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2
多目的最適化問題
ゴール:
最適なトレードオフを示すパレート最適解集合の獲得
f2
f1 加速性能
燃費性能
最大化
最大化
実問題の多くが多目的最適化問題◦ 例:自動車の加速性能を高めて,燃費性能も高めたい
𝒇𝟏 𝒇𝟐
3
従来技術
• ひとつの最適解を獲得
➡ 意思決定の選択肢なし
➡ 利用者の納得感が低い
• 問題の特徴ごとに最適化法を選択
➡ 問題の特徴を知る必要あり
➡ 問題の適用可能範囲が狭い
f2
f1 加速性能
𝑓′ = 𝑤1 ∙ 𝑓1 + 𝑤2 ∙ 𝑓2
新技術 (多目的進化計算)
• 多数の最適解を一括獲得
➡ 意思決定に多数の選択肢を提示可能
➡ 利用者の納得感が高い
• 問題をブラックボックスとして扱う
➡ 問題の特徴を知る必要なし
➡ 問題の適用可能範囲が広い
f2
f1 加速性能
燃費性能
燃費性能
最大化
最大化
最大化
最大化
従来技術との比較
5
走行時間 [秒]
燃料使用量
[リットル
]
レーシングカーの設計最適化
カーシミュレータ:TORCShttp://torcs.sourceforge.net/
0.2 0.5 0.9 0.1 … 1.0
設計変数(遺伝子)22種類の実数値:ギア比,サスペンションの強さ…など
例:自動車の多目的設計最適化
8
<強み> 多数目的最適化
実問題では考慮する目的数が増加◦ 自動車:加速性能,燃費性能
問題:目的数の増加に伴って最適化性能が低下
,登坂性能,最高速度性能,
制動性能,振動乗り心地・騒音性能,衝突安全性能…
多目的最適化 (Multi-Objective Optimization)
◦ 2, 3目的の同時最適化
多数目的最適化 (Many-Objective Optimization)
◦ 4目的以上の同時最適化 ⇒注目を集めるテーマのひとつ
9
ベース技術:MOEA/D [Zhang 07]
多目的最適化問題を多数の単一目的最適化問題に分解
各単一目的最適化問題は,重みベクトル𝝀𝑖 (𝑖 = 1,2,… ,𝑁)を用いるスカラー化関数𝒈によって定義される
f 2 (M
inim
ize
)
f1 (Minimize)
𝒈𝟏 𝒈𝟐 𝒈𝟑 𝒈𝟒
𝒈𝟓
𝒈𝟔
𝒈𝟕
𝒈𝟖
𝒈𝟗獲得した理想点 z
𝝀1 𝝀2 𝝀3 𝝀4𝝀5
𝝀6
𝝀7
𝝀8
𝝀9
10
高次元パレートフロントの広域な近似
z獲得した理想点
f1
f 2
(Minimize)
(Min
imiz
e)
真の理想点 z*
f1
f 2
(Minimize)
(Min
imiz
e)
真の理想点 z*
Inverted PBIPBI
解集団の広がりを改善できる
n 現在の最悪点
広域なパレートフロントを近似困難
従来技術: 新技術:
11
目的数に対する解探索性能H
yperv
olu
me
Number of objectives
TCHrTCHWS
PBI using
NSGA-IIIIPBI using
2 4 6 8
0.2
0.4
0.6
0.8
1
1.2
目的数が多い問題に対して最適性能が高いアルゴリズムを実現
良い
Hyp
ervo
lum
e
Number of objectives
TCHrTCHWSPBI using
NSGA-IIIIPBI using
2 4 6 80.6
0.8
1
1.2
1.4
Inverted PBI新技術
従来技術
従来技術
目的数 目的数
最適化性能
(HV
)良い
最適化性能
(HV
)
代表的連続値最適化問題(WFG4問題)
代表的組み合わせ最適化問題(ナップザック問題)
12
<強み> 不確定環境での最適化• 実問題では,未知の要素が評価値に影響
• 従来技術:
– 評価値とノイズの大きさにトレードオフがある場合に対処不能
目的1 (タイム)
目的
2 (燃費
)
評価値のばらつき
評価値を多少改悪してもロバストな解を選びたい
ノイズ
評価
問題:ロバスト性を考慮できない
最小化
最小化
平均評価値
13
目的1 (タイム)
目的
2 (燃費
)
評価値のばらつき
ロバスト性を考慮して解を取捨選択できる!
新技術:マルチレベルのロバスト解探索◦ ノイズの影響の大きさが異なる解を一度の探索で獲得
最小化
最小化
ノイズ
評価
<強み> 不確定環境での最適化
14
マルチレベルのロバスト解探索
従来法: MOEA/D [Zhang 07] 新技術: MOEA/Dの拡張
目的 f1’
目的
f 2’
最小化
最小化
ノイズによる評価値の分散
𝒙(3,𝐽=3)
𝒙(3,2)𝒙(3,1)𝒙(3,0)
𝒙(4,𝐽=3)
𝒙(4,2)
𝒙(4,1)
𝒙(4,0)
𝒙(5,𝐽=3)
𝒙(5,2)
𝒙(5,1)
𝒙(5,0)
𝒙(2,𝐽=3)𝒙(2,2)𝒙(2,1)
𝒙(2,0)
𝒙(1,𝐽=3)
𝒙(1,2) 𝒙(1,1)𝒙(1,0)
目的 f1
目的
f 2
最小化
最小化
𝒙3
𝒙4𝒙5
𝒙2
𝒙1
𝝀3
𝝀𝟒𝝀𝟓
𝝀2
𝝀1𝑰 𝑰
15
m種類の平均評価値+ノイズ
ノイズ
ノイズを含むm目的最適化問題をm+1目的最適化問題として解く
r回
評価解
x
𝑓1′ 𝒙
𝑓2′ 𝒙
𝑓𝑚′ 𝒙…
𝑓𝑚+1′ 𝒙
𝑗=1
𝑚1
𝑟∙
𝑖=1
𝑟
𝑓𝑗𝑧 𝑥 − 𝑓𝑗
′ 𝑥2
…
=1
𝑟∙
𝑖=1
𝑟
𝑓1𝑧 𝒙
=1
𝑟∙
𝑖=1
𝑟
𝑓2𝑧 𝒙
=1
𝑟∙
𝑖=1
𝑟
𝑓𝑚𝑧 𝒙
m種類の平均評価値
ノイズ=
+
: 標準偏差の合計
: 平均
: 平均
: 平均
𝑓 2′
𝑓1′
平均評価値
16
マルチレベルのロバスト解集合
f1'
f 2'
最小化
最小化
平均評価値が最小となる境界
ノイズが最小となる境界
• ノイズの大きさを考慮しない青い解集合が,評価値間のトレードオフを近似
• 各評価値のバランスについて,ノイズの大きさが異なる解集合を一括獲得
17
<強み> パレートフロントの局所探索従来技術:
f2
f1
問題点:
1. 意思決定者が指定する一点にパレート最適解が存在しない恐れ
2. 意思決定者の選好があいまいな場合に対処できない3. 多数目的最適化において意思決定者と対話的に最適化するUIがない
選好点r
パレートフロント
パレートフロントではない解の存在境界
一点に決められない…
18
f2
f1
提示
選好
選好点r
f3
f4
f5
対話的最適化
2目的最適化⇒OK多数目的最適化⇒NG
f6
f7f8
問題点:
1. 意思決定者が指定する一点にパレート最適解が存在しない恐れ
2. 意思決定者の選好があいまいな場合に対処できない3. 多数目的最適化において意思決定者と対話的に最適化するUIがない
<強み> パレートフロントの局所探索従来技術:
19
平行座標UIを用いる選好探索
均一分布の重みベクトル群
f1
f2
f3
(a) 全域探索
(b) 選好領域決定UI
意思決定者
f1 f2 f3
1.1 1.0 1.1
0.0 0.0 0.0
f3max
f 3min
f2max
f2min
f1
f2
f3
(c) 選好領域探索
λ3max
λ3min
λ3maxλ3
min
パレートフロントの全体像
21
獲得した解集合(3目的問題)
全体探索で得られたPOS
選好探索で得られたPOS
f1max
f1min
f3max
f3min
f2max
f2min
全体探索で得られたPOS
選好探索で得られたPOS
全域探索で得られた解集合選好探索で得られた解集合