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食料・農業・農村をめぐる情勢及び 食料・農業・農村政策審議会企画部会におけるこれまで の検討状況等について 令和元年11月 資料1

食料・農業・農村をめぐる情勢及び 食料・農業・農村政策 ......100 099 098 106 107 104 103 105 108 112 116 099 101 096 092 089 085 075 080 085 090 095 100 105

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食料・農業・農村をめぐる情勢及び食料・農業・農村政策審議会企画部会におけるこれまで

の検討状況等について

令和元年11月

資料1

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1.農政を取り巻く状況の変化① 国内の食料消費の変化と見通し② 世界の飲食料市場規模の見通し2.現行の食料・農業・農村基本計画の概要3.これまでの農政改革による成果① 農業総産出額と生産農業所得の推移② 新規就農者数の推移③ 農林水産物・食品の輸出の状況4.我が国の農業をめぐる課題と新たな動き① 担い手の高齢化と新たな担い手の育成② 耕地面積の推移及び担い手への農地集積③ 農村地域人口の減少と農業集落の変化④ 中山間地域の振興と取組事例⑤ 地域資源を活用した6次産業化の展開⑥ 食料自給率の推移⑦ ロボット、AI、IoT等の先端技術を活用したスマート農業の実現⑧ 平成30年発生災害における農業関係の被害状況と復旧・復興状況⑨ SDGsなど農業をめぐる新たな動き

5.食料・農業・農村政策審議会企画部会ヒアリング等から得られた現場の声① 食料・農業・農村政策審議会企画部会における農業者等からのヒアリング② 農業者等からのヒアリング・委員意見交換における主な意見の概要

6.企画部会における議論の経過と主な意見の概要7.国民の皆様からの意見募集(参考1) 食料・農業・農村基本法(参考2) 食料・農業・農村政策審議会企画部会委員名簿

目 次

・・・・・・ 1・・・・・・ 2・・・・・・ 3・・・・・・ 4

・・・・・・ 5・・・・・・ 6・・・・・・ 7

・・・・・・ 8・・・・・・ 9・・・・・・10・・・・・・11・・・・・・12・・・・・・13・・・・・・14・・・・・・15・・・・・・16

・・・・・・17・・・・・・18・・・・・・25・・・・・・33・・・・・・34・・・・・・35

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・ 日本の農林水産業GDP(平成28年):世界10位・ 日本の農産物輸出額(平成28年) :世界52位

人口減少、高齢化に伴い、国内の農産物・食品のマーケットは縮小の可能性

1億2,600万人(平成7年)

1億2,671万人(平成29年)

1億190万人(令和32年(2050年))人口

83兆円(平成7年)

76兆円(平成23年)

飲食料のマーケット規模

農産物貿易額4,400億ドル(約42兆円)(平成7年)

世界の農産物・食品のマーケットは拡大の可能性

1兆4,000億ドル(約136兆円)(平成25年)

農業総産出額 10.4兆円(平成7年)

9.3兆円(平成29年)

20年前 現在 令和32年(2050年)

人口 57億人(平成7年)

74億人(平成27年)

98億人(令和32年(2050年))

+32%

国内

世界

▲20%

14.5%(平成7年)

27.7%(平成29年)

高齢化率(65歳以上の割合)

生産農業所得 4.6兆円(平成7年)

3.8兆円(平成29年)

飲食料のマーケット規模

(主要国)

- 890兆円(平成27年)

農業就業人口 414万人(平成7年)

168万人(平成31年)

耕地面積 504万ha(平成7年)

442万ha(平成30年)

1,360兆円(令和12年(2030年))

1.農政を取り巻く状況の変化

○ 人口減少に伴う農産物・食品の国内マーケットの縮小、農業者の高齢化・減少、世界の農産物・食品のマーケットの拡大など、我が国の農業をめぐる環境は今後大きく変化していくと見込まれる。

○ このような中、農業を次世代に継承し、食料を安定的に供給していくため、時代の変化を見通して、農業の有する潜在力を最大限引き出すことにより、農業を魅力ある成長産業としていく必要がある。

農業者は減少したものの、生産が効率化する中で、農業者1人当たりで見た農業所得は増加。

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34.6 32.7 30.3 29.0 27.4 26.2 24.8 23.4 22.1 21.0

43.6 45.1 47.8 49.7 52.1 53.1 54.7 56.2 57.7 59.2

21.8 22.2 21.9 21.3 20.5 20.6 20.5 20.4 20.1 19.9

0.0

10.0

20.0

30.0

40.0

50.0

60.0

70.0

80.0

90.0

100.0

H7 H12 H17 H22 H27 R2 R7 R12 R17 R22

1-1.国内の食料消費の変化と見通し

○ 我が国の人口は今後とも減少が続く中、単身世帯や共働き世帯の増加に伴い、食の外部化が一層進むと見込まれることから、食料需要は生鮮食品から付加価値の高い加工食品にシフトし、1人当たりの食料支出は増加していくと見通される。

○ 一方、食料支出総額は、1人当たりの食料支出の増加と人口の減少が相殺され、当面はほぼ横ばい、長期的には減少していくと見通される。

【出典】農林水産政策研究所「我が国の食料消費の将来推計(2019年版)」(令和元年8月)

外食

加工食品

生鮮食品

○食の外部化の進展○食料支出総額、1人当たり食料支出の推計

注:1. 平成27年までは、家計調査、全国消費実態調査等より計算した実績値で、令和2年以降は推計値。

2. 生鮮食品は、米、生鮮魚介、生鮮肉、牛乳、卵、生鮮野菜、生鮮果物の合計。加工食品は、生鮮食品と外食以外の品目。

実績値 推計値

(総世帯)

105107

105

101 100101

100 100 099098

106107

104

100 100

103

105

108

112

116

099100 101 101

100098

096

092

089

085

075

080

085

090

095

100

105

110

115

120

125

H7 H12 H17 H22 H27 R2 R7 R12 R17 R22

食料支出総額 一人当たり食料支出 人口

(1995) (2000) (2005) (2010) (2020)(2015) (2025) (2030) (2035) (2040)

(1995) (2000) (2005) (2010) (2020)(2015) (2025) (2030) (2035) (2040)

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1-2.世界の飲食料市場規模の見通し

○ 世界の飲食料市場の規模は、令和12年には1,360兆円に拡大すると見通される(平成27年比1.5倍)。

○ アジア地域の伸びが大きく、中国の加工品、インドの生鮮品・加工品、インドネシアの生鮮品の伸びが大きい。

420

800

220

280

210

240

30

40

890

1,360

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

H27 R12

1.5倍 1.1倍

1.3倍

1.9倍

1.4倍

ヨーロッパ

北米

アジア

南米・オセアニア

兆円

地域別

0

200

400

600

800

1,000

1,200

1,400

H27 R12

1.5倍

※グラフの数値は四捨五入して表示してある。【出典】農林水産政策研究所「世界の飲食料市場規模の推計」(平成31年3月)

210

350

330

310

520

540

1.5倍

1.5倍

1.6倍

品目別1,360

890

兆円 H27(2015) R12(2030)

アジア 221 146 57 424 409 292 93 794

中国 137 95 33 265 243 204 52 499

インド 36 8 4 48 80 19 4 104

インドネシア 13 6 3 22 32 10 6 48

その他アジア 35 37 18 89 54 59 30 143

北米 47 93 83 223 55 105 125 284

ヨーロッパ 53 97 60 211 62 105 75 242

南米・オセアニア 12 12 9 32 15 16 14 45

34か国・地域計 333 348 210 890 541 518 306 1,364

外食

加工品

生鮮品

単位:兆円

【出典】農林水産政策研究所「世界の飲食料市場規模の推計」(平成31年3月)

(2015) (2030) (2015) (2030)

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6

2.現行の食料・農業・農村基本計画の概要

現行の食料・農業・農村基本計画の考え方

○ 現行の基本計画は平成27年3月31日に閣議決定。平成25年に策定された「農林水産業・地域の活力創造プラン」等を踏ま

え、農業や食品産業の成長産業化を促進する「産業政策」と、多面的機能の維持・発揮を促進する「地域政策」とを車の両輪と

して、施策の改革を着実に推進し産業として持続可能なものとしていくため、農業生産額の増大や生産コストの縮減等による

農業所得の増大等に向けた施策を講じることとされた。

施策推進の基本的な視点

✓ 農業や食品産業の成長産業化を促進する「産業政策」と、多

面的機能の維持・発揮を促進する「地域政策」とを車の両輪

として食料・農業・農村施策の改革を着実に推進

✓ 農業の競争力を強化しつつ、産業として持続可能なものとし、

農村を活性化していく。

✓ 農業生産額の増大や生産コストの縮減による農業所得の増

大等に向けた施策を推進。

中長期的な情勢の変化の見通し

✓ 高齢化や人口減少

✓ グローバル化の進展

✓ 消費者ニーズの多様化

✓ 東日本大震災からの復

旧・復興 など

○ 多面的機能支払制度、中山間地域等直接支払制度の着実な推進

○ 地域コミュニティ機能の発揮等による地域資源の維持・継承 など

○ 農地中間管理機構のフル稼働による担い手への農地集積・集約化

○ 経営所得安定対策の着実な推進

○ 構造改革の加速化や国土強靱化に資する農業生産基盤整備 など

○ 生産・加工・流通過程を通じた新たな価値の創出(バリューチェーン)によ

る需要の開拓

○ グローバルマーケットの戦略的な開拓 など

○ 農協、農業委員会、農業共済団体、土地改良区

○ 農地や農業用施設等の着実な復旧等の推進 など

食料の安定供給の確保

農業の持続的な発展

農村の振興

講ずべき施策

東日本大震災からの復旧・復興

団体の再編整備

「強い農業」と「美しく活力ある農村」の創出

食料自給率の目標

食料の潜在生産能力を評価する

食料自給力指標を初めて公表

食料自給力(食料の潜在生産能力 )

食料自給率の目標

【カロリーベース】39% → 45%

(2013) (2025)

【生産額ベース】65% → 73%

(2013) (2025)

基本方向

✓ 需要フロンティアの拡大

✓ バリューチェーンの構築

✓ 生産現場の強化

✓ 多面的機能の維持・発揮

農林水産業の成長産業化と農林漁業者の所得向上を実現するための農林水産政策改革のグランドデザイン

食料・農業・農村をめぐる情勢

農林水産業・地域の活力創造プラン(H25)

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資料:農林水産省「生産農業所得統計」注1:その他は、麦類、雑穀、豆類、いも類、花き、工芸農作物、その他作物及び加工農産物の合計である。2:乳用牛には生乳、鶏には鶏卵及びブロイラーを含む。3:四捨五入の関係で内訳と計が一致しない場合がある。

参考:農業総産出額 = Σ(品目別生産量×品目別農家庭先販売価格)生産農業所得=農業総産出額-物的経費(肥料、農薬、光熱動力費等)+経常補助金

○我が国の農業総産出額及び生産農業所得の推移

〈農業総産出額〉

〈生産農業所得〉

3-1.農業総産出額と生産農業所得の推移

+9,000億円(H26→H29)

+9,000億円(H26→H29)

○ 農業総産出額は、平成26年まで長期的に減少してきたが、平成27年以降、米や野菜等の需要に応じた生産が進展したことに

より、3年連続で増加し、平成29年は9.3兆円となり、過去18年間(平成12年以降)で最も高い水準となっている。

○ 生産農業所得は、農業総産出額の減少及び資材価格の上昇により、平成26年まで長期的に減少してきたが、平成27年以降

は、3年連続で増加し、平成29年は3.8兆円となり、過去19年間(平成11年以降)で最も高い水準となっている。

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21.1

19.8 20.0

18.0 18.6

19.3

17.9

21.9 23.0

22.1 20.8

19.3

15

20

25

H19 H20 H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

73.5

60.0

66.8

54.6

58.1 56.5

50.8

57.7

65.0

60.2

55.7 55.8

50

60

70

80

○新規就農者数の推移

3-2.新規就農者数の推移

○ 世代間のバランスのとれた農業就業構造の実現に向けて、青年層の就業者の増加を図っている中、49歳以下の新規就

農者数は、この5年間(H26~H30)の平均は21,400人であり、それ以前の5年間(H21~H25)と比較して2,600人/年増加し

ている。

(千人)

年平均21,400人年平均18,800人

+2,600人/年

新規就農者数(全体)

49歳以下の新規就農者数

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2,680 3,136

3,569 4,431

4,593 4,966

農産物

5,661 118

152 211

263 268 355

林産物

376

1,698

2,216

2,337

2,757 2,640 2,749

水産物

3,031

2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2018年

1-6月

2019年

1-6月

7,451億円7,502億円

8,071億円

4,497億円

5,505億円6,117億円

9,068億円平成31年(令和元年)の目標=1兆円

+12.4%(前年比)

4,358億円

水産物 1,546林産物 185農産物 2,627

4,486億円

水産物 1,430林産物 193農産物 2,864

+2.9%(前年同期比)

3-3.農林水産物・食品の輸出の状況

1兆円目標達成に必要な増加率

+10.3%

○ 農林水産物・食品の輸出促進を図っている中、輸出額は6年連続で過去最高を更新し、平成30年の輸出額は9,068億円と

なっている。

○ 平成31年(令和元年)の1兆円目標、その後の更なる輸出の拡大に向けて、引き続き輸出促進に向けた取組を強化していく。

H24(2012)

H25(2013)

H26(2014)

H27(2015)

H28(2016)

H30(2018)1-6月

H29(2017)

H30(2018)

R1(2019)1-6月財務省「貿易統計」を基に農林水産省作成

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【事例2】外部から新規参入し、集落営農組織の担い手として活躍〈農事組合法人重兼農場(広島県) 代表 山崎 拓人氏〉

○ 重兼農場は広島県初の集落ぐるみ型農事組合法人として、東広島市重兼集落で平成2年に設立。

○ 山崎氏は、重兼集落で育ち、大学卒業後、地元JA広島中央に就職。JA退職後、平成30年に、29歳で重兼農場代表理事組合長に就任し、農業の働き方の改革に取り組む。

○ 米をはじめ、育苗、酒米生産などにも取り組むとともに、近隣法人との連携により、広域での農業機械共同利用を推進し、地域農業の新たな担い手として活躍。

【事例1】高齢化により流動化する地域の農地の受け手として、農地を集積し規模拡大〈中森農産株式会社(埼玉県) 代表取締役 中森 剛志氏〉

○ 東京都出身。平成26年に埼玉県加須市に移住。青年等就農給付金(準備型)を受給し、農業法人で2年間研修を実施。

○ 担い手が減少傾向で農地を集積しやすい地区を探し、平成28年に水稲10㏊で就農。業務用米に特化した生産・販売により利益を確保し、初年度から黒字経営を実現。

○ 平成29年に法人化。その後も、地域の農地の受け手となって継続的に規模拡大し、現在は100haを経営。

○ 高齢化により流動化する農地の受け皿となり、低コスト化による国際競争力の確保や、有機栽培米の大量生産等を行う。

0

10

20

30

40

50

60

4-1.担い手の高齢化と新たな担い手の育成

○ 我が国の農業を支える基幹的農業従事者は年々高齢化し、今後一層の減少が見込まれることから、担い手の確保が困難となり、農業の持続可能性が懸念される地域が発生する可能性がある。

○ 一方、法人経営体及び法人の常時雇用者が増加し、新たな担い手が創意工夫を発揮して地域で活躍する状況も生まれており、今後、担い手の確保と人材育成を強力に進め、持続的な生産構造をつくる必要がある。

資料:農林水産省「農林業センサス」(組替集計)、「農業構造動態調査」

基幹的農業従事者:販売農家の世帯員のうち、ふだん仕事として主に自営農業に従事している者。(家事や育児が主体の主婦や学生等は含まない。)

(万人)

○基幹的農業従事者の年齢構成の推移

(平成30年 145万人 66.6歳)

基幹的農業従事者数 平均年齢60代以下基幹的農業従事者数

平成7年 256万人 59.6歳60代以下:205万人

平成17年 224万人 64.2歳60代以下:135万人

平成27年 175万人 67.0歳60代以下:93万人

昭和一桁世代(1926年~1934年生まれ)

○法人経営体数と常時雇用者数の推移

資料:農林水産省「農林業センサス」、「農業構造動態調査」より作成

45,45449,369

52,888

67,713

104,285

4,986 5,2728,700

12,511

18,85723,400

0

10,000

20,000

30,000

40,000

50,000

60,000

0

20,000

40,000

60,000

80,000

100,000

120,000

平.7 12 17 22 27 28 29 30 31

法人の常時雇用者数

法人経営体数

(人) (法人)

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0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

500

550

H7 H12 H17 H22 H27 H30

4-2.耕地面積の推移及び担い手への農地集積

○ 農地面積は、主に荒廃農地の発生や宅地等への転用等により、減少が続いている。○ 農地の分散状態を解消し、農地の集積(担い手に農地を集める)・集約化(農地をひとまとめにする)を進めるための仕組みとして、農地中間管理機構(農地バンク)が平成26年に創設され、担い手の農地の利用面積シェアが着実に増加している。

○ 農業者の世代交代が進む中、我が国の農業は、まさに構造調整の最中にある。今後、農業者が一層減少していくことを見据えて、農地を維持しつつ、我が国の農業の持続的発展を図るためには、担い手への農地の集積・集約化を加速化していく必要がある。

○農地面積の推移 ○ 全耕地面積に占める担い手の利用面積のシェア

45%

50%

55%

60%

2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018

+3.1万㏊

56.2%55.2%

48.0%

48.7%

+4.1万㏊

54.0%

52.3%

50.3%

目標 令和5年に8割

うち機構転貸+1.7万㏊それ以外+2.4万㏊

うち機構転貸+1.6万㏊それ以外+1.5万㏊

○ 農地バンク事業の活用事例

H21 H22 H23 H24 H25 H26 H27 H28 H29 H30

・ 農地バンク事業では、機構がいったん借りた農地の転貸先を変更できる

ため、その後の農地の再配分を機動的に進めることが可能。

・ 実際に、機構が10年以上の権利を取得し、地域の話合いが進むに従って

農地を再配分することにより、分散錯圃を解消した事例が出てきている。

荒廃農地

面積計

(参考値)再生利用された

面積再生利用が可能な荒廃農地(A分類)

再生利用が困難と見込まれる荒廃農地

(B分類)

平成29年 28.3 9.2 19.0 1.1

○ 荒廃農地 (市町村による客観ベースの調査) (単位:万ha)

・本表の数値は、避難指示のあった福島県下7町村のほか、東京都下1村の計8町村除く。・四捨五入の関係で計が一致しない。

(万ha)

503.8(計)

442.0(計)

201.4

240.5

229.3

274.5

約62万ha減少

資料:農林水産省「耕地及び作付面積統計」

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74

95

122

170

89

68

58

100

46

40

60

80

100

120

140

160

180

S45 S50 S55 S60 H2 H7 H12 H17 H22 H27 R2 R7 R12 R17 R22 R27

農業地域類型別の人口推移と将来予測

都市的地域

平地農業地域

中間農業地域

山間農業地域

注1) 国勢調査の組替集計による.なお,令和2年以降(点線部分)はコーホート分析による推計値である.2) 農業地域類型は平成12年時点の市町村を基準とし,平成19年4月改定のコードを用いて集計した.

(指数:H27=100)

○ 人口減少は、農村の平地~山間になるほど顕著となり、特に山間地域においては、令和27年には平成27年から半減し、過半が65歳以上の高齢者になると見込まれる。

○ また、集落の存続が危惧される、集落人口が9人以下でかつ高齢化率が50%以上の集落(存続危惧集落)は、30年後(令和27年)には4倍以上に増加。これらの9割が中山間地域に所在する集落となっている。

4-3.農村地域人口の減少と農業集落の変化

10出典:農林水産政策研究所「農村地域人口と農業集落の将来予測」(令和元年8月)

1,250

324

2,374

174

2,253

277

74

4,576

656

4,534

175

5,485

726

138

12,791

3,263

11,031

1,224

12,708

3,304

721

11,575

4,925

9,180

2,486

11,173

5,360

1,420

0 5,000 10,000 15,000 20,000 25,000 30,000 35,000

2045年

2015年

2045年

2015年

2045年

2015年

人口減少と少子・高齢化の進行による集落の変容(推計結果)

都市的地域 平地農業地域 中間農業地域 山間農業地域

(集落)

資料:地域の農業を見て・知って・活かすDB(平成27年).注.集落ごとに行ったコーホート分析によって推計した年齢別の集落人口に基づく.

(9,667)

(31,619)

(4,059)

(27,119)

(9,168)

(30,192)

(2,353)

14歳以下の子供がいない有人集落

集落世帯員の2/3以上が65歳以上の集落

今後30年間で集落人口が1/3未満になる集落

【存続危惧集落】人口が9人以下でかつ高齢化率が

50%以上の集落

H27

R27

R27

R27

H27

H27

H27-R27

(1995)(2000)(2005)(2010) (2020)(2015) (2025)(2030)(2035)(2040)(2045)(1970) (1975)(1980)(1985)(1990)

(2015)

(2045)

(2015)

(2045)

(2015)

(2045)

(2015-2045)

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○日本型直接支払制度等を活用した各地域での取組事例

○ 獣害の少ないエゴマの栽培により、

耕作放棄地が減少し、中山間地域の

景観向上、農家の意欲回復に寄与。

○ 集落ぐるみで草刈りや農道の管理

を実施することで、エゴマ栽培の拡大・

安定生産を下支え。

○ 共同取組活動として協定参加者を

中心に設立された「円良田EGOMAク

ラブ」がエゴマを生産し、地元直売所で

加工・販売を行い、収益の向上、地域

農産物のブランド化の取組により、地

域の活性化を推進。

○ エゴマ油は美里町のふるさと納税

の返礼品となっており好評。(エゴマ油

の生産額:350万円(H29))

○ 中山間地域の人口は全国の約1割であるが、農家数、耕地面積、農業産出額とも全国の約4割を占め、我が国農業の重要な

部分を担っている。

○ 中山間地域は傾斜地が多いなど地理的な制約があるものの、貴重な地域資源・強みをうまく活用することで雇用と所得を生

み出し、地域の新たな発展に貢献することが期待される。また、地域内外の者が交流する機会を創出し、地域の活性化につな

げる事例も生まれており、今後、こうした取組を強化していく必要がある。

11

4-4.中山間地域の振興と取組事例

【エゴマ栽培による耕作放棄地の解消】

(円良田協定(埼玉県))

共同活動・収穫作業 商品のエゴマ油

○ 昭和35年に37世帯211人いた集落

は、高齢化と新潟中越大震災により、

6世帯13人まで減少し、集落存続の危

機に。

○ 災害ボランティアの受入れを契機に

交流事業や移住促進事業等により、

11世帯25人に増加し、「奇跡の集落」

と呼ばれる。

○ 地域おこし協力隊や、中山間地域

直接支払交付金等も活用し、集落で

生産した魚沼産コシヒカリをブランド米

として販売。

【震災復興から「奇跡の集落」に】

(池谷・入山集落(新潟県))いけたに いりやま

中山間地域の主要指標(平成27年)

区分全国(A)

中山間地域(B)

割合(B/A)

①人口 1億2,709万人 1,420万人 11%

②総土地面積 3,780万ha 2,741万ha 73%

③耕地面積 450万ha 184万ha 41%

④林野面積 2,480万ha 2,174万ha 88%

⑤総農家数 216万戸 95万戸 44%

⑥販売農家数 133万戸 57万戸 43%

⑦農業産出額 8兆8,631億円 3兆6,138億円 41%資料:農林水産省統計部「2015年農林業センサス」(組替集計)(②総土地面積、④林野面積、⑤総農家数、⑥販売農家数)

農林水産省「平成27年耕地及び作付面積統計」(③耕地面積)

農林水産省「平成27年生産農業所得統計」(⑦農業産出額)

総務省「平成27年国勢調査」(①人口)

注1 農業地域類型区分は、平成29年12月改定のものを使用。

注2 ①人口、③耕地面積、⑦農業産出額の中山間地域(B)の値は、農林水産省農村振興局地域振興課の推計値。

注3 ②総土地面積、④林野面積の中山間地域(B)の値は、旧市区町村別の総土地面積を用いて算出しており、

北方四島等や境界未定の面積を含まない。

つぶらた

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○ 農山漁村は、農林水産物を始めバイオマス、土地、水など様々な地域資源が豊富であり、今後の経済成長へ向けた希少資源として、我が国の最大の強みの一つである。農林漁業者と他産業との新たな連携を構築し、生産・加工・販売・観光等が一体化したアグリビジネスの展開や、新産業の育成、再生可能エネルギーの導入等により、農林漁業の成長産業化に寄与することが期待される。

○ 6次産業化に取り組む認定事業者の売上高は、認定申請時に比べて8割近くの者で売上げが増加している。

4-5.地域資源を活用した6次産業化の展開

○6次産業化に取り組んだ事業者の経営状況○地域資源を活用した6次産業化の展開

1次・2次・3次産業の連携

農林水産物

バイオマス

自然エネルギー

風景伝統文化

食品産業

エネルギー産業

観光産業

IT産業

農林漁業の成長産業化

新たな産業の育成

輸出産業

医療・介護サービス業

○6次産業化の取組事例

【1事業者当たり平均の売上高】(5年間総合化事業計画に取り組んだ事業者)

約6.800万円

資料:農林水産省食料産業局産業連携課調べ

約4.300万円

○6次産業化の取組事例

女性目線で取り組む伝統野菜の加工品の開発

○ 売上高 1,500万円(H23)⇒3,280万円(H29)○ 雇用者(パート含む) 3人(H23)⇒6人(H29)○ 睡眠改善効果があるといわれる沖縄伝統野菜を活用して一次加工品を製薬会社へ販売。自社でスイーツ等の加工品を製造・販売。地元観光業者と連携して花摘みバスツアーを事業化。

睡眠改善効果の機能性に着目し、加工原材料向けに生産を拡大

食品製造事業者と連携し、スイーツ等の加工品を開発

女性ならではの発想力で観光と連携し、来園者数と売上高を拡大

生産 加工 販売

(株)今帰仁ざまみファーム【沖縄県今帰仁村】

沖縄伝統野菜「クワンソウ」の加工品と花摘み体験

な き じん

12

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0%

50%

100%

小麦

大豆

かんしょ

ばれいしょ

野菜

果実

てん菜さとうきび

生乳

牛肉

豚肉

鶏肉

鶏卵

魚介類(食

用)

H26~30年度

の平均

R7年度(目標)

90

95

100

105

110

H25 H26 H27 H28 H29 H30

米 麦 豆類

0

20

40

60

80

100

H1 H7 H12 H17 H22 H27 H30

(年度)

(%)

13

生産額ベース

カロリーベース

4-6.食料自給率の推移

○ 我が国の食料自給率は、長期的にはコメの消費減少や畜産物・油脂類の消費増加を背景に低下傾向で推移し、平成30年度

はカロリーベースで37%、生産額ベースで66%となっている。

○ 平成25年と比べた作付面積の変化は、コメが減少する一方、麦や豆類は増加している。

○ 生産努力目標(令和7年度)に対する達成度は、作柄によって生産量が変動する中で、一定程度達成している品目があるも

のの、食料自給率の向上を図るためには、生産・消費両面から取り組んでいく必要がある。

○食料自給率の推移

○作付面積の推移(平成25年=100)

49

77

R7年度目標値(魚介類(食用)については、R9年度目標値)を上回っていれば黒点線(100%)の外側、下回っていれば内側(注)米は米粉用米、飼料用米を除く

○生産努力目標(令和7年度(2025年度))の達成状況

37

66

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14

(スマート農業の例)・自動運転システム+高精度GPS → 省力化、無人化により労働力不足を解消・センシング技術+ビッグデータ+AI → 精密農業の実現により収量・品質を向上・ロボット技術 → 重労働や危険作業からの解放により労働環境を改善

自動運転田植機農薬散布用ドローン

・1haあたり10分で散布可能(従来作業では1haあたり1時間)

・熟練者並の速度と精度で作業が可能

・令和元年度以降実用化

・AIによる画像認識により、収穫適期の果実を自動収穫

自動収穫ロボット家畜生体データセンシング

・発情や疾病兆候を検知し、繁殖成績の向上や最適な飼養管理を実現

○ ロボット、AI、IoT等の先端技術は、肥料・農薬等の資材費の削減や農業生産の効率化、農産物の高付加価値化など、意欲

ある農業者が自らの経営戦略を実現し、農業労働力が減少する中においても、競争力を向上するための強力なツールになる

ことが期待される。

○ これらの農業新技術の現場への実装を早急に進めることにより、農業の生産性を向上させ、労働集約型産業からの転換を図る必要がある。

4-7.ロボット、AI、IoT等の先端技術を活用したスマート農業の実現

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15

4-8.平成30年発生災害における農林水産関係の被害状況と復旧・復興状況

平成30年7月豪雨(6.28~7.8)

(平成31年1月10日時点)

台風第21号(9.3~5)

北海道胆振東部地震(9.6)

台風第24号(9.28~10.1)

・ 前線や台風第7号の影響により、西日本を中心に広い範囲で記録的な大雨。・ ため池の決壊、樹園地の崩壊等が発生。

・ 非常に強い勢力で徳島県に上陸した後、近畿地方を縦断し、日本海を北上。・ 果樹の落果や農業用ハウスの損壊等が発生。

・ 厚真町で最大震度7を観測。・ 農地・農業用施設への土砂堆積や損壊等が発生。また、停電による生乳の廃棄などの被害等が発生。

・ 非常に強い勢力で沖縄地方に接近し、和歌山県に上陸。その後、東日本から北日本を縦断。・ 広い範囲で水稲の倒伏、農業用ハウスの損壊等が発生。

農作物等 295億円

 うち農業用ハウス等 62億円

 (件数) 8,487件

農地・農業用施設 1,405億円

林野関係 1,586億円

水産関係 20億円

合計 3,306億円

農作物等 340億円

 うち農業用ハウス等 206億円

 (件数) 42,916件

農地・農業用施設 18億円

林野関係 38億円

水産関係 46億円

合計 442億円

農作物等 84億円

 うち農業用ハウス等 9億円

 (件数) 1,626件

農地・農業用施設 580億円

林野関係 474億円

水産関係 5億円

合計 1,143億円

農作物等 308億円

 うち農業用ハウス等 123億円

 (件数) 21,873件

農地・農業用施設 116億円

林野関係 136億円

水産関係 56億円

合計 616億円

○ 平成30年は、7月豪雨、台風第21号、北海道胆振東部地震、台風第24号などの大きな災害により、農林水産関係に甚大な被害が発生。被害額は、平成23年の東日本大震災(2兆3,841億円)を除くと過去10年で最大となっている。

○ 近年、大規模な災害が頻発し、農林水産関係の被害額は増加傾向にあることから、農業分野においても国民の生命、財産を守る防災・減災、国土強靭化が喫緊の課題である。(被害額は農林水産関係で集計)

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16

4-9.SDGsなど農業をめぐる新たな動き

○ 農林水産業は、農地・森・海といった自然環境を基盤に食料の生産を担っており、SDGs17目標にも深く関わりがあり、第2回のジャパンSDGsアワードにおいては「食品ロスの削減・食品リサイクル」に資する優れた取り組みを実施した(株)日本フードエコロジーセンターに推進本部長賞が授与された。

○ このような新しい動きをとらえながら、農林水産業を活性化していくことが重要である。

センターでの製造工程

破砕

食品残さを乳酸菌発酵させ、液体飼料に調製

養豚農家

液体飼料の給与により、粉塵の発生が減少し、豚の呼吸器系疾患も減少

食品産業

食品工場やスーパーなどから食品残さを受け入れ、センターに搬入

生産された豚肉は、食品残さを排出した食品産業を中心に販売

製造や農家への配送の際、衛生管理に注意している

○農林水産分野とSDGsのかかわり ○SDGsの取組事例

【ジャパンSDGsアワード推進本部長賞(内閣総理大臣)】株式会社日本フードエコロジーセンター

国内で生じる食品残さから良質な飼料を製造し、その飼料を用いて飼養された豚肉をブランド化し、養豚業者や食品製造業、小売、消費者を巻き込んだ継続性のある「リサイクルループ」を構築。

加熱・発酵 液体飼料

「子供食堂」で、子供の食事・栄養状態を確保

食育の推進による次世代の教育振興

福祉農園、加工・販売施設等の整備により、障害者等の受入れ

途上国のフードバリューチェーンを構築するための国際協力、海外投資の推進

農林水産分野の女性の活躍

途上国における農業用水の持続可能な利用の推進

農山漁村の資源を再生可能エネルギーとして活用

スマート農林水産業の推進によるイノベーション創出

条件不利地域で農業生産活動を行う農業者の支援

家庭における食料品備蓄の推進・食料支援制度の整備

食品ロス削減、食品リサイクルの促進

農林水産分野における温室効果ガス削減技術の開発

水産資源の持続的利用の推進

林業の成長産業化と森林の多面的機能の発揮

農林水産業の成長産業化、農山漁村の活性化

持続可能な農林水産業の推進、栄養改善に関する国際協力

SDGs(持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals))とは:2015年の国連サミットで採択された「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現のため、2030年を年限とする17の目標。

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17

5-1.食料・農業・農村政策審議会企画部会における農業者等からのヒアリング

平成31年(令和元年)3月18日(第1回):「水田農業」をテーマに、山形県、埼玉県、千葉県、新潟県の水田生産者よりヒアリング。

3月28日(第2回):「畜産・酪農」をテーマに、北海道(酪農)、岩手県(養豚)、富山県(酪農)、鹿児島県(肉用牛)の生産者よりヒアリング。

4月12日(第3回):「果樹・茶」をテーマに、岩手県(リンゴ)、山梨県(ブドウ)、静岡県(茶)、愛媛県(柑橘)の生産者よりヒアリング。

4月25日(第4回):「野菜」をテーマに、静岡県(キャベツ)、岐阜県(トマト)、大阪府(玉ネギ)、徳島県(さつまいも)の生産者よりヒアリング。

5月21日(第5回):「食品事業者」をテーマに、東京都(輸出)、三重県(給食)、兵庫県(醤油)、宮崎県(流通)の事業者よりヒアリング。

5月29日(第6回):「農村振興」をテーマに、長野県(6次化)、高知県(養鶏・宿泊)、新潟県(棚田保全)、栃木県(農泊)、島根県(ジビエ)の事業者よりヒアリング。

6月12日(第7回):「産地・地域づくり」をテーマに、北海道、長野県、広島県、山口県で、産地づくりや震災からの復興等に取り組む農業者等よりヒアリング。

6月20日(第8回):「経営継承」をテーマに、栃木県、富山県、長崎県、佐賀県で、経営を継承した方と継承させた方の両方の方よりヒアリング。

6月27日:8回のヒアリングを基に、審議会委員同士で意見交換。

○ 「食料・農業・農村基本計画」の見直しに当たっては、まずは現場の取組や課題を幅広く把握し、具体的な議論につなげていくため、本年3月から6月にかけて計8回、食料・農業・農村政策審議会企画部会において農業者等からのヒアリングを実施した。

○ 家族経営・法人・集落営農などの方々や、中山間地域の方や高齢者・女性の方々も含め、農業者や食品事業者、農村振興に取り組まれている方々など、計26都道府県から36名の方にお越しいただき、担い手、農地、経営継承、行政手続、食育、農村振興など、農業・農村の持続的発展や食料の安定供給を図る上で、現場が直面する政策的な課題が活発に議論された。

農業者等からのヒアリングの実績

企画部会の様子(第4回)

農業者などヒアリング御協力者の方々と審議会委員の集合写真(第8回)

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18

5-2.農業者等からのヒアリング・委員意見交換における主な意見の概要①

<農業の持続的発展に関する意見>

農地の集積・集約化について①地元の条件の良い農地では、高齢者の方でも、健康なうちはかなり高齢になっても手放さず、病気や死亡した場合でないと回ってこない。(第1回水田農業)

② 規模拡大の上で、やはり農地集積が一番のボトルネック。農地は生もののようであり、いつ何ha集まるかの見込みが分からないので、投資の計画が立てづらい。(第1回水田農業)

③農地中間管理機構に対する意見が多かったが、自分自身も新規就農者の面倒を見るために相談するが、結局自分が地権者に直接会いにいかなければならず、また、農業用水や排水等の情報が一元化されておらず、もっと積極的になってもらいたい。(委員意見交換)

農業の担い手の確保について①農業を次世代に引き継ぐなら、一定以上の収入確保が必須条件。その上で、後継者に職業の一つとして選択してもらえる状態にすることが必要。(第1回水田農業)

②集落営農について、中山間地には組合員ではない個人農家もまだ多く、そのような人たちもまとめる存在として農事組合法人がある。非農家も含めた地区の意見をまとめるのは地区の人間でないと難しいが、将来的には地区の人間ではない当法人の職員ができるようになるのが望ましい。(第7回産地・地域づくり)

③農業は個人事業主が殆どであり、特に水田農業の殆どは利益が出ておらず、そもそも事業継承できない。80~100haやっている大規模農家ですら、約半分は後継者がおらず、10年後に続けている可能性は半分もないのではないか。危機感を感じている。(第1回水田農業)

④農業者だけでなく、農地所有者も世代交代しており、次の世代は農地に関心を持たない者もいる中、農地をどう引き受けて地域農業を維持していくのかを懸念。(第8回経営継承)

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19

<農業の持続的発展に関する意見>(続き)

5-3.農業者等からのヒアリング・委員意見交換における主な意見の概要②

経営継承の円滑化について①行政が離農する意思のある方を把握することが重要。自分の場合でも行政の支援が全くマッチングしていないという実態があった。次に潔く明け渡していく考えが持てれば、第三者継承はうまく回ると思う。(第2回畜産・酪農)

②過去に補助事業を活用して建てられた牛舎が、離農により使用されなくなったままになっている。利用希望者に積極的に活用してもらえるよう、行政が牛舎を買い上げる等、使用権の移譲を管理すべき。(第2回畜産・酪農)

③一家の大黒柱が経営や栽培の責務を一手に担っている場合、その者が倒れたらどう技術を継承するのかは、常々危機感を持って考えるべき。後継者や近隣の若手農家に対し、移譲をする意思を早めに表明すれば、若手農業者もそれを計算に入れて計画が立てられる。(第4回野菜)

④日本の農家はほとんどが個人事業で、子供が継がなければ維持されない、資産が家族に帰属し第三者継承が難しいなどの問題がある。法人化によって経営者が変わっても容易に資産を移動できるようにし、安定雇用・収入・福利厚生があれば田舎で農業をやりたい人材を雇用できるような、居住環境を含めた環境整備が必要。 (第6回農村振興)

⑤高齢化により離農する生産者が増加しており、地域を維持するためにも経営継承をコーディネートする役割の重要性は増しているが、地域ぐるみで計画的な経営継承の準備ができるような仕組みづくりが必要。(第8回経営継承)

⑥生産や技術については、法人内やJA、県からサポートしてもらえるものの、お金の面については、細かい部分は知らないことが多く、継承時に負担が多く、不安を感じたので、そういったところにサポートがあるとありがたい。また、行政には、生産者にとって身近な存在になることが重要。掘り起こせば、まだまだ農業をやりたいという人はいると思うので、まずは経営を継承させる側の方に促していくことが重要。(第8回経営継承)

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<農業の持続的発展に関する意見>(続き)

経営の発展に向けた環境について

①酪農家族経営での規模拡大には、酪農ヘルパー、人工授精師、獣医師、削蹄師などの他職種の支援が必須。営農に加えて雇用や書類作成等、仕事も多様化しており、専門職の方との情報交換の場が増えれば、専門家の意見や最新の知見を営農にも活かせる。 (第2回畜産・酪農)

②日本の農業のコミュニティーは地域単位であったが、これからは品目単位、あるいは同じ業態の人たち同士が今の経営課題や課題を解決してきた経験を共有しあい高めあうような場を、そういうコミュニティーを強化していく必要がある。地域を超えると、あまり競争意識もなくなりお互いに学びあえるようになるので、品目別、作物別、業態別のコミュニティーを作っていくことが、今後さらに頑張りやすくなる環境づくりにつながるのではないか。 (第2回畜産・酪農)

5-4.農業者等からのヒアリング・委員意見交換における主な意見の概要③

新技術の開発や導入等について①おいしいりんごをつくる農業者が行う木の剪定方法等の技術がデータ化されておらず、技術の継承が難しい。(第3回果樹・茶)

②スマート農業の推進のための法制度の改変について、ドローンでも目視しないといけないことや、無人トラクターは公道を走れないことがあると思う。(第1回水田農業)

③発情発見装置や分娩監視装置等のICT機器の導入による生産性向上及び省力化に取り組んでおり、投資効果額が初期投資額を大きく上回った。子牛の疾病兆候を検知できる機器の開発やICT機器の低コスト化に期待。(第2回畜産・酪農)

④温暖化、気候変動への対応策について、施設化には大きなコストを要する。経済的・技術的支援・大学等の現場に定着した研究などが必要。(第7回産地・地域づくり)

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<農業の持続的発展に関する意見>(続き)

行政手続の効率化等について①共済細目書は、圃場ごとに品種、生産調整面積、作物名等を手書きで記入する複写式用紙で、規模拡大で水田枚数が多くなると大変な労力がかかるので、電子化も取り入れるべき。(30a水田1枚→50haで約167枚分)補助金の申請書類等の申請書の枚数が多すぎて、農作業に影響が出る時がある。 他省庁の申請書類はシンプルなものもあるので、シンプルで分かりやすい申請書になれば、多くの生産者が申請しやすくなる。(第1回水田農業)

②中間管理機構による集約はなかなか進まず集約化が出来ない。また、市町村や都道府県がまたがると、事務処理がそれだけ倍になる。例えば、100haなど、ある程度の規模になれば、「メガファーム」という形で、申請手続きを国に一括化し、国直轄で育成できないか。 (第1回水田農業)

③スマート農業の推進を旗振っているが、同時に、スマート「農業政策」の推進をしなければ、現場で大変な問題が起きるのではないかと感じた。農地中間管理機構にたくさんの案件が来るようになれば、ICTを使って処理しなければ対応が出来なくなるのではないか。 (第1回水田農業)

5-5.農業者等からのヒアリング・委員意見交換における主な意見の概要④

農業労働力の確保について①従業員の家族が胸を張って農業に従事していることを言える環境にすることが農業継続のために必要。その一環として、初任給を地域の一般企業並みに引き上げている。(第4回野菜)

②地域は高齢化と後継者不足により、耕作放棄地や放任園の増加が課題。特に、機械化できない収穫作業時の人手確保が難しく、規模拡大したくとも労働力不足から規模拡大を断念する場合がある。労働力確保には、JAや行政の関係機関の連携が重要であり、JAには、アルバイターを首都圏から呼んできてもらって、昨年度は290人に来てもらった。他のJAと連携し、そのアルバイターが日本をぐるぐる回り、労働力を確保し続けるという仕組みを拡充してもらいたい。(第3回果樹・茶)

③労働力不足で作業が深夜に及び、その解消が課題となった際に、農福連携に取り組んだが、非常に作業が早かった。自分たちができない部分をフォローしてもらえ、大変助かった。連携して取り組んでいく中で、取組の成果をフィードバックすることでモチベーションの向上につなげていただいている。作業経験を積んだ障害者の方を新たに雇用。よりスピーディな選果業務に期待。(第4回野菜)

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グローバルマーケットの開拓について①輸出を農業全体にインパクトを与える規模に引き上げるためには、まずは販路を拡大する必要がある。鍵となる市場は中国とインド。販路が確保されれば、次の段階として、国内生産基盤を拡大し、最終的には、「作れば売れる」というエコシステムを確立することができる。近年問題となっている海外への品種流出についても、海外での育成者権保護等を進めつつ、積極的にブランディングすることにより、国際市場での日本品種の認知度を高め、ロイヤリティ収入による経済的価値を生み出すビジネスモデルが可能ではないか。 (第5回食品産業)

②海外拠点に対する支援や、ビジネス戦略へのサポート、ビザの緩和などスムーズな人材交流のサポートがあるとありがたい。(第3回果樹・茶)

③ブランドを掲げて金額設定を見直したが、他産地のさつまいもが安すぎるくらい安く、どうすれば自分たちと同じ価格帯まで引き上げてもらえるかが課題。国産同士でけんかをせずに、かつ、生産者が意欲をもって取り組める価格での取引が必要。(第4回野菜)

食育・地産地消について①子どもの野菜食べ残しや、企業向け弁当の見込み生産による売れ残りによる食品ロスが問題。子どもは家で野菜を食べなれていないのではないかと考えており、親への食育が必要ではないか。各省庁で別々に食育や地産地消キャンペーンを行っており、縦割りだと感じることがある。学校給食の国産割合についても、なぜ国産を使用するのかという、そもそもの原点が忘れられているのではないか。 (第5回食品産業)

②生産と消費の距離が離れてしまい、スーパーの特売などで、醤油が水よりも安く売られている現状に、消費者は疑問を持っていないことに問題意識を持っている。食べ物がなければ生きていけないため、農業が最も大切だということをもっと教育すべき。 (第5

回食品産業)

③子どもにしっかり食育しないといけないと思い、要望があれば話に行く。そうするとよく給食を残す子どもがきれいに食べてくれるようになることもある。子どもだけでなく、親や先生にもいろいろな情報を流していく必要があると感じた。(第5回食品産業)

④農業者の所得を上げるためには、消費者に、農業・農村は大切という認識を持ってもらうことが大切。そのための切り口の一つが食。自然災害や世界的な人口増大による影響で、食の安定供給へのリスクが高まっている実態をきちんと国民に知らしめることが重要で、改めて、国産農産物の消費拡大を大々的にPRし、国民運動としていくことを計画の中でも位置付けて欲しい。(委員意見交換)

<食料の安定供給に関する意見>

5-6.農業者等からのヒアリング・委員意見交換における主な意見の概要⑤

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<農村の振興に関する意見>

農村システムの維持について①地域では、高齢化により、離農者の数が担い手より多く、特に中山間地域は深刻な状況。(第1回水田農業)

②農業は淘汰されながらも発展していく一方で、農村システムは崩壊していくのではないか。人・農地プランの話し合いの場でも、出し手は一切出てこないし、農家がボランティアとして行ってきた、地域の草刈りや消防団といったものも、人口が減っていけば成り立たなくなっていくのではないか。多面的機能交付金も事務処理量が多く、今後大きな課題になるだろう。(第1回水田農業)

③地元の長野県飯綱町では人口減少が深刻であり、子どもが成人するまでに約半分が町外に流出している。このペースでは70年後に町の人口が10分の1になるという危機的な状況になり、農業の担い手が10分の1になると、日本の農業が成り立たなくなる。このため、農業の担い手を確保するための対策が必要不可欠。(第6回農村振興)

④当社のある高知県安芸市の畑山集落と隣の集落までの15kmにあった半世紀前まで存在していた集落はすべて消滅し、畑山は800人だった人口が現在は20人にまで激減した。農村での行事等のハレの日を手伝ってくれる人も次第に減ってきており、人が暮らせる生業をつくらなければ集落の維持はできない。生活インフラの維持も困難であり、例えば、住民の数だけでは生活道の維持・拡幅は難しく、来客数による県道の利用増を考える必要があり、そこに旅館や食堂を営む意味があると考えている。(第6回農村振興)

⑤農村振興のため、①人口増の施策より、人口減でも暮らせる仕組みが必要であり、今までの『当然』を諦めていく勇気を持つべき。②リタイア世代の生きがいづくりと、現役世代の仕事づくりを混同してはいけない。③住民一人一人の主体性が一番大切であり、補助金目的の活動はよくない。地元の先祖代々の田んぼを引き継がせたいが、やれる人がいないのであればしょうがないのではないかと言ってあげることも一つの支えになる、また、年金を持って最低限の生活保障がある世代と、自分たちが高齢化した後にどうなるのかと思っている世代では危機感が異なり、その次の世代の人たちが仕事を続けられるところに支援をするならば手厚くしてほしい。(第6回農村振興)

5-7.農業者等からのヒアリング・委員意見交換における主な意見の概要⑥

地域の雇用と所得の創出、都市農村交流について①広大な農地や農産物は地方の資源であり、加工、販売をして地元に付加価値を還元するために労働力の担い手が必要。また、多額の投下資本が必要になってくることから、多様な資本調達が可能となる農業生産法人や地域商社が各地域に必要。各農業法人が各地域で活躍することにより、農業の担い手確保、地方形成の活性化につながっていくと思う。 (第6回農村振興)

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<農村の振興に関する意見>(続き)

多様な人材の都市から農村への移住・定住について①行政がどれだけ地方創生を掲げて仕組みを作り、予算を取ったとしても、地域に若い担い手がいなければなかなか機能しない。そのため、まずは地域側が若い担い手を受け入れる機運を醸成する必要。また、若い担い手が定着するためには、住居・仕事・収入が必要。(第6回農村振興)

②最終的には人間のモチベーションだと思うが、グローバル経済の中では、オープンでないと企業も地域も生き残れないと思っているので、Uターン、Iターンを受け入れ、全国から人を集めることが必要。そこだけの地域にとらわれると今の時代では厳しい。 (第6回農村振興)

③高齢化による担い手減少に歯止めをかけるため、農業次世代人材投資事業や地域おこし協力隊制度の充実を期待している。(第7回産地・地域づくり)

④地方創生なり、農村振興は人材が重要であるという思いを強く感じた。また、JA、自治体などの役割が非常に重要であり、連携が今後ますます必要になってくると感じた。(第6回農村振興)

5-8.農業者等からのヒアリング・委員意見交換における主な意見の概要⑦

地域の雇用と所得の創出、都市農村交流について(続き)②暮らしは農業だけで完結するものではなく、農業政策は交通、福祉、介護、都市政策等と密接に絡んでいる。他省との連携や複数の局をまたいでの政策について、企画部会の場で横串を刺してEBPMで改善していく作業が必要だと思う。(委員意見交換)※EBPM(Evidence-Based Policy Making:証拠に基づく政策立案)とは:①政策目的を明確化させ、②その目的のため本当に効果が上がる行政手段は何かなど、「政策の基本的な枠組み」を証拠に基づいて明確にするための取組。

③農村の良さとして、ストレスのない形で人間らしい生活を送ることができる点がある。最近はインターネットの普及で便利になり自由に使える時間が増えており、農村でゆったりと過ごす時間の需要が増えているのではないか。居心地の良い空間を作ることにしっかり投資をして、満足を感じさせるサービスレベルはしっかり持っておく必要があり、そこの部分にチャンスが眠っているのではないか。(第6回農村振興)

④中山間地域の農村維持のための手法としては①農業による手法、②6次産業的な手法が考えられるが、農業だけで農村維持を図ることは難しい。個人・農家レベルでは、投資型宿泊施設を作り収益を確保できるモデルを作るべき。個人レベルで商品を開発するだけでは販売が難しく、宿泊まで含めた事業とすることで、圧倒的に収益性・効率性が高まる。(第6回農村振興)

⑤6次産業化について、成功事例、失敗事例を集め、そのコツを知ることが重要。(委員意見交換)

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6.企画部会における議論の経過と主な意見の概要

○ 農業者等からのヒアリング結果を踏まえ、9月6日に基本計画の見直しについて諮問。

○ 以降、現行基本計画の検証とこれを踏まえた施策の方向(案)について議論。

○ 国産農産物の消費拡大や輸出拡大、農業就業者数の減少、高齢化への対応、生産性向上を図るための農業基盤整備、新規就農者の確保に向けた対策、スマート農業技術等の新技術の導入等に対する課題が活発に議論されている。

企画部会の開催実績

企画部会の様子(第4回)

令和元年

9月 6日(第1回):諮問、食料・農業・農村をめぐる情勢及び農業者等からのヒアリングにおける主な意見 等

以降、現行基本計画の検証とこれを踏まえた施策の方向(案)について議論

9月19日(第2回):食料の安定供給の確保に関する施策

10月 9日(第3回):農業の持続的な発展に関する施策

10月30日(第4回):農村の振興、東日本大震災からの復旧・復興、団体の再編整備に関する施策

11月12日(第5回):食料自給率・食料自給力

11月15日~12月2日:地方意見交換会・現地調査 (全国10か所で開催)

𠮷川前農林水産大臣から食料・農村政策審議会長への諮問の様子(第1回)

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6.企画部会に提示した農業の持続的な発展に向けた主な論点と対応方向(案)

○ 国内市場の縮小が見込まれる中、農業所得向上に向けて、中食・外食など多様な需要や拡大する世界市場への輸出にも対応した、高収益作物等への転換の加速化が必要

<作付転換の推進等>・ 水田における加工・業務用野菜等の生産拡大の推進・ 平坦な水田を活用した果樹の新産地育成の推進

<基盤整備>・ 水田の汎用化、畑地化や畑地かんがい施設等の整備

1.担い手の高齢化、労働力不足への対応

2.市場需要の変化への対応

○ 基幹的農業従事者や臨時雇用者の減少や高齢化等が進む中、国内生産を維持・発展させるためには、農業経営体を内外から支える体制が必要

<新技術の活用>・ スマート農業技術等、生産性の飛躍的向上が期待される新技術の現場実装の推進・ ドローン等の新技術をサービスとして提供する作業受託組織(サポート事業体)の育成等を通じた、

外部からのサポートの推進

<経営継承・人材活用>・ 経営継承計画の作成や集落営農の経営継承のモデル的取組、離農情報と継承希望者のマッチング等によ

る円滑な経営継承の推進・ 他産業を退職した人材等により、農業経営体や地域を内部から支える取組の推進・ 青年層の新規就農促進のほか、高齢者、外国人、農福連携など多様な雇用人材を確保する取組の推進

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6.企画部会に提示した農村地域の人口の減少と農業集落の変化に対する主な論点と対応方向(案)

○ 農業の持続的な発展の基盤である農村は、国民に食料を安定供給するとともに、国土の保全、水源の涵養、文化の伝承などの多面的な機能の発揮の場であり、これらの機能は、農業の担い手だけでなく、小規模農家や非農家などの多様な地域住民全体により支えられている。

○ 農業の担い手以外も含めた多様な人々が農村で暮らしていくために、所得と雇用機会を確保できる環境づくりが必要。

〈小規模農家も含めた多様な農家それぞれにふさわしい農業経営の確立(地域特性を活かした作物の導入、複合経営、6次産業化等)〉、

〈ジビエ、農泊等の地域資源を活用した所得と雇用機会の増大〉、 〈農福連携等の多様な就労機会の確保〉、

〈地域資源の発掘とこれまでにない他分野との組合せによるイノベーション〉、〈バイオマスや再生可能エネルギーの活用等を通じた地域経済循環の拡大〉

○ 農村、特に中山間地域に人が住み続けるためには、所得や雇用機会の確保に加え、地域コミュニティ機能の維持・強化や生活インフラの確保等を通じた安心して暮らせる環境づくりが必要。

〈地域コミュニティ機能の維持・強化に向けた世代を超えた人々による地域の在り方の検討〉、

〈鳥獣被害対策・ジビエの利活用の推進〉、〈住居、情報基盤、交通等の生活インフラ等の確保〉

1.地域資源を活用した所得と雇用機会の確保

2.中山間地域も含め農村に人が住み続けるための条件整備

○ 農村地域が活性化していくためには、景観、伝統、文化などの地域固有の魅力等を発揮しつつ、地域住民や移住希望者に限らない幅広い人たちに発信すること等により、地域住民の地域活動への積極的な参画を促すとともに、地域の支えとなる「関係人口」の拡大を推進する必要。

〈多様な人材を巻き込んだ地域課題の解決〉、 〈副業・兼業などの多様なライフスタイルの提案〉、 〈「関係人口」の拡大・深化〉、

〈棚田地域の振興〉、 〈日本型直接支払等を通じた多面的機能の発揮の促進〉、〈多面的機能に関する国民の理解の増進〉

3.農村地域の魅力等の発揮と地域内外への発信等

【視点1】常に現場目線に立った実態把握と政策立案【視点2】農村に住む全ての人々の所得と雇用機会の確保が基本【視点3】スマート農業や新技術に対応した条件整備

【視点4】自立性と持続性(SDGs)に着目した政策【視点5】農村の活性化に取り組む人材の確保・育成【視点6】関係府省や民間との連携

上記の施策について、6つの視点を持ちつつ、推進。

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6.企画部会における主な意見の概要①

<農業の持続的発展に関する意見>

生産基盤について○ 農業就業者数や農地面積は想定よりも相当減っており、深刻に受け止める必要。○ 農地の一定面積確保は必要だが、条件不利な荒廃農地を無理して農地として維持するのは難しいのではないか。担い手が受けないが維持すべき農地を粗放的管理などで残す考えを農地のゾーニングに取り込めないか。

○ ドローンなど、これまで想定できなかった技術も見据え、既成概念に囚われない、今後の農地利用のあり方を考える必要。

農業経営について○ 認定農業者になったら青色申告をするのは当たり前にしていく必要。○ やむを得ない経営の急拡大や高齢化、突然の病気等により、農作業に手が回らなくなるおそれがあるため、農作業の一部を外注できる体制が必要。

○ 農地が担い手に集積し、地域の農業者が少数派になる中、非農家との関わりを調整する政策的対応が必要。○ 法人化の取組に加え、家族農業であっても生産基盤を強化しようとする農業経営にも目を向ける必要。○ 収入保険やナラシなどのセーフティネットについては、窓口を一本化すれば、農家にとって使いやすくなる。○ 経営所得安定対策は筆数が多いと作業が大変。申請の簡素化ができないか。○ 収入保険制度が始まり1年経っていないが、現場に浸透していない。災害が多いので現場に早く徹底すべき。○ 総合的なセーフティネットのあり方について、各制度の現場の評価も踏まえ検討すべき。

農地・基盤整備について○ 農地集積8割目標に向け、今までと同じような手法では進まない。受け手がいないので、受け手が受けやすい条件整備(基盤整備など)が必要。

○ 10~20年前に比べて異常な雨の降り方が増えており、農業インフラを整え、国土強靭化(防災減災)を図ることは重要。○ 農業生産基盤の整備は元より、農村における生活基盤の整備が重要。

経営継承について○ 多くの経営体に後継者がいない中、畜産や果樹、施設園芸など施設等を伴う第三者への円滑な継承に向けたマッチング等の政策的な支援が必要。

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6.企画部会における主な意見の概要②

<農業の持続的発展に関する意見>(続き)

新規就農について○ 就農したいが情報が少なく踏み切れないという声がある。○ 女性は共感する能力が高く、商品開発などチームで取り組むといい。地域おこしに参加する例も沢山ある。女性が新規就農できる環境づくりが重要。

○ 外国人材が働きやすくなるよう、行政手続や暮らし方など生活面もワンストップで相談できる窓口も必要。○ 生育状況などの情報を東京に伝達するビジネスも生まれつつあり、スマート技術を活用すれば、移住ありきではない農業の形もあるのではないか。

○ 就職先としての農業の情報が学生によく伝わっていない。学生や親に対しキャリアパスを示すべき。

持続可能な農業について○ SDGsを環境面だけでなく、もっと上位に位置づけ、持続可能な農業構造、生産、環境、地域政策を一体化したパッケージとして検討すべき。

生産・流通について○ 高収益作物の導入に加え、自給率向上の観点から麦・大豆の生産もしっかり取り組む必要。○ 園芸品目について、省力樹形への転換のための苗供給や、機械作業体系に向けた新技術導入を推進する必要。○ 外食・中食などで有機農産物への需要が大きい。耕作放棄地の生産団地化など、有機農業の生産拡大をこれまで以上に力を入れていく必要。

○ 契約栽培は非常に重要。小規模農家でも互いに集まって、契約単位を大きくし再生産可能な価格で取引できるような環境づくりが重要。

○ 農作物の付加価値が低いのは問題。すぐに食べられるミックスされた野菜など、加工度を高め、どう付加価値を上げるかが重要。

技術開発・実装について○ スマート農業技術等の新技術の導入にあたっては、一家に一台所有するのではなく、シェアリングなどの仕組みが重要。○ 農業データ連携基盤(WAGRI)を統計データ等も含めた大きなプラットフォームとし、農業のデータサイエンスの道を拓くべき。○ 品種開発に勝る技術はない。高糖度や温暖化対応品種等の開発が重要。○ 気候変動への対応に向け、都道府県開発品種の権利や栽培データも含めた産地シフトも重要であり、国が主導して進める必要。

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6.企画部会における主な意見の概要③

<食料の安定供給に関する意見>

食育・国産農産物の消費拡大について○ 食育については、関係省庁と連携して、農業に関わることの重要性を教育で取り上げたり、地産地消を進めたりしてはどうか。○ 国産を消費拡大することは、地球環境にも良いという意識づけを食育で行うべき。○ 中食や外食における国産食材の利用を進めるため、表示の適正化を進めるべき。○ 研究機関、栄養関係者などと連携し、和食と健康に関する科学的エビデンスに関する論文を蓄積し、健康の観点から訴求力を高めるべき。

食品の安全性確保について○ 地力が低下している。土づくりを徹底し、それに適した肥料制度の見直しを生産現場と連携して進めるべき。農薬の再評価もしっかり対応してほしい。

○ HACCPを求められる場面が少ない地場の中小企業でHACCP導入が進んでいないので支援が必要。

食品流通・食品ロスについて○ 物流や加工施設等の稼働率情報を共有し、関係者間でシェアリングを推進する民間のマッチングシステムがあると良い。○ 食品ロス削減に関し、コンビニなどの運営システムそのものが食品ロスを生みやすくなっており、仕組み自体を見直すことも必要。どうしても廃棄するものは、エネルギーや肥料・飼料利用を効率的に推進すべき。

農産物・食品の輸出・輸入について○ 輸出については、日本で余ったものを売ればよいという考えではなく、輸出を前提とする生産体制をつくるべき。○ 世界的な異常気象による災害、人口増など、輸入が止まった時どうなるのか、食料の安定供給リスクを国民にどう伝えていくかが重要。

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6.企画部会における主な意見の概要④

<農村の振興に関する意見>

農村・中山間地域振興について○ 中山間地域では、特産品が作れない地域も直接支払で下支えしつつ、確実に需要がある園芸作物に転換を進めるべき。○ 地域内資源循環・経済循環により、農村でお金を回す仕組みを構築すべき。また、そのために農家間での電力売買などの規制緩和を検討すべき。

○ 地域間コミュニティや人の対流を通じて、新しい農村を作っていくというメッセージを出すべき。○ 進学や就職で農村から離れた人と縁が切れないような方策を検討すべき。○ 中山間地域等の条件不利農地で、ドローンなどのAI技術を活用し、放牧や粗放的管理などの多様な農地利用を検討すべき。○ 所得や雇用機会の確保には、よそ者を受け入れる雰囲気づくりなどが重要。○ 自治体などとも連携し、集落のインフラ整備にメリハリをつける必要。○ 地域政策は、非担い手、非農家が地域を支えている役割を再評価すべき。

鳥獣害対策について○ 鳥獣害は、営農意欲を著しく削ぎ、機会損失もあるため、頭数削減が大事。○ 捕獲後の処理が課題であり、処理施設の整備や、採算を取るためにもジビエの需要を更に喚起すべく、PRが必要。○ イノシシなどは人身被害の観点からも対策が必要。

多面的機能支払制度について○ 多面的機能支払の仕組みの効果分析をしたところ、個人に支払うよりも集落や協議会に支払う方が効果があると思われる。今後も、集落のリーダー育成を通じ、集落を維持していく必要がある。

○ また、協議会等と営農組織との間で連携が図れないか検討すべき。

農泊について○ 農業に本格的に取り組む農家は、農泊プログラムの作成まで手が回らない。NPO等がJAと連携し、地域で農泊をサポートする体制の構築が必要。

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6.企画部会における主な意見の概要⑤

<農村の振興に関する意見>(続き)

6次産業化について○ 売上と利益の関係につき、更に類型化した分析があると良い。○ 一足飛びに6次化ではなく。まずは加工までなど段階を踏むべき。産業全体としては、自前で全て揃える時代からシェアリングするフェーズにある。

○ 付加価値向上と売り先を含むサプライチェーンの構築が重要。

省庁が連携した取組について○ 農業だけでは農村が成り立たないので、各省で連携し、農村振興のための検討委員会のようなものをを開催してはどうか。○ 農村関連施策は各省にあるが、農業・農村に最も知見があり、心を寄せる農水省の音頭で連携を進めるべき。

都市農業について○ 生産緑地は、防災面から見ても特定生産緑地として残すべきでそのための施策が必要。

○ 東日本大震災からの復旧については概ね進んでいるが、新たな災害が顕在化しているなか、これらの災害に関しても何らかの記載を検討すべき。

○ 農協については、経済事業の収支の改善だけで、経営の持続性を確保できるわけではなく、他の様々な取組が必要。

<東日本大震災からの復旧・復興に関する意見>

<団体の再編・整備等に関する意見>

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7.国民の皆様からの意見募集

◆募集期間 令和元年9月6日(金) ~令和2年2月末 17時00分必着

(※郵送の場合は当日消印有効)

◆提出先

新たな食料・農業・農村基本計画に関して国民の皆様から御意見・御要望を募集しています。

意見募集HPへ

食料・農業・農村基本計画は、食料・農業・農村基本法に基づき、今後10年程度を見通した農政の中長期的なビジョンを示すもので、概ね5年ごとに見直しています。令和元年9月6日(金)より食料・農業・農村政策審議会において見直しに向けた審議が開始されたところです。今後、企画部会を開催し議論を進めていくこととしており、その検討に当たっては、透明で開かれたプロセスとする観点から、国民の

皆様から御意見・御要望を広く募集します。

1.インターネットからの提出次のアドレスより提出ください。http://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/index.html#ikenbosyu

2.郵便による提出

〒100-8950 東京都千代田区霞が関1-2-1農林水産省 大臣官房地方課 (地方提案推進室) 宛て

※ お住まいの地方の農政局等でも受付けます。添付の「地方農政局等における意見等募集窓口一覧」をご覧下さい。

◆ 提出に当たっての注意1 氏名・年代・お住まいの都道府県・職業を記入してください。2 法人や団体の場合は、団体名、担当者名を記入してください。(性別、年代は記入不要です。)3 電話や口頭による御意見・御要望は、聞き間違い等を避けるため、受け付けておりません。4 提出いただいた個人情報は、基本計画の策定まで保管し、その後適切に廃棄します。

◆ 参 考新たな食料・農業・農村基本計画の検討状況は、次のサイトに掲載しています。農林水産省 「食料・農業・農村基本計画」http://www.maff.go.jp/j/keikaku/k_aratana/index.html(「新たな基本計画」でも検索できます。)

◆ お問合せ先農林水産省大臣官房政策課 TEL:03-3502-8111(内線3086) ダイヤルイン:03-3502-5515

基本計画HPへ

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(参考1) 食料・農業・農村基本法

食料/

多面的機能

農業基本法 食料・農業・農村基本法

農業

農村

食料の安定供給の確保 多面的機能の十分な発揮

農業の持続的な発展

農村の振興

農業と他産業との間の生産性と生活水準(所得)の格差の是正

農業の発展と

農業従事者の

地位向上

国民生活及び国民経済の健全な発展

ポイント

○農業の生産性の向上○農業の総生産の増大と選択的拡大○農産物の価格の安定○家族農業経営の発展と自立経営 等

○基本計画の策定(H22に現行計画策定(食料自給率目標:50%))○消費者重視の食料政策の展開○効率的かつ安定的な農業経営による生産性の高い農業の展開○市場評価を適切に反映した価格形成と経営安定対策○自然循環機能の維持増進○中山間地域等の生産条件の不利補正 等

○ 平成11年7月、農業基本法(昭和36年制定)に代え、新たに食料・農業・農村基本法が制定。

○ 旧基本法が、農業と他産業との間の生産性と生活水準の格差の是正を目指したものであったのに対し、新基本法は、①食料の安定供給の確保、②農業の有する多面的な機能の発揮、③農業の持続的な発展と④その基盤としての農村の振興、を理念として掲げ、国民全体の視点から、食料・農業・農村が果たすべき役割と目指すべき政策方向を明示。

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(参考2) 食料・農業・農村政策審議会企画部会委員名簿機密性〇情報 〇〇限り

有あり

田た

芳よし

子こ

主婦連合会 会長

磯崎いそざき

功よし

典のり

キリンホールディングス株式会社 代表取締役社長

〇 おお

大はし

橋 弘ひろし

東京大学公共政策大学院 経済学研究科 教授

くり

栗もと

本 めぐみ KURI BERRY FARM 代表

こん

近どう

藤 一かず

海み

公益社団法人日本農業法人協会 副会長

佐さ

藤とう

ゆきえ 農業生産法人有限会社まるせい果樹園 業務部長

染そめ

谷や

茂しげる

株式会社柏染谷農場 代表取締役

たか

髙しま

島 こう

宏へい

平 オイシックス・ラ・大地株式会社 代表取締役社長

髙たか

野の

克かつ

己み

東京農業大学 学長

中なか

家や

徹とおる

一般社団法人全国農業協同組合中央会 代表理事会長

堀切ほりきり

功のり

章あき

キッコーマン株式会社 代表取締役社長CEO

宮島みやじま

香か

澄ずみ

日本テレビ放送網株式会社報道局 解説委員

三み

輪わ

やす

泰ふみ

史 株式会社日本総合研究所 創発戦略センター エクスパート

ゆ の き

柚木 茂しげ

夫お

一般社団法人全国農業会議所 専務理事

機密性〇情報 〇〇限り

大山おおやま

泰やすし

株式会社オウケイウェイヴ社長室長(広報・特命担当)兼

オウケイウェイヴ総研所長 農政ジャーナリスト

図司ず し

直也な お や

法政大学現代福祉学部 教授

中谷なかたに

朋とも

昭あき

横浜市立大学データサイエンス学部 教授

西村にしむら

やす子こ

株式会社クレアファーム 代表取締役

【委員】

【専門委員】

(五十音順、敬称略)○ 部会長