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1 2011 年度 上智大学経済学部経営学科 網倉ゼミナール 卒業論文 青山フラワーマーケットはなぜ売れるのか 不況下における嗜好品の販売方法の考察 0842579 家藤 信之 提出日 2012 1 15

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2011 年度 上智大学経済学部経営学科 網倉ゼミナール

卒業論文

青山フラワーマーケットはなぜ売れるのか

不況下における嗜好品の販売方法の考察

A0842579

家藤 信之

提出日 2012 年 1 月 15 日

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はじめに

私が物心ついたころから、「日本経済は不況だ。」とか「景気が悪い。」ということばを多く耳

にしてきた。大学に入学した約半年後にはリーマンショックが起こり、就職活動期には企業がの

きなみ採用数を減らすなど、実体験として不況といわれるものを感じてきたように思う。

このような情勢の中では、『消費しない若者』という言葉に代表されるように、人々はなるべ

く余計な出費を抑えるようになるのが当然の流れのように思われる。食料品などの生活必需品は

購入するが、嗜好品への出費は抑え贅沢は我慢するというものである。

しかし、ある雑誌で青山フラワーマーケットという花屋が売上を伸ばしているという記事を目

にした。そこに私はこの研究の発端となる疑問を感じた。そういうのも花は私たちの生活に根差

しているとは思えないからだ。実際私は年に 2、3 回しか花屋に行かないし、それでも多いと驚

かれたほどだ。ましてや昨今の不況下では、花のような生活必需品ではない商品は売れなくなる

というのが一般的な考え方ではないだろうか。

そこでこの論文では青山フラワーマーケットが売れる理由を解き明かすとともに、花以外の嗜

好品ビジネスの考察を行いたいと思う。

なおこの論文における嗜好品の定義は広辞苑に記載されている意味とは異なり、生活に必要で

はないもの、あってもなくてもよいもののことを指していることをご了承いただきたい。

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目次

はじめに…P2

1.本論文について…P4

1-1 本論文の目的

1―2 本論文の構成

2.青山フラワーマーケットとは…P4

3.前提…P5

3-1 本当に不景気なのか

3-2 青山フラワーマーケットの業績と花き市場

3-3 花は本当に嗜好品なのか

4. 青山フラワーマーケットのビジネスモデル…P9

5.なぜ青山フラワーマーケットは売れるのか…P12

5-1 仮説と検証Ⅰ

5-2 仮説と検証Ⅱ

6. まとめ~なぜ青山フラワーマーケットは売れるのか~ …P15

7.嗜好品ビジネスの考察…P16

8.終わりに…P16

9.謝辞…P17

10.参考文献…P17

付録 アンケート用紙

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1.本論文について

1‐1 本論文の目的

本論文では、青山フラワーマーケットが売れる原因の解明、そしてそこから考えられる嗜好品

ビジネス成功の考察を行うことの 2 点を目的としている。

1‐2 本論文の構成

まず、本論文を進めていくにあたって、景気動向と青山フラワーマーケットの売上の前提情報、

そして花は嗜好品であるのかという 3 点について確認する。その上で青山フラワーマーケット

のビジネスモデルの分析し、仮説立てとその検証により、青山フラワーマーケットが売れる原因

を探る。さらにその結果から他の嗜好品ビジネスの考察と提言を試みる。

2.青山フラワーマーケットとは

まず、本論文を始めるにあたり、青山フラワーマーケットの説明から行うことにする。駅やデ

パートなどの商業施設で目にされた方も多いと思うが、青山フラワーマーケットとは株式会社パ

ーク・コーポレーションが運営するセルフサービス方式の生花チェーン店である。パーク・コー

ポレーション代表取締役の井上英明氏が花の価格が高いことに疑問を抱き、もっと安く花を人々

の生活に届けることができないかとの疑問が青山フラワーマーケットの発端である。1988 年に

開業(生花事業は 89 年から)し、その後も着実に店舗数を増やし続け、現在では南青山本店を中

心に全国に約 70 店舗を展開している。また、「Living With Flowers Everyday」をスローガン

に掲げ、人々の日常生活に花を取り入れることを目標としている。そのため、蘭などの法人向け

生花を排除しメインターゲットは個人の顧客である。運営元のパーク・コーポレーションは青山

フラワーマーケットのほかにもフラワーアレンジメントスクールの hana-kichi、法人向け観葉

植物販売店の JungleCOLLECTION など花や植物を中心とした事業展開を行っている。

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3.前提

論文を進めるにあたりこの研究の前提とされる事柄について簡単に確認させていただく。その

前提とは、①本当に景気は悪化しているのかと言うことと②そのような不景気の中でも青山フラ

ワーマーケットは売れているのかそして③花は本当に嗜好品であるのかというという 3 つにつ

いてである。では早速その 3 点についての確認を進めていきたい。

3-1.本当に不景気なのか

最初に世間でよく言われる不景気が本当なのかを確認する必要がある。しかし、その前になぜ

ここで景気動向の情報が必要になるのか簡単に説明をさせていただきたい。私が経済動向に注目

した理由として経済学の弾力性の概念1がある。この弾力性の概念とは、需要の価格弾力性2を例

にとって説明すると、価格が変化した際に需要量がどれだけ変化によって導き出される(需要量

の変化率/価格の変化率)。そしてこの弾力性とは 1 を基準として 1 より小さいと非弾力的、つま

り価格の変化が需要量に与える影響が比較的小さいとされ、1 より多きいと弾力的、価格の変化

が需要量に与える影響が比較的大きいとされる。そして非弾力的な商品としては、食品などの生

活必需品が多く、反対に弾力的な商品としては住宅や旅行といった嗜好品や贅沢品が主な物とし

て挙げられる。要するに花が生活必需品ではなく嗜好品だとすると、価格の上昇に対し、需要量

は大きく減る=売れなくなると考えられる。そして今回は花の需要量に与える影響を価格の変化

(需要の価格弾力性)ではなく、所得の変化(需要の所得弾力性)で見ることで考えていきたい。そ

の理由としてはⅠ.花の価格が店舗や花の種類などの要因により若干異なることⅡ.花の価格変

動の時系列データを得られなかったための 2 点である。所得動向を確認するに際しては給与動

向、そして可処分所得の変化を見ていきたい。花は正常財であると考えられるため給与などの所

得が増加していれば花の需要量も上昇し、反対に所得が減尐していれば花の需要量も下降すると

考えられる。

では実際に景気動向を見ていきたい。日本の場合、景気動向を判断する際にはディフュージョ

ン・インデックスを見るのが一般的とされるが、本研究では上にも記したとおり給与動向と可処

分所得動向から景気動向を判断したい。こちらの指標の方がより身近であり、また花の購買に直

接影響するため景気動向を判断する指標として利用して差し支えないと考えている。

まずは、給与動向に関するデータを見ていきたい。以下のグラフは国税庁が発表している民間

給与実態調査結果の平成元年から平成 22 年までの平均給与の推移を示したものである。

1 弾力性の概念についてはポール・クルーグマン、ロビン・ウェルス 『クルーグマン ミクロ経

済学』東洋経済新報社 2007 年 p131-p147 を参照した。

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図 1

(出所:国税庁民間給与実態統計調査結果 http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/jikeiretsu/01_02.htm)

このデータによると平均給与は平成 9 年(1997 年)の 467 万 3 千円をピークに下降を続け、平成

21 年(2009)年には平成元年の水準に迫る 405 万 9 千円にまで下落していることが分かる。

続いて可処分所得の動向について見ていきたい。可処分所得とは、給与などから税や社会保険

料などを差し引いた手取り収入のことで、個人が自由に使うことができる所得のことである。上

の給与グラフが示すように、給与が 1997 年をピークに減尐傾向にあることから、可処分所得も

同様に減尐していることを予想できるが、花のような生活必需品ではないものを購入する際には

この可処分所得の増減が大きく影響すると考えられるので、給与と同様にデータを参照すること

にする。以下が可処分所得の推移である。

図 2

(出所:総務省統計局 家計調査 http://www.stat.go.jp/howto/case4/02.htm)

このグラフは消費支出と可処分所得の対前年比の増減率を表している。ポイントのほとんどがマ

イナスに位置していることから可処分所得もマイナス成長していると考えられる。

上記のデータから給与、可処分所得共に減尐傾向であるため不景気であると言うことができ、

花などの嗜好品の需要量は減尐するのではないかと考えられる。

3-2 青山フラワーマーケットの業績と花き市場

続いて 3-1 で確認したとおり不景気であるならば花は売れないはずであるが、実際に青山フラ

3,600

3,800

4,000

4,200

4,400

4,600

4,800

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22

系列1

単位:千円

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ワーマーケットは売上を伸ばしているのかを確認したい。下が青山フラワーマーケットの売上推

移そして営業利益の推移であるである。

図 3

[

(出典:パーク・コーポレーション http://www.park-corp.jp/company/achievement.html)

表 1

営業利益率(ROS) 単位:%P=パーセンテージ・ポイント

5年間平均 単年度業界平均との差異

業界平均との差異 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年

41.2%P 25.0%P 58.3%P 51.6%P 35.6%P 23.2%P

(出典:一橋大学大学院国際企業経営戦略研究科 「ポーター賞」運営委員会

http://www.porterprize.org/archive/doc/winners2009.pdf)

グラフを見てもわかるとおり、給与と可処分所得が減尐しているのに反して青山フラワーマーケ

ットの売上は伸びていることがわかる。

ここで青山フラワーマーケットの業績だけではなく、花き市場がどのような状態なのかを見て

おく必要がある。不景気によって花き市場がどのような影響を受けているのかを調べるためであ

る。花き市場の動向については農林水産省が発表した『花き産業振興方針』2に詳しい。花束な

どの切り花などの需要および消費動向は 2000 年(平成 12 年)の 64.2 億本をピークに消費額共に

減尐傾向であり 2008 年(平成 20 年)の時点で 58.6 億本である。残念ながら私の不景気で花は

売れなくなるという予想を認めるには幾分か頼りないほどの減尐でしかない。それでも花の価格

が下がっているといわれる中支出における花(切り花)の占める割合を見ると年々減尐している

点、消費者のうち半年間に花を買う回数が 0 回もしくは 1 回である人が増加傾向である点など

から不景気の影響が花き市場にもあったと考えることができる3。また花きの市場規模が微減傾

向であるにもかかわらず、青山フラワーマーケットの売上は増加していることから、青山フラワ

2 農林水産省『花き産業振興方針』

http://www.maff.go.jp/j/seisan/kaki/flower/f_kentou/pdf/sanko.pdf 3 農林水産省は花き市場の市場縮小に不景気の影響があったと記している。

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ーマーケットには売れる秘密があると思われる。それを本論文の中で後に解き明かしていく。

3-3 花は本当に嗜好品なのか

最後の前提として花は本当に嗜好品なのかと言うことについて確認したい。ここまで花は嗜好

品であるという前提で話を進めてきたが、私がそう認識しているだけであり、花が無い生活なん

て考えられないという人もいるかもしれない。そこまでいかなくとも多くの人が花のことを重要

視していれば花を嗜好品だとみなすこの論文は破綻してしまう。その意味でここの確認は非常に

重要な意味を持っていると言える。この前提を確認には私が独自にアンケート調査を行った(調

査に使用したアンケートは巻末に付録)。重要な確認にもかかわらず、サンプル数がそれほど多

くない点、年齢の偏りが大きな点、ワーディングが適切であったかという点においてこのアンケ

ート調査には疑問符が残るが、調査結果自体は意味があるものと考えられるので、この調査結果

を使用したい。花が嗜好品であるか否かを確かめるにあたり、生活における花の必要性を 5 段

階評価で答えてもらった(5 が最も必要性が高く、数値が下がるにつれ必要性が下がっていく)。

結果は以下のとおりである。

表 2

Q3. あなたが感じる生活における花の必要性を 5段階で教えてください。(n27.男 18、女 9)

5.必要である 4 3.あってもなくてもよい 2 1.必要ない

4人 7人 11人 5人 0人

非常に微妙な結果ではあるが、“1.必要ない”と答えた人はいなかったものの予想していたとお

り“3.あってもなくてもよい”と回答する人が最も多かった。サンプル数は尐ないものの“2”

と回答した人も含めると過半数を超えており、多くの人があまり花は生活に必要ではないと回答

していることが分かる。しかし、これだけを見るとそれほど有意な差は感じられないように思え

る。なぜなら 10 人が“5.必要である”もしくは“4.やや必要である”と回答しているからであ

る。しかし、この 11 人と言う数字をそのまま信じ込んでしまうのは尐し早計であるのではない

だろうか。なぜなら、このアンケート調査は被験者が判明しない無記名方式で行ったが、社会学

者のパオロ・マッツァリーノ氏は無記名方式でも人は見栄を張りたがると主張している4からで

ある。花が本当に好きでたまらない人には疑ってしまい申し訳ないが、もしかするとこの 11 人

の回答者の中にも見栄を張ってしまった人がいるかもしれない。そこで疑い深い私は、続いてこ

の 1 年に花屋で花を購入したか、購入した場合は何回購入したかという質問をした。花を必要

だと感じる人は花の購入回数も増えるはずである。以下が Q3 で“5”、“4”を解答した者の 1

年間の花の購入回数である。

4 パオロ・マッツァリーノ 『続・反社会学講座』 ちくま文庫 2007 年 p17

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表 3

花の購入回数(n11)

5回以上 4回 3回 2回 1回 0回

1 1 2 1 3 3

0 回、1 回と回答した 6 名の方には申し訳ないが、ここでは選択した回答とは裏腹にあまり生活

に花が必要ではないものとさせていただく。それでもなお、サンプル数が尐ないこともあり、有

意な差があるようには思えない。しかし、Q3 で“3.あってもなくてもよい”、もしくは“2”を

回答した人と合計すると 22 名であり、27 名の被験者のうちかなりの割合を占めていることにな

る。よって多くの人が花をあってもなくてもよいと考えていることを理解できる。青山フラワー

マーケットの運営会社であるパーク・コーポレーションの井上英明代表取締役は花を生活必需品

であると認識されているようだが、ここでは花は多くの人にとって嗜好品であるとさせていただ

く。

ここで前提条件の確認の結果をまとめておく。

①景気動向は給与、可処分所得の減尐から見て取れるように実際に不景気である。

②そのような景気動向に影響され、花き市場の規模は微減している。しかし、青山フラワーマー

ケットの売り上げは上昇している。

③多くの人にとって花は嗜好品である。

だいぶ長くなってしまったが、以上で前提の確認を終了する。続いて青山フラワーマーケット

のビジネスモデルを分析し、青山フラワーマーケットが売れる理由を検証していく。

4.青山フラワーマーケットのビジネスモデル

前提の確認が終了したところで、青山フラワーマーケットのビジネスモデルの分析を行いたい。

青山フラワーマーケットのビジネスモデルに不況下における成功の秘訣があると考えられるか

らである。以下に青山フラワーマーケットの特徴的なビジネスモデルをコストカットと売上促進

という 2 つの面から見ていく。

コストカット要因

尐ない商品数

青山フラワーマーケットは他社に比べ、商品数が尐なくなっている。コストの高い蘭などの法

人向け生花をおかず、個人向け生花であっても、菊などの仏花をおかない。商品数を絞り、素早

く売り切ることを目標とすることで、廃棄ロスを減らすことができる。

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店舗発注システム

花は周知のとおり生ものである。花屋としては仕入れた花をいかに枯らすことなく売り切るか

ということが重要な課題となる。そこで課題の解決のために青山フラワーマーケットが取り入れ

ている方法は本部ではなく、店舗ごとによる生花の発注である。通常の生花チェーンは本部発注

を行うが青山フラワーマーケットにおいては発注などの店舗管理の全権を現場である店舗に任

せている。このことによるメリットは現場は本部よりも顧客を知っているということである。例

えば、同じ店であっても、ビジネス街の近くにある店舗と高級住宅街の近くにある店舗では売れ

筋は異なるであろう。そのため、青山フラワーマーケットでは店舗のショップクリエーター(店

長)に発注を任せることで顧客のニーズに適した無駄のない仕入れをすることが可能となってい

る。また、青山フラワーマーケットには本部が定めるノルマというものが存在せず、売上目標の

設定や管理といったことはすべて店舗ごとに任されている。そのため、上記のような店舗の知見

に基づいた発注を行うことができる。事実、他の要因(後述する)の影響もあるが青山フラワーマ

ーケットの年平均の廃棄率は 3%前後と極めて低い数値を示している(優秀な他社でも年 10%前

後)。

従業員構成

従業員の構成も人件費の面では非常に重要な問題である。その点において青山フラワーマーケ

ットの従業員は約 7 割がアルバイトで構成されており、人件費はそれほど高くないものと思わ

れる。

販売促進要因

価格

青山フラワーマーケットの特徴の一つに価格設定がある。一般的に青山フラワーマーケットの

花は安いとされている5。これは青山フラワーマーケットの説明に記したように代表取締役の井

上英明氏が当時の花の価格の高さに疑問を感じたこと、青山フラワーマーケットを Daily Use

の花屋にすることを目指した点に起因する。以前の花の価格は売れ残りのロスを価格に反映して

いたため卸値に比べ販売価格が高いものになっていた。また法人向け生花は需要を見込むのが難

しく、コストも高いため、不良債権となりやすかった。そこで、青山フラワーマーケットは素早

く売り切り、ロスをなくす仕組みづくりの構築と個人客の普段生活に特化することで花の価格を

抑えることに成功している。

回転率の高い場所への出店

青山フラワーマーケットを利用した方、見かけた方はどのような場所に店舗があったか思い出

してほしい。ほとんどの方が駅やデパートなどの商業施設を思い浮かべるのではないだろうか。

5 最も安いもので 1 輪 210 円~ (2012 年 1 月)

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実際に青山フラワーマーケットの上記の駅、商業施設と言った人通りの多い場所(=回転率の高

い場所)に出店している。人通りが多く回転率が高い場所へ出店することのメリットは 3 点ある

と言える。1 つ目は多くの人を呼び込むことができると言うことである。多くの人が来店すると

いうことは、花が売れる機会が増えるということである。至極当然のことであるが、このことが

青山フラワーマーケットにおいては重要な意味を持つ。青山フラワーマーケットは生花にこだわ

るため、廃棄ロスを尐なくする必要があり、すばやく売り切るということが求められる。そのた

めには、人通りが多く回転率の高い場所への出店は必須なのである。先ほど、店舗発注システム

の項目において青山フラワーマーケットの廃棄率が尐ないと記したが、この回転率の高い場所へ

の出店も一つの要因である。2 つ目はついで買いを期待できるということである。駅の近くやデ

パート内に出店することにより、帰宅途中や買い物ついでに通りかかった人に「花でも買ってい

こうかな。」という気持ちを引き起こさせることができる。このことは花を日常生活に取り入れ

ることを目標とする青山フラワーマーケットには特に重要なことである。そして 3 つ目は店舗

自体が広告になるということである。人通りの多い場所に出店するということは、それだけ多く

の人の目に触れるということである。このことにより、余計な広告費を削減できる。なぜなら大々

的な広告を打ちださなくても、文字通り店舗自体が広告となってくれるからである。また人々の

記憶に残すことができれば購買行動につなげることができる。以上の 3 点のメリットにより、

人通りの多い、回転率の高い場所に出店することは売上の増加に非常に良い影響を与えていると

言える。

花の配置

青山フラワーマーケットを訪れると店の外にまで溢れる花々が視覚を楽しませてくれる。私た

ちが見ると一見無造作に置かれているようにも見えるが、実は顧客に花を買ってもらう工夫がこ

なされている。例えば花が配置されている高さ。この高さは 110cm から 120cm の高さに置かれ

ており、主に女性のもっとも目が届きやすい高さに置かれている。そしてその周りを花の情報な

どを温かく、かわいらしく表示した POP 広告で囲み顧客の目を引く作りになっている。また、

青山フラワーマーケットでは花を種類別に並べるのではなく、色別に並べている。この配列の狙

いは目当ての花に周囲の花を加えることで初心者であっても簡単にきれいなブーケを作ること

ができるというものである。このことが顧客の楽しいという気持ちを呼び起こすことにもつなが

る。このような商品の配置が顧客の購買行動に影響することはマーケティングにおいても実証さ

れており6、青山フラワーマーケットの商品陳列は理にかなっていると言える。

従業員のモチベーションコントロールとサービスの質

青山フラワーマーケットでは、従業員によるサービスの質が高いことで評判である。実際に店

舗を訪れると店員の方からさわやかな挨拶を受け、花の前で立ち止まっているとその花について

の説明を詳細にしてくれる。ここで尐し疑問を持たれる方もいるかもしれない。なぜなら私は、

6 小川 孔輔 『マーケティング入門』 日本経済新聞社

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先ほど人件費の項目において、従業員の約 7 割はアルバイトであると記したからである。アル

バイトの従業員が多いということは、サービスの質も落ちてしまうというイメージを持つ人が多

いのではないだろうか。しかし、ここにも青山フラワーマーケットの従業員がアルバイトであっ

てもサービスの質が高いことを説明する要因がある。そしてその要因を一言で表すと、従業員の

モチベーションの向上させる仕組みを挙げることができる。ではその要因を一つずつ見ていきた

いと思う。まず 1 つ目にコストカットの項目で記した店舗発注システムといった店舗に関する

全権の店舗への委任がある。これは店舗の売り上げ目標や花の発注の全権を店舗が担うというも

のであった。そしてこの店舗が店舗に関するすべてを決定するという方法においては、最終的な

決定を下すのは店長であるショップクリエーターであるが、決定の段階にはアルバイト従業員の

声も反映される。そのため、従業員はアルバイトであっても、店舗の売り上げ目標やコストを考

え、発注する花を考えるなど、店舗の運営に積極的にコミットすることを求められる。そしてこ

のことが従業員のモチベーションとなっているのである。2 つ目は社員への道が開かれていると

いうことである。青山フラワーマーケットは基本的にアルバイトから社員を採用している。その

ため、まじめに働き、ショップマネージャー(店長)に認められれば「社員パス」が与えられ、社

員のポジションが空いた際に応募することができる。また、アルバイトとして入社してくる人も

正社員を目標として入社してくる人が多いため、当初から意識の高い社員であることが多い。さ

らに昇格、昇給には全従業員の試験の結果が反映されるため基準が明確となっており、従業員の

努力が適切に評価される仕組みが成り立っている。そして 3 つ目の要因が教育制度の充実であ

る。青山フラワーマーケットでは店舗の全権を従業員に任せるため、教育制度も充実している。

従業員は入社すると業務の基本やブーケづくりを事細かに教えられる。ここまではどこの花屋に

おいても変わらないことであると思われるが、青山フラワーマーケットの場合は初期研修におい

て制作したブーケの原価計算をさせ、店舗に立っても即戦力となる教育が施される。この他にも

初期研修以外の研修も充実しており、定期研修や他店訪問、生産者である農家への訪問などの機

会が与えられる。以上のような要因が従業員のモチベーションを高め、青山フラワーマーケット

のサービスの質の高さに影響しているものと思われる。

ここまでが青山フラワーマーケットのビジネスモデルの特徴である。これで前提の確認と青山フ

ラワーマーケットのビジネスモデルの整理が終了した。次からは青山マーケットが売れる理由を

仮説とその検証により、解き明かしていく。

5.なぜ青山フラワーマーケットは売れるのか。

前提とビジネスモデルの検証が終了した。いよいよ本論文の核心である青山フラワーマーケッ

トが売れる理由について仮説とその検証を用いて調査を進めていく。

5-1 仮説と検証Ⅰ

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仮説Ⅰ価格が安いため

最初の仮説は青山フラワーマーケットで販売している花が安いから売れているという仮説を

立てた。ビジネスモデルの項目で説明したように、廃棄ロスを価格に反映しない青山フラワーマ

ーケットの花は安いとされる。青山フラワーマーケットが業界に参入した際には、他社が一斉に

花の単価を下げたほどだ。7それでも現在もなお他の業者とは 30%程度の価格差を維持している

という。8確かに不景気の中では、ファストファッションや外食産業などの価格競争に代表され

るように価格を下げることが最も効果的な顧客に対する訴求力となりえる。そのことから、青山

フラワーマーケットの花は安いため、多くの人が購入し、売上も伸びているのではないかという

ことを第 1 の仮説とする。

検証Ⅰ

仮説Ⅰに記したとおり、青山フラワーマーケットの花は安いとされ、業界他社とは 30%程度

の価格差があるとされている。しかし、個人的な感覚として、そこまでの価格差があったように

は思えない。そこで実際に業界他社との価格を比較し、青山フラワーマーケットの価格の方が安

いのかを検証してみた。条件面での差がなるべく小さくなるように青山フラワーマーケットと似

たような駅ナカ・駅チカの花屋で価格の検証を行った。以下が青山フラワーマーケットと他社の

花の価格の比較である。店により商品数や品ぞろえが異なるため、花の種類によっては比較がで

きていない点をご了承いただきたい。

表 3

生花の価格(円)

店 ブーケ バラ フリージア

青山フラワーマーケット 473~3150 210 210

小田急フローリスト 840~1050 420 販売なし

フラワーショップ京王 520~2100 420 420

以上のように私の感覚とは異なり、花によっては 2 倍の価格差があった。そのため、青山フラ

ワーマーケットの花が安いという話は正しいということが分かる。また、青山フラワーマーケッ

トの花のコストは低いと記したが、このようにしっかりと価格に反映されていることから、青山

フラワーマーケットはコストリーダーシップにおいて優位に立てていることが分かる。以上のこ

とをもって、仮説Ⅰを採用し、価格が安いことは青山フラワーマーケットが売れる一つの要因で

あるとさせていただく。しかし、私が行ったアンケート調査によると、花を購入する際に価格を

重視した人の数は、この 1 年間における花の購入者の半数弱の 5 名であった。そのため、価格

が安いことは決定的な要因ではないものとしたい。ただし、私のアンケートはあまりにもサンプ

7 PRESIDENT 2010 年 8 月 30 日号 8 第 9 回 ポーター賞 受賞企業・事業

http://www.porterprize.org/archive/doc/winners2009.pdf

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ル数が尐ないので他の資料も参照してみることにする。顧客が花を購入する際に重視することを

聞いたアンケートとして、東海花き普及・振興委員会が 2008 年に実施した「花を購入する場合

に必要なもの・求めるもの」をきいたものがある。その結果「商品に値ごろ感を求める」と価格

に言及したものは全 11 項目中 6 番目の 25.1%であった。9つまりほとんどの人は花の価格をそ

こまで重視しないということが分かる。よって仮説Ⅰはひとまず採用し、青山フラワーマーケッ

トの花の価格が安いのは青山フラワーマーケットが売れる要因の一つであるとする。しかし決定

的な物ではないとして検証を続けることにする。

5-2 仮説と検証Ⅱ

仮説Ⅱ立地の良さ

2 番目の仮説として青山フラワーマーケットの立地の良さを挙げた。ビジネスモデルの項目で

も記したとおり、青山フラワーマーケットは基本的に人通りの多く回転率の高い場所に出店して

いる。このことが、価格の安さと相まって青山フラワーマーケットの売上を押し上げているので

はないか。

検証Ⅱ

この検証では実際に青山フラワーマーケットの所在地を見てみるとわかりやすい。以下の左の

図が首都圏における青山フラワーマーケットの所在地である。

青山フラワーマーケットは首都圏に 51 店舗出店しており、そのうち 8 駅が日本の利用者数上位

9 最も多く求められたのは、「花の香りや美しさ」で 46.6% (同 アンケート)

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10 駅 10にランクインしている。また、右は小田急フローリストの出店状況であるが、いずれも

小田急線沿線への出店である。このように駅ナカにおいては私鉄系生花チェーンと競合する場合

があるが、私鉄系生花チェーンが自社グループの鉄道駅にしか出店できていないことに比べ、独

立系の青山フラワーマーケットはより広域的な出店がでるためシェアを拡大することができ、さ

らに、私鉄系生花チェーンと競合する際にも、コストを価格に転嫁しない青山フラワーマーケッ

トは価格面で優位に立つことができる。よって仮説Ⅱの立地の良さは非常に重要であり、売上を

伸ばす要因として採用する。

また、ここで青山フラワーマーケットは他の花屋のシェアを獲得しているのではないかと言うこ

とに気付いた。前提で確認したとおり、花き市場の規模は微減傾向にある。花の需要量と購入額

が減尐しているにもかかわらず、売上を伸ばしているということは、以前は他社で花を買ってい

た顧客が青山フラワーマーケットに流れ込んでいると考えられる。これも立地とコストリーダー

シップで優位にたてているため、他社のシェアを奪うことに成功していると考えられる。

青山フラワーマーケットが売れる理由の 1 つとして、私はサービスの質の高さを予想してい

たが、私が行ったアンケート(複数回答可)によると花を購入した人のうち、サービスの良さから

店を選択した人は 1 人しかいなかった。一方で立地からお店を選択した人は 9 人、価格からお

店を選択した人は 3 人いた。そのため、サービスの質は顧客による生花店の選択にはそれほど

重要ではなく、むしろ立地や価格の方が重要であると考えられる。そこで、青山フラワーマーケ

ットが売れる理由として低価格と立地の良さと言う 2 つの答えがでたところで、仮説とその検

証を終了することにする。

6.まとめ~なぜ青山フラワーマーケットは売れるのか~

仮説と検証が終了したところでなぜ青山フラワーマーケットが売れているのかをまとめたい

と思う。青山フラワーマーケットが売れる第1の要因は価格の安さである。商品数を絞り、回転

率の高い場所で売り切ることを目標としているため、従来のように廃棄コストを花の価格に転嫁

する必要が無い。要するに青山フラワーマーケットは他社に比べてコストが尐ないために花の価

格を下げることができる。まさにコストリーダーシップの見本と言えるだろう。

そして価格の安さを活かすのが立地のよさである。人通りの多い駅や商業施設に店舗をかまえ

ることにより、客の回転率の上昇を見込める。回転率が高いことは破棄を尐なくし、花を売り切

ることを目標とする店にとって非常に重要なことである。多くの人が来店することは花が売れる

→廃棄コストが下がる→売上・利益が増える→花が安くなる→花が売れるという一連の循環を助

ける働きがあると考えられる。そしてこの 2 つの要因により他社との差がつくものだと思われ

る。実際に花の消費量、消費額は減尐しているにもかかわらず、青山フラワーマーケットの売上

が増加しているということは他社のシェアを奪っているからであると考えることができる。

10 1 位から順に 新宿、池袋、渋谷、横浜、東京、品川、新橋、大宮、秋葉原、高田馬場

http://www.jreast.co.jp/passenger/index.html

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7.嗜好品ビジネスの考察

青山フラワーマーケットの研究で学んだことを通して、嗜好品ビジネスが成功するための考察

を行いたいと思う。当初は嗜好品の代表である旅行について考察しようと考えたが、旅行の場合

は特に海外旅行に関して、現在の円高のように為替の影響などにより、以前より手が届きやすく

なるなど不景気の影響を測りにくいので、ここでは小売り業の嗜好品ビジネスについて考察した

い。

まず、不景気の中でビジネスを行うには販売価格を抑える必要がある。しかし、ただ価格を下

げるだけだと利益を損なうだけでなく、中途半端な値下げにより、他社との価格競争に巻き込ま

れてしまうだけである。そのような価格を下げる際は商品のコストを極力低くすることが必要で

ある。他社に比べ、コストを最も低いコスト設定を行うことで値下げに対する体力を持つことが

でき、コストリーダーシップに基づき優位に価格競争を行うことができる。当たり前のようだが

他社の同一商品に比べいかにコストを抑えるかということが重要となる。

また、青山フラワーマーケットと同様に客の回転率を高めることも重要である。雑貨や家電な

どの花のような生ものではないものであっても製品の旬はある。そのため売れ残りや返品コスト

のリスクを考えると売り切ることが必要である。そのためには人を多く呼び込むことができる回

転率の高い土地へ出店する必要がある。

そして最後に習慣を作ることが必要だと思われる。そういうのも花の需要が不景気にもかかわ

らず、思ったほど減尐しなかったのは、誕生日や母の日などのプレゼントとして花を渡す習慣が

あったためではないか考えている。このことに関しては事実を検証する必要があるが、大学の卒

業シーズンに海外旅行が売れるなど、ある種の習慣のようなものをつくることができたらより売

れやすくなるのではないかと思う。嗜好品ビジネスのみならず、すべてのビジネスに言えそうな

ことではあるが、以上の考察が青山フラワーマーケットの研究を通して考え付いたものである。

8,終わりに

青山フラワーマーケットがなぜ売れるのかという問題に対する答えが最終的に価格と立地で

あるということになった。当初予想していたものに比べ、若干味気のないものになってしまった

気がする。また、アンケートを行ってはみたもののサンプル数が尐ない、データを勝手に解釈し

ているなど問題の多い論文になってしまったかもしれない。しかし、題材から自分で考え、イン

ターネットに頼るだけでなく、自分の力で情報を集めたことに関しては良い経験ができたと思う。

また、この論文を通して花の良さが尐しわかったような気がする。自分でも驚きであるが、実

際に我が家を花が彩るようになった。今はまだ嗜好品かもしれないが、いずれ多くの人が生活に

花を取り入れるようになればと思う。

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9.謝辞

本論文を書くにあたり、指導教官である網倉久永教授には多大なるご指導をいただきました。

論文や考え方のヒントとなる多くのアイデアをいただきました。ありがとうございました。また

アンケートにご協力してくださった方々にも感謝しております。お忙しい中、私のためにお時間

を割いてくださいました。この場を借りて御礼申し上げます。さらに業務中にもかかわらず、私

のインタビューに快く答えてくださった青山フラワーマーケット赤坂 Biz タワー店、新百合ヶ丘

店の従業員の方にも感謝いたします。おかげさまで花に対する知見が尐し深まりました。

10.参考文献

網倉久永、新宅純二郎 『経営戦略入門』 日本経済新聞出版社 2011 年

伊丹敬之 『経営戦略の論理』 日本経済新聞社 2008 年

小川孔輔 『マーケティング入門』 日本経済新聞社 2011 年

小川孔輔 『花を売る技術』 誠文堂新光社 2005 年

川島蓉子 『社長とランチ-なぜこの会社は人の心を惹きつけるのか』ポプラ社 2009 年

パオロ・マッツァリーノ 『続・反社会学講座』 筑摩書房 2009 年

ポール・クルーグマン、ロビン・ウェルス 『クルーグマン ミクロ経済学』 東洋経済新報社

2007 年

PRESIDENT 2010 年 8 月 30 日号 『企業の活路 第 44 回 青山フラワーマーケット』

青山フラワーマーケット

http://www.aoyamaflowermarket.com/pc/index.php5

パーク・コーポレーション

http://www.park-corp.jp/

小田急フローリスト

http://www.odakyu-florist.com/cgi-bin/omc?req=DIR&code=SHOP

フラワーショップ京王

http://www.keiogs.co.jp/

農林水産省 花き産業振興方針参考資料 花き産業振興方針検討会

http://www.maff.go.jp/j/seisan/kaki/flower/f_kentou/pdf/sanko.pdf

一橋大学大学院国際企業戦略研究科 「ポーター賞」運営委員会

http://www.porterprize.org/archive/doc/winners2009.pdf

日本フローラルマーケティング協会

http://www.jfma.net/

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付録 アンケート用紙

花と生活に関するアンケート

網倉ゼミナール 家藤 信之

アンケートに関して

・このアンケートは卒業論文制作にあたり、花と皆様の生活の関係性を調査することを目的とし

ております。

・選択肢が複数当てはまる場合は、当てはまるものすべてを選択してください。

・このアンケートにより集められた情報は統計的に処理され、ご回答を個別に発表することはご

ざいません。

回答日(2011 年 月 日)

Q1. 初めに、性別をお答えください。

1. 男

2. 女

Q2. 続いて年齢をお答えください。

( 才)

Q3. あなたが感じる生活における花の必要性を 5 段階で教えてください。

必要である あってもなくてもよい 必要ない

5 4 3 2 1

Q4. この 1 年間に花屋で花(観葉植物も含む)を購入しましたか。

1. はい ⇒Q5 へ

2. いいえ ⇒Q8 へ

Q5. Q4 で“はい”を選択された方は、何回購入されましたか。

1. 1 回

2. 2 回

3. 3 回

4. 4 回

5. 5 回以上

Q6. Q4 で“はい”を選択された方は、花を購入した目的を教えてください。

1. プレゼントとして

2. インテリアなど観賞用として

3. 入院している方などへのお見舞い用の花として

4. お仏壇などに供える仏花、お供え花として

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5. その他( )

Q7. Q4 で“はい”を選択された方は、その花屋で花を購入した理由を教えてください。

1. 花の種類が豊富であるから

2. 価格が手ごろであるから

3. サービスがよいから

4. 駅の近くにあるから

5. 自宅の近くにあるから

6. なんとなく

7. その他( )

Q8. 花を購入される際に、最も重視する点を教えてください。

1. 見た目の美しさ

2. 花の価格

3. ギフト用ブーケなどプレゼントに適しているか

4. その他( )

Q9. 一回の購入でだいたいいくらくらいの花を購入するか教えてください。

1. 1000 円未満

2. 1000 円~1999 円

3. 2000 円~2999 円

4. 3000 円~3999 円

5. 4000 円~4999 円

6. 5000 円以上

Q10. この 1 年で花をもらうことはありましたか。

1. はい ⇒Q11 へ

2. いいえ ⇒質問は以上です。

Q11. Q10 で“はい”を選択された方は、誰から花をもらいましたか。

1. 家族

2. 友人

3. 恋人

4. 職場の同僚

5. 部活、サークルの仲間

6. その他( )

Q12. Q10 で“はい”を選択された方は、どのような理由で花をもらいましたか。

1. 誕生日に

2. 記念日に

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3. 母の日、父の日、敬老の日などの祝日に

4. 入学、就職祝いとして

5. 卒業、退職祝いとして

6. 特に理由もなく

7. その他( )

ご協力ありがとうございました。