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18 1.はじめに 本稿では、2014 12 3 日に打ち上げられ た小惑星探査機はやぶさ2 の概要、および、 はやぶさ2で使われている通信方式について 説明します。ただし、最近の日本の深宇宙探 査機(表1 参照)で使用されている通信方式 は標準化されており、表1で示す全ての探査 機でほとんど同一のものが使われています。 従いまして、本稿の説明は、第2 節の「はや ぶさ2 の概要」を除いて、日本の深宇宙探査 機一般についての説明にもなっています。 2.はやぶさ2の概要 小惑星探査機はやぶさは、200359日に 打ち上げられ、小惑星イトカワのサンプルを 取得し、サンプルを収納したカプセルが2010 6 13 日に地球に無事帰還しました。はや ぶさ2は、はやぶさの経験をさらに発展させ、 イトカワとは種類の異なる小惑星からサンプ ルを取得することを目指しています。 はやぶさ2は、2014123日に打ち上げら れ、現在小惑星リュウグウに向かって航行中 です。はやぶさ2の軌道を図1に示します(た だし、打ち上げから小惑星到着まで)。リュ ウグウの軌道は、地球よりも太陽から遠いと ころにあります。探査機が地球から出発して 太陽から遠い軌道に達するためには、探査機 の速度を上げる必要があります。強力なエン ジンと十分な量の推進剤を探査機に搭載でき れば、探査機のエンジンで加速することも原 理的には可能なのですが、現実的には不可能 な場合が多く、そのような時にはスイングバ イという技術が用いられます。これは、地球 (あるいは他の惑星)に近づいた時に地球(あ るいは惑星)の重力を利用して探査機を加速 するという技術です。はやぶさ2 は、2015 123日に地球の重力を利用したスイングバ イを実施し、リュウグウに向かう軌道に乗せ ることに成功しました。 はやぶさ2 は、2018 年の夏にリュウグウに 小惑星探査機はやぶさ2とその通信 宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所 教授 山田 隆弘 表1 最近の日本の深宇宙探査機 探査機名 打ち上げ年月日 探査対象 特記事項 はやぶさ 200359小惑星イトカワ 2010613日地球に帰還 あかつき 2010521金星 2015127日金星周回軌道に投入 はやぶさ2 2014123小惑星リュウグウ 小惑星に向かって航行中 Mercury Magnetospheric Orbiter MMO2016年度(予定) 水星 ヨーロッパ宇宙機関(ESA)との 共同プロジェクト

小惑星探査機はやぶさ2とその通信 - 一般社団法人 日本航空 ...2016/01/08  · Orbiter (MMO) 2016年度(予定) 水星 ヨーロッパ宇宙機関(ESA)との

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    1.はじめに本稿では、2014年12月3日に打ち上げられた小惑星探査機はやぶさ2の概要、および、はやぶさ2で使われている通信方式について説明します。ただし、最近の日本の深宇宙探査機(表1参照)で使用されている通信方式は標準化されており、表1で示す全ての探査機でほとんど同一のものが使われています。従いまして、本稿の説明は、第2節の「はやぶさ2の概要」を除いて、日本の深宇宙探査機一般についての説明にもなっています。

    2.はやぶさ2の概要小惑星探査機はやぶさは、2003年5月9日に打ち上げられ、小惑星イトカワのサンプルを取得し、サンプルを収納したカプセルが2010年6月13日に地球に無事帰還しました。はやぶさ2は、はやぶさの経験をさらに発展させ、イトカワとは種類の異なる小惑星からサンプルを取得することを目指しています。

    はやぶさ2は、2014年12月3日に打ち上げられ、現在小惑星リュウグウに向かって航行中です。はやぶさ2の軌道を図1に示します(ただし、打ち上げから小惑星到着まで)。リュウグウの軌道は、地球よりも太陽から遠いところにあります。探査機が地球から出発して太陽から遠い軌道に達するためには、探査機の速度を上げる必要があります。強力なエンジンと十分な量の推進剤を探査機に搭載できれば、探査機のエンジンで加速することも原理的には可能なのですが、現実的には不可能な場合が多く、そのような時にはスイングバイという技術が用いられます。これは、地球(あるいは他の惑星)に近づいた時に地球(あるいは惑星)の重力を利用して探査機を加速するという技術です。はやぶさ2は、2015年12月3日に地球の重力を利用したスイングバイを実施し、リュウグウに向かう軌道に乗せることに成功しました。はやぶさ2は、2018年の夏にリュウグウに

    小惑星探査機はやぶさ2とその通信

    宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所教授 山田 隆弘

    表1 最近の日本の深宇宙探査機

    探査機名 打ち上げ年月日 探査対象 特記事項

    はやぶさ 2003年5月9日 小惑星イトカワ 2010年6月13日地球に帰還

    あかつき 2010年5月21日 金星 2015年12月7日金星周回軌道に投入

    はやぶさ2 2014年12月3日 小惑星リュウグウ 小惑星に向かって航行中

    Mercury Magnetospheric Orbiter (MMO)

    2016年度(予定) 水星 ヨーロッパ宇宙機関(ESA)との共同プロジェクト

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    到着し、その後1年半に渡りリュウグウの観測やサンプルの取得を行います。小惑星表面に人工的に穴を開け、穴の底からサンプルを取得するという試みも行います。2019年の末にリュウグウを離脱し2020年末に地球に帰還

    します。サンプルを収納した再突入カプセルは、オーストラリアの砂漠地帯に着陸する予定です。はやぶさ2の外観を図2と図3に示します。第5節で述べますが、はやぶさ2は、地球と交

    図1 はやぶさ2の軌道ー打ち上げから小惑星到着まで

    図2 はやぶさ2の外観1

    (C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

    (C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

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    信するのにXバンド(約8GHz)とKaバンド(約32GHz)という二つの周波数を用います。はやぶさ2は、それぞれの周波数用の高利得アンテナを一つずつ搭載しており、はやぶさ2本体の上面に設置されています(図2参照)。また、はやぶさ2の下面にはサンプルを収集する時に使われる筒型のサンプラホーンが取り付けられています(図2参照)。はやぶさ2の前面には、取得したサンプルを地上まで届ける再突入カプセルが装着され、下面には、小惑星に穴を空けるために使われる衝突装置も装着されています(図3参照)。

    3.通信システムの全体構成探査機との通信に関する話を始めますが、まずは探査機との通信を行うシステムの全体の構成について説明します。図4に通信システムの全体構成を示しますが、探査機と直接交信を行うのは地上局と呼ばれる設備です。地上局は無線信号を用いて探査機との交信を行います。地上局としては、日本の地上局だけでなく、海外の地上局も使用されます。し

    かし、地上局において探査機に送るデータを作成したり探査機から送られてきたデータを解析したりするのではなく、それらの作業は運用センターと呼ばれる施設で行われます。運用センターと地上局との間の通信は、ほとんどの場合、専用に敷設された地上の通信回線が使用されます。はやぶさ2を始めとして表1に示した全ての探査機の運用センターは、相模原市のJAXA宇宙科学研究所に設置されています。写真1は、はやぶさ2の打ち上げ直後の相模原の運用センターの様子を示します。はやぶさ2の打ち上げは種子島宇宙センターで行われたのですが、打ち上げ前は、種子島でチェックを受けている探査機の状態を相模原の運用センターでもリアルタイムにモニターしました。打ち上げ直後は探査機との交信は行えないのですが、打ち上げの2時間後にまずアメリカの地上局(後述するゴールドストーン局)ではやぶさ2との交信が開始されます。それと同時に相模原の運用センターにおいても探査機から送られてきたデータ(テレメトリ)の

    図3 はやぶさ2の外観2(C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

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    図4 探査機との通信システムの全体構成

    イラスト 池下章裕

    写真1 はやぶさ2の運用センター(相模原)(C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

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    内容を確認し、探査機の状態が正常であることを確認します。また、探査機の機能が正しく動作することを確認するために探査機に対する指令データ(コマンド)をアメリカの地上局経由で探査機に送ります。惑星探査機との交信には、地球上に分散した少なくとも三つの地上局が使用されるのですが、その理由を説明します。惑星探査機は、一日というような時間単位においては、太陽系のなかの固定した位置に静止していると考えてよいのですが、地球は24時間を周期として自転しています。となると、地球上のある位置からは、地球のそちら側が探査機の方を向いているときは探査機と交信できるのですが、地球の自転に伴って地球のそちら側が探査機の方を向かなくなると探査機と交信できなくなります。平均すると、地球の一つの場所では、一日に8時間しか探査機と交信できません。従って、一日中探査機と交信するためには、経度が分散された少なくとも三つの地上局が必要になるのです。はやぶさ2もその他の探査機も、定常的な

    運用を行う場合は、日本の局だけを用いて一日8時間運用を行うのですが、クリティカルな運用(例えば、打ち上げ直後、軌道制御時、着陸時、地球帰還時など)を行う時は、次の節で述べるように海外の局も使用して運用を行います。

    4.はやぶさ2の地上局ここでは、はやぶさ2で使用されている地上局について説明します。地上局の位置を図5に示します。まず、国内の局としては、JAXAの臼田局と内之浦局が使用されます。JAXA臼田局は、長野県の佐久市の山の中に位置し、ここに設置されている直径64m(日本では最大口径)のパラボラアンテナ(写真2参照)を使用します。定常的な運用時には、このアンテナが主に使用されます。JAXA内之浦局は、鹿児島県の肝付町の海辺に位置し、ここに設置されている直径34mのパラボラアンテナを使用します。このアンテナは臼田64mアンテナのバックアップとして使用されます。

    図5 はやぶさ2の地上局

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    前節で述べたように、日本局だけでは一日に8時間しか運用できませんので、クリティカル運用時には海外の地上局も使用します。NASA(アメリカ航空宇宙局)はDSN (Deep Space Network)という深宇宙探査用の地上局網を保有しています。DSNは、経度が分散された三つの場所に局を有していて、それらはゴールドストーン(アメリカのカリフォルニア州、写真3参照)、キャンベラ(オーストラリア)、マドリッド(スペイン)に位置します。これらのそれぞれの場所に、70mアンテナが一つに34mアンテナが三~四つ設置されています。はやぶさ2では、クリティカル運用時

    にはこれらの局を頻繁に利用します。NASA/DSNは、はやぶさの初号機でも金星探査機あかつきでも使用されましたが、はやぶさ2では日本の探査機としては初めてESA(ヨーロッパ宇宙機関)の地上局も使用しています。ESAもNASA同様に深宇宙探査用の地上局を地球上の3ヵ所に保有しているのですが、はやぶさ2ではこの内のマラルグエ局(アルゼンチン)の35mアンテナを使用しています。ちなみに、ESAでは、深宇宙用の地上局と他の近地球用の地上局とを総称してESTRACKと呼んでいます。前節で述べましたが、はやぶさ2の打ち上

    写真2 JAXA臼田局64mアンテナ(C) 宇宙航空研究開発機構(JAXA)

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    げ後に初めて探査機と交信を行ったのはゴールドストーン局でした。また、2015年12月に行われた地球スイングバイの後の数ヵ月間は、探査機が地球の南側の方向を飛行するために日本局からの交信が行えません。この間の運用は、キャンベラ局とマラルグエ局を用いて行われます。このように、深宇宙探査機においては、海外局はなくてはならない存在なのです。

    5.探査機との間の通信方式次に、探査機との間の通信の内容について説明します。地球から探査機に送られる指令のためのデータはコマンドと呼ばれ、探査機から地球に送られる探査機の状態を示すデータはテレメトリと呼ばれます。これらのデータはパケットと呼ばれるデータの単位に格納されて伝送されます。図6に示すように、コマンドパケットは運用センターから地上局に

    宇宙専用の回線で送られます。地上局から探査機へは無線信号を使用してコマンドパケットが送られます。テレメトリパケットについても、方向は逆ですが、同様に伝送されます。パケットが様々な回線を経由して伝送されるという仕組みは、インターネットにおけるデータ伝送の仕組みと似ています。インターネットでもコンピュータ間で交信されるデータは、全てパケットに格納され、ルーターと呼ばれる装置を介して様々な回線上を伝送されていくのです。ただし、インターネットと探査機では、伝送上の制約条件や環境条件がかなり違います。例えば、インターネットでは不特定多数のコンピュータが世界中の様々なコンピュータに自由にアクセスできるようになっていますが、探査機の場合、世界中のコンピュータが探査機にアクセスする必要はありませんし、そのようになったら危険でもあります。探査機の場合は、その探査機に関

    写真3 NASA/DSNゴールドステーン局70mアンテナ

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    係あるコンピュータの間だけの閉じたネットワークが必要になります。また、地上局と探査機の間の無線回線は、地上のネットワークに比べると伝送速度が小さく、また、第3節で述べたように常に接続されているとは限りません。そのために、探査機用の伝送方式では伝送の効率が非常に重要になります。インターネットと探査機の伝送方式のもう一つの大きな違いは、優先度による制御を行うかどうかです。インターネットで伝送されるデータには、スカイプで使用される音声や動画のようにリアルタイムに伝送すべきものと、プログラムのダウンロードのように必ずしも即時的に伝送する必要のないものとがあります。このような二つの伝送をインターネットで区別し、前者を後者に優先させるための技術があると便利であり、今までにも技術の提案はいろいろとなされてきたのですが、広く実用化されたものはありません。探査機を地上から遠隔制御する場合も、探査機の状態に関するデータと探査機による観測に関するデータとではデータの即時性に対する要求が異なり、前者を後者に優先させる必要があります。探査機ではこのような技術が非常に重要ですので、すでに実用化されており、はやぶさ2でも使用されています。

    探査機用の通信方式は、上述したような制約条件を満たすように、インターネットなどの技術も参考にしながら、独自のものが開発されてきました。また、開発された方式はCCSDS(宇宙データシステム諮問委員会)およびISO(国際標準化機構)から国際標準規格として発行されています。深宇宙探査機に限らず世界中のほとんどの科学探査用の衛星でCCSDSとISOの標準方式が使用されています。もちろん日本の探査機や衛星でもこれらの標準方式を使用しています。また、これらの標準方式の制定には、日本の技術者も大きな貢献をしました。次に、地上局と探査機との間の無線回線の特徴を説明します。はやぶさ2で使用されている無線回線の特徴を表2にまとめました。地上で使用されている方式と大きく異なるのは、変調方式としてPSKとPMが二重に用いられていることです。これは、搬送波(キャリア)の周波数を残留させ、ドップラー周波数の抽出を容易にするためです。また、惑星探査機の特徴としては、地上の回線と比べて伝送速度が遅いことも挙げられます(ただし、先進諸国の惑星探査機の伝送速度は、日本のものより1桁以上大きいです)。

    図6 深宇宙探査機との通信方式

    イラスト 池下章裕

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    6.探査機内部の通信方式最後に、探査機内部でどのような通信が行われているかを説明します。図7に探査機の中の構成を示します。探査機は複数のサブシステムより構成され、図7に示した「XX系」と書かれた箱は、それぞれサブシステムを表しています。図7では代表的なサブシステムしか書かれていませんが、典型的な探査機は十個から十数個のサブシステムによって構成されます。この図のタイムラインとデータレコーダーは、データ処理系と呼ばれるサブシ

    ステムの機能的な構成要素であり、物理的には半導体メモリによって構成されます。地上から受信したコマンドパケットは、通信系と呼ばれるサブシステムによって無線信号の中から抽出されます。抽出されたコマンドパケットは、データ処理系に送られます。データ処理系では、コマンドパケットを二つの種類に分別し、それぞれの処理を行います。まず、受信したら直ちに実行すべきコマンドパケットは、それを実行すべきサブシステムに直ちに送られます。もう一つの種類は、事

    表2 はやぶさ2の無線回線の特徴

    周波数 コマンド X帯:7.1GHzテレメトリ X帯:8.4GHz あるいは Ka帯:32GHz

    変調方式 コマンド PSK/PMテレメトリ PSK/PM

    誤り訂正方式 コマンド BCH符号、CRCテレメトリ 畳み込み符号、Reed-Solomon符号

    伝送速度 コマンド 15bps - 1000bpsテレメトリ 8bps - 32768bps

    PSK:phase shift keying  PM:phase modulation  BCH符号:誤り訂正符号の一種  CRC:Cyclic Redundancy Code

    図7 探査機の中の通信

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    後の指定された時刻に実行すべきコマンドパケットであり、そのようなコマンドパケットはタイムラインに格納されます。タイムラインに格納されたコマンドパケットは、指定された時刻になるとそれを実行すべきサブシステムに送られます。実際には、大部分のコマンドはタイムラインに格納され、事後に実行されます。テレメトリパケットは、まず各々のサブシステムが作成し、それをデータ処理系が収集します。データ処理系は、テレメトリパケットについても二つの種類に分別し、それぞれの処理を行います。まず、すぐ地上に送るべきテレメトリパケットは、直ちに地上に送ります。そうでないテレメトリパケットは、データレコーダーに格納します。データレコーダーに格納されたテレメトリパケットは、地上と交信できる時に地上にまとめて伝送されます。この時は、リアルタイムに(データレコーダーに格納されずに)送られるパケットと混ぜて送られるのですが、リアルタイムのパケットが優先されて送られます。また、データレコーダーに格納されているパケットもそれぞれのパケットの優先度に基づいて地上に

    送られます。探査機内で発生した例外的な事象に関係するパケットは、最優先で地上に送られますので、探査機内で問題が発生した時は、地上ですぐに対策を立てることができるのです。

    7.おわりに本稿では、はやぶさ2の概要とその通信方式に関して解説してきました。探査機の通信方式は、地上のものと比べて進んでいるわけではなく、どちらかというとオーソドックスなものが使われています。その理由はいろいろとあるのですが、最も大きな理由は、探査機には非常に高い信頼性が要求されるので、実績のない方式は使いにくいことです。この傾向は今後も続くと思われますが、探査機の通信に関して課題が全くないわけではなく、同じ機能性能を持つ機器をいかにして軽くあるいは安く作るかというのが大きな課題です。

    (本寄稿は平成27年11月24日に当工業会内で実施した、第28回ISO宇宙機(SC13)国際標準化委員会にて実施した講演内容を、ご講演者により改めて文章に起こしていただいたものです。本誌編集担当)