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まずは 4 弦を人差指でピッキングする。 弦跳び時に、親指を 4 弦上に移動させてミュート! 続いて、2 弦を薬指でピッキングして…… 最後に中指で 2 弦を鳴らそう。 〜コラム13 〜 3 フィンガーがフィットする リズム・パターンを確認せよ 8 分音符や16 分音符を主体にした偶数音フ レーズは、拍子ごとに指順が変わるため、3 フィンガーの最大の難関となる(図1)。逆に3 フィンガーがハマりやすいリズムもある。その 一例が梅フレーズのような 3 連符パターンだ( 3 連符は各 拍子が 3 音なので、3 フィンガーをス ムーズにフィットさせられる)。また、竹フレー ズのような、8 分 音 符と 16 分 音 符で構成され た通称 “ ズッズク”パターン【 註 】 も、1 拍が 3 音刻みになるため 3 フィンガーで弾きやすい。 したがって、3 フィンガーは、まず梅や竹のよ うなリズム・パターンで練習するとよいだろう。 また、複数弦フレーズより1 本弦フレーズの方 が、指順をシンプルに覚えることができるので オススメだ。 右手親指を的確に使って 弦跳びをクリアに演奏せよ ! いわゆるディスコ・ビート系パターンとなるメ イン・フレーズは、各拍子が 3 音刻みになるた め3フィンガーで弾きやすい。ただし、弦跳 びを多用するので、やや難易度が高いのだ。 ルート音を人差指、オクターブ上のルート音を 薬指→中指という流れでピッキングしていくが 写真①)、このような弦跳び時には、低 音弦のノイズが出やすいので、ミュートに気を 配る必要がある。人差指のピッキング後に弦 跳びする時に、右手親指をルート音の弦上に 移動させて、余計な振動を抑えるとよいだろ う。3 フィンガーはもちろん、右手親指にも意 識を持 って、クリアなサウンドを目指してほし い。 テクニックだけでは頂点には立てない!? 著者によるベース・ヒーロー考察 ベース・ヒーローの条件とは何か? それは 多数あるが、1つだけ確実に言えることは、所 属バンドの人気の大きさだ(どれだけ凄腕で も、それだけでは認知度は上がらない)。あ のビリー・シーンも、デイヴィッド・リー・ロス・バ ンドヘ参加したことや、MR.BIG で全米チャー ト1 位を獲得したことが大きかったと思う。も し彼の活動がタラスのみだったら、これほど 注目されることはなかったかもしれない。アイ アン・メイデンのスティーブ・ハリスや、ラッシュ のゲディー・リーもロック・ベース界のヒーロー だが、やはり所属バンドの人気も絶大だ。 【“ ズッズク”パターン】アイアン・メイデンを筆頭に、1980 年代に登場したヘヴィ・メタル・バンドが多用したリズム・パターン。リズムの構成が、1拍の中に 8 分音符 1個+16 分音符 2 個となっているのが特徴だ。 デイヴィッド・リー・ロス 『イート・エム・アンド・スマイル』 スティーヴ・ヴァイとビリー・シー ンによる“ 驚異の共演 ”を存分に 堪能できるハード・ロック/ヘヴィ・ メタルの名盤。 MR.BIG 『 MR.BIG 』 ビリー・シーンを中心に結成し た凄腕 4 人組の 1st 作。ブルース を基調にした、完成度の高いハー ド・ロック・サウンドを聴かせる。

テクニックだけでは頂点には立てない!? 著者によるベース ...rittor-music.co.jp/jigoku/drill/ba/01/56.pdfまずは4弦を人差指でピッキングする。 弦跳び時に、親指を4弦上に移動させてミュート!続いて、2弦を薬指でピッキングし

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Page 1: テクニックだけでは頂点には立てない!? 著者によるベース ...rittor-music.co.jp/jigoku/drill/ba/01/56.pdfまずは4弦を人差指でピッキングする。 弦跳び時に、親指を4弦上に移動させてミュート!続いて、2弦を薬指でピッキングし

まずは4弦を人差指でピッキングする。 弦跳び時に、親指を4弦上に移動させてミュート!

続いて、2弦を薬指でピッキングして…… 最後に中指で2弦を鳴らそう。

〜コラム13〜

3フィンガーがフィットするリズム・パターンを確認せよ 8分音符や16分音符を主体にした偶数音フレーズは、拍子ごとに指順が変わるため、3フィンガーの最大の難関となる(図1)。逆に3フィンガーがハマりやすいリズムもある。その一例が梅フレーズのような3連符パターンだ(3連符は各拍子が3音なので、3フィンガーをスムーズにフィットさせられる)。また、竹フレーズのような、8分音符と16分音符で構成された通称“ズッズク”パターン【註】も、1拍が3音刻みになるため3フィンガーで弾きやすい。したがって、3フィンガーは、まず梅や竹のようなリズム・パターンで練習するとよいだろう。また、複数弦フレーズより1本弦フレーズの方が、指順をシンプルに覚えることができるのでオススメだ。

右手親指を的確に使って弦跳びをクリアに演奏せよ! いわゆるディスコ・ビート系パターンとなるメイン・フレーズは、各拍子が3音刻みになるため3フィンガーで弾きやすい。ただし、弦跳びを多用するので、やや難易度が高いのだ。ルート音を人差指、オクターブ上のルート音を薬指→中指という流れでピッキングしていくが(写真①〜④)、このような弦跳び時には、低音弦のノイズが出やすいので、ミュートに気を配る必要がある。人差指のピッキング後に弦跳びする時に、右手親指をルート音の弦上に移動させて、余計な振動を抑えるとよいだろう。3フィンガーはもちろん、右手親指にも意識を持って、クリアなサウンドを目指してほしい。

テクニックだけでは頂点には立てない!?著者によるベース・ヒーロー考察

 ベース・ヒーローの条件とは何か? それは多数あるが、1つだけ確実に言えることは、所属バンドの人気の大きさだ(どれだけ凄腕でも、それだけでは認知度は上がらない)。あのビリー・シーンも、デイヴィッド・リー・ロス・バンドヘ参加したことや、MR.BIGで全米チャート1位を獲得したことが大きかったと思う。もし彼の活動がタラスのみだったら、これほど注目されることはなかったかもしれない。アイアン・メイデンのスティーブ・ハリスや、ラッシュのゲディー・リーもロック・ベース界のヒーローだが、やはり所属バンドの人気も絶大だ。

【“ズッズク”パターン】 アイアン・メイデンを筆頭に、1980年代に登場したヘヴィ・メタル・バンドが多用したリズム・パターン。リズムの構成が、1拍の中に8分音符1個+16分音符2個となっているのが特徴だ。

デイヴィッド・リー・ロス『イート・エム・アンド・スマイル』 スティーヴ・ヴァイとビリー・シーンによる“驚異の共演”を存分に堪能できるハード・ロック/ヘヴィ・メタルの名盤。

MR.BIG『MR.BIG』 ビリー・シーンを中心に結成した凄腕4人組の1st作。ブルースを基調にした、完成度の高いハード・ロック・サウンドを聴かせる。