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サービス産業の 高付加価値化・生産性向上について 2014年1月20日 経済産業省 商務情報政策局 資料4

サービス産業の 高付加価値化・生産性向上について€¦ · 日本再興戦略におけるサービス産業政策の位置づけ 日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定)

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  • サービス産業の 高付加価値化・生産性向上について

    2014年1月20日 経済産業省

    商務情報政策局

    資料4

  • 日本のサービス産業のGDPに占める割合は拡大しており(後述(p.3))、サービス産業が経済全体に与える影響が高まってきている。デフレ脱却や経済の再生のためには、サービス産業の高付加価値化が重要。

    このため、日本再興戦略(下記を参照)に基づき、産業の新陳代謝の促進や規制・制度改革等の施策を進めることとされている。

    当該施策の着実な推進に加え、回復軌道を歩む日本経済を一層成長させていくため、サービス産業の更なる高付加価値化・生産性向上に向けた新たな施策の検討・実行が重要。

    2

    日本再興戦略におけるサービス産業政策の位置づけ

    日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定) 一.日本産業再興プラン 企業や人材を世界で戦える筋肉質な体質とするため、民間の決断を迫りながら、産業の新陳代謝の促進、

    雇用制度改革や人材力の強化を徹底して進める。縦割りを廃した科学技術政策と世界をにらんだIT 戦略により、イノベーション力を飛躍的に高め、規制改革、特区の徹底活用及び立地競争力の抜本的改善により、規制省国を目指す。

    これにより、グローバル競争に勝ち抜ける製造業の復活、付加価値の高いサービス産業の創出を図るととも

    に、企業が活動しやすく、個人の可能性が最大限発揮される社会を実現する。。

  • 農林水産業 1% 鉱業

    0%

    製造業 18%

    建設業 6%

    卸売・小売業 14%

    金融・保険業 5% 不動産業

    12%

    運輸業 5%

    情報通信業 6%

    政府サービス 9%

    民間非営利

    サービス 2%

    電気・ガス・水道業 2%

    1.2%

    23.8%

    63.3%

    9.2%

    2.4% 0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 2008 2010 2012

    1. サービス産業の現状 ① 経済規模と業種

    各業種のGDPに占める割合(2012) 主要業種の我が国GDPに占める割合の経年変化

    サービス業(広義) 狭義のサービス産業の他、電気・ガス・水道、卸・小売、金融・保険、不動産、運輸、情報通信、政府サービス、民間非営利サービス

    サービス産業(広義)(民間)

    製造業、鉱業、建設業

    農林水産業

    GDPに占める割合

    資料:内閣府「国民経済計算」 3

    サービス産業(広義)(政府及び民間非営利サービス含む)は、GDPベースで約7割(約350兆円(2012))を占め、規模は拡大傾向。

    多種多様の業種で構成されており、業種横断的な取組に加えて、業種別の取組を進めることが必要。

    (注) 民間非営利サービス生産者は、労働組合、政党、宗教団体、私立学校。

    (年)

    (%)

    サービス業(狭義) 20%

    サービス業(狭義) 娯楽、飲食店、旅館、洗濯・理容・美容・浴場、その他の対個人サービス、広告、業務用物品賃貸、自動車・機械修理、その他の対事業所サービス、教育、研究、医療・福祉等

    政府サービス

    民間非営利サービス

  • 0

    1,000

    2,000

    3,000

    4,000

    5,000

    6,000

    7,000

    81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12

    公務(他に分類されるものを除く)

    その他サービス業(2001年までは医療福祉含む)

    医療福祉

    金融業,保険業(2001年までは不動産業含む)

    不動産業,物品賃貸業

    卸売業,小売業(2001年までは、飲食・宿泊業含む)

    宿泊業,飲食サービス業

    情報通信業

    運輸業,郵便業(2001年までは情報通信業含む)

    電気・ガス・熱供給・水道業

    建設業

    鉱業、製造業

    農林水産業

    1. サービス産業の現状 ② 業種別・就業者数の推移

    我が国の就業者数は、1997年をピークに減少傾向。 サービス産業の就業者数は、近年、減少傾向にあるが、全産業に占める割合は、増

    加傾向。 1997年 61.9% ⇒ 2002年 66.2% ⇒ 2012年 71.4%

    4

    (万人)

    (年)

    非サービス業

    サービス業

    資料:総務省「労働力調査」 (注)日本標準産業分類の改正によるデータの制約により、 2001年以前と2002年以降は、業種の分類が異なり、長期の正確な遡及接続はできない点に注意が必要。

    61.9% 71.4%

  • 製造業と比べ、日本の非製造業※は生産性(TFP)が停滞。 ※サービス業のみの推計値は存在しないため、非製造業(サービス業+農林漁業等)の値を使用。 また、日本の非製造業の生産性(TFP)は ・企業間のばらつきが比較的大きく、高生産性層から低生産性層まで幅広く存在している といえる。 ・非正規な分布となっており、個人経営が多いこと等により、生産性が特に低い層が広く 存在しているといえる。

    TFP(

    年のTFP=1)

    3.5

    製造業

    1970

    非製造業(=サービス産業+農林水産等)

    3.0

    2.5

    2.0

    1.5

    1.0

    0.5 1970 1980 1990 2000 2008

    製造業と非製造業(日本)の生産性(TFP)の推移

    分散値

    0

    製造業

    非製造業

    -1 1

    出典:『「失われた20年」と日本経済』深尾京司(2012) 出典:「サービス産業の生産性は低いのか?」経済産業研究所 森川正之(2007)

    製造業と非製造業(日本)のTFPのばらつき

    5

    ※ TFP:全生産要素(労働、資本、技術革新、ブランド価値、業務効率化等)投入量1単位あたりの生産額

    労働生産性:労働者1人1時間あたりの生産額

    2. サービス産業の課題① 製造業との比較

  • 0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1200

    2002 2012

    就業者1人当たりGDPの推移

    1148万人 → 1000万人

    就業者数(2002年→2012年)

    3594万人 → 3856万人

    1126万人 →1154万人

    338万人 → 348万人

    163万人 →186万人

    1816万人 →2011万人

    就業者1人当たりGDPは、製造業で増加しているものの、サービス産業では減少している。

    特に、卸売・小売、飲食宿泊、医療福祉等のサービス業は、就業者1人当たりGDPが少ない。

    資料:内閣府「平成24年度国民経済計算」より、産業別名目GDP及び産業別就業者数を用いて算出。 *その他サービス業においては、金融保険、公務の他、電気・ガス・水道、不動産も除いている。

    2. サービス産業の課題② 就業者一人あたりGDP

    (万円)

    1800

    製造業 サービス業全体 (金融保険、公務除く)

    卸売・小売 運輸業 情報通信業 その他サービス業 (飲食宿泊、医療福祉等*)

    +2.6%

    ▲5.7%

    ▲3.7% ▲2.3%

    ▲14.5%

    ▲3.1%

    6

  • 米独に比べ、日本の非製造業の労働生産性は06年以降停滞。 ※TFP推移の米独比較の既存推計値は存在しなかったため、労働生産性の推移で代用している。

    業種別に見ると、

    ・日本は米に比べ、生産額シェアが大きい卸売業・小売業、飲食業・宿泊業のTFP水準が特に低い。

    ・一方、独は卸売業・小売業のTFP水準が比較的高い。 ※ただし、独の小売は営業時間規制(8時間)があるなど、各国の事情を考慮する必要有り。

    非製造業の労働生産性上昇率(年平均値)

    1991-1995 1996-2000 2001-2005 2006-2010

    日米独の非製造業の労働生産性上昇率

    出典:内閣府「年次経済財政報告」(2013)

    2.0

    1.5

    1.0

    0.5

    日本の産業別のTFP水準(米国を100とした場合の割合 2003-07平均)

    ドイツの産業別のTFP水準(米国を100とした場合の割合 2003-07平均)

    金融・

    保険

    一般機械

    輸送用

    機器

    化学

    建設

    金属

    電気

    機器

    その他

    製造業

    運輸・

    倉庫

    電気・ガス・

    水道

    小売

    卸 飲食・

    宿泊

    小売

    卸 化学

    一般

    機械

    その他

    製造業

    金属

    金融・

    保険

    建設

    飲食・

    宿泊

    輸送用

    機械

    電気・

    ガス・

    水道

    運輸・

    倉庫

    電気

    機器

    日本 0

    TFP水準

    (米国=

    100

    100

    50

    150

    0

    0

    100

    50

    150

    0

    7

    2.サービス産業の課題③ 諸外国との比較

    20 40 60 80 100

    20 40 60 80 100

    全生産額に占める割合 製造業 サービス業

    アメリカ

    ドイツ

    ※TFPは、実質GDPの成長から、資本と労働の寄与を差し引いた残差として算出

    出典:経済産業省「通商白書」(2013)

    (年)

  • 3.サービス産業政策のこれまでの取組と評価

    過去の審議会等で指摘されている 生産性に影響を与える要素

    (H20.産構審報告書等より) これまでの主な取組 これまでの主な取組に対する評価

    高付加価値化を担う人材の育成

    イノベーションを促す投資の促進

    ビジネス支援サービス の活用

    ・サービス産業生産性協議会によるセミナー、フォーラムの開催

    ・「知恵の場」の開催(人材育成)

    ・IT:IT投資促進税制、IT経営力大賞 ・人材:セミナー、フォーラム、「知恵の場」の開催(再掲)

    企業行動

    ・参加者から好評を得ている一方、施策の効果が限定的

    ・企業のIT化は一定程度進展。 ・戦略的IT投資への経営者の意識が低い

    差別化を図る ビジネス戦略の構築

    規制の緩和、 商慣行の見直し

    マクロ経済要因 (市場の縮小、

    国際競争の激化等) 企業の外部環境

    ・保育、医療等に関する規制緩和の推進(規制改革会議)

    ・テレワークの推進(IT戦略本部)

    ・ヘルスケア分野の新市場開拓 ・クールジャパン機構による海外展開支援

    ・左記施策の着実な推進が必要

    ・BPO研究会 ・ベストプラクティスの普及

    ・おもてなし経営企業選 ・ハイサービス300選 ・サービス工学の開発 ・顧客満足度指数(JCSI)の開発

    ・施策の効果が限定的。企業における外部リソース(ビジネス支援サービス)の活用を促す更なる取組が必要

    ・差別化を実現する経営見本として企業から好評(おもてなし、ハイサービス)

    ・開発から普及へ(サービス工学、JCSI) ・効果が限定的

    ・左記施策の着実な推進が必要

    ・開発・改善と普及の促進が必要 生産と消費の同時性 情報の非対称性等

    ・サービス工学の開発 ・顧客満足度指数の開発

    サービ

    スの特

    8

  • ●マーケティング、ブランド戦略 ・日本は、マーケティン

    グやブランドへの投資が少ない。

    ・そのため、日本はサービスの質に見合った価格設定ができていない。

    ●IT投資 ・日本は、業務効率化等が

    目的の「守りのIT投資」が主流。

    付加価値向上や生産性(TFP)向上の主な構成要素として、特に

    ・個別企業内の要素については、(1)人材、(2)投資、(3)ビジネス戦略、

    ・企業の外部環境の要素としては、ビジネス環境(ビジネス支援サービスの活用等)が挙げられる。

    9

    4.付加価値向上、生産性(TFP)向上に必要な主な要素

    サービス産業の生産性(TFP)の向上

    (3)ビジネス戦略 (1)人材 (2)投資

    ●ビジネス支援サービス ・日本は、ビジネス支援サービスの活用が

    遅れているとともに、ビジネス支援サービス産業の発展が遅れている。

    ●経営人材 ・日本はマーケティング、ブラ

    ンディングを有効活用した事業の高付加価値化を行う経営者が少ない。

    ●従業員 ・従業員教育投資は低水準。

    個別企業内のTFP構成要素 企業の付加価値・TFP構成要素

    (4)ビジネス環境

  • サービス産業の付加価値の源泉は人材であり、従業員、マネジメント層、経営者など、各段階で求められるスキルや能力がある。

    我が国の従業員1人あたりの研修費用は米国に比べ少ない。 経営者向けの教育の充実を求める声があがっている。

    サービス産業の経営学につき高等教育機関の更なる充実を。 サービス経営学、サービス工学、実践的経営スキルの向上も目指した産学官共同の教育機関の充実を。

    ※従業員についても、在学中のインターン制度の活用、職業訓練の取入などへの指摘もあり。 (『サービス化経済の推進で日本経済の再成長を!』2011年6月)

    サービス経営学部 西武文化大学(1991~)

    サービス産業学部 流通科学大学(2001~)

    サービス創造学部 千葉商科大学(2009~)

    流通科学部 大阪学院大学(1994~)、 中村学園大学(2000~)

    流通情報学部 流通科学大学(1996~)

    流通学部 阪南大学(1996~)

    「サービス」関連学部

    「流通」関連学部

    資料:経済同友会資料を基に、 経済産業省事務局調べ

    サービス産業の人材に関する経済同友会からの提言

    10

    日本 米国 欧州

    1998年 (出典:根本 孝 明治大学教授)

    53,137 79,577 106,071

    1999年 (出典:産業能率大学)

    47,322 99,235 95,285

    2011年 (出典:米国:ASTD 日本:産労総合研究所)

    約3万4千 約10万 -

    従業員一人あたりの研修費用(年間)

    (単位:円)

    5.人材 高付加価値化を担う人材の育成

  • 諸外国では経営人材を育成する高等教育が発展。特に米国では464校(2009年)の経営大学院/大学が存在。

    11

    (参考)諸外国におけるサービス専門の経営人材の育成の事例

    【参考1:宿泊業】 コーネル大学ホテル経営学部 (Cornell University School of Hotel Administration)

    ・ホテル経営専門の経営人材の育成プログラムを提供。ホテル経営学の世界最高峰と評されている。

    ・同校の卒業生では、ホテルオークラ元総

    支配人の山崎五郎氏、㈱星野リゾート社長 星野佳路氏が有名。

    ・特に星野氏は、同校を卒業後、星野リ

    ゾートの再生事業に着手、立て直しに成功し、観光業界のカリスマと評されている。

    【参考2:流通業】 オックスフォード大学院ビジネススクール (Saïd Business School)

    ・流通部門の経営学では、世界のビジネススクールでNo.1にランキング。

    ・流通経営専門の研究所(Oxford Institute

    of Retail)を設け、卒業生には流通分野に特化したMBA(MBA elective in Retailing)を授与している。

    【参考3:飲食業】 カリナリー・インスティテュート (The Culinary Institute Of America,:CIA)

    ・飲食分野専門の経営人材等の育成を行う米国高等教育機関。

    ・広大な敷地(東京ドーム13個分)に

    39のキッチンと5つのレストランを持ち、約2000名が在校。

    ・料理専門の教育機関では世界で唯

    一4年生学位を取得可能。 飲食業界のハーバード大学と呼ばれる。

    ・シンガポールはCIAを誘致。飲食分

    野の経営人材の育成に注力。

  • 2000年にITバブルがはじけ、世界的にIT投資が停滞。

    IT投資額の対GDP比について、日本は米国や英国を下回るものの、独や伊を上回っている。

    IT投資額/GDP

    (年)

    米 英

    日 独 伊

    各国のIT投資額の対GDP比推移

    「量」の停滞 米英と比べ劣るが、独伊には勝る。

    12

    各国のIT投資額の対GDP比(2007)

    6.IT投資 ①IT投資の停滞傾向

    ※我が国企業のIT投資額:約19.3兆円(2011年)(IT投資の内訳:ソフトウェア開発(附随するハードも一部含む)、ソフトウェアの保守・メンテナンス等) 資料:経済産業省「特定サービス産業実態調査」、「経済センサス-基礎調査」)

    ※※我が国政府のIT投資は約6,000億円(2009年)

    出典:『「失われた20年」と日本経済』深尾京司(2012) (注)日本:RIETIのJIPデータベースより推計 米英独伊:EUKLEMSより推計

    (注)両図はIT投資の内数が若干異なるため、値も少し異なっている。

    出典:日米IT投資比較分析((社)電子情報技術産業協会、2008)

  • これまでのIT投資の内容を見ると、米国は「攻めのIT投資」が多い一方、日本は「守りのIT投資」が多い。

    業種別に見ても、「守りのIT投資」が中心。 ・攻めのIT投資のイメージ : 企業の売上増や新たな付加価値の提供を目的としたIT投資 ⇒ 市場環境変化への迅速な対応、新規顧客の獲得、新規製品/サービスの開発など ・守りのIT投資 のイメージ : 社内業務の電子化によるコスト(人件費等)削減を目的としたIT投資 ⇒ 社内業務効率化/労働時間減少、人件費の削減など

    6.IT投資 ②攻めのIT投資の低迷

    ITがこれまでもたらした効果の日米比較(上位3つ)( (社)電子情報技術産業協会,2013アンケート調査)

    13 最も効果があった 2番目に効果が あった

    3番目に効果が あった

    守りのIT投資 (主に社内向け)

    攻めのIT投資 (主に社外向け)

    製品/サービス提供の 迅速化/効率化

    社外情報提供効率化

    /提供量増大

    社内業務効率化 /労働時間減少

    調達費用の

    コスト削減

    新規製品/ サービスの開発

    意思決定の迅速化

    社内情報共有の

    容易化

    顧客の嗜好や ニーズの把握

    新規顧客の獲得

    市場環境変化への

    迅速な対応

    人件費の削減

    既存顧客の維持

    将来の市場動向 /トレンド予測

    社内業務効率化 /労働時間減少

    社内情報共有の

    容易化

    人件費の削減

    意思決定の迅速化

    市場環境変化への 迅速な対応

    既存顧客の維持

    新規顧客の獲得

    製品/サービス提供の

    迅速化/効率化

    社外情報提供効率化 /提供量増大

    新規製品/

    サービスの開発

    顧客の嗜好や ニーズの把握

    調達費用のコスト削減

    将来の市場動向

    /トレンド予測

    その他

    社内情報共有の 容易化

    社内業務効率化/

    労働時間減少

    新規顧客の獲得

    既存顧客の維持

    市場環境変化への 迅速な対応

    製品/サービス提供の

    迅速化/効率化

    社外情報提供効率化 /提供量増大

    意思決定の迅速化

    新規製品/

    サービスの開発

    人件費の削減

    顧客の嗜好や ニーズの把握

    将来の市場動向

    /トレンド予測

    調達費用の コスト削減

    社内業務効率化/ 労働時間減少

    社内情報共有の

    容易化

    製品/サービス提供の 迅速化/効率化

    社外情報提供効率化/ 提供量増大

    意思決定の迅速化

    人件費の削減

    顧客の嗜好や ニーズの把握

    市場環境変化への

    迅速な対応

    既存顧客の維持

    新規製品/ サービスの開発

    将来の市場動向/

    トレンド予測

    新規顧客の獲得

    調達費用の コスト削減

    米国(n=194) 日本(n=216) 日本(金融業のみ、n=34) 日本(流通業のみ、n=37)

    守りの投資

    守りの投資

    守りの投資

    攻めの投資

  • 5.IT投資 ③攻めのIT投資が進まない要因

    11.8

    43.7

    29.9

    21.5

    30.6

    20.9

    13.2

    8.2

    14.6

    5.7 1割強

    14

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    競争に勝ち残るためのIT投資への認識(日米比較(2013)) ( (社)電子情報技術産業協会,2013アンケート調査)

    極めて重要 重要 どちらとも言えない あまり重要ではない

    日本は「競争に勝ち残るためにIT投資が重要」との認識が低い。

    日本は「単年度毎の会計上の効果」によりの投資の効果を測る傾向。「投資」の認識より「コスト」との認識が強い。

    日本のIT支出は固定支出の比率が高い(日本76%、米国53%)。日本は割高なカスタムソフトウェアを導入する傾向が強く、これがIT投資の固定支出比率を押し上げている可能性がある。

    日米の導入ソフトウェア比較

    日本 (n=216)

    米国(n=194)

    カスタム(自社開発) カスタム(外注) パッケージ

    約7割 2割弱

    37.3% 28.5% 34,2%

    (出典)日本:経済産業省鉱工業生産活動分析調査、米国:商務省経済分析局

    固定的IT支出:経営的には価値を生み出さない支出 (システム機能改訂、ハード・ソフト保守、運用、バグ対応等) 戦略的IT支出:収益率の向上等のための支出 (新規開発案件等)

    IT支出の内訳(日本と5ヵ国比較(2005))

    IT投資に対する効果の測り方(日米比較(2007)) ( (社)電子情報技術産業協会,2008アンケート調査)

    日本 (n=158)

    米国(n=144)

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    日本

    5カ国平均 (米英仏独伊)

    0% 20% 40% 60% 80% 100%

    76% 24%

    47% 53%

    出典: アクセンチュアによる調査結果(2005)

    日本 (2000年)

    米国 (2010年)

    固定的IT支出 戦略的IT支出

    複数年における投資額の回収可否

    非財務的評価

    単年度毎の会計上効果

    投資利益率

    その他

  • 7.ビジネス環境 ①世界で活用が進むビジネス支援サービス

    ビジネス支援サービスの全体像

    出典:OGGC, Duke Universityよりみずほ情報総研作成

    出典:HfS research「State of the Outsourcing Industry 2013」よりみずほ情報総研作成

    北米

    アジア太平洋(日本を除く)

    日本

    欧州・中東・アフリカ

    南米

    15

    米国では、ビジネス支援サービス、中でも間接業務を中心としたアウトソーシングサービスの活用が進んだことが、近時の生産性向上の一因と指摘されている。

    ※ビジネス支援サービス:企業活動と密接に関わり、企業活動の代替を行うサービス。4つに大別される。 ①ITO(Information Technology Outsourcing):ITを活用したサービスを提供(ソフトウェア開発・提供等) ②KPO(Knowledge Process Outsourcing):コア業務(マーケティング等)に関する支援サービスを提供(コンサルティング等) ③BPO(Business Process Outsourcing ):ノンコア業務(財務、会計等)に関する支援サービスを提供 ④産業特化

    米国のITO市場は拡大基調(世界全体でも年平均5.1%成長)。

    世界のビジネス支援サービス(ITO、BPOのみ)の市場規模

  • 日本のビジネス支援サービス市場も成長基調。

    一方、BPOを利用しない日本企業では、以下を主な未利用の理由として挙げている。 ①社内で対応できており、(利用する)必要性を感じない

    ②社内の人材が育たなくなる

    ③個人情報や機密情報の流出に不安がある

    ④コストメリットを感じない

    ⑤サービスの品質に不安がある

    7.ビジネス環境 ②日本のビジネス支援サービス活用の遅れ

    日本のビジネス支援サービス(うちBPO・ITO)市場推移

    非IT系BPO IT系BPO

    ○2017年には非IT系BPOで約21兆円、IT系BPOで約16.4兆円市場に成長。

    (出典:矢野経済研究所2013調査)

    BPO未利用企業における未利用理由

    16 (出典:BPO研究会(2010、経済産業省)

  • 日本のサービスの品質(満足度等)は、米国と比べ概して高い傾向。 一方、1人当たり付加価値額は米国と比べ概して低い。 日本の消費者は品質要求水準が高い一方、「サービスは無料」との認識が強いと言わ

    れている。

    8.ビジネス戦略 ①質に合った価格設定が不十分

    サービス品質の日米比較(2009)

    米国の品質が高い

    日本の品質が高い

    (出典):サービス産業生産性協議会調べ(2009)

    日本人による評価

    米国人による評価

    ※日本のサービス品質を100点とした時の、米国のサービス品質を、+50点~-50点の範囲で日本人と米国人が点数付けしたもの。

    【日本人有効回答数555、米国人有効回答数500】

    業種別1人当たりGDP日米比較(2012)

    (単位 万円)

    ※1 日本は、内閣府「2012年度国民経済計算」における「経済活動別国内総生産」および「経済活動別の就業者数・雇用者数、労働時間数」から算出

    ※2 米国は、商務省経済分析局「National Income and Product Accounts Tables」および、労働省労働統計局「Data Retrieval: Employment, Hours, and Earnings (CES)」から算出(農林水産業については、「National Income and Product Accounts Tables」)

    ※3 為替レートは、1ドル=82.36円(日本銀行)

    算出方法: 産業別名目GDP÷就業者数

    17

    0.0

    500.0

    1000.0

    1500.0

    2000.0

    2500.0

    日本

    米国

    ※ 飲食宿泊、医療福祉等

  • こうした中、日本のサービス事業者は、米英に比べ、ブランドやマーケティングへの投資が少ない傾向。すなわち、ブランド戦略による差別化、顧客のニーズの違いに合ったサービス提供ができていない可能性。

    こうしたことから、日本のサービス事業者は品質に見合った価格設定ができていないと思われる。

    18

    8.ビジネス戦略 ②ブランド戦略、マーケティングの不足

    ※無形資産投資:以下の3点とされている。

    ①IT投資(ソフトウェア、データベースなど)

    ②研究開発投資

    ③経済的競争力への投資(人材投資、ブランディング投資、マーケティング投資など)

    「無形資産投資※額/対粗付加価値額」の日英米比較(再掲)

    研究開発投資 経済的競争力への投資 (人材投資、ブランディング への投資など)

    IT投資(ソフトウェア、データベースなど)

    全産業 全産業 全産業 サービス業 サービス業

    日本(2000~2005平均) 英国(2004) 米国(2006)

    ※米国のサービス業の既存データは見つかっていないため未掲載。

    0

    2

    4

    6

    8

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    12

    14

    16

    4%

    3.5%

    特に 少ない 投

    資額/対粗付加価値額

    (%)

    7.5% 8.5%

    6.2%

    出典:『「失われた20年」と日本経済』深尾京司(2012)

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