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1 通 称 名 車両型式 エンジン型式 適用時期 出 典 資 料 AXELA DBA-BLFFW DBA-BLFFP PE-VPS 2011.9~ 新型車の紹介 整備書 Ⅰ FW6A-EL 型オートマティック・トランスアクスルの構造・機能及び故障診断 1 概 要 1 ) 特 徴 新開発の FW6A-EL 型,前進 6 速,後退 1 速,ロックアップ機構付きの電子制御オートマティック・トラ ンスアクスル(SKYACTIV-DRIVE)を採用した。 低燃費への貢献 ・ロック・アップ領域の拡大 ・クラッチ / ブレーキの抵抗低減 ダイレクト感とクイック・シフト の実現 ・油路の抵抗低減,クラッチ剛性の最適化によるクラッチ / ブレーキの応答性向上 ・ソレノイド・バルブの応答性向上 スムーズで力強い発進性能 ・発進時のトルク・コンバータ特性と領域の最適化 滑らかな変速 ・TCM 一体構造のコントロール・バルブ・ボデーの採用 ・ダイレクト・リニア・ソレノイドの採用による変速精度向上 2) 仕様(エンジン型式:SKYACTIV-G 2.0) 項 目 数値,種類 変速比 第1速 3.552 第2速 2.022 第3速 1.452 第4速 1 第5速 0.708 第6速 0.599 後退 3.893 ファイナル・ギヤ比 4.056 ATF タイプ 純正 ATF FZ 量(参考値)(L) 7.8 トルク・コンバータ・ストール・トルク比 1.82

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マ ツ ダ 株 式 会 社

通 称 名 車 両 型 式 エンジン型式 適 用 時 期 出 典 資 料

AXELA DBA-BLFFWDBA-BLFFP PE-VPS 2011.9~ 新型車の紹介

整備書

Ⅰ FW6A-EL型オートマティック・トランスアクスルの構造・機能及び故障診断

1 概 要

1) 特 徴

新開発のFW6A-EL型,前進6速,後退1速,ロックアップ機構付きの電子制御オートマティック・トランスアクスル(SKYACTIV-DRIVE)を採用した。

低燃費への貢献 ・ロック・アップ領域の拡大・クラッチ/ブレーキの抵抗低減

ダイレクト感とクイック・シフトの実現

・油路の抵抗低減,クラッチ剛性の最適化によるクラッチ/ブレーキの応答性向上・ソレノイド・バルブの応答性向上

スムーズで力強い発進性能 ・発進時のトルク・コンバータ特性と領域の最適化

滑らかな変速 ・TCM一体構造のコントロール・バルブ・ボデーの採用・ダイレクト・リニア・ソレノイドの採用による変速精度向上

2) 仕様(エンジン型式:SKYACTIV-G 2.0)

項 目 数値,種類

変速比

第1速 3.552

第2速 2.022

第3速 1.452

第4速 1

第5速 0.708

第6速 0.599

後退 3.893

ファイナル・ギヤ比 4.056

ATFタイプ 純正ATF FZ

量(参考値)(L) 7.8

トルク・コンバータ・ストール・トルク比 1.82

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マツダ

3) 構成(図Ⅰ-1)

電子制御オートマティック・トランスアクスルの構成は,トルク・コンバータを含むパワー・トレーン機構,油圧制御機構,電子制御機構の3系統に分類される。

図Ⅰ-1 構 成

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4) 作 動

オートマティック・トランスアクスル作動チャート

レンジ モード ギヤ位置 変速比

ロックアップ

パワー・トレーン構成部品の作動 ソレノイド・バルブの作動

ロー・クラッチ

ハイ・クラッチ

ロー・アンド・リバース・ブレーキ

2-6ブレーキ

R-3-5ブレーキ

ワンウェイ・クラッチ

シフト・ソレノイドNo.1

シフト・ソレノイドNo.2

シフト・ソレノイドNo.3

シフト・ソレノイドNo.4

ロックアップ・コントロール・ソレ

ノイド

ON/OFFソレノイド

P - - - ○ CLOSE CLOSE CLOSE OPEN CLOSE OFFR - 後退 3.893 ○ ○ CLOSE CLOSE OPEN OPEN CLOSE OFFN - - ○ CLOSE CLOSE CLOSE OPEN CLOSE OFF

D/M NORMAL

第1速 3.552 ○ ○ ○ ⊕ OPEN CLOSE CLOSE OPEN OPEN OFF第2速 2.022 ○ ○ ○ OPEN OPEN CLOSE CLOSE OPEN ON第3速 1.452 ○ ○ ○ OPEN CLOSE OPEN CLOSE OPEN ON第4速 1.000 ○ ○ ○ OPEN CLOSE CLOSE OPEN OPEN ON第5速 0.708 ○ ○ ○ CLOSE CLOSE OPEN OPEN OPEN ON第6速 0.599 ○ ○ ○ CLOSE OPEN CLOSE OPEN OPEN ON

○:作動を示す⊕:駆動時のみトルクを伝達するOPEN:ライン圧をクラッチ圧へ接続CLOSE:クラッチ圧をドレーンON:出力ポートと供給ポートを接続OFF:出力ポートとドレーン・ポートを接続(出力ポートをドレーン)

2 構造・機能

1) パワー・トレーン機構

パワー・トレーン機構は,2組の多板式クラッチ,3組の多板式ブレーキ,1組のワンウェイ・クラッチ,及び3組のシングル型プラネタリ・ギヤで構成される。⑴ 構成部品一覧

構成部品 働  き

多板式クラッチ

ロー・クラッチ タービン・シャフトからの動力をフロント及びリヤ・サン・ギヤに伝達する。ハイ・クラッチ タービン・シャフトからの動力をリヤ・プラネタリ・キャリアに伝達する。

多板式ブレーキ

R-3-5ブレーキ リダクション・インターナル・ギヤの回転を固定する。

2-6ブレーキ リヤ・インターナル・ギヤとリダクション・プラネタリ・キャリアの回転を固定する。

ロー・アンド・リバース・ブレーキ

フロント・インターナル・ギヤとリヤ・プラネタリ・キャリアの回転を固定する。

ワンウェイ・クラッチ フロント・インターナル・ギヤの左回転(トルク・コンバータ側から見た場合)を抑止する。

シングル型プラネタリ・ギヤ

フロント・プラネタリ・ギヤ各クラッチ,ブレーキの作動により,エンジンから伝達される駆動力を変換して,プライマリ・ギヤへ伝達する。(変速機の働きをする。)

リヤ・プラネタリ・ギヤリダクション・プラネタリ・ギヤ

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⑵ 断面図(図Ⅰ-2)

図Ⅰ-2 断面図

⑶ スケルトン図(図Ⅰ-3)

図Ⅰ-3 スケルトン図

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⑷ パワー・フロー

イ 第1速(図Ⅰ-4)

図Ⅰ-4 第1速

ロ 第2速(図Ⅰ-5)

図Ⅰ-5 第2速

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ハ 第3速(図Ⅰ-6)

図Ⅰ-6 第3速

ニ 第4速(図Ⅰ-7)

図Ⅰ-7 第4速

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ホ 第5速(図Ⅰ-8)

図Ⅰ-8 第5速

ヘ 第6速(図Ⅰ-9)

図Ⅰ-9 第6速

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ト 後退(図Ⅰ-10)

図Ⅰ-10 後 退

2) 油圧制御機構

油圧制御機構は,各クラッチ,ブレーキの作動油圧を発生させるオイル・ポンプ,TCMで演算された制御内容に基づき,作動油圧の調整や油路切り替えを行うバルブ・ボデー及び各シフト・バルブ,作動油であるATFを最適な油温に保つオイル・クーラなどで構成されている。

⑴ 構成部品一覧

構成部品 目的・機能

オイル・ポンプ オートマティック・トランスアクスルのオイル・ラインに作動油圧を発生させると共に,パワー・トレーン系部品への潤滑油の供給を行う。

電動ATオイル・ポンプ

i-stop制御によるエンジン停止(エンジン停止制御)時に,オイル・ラインに油圧を発生させ,i-stop作動時の油圧を確保する。

コントロール・バルブ・ボデー

TCMで演算された制御内容に基づき,作動油圧の調整や油路切り替えを行う。構造・油圧制御関連部品と電子制御関連部品は一体となっている。・油圧制御関連部品は,各シフト・バルブを内蔵するアッパ・コントロール・バルブ・ボデー及びメイン・コントロール・バルブ・ボデー,各ソレノイド・バルブを内蔵するソレノイド・コントロール・バルブ・ボデーで構成されている。

オイル・クーラ

トランスアクスル内部のATF油温を最適に保つことで,ATFの性能を常に最善な状態に保つと同時に,燃料消費低減への効果を実現する。ATF冷間時(加熱機能)エンジン冷却水によりATFを温め,油温上昇を早期化することでATF粘度によるトランスアクスル内の抵抗低減を図る。ATF高温時(冷却機能)エンジン冷却水によりATFを冷却することで,ATFの膨張及び劣化を防止する。

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⑵ 構成図(図Ⅰ-11)

図Ⅰ-11 構成図

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3) 電子制御機構

TCMに入力される各種センサ,スイッチからの信号を基づいて変速ショックを抑えた滑らかな変速や燃費性能向上などを考慮し,走行シーンに応じた最適な走行性能を確保するように,各種ソレノイドなどの出力部品を制御する。⑴ ブロック図(図Ⅰ-12)

図Ⅰ-12 ブロック図

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⑵ コントロール・バルブ・ボデー(電子制御機構)

ダイレクト・リニア・ソレノイドを採用し,油圧制御の精度を向上することで,変速応答性やダイレクト感の向上,変速ショックの低減に寄与している。イ 構 造

・油圧制御関連部品と電子制御関連部品は一体となっている。・TCMには以下の部品が一体化されている。-トランスアクスル・レンジ・センサ-アウトプット・シャフト・スピード・センサ-タービン/インプット・シャフト・スピード・センサ-コントロール・バルブ・ボデー・コネクタ・カプラ・アセンブリはATF温センサが組み込まれている。※以下の部品以外の構成部品に不具合がある場合は,単品での交換はできないため,コントロール・バルブ・ボデーの交換が必要となる。-ON/OFFソレノイド-オイル・プレッシャ・スイッチA,オイル・プレッシャ・スイッチB-カプラ・アセンブリロ 構成図(図Ⅰ-13)

図Ⅰ-13 構成図

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ハ 構成部品一覧

⒜ 入力部品

部品名 構造,機能トランスアクスル・レンジ・センサ(図Ⅰ-14)

マニュアル・バルブ及びセレクタ・レバーの位置を検出。セレクタ・レバーを操作すると,マニュアル・バルブと共にレンジ・センサ・スライダがストロークする。このストロークに応じて信号を出力する。

図Ⅰ-14 トランスアクスル・レンジ・センサ

Mレンジ・スイッチ,アップ・スイッチ,ダウン・スイッチ(図Ⅰ-15)

Mレンジ・スイッチ:Mレンジの位置にあることを検出。アップ・スイッチ:シフト・アップ操作を検出。ダウン・スイッチ:シフト・ダウン操作を検出。各スイッチは,それぞれのセレクタ・レバー操作に応じての接点を閉じる。

図Ⅰ-15 Mレンジ・スイッチ,アップ・スイッチ,ダウン・スイッチ

ステアリング・シフト・スイッチ(図Ⅰ-16)

ステアリング・シフトのシフト・アップ/ダウン操作を検出。スイッチはモーメンタリ式で,スイッチが押し込まれているときのみ接点が閉じる。

図Ⅰ-16 ステアリング・シフト・スイッチ

ATF温センサ オイル・パン内のATF温度を検出。

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部品名 構造,機能オイル・プレッシャ・スイッチ

各クラッチ,及びブレーキの締結圧を検出。オイル・プレッシャ・スイッチと締結圧検出対象の関係

オイル・プレッシャ・スイッチ クラッチ/ブレーキ

オイル・プレッシャ・スイッチA

オイル・プレッシャ・スイッチNo.2 2-6ブレーキオイル・プレッシャ・スイッチNo.3 R-3-5ブレーキ

オイル・プレッシャ・スイッチB

オイル・プレッシャ・スイッチNo.1 ロー・クラッチオイル・プレッシャ・スイッチNo.4 ハイ・クラッチ

変速状態とオイル・プレッシャ・スイッチ接点の関係(○:接点閉)

オイル・プレッシャ・スイッチ 1速 2速 3速 4速 5速 6速オイル・プレッシャ・スイッチNo.1 ○ ○ ○ ○オイル・プレッシャ・スイッチNo.2 ○ ○オイル・プレッシャ・スイッチNo.3 ○ ○オイル・プレッシャ・スイッチNo.4 ○ ○ ○

タービン/インプット・シャフト・スピード・センサ

入力軸(ロー・クラッチ・ドラム)の回転速度を検出。

アウトプット・シャフト・スピード・センサ 出力軸(プライマリ・ギヤ)の回転速度を検出。

⒝ 出力部品

部品名 構造,機能プレッシャ・コントロール・ソレノイド

TCMからの制御信号に基づき,プレッシャ・コントロール・ソレノイド圧を調圧し,ライン圧を制御する。ノーマル・オープン・タイプのリニア・ソレノイドを採用している。

シフト・ソレノイドNo.1~No.4

No.1:ロー・クラッチ回路の油圧を調圧する。No.2:2-6ブレーキ回路の油圧を調圧する。No.3:R-3-5ブレーキ回路の油圧を調圧する。No.4:ハイ・クラッチ回路とロー・アンド・リバース・ブレーキ回路の油圧を調圧する。各シフト・ソレノイドはノーマル・オープン・タイプのリニア・ソレノイドを採用している。

ロックアップ・コントロール・ソレノイド

ロックアップ・コントロール回路の油圧を調圧する。ノーマル・オープン・タイプのリニア・ソレノイドを採用している。

ON/OFFソレノイド コントロール・バルブ・ボデー内のシフト・バルブの切り替えを行う。非通電時(OFF):シフト・バルブに作用する油圧が供給される。通電時(ON):シフト・バルブに作用していた油圧が排出される。

セレクタ・インジケータ・ライト(図Ⅰ-17)

セレクタ・レバーのレンジ位置を表示する。

図Ⅰ-17 セレクタ・インジケータ・ライト,ギヤ位置表示ライト,ATワーニング・ライト

ギヤ位置表示ライト(図Ⅰ-17)

マニュアル変速制御中に点灯し,走行中の変速段を表示する。

ATワーニング・ライト(図Ⅰ-17)

トランスアクスルに故障が発生した場合に点灯する。

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⒞ TCM(トランスアクスル・コントロール・モジュール)

・TCMは各種センサ,スイッチ類からの入力情報に基づき,演算・処理を行い車両の状態を検出する。・車両状態に応じ,各種制御を最適に実行するよう,各ソレノイド・バルブへの制御信号を出力する。

制御項目 主な制御内容

変速点制御

自動変速制御( D レンジ)

走行モード

Normalモード ・通常走行時に選択するモード。・車速とアクセル・ペダル踏み込み量に応じた自動変速を行う。

アクティブ・アダプティブ・シフト(AAS)モード

・車両の走行状態や運転者の運転操作から,走行環境や運転者の意図を推定し,走行に最適な変速段を選択する。

高油温モード ・ATFが高温のとき,エンジン・トルクを制限する。

マニュアル変速制御(Mレンジ) ・Mレンジが選択された場合,運転者のシフト・アップ/ダウン操作に従って,マニュアル変速を最優先する。

変速油圧制御

ライン圧制御 ・ライン圧をエンジンの負荷状態や車両の走行状態に応じて,高精度に制御する。

ダイレクト・エレクトリック・シフト・コントロール

・エンジンの負荷状態や車両の走行状態に適したクラッチ締結圧をダイレクトに電子制御する。

学習制御 ・エンジンの性能変化,トランスアクスルの経時変化を学習し,クラッチ締結圧を最適補正する。

ロックアップ制御

・フルレンジ・ロックアップ制御採用により,発進直後から積極的にロックアップを制御する。

・ロックアップ・ピストンを徐々に締結/解放することで,作動時のショックを低減させる。

・アクセル・ペダル全閉減速時にロックアップ制御を実行し,燃費,エミッション性能の向上を行う。

エンジン-トランスアクスル統合制御 ・変速時のエンジン出力トルクを最適に制御する。・エンジンの出力トルクに応じて,最適なクラッチ締結圧を演算する。

ダイアグノシス・システム

・トランスアクスルの制御に重要な部品は自己診断機能をもっており,異常が発生した場合,ATワーニング・ライトを点灯させると共に,TCMにサービス・コードを記憶する。

・自己診断結果,トランスアクスルに異常が発生したと判断した場合,走行性をなるべく損なわないように制御を切り替える。

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ニ 制御と入出力部品の相関

制 御 

入出力部品

変速点制御 変速油圧制御

ロックアップ制御

エンジン-トランスアクスル統合制御

ダイアグノシス・システム

自動変速制御(Dレンジ)

マニュアル変速制御(Mレンジ)

ライン圧制御

クラッチ圧直接制御(ダイレクト・エレク

トリック・シフト・コントロール)

学習制御

NORMALモード

アクティブ・アダプティブ・シフト

(AAS)・モード

高油温モード

入力

TCM

トランスアクスル・レンジ・センサ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○タービン/インプット・シャフト・スピード・センサ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

アウトプット・シャフト・スピード・センサ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

ATF温センサ ○ ○ ○ ○ ○ ○オイル・プレッシャ・スイッチ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

PCM

アクセル・ペダルの踏み込み量 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ブレーキ・ペダルの踏み込み状況 ○ ○ ○ ○エンジン・トルク信号 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○エンジン回転速度 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○エンジン冷却水温 ○ ○吸入空気質量 ○

コンビネーション・メータ

Mレンジ・スイッチ ○ ○ダウン・スイッチ ○ ○アップ・スイッチ ○ ○ステアリング・シフト・スイッチ(ステアリング・シフト・スイッチ付き車) ○ ○

DSC・HU/CM前後Gセンサ ○横Gセンサ ○ABS車輪速信号 ○ ○

BCM 操舵角信号 ○

出力

AT

ON/OFFソレノイド ○ ○ ○ ○ ○ ○シフト・ソレノイドNo.1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○シフト・ソレノイドNo.2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○シフト・ソレノイドNo.3 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○シフト・ソレノイドNo.4 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ロックアップ・コントロール・ソレノイド ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

プレッシャ・コントロール・ソレノイド ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

コンビネーション・メータ

セレクタ・インジケータ・ライト点灯要求 ○ ○ ○ ○

ギヤ位置表示ライト点灯/点滅要求 ○ATワーニング・ライト点灯要求 ○ ○

入出力(CAN) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○

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4) 制御内容

⑴ 変速点制御(自動変速制御)

TCMは,各入力信号をもとに走行状態を判断し,走行状態に適した走行モードを選択する。また,トルクや変速段などの情報をPCMとCAN通信を介して情報交換を行い,走行シーンに応じて適切な駆動力となるように制御を行う。実行条件・Dレンジ信号が入力され,かつMレンジ信号が入力されていない。走行モード判定・通常はNORMALモードが選択されるが,走行状態によっては自動的に以下のモードに切り替る。-AASモード :道路の状況や運転者の操作に応じて,最適なシフト・ポイントを自動的にコントロールす

る制御。-高油温モード:ATFが高油温に上昇したときに,トランスアクスル保護のために油温上昇を抑制するよ

うエンジン・トルクを制限する。イ AASモード作動内容

・アクセル・ペダルを一定以上のスピードで全閉まで戻したとき-車速コントロール性向上及び再加速性能向上のために,シフト・アップを一定期間禁止する。・強いブレーキを踏んだとき(一定以上の減速を行ったとき)-再加速がスムーズに行えるように,低い変速段を選択する。・一定以下のRのコーナを走行しているとき- コーナ中の車速コントロール性向上及びコーナ通過後の再加速性能向上のために,シフト・アップを抑制する。

・高度が一定以上の高いとき-快適に運転できるように,走行状態に適した変速段を選択する。・一定以上の登坂走行時-適切なギヤ段を保持することで,不要なシフト・アップを防止する。・一定以上の降坂かつブレーキ・ペダル踏み込み時-推定勾配角に応じた適正なギヤ段にシフト・ダウンしてエンジン・ブレーキを有効に活用する。

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ロ AASの作動シーンと効果

⒜コーナリング走行時(図Ⅰ-18)

図Ⅰ-18 コーナリング走行時

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⒝高速道路等での合流走行時(高速道路等での合流時,いったん加速を中断するようなシーンにおいてはシフト・アップを抑制することで,直後の再加速性能を向上させる)(図Ⅰ-19)

図Ⅰ-19 高速道路等での合流走行時

⑵ 変速点制御(マニュアル変速制御)

・TCMは,Mレンジを選択したときマニュアル変速制御を実行する。・Mレンジが選択された場合,運転者のシフト・アップ/シフト・ダウン操作に従って,マニュアル変速を最優先する。ただし,走行安全性の確保やATXの保護のため,最低限の自動変速を行う場合がある。実行条件:Mレンジ信号が入力されているイ 作 動

・Mレンジで走行中,セレクタ・レバーを前後に動かすことによって任意のギヤ段を選択できる。・Dレンジで走行中にMレンジにシフトしたときは,Dレンジで走行していたときのギヤ段が保持される。ただし,第6速,又は第5速で走行中,アクセル・ペダルを踏まない状態でシフト操作した場合は以下のように変速する。-Dレンジ 第6速で走行中,Mレンジに操作=第5速に変速-Dレンジ 第5速で走行中,Mレンジに操作=第4速に変速・マニュアル・モード時にATF温度が所定温度以上になると,TCMはトランスアクスルへの負荷を低減させるために自動変速制御に切り替え,ギヤ位置表示ライトを消灯させる。・マニュアル変速制御時は,すべての変速段において,変速比に応じたエンジン・ブレーキが得られる。また,一定車速以下になれば,自動でシフト・ダウンを行う。

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イ 作 動

・TCMからロックアップ・コントロール・ソレノイドへの電流信号により,ロックアップ・ピストン締結圧を徐々に昇圧/ドレーンをする。これにより,ロックアップ・ピストンをゆっくりとロックアップ・クラッチを圧着/解放させることで,スムーズにロックアップを行う。ロ ロックアップ制御の禁止

・以下のいずれかの条件が成立した場合,ロックアップ制御を禁止する。-ロックアップ・ソレノイド故障のとき

⒜ シフト操作とマニュアル変速の実行

・車速によっては変速がキャンセルされる場合がある。シフト・ダウンがキャンセルされる場合には,ギヤ位置表示ライトを点滅させる。・エンジンが高回転に達した場合,エンジンを保護するため,以下のように制御する。①スロットル・バルブを戻し,エンジン回転速度を過回転ゾーンより低めに安定させる。②エンジンが高回転の状態を継続する場合,強制的にシフト・アップすることでエンジン回転速度を下げる。⒝ 2速固定モード

・雪道などすべりやすい路面での発進や走行のため,車両停止時,又は極低速時にセレクタ・レバーを+側に動かして第2速にすると,2速固定モードになる。⒞ ダイレクト・モード(ステアリング・シフト・スイッチ付き車)

・セレクタ・レバーをDレンジの位置で走行中,ステアリング・シフト・スイッチを操作すると,一時的にギヤ位置を切り替えることが出来る。ダイレクト・モード中は,DとMの表示灯が点灯し,使用しているギヤ位置が表示される。・ダイレクト・モードは次の状態になると解除される。-定常走行になったとき-タコメータの指針がレッド・ゾーンに近付いたとき-アクセル・ペダルを強く踏み込んだとき-停車したとき,又は低速走行になったとき⑶ ロックアップ制御(図Ⅰ-20)

・発進時にはトルク・コンバータ特有の滑らかさを優先させ,発進直後から積極的にロックアップを制御することで,ロックアップの締結領域を大幅に拡大している。そのため,低燃費への貢献と車両のダイレクトな操作性を実現している。・アクセル・ペダル全閉減速時もロックアップ制御を行い,ロックアップ中に燃料カットを行うことで低燃費化とエミッション性能の向上を実現している。・ロックアップ機構はロックアップ・クラッチ,ロックアップ・ピストン,ダンパで構成される。・ロックアップ・クラッチは多板式を採用し,耐久性を向上させている。また,クラッチ径を小型化することで制御油圧に対する応答性を上げ,フルレンジ・ロックアップによる緻密な制御への追従性を可能にしている。・ダンパ性能の改善により,ロックアップ締結時の振動抑制を図っている。

図Ⅰ-20 ロックアップ制御

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マツダ

-ATF温度が所定値以下のとき-エンジン回転信号が所定値以下のとき-タービン・シャフト回転速度が所定値以下のとき-Dレンジ/Mレンジ以外のとき

3 点検・整備

1) 故障コードの表示・消去方法

⑴ 表示方法

①外部診断器をダイアグノシス・コネクタ2に接続する。②車両識別後,画面の指示に従いサービス・コードを確認する。サービス・コードが表示される場合は,該当するサービス・コード別点検に従って不具合箇所を修復する。③ダイアグノシス・コネクタ2から外部診断器を取り外す。⑵ 消去方法

①外部診断器をダイアグノシス・コネクタ2に接続する。②車両識別後,画面の指示に従いサービス・コードを消去する。③ダイアグノシス・コネクタ2から外部診断器を取り外す。⑶ サービス・コード一覧

サービス・コード

エンジン警告灯

ATワーニング・ライト 診断系統 フェイル

セーフドライブ・サイクル

セルフ・テスト・タイプ*1 メモリ機能

P0218:00 点灯 点灯 オートマティック・トランスアクスル保護制御 ○ 1 C ○

P0500:00 点灯 - 車速信号系統:回路異常 ○ 1 C ○

P0666:00 点灯 点灯 ECU内部温度センサ系統:2系統回路異常 ○ 2 C ○

P0667:00 点灯 点灯 ECU内部温度センサ系統:2系統特性異常 ○ 2 C ○

P06B8:00 点灯 - NVRAMアクセス・エラー - 1 C,O ○

P0705:00 点灯 点灯 トランスアクスル・レンジ・センサ系統:回路異常 ○ 1 C,O ○

P0706:00 点灯 点灯 トランスアクスル・レンジ・センサ系統:特性異常 ○ 2 C ○

P0711:00 点灯 点灯 ATF温センサ系統:特性異常 ○ 2 C ○P0712:00 点灯 点灯 ATF温センサ系統:短絡 ○ 1 C,O ○P0713:00 点灯 点灯 ATF温センサ系統:断線 ○ 2 C ○

P0716:00 点灯 点灯タービン/インプット・シャフト・スピード・センサ系統:特性異常

○ 1 C ○

P0717:00 点灯 点灯タービン/インプット・シャフト・スピード・センサ系統:断線

○ 1 C ○

P0721:00 点灯 点灯 アウトプット・シャフト・スピード・センサ系統:特性異常 ○ 1 C ○

P0722:00 点灯 点灯 アウトプット・シャフト・スピード・センサ系統:断線 ○ 1 C ○

P0729:00 - - 変速比異常:第6速 ○ 2 C ○P0731:00 - - 変速比異常:第1速 ○ 2 C ○P0732:00 - - 変速比異常:第2速 ○ 2 C ○

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マツダ

サービス・コード

エンジン警告灯

ATワーニング・ライト 診断系統 フェイル

セーフドライブ・サイクル

セルフ・テスト・タイプ*1 メモリ機能

P0733:00 - - 変速比異常:第3速 ○ 2 C ○P0734:00 - - 変速比異常:第4速 ○ 2 C ○P0735:00 - - 変速比異常:第5速 ○ 2 C ○P0736:00 - 点灯 変速比異常:後進時 ○ 2 C ○

P0741:00 点灯 点灯 ロックアップ・コントロール・ソレノイド系統:OFF固着 ○ 2 C ○

P0743:00 点灯 点灯 ロックアップ・コントロール・ソレノイド系統:回路異常 ○ 1 C,O ○

P0746:00 点灯 点灯 プレッシャ・コントロール・ソレノイド系統:OFF固着 ○ 2 C ○

P0748:00 点灯 点灯 プレッシャ・コントロール・ソレノイド系統:回路異常 ○ 1 C,O ○

P0751:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.1系統:OFF固着 ○ 2 C ○

P0752:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.1系統:ON固着 ○ 2 C ○

P0753:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.1系統:回路異常 ○ 1 C,O ○

P0756:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.2系統:OFF固着 ○ 2 C ○

P0757:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.2系統:ON固着 ○ 2 C ○

P0758:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.2系統:回路異常 ○ 1 C,O ○

P0761:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.3系統:OFF固着 ○ 2 C ○

P0762:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.3系統:ON固着 ○ 2 C ○

P0763:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.3系統:回路異常 ○ 1 C,O ○

P0766:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.4系統:OFF固着 ○ 2 C ○

P0767:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.4系統:ON固着 ○ 2 C ○

P0768:00 点灯 点灯 シフト・ソレノイドNo.4系統:回路異常 ○ 1 C,O ○

P0771:00 点灯 点灯 ON/OFF ソレノイド系統:OFF固着 ○ 2 C ○

P0772:00 点灯 点灯 ON/OFFソレノイド系統:ON固着 ○ 2 C ○

P0773:00 点灯 点灯 ON/OFFソレノイド系統:回路異常 ○ 1 C,O ○

P0780:00 点灯 点灯 シフト禁止制御:フェイルセーフ ○ 2 C ○

P079A:00 点灯 点灯シフト・ソレノイドNo.3系統:OFF固着 /ON/OFFソレノイド系統:ON固着

○ 2 C ○

P0819:00 - -Mレンジ・スイッチ/アップ・スイッチ/ダウン・スイッチ系統:信号異常

○ 1 C ○

P0842:00 点灯 点灯 オイル・プレッシャ・スイッチNo.1系統:ON固着 ○ 2 C ○

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マツダ

サービス・コード

エンジン警告灯

ATワーニング・ライト 診断系統 フェイル

セーフドライブ・サイクル

セルフ・テスト・タイプ*1 メモリ機能

P0843:00 点灯 点灯 オイル・プレッシャ・スイッチNo.1系統:OFF固着 ○ 2 C ○

P0847:00 点灯 点灯 オイル・プレッシャ・スイッチNo.2系統:ON固着 ○ 2 C ○

P0848:00 点灯 点灯 オイル・プレッシャ・スイッチNo.2系統:OFF固着 ○ 2 C ○

P0872:00 点灯 点灯 オイル・プレッシャ・スイッチNo.3系統:ON固着 ○ 2 C ○

P0873:00 点灯 点灯 オイル・プレッシャ・スイッチNo.3系統:OFF固着 ○ 2 C ○

P0877:00 点灯 点灯 オイル・プレッシャ・スイッチNo.4系統:ON固着 ○ 2 C ○

P0878:00 点灯 点灯 オイル・プレッシャ・スイッチNo.4系統:OFF固着 ○ 2 C ○

P0882:00 点灯 - TCM電源電圧:低電圧 ○ 1 C ○P0883:00 点灯 - TCM電源電圧:高電圧 ○ 1 C,O ○

P0C2C:00 - - 電動ATオイル・ポンプ系統:回転速度異常 ○ 1 C ○

P1728:00 - - トランスアクスル・クラッチ系統:滑り ○ 2 C ○

P1738:00 - 点灯 トランスアクスル内部異常 ○ 2 C ○

P1784:00 - 点灯ハイ・カット・バルブ系統:OFF固着/R- 3- 5カット・バルブ系統:ON固着

○ 2 C ○

P181F:00 - -電動ATオイル・ポンプ/電動ATオイル・ポンプ・リレー系統:回路異常

○ 1 C ○

P2712:00 - - オイル・ポンプ・シフト・バルブ系統:固着 ○ 1 C ○

U0073:00 - - CAN通信系統:モジュール通信エラー(HS CAN) ○ 1 C,O ○

U0074:00 - -CAN通信系統:モジュール通信エラー(TCM~PCM間ローカルCAN)

○ 1 C,O ○

U0100:00 点灯 - CAN通信系統:PCMとの通信エラー(HS CAN) ○ 1 C,O ○

U0115:00 点灯 -CAN通信系統:PCMとの通信エラー(TCM~PCM間ローカルCAN)

○ 1 C,O ○

U0121:00 点灯 - CAN通信系統:DSC HU/CMとの通信エラー ○ 1 C,O ○

U0141:00 - - CAN通信系統:BCMとの通信エラー ○ 1 C,O ○

U0155:00 点灯 - CAN通信系統:コンビネーション・メータとの通信エラー ○ 1 C,O ○

U0442:00 - -CAN通信系統:PCMから異常データ受信(TCM~ PCM間ローカルCAN)

○ 1 C,O ○

*1:C:CMDTCセルフ・テスト,O:KOEOセルフ・テスト

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マツダ

2) TCMコンフィグレーション

コントロール・バルブ・ボデーを交換した場合はマツダ車専用外部診断器(M-MDS)を使用してコンフィグレーションを行う必要がある。

交換部品 コンフィグレーションの要否

コントロール・バルブ・ボデー 必要

オイル・プレッシャ・スイッチ 不要

オートマティック・トランスアクスル 不要

ON/OFFソレノイド 不要

カプラ・アセンブリ 不要

3) 初期学習

・コントロール・バルブ・ボデー,又はオイル・プレッシャ・スイッチを交換した場合は,初期学習を実行しなければならない。初期学習が完了していない場合,空吹きの発生や変速ショックが大きくなるおそれがある。なお,初期学習が未実施の状態では,サービス・コードP06B8:00が表示される。・初期学習の実施手順には,M-MDSを使用する手順とM-MDSを使用しない手順がある。M-MDSを使用しない手順には,マツダ・アドバンスト・キーレス・エントリ・アンド・プッシュ・ボタン・スタート装着車と非装着車の手順を設定している。M-MDSを使用すると,マツダ・アドバンスト・キーレス・エントリ・アンド・プッシュ・ボタン・スタートの有無に関係なく,容易に初期学習が起動できる。警告  初期学習は,エンジンを始動し走行レンジに入れた状態で強制的にギヤをかえるため,車両が動きだし,人

身及び物損事故に繋がるおそれがある。初期学習を行うときは,パーキング・ブレーキを確実に作動させ,

前輪と後輪を輪止めで固定する。

⑴ M-MDSを使用しない手順(マツダ・アドバンスト・キーレス・エントリ・アンド・プッシュ・ボタン・

スタート付き車)

・作業前の準備①交換部品に対する初期学習実施要否を確認する。

交換部品 初期学習の要否

コントロール・バルブ・ボデー 必要

オイル・プレッシャ・スイッチ 必要

オートマティック・トランスアクスル 不要

ON/OFFソレノイド 不要

カプラ・アセンブリ 不要

②パーキング・ブレーキを確実に作動させ,前輪と後輪に輪止めをする。③ATF量を点検する。④エンジンを始動する。⑤エンジン完全暖機かつATF温を60~110℃にする。

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マツダ

⒞セレクタ・レバーをNレンジに入れ,プッシュ・ボタン・スタートを1回押してエンジンを始動する。

⒝セレクタ・レバーをM-(マニュアル・ダウン)レンジに入れ,M-を保持したままプッシュ・ボタン・スタートを1度押して(エンジン・スイッチON),5秒以上待つ。

イ 初期学習起動手順(図Ⅰ-21,22,23,24,25,26,27,28)

①エンジンを始動して,30秒以上待つ。②ブレーキ・ペダルを踏んだ状態で,以下の⒜~⒢の手順を行う。

図Ⅰ-21 初期学習起動手順⑴

注意  ブレーキ・フルード・プレッシャ・センサの値が規定値以下になると,安全のため初期学習を強制終了する。

そのため,初期学習を実施する時は下記について注意する。

-初期学習実施中は,ブレーキ・ペダルを強く踏む。

-ブレーキ・ペダルを踏み直すとパワー・ブレーキ・ユニットの圧力が下がりブレーキ力が弱まるため,ブレー

キ・ペダルを踏み直さない。

⒜セレクタ・レバーをNレンジに入れ,プッシュ・ボタン・スタートを1度押してエンジンを停止する。

図Ⅰ-22 初期学習起動手順⑵

図Ⅰ-23 初期学習起動手順⑶

図Ⅰ-24 初期学習起動手順⑷

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マツダ

⒠セレクタ・レバーをM-レンジに入れ,M-を保持したまま5秒以上待つ。

⒟セレクタ・レバーをM+(マニュアル・アップ)レンジに入れ,M+を保持したまま5秒以上待つ。

図Ⅰ-25 初期学習起動手順⑸

図Ⅰ-26 初期学習起動手順⑹

⒡アイドル・アップを開始したらセレクタ・レバーをM(マニュアル中立)レンジに入れ,ATワーニング・ライトが2回点滅するまで待つ。

図Ⅰ-27 初期学習起動手順⑺

参考  アイドル・アップを開始したら,初期学習は実行されている。アイドル・アップしない場合は,初期学習が

実行されていないので,手順⒜からやり直す。

⒢ATワーニング・ライトが2回点滅後,セレクタ・レバーをPレンジに入れ,エンジンを停止する。

図Ⅰ-28 初期学習起動手順⑻

参考  ATワーニング・ライトは1度しか点滅しないため,見逃さないよう注意する。

③ブレーキ・ペダルを離す。④外部診断器を使用してサービス・コードを消去し,エンジン・スイッチをOFF(LOCK)にする。⑤エンジン・スイッチをONにし,外部診断器を使用してサービス・コードP06B8:00が記憶されていないことを確認する。・サービス・コードP06B8:00が表示される場合は,手順⒜からやり直す。

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マツダ

⑵ M-MDSを使用しない手順(マツダ・アドバンスト・キーレス・エントリ・アンド・プッシュ・ボタン・

スタートなし車)

・作業前の準備①交換部品に対する初期学習実施要否を確認する。

交換部品 初期学習の要否

コントロール・バルブ・ボデー 必要

オイル・プレッシャ・スイッチ 必要

オートマティック・トランスアクスル 不要

ON/OFFソレノイド 不要

カプラ・アセンブリ 不要

②パーキング・ブレーキを確実に作動させ,前輪と後輪に輪止めをする。③ATF量を点検する。④エンジンを始動する。⑤エンジン完全暖機かつATF温を60~110℃にする。イ 初期学習起動手順(図Ⅰ-29,30,31,32,33,34,35,36)

①エンジンを始動して,30秒以上待つ。②ブレーキ・ペダルを踏んだ状態で,以下の⒜~⒢の手順を行う。

図Ⅰ-29 初期学習起動手順⑴

注意  ブレーキ・フルード・プレッシャ・センサの値が規定値以下になると,安全のため初期学習を強制終了する。

そのため,初期学習を実施する時は下記について注意する。

-初期学習実施中は,ブレーキ・ペダルを強く踏む。

-ブレーキ・ペダルを踏み直すとパワー・ブレーキ・ユニットの圧力が下がりブレーキ力が弱まるため,ブレー

キ・ペダルを踏み直さない。

⒜セレクタ・レバーをNレンジに入れ,エンジンを停止する。

図Ⅰ-30 初期学習起動手順⑵

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マツダ

⒞セレクタ・レバーをNレンジに入れ,エンジンを始動する。

⒟セレクタ・レバーをM+(マニュアル・アップ)レンジに入れ,M+を保持したまま5秒以上待つ。

⒠セレクタ・レバーをM-レンジに入れ,M-を保持したまま5秒以上待つ。

⒡アイドル・アップを開始したらセレクタ・レバーをM(マニュアル中立)レンジに入れ,ATワーニング・ライトが2回点滅するまで待つ。

⒝セレクタ・レバーをM-(マニュアル・ダウン)レンジに入れ,M-を保持したままエンジン・スイッチをONにして,5秒以上待つ。

図Ⅰ-31 初期学習起動手順⑶

図Ⅰ-32 初期学習起動手順⑷

図Ⅰ-33 初期学習起動手順⑸

図Ⅰ-34 初期学習起動手順⑹

図Ⅰ-35 初期学習起動手順⑺

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マツダ

参考  ATワーニング・ライトは1度しか点滅しないため,見逃さないよう注意する。

③ブレーキ・ペダルを離す。④外部診断器を使用してサービス・コードを消去し,エンジン・スイッチをOFF(LOCK)にする。⑤エンジン・スイッチをONにし,外部診断器を使用してサービス・コードP06B8:00が記憶されていないことを確認する。・サービス・コードP06B8:00が表示される場合は,手順⒜からやり直す。4) 外部診断器及び車載故障診断装置による点検整備

オートマティック・トランスアクスルに不具合が発生し,外部診断器によりサービス・コードが出力された場合には,サービス・コード一覧表の項目に従って点検・整備を行う必要がある。ここでは以下に示すMレンジ・スイッチ,アップ/ダウン・スイッチ系統を例として点検・整備方法を説明する。ⅰ) Mレンジ・スイッチ,アップ/ダウン・スイッチ系統異常

①症状:マニュアル変速ができない。ギヤ位置表示ライトが「M」のみ表示(正常時はM1又はM2を表示する)。ATワーニング・ライトは点灯なし(サービス・コード:P0819:00)

②故障内容:ダウン・スイッチ信号線のボデー・アース短絡③点検方法:外部診断器を使用する場合

参考  アイドル・アップを開始したら,初期学習は実行されている。アイドル・アップしない場合は,初期学習が

実行されていないので,手順⒜からやり直す。

⒢ATワーニング・ライトが2回点滅後,セレクタ・レバーをPレンジに入れ,エンジンを停止する。

図Ⅰ-36 初期学習起動手順⑻

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マツダ

⑴ Mレンジ・スイッチ,アップ/ダウン・スイッチ系統異常(図Ⅰ-37)

図Ⅰ-37 Mレンジ・スイッチ,アップ/ダウン・スイッチ系統異常

イ 症状(図Ⅰ-38)

マニュアル変速ができない。ギヤ位置表示ライトが「M」のみ表示(正常時はM1又はM2を表示する)ATワーニング・ライトは点灯なし(サービス・コード:P0819:00)

サービス・コード 診断系統 検 出 条 件

P0819:00

Mレンジ・スイッチ/アップ・スイッチ/ダウン・スイッチ系統:信号異常

以下の状態で,次の⑴~⑷のいずれかの状態が1秒間継続した場合。-エンジンが始動している。-バッテリ電圧8V以上-トランスアクスル・レンジ・センサ系統のサービス・コードが記憶されていない。⑴Dレンジ以外で前進オイル・プレッシャ・スイッチがONしていないにもかかわらず,Mレンジ・スイッチ信号がONしている。

⑵Dレンジでアップ・スイッチ,又はダウン・スイッチ信号がONしているにもかかわらず,Mレンジ・スイッチがOFFしている。

⑶Dレンジ以外でMレンジ・スイッチ信号がOFFしているにもかかわらず,アップ・スイッチ信号がONしている。

⑷Dレンジ以外でMレンジ・スイッチ信号がOFFしているにもかかわらず,ダウン・スイッチ信号がONしている。

〈HDM-3000の表示〉

図Ⅰ-38 ダイアグ・コード表示

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マツダ

参考  データ・モニタ

【正常時】

モニタ項目\セレクタ・レバー位置 P R N D M アップ/ダウン

ギヤ位置 _ _ _ _ _ _ _ _ _ 1st 1st 1st/2nd

シフト・コントロール・モード DEFAULT DEFAULT DEFAULT DEFAULT MANUAL MANUAL

トランスミッション・レンジ P R N D _ _ _ _ _ _

【異常時】

モニタ項目\セレクタ・レバー位置 P R N D M アップ/ダウン

ギヤ位置 _ _ _ _ _ _ _ _ _ 1st 1st 1st

シフト・コントロール・モード DEFAULT DEFAULT DEFAULT DEFAULT DEFAULT DEFAULT

トランスミッション・レンジ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _ _

ロ 原因説明

Mレンジ・スイッチ/アップ・スイッチ/ダウン・スイッチ信号系統に異常がある場合,フェイルセーフ機能により,マニュアル変速を禁止する。ハ 点検方法

手順 点 検 内 容 結果 処  置

セレクタ・レバー・アセンブリのコネクタを切り離し,アセンブリ側のA~H端子間の導通状態が下表のようになっているか。

測定条件 導通状態Mレンジ 導通ありMレンジ以外 導通なし

YES 手順②へ

NO セレクタ・レバー・アセンブリ内Mレンジ・スイッチの断線,又は短絡

アセンブリ側のB~H端子間の導通状態が下表のようになっているか。

測定条件 導通状態M(+)レンジ 導通ありM(+)レンジ以外 導通なし

YES 手順③へ

NO セレクタ・レバー・アセンブリ内アップ・スイッチの短絡

アセンブリ側のC~H端子間の導通状態が下表のようになっているか。

測定条件 導通状態M(-)レンジ 導通ありM(-)レンジ以外 導通なし

YES 手順④へ

NO セレクタ・レバー・アセンブリ内ダウン・スイッチの短絡

④ 車両ハーネス側のH端子~ボデー・アース間に導通があるか。

YES 手順⑤へNO 車両ハーネス側H端子~ボデー・アース間の断線

⑤ コンビネーション・メータのコネクタを切り離し,A端子~1K端子間配線の導通はあるか。

YES 手順⑥へ

NO セレクタ・レバー・アセンブリA端子~コンビネーション・メータ1K端子間の断線

⑥ A端子~1K端子間配線とボデー・アース間に導通がないか。

YES 手順⑦へ

NOセレクタ・レバー・アセンブリA端子~コンビネーション・メータ1K端子間配線のボデー・アースへの短絡

⑦ B端子~1I端子間配線とボデー・アース間に導通がないか。

YES 手順⑧へ

NOセレクタ・レバー・アセンブリB端子~コンビネーション・メータ1I端子間配線のボデー・アースへの短絡

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マツダ

手順 点 検 内 容 結果 処  置

⑧ C端子~1J端子間配線とボデー・アース間に導通がないか。

YES コンビネーション・メータからTCMへの通信不良

NOセレクタ・レバー・アセンブリC端子~コンビネーション・メータ1J端子間配線のボデー・アースへの短絡

参 考

1) オートマティック・トランスアクスル・コントロール・システム(FW6A-EL)電気配線図

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2) コンビネーション・メータ電気配線図

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マツダ

Ⅱ マツダ・アドバンスト・キーレス・エントリ・アンド・プッシュ・ボタン・スタート・システムの構造・機能及び故障診断

1 概 要

車両に登録済みのアドバンスト・キーを携帯するだけでドアのロック/アンロックが行えるマツダ・アドバンスト・キーレス・エントリ・システム及び,エンジンの始動が行えるマツダ・アドバンスト・プッシュ・ボタン・スタート・システムを採用している。1) 構成部品の配置(図Ⅱ-1)

図Ⅱ-1 構成部品の配置

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2) システム配線図(図Ⅱ-2,3)

図Ⅱ-2 システム配線図⑴

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図Ⅱ-3 システム配線図⑵

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2 構造・機能

1) 構成部品一覧

部品名 構造・機能

キーレス・コントロール・モジュール

以下のシステムを制御する。-アドバンスト・キーレス・エントリ・システム-アドバンスト・プッシュ・ボタン・スタート・システム-イモビライザ・システム

キーレス・アンテナ

・6箇所配置し,リクエスト信号発信範囲を構成している。・キーレス・コントロール・モジュールからの信号により,リクエスト信号を車内・車外に発信する。・キーレス・コントロール・モジュールは,アンテナの受信信号に基づきアドバンスト・キーの所在を判定する。

キーレス・レシーバ・ダッシュ・ボードの内側に取り付けられている。・トランスミッタからのロック/アンロック信号を受信する。・受信した信号をキーレス・コントロール・モジュールへ送信する。

アドバンスト・キー・最大6個まで登録することができる。・ボタンに連動して点灯する作動インジケータ・ライトを内蔵している。・補助キーを内蔵している。

リクエスト・スイッチ ・フロント・アウタ・ハンドル(運転席側/助手席側),リフトゲート・ライト(5HB)に取り付けられている。

キーレス・ブザー・フロント・フェンダ内側に取り付けられている。・キーレス・コントロール・モジュールからの信号により,キーレス・ブザーが吹鳴する。(初期設定はレベル8)

補助キー

・イモビライザ・システム用キーは,キー・グリップ内に電子通信装置(トランスポンダ)を内蔵し,固有の電子コード(キー・コード)を保持している。

・トランスミッタが電池切れなどで不作動になった場合,補助キーを使うことで,ドアのロック/アンロック,エンジン始動が行える。

コイル・アンテナ・ステアリング・ロックに取り付けられている。・ステアリング・ロック周辺に磁界を発生させ,キーと通信する。・受信したキーの信号を復調してキーレス・コントロール・モジュールに出力する。

2) マツダ・アドバンスト・キーレス・エントリ・システム

・車両に登録済みのアドバンスト・キーを携帯するだけで,ドアのロック/アンロックが行えるマツダ・アドバンスト・キーレス・エントリ・システムを採用している。・従来のキー操作(補助キーを使用),アドバンスト・キーのボタン操作でも,ドアのロック/アンロックは行える。・電波傍受による盗難防止のため,ローリング・コード式アドバンスト・キーを採用している。

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マツダ

⑴ 機能一覧

機能名 目的・作動条件

アンサ・バック機能 ドアをロック/アンロックすると,ハザード点滅とブザー音により,施錠又は解錠の作動確認ができる

オート・リロック機能

アドバンスト・キーのアンロック・ボタンを押した後,あるいはリクエスト・スイッチでアンロック作動後,以下の状態が変化せず約30秒経過すると,ドアとトランク・リッド/リフト・ゲートは自動的にロックする。-いずれかのドア又はトランク・リッド/リフト・ゲートを開ける-キー・スロットに補助キーが差し込まれている-エンジン・スイッチをACC又はONにする-アドバンスト・キー操作を行う (アンロック・ボタンを押した場合,タイマはリセットされる)-リクエスト・スイッチでロック作動-ロック・リンク・スイッチ状態が変化した

エリア(受信範囲)離脱式オート・ロック機能

・アドバンスト・キーを携帯し,すべてのドアを閉めた状態でキーレス・アンテナの受信範囲外に出ると,自動的にロックする。(初期設定はOFF)

・すべてのドアが閉じられた状態を検出した時点で,以下の条件がすべて成立したときに待機状態となる。(この時点ではロックされない)-アドバンスト・キーが車内にない-アドバンスト・キーが車外受信範囲にある-キー・スロットに補助キーが差し込まれていない-エンジン・スイッチOFF(LOCK)

・待機状態に移行した後,アドバンスト・キーがキーレス・アンテナの受信範囲にないと判定して約2秒後にすべてのロック・アクチュエータをロック作動させる。また,アドバンスト・キーが車外受信範囲内で待機状態に移行して約30秒経過した場合でも,ロック作動を行う。

・ロック作動と同時にハザード点滅,及びキーレス・ブザー吹鳴を1回行う。

アドバンスト・キー一時停止機能

・アドバンスト・キー閉じ込み警報の作動条件が成立して約12秒後に車内にあるすべてのアドバンスト・キーの機能を一時停止する。

・一時停止したアドバンスト・キーの復帰手順-一時停止したアドバンスト・キーのロック/アンロック・ボタンを押す。又はトランク・ボタンを押す。

-一時停止したアドバンスト・キー(複数個可能)と有効なアドバンスト・キーを車内に持ち込み,キーレス・インジケータ・ライト(緑)が点灯するまでクラッチ・ペダル(MTX),ブレーキ・ペダル(ATX/CVT)を踏み込む。

-一時停止したアドバンスト・キー(複数枚可能)を車内に持ち込み,補助キーを使用してエンジン・スイッチをONにする。

警報機能 間違った使い方などでトラブルが発生しそうになると,コンビネーション・メータ内のインジケータ・ライトやブザー及びキーレス・ブザーで是正を促す。

ガイダンス機能 アクチュエータの作動状況や状態をインジケータ・ライトやブザーで報知し,ユーザーの操作をガイドする。

カスタマイズ機能 各機能の作動/非作動の設定を切り替えることができる。

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マツダ

イ 警報機能

項目 作動条件

キーレス・ブザー吹鳴(車外)

コンビネーション・メータ プッシュ・ボタン・スタート

ブザー吹鳴(車内)

キーレス・ワーニング・

ライト(赤)

キーレス・インジケー

タ・ライト(緑)

ステアリング・ロック・

ワーニグ・ライト

インジケータ・ライト

(赤)

インジケータ・ライト

(緑)

システム異常警報 アドバンスト・キー機能に異常があった場合 - - 点灯 - - 点灯 -

エンジン・スイッチOFF(LOCK)し忘れ警報

エンジン・スイッチがACCで,運転席側フロント・ドアを開けた場合 - 連続 点滅 - - - -

アドバンスト・キー車外持出し警報*1

エンジン・スイッチがOFF(LOCK)以外で,運転席側のフロント・ドアを開けたとき,車内でアドバンスト・キーを検出できなくなった場合

- 3回 点滅*2 - - - -

エンジン・スイッチがOFF(LOCK)以外で,すべてのドアを閉じたとき,車内でアドバンスト・キーを検出できなくなった場合

6回 - 点滅*2 - - - -

アドバンスト・キー閉じ込み警報*3

アドバンスト・キーが車内にある状態で,別のアドバンスト・キーを携帯して車外からリクエスト・キーを押した場合*4

10秒 - - - - - -

全ドアがロック状態で,車内にアドバンスト・キーがあるとき,リフト・ゲートを閉めた場合

10秒 - - - - - -

トランク閉じ込み防止警報

アドバンスト・キーがトランク内にある状態で,トランクを閉めた場合*5 10秒 - - - - - -

リクエスト・スイッチ不作動警報

いずれかのドアおよびリフト・ゲートが開いている 6回 - - - - - -

エンジン・スイッチをOFF(LOCK)に戻していない場合 6回 - - - - - -

キー・スロットに補助キーを差し込んでいる場合 6回 - - - - - -

エンジン始動不許可警報

アドバンスト・キーの電池が切れた場合 - - 点滅 - - - -アドバンスト・キーが作動範囲内にない場合 - - 点滅 - - - -アドバンスト・キーを車内で感知しにくい場所に置いている場合 - - 点滅 - - - -

アドバンスト・キーに類似した他社のキーが作動範囲内にある場合 - - 点滅 - - - -

補助キー警報

補助キーでエンジン・スイッチをACCまたはONにした状態で,補助キーを抜いた場合 - 3回 点滅*2 - - - -

運転席側のフロント・ドアを開けたとき,キー・スロットに補助キーを差し込んでいる場合

- 連続 - - - - -

*1: アドバンスト・キーが車外に持ち出された状態で,エンジン・スイッチをOFF(LOCK)まで戻すと,以後プッシュ・ボタン・スタートは再始動不可となる。また,イモビライザ・システム付き車の場合,エンジン・スイッチをOFF(LOCK)まで戻さずACCからエンジン始動しても再始動不可となる。

*2: 車内でアドバンスト・キーを検出すると消灯する。*3:車内にあるアドバンスト・キーは,アドバンスト・キー一時停止機能により一部機能が作動しなくなる場合がある。*4: アドバンスト・キーを車内にある状態で,エリア離脱式オート・ロック又はオート・リロック機能が作動した場合も警報

が作動する。*5: アドバンスト・キーをトランク内に閉じ込めても,トランク・リッド・オープナ・スイッチ(車外)を押すと,トランクを

開けることができる。

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マツダ

ロ ガイダンス機能

項目 作動条件

キーレス・ブザー吹鳴(車外)

コンビネーション・メータ プッシュ・ボタン・スタート

ブザー吹鳴(車内)

キーレス・ワーニング・

ライト(赤)

キーレス・インジケー

タ・ライト(緑)

ステアリング・ロック・

ワーニグ・ライト

インジケータ・ライト

(赤)

インジケータ・ライト

(緑)

電池電圧低下表示

エンジン・スイッチがONのときに,アドバンスト・キーの電池電圧低下のコードを受信し,その後,エンジン・スイッチをOFF(LOCK)した場合

- - - 点滅約30秒 - - -

ステアリング・ロック解除不可通知

ステアリング・ロックが解除できなかった場合 - 3回 - - 点滅

約10秒 - -

エンジン始動可能状態の表示

クラッチ・ペダル(MTX),ブレーキ・ペダル(ATX/CVT)を踏み込んだときエンジン始動可能の場合

- - - 点灯 - - -

電源切り替え不可通知

プッシュ・ボタン・スタート押し込み時,車内に登録済みのアドバンスト・キーがない場合

- - 点滅3回 - - - -

ドア・ロック/アンロック・アンサ・バック

ノーマル/アドバンスト・キーレス・エントリ・システム機能にて,ドアのロック/アンロックを行った場合

ロック:1回

アンロック:2回

- - - - - -

⑵ 作 動

イ アウタ・ハンドルのリクエスト・スイッチによるロック/アンロック作動(図Ⅱ-4)

(リフト・ゲートのリクエスト・スイッチによるロック作動も同様)

参考  以下のいずれかの条件が成立しているとき,リクエスト・スイッチを押してロック操作しても,ロック作動

しません。

-キー・スロットに補助キーが差し込まれている

-エンジン・スイッチがOFF(LOCK)以外のとき

-いずれかのドア,リフト・ゲートが開いている

-アドバンスト・キーが車外の受信範囲にない

①リクエスト・スイッチを押すと,リクエスト・スイッチ信号がキーレス・コントロール・モジュールに入力される。②キーレス・コントロール・モジュールは,アドバンスト・キーが受信範囲内にあることを確認するため,リクエスト・スイッチが押されたドアのキーレス・アンテナと車内用のすべてのキーレス・アンテナを使って,リクエスト信号を発信する。③アドバンスト・キーは,車外アンテナからのリクエスト信号を受信し,キーレス・レシーバにIDデータを送信する。④キーレス・レシーバは受信したIDデータをキーレス・コントロール・モジュールに転送する。⑤キーレス・コントロール・モジュールはIDデータを照合し,車外に登録済みのアドバンスト・キーがあると判断すると,BCMにロック/アンロック信号を送信し,キーレス・ブザーを以下の回数で吹鳴させる。-ロック時:キーレス・ブザー1回吹鳴

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マツダ

-アンロック時:キーレス・ブザー2回吹鳴⑥BCMはすべてのドアのドア・ロック・アクチュエータのモータを作動させ,ドア・ラッチをロック/アンロックする。⑦BCMはドアのロック/アンロック作動と同時にハザード・ライトを以下の回数で点滅させ,ロック/アンロック作動が完了したことを知らせる。-ロック時:ハザード1回点滅-アンロック時:ハザード2回点滅

図Ⅱ-4 アウタ・ハンドルのリクエスト・スイッチによるロック/アンロック作動

ロ アドバンスト・キーによるロック/アンロック作動(図Ⅱ-5)

参考  ・以下のいずれかの条件が成立しているとき,アドバンスト・キーのロック・ボタンを操作しても,ロック

作動しない。

-キー・スロットに補助キーが差し込まれている

-エンジン・スイッチがOFF(LOCK)以外のとき

-いずれかのドア,リフト・ゲート(5HB)が開いている

・以下のいずれかの条件が成立しているとき,アドバンスト・キーのアンロック・ボタンを操作しても,ア

ンロック作動しない。

-キー・スロットに補助キーが差し込まれている

-エンジン・スイッチがOFF(LOCK)以外のとき

①アドバンスト・キーのロック/アンロック・ボタンを操作すると,アドバンスト・キーはIDデータとローリング・コードを送信する。②アドバンスト・キーから送信されたIDデータとローリング・コードは,キーレス・レシーバで受信されキーレス・コントロール・モジュールに転送される。③キーレス・コントロール・モジュールは,転送されたIDコードを照合し,一致するとBCMへロック/アン

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マツダ

ロック信号を送り,キーレス・ブザーを以下の回数で吹鳴させる。-ロック時:キーレス・ブザー1回吹鳴-アンロック時:キーレス・ブザー2回吹鳴④BCMはすべてのロック・アクチュエータをロック/アンロック作動させ,同時にハザードを以下の回数で点滅させる。-ロック・ボタンを操作した場合,ハザード1回点滅-アンロック・ボタンを操作した場合,ハザード2回点滅

図Ⅱ-5 アドバンスト・キーによるロック/アンロック作動

ハ リフト・ゲート・オープン作動(5HB),トランク・リッド・オープン作動(4SD)(図Ⅱ-6)

参考  以下のいずれかの条件が成立しているとき,リフト・ゲート(5HB),又はトランク・リッド(4SD)のラッチ・

レバーは解除されない。

〈5HB〉

-エンジン・スイッチがOFF(LOCK)以外のとき

-パーキング・ブレーキ・レバーを引いていない(パーキング・ブレーキ・スイッチOFF)状態(MTX車)

-セレクタ・レバーがPレンジ以外の位置(ATX/CVT車)

-車速が3km/h以上

-アドバンスト・キーが車外の受信範囲にない

〈4SD〉

-エンジン・スイッチがONかつ,パーキング・ブレーキ・レバーを引いていない(パーキング・ブレーキ・

スイッチOFF)状態(MTX車)

-エンジン・スイッチがONかつ,セレクタ・レバーがPレンジ以外の位置(ATX/CVT車)

-車速が3km/h以上

-アドバンスト・キーが車外の受信範囲にない

①リフト・ゲート,又はトランク・リッド・オープナ・スイッチを押すと,オープン要求信号がキーレス・コントロール・モジュールに入力される。

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マツダ

②キーレス・コントロール・モジュールは,アドバンスト・キーが受信範囲内にあることを確認するため,車外用のキーレス・アンテナ(リヤ)を使って,リクエスト信号を発信する。③アドバンスト・キーは,車外アンテナからリクエスト信号を受信し,キーレス・レシーバにIDデータを送信する。④キーレス・レシーバは受信したIDデータをキーレス・コントロール・モジュールに転送する。⑤キーレス・コントロール・モジュールはIDデータを照合し,車外に登録済みのアドバンスト・キーがあると判断すると,BCMにラッチ・レバー解除信号を送信する。⑥BCMは,リフト・ゲート,又はトランク・リッド・リリース・アクチュエータのモータを作動させ,トランク・リッドのラッチ・レバーを解除する。

図Ⅱ-6 リフト・ゲート・オープン作動(5HB),トランク・リッド・オープン作動(4SD)

3) マツダ・アドバンスト・プッシュ・ボタン・スタート・システム

アドバンスト・キーを携帯し乗車することで,キーを差し込むことなくプッシュ・ボタン・スタートの操作でエンジンを始動/停止できる。⑴ エンジン始動/停止条件

イ 始動条件

以下のすべての条件が成立したとき,プッシュ・ボタン・スタートを押すとエンジンの始動ができる。-アドバンスト・キーが車内の受信範囲にある-クラッチ・ペダルを踏み込んだとき(MTX)-セレクタ・レバーがPレンジ又は,Nレンジの位置(ATX/CVT)-ブレーキ・ペダルを踏み込んだとき(ATX/CVT)ロ 停止条件

以下の条件が成立したとき,プッシュ・ボタン・スタートを押すとエンジンの停止ができる。-エンジン回転中(車両停止(車速0km/h))⑵ エンジン始動/停止及び電源の切り替え

イクラッチ,又はブレーキを踏んでいる状態で,プッシュ・ボタン・スタートを操作すると,以下のようにエ

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マツダ

ンジン始動/停止する。(図Ⅱ-7)

図Ⅱ-7 エンジン始動/停止及び電源の切り替え⑴

ロクラッチ又はブレーキを踏んでいない状態で,プッシュ・ボタン・スタートを操作すると,以下のように電源が切り替わる。(図Ⅱ-8)

図Ⅱ-8 エンジン始動/停止及び電源の切り替え⑵

⑶ エンジン始動作動(図Ⅱ-9)

①クラッチ・ペダル(MTX)/ブレーキ・ペダル(ATX/CVT)を踏み込むと,クラッチ・ペダル(MTX)/ブレーキ・ペダル(ATX/CVT)信号がキーレス・コントロール・モジュールに入力される。・キーレス・コントロール・モジュールに信号が入力され,エンジンの始動ができることを判断すると,コンビネーション・メータ内のキーレス・インジケータ・ライト(緑)とプッシュ・ボタン・インジケータ・ライト(緑)が点滅する。②プッシュ・ボタン・スタートを押すと,プッシュ・ボタン・スタート・スイッチ信号がキーレス・コントロール・モジュールに入力される。③キーレス・コントロール・モジュールは,アドバンスト・キーが受信範囲内にあることを確認するため,車内用のすべてのキーレス・アンテナを使って,リクエスト信号を発信する。④アドバンスト・キーは,車内アンテナからのリクエスト信号を受信すると,キーレス・レシーバにIDデー

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マツダ

タを送信する。⑤キーレス・レシーバは受信したIDデータをキーレス・コントロール・モジュールに転送する。⑥登録済みのアドバンスト・キーが車内にあるとき,キーレス・コントロール・モジュールはステアリング・ロック・ユニットを解除し,エンジンの始動を許可する。-IDデータ照合できなかった場合(未登録のアドバンスト・キー,アドバンスト・キー電池切れなど),ステアリング・ロック・ユニットのロックは解除せず,コンビネーション・メータ内のキーレス・ワーニング・ライト(赤)を点滅させ,プッシュ・ボタン・スタートが操作不可であることを表示する。

-ステアリング・シャフトからの圧力により,電動ステアリング・ロック・ユニットの解除が失敗すると,コンビネーション・メータ内のブザーが鳴り,電動ステアリング・ロック・インジケータ・ライト(橙)が点灯する。

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マツダ

図Ⅱ-9 エンジン始動作動

⑷ 電源移行

・エンジン・スイッチがACCの状態で1時間以上経過した場合,自動的にエンジン・スイッチOFF状態にする。イ エンジン緊急停止作動(フェイルセーフ機能)

・エンジンを緊急停止させたい場合,以下のようにプッシュ・ボタン・スタート操作することでエンジンを停止できる。ただし,走行中であればエンジン・スイッチはACCに移行し,停車中であればOFFに移行する。-プッシュ・ボタン・スタートを約3秒以上長押し-プッシュ・ボタン・スタートを約1.5秒以内に3回以上押す

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マツダ

ロ バックアップ・モード(MTX車のみ)

・キーレス・コントロール・モジュールが,クラッチ・ペダル・ポジション・スイッチ,又はスタータ・インタ・ロック・スイッチのどちらかが故障したと判定した場合,バックアップ・モードに移行する。・バックアップ・モードになるとコンビネーション・メータ内のキーレス・ワーニング・ライト(赤)が点灯し,プッシュ・ボタン・スタート・インジケータ・ライトが,赤で点滅する。-クラッチ・ペダル・ポジション・スイッチ又は,スタータ・インターロック・スイッチのどちらかがON(クラッチ・ペダルを踏んでいるとき)

-シフト・レバーが,ニュートラル(ニュートラル・スイッチがON)

3 点検・整備

1) アドバンスト・キーの分解(図Ⅱ-10,11,12,13)

①アドバンスト・キーのノブを押し,補助キーを引き出す。

図Ⅱ-10 アドバンスト・キーの分解⑴

②アドバンスト・キーの切り欠き部に保護テープを巻いたマイナス・ドライバを差し込み,ドライバを矢印方向へ回転させアドバンスト・キーを開ける。

図Ⅱ-11 アドバンスト・キーの分解⑵

③マイナス・ドライバを使って裏面カバーを取り外す。

図Ⅱ-12 アドバンスト・キーの分解⑶

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④バッテリ・キャップを取り外す。⑤バッテリを取り外す。

図Ⅱ-13 アドバンスト・キーの分解⑷

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2) 点検・整備

ここでは,以下に示すキーレス・コントロール・モジュール~BCM間通信系統異常及びキーレス・レシーバ系統異常を例として,点検・整備方法を説明する。⑴ キーレス・コントロール・モジュール~BCM間通信系統異常(図Ⅱ-14)

図Ⅱ-14 キーレス・コントロール・モジュール~BCM間通信系統異常

イ 症 状

リクエスト・スイッチ操作によるロック/アンロックが作動しない。プッシュ・ボタン・スタートによるエンジン始動はできる。キーレス・ワーニング・ライト(赤)が点灯する。ロ 原因説明

プッシュ・ボタン・スタートによるエンジン始動はできるため,マツダ・アドバンスト・プッシュ・ボタン・スタート・システムのキーレス・アンテナ⇔キーレス・レシーバ⇔アドバンスト・キーの通信に異常はない。

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そのため,主にキーレス・コントロール・モジュール~BCMの通信系統の不具合が考えられる。ハ 点検方法

・外部診断器を使用しない場合(点検条件:エンジン・スイッチOFF)

手順 点 検 内 容 結果 処  置

以下のすべての操作でロック/アンロックは作動しないか。・運転席,又は助手席のリクエスト・スイッチ操作でロック/アンロック作動。・リフト・ゲートのリクエスト・スイッチでロック作動(5HB)。

YES 手順②へ

NO ロック/アンロック作動がしない系統のリクエスト・スイッチ回路の不具合

② アドバンスト・キー操作によるロック/アンロックは作動しないか。

YES 手順③へNO いずれかのキーレス・アンテナ回路の不具合

③ 運転席ドア・ノブ,又は補助キーによるロック/アンロックは作動するか。

YES 手順④へNO ドア・ロック・アクチュエータ回路の不具合

④ エンジン・スイッチON時,キーレス・ワーニング・ライト(赤)は点灯したままになっているか。

YES 手順⑤へNO キーレス・スイッチ回路の不具合

⑤キーレス・コントロール・モジュールとBCMのコネクタを切離し,キーレス・コントロール・モジュール3X端子~BCM4K端子間の導通はあるか。

YES 手順⑥へ

NO キーレス・コントロール・モジュール3X端子~BCM4K端子間の断線

⑥キーレス・コントロール・モジュール3X端子~BCM4K端子間配線とボデー・アース間に導通がないか。

YES キーレス・コントロール・モジュールとBCM間の通信不良

NO キーレス・コントロール・モジュール3X端子~BCM4K端子間配線のボデー・アースへの短絡

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⑵ キーレス・レシーバ系統異常(図Ⅱ-15)

図Ⅱ-15 キーレス・レシーバ系統異常

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イ 症 状

リクエスト・スイッチ操作によるロック/アンロックが作動しない。プッシュ・ボタン・スタートによるエンジン始動ができない。プッシュ・ボタン・スタートを操作するとマルチ・インフォメーション・ディスプレイに「アドバンスト・キーが見つかりません」が表示される。ロ 原因説明

リクエスト・スイッチ,及びプッシュ・ボタン・スタート操作による機能が共に作動しないため,主にマツダ・アドバンスト・キーレス・エントリ・システムと,マツダ・アドバンスト・プッシュ・ボタン・スタート・システムに共通するキーレス・レシーバ系統の不具合が考えられる。ハ 点検方法

・外部診断器を使用しない場合(点検条件:エンジン・スイッチOFF)

手順 点 検 内 容 結果 処  置

① 補助キーによるエンジン始動はできるか。YES 手順②へNO キーレス・コントロール・モジュールの不具合

② アドバンスト・キー操作によるロック/アンロックは作動しないか。

YES 手順③へNO いずれかのキーレス・アンテナ回路の不具合

③ アドバンスト・キーのいずれかのボタン操作時,アドバンスト・キーの作動表示灯(LED)は点灯するか。

YES 手順⑤へNO 手順④へ

アドバンスト・キーを分解※1し,以下を目視点検する。-電池の挿入方法-電池の種類(CR2025)-電池端子の錆,汚れ,変形-電池端子と電池間の接触異常はないか。

YES アドバンスト・キー,又は電池の不具合

NO ・アドバンスト・キーの電池を正規品(CR2025)と交換・電池端子と電池間の接触不良

⑤ ほかのアドバンスト・キーでも不具合現象が同じか。YES 手順⑥へ

NO 不具合が発生したアドバンスト・キーの不具合,または登録不良

⑥キーレス・コントロール・モジュール3V端子電圧を測定する。-約12Vが表示されるか。

YES 手順⑦へ

NO

キーレス・コントロール・モジュール3V端子~キーレス・レシーバA端子間配線のボデー・アースへの短絡,又はキーレス・コントロール・モジュール,キーレス・レシーバの内部不良

⑦ キーレス・レシーバA端子電圧 を測定する。-約12Vが表示されるか。

YES 手順⑧へ

NO キーレス・コントロール・モジュール3V端子~キーレス・レシーバA端子間の断線

⑧ キーレス・レシーバのコネクタを切離し,車両ハーネス側のE端子とボデー・アース間に導通があるか。

YES 手順⑨へNO キーレス・レシーバE端子~ボデー・アースへ間の断線

⑨キーレス・コントロール・モジュールのコネクタを切離し,キーレス・コントロール・モジュール3W端子~キーレス・レシーバC端子間の導通はあるか。

YES 手順⑩へ

NO キーレス・コントロール・モジュール3W端子~キーレス・レシーバC端子間の断線

⑩キーレス・コントロール・モジュール3W端子~キーレス・レシーバC端子間配線とボデー・アース間に導通がないか。

YES 手順⑪へ

NO キーレス・コントロール・モジュール3W端子~キーレス・レシーバC端子間配線のボデー・アースへの短絡

⑪ キーレス・コントロール・モジュール3AA端子~キーレス・レシーバF端子間の導通はあるか。

YES 手順⑫へ

NO キーレス・コントロール・モジュール3AA端子~キーレス・レシーバF端子間の断線

⑫キーレス・コントロール・モジュール3AA端子~キーレス・レシーバF端子間配線とボデー・アース間に導通がないか。

YES キーレス・コントロール・モジュールとキーレス・レシーバ間の通信不良

NO キーレス・コントロール・モジュール3AA端子~キーレス・レシーバF端子間配線のボデー・アースへの短絡

※1:分解方法は「1」アドバンスト・キーの分解」を参照

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マツダ

参 考

1) ドア・ロック・システム(マツダ・アドバンスト・キーレス・エントリ・アンド・プッシュ・ボタン・スター

ト・システム付き車)電気配線図

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