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科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 バイオリソース整備戦略作業部会(第7回) 議事録 1 日時 平成 22 年 11 月 26 日(金)13:00~15:00 2 場所 文部科学省 旧文部省庁舎2階 第2会議室 3 出席者 (委員)小原主査、小幡副主査、漆原委員、岡田委員、笠井委員、勝木委員、 河瀨委員、城石委員、鈴木委員、田畑委員、増井委員 (事務局)倉持研究振興局長、石井ライフサイエンス課長、 田中ゲノム研究企画調整官、河野生命科学専門官、三上生命科学研究係長 4 議事 1.個別リソースからのヒアリング実施について 2.今後の議論の進め方について 3.その他 5 配付資料 資料1 ナショナルバイオリソースプロジェクト各リソースからのヒアリング状況につ いて 資料2 現時点での各リソースからのヒアリング回答資料 資料3 バイオリソース整備戦略に係る調査の考え方(たたき台) 参考資料1 整備すべきバイオリソースの分類毎の現状、目指すべき方向性と評価指 標(案)(第 6 回・資料2) 参考資料2 今後のバイオリソース整備のあり方について(報告書)(案) (第 6 回・資料3) 参考資料3 生物多様性条約第 10 回締約国会議(COP10)結果概要 机上参考資料: ナショナルバイオリソースプロジェクトパンフレット ナショナルバイオリソースプロジェクト評価報告書(平成 22 年1月ナショナルバイオリソー スプロジェクト評価委員会) バイオリソース整備戦略のための報告書(平成 18 6 28 ) -1-

議事録科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 バイオリソース整備戦略作業部会(第7回) 議事録 1 日時

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Page 1: 議事録科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 バイオリソース整備戦略作業部会(第7回) 議事録 1 日時

科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会

ライフサイエンス委員会 バイオリソース整備戦略作業部会(第7回)

議事録

1 日時 平成 22 年 11 月 26 日(金)13:00~15:00

2 場所 文部科学省 旧文部省庁舎2階 第2会議室

3 出席者

(委員)小原主査、小幡副主査、漆原委員、岡田委員、笠井委員、勝木委員、

河瀨委員、城石委員、鈴木委員、田畑委員、増井委員

(事務局)倉持研究振興局長、石井ライフサイエンス課長、

田中ゲノム研究企画調整官、河野生命科学専門官、三上生命科学研究係長

4 議事

1.個別リソースからのヒアリング実施について

2.今後の議論の進め方について

3.その他

5 配付資料

資料1 ナショナルバイオリソースプロジェクト各リソースからのヒアリング状況につ

いて

資料2 現時点での各リソースからのヒアリング回答資料

資料3 バイオリソース整備戦略に係る調査の考え方(たたき台)

参考資料1 整備すべきバイオリソースの分類毎の現状、目指すべき方向性と評価指

標(案)(第 6回・資料2)

参考資料2 今後のバイオリソース整備のあり方について(報告書)(案)

(第 6回・資料3)

参考資料3 生物多様性条約第 10回締約国会議(COP10)結果概要

机上参考資料:

1 ナショナルバイオリソースプロジェクトパンフレット

2 ナショナルバイオリソースプロジェクト評価報告書(平成 22年1月ナショナルバイオリソー

スプロジェクト評価委員会)

3 バイオリソース整備戦略のための報告書(平成 18年 6月 28日)

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4 知的基盤整備計画

5 知的基盤整備計画について

6 新たなライフサイエンス研究の構築と展開-第 4 期科学技術基本計画におけるラ

イフサイエンス研究の基本的方向-(中間とりまとめ)(平成 21年 12月 7日ライ

フサイエンス委員会)

6 議事

【小原主査】 定刻となりましたので、ただいまから第7回のバイオリソース整備戦略作

業部会を開会いたします。本日は大変お忙しいところお集まりいただきましてありがとう

ございます。

本題に入る前に、事務局から異動があったということで、ご紹介いただけますか。

【河野生命科学専門官】 それでは、事務局で異動がございましたのでご紹介いたしま

す。局長が倉持局長にかわってございます。

【倉持研究振興局長】 よろしくお願い申し上げます。

【河野生命科学専門官】 本日は欠席でございますが、審議官が戸渡に異動してござい

ます。また、ライフサイエンス課でございますが、調整官に田中が着任してございます。

【田中調整官】 田中でございます。よろしくお願いします。

【河野生命科学専門官】 また、課長補佐で釜井が着任してございますが、本日は欠席

でございます。

それでは、倉持局長から一言あいさついたします。

【倉持研究振興局長】 恐縮でございます。先生方におかれましては、本当にバイオリ

ソースの問題でご尽力いただきましてまことにありがとうございます。

実は7月30日ということで、もう大分たってしまいましたが、磯田前局長の後を継がせて

いただくことになりました。それまでも審議官をやらせていただいていましたので、ここ

でのご議論というのは十分承ってきました。

着任以降、いろいろ概算要求とか政策コンテストとか事業仕分けだとか、相変わらずそ

ういう部分が多くて、本当にきちんと政策を議論して練り上げるという部分について、な

かなか私自身、かめない状況が続いておりますが、このバイオリソースというのは、これ

からのライフサイエンスの質の高い研究をやっていく上で本当に大事な部分だというふう

に思っております。

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Page 3: 議事録科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 バイオリソース整備戦略作業部会(第7回) 議事録 1 日時

ただ、周りから見ていると、いろいろな行革の議論とか利用料金を取れないのかとか、

全く別の観点からの議論がどうも先行するということもありまして、去年の事業仕分けも

ございましたが、まだそういう部分を引きずっている部分がございます。

もとより、政策的には冒頭申し上げましたように、基盤の重要性ということで、基本計

画であるとか知的基盤整備計画とか、そういうところできちんと議論をしていただいて、

それぞれにその担当の拠点もつくっていただきながらやっているわけでございますが、や

はり今はなかなかそういう部分の、いわば外に見えにくい、本当にこの基盤のところとい

うものの価値をどう発信して理解していただくか。そこについて、本当に大きな大きな課

題であると思っております。

いずれにしましても、こういう取り組みの重要性、必要性について理解を得ていく上で、

ある意味、今まではどちらかというと世界の常識はこうですよと言って、追いつきましょ

う、という形で議論をしてきた傾向がやや強かったわけですが、今は納税者に対して、こ

ういう部分で一体何ができているのかとか、少なくともどう進んでいるのかとか、そうい

った部分について、あるいはこういうところで努力することによって何を目指しているの

かということを、もっともっと我々も説明をしていかなければいけないのだなと思ってい

るところでございます。

今回、また第4期への科学技術基本計画への対応も含め、この問題について引き続き先生

方のいろいろなご議論、お知恵をお借りしながらやっていくわけですが、そういったこと

について、今の状況を踏まえながら、我々として精いっぱい努力していきたいと思ってお

りますので、どうぞ引き続き闊達なご議論をいただきましてご指導賜りますよう、ちょっ

と就任してから時間が経ってしまいましたが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

【小原主査】 どうもありがとうございました。引き続きどうぞよろしくお願いいたし

ます。

では、引き続きまして、事務局から本日の出欠の確認と、議題及び進め方についてのご

説明をお願いできますか。

【河野生命科学専門官】 それでは、出席者の確認でございます。本日は飯島委員、甲

斐委員がご欠席でございます。鈴木先生はまだ連絡がないのですが、もしかしたら後ほど

ご出席いただけると思います。

あわせて、本日の議題でございます。次第に書いているとおりでございますが、個別リ

ソースからのヒアリングの実施についてということと、今後の議論の進め方について。3

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Page 4: 議事録科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 バイオリソース整備戦略作業部会(第7回) 議事録 1 日時

としてその他でございます。

資料につきましては、1枚めくっていただきますと資料1、「ナショナルバイオリソースプ

ロジェクト各リソースからのヒアリングの状況について」。資料2としまして、ファイルに

とじてございますが、各リソースからの調査票の回答でございます。その後に資料2としま

して、「バイオリソース整備戦略に係るヒアリング調査の概要(取りまとめ様式案)」とい

うもの。あと、参考資料1としまして、「整備すべきバイオリソースの分類ごとの現状、目

指すべき方向性と評価指標(案)」、参考資料2としまして「今後のバイオリソース整備のあ

り方について」。また参考資料3としまして、前回のCOP10の結果についてというところで、

別紙が何点かついてございます。

それと、一番最後に、一枚ものでございますが、小幡委員からの提案ということで、「NBRP

中核機関の現状分析と論点整理」ということで机上資料として配付させていただいており

ます。

以上でございます。

【小原主査】 どうもありがとうございました。よろしいでしょうか。

では、早速議題に入りたいと思います。議題1は、個別リソースからのヒアリング実施で

すね。前回の部会からは時間が経ちましたが、その間に次へ向けて、各リソースからのヒ

アリングを実施してきているんですよね。そのことに関してでございます。

これは基礎資料といいますか、非常に多様なリソースということの実態を踏まえた上で

やっていかなければいけないということで、非常に重要なことだと思いますが、そこから

ご説明いただけますか。

【河野生命科学専門官】 はい。お手元の資料1でございます。各リソースからのヒアリ

ング状況についてまとめてございます。

ただいま主査からご説明がございましたとおり、本年9月6日、東京コンファレンスセン

ター品川におきまして、中核拠点整備プログラム会議ということで、今回のヒアリングの

趣旨等について各リソースの先生方にお集まりいただき、説明させていただきました。

目的としては、今回バイオリソース整備戦略作業部会において、今後のバイオリソース

整備のあり方について検討が重ねられてきているという状況のご説明と、あとは各実施機

関に対して、今後どういった方向に向かうべきかという点について調査票を作成願いたい

ということをご説明しています。

また、今後のリソースについて、バイオリソース整備戦略に必要な課題を抽出するとい

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Page 5: 議事録科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 バイオリソース整備戦略作業部会(第7回) 議事録 1 日時

うことを目的として、ライフサイエンス課におきまして、各リソースの運営状況、今後の

事業推進戦略について、ヒアリングを実施したというところでございます。

ヒアリングの内容については、2番のところでございますが、1)のところで、将来的に

目指すべきリソース機関の姿、利用者コミュニティの姿、ロードマップ等に関する将来目

標。これは、2年3年というよりは、より将来の目指すべきところということで10年から20

年程度先を想定して書いていただきたいということをお願いしてございます。

個別の内容については1番から5番まで書いてございます。将来目標においてどのような

ものを描いているかというところ、または各分担機関との関係や、将来的な第3期に向けて

の具体的な活動内容といった点について書いていただきたいというところでございます。

2)でございます。第2期の事業実施等の状況について。平成19年から22年度の過去4カ年

分の事業実績及び最終年度となる平成23年度の改善等の予定。3)で、これまでの各年度の

事業計画。4)で、人材育成。5)で、裏のページになりますが、各運営委員会との連携、

コミュニティの意見を取り上げているかということについても記載をいただきたいという

ことでございます。

資料については、お配りしている資料2、ファイルでちょっと厚い資料になってございま

すが、それぞれ提出されてございます。この資料をもとに、今月11月2日から24日まで、全

27リソースについてヒアリングを実施しております。

なお、今回お配りした資料の中で、実は11月24日、最終日、ちょうど2日前にヒアリング

を実施した課題につきましては、まだ一部修正等もあるということで、今回の資料2のファ

イルの中には入れてございません。また後ほど、提出がございましたら追加でお渡しした

いと思います。

こういったヒアリング内容等、こちらのほうでまとめまして、できれば早目に先生方に

お知らせしたいと考えております。できれば次回の戦略部会に、回答内容も含め提出する

ということを考えております。

以上でございます。

【田中調整官】 続きまして、資料2のほうも私のほうから。一応、私どももほぼ今月い

っぱいかけまして、資料を提出させていただきましたので、正式な取りまとめにつきまし

ては、今、河野が申し上げましたように、事務局でさらに精査の上、分析などを加えて、

今後の戦略部会での議論に対応できますように整理をしていきたいと考えておりますが、

いかんせん、これをごらんいただきますと、24日まで聞いておきましたので、ちょっとそ

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ういった体系的な整理がまだできておりません。

ただ、一応、ヒアリングを行いましたので、幾つか私どものほうで気づきといいますか、

ポイント的なところを事務局のほうでご説明させていただければと考えております。

それで、赤いほうの資料の取りまとめ、ばらばらと見えますが、お手元にリソースプロ

ジェクトのパンフレットがありますが、これをめくっていただきますと、ローマ数字で1、

2ということで目次がついておりますが、この順番で資料のほうは並べてございます。

したがいまして、私の説明で、例えばホヤってどこだったかなというときは、こちらの

ほうでホヤの位置を見つけていただいて、前後のリソースのところで探していただくと。

本体的には目次をつけておけばよかったなということで、本当に申しわけないのですが、

一応この順番で並んでおりますので、適宜ご参考いただきながら場所を探していただけれ

ばと考えております。

今回、こういった形でお話を、私も8月から異動してきまして、このバイオリソース事業

の状況把握ということで大変勉強させていただきましたが、やはり先ほど主査のほうから

もお話がありましたように、非常にバイオリソースの置かれている現状であるとか、ある

いは将来に向けての展望であるとか活動の状況、極めて多種多様な状況にございまして、

こういったものをこれからどう評価をしていって、この事業をうまく進めていくのかとい

うことについて相当考えさせられたわけです。

やはり、そういったリソース間の温度差をどう酌み取っていくのか。場所によっては、

非常にいろいろと取り組まれて将来展望に向けて頑張っているところもあり、また一方で、

一体どういうところを頑張っていけばいいのかというところで非常に悩み抜いているリソ

ースもあるということ。また、そのリソースの置かれている状況が、研究というものはや

はり社会の状況と無関係ではありませんので、そういったいろいろな状況の変化をうまく

とらえているところもあれば、ちょっとそういった状況に対応できないところもありまし

て、今後これをどうくくっていくのかというところを考えながらお話を聞かせていただき

ました。

まず1つのポイントは、やはりこの事業、今後はやはり、国の補助事業としてやっており

ますが、継続的に実施をしていくということが1つの大きなポイントではないかと考えてお

ります。したがいまして、この事業そのものを行っている研究者に対する当該所属機関の

役割というものはやはり大きなものがあるだろうと考えております。

こういった視点から、所属組織のサポートとしてどのようなものが行われているかとい

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ったところで目を引きましたのが、ラットの場合は、このラットリソースセンターという

ものの構想を京都大学が持ちまして、そういったものの支援を考えているといったような

例。

また、今後の若手の育成という観点からいきますと、ショウジョウバエのリソースとミ

ヤコグサと大豆のリソースなのですが、これは遺伝資源キュレーター育成ワーキンググル

ープといったものを、それぞれ京都工芸繊維大学、宮崎大学といったところが、若手のリ

ソースの管理を行う研究者を育てていこうといった動きを見せて、こういったところから

リソースの今後を担っていく研究者を育てていこうといった組織的なサポートがありまし

た。こういったところも、他のところでどういう取り組みをしているのか、今後分析して

いきたいと思います。

また、やはりこの事業、先ほど局長からもありましたが、私どもも税金を使ってこうい

う事業をやっておりますので、こういった事業の成果というものをいかに対外的にアピー

ルしていくかといったときに、やはりこのNRBPの成果として出ている論文等、こういった

ものをどう把握していくのかということ。

これも、マウス等でも記載がありますように、MTAもちゃんとそういうものを記載して、

学会などでも啓発活動を行っていますということで行われているのですが、やはりなかな

か集まりが悪いといったような状況があります。

これに対しまして、幾つかのところでは、例えばラットのところですが、これは学術論

文を、いわゆるレフリーといったようなところに働きかけをしているといったような具体

的なやり方をしている。

また、ショウジョウバエだとかマウスだとか、このあたりはメーリングリストを、それ

ぞれ利用者のものをつくって、それで個別に強く働きかけている。

また、線虫のところでは、成果というところだけの報告ではなくて、現在解析中といっ

たことを定期的に求めていって、その解析中は10個まではいいと。それから11個目を求め

ることは許さない。だから早く結果を出して11個目をもらえるようにするといった、具体

的な行動を行っているところがあります。

また、アサガオのほうは、逆にコミュニティが小さいので、非常にそういった啓発活動

がやりやすく、すべて成果が集まっていますといったようなことを書かれていたところも

ありました。

次に、やはりこれも先ほど局長からもありましたが、常にコストパフォーマンスという

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ことをいろいろと私どもも言われていますが、これについても、なかなか私どものこの補

助金の性格が、いわゆる経済産業省だとかそういうところの経済活動に対する補助金では

ありませんので、そのあたり、費用対効果というものはどう考えるべきかといったような

ことについて、幾つかご指摘をいただいたリソースがあります。

例えばラットの場合ですが、こういったリソース提供事業で行っていると、例えばある

機関で新しく大学院生が入った、研究を始めたいということでラットのリソースを一から

組み立てると、2,000万円ぐらい実はかかると。それに対して、このラットのところから提

供を受けて実験をやれば40万円ぐらいで済むということで、差し引きすれば2,000万円近い

費用の、オールジャパンで見たときの費用対効果があるのだと。そういった具体的な試算

をいただいた例があります。

また、メダカの場合もやはり同じで、自分たちが今研究しているメーンのリソース以外

に、一時的にメダカを利用したいと。そういった利用の方法が最近増えているということ

で、そういった利用方法が今後増えていくということになれば、このナショナルバイオリ

ソース事業というものの位置づけが変わってくるのではないかといった指摘をいただいて

おります。

また、直接経済的なものではないのですが、藻類のほうからのご指摘なのですが、先ほ

ど申し上げましたようにABSの観点から、今後そういった遺伝資源の取り扱いというのは変

わってくるだろうということもありますので、やはり日本産の遺伝資源の登録と権利化を

積極的に行うために、GBIFのほうへの積極的な登録などを今進めておりますと。そういっ

た経済的な観点も少し書いていただいたようなご指摘もありました。

あと、直接経済とはちょっと結びつきにくいのですが、アサガオのほうからのご指摘で

は、民間がもうこの事業については、割に合わないということで撤退をしてしまったリソ

ース、ムラサキという品種らしいのですが、そういったものをこの事業が引き継ぐことに

よってコミュニティの危機を救ったようなことがあったと。このあたり、経済的な視点で

の民間運営の危険性といったものをご指摘いただいた部分があります。

また、その他、このリソース事業をめぐります、現在の一つ大きな社会的な状況の変化

といたしまして、幾つかの点が、動物愛護法との関係について言及をしていただいたもの

があります。

これはショウジョウバエ、カイコ、メダカのほうが直接書かれていたのですが、現在、

ご案内のとおり、哺乳類のリソースが、いわゆる3Rの観点から非常に使いにくくなってい

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Page 9: 議事録科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 バイオリソース整備戦略作業部会(第7回) 議事録 1 日時

る。また、環境省においても現在規制強化の方向で議論が進んでいるといった状況を踏ま

えて、哺乳類に実験をする前のスクリーニングとして、今申し上げましたショウジョウバ

エ、カイコ、メダカといったものの需要が現在非常に高まりつつあるといったことが、状

況の変化としてご報告をされたところです。

こういった点も含めて、マルチリソースの研究者についてどう対応していくのかといっ

たところについて、やはり幾つかのところが言及をされておりまして、そういった動物愛

護の観点だけではなく、研究費の観点からも、なかなか高いリソースにいきなり行くのは

大変なので、こういった非常にnナンバーが稼げる安いリソースということで、ショウジョ

ウバエ、メダカ、シロイヌナズナといったところを、逆にそういった高いリソースを使う

前のスクリーニングに、nナンバーを増やすのに使うような事例が最近増えていて、さっき

言ったところが、やはり一から自分のところでリソースをつくり直すよりは、このナショ

ナルバイオリソース事業のほうから簡単に質の高いリソースが手に入るといったところで

需要が伸びてきている実態があるといったことのご報告をいただきました。

次に、分担機関の集約化といったところにつきましても、以前から非常に問題になって

おりましたので、私どもも何点か重点的に聞きましたところ、これにつきましてはそれぞ

れの機関で考え方を教えていただきましたが、幾つかのところについては、集約化につい

て検討して、一定の結論的なものをいただいたところがありました。

ショウジョウバエにつきましては、5年で分担機関を2。今後、その後の5年間で分担機関

を1にすべく、現在検討を進めているというところ。

また、線虫のところは分担機関はないのですが、理研BRCの活用によってバックアップを

していってもらえないかといったところ。これは同じくキクのほうも、分担機関でなけれ

ばバックアップできないというわけではないと。そのバックアップの適当な機関があれば、

分担機関を外して中核機関だけでやっていけるのではないかといったような意見がありま

して、このあたりは今後の議論の中で検討していくべき分野ではないかといったことを考

えさせていただきました。

また、イネのほうからは、将来的には2機関に持っていきたいのだけれど幾つか条件があ

るといったようなヒアリングの結果でして、これも今、私どもは分担機関に聞くときに、

できるかできないかという聞き方だけをしているのですが、逆にできないというときの聞

き方として、ではどういう条件がそろえば分担機関を集約化できるのかといったような聞

き方を、やはり今後考えていく必要があるのではないかということを少し考えております。

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また、病原微生物、これはもともとリソースの分類単位がいろいろと、1種のものもあれ

ば幾つかのものを統合的に1つの事業としてやっているものもありますので、もともとのリ

ソースの分類単位が集約化という観点からなじむのかといったようなご意見もありました

ので、そういった視点も今後持っていく必要があるのではないかと考えております。

次に、課金の話が少し出ました。課金後の影響についてご指摘をいただいたリソース機

関があります。

これは線虫のほうなのですが、運営協議会、委員会とかなり密接に連携をして、課金後

でも提供数に影響はありませんでしたと。そのあたり、コミュニティとリソース事業との

間の円滑なコミュニケーションをきちんとすることによって一定の理解が得られた事例で

はないかと考えております。

また、経費節減の努力ということで、これもやはり補助金事業として常に私どもも求め

ているのですが、カイコのほうが、これは中間報告のほうで宿題になっておりました卵巣

凍結保存法の開発が今のところ順調に進んでいて、そろそろ実用化できるのではないかと

いったようなご意見もありまして、それなりにそういった方面に努力をしていただいてい

る事例ではないかと考えております。

それと、戦略的リソースの計画的な整備。これはやはり私どもも今後この事業を継続的

に進めていく上におきまして、今だけではなくて将来の絵をどう描いて、一体どういうリ

ソース像をそれぞれの実施機関が考えているのかということ、やはりこのあたりは今回重

点的にお聞かせいただきました。これは当然、今、2期だけではなくて3期に向けて、ある

いは3期以降の絵というものを念頭に置きながら事業を進めませんと、将来につながってい

く予算をとっていくわけですから、なかなかそういった説明も難しいかなということでお

聞かせいただきまして、全般的には、遺伝情報等の付加価値を高めるような努力をして質

を高めていくといったようなお話は聞かせていただきました。

例えばトマトなどは、非常に将来像を明確にして、その時点で行うべき活動を着実に実

施し、また、その障害となる問題点を洗い出すといった作業まで体系的に行えているよう

な事例もありました。また、一般微生物であるとかヒト・動物細胞、これは組織の大きさ

というものもあるのでしょうが、品質管理という問題について、ISO9001の導入を図って、

要は国際的に認証されたような品質管理手法を用いることによって高い質を確保するんだ

と、そういった客観的な努力というか、そういうものを出していくといったようなところ

がありました。

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かなり駆け足でお話をさせていただきましたが、今申し上げたようなところも含めて、

後ほどこのヒアリング結果をどのようにまとめていくかということについて、次の議事で

ご議論させていただければと思います。雑駁ではございますが、以上で大体ヒアリングの

概況の説明でございます。ありがとうございました。

【小原主査】 どうも。ヒアリングの概況ですか。せめて項目ぐらいはちょっとメモが

あるとよかったかなと思いますが。

【田中調整官】 ちょっとまだ……。

【小原主査】 いや、わかっています。わかっていますけれど、ちょっと内容が盛りだ

くさんであったので。

どうですかね、多分、リソースのセンターの方々は、第3期への査定みたいな感じで皆さ

ん頑張ってこられたのではないかと思いますけれども。それはそれとして、もちろん第3

期に向けてやはり理論武装していかないといけないし、そのための材料をいただいて、当

然議論も必要なわけですけれども。

今の説明で、特段のご質問はありますか。

ここに書いてあるんですね。これは、最初に中核機関から提出されたものが束ねてある。

【田中調整官】 中核機関と運営委員会のほうで作成をしていただいて。

【小原主査】 こっちが実施機関でこっちが運営委員会ですよね。

【田中調整官】 そうですね。ただ、ヒアリングのときに私どものほうでいろいろと質

問をしたり、あるいはお話をした中でちょっとこれも書き足したいとか、これは修正した

いというところが何件かありましたので、そのあたりを修正してもらって出してもらった

ものもあれば、修正途中なのでまだ出したくないというところもありまして、そのあたり

は……。

【小原主査】 これ、1)、2)、3)、4)、5)というので書いてあるわけですね。最初がロ

ードマップ等の将来目標が掲げてあって、それに関して運営委員会と実施機関両方のあれ

が書いてあるわけですね。

【田中調整官】 はい。

【小原主査】 で、その次が第2期の、現在の状況がまとまっていて、あとは中間評価結

果等への対応とかもあると。それから、これまでの各年度内の事業計画について。あとは

人材育成というのはいろいろな意味がありますよね。本人が退職してしまうかもしれない。

後継ぎのこととか、若い人とかポスドクとかいうこともある。最後が運営委員会ですか。

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という形で、ページ数は各リソースで微妙に違っていますけれど、結構大部なものです

ね。一生懸命書いていただいているのですが、今の田中さんの説明だけに対して、とりあ

えず聞いておかないといけないことがありましたらお願いしたいと思います。

【漆原委員】 今のは、さっき概要ですかとおっしゃったのですが、全体を取りまとめ

てこういうことであるということなのか、例えばこういう例がありましたということなの

か。今お聞きしていたら、例えばという感じでよろしいですか。

【田中調整官】 ええ。あくまでも、本当に申しわけないのですが、精緻な分析はまた

次回お見せしたいと思いますし、また本日も、厚い資料をいきなりお渡ししましたので、

逐次またお目通しをいただいて次回以降の議論に反映させていければと思いますが、一応

私どものほうで、あくまでも例示として、お聞きした中で、現在議論をしているところに

かかってくるようなものが、目についたところをご紹介させていただいたということです。

【小原主査】 よろしいですか。

【勝木委員】 まとめるときの問題だとは思いますが、要するに、リソースにはそれぞ

れ個別性があります。それからもう1つは継続が必要だということです。リニューアルも必

要だということを最初におっしゃったのですが、学問をどう支えていくかというのが最大

の観点ですから。ちょっと言葉じりをとるようですが、気になるのは、例えば線虫やショ

ウジョウバエやカイコというようなところから、あまり費用がかからないものでスクリー

ニングが始まったという、それは間違いですね。明らかに、今の学問の水準からいうと、

ジェネラルなそういうものの中から出てくることがあって、そこを精緻に調べたことによ

ってマウスに移動し、ヒトに移動する。費用が掛からないからではないんですよ。学問の

必然性から普遍性の高い現象を扱いやすい材料から出発してるんですよ。安いからそうし

ているというような分析をされると、他のもそうしなくてはいけないというニュアンスに

素人には聞こえます。

それから、個別の例示のところで、さまざまな方法をやられているというのはやはり個

別に書くべきであって、それが全体の中でまねできないものもたくさんあるわけですよね。

むしろそっちのほうが費用がかかったりする。例えば動物愛護の観点から云々とおっしゃ

ったけれども、これはものすごく広くとらえられてしまいますから。今、環境省がやって

いるのを見ても、これは大変危険な状況にある。むしろ反科学かもしれないと私は思うぐ

らいで、学問の観点から批判する必要がある。数がどうとか経済的なことがどうとかいう

書き方をすると、大変誤解を招きます。分析は、お聞きになったことをよく理解されてい

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て、全体像をおつくりになるのを、私は聞いていて、大変な努力があったとするわけです

が、運営会議として報告をする場合には、次のことまで考える。しかも一番大事なことは、

個別性があって、いろいろなフェーズがあって、それはやはり学問的なフェーズであって。

例えばアサガオなどは、むしろ多様なものを持っているとゲノムで調べられるという、全

然違う重要性が出てきた。そういう学問的な観点がやはり前に出すべきだと思います。こ

れは我々の役目、小原さんの役目だと思いますけれども。それがちょっと引っかかりまし

たので感想として強く申し上げました。

ぜひその辺は、これが税金で使われているという話に必ずなりますので。お金でカウン

トできないところの重要性が学問にはあるものですから、ぜひよろしくお願い申し上げま

す。

【小原主査】 どうぞ。

【田中調整官】 まさに勝木先生、非常にご指摘どおりだと思います。そういった意味

で、私のほうもまだ議論を聞いて二、三日しかたっていないので、紙にするのはやはり先

生方のご意見をよく聞いてから、最終的な印刷物ということで出していこうということで、

きょうは口頭でのご説明とさせていただきましたが、今ご指摘をいただいたような点も含

め、分析のほうは進めさせていただきたいと思います。

また、ちょっと言い忘れたのですが、例えばアサガオのほうの話で、そういう状況で維

持していくべきリソースだということもあったのですが、そういったものが化けるような

事例も。例えば藻類などで、伝統的に集めてきたものが急に環境分野で需要が高まってき

たとか、そういった学問の流れみたいなものを、この評価の中にどう反映させていくのか

とか、また、次の議題3のほうでいろいろとご意見をいただきまして、今後の分析に役立た

せていただきたいと思います。

【小原主査】 他はいかがですか。

特に大事なことは将来ですよね。当面の喫緊の課題もたくさんあると思いますけれども、

この先をどうしていくのか。ロードマップとかいろいろ書いてあると思うのですが、どん

どん周辺状況が変わってきて、特にゲノム情報がどんどん出てくると、これまであったも

のが違う価値を生み出すとか、いろいろなことが起こっているんですよね。

さらに言うと、多分皆さん書いておられると思うのですが、やはり持っていることが大

事なので。これがこの事業の本質なのだけれど、それプラス、開発とは言わないですが、

新しい材料、新しい方向の情報を付加するということがものすごく大事だということは、

-13-

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皆さん書いておられるような気がするんです。

それを、ただ、予算はそんなに増えるわけではなくて、多分減るかもしれないというと

ころで、どういうふうに整備戦略をしていくのかというところの材料だと思うのですが。

そのあたりはヒアリングされてどうですか。それぞれフェーズが全部違うのだけれど、

向かっているところは学問、あるいは応用ですから。

【田中調整官】 そうです。やはり私たちも、俗に予算の話にどうしてもなってしまう

のですが、そういうものを要求する上において、それぞれのリソースが、この日本の学術

基盤としてどういう役割を果たしていっているのだろうかということを、よく念頭に置き

ながら考えていかなければいけない。

ただ、それは現時点だけの話ではなくて、将来的にそのリソースがどういうところを求

めていっているのだろう。そしてそれができ上がったときに、そのリソースの存在がやは

り日本にとって必然であるということをちゃんと示していくことが、予算の上で必要では

ないかと考えています。

したがいまして、今回お聞きした中で特に将来像をお聞きしたのは、そのリソースがど

ういうところを目指して頑張っていて、それが今、2期の事業の中にどう反映をされている

のか。そのベクトルがきちんとその将来像に向かってちゃんと伸びているのかどうか。そ

ういったことをきちんと示していくことが、やはり3期に向けていろいろと要求をしていく

ときの考え方として、こういう高みを目指してやっていくのだから2期はここまでと。だか

ら3期はここを目指していって、今、途中段階でこうなっているところを評価してほしいと。

そういった考え方で、これはそれぞれのリソースを一律にではなくて個別に評価していく

ことが必要だろうということで考えていまして、一応こういった資料で、散文的なところ

もありますから、そういった観点からもう一度整理をし直していきたいということで考え

ております。

【小原主査】 途中経過でもいいのですが、実際お聞きになってどんな感じでしたか。

むろん、いろいろあると思いますけれども。

【田中調整官】 そうですね、例えば提供数で見ればいいのかとかいろいろあるのです

が、それはやはりそのリソースが、例えば提供して5年もつものもあれば、随時提供してい

かねばならないようなものもあるので、やはりその絶対数同士を横ぐしでつなぐというの

はなかなか難しいのではないかなといった印象があります。ただ一方で、事業をやってい

る中で提供数が変化しているのかとか、そういったところを見ていかなければいけないと

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いうのが1つ。

もう1つは、やはりリソースの行き着く先が全部同じではないなと。例えば、もう世界的

な、一番先進のところになって、どんどんリソースをどこにも出していけるようなところ

を目指しているリソースもあれば、一定の手堅いコミュニティの中で、きちんと自分たち

の提供事業を継続してやっていくことが大事なリソースまで、将来像の行き着く先という

ものが、今は4段階ぐらいで分類をやっていますが、そういったところの絵姿をきちんとも

う一度、リソースのほうにも整理してもらいますが、私たちのほうでもよく話を聞いて、

どういった絵姿を目指していて、それが最終的に、さっき言いましたが日本の学術基盤と

して必須のものである、あるいは必然性があるのだといったことをきちんと、どうすれば

説明をしてもらえるのか、私たちもそういうことが対外的に言えるのか、そういったこと

はやはり考えていかなければいけないと考えています。

【小原主査】 どうでしょう。

【勝木委員】 だから、キクとしては、もちろん、こういう質問出されて、問題はやっ

ている人たちが本当にその学術基盤としてどうおもしろいものになりつつあるのか。当然、

やっている人たちは学問に目配りをしながらやっているわけですから、それが客観的な数

などに反映されるというだけではなくて、実感としてあるかどうかというのがやはり一番

大事なポイントなんです。それをインタビューで聞き出す。で、それを逆に数値化して説

明できるものに加工していくというのが、普通我々のやり方で。

学問ってそんなに、何か特徴を抽出しただけで何かができるわけではない。非常にアナ

ログ的なものが背景にある。まして将来像やその人のアクティビティということを見れば、

それはやはり自分たちではかるということが一番の大切なことです。

世界最高水準とよく言うけれど、そんなお化粧ばかりの話よりは、バイオリソースの場

合は、その辺を聞き出していく。で、もしかすると、本当に正直に言ってもらえば、もう

これは先細りで、むしろ収束に入ったほうが経済的にもいいというようなことを引き出し

ていくというのが我々の役目ではないかと。

第1期、第2期はそうではなくて、とにかく始める段階で、こういうシステムがなかった

わけで。しかし、最初につくったときには、マウスやシロイヌナズナを先頭にして、それ

を売り物にして制度をきっちりつくろうということで、そしていろいろなものを出してい

って、今はそれぞれが成長してきた段階ですから、3期には内容のあるものをインタビュー

するというのが、やはり重要ではないかと思いますけれども。

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石井さんが何か言いたそうだから、ちょっとこの辺でやめますけれど。

【石井ライフサイエンス課長】 よろしいでしょうか。非常に厳しいご指摘であり、か

つ今回のヒアリングの趣旨そのものをまさにご指摘いただいたのだと思っています。

第1期、第2期というのは、まさにご指摘のとおり、量、質という言葉は使っていても、

世界最高水準、1つのモデル、今先進性のあるマウス、シロイヌナズナとかをバイオリソー

スというのはこういうものだということで、ある種、皆に同じ姿を見ているかのように我々、

説明してやってきて、この場の議論も比較的総論のみに終始して、全体はそういうものだ

ということでやってきて、予算もある一定規模を維持するというやり方をして、あまり各

論に立ち入らないできたと。

ただ、先ほど小原先生からもお話があったように、むしろこれからいろいろ付加価値を

つけなければいけない、いろいろな価値観の変化に対応しなければいけないときに、今の

ままの形でやっていったときになかなか手立てがない中で、やはり見直しをかけながら、

むしろ先手を打って新たな取り組みをするにはどうすればいいのかということを考えよう

とすると、まさに勝木先生からご指摘があったように、リソースの性格によっては残すべ

きものを残すということを前提に組み直すようなことを、ある意味縮小してきちっと維持

するようなことも選択肢としてあるでしょうし、それからやはり、今回のヒアリングでも

大分聞いたのですが、他の各省、農水省や経産省で持っているリソースについて、協力、

連携、場合によっては協働するような形での合理化を図って、機能は維持しながら、むし

ろ縮小してきちっと維持することを守るようなこともあり得るのではないかと。

ただ、その議論をやりますと、皆さんガードが非常にかたくて、なかなかそうならない

ようにするというので、実際、まさにインタビューするのに非常に難しいといいますか。

まあ、非常に画一的な形で我々も聞きましたので、まだそこまで十分に引き出せていな

いのですが、やはりそこを今回、この部会で、少し各論に入った形で戦略的な議論をした

いと思っています。ちょっとまだ十分分析できていないので、これからそこを議論させて

いただければと思います。

【勝木委員】 それは、やはりお役所の方がやれることではおそらくなくて。皆さんの

知識がということではないですよ。こちらが身構えるから。

【石井ライフサイエンス課長】 はい、そう思っております。

【勝木委員】 だから、これはやはり丁寧に見てやるという。小原さんはそういうのが

うまい方だから釈迦に説法ですが、プロフェッショナルというのはつまり丁寧にやるとい

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うことです。具体的なことを知っているからということですから。それはこちらでやるし

かないかと思います。そのときに陪席されるのはいいと思いますけれども。

【石井ライフサイエンス課長】 まさに、削ることが目的ではなくて、むしろ新たな施

策を講じるための態勢をきちっと整えることが一番の戦略だと思っておりますので、そこ

の部分の議論をあわせてやっていくような形にできればと思っています。

【勝木委員】 なかなか難しいでしょうけれど、パイが小さくなるけれど乏しきを分か

ち合うという精神は、それは、ここまで少なくなると必ず生まれるものだと確信していい

のではないですか。私はそういう性善説ですけれども。そこで変に競わせないほうがいい

と思いますけれども。それは徹底的に議論するということではないですか。

【小原主査】 ちょっと我々、これは聞いていないので、なかなかきょうは、田中さん

の説明を聞いてもイメージアップできないので、それでちょっといらいらしているところ

もあるのですが。読めばいいのかもしれないけれど、ちょっと読む時間はないので。

そういう意味でポイントポイントをご紹介いただいたわけですから、それについてわか

らないところを聞くしかないのかなと。きょうはね。この次は精査されて出てくるのでし

ょうけれど。

というところでちょっとしつこく聞いているのですが、どうですか。

あと、いろいろな機関からはいろいろな要望もあったのではないかと思うのですが。直

近の問題と、割と長期的な問題とですね。そういうのは、ちょっとご紹介いただけたらあ

りがたいなと。これを読めばいいのかもしれないですが。

【田中調整官】 私のほうで印象に残っているものということで、例示的なものなので

すが、やはり若手をどう、こういったリソースの事業に入ってもらうかということが、若

手の研究者ですね。ただリソースを維持管理するだけでは、なかなかそういった人材が育

ってくれないんだと。

ですから、どこということはちょっとまだ整理の途中なのですが、例えば補助金だけで

若手を雇ってしまうと、このリソースの維持管理にしか使うことができないのだけれども、

例えばその人件費の一部を当該機関のほうから何らかの形で出してもらうことによって、

例えば科研費への応募が可能になっているような事例なども幾つかありましたので、そう

いったところを少し弾力的に、この補助事業の中できちんと整理をしてくれないかという

話がございました。

そういったことで、それぞれの機関で、例えば補助制度の中の制約を少し考えてほしい

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とか、実は補助を受けているほうがそのあたりをよく知らないままに運営をしていて、で

きることをできないままにやっているような事例があるとか。そういった面では、先ほど

ご指摘がありましたように、今後の事業運営については、今までもそうやっていたつもり

なのですが、より一層、個別のリソース事業とある意味ひざ詰めで、いろいろと一緒に、

こっちのことを押しつけるのではなくて、向こうのほうがサイエンスのプロではあるので

すが、ある程度行政だとか補助金の使い方については、こちらのほうでわかることもあり

ますので、そういった点についてはまさにひざ詰めで、できること、やったらいいこと、

あるいは頑張ってみたらいいところ、あるいはちょっとこれは、というところについての

話し合いを、もう少し頻度を上げてやっていきたいと。そういった中で、この2期の事業の

整理だとか3期に向けての考え方といったものを詰めていきたいと思っています。

【小原主査】 どうでしょうか。ではこれを読んでくるのが次の宿題なんですか。

【田中調整官】 申しわけございませんが。お荷物の場合には後で送らせていただきま

すので。

【小原主査】 いやいや、もちろんいいのだけれど。

どうですか、何か他に質問はありますか。よろしいですか。

あとは、特に質を高めるということを皆さん言っておられるように思って。その辺の工

夫というのは、何か将来に向けてあるんですかね。大体、これは収集・保存・提供という

ところで特化せざるを得ないけれども、他の資金などと連携をしてやるとかいうことが、

ちらちら見たら書いてあるのですが。そういうことですかね。

【田中調整官】 そうですね。やはり開発費そのものが、これは事業としては補助対象

になりませんので、やはりそのコミュニティの協力をいかに得ていくのかといったような

ところが、多くのリソース事業のほうからの課題であるといったようなことをお聞かせい

ただいております。

【小原主査】 それは、それでもう納得しておられるんですか、皆さん。もうしようが

ないと。

【田中調整官】 そうですね。

【小原主査】 やはりある程度の開発というか、新しいものは連携でやっていかないと、

持っているだけでは多分先細りになると思うので。そのあたり、第3期以降に向けて、一定

の枠の中で工夫がないのかということはだれしも考えることだと思うのですが、その辺の

議論はありますでしょうか。

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【田中調整官】 やはり、事業実施主体となっている中核機関なり分担機関なりだけの

努力では、これは成し得ないと。やはりこの事業の大切さをコミュニティ自身がどれだけ

認めていただいているのか。それは今回話を聞く中でも、そのコミュニティ全体がこのバ

イオリソースの提供事業を盛り上げていこうというコミュニティもあれば、ちょっとその

意識が薄いところも、一部印象としてありました。

ですから、そのあたりの、コミュニティを育てるという視点をどう持って今後の事業の

戦略を立てていくのかといったことも、重要になってくるだろうと考えています。

【小原主査】 よろしいでしょうか。この1から5についてヒアリングをして。何か。

【河野生命科学専門官】 ただいまの、各リソースの先生方からのご要望として、参考

までですが、今、田中が申し上げたとおり、技術開発がこの事業で認められていない。こ

れは1期、2期の状況としてはそういったことなのですが、そういったところを、やはりリ

ソースの拡大という面で、新たな開発をしていかないと、今後このリソースは増えていか

ないといったような意見は、確かに多くいただいておりました。その拡大策としては、で

はどういったことがあるのかというと、ゲノム解析を系統ごとにやるとか、また新たな遺

伝子改変動物をつくるなどの、要望はありましたので、そういった点は今後の報告書に記

載をするか、どういった方向性があるかといったところを、この部会でご議論いただきた

い。

【勝木委員】 言葉じりをとらえるようで悪いけれど、拡大、提供を増やすということ

が目的ではなくて。それが一人歩きしてしまうようになると、本当に空洞化してしまうん

ですよ。

おっしゃったのは、研究内容をどうやって付加していくかということなんです、むしろ。

それによって特徴あるものに絞って、減ったとしても全体としてのニーズは高くなるとい

うことなんでしょう、小原さんがおっしゃるのは。

【小原主査】 そうです。

【勝木委員】 だから、投げかけるときに拡大がどうだというふうな言葉で投げかける

と、行政の側からそういう言い方をされると、それに反応しますからね、こちらのほうは。

非常に内容の薄いものになっていくという感じが、僕はしてしようがないんです。

研究を入れないということを小原さんが最初からずっと言ってくれているわけですが、

入れないのはなぜかというと、この費用を研究に使ってしまうということだったんですよ。

だけど、我々が思っているのは、そういうモラルが改善されるならば、それは当然、研究

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に資するところにその人たちが加わらなければその質も上がってこないということは初め

からあるわけで、いつそれを解禁しようかということを小原さんと話していた覚えがある

ので、そのことをおっしゃっているのだと思うので、それは我々も工夫する必要がある。

例えば、ゲノムについて言えば、僕は少し反対だったのですが、今の時代を迎えると、

やはり先見の明があってね。あれは非常にリソースを高いものにしたと思います。そうい

うふうな議論ではないでしょうか。あれを研究とみなさないということですよね。

【石井ライフサイエンス課長】 まさにバイオリソースの戦略というのとNBRPというの

は全く一対一対応をしているのではなくて、NBRPというのはその一部を担っているに過ぎ

ない。まさにリソース開発であるとか、そういう外側に今はなっている部分も戦略の一部

として非常に大事な点です。

我々としては、必ずしも増やすのがいいという方向では今回はなくて、第1期第2期は確

かに量、質、最高水準と言ってきたのを、今回はむしろ入れかえをする、より質の高いも

のに絞り込んできちっとやるというのも1つのあり方ですし、今4つの分類のうちの4番目に

なっている「維持する」というのも、これはリソースの中には一部そういう部分がきちっ

とあってやる部分と、入れかえていってより高いものにする部分との組み合わせが要るの

ではないかというような議論もしながら、ヒアリングでお話を伺ってはいたのですが。

やはりリソースによってそこの理解は。もちろん今のリソースの状況がすべて違います

ので、まだ増やさなければいけないとお考えになっているところ、それからある程度もう

高い水準にあるところではお考えが大分違って、まだまだ増やさなければいけないと思っ

ているようなリソースの方は、何かそういう方法はないのかという議論もある。我々はそ

こが、この中ではないですよ、ただそういう方向で、もしあるならそれはお聞きします、

というスタンスでやらせていただいていますし、また、これを少し見直すという中には、

リソース開発を、この補助金でやるかどうかは別にして、何らかの手立てを考えられない

か。単にできたものをもらうだけなのか、もう少し何かやり方はないのかという議論は当

然あって、それを具体化していくような議論をしていったほうがいいのではないかという

思いもございます。そのあたり、まだ十分リソース機関との間では議論が煮詰まっている

という状況では必ずしもないと思っています。

【城石委員】 今の点は、まさに学問分野の成熟度と研究コミュニティの成熟度に依存

した話なのだと思うんです。それはだから時間とともに当然変わっていくということで。

ですから、個人の発想で自分の研究だけに使うというリソースではなくて、研究コミュニ

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ティ全体がある方向で、こういう全員が共有できるようなリソースがあったらこれは本当

にすばらしい、というような意見が集約されてきて、やはりコミュニティ全体が、ぜひ誰

かがそういうものをつくってほしいというような声があって、意欲がある人がいればそれ

をコミュニティとしてバックアップするという形で進んでいくというのが本来正常な姿か

なというふうに。

今まではそういうことはなかったので、少なくともこのNBRPがそういう研究コミュニテ

ィのネットワークの形成に役に立ってきたということは非常によかったと思うのですが。

このプロジェクトの中で。ですので、第3期に向けたそういう方向の議論というのは、当然

あってしかるべきかなと思います。

それから、1点ちょっと質問なのですが、課金システムのことがずっとやはり気になって

いて。もうほとんどのところで動き出しているのだと思うのですが、これはヒアリングの

ときには、今の動き出した課金システムのところで何か問題があるとか、そういう声とい

うのはほとんどなかったんですか。

【田中調整官】 やはり件数が減ったと。先ほど勝木先生が言ったように多い少ないが

問題ではないのですが、一応絶対的な値としては、一部その影響があると言われたところ

もあります。

ただ、それは減ったことが悪いことかどうかというのはまた別の観点からありまして、

これも精緻に分析しなければいけないのですが、今の例えばバイオリソースの提供がただ

だったときに比べると、提供を受けるほうがやはり責任感を持って提供を受けると。つま

り、ただだからもらっておこうか、ではなくて、自分たちとすれば一応研究費を出すわけ

だから、そのもらったリソースをどう利用するかということを十分に検討した上でそうい

ったものをもらうようになったという、減ったのだけれどそういう割とポジティブな影響

が出ていると言われたところがあったのが、ちょっと印象に残っています。

それともう1つは、課金ということについての理解を、やはり中核機関だけではなくて、

運営委員会とともにそのコミュニティの中に、なぜこの課金システムができているのかと

いったことを十分周知をして、その影響を食いとめていく。線虫のほうですが、そういっ

たところもあり、そういったことはコミュニティなりそのバイオリソースの中で、この課

金という1つの状況に対してどういう対応をしているのかというのが、やはり温度差がいろ

いろあるなというのがわかりましたが、やはりそのコミュニティとの連携のよさといった

ところが、こういった1つのシステムの変化に対しても見えてくると感じました。

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【城石委員】 ちょっと1点気になった点が、最近、ユーザーのほうの問題として、請求

書をちゃんと出してくれとか納品書をきちっとしてくれとかいうような声が、どうも幾つ

かのリソースに関して出ているようなんです。そのときの本質的な問題点は何かというと、

ユーザーのほう、ものをもらう側が、要するに実費を払うというような感覚ではなくて、

まさにものを買うという感覚でいるところがかなりあって。したがって、例えばマウスな

り線虫なり、あるリソースをある金額で購入すると。したがってそれは請求書も納品書も

見積も当然あってしかるべきというふうに、どうも考えているらしいんです。

実際には、これはもう本当に、ものを売る対価ではなくて、まさにそのリソースを提供

するのにかかわる諸費用を、実費をいただくということが本質ですから、そこの理解はま

だ。提供する側は当然そういう説明はしていると思うのですが、ユーザー側にはなかなか

そこまでの理解が広がっていないのかなと。

【田中調整官】 それはもしかすると研究費を、例えば科研費だとかそういったもので

このバイオリソースの提供を受ける場合に、証拠書類として必要だということで添付を求

められているというわけではないでしょうか。

【城石委員】 それはちょっと、実態がどういうことかはよく。

【石井ライフサイエンス課長】 仮にそうであったとしても、そもそもこれはものの対

価としては無償であって、それを送るのにかかる手数料に相当する分のみ実費として取っ

ているというところを、使う側としてはもう区別をせずにお考えになって、ものを買うの

と同じような手続でやればいいんだろうとお考えになっているのが、ちょっと周知が十分

ではないのではないかというご指摘ですよね。

【城石委員】 はい。多分、大学側の経理関係者も、そういう感覚でいる可能性がある

んです。

【石井ライフサイエンス課長】 多分、経理の方にしてみると、証拠書類をそろえるた

めには同じ感覚になっているのだと思います。

【城石委員】 それはもう少し、ユーザー側にもその辺のところを広く理解してもらう

というのは、この課金システムそのものをきちんと育てるためには絶対に必要なことだと

思います。

【小幡副主査】 本来、人件費からすべてをかけたらこのぐらいかかるのだけれど、こ

こだけは払ってもらいますよという説明が、多分必要なんですよね。

【石井ライフサイエンス課長】 それはある意味、プログラム全体でやらなければいけ

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ない課題かもしれませんね。

【小幡副主査】 そうですね。例えばナショナルバイオリソースプロジェクトの今度の

分子生物学会などで、本来これだけのお金を使ってやっているので、ここだけ負担しても

らって。本当はこれだけ国からサポートしていますよということを申し上げる必要がある

のではないですかね。

【石井ライフサイエンス課長】 そうですね。ちょっと時間もありませんが、ぜひ今後

の分子生物学会で何か。

【小幡副主査】 委員長。

【岡田委員】 でも、今の話は単なる事務的な手続の、書類の名前の問題ではないんで

すか。

【城石委員】 ただ、お金を払う側の感覚として、それを購入しているという感覚でい

ると、やはり高いとか安いとかいうことの議論になるし、やはりこのシステムそのものが

うまく動いていくためには……。

【岡田委員】 それはもちろんわかります。だから、そこはユーザーに対する教育の問

題というか広報徹底の問題で、それと事務方の、特に経理関係の人に対する連絡というの

は全然別の話で。それぞれ別々にやる必要があるということですよね。

【城石委員】 そうですね。

【小幡副主査】 お金が動けば、やはり経理はちゃんと請求書が必要とかね。

【石井ライフサイエンス課長】 経理は、証拠書類は必要であるということと、証拠書

類の名目が何かというところが、使う側が理解していただかないといけないという部分と、

両方確かにあると思います。

【城石委員】 それはだから、どちらも理解してもらわないと、やはりこの課金システ

ムそのものがうまく機能しないと思います。実際に、納品、請求、見積をきちっと出して

もらわないと、とにかく全然だめですというところがあるわけです。現実に。そうすると、

それは本当に提供が動かないということになってしまいますので、非常にまずい。

【漆原委員】 でも、それは本当に、今岡田委員がおっしゃっていたみたいに、事務的

な、経理上の手続なので。そのこと自体はあまり悩む必要はないのではないですか。お金

を取るというという事態が生じているので、それを、法的なお金から支払われる場合は…

…。

【城石委員】 ええ、全然問題ないわけですよ。ただし、それで今、動かないようなケ

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ースが幾つかあるというときに、多分、研究者側もそこは理解していないわけです。だか

ら事務にも説明できないわけです。研究者自身も……。

【漆原委員】 理解していても、そういう三点セットは必要になったりするので。じゃ

ないですか。

【城石委員】 いや、実際には、大学によっては、クレジットカードの決済のところだ

けで全部済ませている大学もあるんです。だから……。

【漆原委員】 それは支払いのフロントのところだというふうに。私は、本質的なもの

とはちょっと違うように、お聞きしていて思ったのですが。

【城石委員】 実際、今は問題としてそういう大学があって、研究者側も経理も……。

【漆原委員】 はい。機関によって全然違う。

【城石委員】 違うんです。それをもうちょっと理解させないといけないかなという気

はします。

【河野生命科学専門官】 こちらでも、課金については22年度から各リソース、進めて

いただいていますので、それは例えばホームページ、事務局とも協力して周知するなど、

また先ほど課長が申しましたとおり分子生物学会で、NBRPとしての課金の考え方みたいな、

パンフレットなど、検討してみたいと思います。

【漆原委員】 1点よろしいですか。他のことなのですが、今ヒアリングの内容のご説明

を伺っていて、例えば例えばと。何となく、よいお答えというか、それはなかなかありが

たい観点であるというようなものはきっと印象に残られていて、それを紹介していただけ

たのかなという気がしていて。おそらく中核機関のほうも、できるだけ目的とされている

ことに合致するようなことが答えられたほうがいいかな、そうするにはどうしたらいいか

なというような思惑が、ちょっとは働いていると思われるのです。

ですので、この個別リソースとのヒアリングというのは、その本質的な問題とか実施状

況というのを見きわめて、3期にどうしたらよいかというのを本当に議論できるようなとこ

ろであればよろしいのですが、結構、まだ今の時点ではその点が難しかったのではないか

なという気がしておりますので、少なくともこれをおまとめいただけるときは、そういう

優等生の模範解答みたいなというか、すばらしい、助けになるような回答だけではなくて、

問題がある場合にはそれはちゃんと掘り起こしていただくとか、何かの機会にもっと、さ

っきから出てきていますように、行政から言われたことは構えてしまうというような部分

ができるだけない形で、情報を収集できるような形になったらなと思っています。ちょっ

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と不安があります。

【小原主査】 そこは我々、ちょっとこれ、もちろんライフ課もそうなのですが、我々

としてもちゃんと読んでそこら辺を見通さないと、というのが僕らの責任ではないですか。

【石井ライフサイエンス課長】 むしろこの次のステップで、いきなりまとめるまでの

というやり方ではなくて、先生方が少し見ていただくような段階を置いて、それの上でま

とめるというような。

【小原主査】 実感がこもっていた。

【漆原委員】 そんなにこもっていましたか。それで、そこで例えば本当に、縮小とい

うのもありなんだというようなビジョンを行政側が示していただけたら、もうちょっと一

体的な議論もできるのかなと。

【石井ライフサイエンス課長】 まさに漆原先生がご指摘のように、率直に申し上げま

すと、一番最初に何を目指すかというときに、4つの分類のどれなのかという議論も、必ず

しもまだ十分にできていない部分もあります。やはり、リソースを代表する場合、まさに

先生がおっしゃったように、困らないようにより高いものを目指している答えをして、そ

れに合っているからぜひ続けたい、というような部分がどうしても働くと。それについて、

勝木先生がお話しになったように、我々が、いやそこはそうではないだろうという議論は

なかなか難しい。だからどうしても合わせた答えをして、合わせた作文をして終わること

になってしまうと何も変わらないことになると。

で、きょうもいろいろお話がありましたように、やはり目指すところというのは単純に1

つではなくていろいろなものがあるというところは考えた上で、それぞれの目指す道をそ

れぞれのリソースごとに持っていただくことが必要なのだろうと思っていますし、そこは、

我々で引き出せない部分はぜひ先生方のお力をおかりして、共有できるような目標にして

いただければと思っています。

【漆原委員】 全体が縮小されそうだというのがわかっているだけに、どうしたらいい

んだろうという。

【石井ライフサイエンス課長】 決して縮小したいわけではなくてですね。率直に申し

上げますと、事業仕分けで、理研のBRCについては再仕分けをするまでもなく、削減が不十

分だという勧告をいただいております。それから、財務省との関係でも、調整中ではあり

ますが、やはりバイオリソースの補助金についての負担について、なぜ増やせないのかと

いう議論は出ておきまして、我々はそれはリソース機関と研究機関の関係で、リソース機

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関がボランティア的にこの役割を担っていただいているのに、自腹を切れと言われたら全

部終わりますよというお話も、今行っている。

そういうところも、別にNBRPに限った話ではなくて、すべての研究費についての削減の

圧力が今ある中で、ぎりぎりまで待ってばさっと切られるのではなくて、むしろ第3期の補

助金を立てるときに、先手を打って守れるものを守った上で伸ばせる部分をつくれるよう

にしたいという趣旨ですので。その中には一部縮小というのが入ってくることはあり得る

とは思っていますが、全体を縮小しようという趣旨では全くございませんので。

【漆原委員】 すみません、ちょっと失言でした。

【小原主査】 ぱらぱらっと見たら、結構うまくいっているリソースもたくさんありま

すよね。世界で非常に役に立っているという。そういうのって、僕の関係しているのは、

あれはもうちょっと金を取ってもいいのかなと、極端に言えば、思うんですよね。そうい

うことは多分、財務省から言われるのではないのかなと。それで、課金のことですが、今

は手数料ということにとどめていますけれども、当然圧力はありますよね。

【石井ライフサイエンス課長】 これは戦略としての議論として、価値が高いものに対

価を取ることは、当然あっても構わない議論です。ただ、そこは全体としての整合性とい

いますか、リソースの中での整合性はもちろん要ると思います。リソースごとに差がある

のは説明はつくと思いますけれども。

で、知財とは別に付加価値をつけるとした場合、今度は機関としてのさまざまな経理上

の処理の問題も出てまいりますので。そのあたり、どういうふうにやるかということを十

分検討した上で、俎上に乗せることはあり得るとは思っています。

【小原主査】 実態をライフ課としても把握していただくというのは、その先への説明

のときにも役に立つと僕は思うので、非常にいいチャンスだったと思うのですが。これか

ら報告書をつくる上でも、それを盛り入れて。どう書くかはちょっと議論ですけれども。

【石井ライフサイエンス課長】 まさに実費ではない部分というのは、今回、アカデミ

ア以外への提供のところで、大体2倍というものが多くのところでやられ始めていますが、

2倍がいいのか、3倍取れるのか、10倍でもいいのではないかというのは、リソースによっ

て多分ありますし、そこはどうするのが一番収入が増えるのか、提供数との兼ね合いもあ

りますので、そこはまさにその議論の中に入ってくるとは思っております。主目的がアカ

デミアなので、あまりそこに重きは置いていなかったところではありますけれど。

【小原主査】 よろしいでしょうか。これを読んでから議論をするともっとよかったの

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Page 27: 議事録科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 バイオリソース整備戦略作業部会(第7回) 議事録 1 日時

でしょうけれど、きょうはしようがないので。

【岡田委員】 議論の続き方というか、今後に関しては、今までの皆さんのご議論で大

体わかってきたと思うのですが、これは第3期というか、あと数年後からスタートしますよ

ね。再来年ですか。勝木先生が言われたように、アカデミアというか、研究者がどういう

ものをバイオリソースとして欲しいか、あるいはそういうものをこれから展開していかな

いといけない、それぞれの生命科学の中の、広げていくために何が要るかというときに、

既に今、二十幾つというのは決まっていて、それの中でもちろんヒアリングされてどうだ

ということなのだけれど、それ以外のところは。ちょっと入れかえと言っておられたけれ

ども、そういうところの調査というのは一方でやはりしていかないといけない。

全体論からはもちろん減っていくから、何か新しいものをどんどん入れるというのは無

理だと思うのですが、しかしフィールドとして、生命科学の分野としてこういうものが必

要だというのは、やはりずらっと並んでいるものがあって、その中にはこれから展開する

ものもあれば、日本としてどうしても維持したいというものもあるし、そこにはいろいろ

なバラエティもあるだろうと。そういうものをちゃんと見ておくということの努力という

か、作業は今しておかないと。まあ大変でしょうけれど、必要なのではないかなと思うの

ですが。

【石井ライフサイエンス課長】 一応この場では、城石先生に一度、まだ入っていない

リソースのお話をいただきましたけれど、まだそれ以外にも少しお話があるようですので、

もう1回後で取り上げさせていただいて、入れかえというよりも全体をまず俯瞰していただ

くということ。

それから、スケジュール的に言いますと、数年後と先生はおっしゃいましたけれど、実

は来年の夏の要求で次のものが出てまいりますので、この部会でおまとめいただいたもの

をもとに、次の事前評価、そして概算要求と、もう1年切っておりますので、ぜひ、この1

年の中でそれを進められるようにしていきたいと思っております。

【小幡副主査】 この取りまとめで、こういう形で出るのでしょうけれど、今まではど

ちらかというと収集・保存・提供のことだけにフォーカスしてお話ししてきたと思うんで

す。で、今おっしゃったように新しいリソース、例えばマウスとかでも、どういうリソー

スを国として戦略的に整備しますかという議論は、この場ではあまりしてこなかった。知

的基盤整備委員会とかライフサイエンス委員会ではそういう話をして、海外だったらこん

なふうにやっている、日本としてこうやる、新しいリソースをどうやって開発していった

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らいいかということは今まであまりディスカスしてこなかったのですが、バイオリソース

整備戦略会議としては、そういうことも入れるべきだと思うんです。それも含めて。

で、上部と言っては変ですがつくるところがあって、収集・保存がある。今はここしか

お話ししてこなかったけれども、全体のスコープとしては開発のところからあって一連で

やっているので、そこを、予算立ては別として、そういう話をしないと閉じられた世界の

話になってしまいますので、岡田先生がおっしゃったように新しいリソースを含めて、開

発も含めて、国としてどういうリソースが必要なんだと、そういうのは訴えていかないと

しりつぼみになってしまうと思いますので、ぜひ今後、ディスカスしていけたらと思いま

す。

【小原主査】 はい。ただ、個別のマウスの何々がいるということまではちょっと書け

ないだろうと思うので。

【小幡副主査】 書けないだろうけれど、でも、それをどういう形で。例えば脳だって

がんだって、ちゃんと動物をつくる支援班とかがあるわけですよ。それで、そこでどうい

う動きをして、それとナショナルバイオリソースプロジェクトが連携していくかとかです

ね。そういう話をしていかないといけないと思っています。

【勝木委員】 全く賛成です。それはだから、学問からリソースを考えるということで

すよね。全くそれはそうだと思います。それともう1つ、パイを最初につくるときに、80

億とか100億とかいうイメージで要求したけれど、実際は44億か5億だった。

【石井ライフサイエンス課長】 当時は理化学研究所込みで。

【勝木委員】 込みでですね。それで、城石プロジェクトと小幡プロジェクトが別に理

研として入って、その議論をずっとやってきたわけですよね。それで、実際は半分に減っ

て、例えば他のものも、個別に言えばニホンザルなども、4億5億ぐらいの要求を2億になる

というようなことになったし、マウスだけは国際的な役割もあって、特別少し余計に配慮

したけれど。

つまり、初めの想像力がやはり我々少し足りなくて、今来ているわけですね。しかし、

この10年間は、保存と供給ということに絞ってやったことは、次の学問がどう進むかとい

うことにやっと目を転じられるようになったというふうに考えるべきです。つまり、我々

の立ち位置は非常に進んだということで役所の側も先生方も評価していただいて、そうい

う柔軟な目で次の調査をするというのがとても大事だと思います。さっきの、がんとゲノ

ムと何とかにしたって、それは特定領域研究とか何とかいうところの進み方で一方にあっ

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て、それは別にバイオリソースに直結はしない話ですよね。

【小幡副主査】 しないけれど、そこからの。

【勝木委員】 そこからということですよね。

【小幡副主査】 そこからこういうものに、リソースも流れてくるべきなんですよ。閉

じられているんです、もう。だからそういう閉じられた世界。うちは、このナショナルバ

イオリソースも、全部オープンでしょう。ところがそういうところの特定領域の……。

【石井ライフサイエンス課長】 なかなか科研費に、我々、口を……。

【勝木委員】 いや、そういう意味じゃない。例えば、1,000人ゲノムなんていうのが『ネ

イチャー』に発表されるということは、要するにヒトのホールゲノムが、そのうちもう普

通になっていくという話なわけですよ。だからモデル動物も何も、動物のほうから言えば、

あるいは疾患の研究も何も、そのモデルというところの考え方が全く変わる可能性がある。

だから、そういうところから、縮小しなくてはいけないものも出てくるし、まったく別

に広げなくてはいけないもの、ピックアップしなければいけないものも出てくるだろうと。

途中でおっしゃった動物愛護の問題も、そこから引っかかってくるかもしれない。ヒトの

問題がある。だから、そういう総括的だけれども非常に具体的な、丁寧な議論がもっと必

要ではないですか。そうであれば、僕は第3期は勝ち取れると思いますよ。

【小幡副主査】 あと、石井さんがちょっと遠慮して科研費はとおっしゃっているけれ

ど、こういうところに投資したほうが科研費よりもよっぽど有効な使い方ができるという

のは……。

【石井ライフサイエンス課長】 それはそれでまた批判が。

【小原主査】 では一言だけ。

【田中調整官】 今、先生方のご議論、もっともだと思います。私のほうでも今、今後

のこの戦略部会の進め方ということで、大体年度内にどう項目を出していくかというスケ

ジューリングを考えていますが、また小原主査ともまたご相談をいたしまして、新しいリ

ソースの考え方といったものも報告書に盛り込んでいく議論をいずれかの段階でとれれば

と思っております。

【小原主査】 報告書も、原案は議論してきたのですが、今おっしゃったように、まさ

に学問の今の爆発的な展開というのが実はあって、それに対応したいろいろなことを変え

ていかないといけないと思っていますので。

【田中調整官】 また、議論の時間のほうはもちろんとらせていただきたいと思います。

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【小原主査】 はい。では、とりあえず最初の1番のことに関してはこれで終わりまして、

次は議題2、今後の議論の進め方ということですが、これも事務局からお願いします。

【田中調整官】 今、この資料2のほう、本当に膨大なもので、ご議論をいただいたわけ

ですが、今後これを、先ほど申し上げましたように私どものほうで分析をしていきたいの

ですが、一応、先生方のリクエストといいますか、こういった視点から集めていってはど

うかというようなご意見をきょういただきまして、そういったところも今後の取りまとめ

の中で反映させていきたいと考えております。

したがいまして、資料3のほうに、私どものほうで簡単な取りまとめ方針みたいなものを

つくりましたが、これはあくまでもこれにこだわっているわけではなくて、こういった方

針でまとめていきたいので、先生のほうから修正意見だとか、こういった視点も盛り込ん

でほしいとか、きょうご意見をいただいた上で、何とか次回までにもう1回直したり、場合

によってはもう一度リソースのほうに、こういった視点で戦略部会のほうで資料を出すよ

うに言われたので用意してもらえないかとか、そういったことでまとめていきたいと思い

ますので、今の私たちの考え方を述べさせていただきますので、よろしくご修正等を……。

【小原主査】 本当はヒアリングをする前にこういう議論をすべきだったと思いますが

……。

【田中調整官】 いや、これはあくまでもヒアリングをした上でさらにまとめていくと

いうことで。

【小原主査】 はい、わかっていますけれども。せっかく中核機関も時間を使ってヒア

リングを受けたので、もうちょっと逆だったほうがよかったかもしれませんが。まあ、そ

れは仕方ないので、では説明をお願いします。

【田中調整官】 はい。今、私たちの考え方のほう、まず資料3というもの、横書きに書

いたものがありますが、まず、この整備戦略に係る今後の取りまとめ調査の考え方なので

すが、まずバイオリソースの特徴にはやはり留意をしていく必要がある。これはもう以前

から言われていることなのですが、運営実態であるとか中間評価等から、個別リソースの

利用方法や提供方法、リソースとしての成熟度、あるいは目指している将来像の違いと、

非常に多種多様でございますので、こういったリソースごとのどういった特徴を持ってい

るのか、これを、違う違うと言っているばかりでは話にならないので、こういったものを

少しリストアップしていくような作業をしていってはどうであろうかということで考えて

おります。

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次に、第2期の到達目標についてということで、これは既に予算の要求が近いということ

で課長のほうからも話がありましたが、こういったものを把握していく必要があるだろう

と。ただ、どのような項目をもってこの到達目標とするのかということについてですが、

これは1でご説明いたしましたように、各リソースの特徴を踏まえつつ、それぞれの評価に

ふさわしい重点というのを設定する必要があるのではないか。あるリソースではこういっ

た点を、例えば情報の高度化といったところに重点を置いているところもあれば、あるリ

ソースについては収集という段階に重点を置いたところもあるだろうということが考えら

れますので、そういった、どの項目を重点目標としていけばいいのかということを検討し

ていく必要があるだろうと。

ただ、その重点の選択につきましては、まずとりあえずはそれぞれのリソースごとに、

自分たちとすればこういった点に重点を置いた活動を今しているので、これを重点目標と

して評価の項目として挙げていただくということをお考えいただけないかなと。ただ、あ

まりにも重点項目が多過ぎても困るので、原則5つぐらいの項目を列記していただけないか

なと。

それと、先ほど勝木先生から言われましたが、あまり数値化ということはなじまない部

分もあるということなのですが、できるだけ、数値化するかどうかは別にしても、客観的

なところで見られるようなものにしていただいたほうがいいのではないかということを今

考えております。

その上で、2期の達成状況ということになるわけですが、2で選定された重点項目につい

て、中間評価時点での状況を評価いたしまして、2期の達成状況を判断してはどうだろうか

ということで考えております。

ただ、ある程度、こういった提供したリソースがどういう分野に使われたのかとか、ど

ういった学問成果につながっているのかといったことについては、既に報告されていたと

ころもありますが、ある程度論文、研究成果といったものも、主要なものについてはお見

せいただければと考えておりますが、もちろん、これはリソースごとの違いがありますの

で、単純にリソース間での論文の達成についての数値比較ということは一切考えていない

ということです。

次に、リソースが目指している到達度ということで、これは今回、調査票の1番に書いて

いただいていたのですが、まとめ方についても注文を出していなかったのでいろいろな書

き方をされておりますが、やはり3期以降の本事業の計画的な整備、これは予算を要求する

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以上は、それぞれのリソースがこういったところを目指してやっているという将来像を示

していく必要がありますので、その最終的な姿、どういったものを目指しているのかとい

ったことを把握する必要があるのではないかと考えております。したがいまして、その具

体的な内容、研究コミュニティの姿が、そういった将来像にきちっと具体的にお示しをい

ただく必要があるのではないかと考えておりまして、そういったものをお出しいただきた

いと。

ただ、ではそれを何年後にやるんですかという話になりますと、これは非常に、リソー

スのライフスパンの長いもの、短いもの、いろいろと状況がありますので、大体自分たち

とすれば何年ぐらい先に理想像に近づいていって、こういう状況になっていますよといっ

た年代設定といいますか、時代をどのぐらいに持っていこうかということについては、一

応各リソースのほうでお決めいただければと思います。

今申し上げたようなことを、この別紙ということで横表をつくっていますが、こういっ

たところに。これは一応、向こうの各リソースのほうでつくっていただくことを考えてい

ますが、これにつきましても事務局のほうと各リソースのほうで相談をしながら、この調

査票のほうにまずまとめていきたいということで、一応今の段階ではたたき台として考え

ておりますので、引き続き本日ご意見をいただきまして、修正あるいは追加等行っていき

たいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

【小原主査】 ということで、これはだから、これをまとめて最終的な報告書、あるい

は次の予算要求に使うための、現状とこれからのプラン、ロードマップというところです

ね。

【田中調整官】 そうですね。

【小原主査】 どういうふうにまとめるかということですが、私も一番最後の、リソー

スが目指す到達像というのも、「最終的」とあって、最終ってなくて、いつも、学問と一緒

でどんどん変わっていって、当面の5年間ぐらいでまあこんなところの、という……。

【田中調整官】 あくまでも現時点でどういうところを目指されているのかということ

で、これは構わないと思います。

【勝木委員】 つまり、柔軟でやるということがこれの本質なんですよ。

【田中調整官】 なのですが、一応でもそれはお示しをいただかないと、説明が……。

【小原主査】 あんまりカチカチ書くとね。どうなのかな。道路工事ではないので。

【勝木委員】 例えばこの5年間で見て、もう既に本当に変わったんですよ。ゲノムの次

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世代シークエンサーがやったかどうかによって、こんなはずじゃないという話になってい

るわけですよ、我々の。学問の。

【漆原委員】 だから20年後なんて今考えても。

【勝木委員】 だけど、次世代シークエンサーやいろいろなヘテロなものを持っている

ということが、見通しとしてよかったわけですよ、我々は。それは確信を持って言える。

【石井ライフサイエンス課長】 全くそのとおりであると思う反面、実はそれをあまり

強く主張しますと、では保存でとめておいて、あとは科研費で頑張ってね、という話もあ

るので。そこはうまく両方使い分けて、目指すべき方向と柔軟に対応できる余地と、両方

二本立てで、我々も言っていかなければいけないのかなと。

【小原主査】 もちろん、だからそれはつくっておかなければいけないのはわかるので

すが。

【勝木委員】 調査のときに、お役所からの調査という感じにしないで、何とかうまく

やったほうがいいのかもしれませんね。構えちゃうんだよね。だって模範答案書こうと、

入試に通ろうとみんな思っているわけよ。

【石井ライフサイエンス課長】 まさにそこが、現実そうなんで。

【漆原委員】 そのことと、理解が、完全に意図が伝わっていない。何が聞きたいのか

なというのが伝わっていなくて、これを一生懸命……。

【石井ライフサイエンス課長】 言葉足りず。何度か説明をさせていただいたのですが、

十分伝っていなかったようで、反省しております。

【勝木委員】 しようがないよ、あなた方の立場は、どれだけ知識があり、我々よりも

すぐれているとしても、立場がそういう立場だから。試験官の立場だから。

だけど、こちらに少し投げていただいて、こちらの意図もおわかりのようですから、少

し調査の仕方を考えたらいかがかと。小原さんの役目がますます大きくなってしまうけれ

ど。

【小原主査】 はい、どうでしょう。注文は今やっておかないといけないということで

すよね。どんどん注文をくださいということですので。

【勝木委員】 数値も、やはり考えたほうがいいと思いますね。

【河野生命科学専門官】 この内容についてはまた先生方にお送りして、個別の意見を

いただいて、例えばそのフィードバックをもう一度させていただくということも。

【小原主査】 でも、今言っていただいたほうがいいと思いますよ。

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【漆原委員】 こういう調査をまたするということですか。ここの項目を今。

【小原主査】 いや、こういうふうにまとめるんでしょう。

【田中調整官】 まとめようと思うのですが、まとめる過程では個別のリソースのほう

に問い合わせをして、出したものは事務局がただつくりましたではなくて、やはりそこは

ひざ詰めで、納得のできるものを。最終的には、こういった資料は公表という形になりま

すので、各リソースが納得していないものを私たちは出すつもりはありません。やはり最

終的にはリソースのほうと一緒に考えて、ではこれで出していってこれで戦いましょう、

という。

【小原主査】 そうすると、これは報告書につけるんですか。最終的には。公表とおっ

しゃったけれど。

【田中調整官】 いずれにしても、こういう戦略部会の場に資料として出しますと、こ

れはすべて公表ということになりますので。個別に最終的にこの公表をどう扱うかという

ことについては、また報告書の取りまとめの際にご相談していくということになりますが、

やはり最後は報告書という形をとらなくても、何らかの形での情報公開の形に至ります。

【小原主査】 わかりました。

【石井ライフサイエンス課長】 端的に申し上げますと、来年の概算要求のときに、現

在のプログラムの評価をして、改めて要求をするときの前提として。当初の目標、リソー

スごとにあまり具体的でない形だと、また評価をする形になりますので、より説明しやす

い形に、後づけではありますが目標を置いていただき、状況を見て、そしてその延長線上

に次があるよという筋書きが可能なものは、やはりあったほうがいいのかなと考えていま

す。もちろん、常に変わり得るものだという前提で。

【小原主査】 だから、フレキシビリティというのは当然なのだけれど、しかし、とは

いえある程度のロードマップは見せないと戦えないと。それは当然そうですね。

【勝木委員】 だから、本当のことを言うと、ちょっとあまりざっくばらん過ぎるけれ

ど、運営会議と中核拠点の人とが会って、どのぐらい役に立った、あるいはどんな困った

ことがあった、将来どんな学問分野と共有できているというようなことを、コミュニティ

レベルできちんと意思疎通させて。そうしたら、ここは少し遠慮したほうがいいんじゃな

いのとか何とかサジェスチョンができるわけだから。査定するという観点、基準をつくっ

て何かをするというのは、なかなか、柔軟性という意味ではそういうことをやっていはい

けないので。最終的にはそちらに反映させるにしても、何かそういう接触というのがある

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と随分違うのではないかと思うのですけれど。

それは時間がないし、人手もないから無理ですかね。例えば小原さんとか小幡さんとか

僕がやってもいいですけれど。そういう感じで、つまり数値化したりするというのは、生

きている柔軟性がないから困るわけでしょう。だからそこを、むしろその柔軟性を数値に

反映させるようにやっていくということが大事だと思うので。ちょっと大変な作業だけれ

ど、それをやればかなり。漆原さんも何か言いたいことが言えるのではないですか。

【漆原委員】 いや、言いたいことは言っていますけれども。

【小原主査】 だから、このヒアリングにも出ればよかったのですが、ちょっと全部は

無理だし、出る出ないというのも変な話だし。中核機関も一生懸命やっているわけだから。

と思って遠慮したというところもあるのですが。

【漆原委員】 やはり、やって、個別の課題と発展性というのがはっきりして、全体と

してもそれを踏まえた上で、この次どういうふうに向かっていくのが非常に学問的に重要

だというのがあぶり出されてくるといいんですよね。

【小原主査】 そういうのが全部必要かどうかはわからないですからね。難しいという

ところは……。

【小幡副主査】 この辺、田中さんはまとめるのが大変そうだなと。これだけだとね。

優等生の答えしかないんじゃないかなと。

【田中調整官】 ただ、やはり私たちも、出していくと、財務省などには「これ本当?」

と必ず言われるので。やはり、ただ作文をすればいいということではなくて、そのことに

どういった根拠があるのかとか、見通しの根拠といったものをきちんとつけていただくと

いうことは、作業としては必要だろうと思います。

【勝木委員】 要するに、間違った情報になってしまうというのが我々は心配なんです

よ。田中さんは一生懸命理解しようとなさるし、それはいいのですが、出てくるものがつ

まり問いに対する答えですからね。だから、本質がばっと抜けてしまう可能性がある。

つまり、学問の進展状況とか、どこかの連携とか何とかというようなことは、議論の中

で初めて、しかもお金とあまり関係なく。もちろん最終的にはお金と関係あるかもしれな

いけれど、全体としてこんなに小さくなったら抑制的にやらざるを得ませんよ。やはり乏

しきを分かち合うということは重要ですよ。

で、そのときに、やはり少し膨らませている、虚の部分があるなというのは、専門家だ

ったら見通せるからね。そこを非常に。言い過ぎたかもしれませんが。

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【河野生命科学専門官】 もし、この様式が型どおりだというようなご意見、もう少し

練ったほうがいいというようなことでしたら、ここの議論も当然ライフサイエンス課とし

ても踏まえますけれども、代表の先生と調整させていただいて、ある程度時間をおいて、

その結果をまた先生方にお返しするというのも対応としては可能でございます。

勝木先生から先ほどご提案がありました、小原先生、小幡先生、また勝木先生あたりに

ご相談して、どういったまとめ方がいいか……。

【小原主査】 ちょっと意味がわからない。どういう意味。

【河野生命科学専門官】 この様式だけではなくて……。

【小原主査】 様式はまあ、しようがないんじゃないですか。

【田中調整官】 あくまでも、今申し上げましたように、事務局のほうは、もう1回これ

は出したのだからといったようなことを言うつもりは全くありませんで、例えば今回のこ

のそれぞれの調査票についても、一応現在修正中であるとか、そういった形でこういうお

諮りをさせていただいておりますので、最終的にこの表も、きょう出したものとは、また

きょうのご議論であるとか、そういったものが、ご説明した上でやはりここは直したいと

いうことが……。

【小原主査】 今の、この資料が修正中というのはどういう意味なんでしたっけ。最初

に、当然これ、ヒアリングのときに出していただいたわけですよね。

【田中調整官】 ただ、こういったところがちょっと書いていないですよねとか、こう

いう視点はどうですかということで、こちらのほうでやりとりした結果を、では改めて調

査票のほうの修正をしたいというところについては、ご希望どおり直していただいたとこ

ろもありますし、さらに、まだ直す途中なのできょうは出さないでほしいといったところ

についてはご希望に沿ってやっておりますので。

私たちも、そういった最終的に資料が公表されるということは常に念頭に置きながらや

っておりますから、それぞれのリソースのほうで納得できないもの、そういったものは無

理やり書かされたんだということではなくて、これだったら自分たちの、虚も実もという

言い方がさっきありましたが、自分たちの言いたいことがちゃんと反映されているといっ

た形で議論の俎上に乗せていくという努力はさせていただきたいと思います。

【小原主査】 わかりました。いずれにしても、それぞれこれをもとに将来をつくって

いくわけですから、目標にしても、後づけにはなるけれども、やはりそれぞれのリソース

に適したものを置いて、成果ということもそれに基づいて置いて、やはりそれぞれの分野

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が適切に行ったのか、問題があれば問題があったということも含めてまとめて、それでそ

の次の発展を書くということですね。

【田中調整官】 はい。

【河瀨委員】 すみません、完全に他省庁で。文部科学省はフレキシビリティがあって

いいなと。というか、後づけの目標をつくって、それに達成状況を書いたようなものを公

表したら、僕らのほうでは大変なことになるという気がするのですが。そういうフレキシ

ビリティでいいんですか。それで本当に。

【小原主査】 いや、だからこれ、もちろん、第2期は達成目標はあったわけですよね。

当然あったのだけれど……。

【田中調整官】 ええ。ですから、それは、安易にこういった……。

【河瀨委員】 どういう状況の変化があって、何を目指すべきかという意味ですよね。

【小原主査】 そうそう。

【河瀨委員】 そういうふうに書いてくださいよ。外部から見たら、これだとまるで後

出しじゃんけんをやっているようにしか見えないですよ。

【小原主査】 そう。一定の目標は当然あったんですよ。当然あるし……。

【河瀨委員】 そこにどんどんドラスティックな変化が起こって状況が変わってきてい

るからこそ、目標もより高みに向かって変わっていくんだということを、どう吸い上げる

かということですよね。

【田中調整官】 そういった意味では、一番左のところに、整備戦略上考慮すべき特徴

というか、現在の変化であるとか、そういうことはちゃんと記載をしていただくというこ

とは必要になってまいります。

【小原主査】 それと、達成状況は、目標はともかくとして、あったとかなかったとか、

そういうことですよね。

【田中調整官】 そうですね。やはりまだ、まだという言い方はちょっといいか悪いか

わからないのですが、その1期2期と3期ということで、この事業もある程度走りながら考え

ているところもあります。ですから、そのいいところは伸ばすべきだし、やってみてやは

りだめだったところをいつまでも、それはリソース単位で言っているのではなくて、その

中でやっているような試みだとか、そういったところについてはある意味撤退を考えると

ころもあっていいのではないかとか。そこはやはり……。

【河瀨委員】 だから気をつけないと、やはり回答者は非常に予定調和的に書いてしま

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うと思いますね。そうすると、先ほどおっしゃっていたように本質が抜けてしまうのでは

ないかなと。

【漆原委員】 さっきおっしゃった「後づけではありますが」という部分は、どこのこ

とを。どこか他のことを考えながらおっしゃったのかもしれなくて。目標というのは、こ

の第2期が始まるときに、テキストとしても数字としても提出していて、で、中間評価もあ

り、達成状況というのも毎年毎年チェックしておりますので。そこの部分は後づけという

ことは絶対ないですよね。何か他のことを考えられながらだったのではないかなと思って。

【増井委員】 よろしいですか。今のお話は、今の状況を考えると本当にすごく重要な

ことで、3年後をどうやって考えるかということすらよくわからない状況の中で、一番左の

項目の「戦略上考慮すべき特徴等」というところをもう少し。重要な項目というのは何が

変わったのかというような、学問の進歩というのでしょうか、もう本当に学問の形自身が

変わるような、そういう項目がここにきちっと書き出されると、もう少し右の書きぶりが

変化しても、今ご指摘がありましたが、後出しじゃんけんでない形の議論もできるのでは

ないかと思うのですが。それはどうなのでしょう。

【田中調整官】 まさにそこはそれぞれのリソースのほうで考えて、一番最前線で研究

されている先生方が肌で感じられて、これまで考えていたところとこういった変化がある

ので、こういったところを重点化していくんだとか、こういった将来像の変化があるんだ

とか、そこはやはり考察していただく必要があるだろうと思います。

【増井委員】 その、リソースの現代の状況というのと開始年度というのがありますね。

その間での変化というか、変化したことというようなことが一言書いてあるだけでも随分

違うように思うんです。こういう書類を見て何か書き始めると、本当に予定調和を書かざ

るを得ないような。特に今は仕分けとか、いろいろな状況で書類を書いていますと、本当

に予定調和以外の書類が書けないような状況があるものですから。

そのあたり、左側の項目の立て方というのがもう少し、今おっしゃった、フロントでや

っている人がはっきりと自分たちの持っている状況をイメージして文書にすることすら難

しい部分もあるのですが、そういうことを助けるような言葉、キーワードが幾つかあれば、

随分違うような気がするのですが。何が変わったかというか、学問の進歩というか。

で、右のほうは目標と目標の達成というような形でずっと来ますので、そうすると本当

に、一番左のところで調整をしていかないと、右のほうの、達成はともかく達成でしか書

けないので、そういう形になってしまうのではないかと思うのですが。左側の言葉の書き

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方が、「戦略上考慮すべき特徴等」というのが、本当にそれだけだと、もう少し状況の変化

というか、そのことについて何が変わったのだろうと。

目標を出して、目標を達成して、だけどそれ以外の変化に伴う事項というような項目を

例えば設けるとか、そういうことがあると、少し研究者の側も考えられるのではないかな

と。そうでないと何となく、前のを写して、少し数字を変えて、というのしか考えないよ

うな気もするのですが。

【田中調整官】 それでは、この表だけを渡すということではなくて、記入要領的なも

のをつけてということで……。

【小原主査】 これは事務局でまとめるのでは。まずは。

【田中調整官】 まとめますけれども、一応、お聞きのほうもしようということで考え

ておりますので。こういった形でやろうと。これはこういう項目を書いているんですよと。

【小原主査】 これでよろしいかという。それで追加とか、特に今、増井さんがおっし

ゃったように、大事ですよね、ここは。本当にどんどん変わっていますから、目標に対し

てやはり変化があるのは当然ですので。逆にいえば、それに対応したのかどうかというこ

とのほうがむしろ大事ですよね、学問分野としては。

【田中調整官】 そうですね。ですから、そういった意味では、いきなり強引にやると

いうことではなくて、各リソースと……。

【小原主査】 だから、ここは、カラムをどうするかというのは当然として、もうちょ

っと充実させないといけないということですね。

【増井委員】 そうですね。一番左側は、だからもう少しそのことがあれば、河瀨先生

がおっしゃったようなことではなくて、もう少し実際に即して、勝木先生がずっとおっし

ゃっている学問の進歩に即してという形の書きぶりになるのではないかと思うのですが。

【小原主査】 それで対応できますか。

【田中調整官】 そういった形で周知をきちんとして、直しのほうも入れてお返しして

いただきたいと思います。

【小原主査】 これはあまり、中核機関は本当に皆さん忙しいから、書かせるというの

ではなくて、やはり書いてという形で。

【田中調整官】 下書きはこちらのほうでやった上でということで。

【小原主査】 やってくださいね。ちょっと、もう既に何回も、アンケートも随分やっ

ているし。よろしくお願いしたいと思いますが。

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その他はどうですか。確かに、今おっしゃったことは非常に重要なことだと思いますの

で。最終的にはやはりこういう一枚紙になっていないと、外に対しては説得できないんで

しょう。だからこれは大事なことだと思うので。わかりやすい形でつくらないといけない

ですね。

どうでしょう、他に。どんなコメントでもあったら、今のうちに言っておいていただけ

るとありがたいのではないかと思います。どうぞ。

【鈴木委員】 自分の、先ほどいろいろと、よその省庁の比較の対象になってしまって

いるのですが、やはり自分も文科省となると、こうやって見ていくと、リソースがこれだ

け集まったとか、これが評価されたという話が多くなって、それではいわゆる研究の成果

とあまり変わらなくなってしまうのですが。つまり、整備できたということは何が整備で

きたかというと、僕が一番大事だと思うのは、まず人材育成なんですよね。つまり、次の5

年間をこうやってこれが維持できる体制ができましたというのが多分、結構評価されなけ

ればいけないのではないかと思うんです。

それに対して言うと、やはりそこに集まった、材料もあるのは大事なのですが、それを

ちゃんと付加価値をさらにつけていく人、維持できる技術を持った人がちゃんといる体制

ができているというのも、多分、この第1期は違うと思うんです。だけど今、第2期、3期に

なってくると、多分次のそういうところを見ていけるような構造というのも見てもらえる

といいなと思うんです。

それが、ですから人材育成もさっきからプログラムの中にもありましたが、それも人が

育った後、その育った人がどこかに定着していてほしい部分も本当は見たいのですが、そ

こはちょっと難しいかもしれませんが、でも、できたリソースと、その2つがうまくかみ合

わないと多分次が見えないので、そういうところが何かうまく。

【小原主査】 継続性の体制ですね。

【鈴木委員】 そうです。継続性の体制というものですね。だから、人材育成というの

が一言で言えばあるし、やっていらっしゃるわけですけれども、それがリソースの維持の

ほうに活用できる形に組み込まれているかというあたりは。

【田中調整官】 そういたしますと、事業の継続性を何らかの形で担保するような項目

がないかということですね。ではちょっと工夫をさせていただいて。

【鈴木委員】 そこが一番難しいところだと自分も認識はしているのですが。

【小原主査】 特に大学でやっていると、大学からのサポートがよくあるところもある

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のですが、そうではないところもあるし。

【鈴木委員】 コミュニティの中で、ちゃんと大学で発展的に生きている人もいるんで

すよね。だから、それはそれでいいのですが。

【勝木委員】 それは大事だね。

【小原主査】 そういうことは大事ですね。

【小幡副主査】 この間の運営委員長会議でも、何で人材育成が必要なんだとおっしゃ

ったところもあったからね。

【田中調整官】 では、事業の継続性を評価できるような項を1つ検討させていただきま

す。

【小原主査】 これはヒアリングで、当然向こう5年間ぐらいで退官する予定の人もたく

さんありますよね。

【田中調整官】 はい。

【小原主査】 そのあたりもざっくばらんに聞かれたのではないかと思いますが、固有

名詞はともかく、どんな感じ。何か特段のことはありましたか。

【田中調整官】 やはり一番大切なのは、個人で頑張っておられるところもあるのです

が、さっき何カ所か具体名を出しましたが、その所属している機関がその事業の重要性を

認めて、後継者の人事で配慮をしてくれているようなところもあったり、そういった幾つ

かの事例が、いろいろだなということでありました。

それともう1つ、コミュニティ全体が、その事業を継続するためにどういう努力をしてい

るのか。例えばそこがだめだった場合も、では次を自分のところに持ってきてもらえれば

できるというような、そういったコミュニティ全体での合意ができかけているところもあ

るとか。それはやはり、事業の継続性について、どこも気にされているのですが、それが

組織としてできているところと、なかなか個人だけで空回りしているところとがあるので、

そこをどういう形で記載をしていけばいいのか、少し工夫をさせていただければと思いま

す。

【小原主査】 では、今、貴重な意見が追加されたと思いますので。フォーマットはと

もかくとして、こういう形でまとめていただいて、中核機関の労働は最小限にしてほしい

と思いますので、その上でまたフィードバックしていただいて、議論を進めるということ

にしたいと思います。

では、もし追加で思いついたことがありましたら、遠慮なくメールで事務局のほうに言

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っていただければ。

【田中調整官】 そうですね。できれば来週中ぐらいにいただけますと。取りまとめの

作業がありますので。それと、最終的には主査のほうにご確認をするということで。

【小原主査】 はい、もちろん。責任を持ってやります。

では、ありがとうございました。ということで、今の件はよろしゅうございますでしょ

うか。

次は議題3、その他ですが。

【田中調整官】 では、まずこちらの説明を。

【小幡副主査】 こちらのこれ、小幡の私見というので。

【小原主査】 一枚紙で一番最後に乗っているのがあります。では、どうぞ。

【小幡副主査】 これです。リソースが多種多様であること、個別性が高いことも百も

承知で、今4つに分かれているんですね。「先進的」と「発展が見込まれる」、「発展途上」、

「維持」と。何かとても文学的で。

【小原主査】 すみません。

【小幡副主査】 いえ、先生のせいではないのですが。文学的なのですが、やはりもう1

回リソースを客観的に見て、一体どういう状況にあるのかということを考えてみました。

軸として、やはり利用者がどのくらいいるのかということを軸に考えてみて、その分け

方と、そのときの目標、これまでどういうことをやってきたか、それから将来展望、ナシ

ョナルバイオリソースプロジェクト当初の理由とか、支援を打ち切ったらどうなるかとい

うところまで考えてつくってみました。

1つは単一機関利用型といって、中核機関と分担機関とお友達でやっておしまい、という

リソース。そういうリソースも、きちっとナショナルバイオリソースを見るとあります。

もう1つは特定分野型。特定の分野だけで使っているリソースというのもございます。あと、

多分野でいろいろな分野の人がいろいろな形でリソースを使っているという、そういう3

つに分けるほうが、4つに分けるよりもわかりやすいのかなと。

それで、それぞれに重要なポイントはあると思うんです。例えば単一機関型でも復元不

可能だったり、発展の途上でもあるかもしれないですが、しかしながら、この事業も8年目

ですから、もう8年やってここまで行ったらもうそれは、というものもあるかもしれない。

そういう意味で、もう少し整理して考えたらどうかということで、実績なども、やはり

それぞれのリソース機関の発展度によって評価の基準が違ってしかるべきだということで、

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例えば多分野だったら、やはり質は向上したのかとか、集約効果はあったのかとか、そう

いうものを聞いてもいいと思いますし、将来展望としても国際拠点にちゃんとなっている

んですかということも必要ですし、あまりたくさんの分野で使われるとしたら、どうやっ

てリソースの集約とか集中ができるんですかといったことも将来展望で聞かれるでしょう

し、最後に打ち切ったら、これは民間でできるのかとか海外に渡すのかといったことも考

えておかなくてはいけないと思って、それぞれについて書いてみました。

特定分野については、やはり他の分野でどうやって広げていくかとか。もう広がらない

なら広がらないで結構だと思うんです。そのときに、予算がなくなったらその当該分野か

ら出るんですかとか、サポートがあるんですかとか、そういったこともお尋ねしておく必

要があると思って、こんな絵をかいてみました。

ですから、今までの4分類をもう少しわかりやすく書いて、多分27、私も大分見学に行き

ましたが、自己申告もあるでしょうけれど、客観的にもこういう観点で、今後目標を立て

るとき、またバイオリソース整備事業をするときに、こんな観点でやったほうがわかりや

すいのかなと思って、こんな絵をつくってみました。皆さん、いろいろご意見があるのは

百も承知でつくってみました。

【小原主査】 ご意見や質問はありますか。

【城石委員】 特定分野利用型で、1つイメージがすぐわかるのがあるのだけれど、これ

は結構ありますかね。複数。

【小幡副主査】 あると思うよ。

【小原主査】 特定分野というのは、まあ分野の……。

【小幡副主査】 分野の設定にもよるのだけれど。

【小原主査】 よりますよね。

【小幡副主査】 発生・再生にしか。ホヤなんか何に使うんですか。発生・再生に使わ

なくて。

【漆原委員】 カンパニーが1カ所リクエストしたというふうに言っていましたが。リク

エストが1件あったということで。消化酵素だったか。

この分野というのは、研究の学問の分野ということですよね。

【城石委員】 ただ、ポテンシャルとしては他のにも利用できるけれども、それはまだ

使われていないというケースもありますよね。

【小幡副主査】 もちろんそれはあると思うよ。

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【漆原委員】 今までの4段階の分け方というのはちょっと疑問というか、難しいなと考

えていたりしたこともあるので、こういう分け方で、それぞれに重要なポイントは何か、

視点は何かというのが出てきますね。そういう意味で、これは助けになるような気がしま

す。多分野利用型というのは、みんな同じ丸ではなくて、大きい小さいがあって。

【小幡副主査】 いろいろな大きさがあると思います。

【勝木委員】 僕も反論を期待されているので。これ、こういう分類は確かに現実にも

合っているし、将来もおそらくこういう形になるでしょうから賛成なのですが、中の論点

のところがとても心配で。

【小幡副主査】 もう少し整理しなくてはならない。

【勝木委員】 というよりも、つまり多様な評価というのが前提ですよね。いろいろな

ものがあるという、多様な評価というのが、僕が言い続けていることなのだけれど、正義

は1つしかないのではなくて、いろいろな良質な側面があるわけだから。つまり、論点のと

ころに何か1つの進歩の方向性が見出せるようになると、みんなこれに追随するんですよ。

そうでなくて、もう少し、これはそれぞれ独立のことなのだろうと思うのだけれど、そ

こに特徴のあるものを伸ばしてやったり、あるいは他の分野とくっつけてやったりという

ディスカッションが必要なわけで。

この多分野利用型についても、例えば将来展望で国際拠点になれるかというようなこと

が、本当に重要なポイントなのか。そんなことに意識が集中して、別の分野の発展のほう

がもっと。つまり、日本独特の発展があるかもしれないというようなことを忘れてしまう

ということのほうが僕は恐ろしい。

つまり、評価基準を単一化するというのが僕は一番怖いと思っているんですよ。だから、

分類されたことはわかるんです。それは、こう論点を分けられているから、評価基準にそ

れぞれあるのだということなのでしょうけれど、さらに1つずつは違うんだと思うんです。

ここで議論をすると長くなるからやめますけれど、主旨はわかるのだけれど。これ、模

範解答というのを出させるような誘導はよくないと僕は思うものだから。

【小幡副主査】 なるほどね。そういう意味で、これは審査基準とかは書いていなくて、

論点なんですよ。

【勝木委員】 論点と書いてありますね。それは注意してありますが、ずっとにらんで

いても、これは審査の手引だなと思って。

【小幡副主査】 そんなつもりは。

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【小原主査】 これ、単一機関利用型というのはだめなんですか。

【小幡副主査】 いや、だめとは一言も言っていなくて。違う観点で評価する必要があ

りますよと。

【漆原委員】 やはり違う観点になってしまうから、それを同じ観点で、こういう、例

えば3種類あるものをばーっと見ていくと。

【小幡副主査】 それなりに違うことを書いたつもりなのですが。

【勝木委員】 いや、それは書いてあるんです。その中でだよ、問題は。さらに中で。

多分野利用型なんて、ものすごくたくさん出てくるよね。

【小幡副主査】 多分。

【勝木委員】 それが全部これに当てはまらなくてはいけないかという。

【河瀨委員】 いや、だからそれぞれの中で目指す方向性は違うのも多様性ですよね。

だからそこが大事だと言っておられるわけでしょう。

【勝木委員】 だけど、こう書かれると単一化されていくからね。大体みんな弱いから、

科研費の申請と同じでステレオタイプになるんだよ、みんな。すみません。

【小幡副主査】 よくわかりますけれど。どう書きましょうか。

【小原主査】 まあ、一石ということで、引き続き議論をさせてください。整理として

はおもしろい。

【城石委員】 ある意味では文学的な今の区分けと完全に逆ではなくて、パラレルな部

分もありますね。例えば一番左側は小さいですよね。ただ、単一機関利用型というと、い

かにも財務省が見たら、これはじゃあ切りますかねという。自家使用のまさにその問題に、

そのまま。

【小幡副主査】 切ってもいいのもあるんじゃないの、と小幡は思っているわけで。

【城石委員】 それをねらって。

【小原主査】 だから、単一機関だから切るということではないわけで。全然違う論点

ですよね。

【勝木委員】 よく整理されていて、今見て反射的に反応してすみませんが、少し考え

させていただければ。

【小原主査】 ちょっと皆さん、考える時間があったほうがいいと思うので、次また。

では、これはこれで終わっていいですか。

【小幡副主査】 ちょっと今、まとめられるものですから。こういう見方もあってもい

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いのではないかなと。次の第3期を考えるときはどういう分類で行きますかということも考

える……。

【小原主査】 あの4つは別に何も気にする必要は、全くありませんので。

【小幡副主査】 今後、もう1回考え直さなくてはならないし。

【田中調整官】 そうですね。それともう1つは、今後取りまとめるときの視点として、

ちょっとこれはご相談なのですが、実はさっき勝木先生からもおしかりがあったのですが、

そういう予断を持って言うわけではないのですが、リソースを今、私たちは27と個別に見

ていますが、ものによっては連合軍を組んでいるようなところがありまして、そういった

ところのいわばシナジー効果というか、そういったものも少し評価の視点に。

つまり、単一に見るだけではなくて、ものによっては植物グループみたいな中でどうい

う位置づけを互いにやり合っているかといったご指摘もあったものですから、そういった

ことを事務局のほうで少し考えさせていただければ。ただ単に1つのものだけを見るのでは

なくて、それとこことこことが3つぐらいくっつくとこういう、実は大きなピースになると

か、そういった指摘が幾つかのところからもありましたので、そういった視点も少し考え

させていただければと思います。

【小原主査】 中核機関を連携させるという意味ですか。

【田中調整官】 リソース間の連携なんです。

【小原主査】 それは当然ありますよね。それは全然問題ないので。

【田中調整官】 ですから、例えばさっきのメダカとマウスなどは、実は両方使ってい

るような医学のところが結構増えてきていまして、それは単に今さっきの動物実験だとか

そういう社会的な問題ではなくて、学問上の必要からそういうのをやっているところもあ

ったりしますので。

【小原主査】 それは今はもうボーダーレスになっているから、別にメダカだけではな

くて、何だってそうですよ。そのためにバイオリソースプロジェクトがあるんじゃないん

でしたっけ。

【田中調整官】 ええ。ですから、そういうところを少し評価の軸にしていくというこ

とも必要ではないかと思いますので、ちょっと検討させてください。

【小原主査】 わかりました。では、不手際ですみません、ちょっと時間が過ぎてしま

ったので、最後に簡単に事務局から、10月に行われたCOP10の結果ですか。

【田中調整官】 そうですね。これは手短にさせていただきます。ご案内のとおり、生

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Page 47: 議事録科学技術・学術審議会研究計画・評価分科会 ライフサイエンス委員会 バイオリソース整備戦略作業部会(第7回) 議事録 1 日時

物多様性条約締約国会議、COP10ですね、名古屋のほうで開催されました。参考資料3をご

らんいただきたいと思います。

これはご案内のとおり、遺伝資源のアクセスと、そこから出てきますベネフィットのシ

ェアリングについてということで、名古屋議定書がようやく、約20年間かかりましたけれ

ども、締結を受けました。

この結果、おそらくこのナショナルバイオリソース事業も、いわゆる遺伝資源がやはり

国の主権的な財産であるという位置づけを、これからこの条約に基づいて、各国で法的整

備も含めていろいろな事業がなされていくであろうということを考えますと、やはり国と

して、今、遺伝資源をこういった形で維持・収集等を行っている事業の位置づけというも

のも大きく変わってくる可能性がございますので、きょうは情報提供という形をとってお

りますが、今後、こういったABSとの事業との関連などにつきましても検討を深めていきた

いと考えております。

特にこういったものについては、まだちょっと実感としてわいてこないのですが、例え

ば生命倫理の話も、出たときはあまり実感がなかったのですが、今ではそういったものを

ちゃんと倫理委員会を通してやるといったことが常識になっていますように、こういった

遺伝資源の考え方についても、こういったものが動き出しますとまた大きな変化の要因で

はないかと思いますので、そういったものを的確に事業のほうに反映させられるように、

また私どものほうも広報であるとかいろいろな作業を通じましてやっていきたいと考えて

おります。

きょうは情報提供だけですが、またご不明な点等あれば、個別にお尋ねいただければと

思います。

【小原主査】 よろしいですか。これは皆さんご承知と思いますので。

では、どうもありがとうございました。それでは最後に事務局から、今後の予定の連絡

をお願いします。

【河野生命科学専門官】 次回作業部会につきましては、先生方の日程調整の上お知ら

せしたいと思います。できれば12月中に1度、また可能であれば1月、2月、委員の改選等も

ございますので、なるべく早く報告書をまとめるような形で進めたいと思っております。

【小原主査】 委員は1月末で終わるんでしたっけ。

【河野生命科学専門官】 はい。任期は1月末までです。

【小原主査】 はい。ではこれで終わっていいのかな。机上資料は持ち帰らないでくだ

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さい。

【河野生命科学専門官】 もしこちらの資料2が必要であれば、こちらのほうから先生方

にお送りします。

【小原主査】 ということです。では、本日のバイオリソース整備戦略作業部会はこれ

で閉会いたします。どうもありがとうございました。

―― 了 ――