3

2.9

3.8

5.5

7.7

9.1

9.9

1.9

2.2

3.1

3.7

6.4

7.4

8.5

3.6

8.4

10.2

10.3

10.4

11.3

2.7

6.0

7.5

9.5

7.9

8.9

2.6

2.1

2.1

4.2

4.4

3.5

2.6

1.5

1.6

1.2

2.3

2.1

1.7

0% 20% 40% 60% 80% 100%

■現金 ■デビットカード ■クレジットカード ■電子マネーICカード ■インターネットバンキング ■カードでのインターネット決済 ■その他 ■

全体 N=3,097 31.4

男性 N=1,643 41.3

女性 N=1,454 20.2

利用意向計

(TOP3)

性別

3.9

5.8

1.7

9.5

13.3

5.2

18.0

22.2

13.3

32.9

27.5

39.1

21.1

18.9

23.6

14.6

12.2

17.2

0% 20% 40% 60% 80% 100%

■とても利用したい■やや利用したい ■どちらかと言うと利用したい■どちらかと言うと利用したくない ■あまり利用したくない■まったく利用したくない

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<スマートフォン支払いによるリスク感度>

■スマートフォンでの支払いに情報流出リスクを感じる人は全体の 83.4%。

Q. 以下の項目に関して、あなたの意識に最も近いものはなんですか。それぞれについてあてはまるもの

をお選びください。

「スマートフォンでの支払いは、外部に情報が流出するリスクがあると思う」

<高セキュリティサービスへの魅力度>

■高セキュリティの決済サービスに魅力を感じる人は全体の 72.6%。

情報流出リスクを感じる人の内、高セキュリティ決済サービスに魅力を感じる人は 73.3%

Q. 以下は新しい金融サービスに関する説明です。それぞれのサービスについて、どの程度魅力を感じま

したか。あてはまるものをお選びください。

「スマートフォン上にクレジットカード情報が残らない高セキュリティの決済サービス」

全体 N=3,097 83.4

男性 N=1,643 80.2

女性 N=1,454 87.0

リスク有計

(TOP3)

性別

23.2

19.7

27.1

27.2

24.7

30.1

33.0

35.8

29.8

11.0

12.7

9.1

3.6

4.7

2.4

2.0

2.5

1.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

■とてもあてはある ■ややあてはまる ■どちらかと言うとあてはまる■どちらかと言うとあてはまらない ■あまりあてはまらない ■まったくあてはまらない

全体 N=3,097 72.6

流出リスク感じる N=2,280 73.3

流出リスク感じない N=817 70.4

魅力有り計

(TOP3)

リスク感度

17.3

17.2

17.5

23.2

23.5

22.3

32.1

32.6

30.6

13.9

13.1

15.9

6.3

6.0

7.1

7.3

7.5

6.6

0% 20% 40% 60% 80% 100%

■とても魅力的である■やや魅力的である ■どちらかと言うと魅力的である■どちらかと言うと魅力的でない ■あまり魅力的でない ■まったく魅力的でない

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<お金・テクノロジーに関する意識に基づくクラスター分析>

■普及段階別の反応クラスターイメージ

■クラスター概要

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■各クラスターの分析項目例

前頁記載の 8 クラスターについて、下記の項目を用いて分析を行っています。

●属性

・性×年齢

・職業/職種(TOP5)

●決済実態

・決済手段(1 ヶ月の割合)

・収入/金融資産

●スマートフォン利用実態

・スマートフォンリテラシー/利用時間

・スマートフォンアプリ所有数/利用ジャンル数など

・月 10回以上利用アプリ(TOP3) など

●スマートフォン金融サービス利用実態

・支払いに関する意識

・金融/買物に関する意識 など

<博報堂金融マーケティングプロジェクトとは>

大きく変化している金融サービスの生活者への浸透と、金融サービス提供者の競争力を高めるために設

立された博報堂グループの専門プロジェクト。金融機関サービス提供者の中長期的なマーケティング戦

略やビジネス刷新に向けたソリューションの提供を行っていきます。

□具体的な活動内容(例):

①金融カテゴリーにおけるアクチュアルデータを活用した顧客分析スキームの開発

②OnetoOneマーケティング実践に向けたデータ基盤構築

③テクノロジーの進化に合わせた顧客体験設計

④お金にまつわる生活者の意識・行動変化を捉えたテーマ型調査の実施