全国の職業能力開発施設で活躍

テクノインストラクタ

技術指導通じて転職支援

齊藤さんはポリテクを巣立った人たちの活躍ぶりを聞くと「この仕事にやりがいを感じる」と話す

　厚生労働省が﹁テクノインス

トラクタ﹂と愛称を付けた職

業訓練指導員ポリテクセンタ

をはじめとする全国の職業能

力開発施設で離転職者などを

対象に技術的な指導を行いなが

ら地域企業への就職を支援し

ているポリテクセンタ山梨

で建築ＣＡＤサビス科の指導

員を務める齊藤博伸さんへの取

材を通じてテクノインストラ

クタの役割を探た

　甲府市にあるポリテクセンタ

山梨は６カ月コスの▽機

械ＣＡＤ／ＮＣ▽金属加工▽建

築ＣＡＤサビス▽電気設備技

術の４科と７カ月コスの

産業技術科電子制御技術科を

設けているいずれのコスも

訓練修了後の就職率は８９割

の高さを誇る

　このうち建築ＣＡＤサビス

科では住宅の構造・製図を学び

ながらＣＡＤ操作による作図

方法を習得する現在は男性４

人女性人の訓練生が在籍す

るほとんどの人はこれまで建

設業界で働いた経験がないそ

のためパソコン画面でＣＡＤを

扱うだけでなく在来軸組構法

による模擬建屋で床壁天井

の下地や仕上げ施工も実際に行

いながら﹁実技を知ることで

仕上がりをイメジした図面を

描けるような技能を身に付けて

もらう﹂︵齊藤さん︶ようにし

ているという

　山梨に赴任して５年目の齊藤

さんはもう一人の指導員と共

に技術指導から就職支援まで

一貫して取り組む訓練生は

代から代までと幅広く技能

習得のスピドもさまざま齊

藤さんは一人一人の習得具合を

見ながら﹁他の人に後れを取

ているようならフロする﹂

などきめ細かな指導に当たる

　日々の訓練は午後４時に終了

する就職を目指す訓練生は資

格取得にも意欲的齊藤さんは

訓練終了後も補講の形で受験対

策を指導する技術的な指導に

加え６カ月間の中で訓練生が抱

える悩み事など相談を受ける

ことも少なくない

　鹿児島県出身の齊藤さんは

阪神大震災︵１９９５年１月︶

の惨状をテレビで見たことが

インフラや建設業の大切さを考

えるきかけになた加えて

﹁人に伝える仕事がしたい﹂と

の思いもかなえるため指導員

を志して職業能力開発総合大学

校に入り資格を習得した

　指導員としてポリテクセンタ

静岡を皮切りに函館山梨と

場所を移し現在年目指導

員の仕事を齊藤さんは﹁人生

の岐路に立つ人たちに訓練を通

じて何かを伝え次のステプ

を踏んでいくのを見ることがで

きることにやりがいを感じてい

る﹂と話す齊藤さんの元を巣立

ていた訓練生は数多いが

﹁風のうわさに建設業で頑張

ていることが聞こえてくる時は

何よりうれしい﹂という

　これからも続く指導員として

の活動では自らの技術・技能を

高めることも重要だと考える

職業大で定期的に行われる指導

員向けの研修に参加するほか

建築士や大工技能検定インテ

リアコデネタ宅地建

物取引士などさまざまな資格取

得にも精力的だ今年から職業

大で行われる職業能力開発施設

のカリキラムや評価基準づく

りの検討に委員として参加他

のポリテクで活躍する指導員と

も横のつながりを作ている

　技術・技能を伝える立場にあ

るが産業界の技術進歩は思

た以上に早いこうした技術の

進歩を指導員としてフロで

きないもどかしさを感じること

もある﹁最新の技術を取り込

みながらそれを指導の場で生

かすにはどうしたらよいかを

考えることもある﹂と話す

　建設業界ではまだ少ないが

他産業では指導員が技能伝承の

ためのテキスト作りに参画して

いるケスもある齊藤さんは

そうした活動にもぜひ参加し

て業界と一緒になて取り組

んでみたいという思いも抱いて

いる

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