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ガンちゃんと過ごした夏 - HBC 北海道放送ガンちゃんと過ごした夏 アナウンサー人生を変えた出会い 例えて言うなら、二人はまるで風鈴の音色だ。夏の初

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ガンちゃんと過ごした夏アナウンサー人生を変えた出会い 例えて言うなら、二人はまるで風鈴の音色だ。夏の初めは、やけに耳について仕方がないけれども、暑さが増す頃には、だんだん心地よくなってくる。ガンちゃんこと岩本勉さんと渕上紘行アナウンサーの『世界一面白いプロ野球の番組』は、関西出身の二人による軽妙なやり取りの番組。毎週、そんな心地よさを与えてくれる。 それだけにインタビューでの渕上アナの言葉は意外だった。「最初は岩本さんと話すのが怖かったんです」渕上アナが振り返る。「番組を引き継いだ当初は岩本さんの口調に驚いたし、うまく切り返せませんでした。でも、そんな僕を岩本さんが受け入れてくれて」 その後の名コンビぶりはご承知の通りだ。一昨年7月の京セラドームでのファイターズ戦。怪我から復帰し

たばかりの大谷翔平投手が登板したもののチームは敗戦する。その起用法に、実況席の二人はそろって語気を荒げた。時に厳しい意見も口にするガンちゃんの解説者魂が、渕上アナに通じた場面だった。去年8月の帯広では、ファイターズが終盤6点差を逆転して勝利した。「杉谷選手のホームランが飛び出した時、岩本さんが『これは(逆転が)あるぞ』と。試合の潮目が変わる瞬間を読んだのはさすがでした」と、渕上アナは二人で真夏の熱戦を伝えきったことに満足げだった。 「岩本さんと出会えたからこそ、僕の実況スタイルができ上がった。いまの自分があるのは岩本さんのおかげ」渕上アナは畏れずに感謝の気持ちを口にした。

対照的な表情の二人

野球実況を務める渕上アナが日曜日に担当するのが『ガンちゃんの世界一面白いプロ野球の番組』。今年も大注目のパリーグ戦線を、ガンちゃんこと岩本勉さんが独自に解説します。二人の丁々発止のやりとりは野球ファンならずとも必聴です!

岩本勉 渕上紘行

日 13:3012:00

野球実況を務める卓田アナが月曜夜に担当するのが『音タクベストテン』。1980年代・90年代のJ-POPを中心に、当時のヒットチャートを賑わしたシングル曲やアルバムの中の隠れた名曲まで、時代を超えて愛されるいい音(音楽)たくさんお届けします!

北海道に元気を届けたい�甲子園が「ミラクル旭実」の勝利に湧いた夏 1995年は年明けに阪神・淡路大震災、続いて地下鉄サリン事件が勃発。北海道では函館空港でハイジャック事件が起こるなど、日本全体が不安に覆われた年だった。そんな中、夏の甲子園に爽やかな旋風を巻き起こしたのが、「ミラクル旭実」こと旭川実業の野球部だった。 『音タクベストテン』の卓田和広アナウンサーは、その夏、甲子園のアルプス席にいた。「倒壊した阪神高速道路は復旧しておらず、中継拠点にしていた球場隣の宿舎も休業中でしたが、僕ら取材班のために開けてくれて」 春夏通じて甲子園初出場の旭実は、1回戦で古豪の松山商業を破り、鹿児島商業との2回戦に臨んでいた。「序盤から劣勢でも必死に食らいつく旭実を、徐々に球場全体が応援し始めました」と卓田アナ。そして、試合は運命

の9回を迎える。1点差の2死走者なしから三塁手の前に転がった平凡なゴロは、グラブの直前でイレギュラーバウンドして外野に抜けた。それを足掛かりに旭実は3点を奪い、奇跡の逆転勝ちを収めた。アルプスが湧く中、卓田アナは「見えない力が彼らを後押ししたのを感じた」という。当時「ミラクル」と評された快進撃で、旭実はベスト8まで進み、北海道の人々を元気づけた。

 「野球は何が起こるかわからない、あの夏それを目の当たりにして、いまもファイターズ中継では『予断をもって実況をしない』と肝に銘じています」と語って、卓田アナは遠くを見つめた。あの夏の強烈な記憶は、いまもHBCラジオの野球中継に息づいている。

ハイハイしていた長男が、甲子園の長期出張から帰ると歩いていたという卓田アナ

卓田和広

19:0018:30