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メイン・フレーズ 1 小節目。まずは親指と人差指を使う。 続いて、2 弦を親指でピッキングして…… 1 弦を人差指で鳴らす。右指が弦に触れないように注意! ウェザー・リポート 『8:30』 1978 年に行なわれたツアーの ライヴ盤。ジャコの縦横無尽に動 き回るフレージングと、緊張感溢 れるプレイがとにかくすさまじい。 ジャコ・パストリアス 『ジャコ・パストリアスの肖像 』 ジャコの 1st ソロ作。メロディ ックなソロから速弾き、さらにハ ーモニクス奏法など、革新的で多 彩なプレイが凝縮した 1 枚。 〜コラム 21〜 右指を少し浮かせて 弦に触れないように注意 ! ここでは、チューニング時に誰もが利用する ナチュラル・ハーモニクスを使 ったやや特殊な コード・プレイを練習しよう。メイン・フレーズ は、音を伸ばしながらポジション移動すること がポイントになるため、ピッキングに気をつけ なければならない。通常のフィンガー・ピッキン グでは、ピッキング後に振り抜いた指が低音 弦に当たってしまうことがある( このようにピッ キング後にミュートを掛けられることが指弾き の利点になるが、このフレーズでは逆に問題 点になってしまう)。よって、ピッキング後は、 指を少し浮かせて、弦に触れないように心掛 けよう(写真①)。和音の響きが命となる フレーズのため、音が途切れないように弾きこ なすべし! ハーモニクスを活用した コードを覚えよう ナチュラル・ハーモニクスと実音を活用した 代表的なコードを紹介しよう。 図1は4弦開放 と 3 弦開放を使 ったパターンだが、どれも 3 音 のみで構成されているため、コード・ネームの 解釈は分かれる( また、アンサンブルで考える と、 上物のギターなどによってコード・ネームが 変わることもある【 註 】 )。しかし、コードネー ムの一例として、ぜひ頭に入れておいてほし い。ナチュラル・ハーモニクスが出るフレットは、 基 本 的に 3( 少し 4 フレットに入ったくらいの 位置)・4・5・7・9・12などになる。したがって、 ナチュラル・ハーモニクスを活用するコードで使 えるルート音やコード・ネームは、それほど多く ないのでしっかり覚えよう。 著者・MASAKI、かく語りき ジャコ・パストリアス編 ジャコ・パストリアスは、“ ジャズ界のジミヘ ン ”と称されるほど革新的で、ロック・スピリッ ト溢れるベーシストだった。フレットレスであ りながらフレッテッドのようなフレーズ、ディ レイやディストーションなどのエフェクターを 大胆に使ったソロ、そして人工ハーモニクス 奏法など、ジャコのプレイにはどれも強烈な インパクトがある。ジャコを聴いたことがな い者は、まずはウェザー・リポートのライヴ盤 『 8:30 』の「 スラング」や、1st ソロ作に収 録 された「 トレイシーの肖像 」をチェックしてみ てほしい。エレクトリック・ベースの革命者の 魂を感じ取るのだ! 【 上物のギターなどによってコード・ネームが変わることもある】コード・ネームは、本来はバンド・アンサンブル全体を考慮して付けられる。しかし、譜面の見やすさなどを考えて、あえてテンション音などを省略することが多い。

著者・MASAKI、かく語りき ジャコ・パストリアス編メイン・フレーズ1小節目。まずは親指と人差指を使う。続いて、2弦を親指でピッキングして……

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  • メイン・フレーズ1小節目。まずは親指と人差指を使う。 続いて、2弦を親指でピッキングして……

    1弦を人差指で鳴らす。右指が弦に触れないように注意!

    ウェザー・リポート『8:30』 1978年に行なわれたツアーのライヴ盤。ジャコの縦横無尽に動き回るフレージングと、緊張感溢れるプレイがとにかくすさまじい。

    ジャコ・パストリアス『ジャコ・パストリアスの肖像』 ジャコの1stソロ作。メロディックなソロから速弾き、さらにハーモニクス奏法など、革新的で多彩なプレイが凝縮した1枚。

    〜コラム21〜

    右指を少し浮かせて弦に触れないように注意! ここでは、チューニング時に誰もが利用するナチュラル・ハーモニクスを使ったやや特殊なコード・プレイを練習しよう。メイン・フレーズは、音を伸ばしながらポジション移動することがポイントになるため、ピッキングに気をつけなければならない。通常のフィンガー・ピッキングでは、ピッキング後に振り抜いた指が低音弦に当たってしまうことがある(このようにピッキング後にミュートを掛けられることが指弾きの利点になるが、このフレーズでは逆に問題点になってしまう)。よって、ピッキング後は、指を少し浮かせて、弦に触れないように心掛けよう(写真①〜③)。和音の響きが命となるフレーズのため、音が途切れないように弾きこなすべし!

    ハーモニクスを活用したコードを覚えよう ナチュラル・ハーモニクスと実音を活用した代表的なコードを紹介しよう。図1は4弦開放と3弦開放を使ったパターンだが、どれも3音のみで構成されているため、コード・ネームの解釈は分かれる(また、アンサンブルで考えると、上物のギターなどによってコード・ネームが変わることもある【註】)。しかし、コードネームの一例として、ぜひ頭に入れておいてほしい。ナチュラル・ハーモニクスが出るフレットは、基本的に3(少し4フレットに入ったくらいの位置)・4・5・7・9・12などになる。したがって、ナチュラル・ハーモニクスを活用するコードで使えるルート音やコード・ネームは、それほど多くないのでしっかり覚えよう。

    著者・MASAKI、かく語りきジャコ・パストリアス編

     ジャコ・パストリアスは、“ジャズ界のジミヘン”と称されるほど革新的で、ロック・スピリット溢れるベーシストだった。フレットレスでありながらフレッテッドのようなフレーズ、ディレイやディストーションなどのエフェクターを大胆に使ったソロ、そして人工ハーモニクス奏法など、ジャコのプレイにはどれも強烈なインパクトがある。ジャコを聴いたことがない者は、まずはウェザー・リポートのライヴ盤

    『8:30』の「スラング」や、1stソロ作に収録された「トレイシーの肖像 」をチェックしてみてほしい。エレクトリック・ベースの革命者の魂を感じ取るのだ!

    【上物のギターなどによってコード・ネームが変わることもある】 コード・ネームは、本来はバンド・アンサンブル全体を考慮して付けられる。しかし、譜面の見やすさなどを考えて、あえてテンション音などを省略することが多い。