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松本歯科大学 発行所 学校法人 松本歯科大学 長野県塩尻市広丘郷原1780 www.mdu.ac.jp (0263)52-3100 毎月1日発行 第306号 20 30 8 便5 20 患者 さんへの サービス 教育施設 をはかる 11 1 3 3 3 30 Beans Café 3 2 3 4 3 1 Beans Café 3 Stardust 5552 15 10 2 50 3 30 決意新たに 181人が門出 懸命の努力が未来を拓く 卒業証書並びに学位記授与式 3 6 32 12422 32 35 1814 前列左から 大塚武彦(矢ヶ﨑 康賞) ・稲垣俊弘(矢ヶ﨑 康賞・皆勤賞) ・髙橋由美(矢ヶ﨑 康賞・皆勤賞) 魚﨑久弘(活動賞) 、三浦純一(皆勤賞) ・村上香織(皆勤賞) 後列左から 井上大輔(精勤賞) ・小笠原慶一(精勤賞) ・米田紘一(精勤賞) ・清水麻理子(精勤賞) 中島佑佳子(精勤賞) ・林田 悠(精勤賞) 1 階フロアで行われたテープカットのセレモニー 左から市川秀紀氏、下村 佑君、矢ヶ﨑 康理事長、安部加奈子さん、由雄正樹氏 病院の患者さんが訪れる Beans Café 3 号店 Matsumoto  Dental  University  News  Volume  24, No. 7, April  1, 2009

患者さんへのサービス 教育施設 をはかる - MDU花雨 」「花の父母」とあり、 い大切なものとしている。草木にとってはなくてはならな

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Page 1: 患者さんへのサービス 教育施設 をはかる - MDU花雨 」「花の父母」とあり、 い大切なものとしている。草木にとってはなくてはならな

松本歯科大学発行所 学校法人 松本歯科大学長野県塩尻市広丘郷原1780

www.mdu.ac.jp (0263)52-3100

毎月1日発行 第306号

 

サクラのお花見前線がいま列

島を日に20キロから30キロの速

さで北上している。

 

花見の始まりは平安時代に嵯

峨天皇が催した「花の宴う

たげ」だっ

たという。このころはヤマザク

ラであったろう。

 

サクラのころは「来こ

し方を振

り返る定年、行くえを見つめる

転勤」それぞれのあいさつ状が

ゆきかっている。人事異動の多

い時期である。サクラには華や

かさと同時に寂しさ、強さをあ

わせて持ち、人により時により

さまざまな表情を見せてくれる。

 

サクラとともに芽め

ぎ木と呼ぶ芽

吹きの新緑と、さまざまな花が

咲き始める。「見わたせば柳桜

をこきまぜて都ぞ春の錦なりけ

る」(古今集)。きれいな季節が

始まる。ナシが咲き、アンズも

咲く。やがてフジが咲いて春が

終る。

 「清せ

いめい明

につづく穀こ

くう雨

のよき日

かな」(川崎展宏)。

 

天明8年刊の「暦便覧」によ

れば、5日の清明は「万物発

して清淨明潔なれば、この芽は

何の草としれる也」とある。ま

た、20日の殻雨は「春雨降っ

て百穀を生化すれば也」とあ

る。まさに良き日である。季語

にはこのころの雨を「木き

ぶつめ

萌雨」

「杏き

ょうかあめ

花雨」「花の父母」とあり、

草木にとってはなくてはならな

い大切なものとしている。

 

春の日本付近は、暖気と寒気

入りまじって天気も気温変化も

大きい。この変わりやすい天気

は千年も前の源氏物語にも登場

する。光源氏が須磨で明石の君

と出会った春も変わりやすい天

気が続いた。と紫式部が物語に

取り入れている。式部は平安の

気象予報士だ。

患者さんへのサービスと教育施設の充実をはかる本館北棟1~3階部分をリニューアル

 

昨年の11月より工事が進められてきた本館北棟(旧病院)の1階

から3階部分の改修が、3月中旬に無事に完了した。3月30日(月)

には、本学関係者をはじめ施工会社関係者らが参列して、テープカッ

トのセレモニーと施設のお披露目が行われた。1階フロアにはコー

ヒーショップ「ビーンズカフェ(Beans Café

)3号店」、歯科・医科

用品の専門ショップ、ラウンジを新設。また2階には研修室や症例検

討室、3階には臨床予備実習室が設けられ、患者さんへのさらなる

サービス向上と臨床教育・卒後研修施設の充実が図られた。

 

テープカットのセレモニーは、矢ヶ

﨑 

康理事長をはじめ、学生を代表し

て下村 

佑君(第4学年)、安部加奈

子さん(第3学年)、大成建設株式会

社・市川秀紀営業部長、株式会社ユー

ロデザイン由雄正樹代表取締役がテー

プにはさみを入れ、来院中の患者さん

らを含めた大勢の参列者から盛大な拍

手が送られた。矢ヶ﨑理事長は「旧病

院がこのような立派な施設に生まれ変

わり、誠に喜ばしい。皆さま方のご協

力の賜物と感謝申し上げたい」とあい

さつされた。

 

病院のエントランスホールから渡り

通路でつながった北棟1階フロアには、

病院の患者さんから要望の多かった売

店がオープンし、生活雑貨や飲食物、

入院用品などを扱う。コーヒーショッ

プ「Beans Café

」3号店も併設し、カ

ウンターを広くして立飲食にも対応、

コーヒーやジュース、スイーツなどの

種類も増やし、子どもから大人まで幅

広く利用できるように配慮した。

 

売店の特徴は、オリジナル商品を揃

えていることだ。本学フレンチ

レストラン製のケーキ、パンや、

中国料理レストラン「Stardust

の肉まん、各種惣菜、そのほか

ワイン、カルシウムサプリメント

などを陳列。ほかにバッグや事

務用品も置く。また、歯科・医

科の用品を扱う専門コーナーも

あり、歯科の専売品としては、

歯ブラシ、歯間ブラシ、フロス、

歯磨剤、電動ブラシ、超音波ブ

ラシなどが揃う。医科用品は、

マスク、サージフィックス、マ

イクロダイエット食品、眼帯、

点眼補助用具、サプリメントな

ど。このほか学内限定で、コン

タクトレンズ(眼科の処方箋が

必要)の販売も行われる予定だ。

 

また、ラウンジは約555㎡

の広いスペースにテーブルと椅

子が配置され、休憩、歓談、展

示などさまざまなコミュニケー

ションフロアとして活用できる。

患者さんが会計処理を待つ間で

も休憩できるよう、受付番号表

示装置も設置された。

 

2階には、学生の臨床実習を

サポートする研修室、症例検討

室が設けられた。研修室は定員

15人、10室。病院各科の診療中

の映像を大型ディスプレーでリ

アルタイムに視聴できる。症例

検討室は2室あり、定員は各50

人。マイク、ディスプレーなど

を完備し、症例検討や研修、セ

ミナーなどにも利用可能。

 

3階の臨床予備実習室は、30

台の診療ユニットを備え、学生

相互での診療トレーニングとし

ての臨床予備実習、および研修

医の復習臨床実習を行う。

 

最新視聴覚システムを備えた

これらの施設は、在学生の臨床

実習や卒後研修において、これ

まで以上の実践的な教育効果を

上げるものと期待されている。

決意新たに 181人が門出懸命の努力が未来を拓く

卒業証書並びに学位記授与式

 

2008年度松本歯科大学・

松本歯科大学衛生学院の卒業

証書並びに学位記授与式が3

月6日(金)、本学講堂におい

て挙行され、歯学部第32期生

124人、大学院歯学独立研

究科博士学位取得者22人と、衛

生学院歯科衛生士科第32期生35

人の総勢181人が臨んだ。

 

卒業生は一人ずつ呼名されて

登壇。森本俊文学長、小澤英浩

大学院研究科長、笠原悦男衛生

学院長から、卒業証書並びに学

位記、修了証書がそれぞれ卒業

生・修了生の一人ひとりに手渡

された。歯学部卒業生は、卒

業と学位取得の証として角帽の

タッセルを一斉に右から左へ移

した。続いて、学業・人物共に

優秀で他の模範となった学生に

贈られる矢ヶ﨑 

康賞など4つ

の賞の表彰が行われた。

 

森本俊文学長は

あいさつで、「人

生は自分の思い通

りにいかないこと

の方が多い。困難

な問題が生じたと

きに対処できるの

は、自己勉強であ

り、それも懸命な

努力をすることに

よって解決が得ら

れます。失敗に学

ぶことは次への成

功の秘訣。皆さん

方はこのことを念

頭に置き、これか

らも懸命の努力を

されて、人生が成

功に導かれることを祈念してい

ます」と、はなむけの言葉を述

べた。

 

最後に、矢ヶ﨑 

康賞を受賞

した大塚武彦君が卒業生を代表

して「私たちは、歯科医療に携

わる者として社会に貢献すべき

第一歩を踏み出しますが、急速

な社会変化のなかで困難な状況

をも本学で培った知識と技術、

自己研鑽の精神をもって、乗

り越えていこうと決意していま

す」と力強く答辞を述べた。

前列左から 大塚武彦(矢ヶ﨑 康賞)・稲垣俊弘(矢ヶ﨑 康賞・皆勤賞)・髙橋由美(矢ヶ﨑 康賞・皆勤賞)、魚﨑久弘(活動賞)、三浦純一(皆勤賞)・村上香織(皆勤賞)

後列左から 井上大輔(精勤賞)・小笠原慶一(精勤賞)・米田紘一(精勤賞)・清水麻理子(精勤賞)・中島佑佳子(精勤賞)・林田 悠(精勤賞)

厳粛な雰囲気のなか挙行された卒業式

1 階フロアで行われたテープカットのセレモニー 左から市川秀紀氏、下村 佑君、矢ヶ﨑 康理事長、安部加奈子さん、由雄正樹氏

病院の患者さんが訪れる Beans Café 3 号店

Matsumoto Dental University News  Volume  24, No. 7, April  1, 2009

Page 2: 患者さんへのサービス 教育施設 をはかる - MDU花雨 」「花の父母」とあり、 い大切なものとしている。草木にとってはなくてはならな

Campus Today  Volume  24, No. 7, April  1, 2009/page  2

カールソンの

英語 ! ! !

主張

 

幕末からの古謡として知られる

作者不明の『さくら、さくら』と

いう箏そ

うきょく曲がある。明治に入り、宮み

城ぎ

道みちを雄により〝さくら変奏曲〟

として編曲され、日本の歌曲とし

て一般に広まった。

 

�、さくら、さくら/弥や

生よい

空は、見わたす限り、/かすみ

か雲か、匂いぞ出ずる/、いざ

や、いざや/見にゆかん

 

日本では、4月ともなるとい

よいよ小学校1年生から入学が

始まる。本学でも同様に希望に

燃えた新入生たちが笈き

ゅうを負うて

入学してくる。弥生というのは

陰暦3月のこと。本学の校庭の

桜の開花は弥生には多少早すぎ

るが、それでも卯う

月づき(4月)早々

の咲きほこる爛漫の美は、喜び

慎つつしんで新入生諸君をお迎えす

ることであろう。

 

その折、本学が何より最初に

諸君に要望するのは〝さくら、

さくら〟ならぬ本学校歌の練習

に関してである。本学の校歌に

は気宇壮大な始まりから自然の

美で終るまで一貫して〈建学の

理念〉が詠う

いこまれているので、

この練習は毎年念入りに行われ

ているというのが実情である。

 

本学のパンフレットの校歌解

説の終末の締し

めの部分に、『一、

二、三共に理性の不滅のタイマ

ツを点しつつ、断固として自由

の道を探り、世界観を確立して、

自然や社会の無限の法則性を飽

くまで追求する精神を生き生き

と共通させた。――全体とし

て建学の理念を詠っている心算

である。』と、注が入っている。

 

高校から大学進学を志望する

際などには入試要項などからど

んな学生でも〝自由〟だの〝真

理の追求〟だのといった文字が

目に映ったことがあったことと

思う。しかしいつの日もそれが

単なる文章や言葉だけで深い意

味として捉えられたことは先ず

なかったと言ったほうが早いか

も知れない。

 

しかし若しもそんな言葉がい

つも自分たちの胸に去来するよ

うな環境にあったとするなら

ば、特別に学ばなくてもいつ

の日か自分のものになってしま

うときがくるかも知れない。い

や必ずくる。だから校歌にして

も、始めは何もむずかしく考え

ず、意味不明そのままでもよい

ので、唄として覚えてもらえば

それで結構。そして諳誦の域に

達すると不思議に詞の内容も言

葉も次第に理解されるようにな

り、他人と論議するときもその

ことについては話のできる立場

に立っているのだから不思議と

言はざるを得ない。先ず詞を覚

えること。そして早くそれを自

分のものにしてしまうことだ。

そしてまた先輩たちの解析に謙

虚に耳を傾けることだ。

 〝いざや探らん、世界のあり

かを〟の世界とは何だろう。少

し理屈っぽくなるが、世界とは

自然(宇宙及び宇宙に存在する

万物=森羅万象)・社会(人間

の生産的共同体)・人の思惟の

3つの包括体のことであり、一

般にはこの3つのもの(世界)

の見解・概念・表象の体系を世

界観と考えている。

 

研究者たちが日夜追求し学ん

でいるのは、世界のホンの片

隅すみ

。つまり個別科学というこの

小さなものが歴史の力と、多勢

の力と共に束ねられて偉大なも

のへと発展することになると、

それは科学思想へと発展するこ

とになる。そのことは統一的全

体としての世界の諸現象のホン

の一部分を探求しているにすぎ

ないが、しかしそのことが真理

への道程であることには間違い

ない。

 

そしてここにまた重要なこと

がある。それはどういうことか。

万物はすべて始めがあれば終り

があるということだ。そしてそ

の間は運動し変化し成長し発展

し、新しきから古きが生まれや

がてすべては滅亡するようにで

きている。生があれば死があり、

永遠というものはなにもない。

人間も、地球も、いや宇宙さえ

も滅亡して無になる時期がやが

てやってくるだろう。

 

古代ギリシャのH

ヘラクレイトス

erakleitos

(B.C.540―

480)は古代の

こんな時代に既に『世界は永遠

に不断に更新し運動する自然の

ことである。万物は流転し、万

物は変化して不動のものはなに

もない』と述べているが、この

ような唯物論的論調も、表現の

自由を既に獲得していた古代ギ

リシャ(ポリス)の尊重される

所ゆえん以

でもあろう。彼は弁証法に

ついては世界最初の人材だった

といわれている。

 

さて次は法則性ということ。

〝いざや究き

めん/無限の法お

て則性

を〟について。運動のあるとこ

ろすべて法則がある。運動も変

化も発展も成長も、そして新生

も滅亡もすべての事柄はそれな

りのキッチリした法則に基いて

生成し、存在している。勝手気

儘に死んだり生きたりするもの

は何もない。長い永い時を経て

次第に姿形の変化するものはあ

っても、突然変異というものは

あり得ない。遺伝からまた遺伝

を通じて事物は次第に変化を遂

げて行く。世界を見究めるには

そのためのそれぞれの整った法

則に則

のっと

って運動しているので、

これも同時に探究して行かねば

ならない。しかも法則は進化と

共に際限のないもので、形や質

が変ればそれなりに法則も変化

してきて、常にそのままでは存

在しないものであることを認識

すべきだ。

 

また詞のなかに〝理性の耳〟、

〝理性の窓〟、〝理性の胸〟など

とあるが、一般では〈四周に惑

わされず、感情、本能に支配さ

れず、事物を合理的に判断し処

理する能力〉を理性と言ってい

る。学問の世界というのは本来

がそうでなくてはならないし、

また同時に〝自由〟も忘れては

ならない重大な事柄だろう。且

つての王政や封建の時代、近

世ではファシズムなどの世界で

は、育つべき学問が権力の圧力

によって自由を奪われ、学問そ

のものが窒息してしまったこと

があった。古代ギリシャのポリ

スの自由への道は、専制的王や

僧侶階級もいない近代に似た経

済(民主)体制から生まれてい

たものであった。それでは現今

においてなお〝自由の響き〟と

か、〝自由の守り〟とか、〝自由

の栄さ

かえ光〟などと、なぜ詞のなか

で詠うのか。残念ながら自由の

道は現世になっても時に破られ

る危険があるということだ。帝

国主義的意識がどこかに残って

いる限り、それは常に目覚めよ

うと狙っているものであること

を忘れないでいただきたい。

 

今年2月オーストラリア・ビ

クトリア州で大規模な山火事が

発生し、同国史上最悪の自然災

害となりました。ビクトリア州

メルボルン市には、以前松本に

来ていた友人家族も住んでいま

すし、私たちも2002年春

には浅間温泉の山火事を経験し

ているので、本当に他人事とは

思えない身近な災害と感じまし

た。幸い、浅間温泉の場合は、

死者やけが人は出ませんでした

が、それでも170ha(東京ド

ーム36個分)の面積を焼失した

そうです。

 

山火事と聞いて、私の頭に

浮かんでくるのは、Sm

okey Bear

(熊のスモーキー)です。

アメリカは1940年代広範囲

に渡って森林火災に見舞われ、

その時森林火災防止のキャンペ

ーンとして森の住人、熊がキャ

ラクターに起用されました。監

視帽にジーンズ姿の森林警備隊

員Smokey Bear

はとても人気

があり、ぬいぐるみやマグな

ど関連製品の収益金は森林火災

防止活動のために使われていま

す。私が子どものころ、よくテ

レビでも見かけましたが、視聴

者を指さして「Only you can

prevent forest fires.

(山火事

を防ぐことができるのはあなた

しかいない)」とのスローガン

が流れてきて印象的でした。山

火事を防ぐために、日夜みんな

を教育している熱心な熊さんと

いったイメージです。

 

今年もキャンパスが花の雲に

包みこまれる季節を迎えた。歯

学部、衛生学院、大学院には、

将来の歯科医師、歯科衛生士、

歯学博士をめざすフレッシュマ

ンたちが、希望に胸をふくらま

せて集ってきている。

 

歯科医学・医療の前途に新た

な発展の展望が広がりつつある

このときに、今春も多くの優秀

な学生諸君を迎えることは、わ

れわれの大きな喜びである。

 

わが国における近代的な歯科

医学・医療にはまだ百数十年

の歴史しか刻み込まれてはいな

い。軍国主義が世を覆い、「富

国強兵」が国策とされていた時

代には、歯科疾患が生命に直接

的な脅威を及ぼすことは稀だと

して、歯科医学・医療はきわめ

て軽視されていた。

 

当時は、エリートを診療する

ような「高級」医師が主として

帝国大学医学部で養成されたの

に対して、歯科医師にははるか

に格下の医学専門学校での教育

しか与えられなかった。

 

こうした経緯から、わが国で

は歯科医師を医師よりも格下に

見る風潮が生じ、それにコンプ

レックスを持つ歯科医師も古い

世代には珍しくはなかった。

 

第2次大戦の敗戦後にアメリ

カ占領軍の医療関係者が一番驚

いたことのひとつが、歯科医学・

医療があまりにも軽視されてい

たことだと伝えられている。彼

らの勧告で行われた医療改革の

目玉のひとつが歯学部を医学部

とまったく同等に6年制大学へ

と位置づけることであった。

 

ちなみに、近代歯科発祥の地

である合衆国での歯科医師の社

会的評価は、現代にいたるまで

一貫して医師を凌駕している。

 

50年以上前のわが国のよう

に、結核が国民病と言われるま

でに蔓延し、血を吐いて死ぬ若

者、あるいは赤痢やチフスなど

の急性伝染病で命を奪われる子

どもがけっして珍しくなかった

状況ならば、「命を救う医療」

が最優先で、歯科医療などは「二

義的医療」だと後回しにされが

ちだったのも理解できないわけ

ではない。

 

ところが現代では、急性疾患

の大半が制圧され、平均寿命が

大幅に伸びた「高齢化社会」が

到来している。多くの人びとが

求めるものは、単なる長生きよ

りも「快適な楽しい人生」へと

変わってきた。無駄な「延命治

療」は絶対にお断りだとのお年

寄りも少なくはない。

 

そうした流れのなかで、いつ

までも元気で快適な生活を続け

ていくためには「歯の健康」が

欠かせないことに気づく人が着

実に増加している。つまり「歯

と口の機能」はQOL(生活の

質)を支える重要な柱のひとつ

だという認識がはっきりと定着

しつつあるのだ。

 

歯と口の健康に対する人びと

の関心は、マスコミなどによる

高度情報化社会のなかでますま

す高まり続けている。テレビや

新聞などでもしばしば取り上げ

られるし、一般向けの健康書と

しても、むし歯や歯周病などを

テーマとしたものが書店や図書

館で数多く見受けられる。

 

筆者が1973年に「子ども

の歯(新日本新書)」を上梓し

た際には類似の本はほとんど皆

無で売れ行きを心配したものだ

ったのにと、今昔の感に堪えな

い。

 

このような時代にあっては、

もはや歯科医療は「二義的医療」

ではありえない。歯科疾患とは

まったく無縁なままで生涯を過

ごせる日本人が存在するとは思

えないからには、歯科医師はす

べての国民のQOLの守り手と

ならなければならないのだ。

 

ところで、筆者は現在デンタ

ルダイヤモンド誌に「温故知新」

と題して、歯科医療の昔話を連

載している。わずか数十年前、

若い諸君にとっては祖父の世代

の歯科医師たちは、人力だけが

頼りの「足踏みエンジン」や低

速の電動モーターの「電気エン

ジン」で歯を削り、ときには亜

砒酸などの毒薬で「神経を殺す」

といった日常診療を続け、「前

歯金冠」が重要な収入源だった。

子どもの「みそっ歯」は当たり

前で、日本人の大半は70歳以前

に無歯顎となっていた。

 

当時を知る者として、歯科医

療の発展のすばらしさには驚嘆

すべきものがあると思う。

 

さらなる発展を担うべき若い

諸君に大いに期待する次第だ。

(笠原 

浩)

歯科医師は全国民のQOLの守護者だ

視 点

校歌の練習について

新入生諸君にお願い―

Page 3: 患者さんへのサービス 教育施設 をはかる - MDU花雨 」「花の父母」とあり、 い大切なものとしている。草木にとってはなくてはならな

 

宝田歯科医院院長・宝田恭子

先生を迎え、「きらきら輝いて

生きる」と題して、衛生学院

校友会の特別講演会が、2月22

日(日)に開催された。本館

601教室には、宝田先生の講

演を聴講しようと、100人以

上の校友会員や衛生学院生が集

まり、関心の高さを示していた。

 

宝田先生は、唇エクササイ

ズ、小顔トレーニング、サプリ

メントなどを従来の歯科治療に

積極的に取り入れ、オリジナリ

ティあるアンチエイジングを実

践し、テレビやマスコミ、全国

の講演会に引っ張りだこの方で

ある。

 

先生が日常の診療を通じて患

者さんから学ばれたアンチエイ

ジングの極意や、私たち歯科衛

生士が患者さんに伝えることの

できるワンポイントアドバイス

などを、ユニークなエクササイ

ズを交えてお話しいただいた。

 

先生が考案されたエクササイ

ズはとても興味深いもので、小

唾液腺を刺激して唾液の分泌を

促進するエクササイズは、一方

では、老いの象徴ともいうべき

深く長い鼻唇溝を伸ばし、若々

しさを取り戻すという。その他

にも、先生が日ごろ行っている

ペットボトルを用いたトレーニ

ングやストレスを溜めない方法

なども伝授いただいた。

 

アンチエイジングとは来院さ

れる患者さんがきらきら輝いて

生きていくために、私たち歯科

衛生士も診療を通じ、少し違っ

た視点からのお手伝いができる、

いわば隠し味的な方法であると

感じた。

(歯科衛生士室 

歯科衛生士 

三沢絵里子)

Campus Today  Volume  24, No. 7, April  1, 2009/page  3

宝田恭子先生を迎えてユニークなエクササイズでアンチエイジングを実践する

衛生学院校友会特別講演会

ペットポトルを用いた口輪筋のトレーニングをする受講生

 

3月4日(水)から7日(土)

までアメリカ合衆国のルイジア

ナ州ニューオリンズで開催され

た第17回アメリカ摂食・嚥下

研究学会で、本学障害者歯科学

講座の松尾浩一郎准教授が口頭

発表を行い、若手研究者奨励賞

(Honorable Mention for New

Investigator Award

)を受賞

した。

 

松尾准教授は、昨年3月ま

で在籍していたアメリカ、ボ

ルチモアのジョンズホプキ

ンス大学との共同研究から、

「Relationship Between Stage II Transport and Respiratory Phase

(Stage II transport

呼吸相の関係)」という演題

で発表を行った。アメリカン

ジョークを交えて参加者の笑

いを取りながら、プレゼンテ

ーションと質疑応答を無難に

こなした。この発表は、New

Investigator Award

の最優秀

賞を僅差で逃したものの、そ

の差は非常にわずかということ

で、特別に奨励賞が設けられて

の受賞となった。

 

発表内容は、咀嚼中に起る

咽頭への食物の送り込みと呼吸

調節の関係について調べたもの

である。咀嚼、嚥下、呼吸の

間には密接な協調関係がある。

咀嚼中、粉砕された食物は、

徐々に中咽頭に送り込まれ、そ

こで食塊形成される。この運

動はStage II transport

と呼ば

れ、舌による能動的輸送によっ

て行われている。今回の発表で

は、このStage II transport

呼気相、吸気相のどちらで多

く現れてるか検討し、Stage II

transport

が呼気中により多く

発現していることを報告した。

 

この研究により、嚥下前の摂

食と呼吸調節との関係が明らか

になった。今後の摂食・嚥下リ

ハビリテーション発展の一助と

なることが期待される。

(障害者歯科学講座 

助手 

河瀨聡一朗)

賞状を手にする松尾准教授

大学院歯学独立研究科長総合歯科医学研究所長

小澤 英浩

図書館長

山岡 稔病院長

宮沢 裕夫

衛生学院長

笠原 悦男

歯学部長

長谷川 博雅

新役職教員が決定新体制の下、全学あげて重要課題に取り組む

教養部長・学生部長

吉澤 英樹教務部長

倉澤 郁文

学 長

森本 俊文

 

4月1日より、森本俊文学長の

もとに新役職教員による新体制が

発足した。建学の理念に基づき、

人間教育全体を教育目標に、教育・

臨床・研究面におけるさらなる充

実を図り、全学一致の精神を以て

重要課題に取り組む。

理事会報告

 

第158回理事会、第100

回・第101回評議員会が3

月19日(木)、本学創立30年記念

棟「常念岳」の間において開かれ、

次の7項目について審議し、い

ずれも承認可決した。

1.2009年度事業計画について

【基本方針】

①学生の質的、人格的向上を最

優先の条件として、可及的な努

力と精進を傾注する。

②施設、設備面は、所期の目的

を達成実施と認識し、全施設

および設備・組織の効果的、合

理的運営および稼働を早急に

実現する。

③施設・設備に対する投資支

出は、必要不可欠なものに絞

り込む。

⑤経常的な消費支出は、効率

化、合理化を最大限追求し、確

実に収受し得る帰属収入で充

足せしめることを基本とする。

⑥総合歯科医学研究所におけ

る推進中等の研究活動は、さ

らに強力に推進し、社会的に

貢献し得る、評価されるニュ

ーテーマをも検討する。

⑦次年度以降の学生募集に当

る諸条件を抜本的に検討する。

【事業計画】

教育・研究等について

《歯学部》

①職業専門家としての歯科医

師の特質を医科分野の実情と

比較して、自己の職業選択に自

信を持たせ、ヤル気を起させる。

②1学年80名、在学生総員

500名程度を前提とした教学、

人格指導、法人経営のあり方を

最大の課題として推進する。

③学生の質的人格的水準の向

上を最大のテーマとし、今後

の募集条件にかかる内容を経

済的・教学的に検討する。

④本学の特徴として編入学希

望者、留学希望者に対しても所

定基準内で門戸を開放する。

《大学院歯学独立研究科》

 

現状の研究課題および取

組体制の一段の充実強化を図

り、本学の連帯感強化の一つ

の基準として認知せしめる。

《衛生学院》

 

衛生学院の3年制課程への変

更については、計画を推進する

とともに、歯科衛生士受験資格

以外の資格を取得できるコース

を開設するため、2009年度

に養成機関としての申請(9月

末)を行い、2010年度の開

設を目指す。

病院・診療等について

①医科を含めた歯科医療の提

供体制をさらに充実、整備する。

②医科部門は、幅広い診療科

を可及的速やかに整備する。

③地域のニーズに応え、大学

病院として教育内容の充実に

努める。

④地域医療連携室の機能を充

実させる。特にMRIを地域

医師会(歯科・医科両医師会)

の開業医に対し、利用推進を

図る。

⑤MRIを教職員の健康管

理に有効利用する方途を検

討する。

⑥歯科関連総合病院を目指

し、最先端診療分野(含、美容

歯科・口腔全般等)の検討と

整備を推進する。

管理・運営等について

 

組織・人事については、合理

化と効率化を最優先課題とし

て見直し措置を推進するとと

もに小さな事務局を目指す。

2.2008年度補正予算(案)

および2009年度予算(案)

について

3.2009年度内借入限度額

の承認について

4.学校法人松本歯科大学寄附

行為施行細則第4条および第

9条役職教員について

5.松本歯科大学衛生学院3

年制への移行に伴う衛生学院学

則変更について

6.学校法人松本歯科大学諸規

程の一部改正等について

7.評議員の選任について

 

会議事項1、2、3、6につ

いては、事業計画書・予算書等

に基づき詳細な説明がなされ、

承認可決した。(新年度予算は

下記表を参照)また、4につい

ては、大学院歯学独立研究科長・

歯学部長等の役職教員人事を承

認した。

 

5については、「衛生学院学

則」の一部変更を原案のとおり

承認可決し、厚生労働省への歯

科衛生士養成所変更承認申請お

よび届出に関する提案を承認し

た。7については、第3号評

議員1名の退任と第1号評議

員2名の選任を承認した。

2009 年度予算            2009 年 4 月 1 日~ 2010 年 3 月 31 日 (単位   円)

収 入 の 部 支 出 の 部科     目 予算金額 科  目 予算金額

学生生徒等納付金収入 4,421,000,000 人件費支出 2,980,000,000寄付金収入 10,000,000 教育研究経費支出 1,630,000,000補助金収入 80,000,000 管理経費支出 1,063,550,000資産運用収入 300,000,000 借入金等利息支出 200,000,000事業収入 1,222,000,000 借入金等返済支出 6,128,986,000借入金等収入 4,000,000,000 施設設備関係支出 300,000,000その他の収入 172,900,000 その他の支出 414,850,000

予備費 300,000,000前年度繰越支払資金 10,308,387,536 次年度繰越支払資金 7,496,901,536

収入の部合計 20,514,287,536 支出の部合計 20,514,287,536

障害者歯科学講座の松尾浩一郎准教授

第17回アメリカ摂食・嚥下研究学会

若手研究者奨励賞を受賞

㈶日本高等教育評価機構による認証評価結果について

 松本歯科大学は、大学の認証評価機関である財団法人日本高等教育評価機構による『平成20年度・大学機関別認証評価』を受け、3月24日付で「本評価機構が定める大学評価基準を満たしている」と認定されました。

Page 4: 患者さんへのサービス 教育施設 をはかる - MDU花雨 」「花の父母」とあり、 い大切なものとしている。草木にとってはなくてはならな

Campus Today  Volume  24, No. 7, April  1, 2009/page  4

Economic News 内外の経済 3月26日付

株価 東京外国為替相場と各国定期預金金利 (3カ月物)日本� 8,636.33円

米国� 7,749.81ドル 米ドル 99.00円 0.25%▲

金地金店頭価格�(消費税込み) 英ポンド 144.15円 0.45%売り(1グラム) 3,113円 ユーロ 134.15円 0.50%買い(1グラム) 3,040円 スイスフラン 88.40円 0.01%▲

白金地金店頭価格�(消費税込み) タイバーツ 2.85円 0.01%売り(1グラム) 3,812円 日 円 ——— 0.20%買い(1グラム) 3,624円 (シティバンク調べ)

ハーバード大学ハワードヒューズ医学研究所講師

中村 幸男先生

 3 月 4 日(水)、米国・ハーバード大学ハワードヒューズ医学研究所から中村幸男先生をお迎えし、大学院セミナーを開催した。 中村先生は講演において、多彩な機能を有する CCN 遺伝子ファミリーの「骨・軟骨形成」における重要性を明らかにするための多彩なプロジェクトを紹介された。CCN 遺伝子ファミリーは、細胞の分化

と発育、創傷治癒、炎症と腫瘍増殖に関わる多機能な分泌性タンパク質である。さらに、CCN 遺伝子ファミリーは、細胞周期や細胞接着にも関与し、細胞外基質の合成や再構築にも重要な役割を果している。全ての CCN 遺伝子ファミリーは、哺乳類では 6 つの因子 (Ctgf, Cyr61, Nov, Wisp1, Wisp2, Wisp3)から成り立ち、種を超えて保存されている 4 つの機能的ドメインを

有する。また、CCN 遺伝子ファミリーは、アミノ酸配列が大変良く保存されているため、各 CCN 遺伝子が本来持つ機能も保存されていると推測される。 中村先生はこれまでに、bioinformatics を駆使し、ゼブラフィッシュにおける全ての CCN 遺伝子ファミリーをクローニングし、生後早期のゼブラフィッシュを用いて whole-mount in situ hybridization を行ってきた。その発現パターンの解析結果について詳しく講演された。 また、CCN 遺伝子の変異による関節異常を呈する遺伝性骨代謝疾患の発症メカニズムの研究、CCN 遺伝子の各種受容体を介する情報伝達機構、ノックアウトゼブラフィッシュの作製による CCN 遺伝子の機能解析など、最新の実験結果を紹介され、われわれにとって実りあるすばらしいセミナーであった。

(口腔生化学講座 教授 宇田川信之)

ゼブラフィッシュにおけるCCN遺伝子ファミリーの役割

・3 月 16 日 新潟大学大学院小児歯科学分野准教授 田口 洋先生・3 月 27 日 神戸大学大学院医学研究科生理学細胞生物学講座准教授 西田 満先生

◎ 3 月に開催された大学院セミナーのなかから、中村 幸男先生のセミナーを紹介します。

開催日時 : 4月 29日(水・昭和の日)10:00 ~ 14:00場  所:本学キャンパス(一般開放)催し物(予定):野点、琴演奏、特別出展ブース

(カシオアウトレット・木曽漆器など販売)このほかにも、楽しめる企画をたくさん用意し、

皆様のご来場をお待ちしております。

問い合わせ先:松本歯科大学総務課 TEL0263-51-2113

観桜会開催のお知らせ

講演する中村先生

 

本学第3学年生の西山信正君

は3月2日(月)、松本広域消

防局において一日消防官に任命

され、庁舎内の施設見学や実践

訓練などを体験、火災予防の啓

西山信正君が﹁一日消防官﹂に

春の火災予防運動をPR

発活動にも協力した。

 

春の火災予防運動(3月1日

~7日)の一環として松本広域

消防局の公募推薦に応じたもの

で、本学学生を代表して第26回

「松濤祭」実行委員長で

ある西山君が参加した。

 

当日は西山君のほか

管内事業所の会社員や

他大学の学生ら9人が、

紺色の消防官の制服に

身を包み、原 

昭佳消

防局長より一日消防官

の辞令が交付された。

 

西山君らは、消防局

の概要について説明を受

け、通信指令課では救

急事態が発生したとき

の迅速な出動システムを

つぶさに見学。その後、

消防局近くの大型商業

施設に出向き、買い物

客に「春の火災予防運

動を実施中です」と呼

びかけながらチラシを手渡して

火災予防の啓発活動を行った。

 

また、救急車や消防車の果す

役割やその機能について説明も

聞き、高さ20メートルにも伸

びるはしご車への搭乗や、消防

ホースを用いての放水など、本

番さながらの消防訓練も体験し

た。

 

西山君は「貴重な体験をさせ

てもらいました。人を助けると

いう行為は医療の世界も同じで

すが、消防官の方々のプロとし

ての職業意識におおいに触発さ

れました。冬は乾燥した天気が

続き火災が発生しやすいので、

われわれ学生も火の用心を心が

けます」と感想を語った。

放水訓練を体験する西山君(右)

 

衛生学院歯科衛生士科第33期

生の戴帽式が2月26日(木)、講

堂にて厳粛に行われた。この戴

帽式は、4月から大学病院で始

まる臨床実習を前に、学生たち

が決意を新たにする節目の儀式

でもある。

 

式では、役員や教職員、第2学

年の先輩たちが見守るなか、33

期生の一人ひとりが、壇上で笠

原悦男学院長より淡いピンクの

キャップを戴き決意を新たに

衛生学院歯科衛生士科第 33 期生 戴帽式

 

2008年度研修歯科医修

了証授与式が、3月25日(水)、

図書会館学生ホールにて行わ

れ、本学病院が実施する1カ年

の研修プログラムを修了した52

人が式に臨んだ。

 

本研修は、歯科医師法に規定

する臨床研修に関する省令に基

づき、歯科医師国家試験合格直

後の歯科医師に対して実施され

ているもので、歯科医師として

の人格を涵養し、一般的な歯科

診療において基本的・総合的診

療能力(知識・技能・態度)を

身に付けることを目的とする。

 

本年度の本学病院歯科医師臨

床研修では、単独型臨床研修プ

ログラム(プログラムⅠ)と複

合型臨床研修(プログラムⅡ)

の2種類を実施。前者は、本学

病院総合診療科でグループ制・

チーム診療方式で行われ、修了

者は33人、後者は全国87の協力

型臨床研修施設および26の研修

協力施設の協力を得て行われ、

修了者は19人であった。

 

修了証授与は、森本俊文学長

より、研修者代表の石原磯子研

修了証を授与される石原研修歯科医

社会的責務を認識して研鑽努力を

研修歯科医修了証授与式

修歯科医に手渡された。

 

矢ヶ﨑 

康理事長は、研修

の労を労ね

ぎらいながら、「皆さんは、

修了証を手にされ、歯科医師と

してようやく一人前となったと

言えます。今の気持を忘れずこ

れからも精進され、勉強に励ん

でください。これから皆さんは

成長します。しっかりやってく

ださい」と激励のことばを贈ら

れた。

 

修了者代表としてあいさつし

た三木 

学研修歯科医は、「こ

の1年の研修を通して技術のみ

ならず、多くの貴重なものを身

 

本学歯科保存学第1講座・吉

成伸夫教授は飯島町役場住民福

祉課の招きに応じて3月23日

(月)、同町保健センターで「口

や歯から見えてくる心身の健

康」と題して講演を行った。

 

吉成教授は、まず「歯周病は

痛みなどの自覚症状があまりな

いため、自分では気づきにくい。

しかし、放置しておくと歯を失

う最も大きな原因になります」

と前置きして、歯周病の特徴を

説明。治療の第一段階としては、

適切な歯磨きを行えば症状はあ

る程度改善できることを実例写

吉成伸夫教授が飯島町で

﹁歯周病治療﹂について講演

真で示した。さらに外科治療や

歯周組織再生療法についても解

説した。

 

また歯周病が、糖尿病や心臓

血管疾患、呼吸器感染症、胎児

の低体重・早産、肥満など、体

のさまざまな病気にも影響を及

ぼすことを話し、「

歯周病の改善

がひいては全身の健康管理に繋

がります。お口のなかをいつも

清潔に保ち、予防と管理に努め

てください」と呼びかけた。

 

講演に参加した町民はメモを

取りながら熱心に耳を傾け、講

演後はセルフケアや定期検診の

必要性などに関しての質問が相

次いだ。同町住民福祉課保健医

療係は「専門的な話が聞けてた

いへん参考になった。これを契

機に町民の口腔衛生指導により

力を入れていきたい」と話して

いる。

1日㈬

 

キャンパス・イン

  

入室説明会・防火訓練

 

前期授業開始(大学院第2~4学年)

2日㈭

 オリエンテーション(歯学部第2~5学年

衛生学院第2学年 

3日㈮

 

松本歯科大学入学式

  

歯学部・大学院・衛生学院

 

オリエンテーション(大学院第1学年)

6日㈪

 

授業開始(歯学部第2~5学年

衛生学院第2学  

 学内オリエンテーション(衛生学院第1学年)

6日㈪~10日㈮

 

オリエンテーション(第1学年)

9日㈭~10日㈮

 学外オリエンテーション(衛生学院第1学年)

16日㈭

 

交通安全講習会

20日㈪

 

授業開始(大学院第1学年)

23日㈭~24日㈮

 

大学院発表会

28日㈫

 第30回松本歯科大学校友会総会

キャップを受けた。戴帽した学

生たちは、感動とともに、キャッ

プに込められた責任の重さを感

じていた。

 

笠原学院長は告辞のなかで

「診療室は真剣な臨床の場です。

不安や心細い気持で入ってき

て、辛いことにも遭遇するでし

ょうが、常に『患者さんのため

に』という強い気持を持って対

峙すれば克服できると思いま

す。初心を忘れずにチャーミン

グで素敵な衛生士になってくだ

さい」と激励のことばを贈った。

 

第1学年を代表して滝澤芙紗

子さんは、「知識と技術の向上

を目指し、人との出会いを大切

にしたい」と誓いの言葉を述べ

た。キ

ャップを授かる歯科衛生士たち

町民の質問を受ける吉成教授

につけることができました。ご

指導くださった方々のおかげだ

と感謝しております。これから

も本学で臨床研修を行ったこと

を誇りとし、培った知識・技術・

自己研鑚の精神を以て長い人生

をがんばっていきたいと思いま

す」と力強く決意を述べた。