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1 令和2年8月25日版 新型コロナウイルス感染対策マニュアル (高齢者・障害者福祉施設) Ⅰ.目的 新型コロナウイルス感染症が全国的に広がり,数人から数十人のまとまっ た感染者の発生が確認される「クラスター」とも呼ばれる事例が社会福祉施 設等でも多発しています。 入所施設では,外部からのウイルスの侵入を防ぐよう,感染経路を遮断す ることが重要です。また,一たび感染が発生すると感染が急速に拡大する恐 れがあり,感染者については,原則,医療機関又は宿泊療養施設への入院・ 入所となるが,感染者受入れ先の状況に応じて軽症の感染者は施設内で管理 やケアを継続しなければならない状況も生じてきます。 このため,事前の対策と感染発生時の具体的対応を定めることで,迅速か つ適切に対応できるよう本マニュアルを策定します。 Ⅱ.基本方針 1.「持ち込まない対策」の徹底 外部からのウイルスの侵入を防ぐよう,職員等の健康管理・観察を徹底 し,感染経路を遮断する。 2.「拡げない対策」の徹底 重症・中等症者や無症状者・軽症者でも高齢者・基礎疾患を有する者は, 原則,医療機関で対応することとなる。 ただし,やむを得ず,施設内で管理やケアを継続する場合は,以下(4. 施設内で「拡げない」対策の徹底)のとおり,感染者の健康管理と感染拡 大防止を徹底する。 Ⅲ.入所施設における対応 1.感染予防策の徹底 施設において,感染経路を遮断するためには,ウイルスを「持ち込まない」, 「持ち出さない」,「拡げない」ことが重要です。 そのための基本が,標準予防策(スタンダード・プリコーション)と感染 経路別予防策であり,常日頃から徹底を図っておく。

新型コロナウイルス感染対策マニュアル (高齢者・障害者福祉施 … · 注2:エアロゾル感染(空気中を漂う微粒子を介して感染することを指し,感

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令和2年8月25日版

新型コロナウイルス感染対策マニュアル

(高齢者・障害者福祉施設) Ⅰ.目的 新型コロナウイルス感染症が全国的に広がり,数人から数十人のまとまっ

た感染者の発生が確認される「クラスター」とも呼ばれる事例が社会福祉施

設等でも多発しています。

入所施設では,外部からのウイルスの侵入を防ぐよう,感染経路を遮断す

ることが重要です。また,一たび感染が発生すると感染が急速に拡大する恐

れがあり,感染者については,原則,医療機関又は宿泊療養施設への入院・

入所となるが,感染者受入れ先の状況に応じて軽症の感染者は施設内で管理

やケアを継続しなければならない状況も生じてきます。

このため,事前の対策と感染発生時の具体的対応を定めることで,迅速か

つ適切に対応できるよう本マニュアルを策定します。

Ⅱ.基本方針

1.「持ち込まない対策」の徹底

外部からのウイルスの侵入を防ぐよう,職員等の健康管理・観察を徹底

し,感染経路を遮断する。

2.「拡げない対策」の徹底

重症・中等症者や無症状者・軽症者でも高齢者・基礎疾患を有する者は,

原則,医療機関で対応することとなる。

ただし,やむを得ず,施設内で管理やケアを継続する場合は,以下(4.

施設内で「拡げない」対策の徹底)のとおり,感染者の健康管理と感染拡

大防止を徹底する。

Ⅲ.入所施設における対応 1.感染予防策の徹底

施設において,感染経路を遮断するためには,ウイルスを「持ち込まない」,

「持ち出さない」,「拡げない」ことが重要です。

そのための基本が,標準予防策(スタンダード・プリコーション)と感染

経路別予防策であり,常日頃から徹底を図っておく。

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(参考1)標準予防策(スタンダード・プリコーション)

1985年に米国CDC(国立疾病予防センター)が病院感染対策

ガイドラインとしてユニバーサル・プリコーションを提唱。患者の血

液,体液,分泌物,嘔吐物,排泄物,創傷皮膚,粘膜血液は感染する

危険性があるため,その接触をコントロールすることを目的とする。

その後,1996年に改良した予防策が,スタンダード・プリコー

ションである。具体的には,手洗い,手袋の着用をはじめとして,マス

ク・ゴーグルの使用,エプロン・ガウンの着用と取り扱いやケアに使用

した器具の洗浄・消毒,環境対策,リネンの消毒等がある。

(参考2)感染経路別予防策

注1:新型コロナウイルスに係る感染経路は主に飛沫感染と接触感染。

感染経路 特徴 予防策

空気感染

空中を浮遊している微小飛

沫核により感染する。長時間空

中を浮遊するので広く伝播さ

れる。

・原則として個室管理。(入

院による治療が必要。)

飛沫感染

咳やくしゃみ,会話などの飛

沫粒子で感染がおこるもの。

約 1m の距離内で感染を受け

る。

・職員マスク着用(利用者も

マスク着用)。

・原則は個室管理(同病者の

集団隔離の場合あり)。

・隔離管理困難時はベッド間

隔 2m以上確保し,カーテン

で仕切等により実施。

接触感染

(経口感

染含む)

直接接触(握手や抱きつく)

と間接接触(ドアの握手や階段

の手すり,エレベーターのボタ

ン)を介した感染。

・手洗い励行。

・ケア時は手袋着用,同一者

でも便や創部排膿に触れる

場合は手袋交換。

・汚染物との接触時はガウン

着用。ガウン脱いだ後は衣類

が環境表面や物品に触れな

いよう注意。

・原則は個室管理(同病者の

集団隔離の場合あり)。

血液媒介

感染 病原体に汚染された血液や

体液,分泌物が,針刺し等によ

り体内に入ることにより感染

する。

・利用者が出血,吐血した場

合や,褥瘡ケアなど血液に触

れる処置は手袋やガウン着

用。

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注2:エアロゾル感染(空気中を漂う微粒子を介して感染することを指し,感

染経路として「飛沫感染」と「飛沫核感染」を包含している用語。)

高齢者介護施設における感染対策マニュアル

(平成25年3月)(厚労省研究事業)より抜粋

2.事前準備

感染症予防対策委員会を設置し,利用者及び職員等において感染が確認

された場合を想定し,感染対策マニュアルの見直しや訓練等を行う。

また,委員会の議事録を作成するとともに,委員会で講じられた感染対

策の実施状況を委員が巡回する。

(1) 関係機関等との連携体制の確保

ア 協力医療機関(嘱託医)

施設内で療養する場合は,医師・看護師等の派遣などが必要となる

場合も想定されることから,協力医療機関(嘱託医)等に相談し,医

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療スタッフの体制を検討(可能な限り整備)しておく。

また,協力医療機関(嘱託医)と予め健康管理の方法を定めて,そ

の指示に従って実施する。

なお,職員及び利用者のPCR検査の相談・実施についても確認す

る。

イ 応援職員の確保

職員自らが感染した場合やその家族が感染した場合等により,濃厚

接触者となり自宅待機となる場合などを想定し,欠勤者数を把握する。

併せて,感染者の健康観察や,処遇手順の変更,関係機関への連絡

報告等に伴う業務量の増加に見合う必要人員数を推定し,同法人内で

の応援職員の確保等について必要数と確保策を検討しておく。

(2)防護具等の確保及び感染防止トレーニング(研修含む)の実施

ア 物資の状況の確認

防護具等(サージカルマスク,眼の防護具,長袖ガウン,手袋)及

び消毒液,その他資器材の在庫数を確認の上で,不足資器材等の調達

見込みの状況を把握する。

イ 職員トレーニング・研修の実施

感染防止のため,職員のトレーニングや研修を実施する。

・ 感染対策の基本的知識と対応方法

・ 防護具等の着脱方法の確認

・ 感染者や濃厚接触者に対する介助・支援の実践訓練(感染者数等

に応じた想定訓練も行う)

・ 感染者発生時の移送や消毒の訓練(机上訓練等)

・ 新入職員の研修

(3)施設内ゾーニングのシミュレーション(環境整備・清掃含む)

本マニュアルでは,感染管理を行うためのゾーニングに関して一般的

な原則・注意点等を記載しているが,施設の構造は各事業所によって様々

であることから,各施設の構造等に応じてゾーニングを検討しておく。

(ゾーニング・感染対策チェックリスト(別紙1)参照)

また,共用設備(トイレ・浴室等)・リネンやゴミを保管・処理するス

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ペース・必要に応じて,応援職員等の宿泊用居室・連絡調整等を行う事

務局スペースの確保方法についても検討する。

(4)その他

ア 出入業者(リネン,食事,廃棄物等)への感染発生時の対応確認

委託業者や物品納入業者については,新型コロナウイルス感染が施

設内で発生した場合,通常どおり業務を行えない可能性があるため,

予め対応可能か確認をしておく。

また,対応困難な場合は,代替業者を確保しておく。

なお,物品等の納入については,建物の外で受領するなど,施設内

入室管理の方法についても検討する。

イ 併設施設との情報共有

併設の介護サービス事業所等がある場合には,事業所間の情報共有

を密にしておく。

3.施設内に「持ち込まない」対策の徹底

(1)職員の感染予防対策の徹底(職員が感染源とならないために)

ア 感染防止対策(咳エチケット,手洗い,アルコール消毒等)を徹底

する

出展:日本環境感染学会教育ツール Ver.3.1

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イ 感染リスクを回避する行動をとる

① 不要不急の外出を自粛する(同居家族も含むことが望ましい)。

② 感染リスクの高い場所を避ける(「三密の回避」)。

換気が悪く,人が密に集まって過ごすような空間に,集団で集まる

ことを避ける。また,感染が広がっている地域に出向かないようにす

る。

③ 行動履歴を記録しておく

万一の事態に備え,行動履歴記録票(別紙2)により常時2週間分

の行動履歴(訪問場所・接触者・接触状況等)を記録しておく。

感染リスクの高い場所を訪れるなどの行動があった場合は,施設長

にその旨報告し,必要に応じ記録した行動履歴を提出する。

ウ 健康管理・観察

【健康観察の具体的方法】

① 体温の計測(1日2回以上)

② 職員健康管理票を活用した健康観察

③ 行動履歴の聴取・確認

・ 職員は,各自出勤前に体温計測を行うとともに,職員健康管理票

(別紙3)を活用して健康状態を確認する。

・ 体温計測は,出勤時(入館前)及び退勤時に必ず計測し,職員健

康管理票に記録する。

なお,出勤前(家庭)・勤務中にも体温測定を行うことが望ましい。

・ 施設長(又は上司)は,職員の健康状態を,職員健康管理票を用

いて常時把握する。

・ 発熱等の症状が認められる場合には,施設長に報告のうえ,出勤

を行わない。また,すぐに協力医療機関(嘱託医)等に相談して,

受診する。

・ なお,対象者は,利用者に直接サービスを提供する職員だけでな

く,事務職や送迎を行う職員等,当該事業所のすべての職員やボラ

ンティア等を含む。

(2)委託業者等

・ 委託業者等による物品の受け渡し等は,玄関など施設の限られた場

所で行うようにする

・ やむを得ず施設内に立ち入る場合は,体温を計測してもらい,発熱

等が認められる場合には入館を断る。

注:感染防止対策(咳エチケット,手洗い,アルコール消毒等)を徹底

(3)面会等

・ 家族等に対して流行情報等の注意喚起を行う。

・ 可能な限り,緊急やむを得ない場合を除き,面会は制限する。

・ 面会する場合は,体温を計測してもらい,発熱等が認められる場合

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は面会を断る。

注:感染防止対策(咳エチケット,手洗い,アルコール消毒等)を徹底

(4)新規入所予定者

・ 新規入所予定者については,健康診断を行うほか,入所前の主治医

から診断書等の提出を受ける。

・ 入所前2週間程度の行動履歴を提出してもらう。

(5)予防接種の状況把握

・ 新型コロナウイルス感染症の早期の特定及び重症化予防のため,職

員及び利用者のインフルエンザの予防接種を把握する。

(6)高齢者・障害者福祉施設における通所・短期入所等の利用者

・ 通所者については,送迎車に乗る前に,本人・家族又は職員が本人

の体温を計測し,発熱等が認められる場合には,利用を断る。

過去に発熱が認められる場合にあっては,解熱後 24 時間以上が経過

し,呼吸器症状等が改善するまで同様の取り扱いとする。

なお,このような状況が改善した場合であっても,引き続き当該利

用者の健康状態に留意する。

・ 発熱等により利用を断った利用者については,当該利用者を担当す

る居宅介護支援事業所又は相談支援事業所等に情報提供を行い,訪問

介護等の利用を検討してもらう。

4.施設内で「拡げない」対策の徹底

(1)初期対応(利用者・職員の感染疑い時)

感染の疑いを早期に発見できるよう,管理者が中心となり,毎日の検

温の実施,食事等に際における体調の確認を行うこと等により,日頃か

ら健康状態の変化の有無に注意する。

感染疑い者を発見した場合は,すぐに協力医療機関(嘱託医)に相談

して,受診する。

~~感染疑い者とは~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

※ 新型コロナウイルス感染症を疑う症状 発熱,咳,倦怠感,喉の痛みや違和感,頭痛,筋肉痛,鼻水・鼻づまり,喀痰,吐き

気や嘔吐,下痢,味覚・嗅覚異常の症状が出た場合 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

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https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/53

ア 感染疑い者の個室隔離

・ 感染疑い者については,原則として個室に移す。

・ 個室隔離が困難な場合は,他の利用者との間に2m以上の間隔を

あける,ベッド周囲のカーテンを閉める,衝立等を置くなどにより

飛沫感染予防を徹底する。

・ 感染疑い者がやむを得ず部屋を出る場合には,サージカルマスク

の着用と手指衛生を徹底する。

・ 感染疑い者であることが外見上判別できるよう工夫する。

・ 部屋のドアは閉めておき,可能であれば,窓を開けるなど適宜換

気を行う。

イ 関係機関への連絡

新型コロナウイルス感染症が疑われる症状が出た場合は,速やかに

連絡する。

① 協力医療機関(嘱託医)へ連絡 ② 保健所へ連絡 ③ 県長寿福祉推進課又は障害福祉課及び市町村担当課へ連絡

ウ 発生時点での職員等への周知

① 施設管理者は,発生状況を直ちに職員に周知及び対応を徹底 ② 利用者の家族等への連絡

エ 感染疑い者等の周辺状況の把握

① 感染疑い者と濃厚接触のあった者を特定し,利用者及び職員の接

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触者リストを作成する。 ~濃厚接触者とは~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「濃厚接触者」とは,「患者(確定例)」の感染可能期間(発症2日前から)に接

触した者のうち,次の範囲に該当する者である。

・ 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内・航空機内等を含む)があ

った者

・適切な感染防護無しに患者(確定例)を診察,看護若しくは介護していた者

・患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が

高い者

・その他: 手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で,必要な感

染予防策なしで,「患者(確定例)」と 15 分以上の接触があった者(周辺の環境や

接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

② 感染疑い者及び濃厚接触者の症状・健康状態を確認 ③ 感染疑い者等の動線(行動範囲等)の把握 ④ 施設全体の利用者の健康状態について,棟・フロア・部屋別に把

オ 防護具等の確保及び着脱手順等の再確認

① 防護具等及び消毒液の確保

サージカルマスク,眼の防護具,長袖ガウン,手袋,消毒液につい

て,在庫数と必要数を把握し,不足分を調達する。

② 防護具等の着脱手順を再確認する。

③ 使用済み防護具等の廃棄や清掃方法等を再確認する。

カ 感染予防対策の徹底

① 利用者と職員の手指消毒の徹底

② 感染疑い者の動線(行動範囲)の消毒・清掃

感染疑い者の居室及び当該利用者が利用した共用スペースを消

毒・清掃する。 具体的には,手袋を着用し,アルコールで清拭する。又は,次亜塩

素酸ナトリウム液で清拭後,湿式清掃し,乾燥させる。なお,次亜塩

素酸を含む消毒の噴霧については,吸入すると有害であり,効果が不

確実であることから行わない。トイレのドアノブや取手等は,アルコ

ール等で清拭する。

(2)施設内発生時の運営体制整備等(利用者・職員が陽性判明後)

ア 感染管理 <保健所等に施設内感染対策の指導助言を受ける>

(ア)施設内のゾーニング

感染対策の専門家等の指導・助言のもと,施設の構造,利用者の

特性を考慮した上で,感染管理のためのゾーニングを実施する。

感染している利用者,濃厚接触者及びその他の利用者の食事場所

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や生活空間,トイレ等は分ける。

① レッドゾーン(汚染エリア)

・ 対象者:軽症者・無症状の感染者。重症者・中等症者につい

ては医療機関移送までの間,個室に隔離する。 ・ 感染者を隔離。原則一人部屋とし,感染者はトイレ・入浴・

食事等を含め,エリア外には出ない動線を確保する(非感染者

と分離する)。 ・ 個室隔離が困難な場合は,感染者どうしの接触を極力避ける

ため,他の利用者との間に2m以上の間隔をあける,ベッド周

囲のカーテンを閉める,衝立等を置くなどにより飛沫感染予防

を徹底する。 ② グリーンゾーン(清潔エリア) ・ 対象者:非感染者(通常の生活が可能)

濃厚接触者(感染者に準じて行動制限を行う。) ③ イエロー(グレー)ゾーン ・ 感染エリアの前庭部分。防護具等の着脱やゴミの処分等を行

う。 ・ イエローゾーンの中でも,可能な限り,防護具を着用する場

所(着衣はグリーンゾーン内が望ましい。)と脱ぐ場所を分ける。 ④ その他

・ 職員エリア

職員が滞在する場所と,上記①~③のゾーンとは,別れるよ

うにする。また,入口などの動線も分かれるようにする。

物資の保管場所も,感染者が利用しない場所とする。

・ ゾーニングの見直し

感染者が増加した場合には,保健所又は感染症専門スタッフ

の指導・助言のもとに,ゾーニングを見直す。

共有トイレ

①着用場所:廊下の清潔区域に設定

②脱衣場所:汚染区域の一角に設定

国立国際医療研究センター 具 芳明 先生作成資料一部

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(イ)濃厚接触者の隔離等の取り扱い

① 曝露が少ないと考えられる濃厚接触者は,グリーンゾーン内を区

画分けして,グリーンゾーンの個室へ移すなどの対応を行う。 ② 個室隔離が困難な場合は,濃厚接触者どうしの接触を極力避ける

ため,他の利用者との間に2m以上の間隔をあける,ベッド周囲の

カーテンを閉める,衝立等を置くなどにより飛沫感染予防を徹底す

る。

③ 感染者と一緒の集団行動を繰り返すなどの感染した可能性が極

めて高い利用者は,レッドゾーンに移すなど,他者への感染拡大リ

スクを最小限にする。 (ウ)感染者等への具体的対応

① 感染者の対応については,職員が防護具等を着用して介助等を行

う。

② 濃厚接触者の対応については,職員は使い捨て手袋とマスクを着

用する。介助等を実施する際は,必要に応じて防護具等を着用する。

③ 感染者,濃厚接触者及びその他の利用者の介護等に当たっては,

可能な限り担当職員を分けて行う。夜勤時等,分けることが困難な

場合は,職員の応援を要請する,又は防護具等の着脱を徹底する等,

特段の注意を払う。

応援職員を導入する場合には,事前に防護具の着脱や健康観察に

関する教育を全員実施することが望ましい。

④ 感染者,濃厚接触者やその居室が判別できるように工夫する。

<清掃>

部屋は各自対応を基本とするが,介護等が必要な感染者の場合は,

委託業者又は職員が行う。 ① 共用部分の清掃は,委託業者又は職員が行う。

② 清掃業務を委託し,業者が施設内に立ち入る場合は,体温計測等

の対策を実施する。

③ レッドゾーン及びイエロー(グレー)ゾーンを清掃するときは,

必ず防護具等を着用して行う。

④ 複数の利用者が触れる箇所(ドアノブ,つまみ,スイッチなど)

は,1日2回以上の消毒を徹底する。

<食事>

① 食事は弁当等を用意し各個室で摂る。食器類,コップ等も使い捨

てを用意する。 ② 職員が,防護具等を着用しレッドゾーンに立入,弁当を配布する。 ③ 食事後のゴミ等は,部屋内のゴミ箱の袋にしっかりしばって置き,

時間を決めて回収する。 ④ 外部から食事を調達する場合は,利用者のアレルギー対応に留意

する。 ⑤ 食堂や調理場を使用する場合は,手指消毒,手洗い場などの設置

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及び適切に管理する。 ⑥ 調理員は,出退勤時に手指消毒を行うとともに毎日の健康チェッ

クを実施する。 * 留意事項 食事前には感染者に対し,液体石鹸と流水による手洗い等を実施

する。 <入浴>

① 入浴はシャワー(流水)又は清拭とする。 なお,介助が必要な場合は,原則として清拭とする。

② レッドゾーン内ではシャワーを共用してよいが,ゾーンを超えて

の共有は控える。共有する場合,使用箇所を一人ずつ割り当てし,

シャワーは時間を決めて利用する。 なお,個人専用の浴室で介助がなく入浴できる場合は,入浴を行

ってもよい。その際も,必要な清掃等を行う。 * 留意事項

清拭等で使用したタオル等は熱水洗濯機(80 度 10 分間)で洗浄後

に乾燥を行うか,又は次亜塩素酸ナトリウム液に浸漬後,洗濯,乾

燥を行う。 また,更衣室も清掃を行う。

<トイレ>

① 使用するトイレの空間は分ける。設備が共用の場合,使用箇所を

一人ずつ割り当し,使用する。 ② 複数の利用者が触れる箇所は消毒を徹底する。(次亜塩素酸ナト

リウム溶液又は消毒用アルコール製剤でその都度実施) ③ おむつ交換の際は,排泄物に直接触れないよう配慮するとともに,

おむつは,感染性廃棄物として処理を行う。 ポータブルトイレを利用する場合の介助も同様とする。(使用後

ポータブルトイレは洗浄し,次亜塩素酸ナトリウム液等で処理を行

う。) <嘔吐物>

① 嘔吐物処理の物品一式は,決められた場所に保管し,全職員がす

ぐ使える状態にする。 ② 嘔吐物を処理する際に,サージカルマスク,使い捨て手袋,ガウ

ンを着用する。衣類が汚染した場合は,嘔吐物を取り除いた後,適

切に消毒(塩素剤の使用,熱処理等)する。 ③ 床が汚染した場合は,嘔吐物を取り除いた後,広範囲(半径2m

程度)を消毒する。 ④ 嘔吐があった場合,嘔吐物を処理する職員と利用者を離れた場所

に誘導する職員など役割分担を決めておく。 ⑤ 処理中は換気する。 ⑥ 嘔吐物処理の手技を統一する。

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<リネン・衣類の洗濯等>

① 感染者の私物の洗濯物は職員が防護具等を装着して行う。 ② 交換したリネン類は,委託業者と事前に調整し,廃棄又は適切な

処理を行う。 * 留意事項

熱水洗濯機(80 度 10 分間)で洗浄後に乾燥を行うか,又は次亜塩

素酸ナトリウム液に浸漬後,洗濯,乾燥を行う。 <換気>

① 定期的に部屋の換気を行う。(常時,窓開放が望ましい。)

② また,共有スペースや他の部屋についても窓を開け,換気を実施

する。 <ゴミ>

① 当該施設内や廃棄物処理業者の従業員への感染防止の観点から,

ゴミに直接触れない,ゴミ袋等に入れて封をして排出する,捨てた

後は手を洗う等の感染防止策を実施する。

② 介護老人保健施設,指定介護老人福祉施設,介護療養型医療施設

等「廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令」で定められた施設

において,感染性病原体が含まれる,若しくは付着している廃棄物

又はこれらのおそれのある廃棄物は,感染性廃棄物として処理する

ことになるが,その他の施設においても,慎重な対応として,同施

行令で定める感染性廃棄物に準じた取扱いとすることが望ましい。

イ 健康管理<外部の応援(医師・看護職等(医療機関)の協力を得る)

協力医療機関(嘱託医)や保健所と健康管理の方法を相談し,その

指示に従って実施する。

(ア) 感染者

協力医療機関(嘱託医)に症状等を正確に伝え指示を仰ぐ。また,

定期的に症状について保健所に連絡し,必要な指示を受ける。(症

状に変化があった場合には,速やかに医師に相談すること。新型コ

ロナウイルス感染症の患者は,状態が急変する可能性もあることに

留意する。) ① 健康観察票(感染者)(別紙4)により1日2回以上の体温計

測及びパルスオキシメーターの測定も含め,1日4回の症状観察

を行う。

なお,体温計等の器具は,可能な限り当該利用者専用とする。

普段接している職員による見た目の評価も重要であることか

ら,職員の意見もよく聞く。

② 感染者への支援を行う職員,医療スタッフ,事務職員等の間で,

利用者の状態や支援継続にあたっての留意事項,衛生管理上の留

意事項等を朝夕のミーティングなどを活用し,適宜情報共有する。 (イ) 非感染者

他の利用者についても体温計測を行うほか,発熱等の症状が出た

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場合は,速やかに医師に相談し,PCR検査を実施する。

〇 濃厚接触者

① 感染者との最終接触から14日間は注意深く健康観察票(濃厚

接触者)(別紙5)により観察を行う。なお,健康状態に関して

は,保健所と十分に連絡を取り合う。 ② 介護を行う場合は,レッドゾーンにおける感染者の対応に準じ

て行う。 〇 それ以外の利用者(非感染者)

健康状態の変化等に留意しながら,通常の介護を継続する。

ウ 人員体制の確保

(a) 職員の確保(支援体制)

感染が確認された施設に従事する職員が不足する場合は,当該法

人又は関連法人内の他施設からの応援を基本とし,直接支援する応

援職員を出した施設の応援代替については県社会福祉協議会に調

整派遣を依頼する。 (b) 移送対応

施設所有の自動車で感染者を搬送する場合は,防護具等を着用し,

感染者にマスクを着用させる。 使用した自動車は,感染者の飛沫が飛んだ箇所,触った箇所を中

心に消毒を行う。(施設と同様に次亜塩素酸ナトリウム溶液または,

消毒用アルコール製剤で行う。) (c) その他

・ 新型コロナウイルスを理由とした偏見等が生じないようにするな

ど,職員等の人権に十分配慮する。

・ 職員やその家族等のメンタルケアをサポートする。

エ その他

利用者が医療機関を受診する際は,定期的に受診している慢性疾患

の患者と発熱等の症状がある患者が接触することがないよう空間的・

時間的に分離している場合があるので,あらかじめ医療機関に電話を

かけるなどして受診方法を確認しておく。 なお,慢性疾患の状態によっては,長期処方を求めることも検討す

る。

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【参考事項】

本マニュアルに規定する対応の実施にあたっては,

・「高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版」(平成31年4月15

日付け厚生労働省通知)

https://www.mhlw.go.jp/content/000500646.pdf

・「保育所における感染症対策ガイドライン(2018年改訂版)」(厚生労働

省)

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11900000-Koyoukintoujidoukateikyoku/0000201596.pdf

・「介護老人保健施設等における感染拡大防止のための留意点について」(令和

2年5月4日付け厚生労働省通知)

https://www.mhlw.go.jp/content/000627656.pdf ・「障害者支援施設における新型コロナウイルス感染症発症時の具体的な対応

について」(令和2年5月4日付け厚生労働省通知)

https://www.mhlw.go.jp/content/000627801.pdf

・「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第3版)」

(2020年月5月7日一般社団法人 日本環境感染学会)

http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide3.pdf ・「急性期病院における 新型コロナウイルス感染症アウトブレイクでのゾーニ

ングの考え方」(2020年月7月9日国立国際医療研究センター 国際感染

症センター)

http://dcc.ncgm.go.jp/information/pdf/covid19_zoning_clue.pdf

上記のほか,厚生労働省より発出の新型コロナウイルス感染症の拡大防止に

関する関係通知を参照する。

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別紙1

令和2年5月15日版

●ゾーニング・感染対策チェックリスト

【感染の疑いがある者が発生したとき】

□ 施設内で感染の疑いがある者が発生したときは,すぐに協力医療機関(嘱

託医)等に相談して,受診する。

□ 症状が軽快し,かつPCR検査の結果が出るまでは,感染の疑いがある者

を個室に移動する。基本的に個室が望ましいが,個室がない場合はベッドの

間隔を同室者と社会的距離(ソーシャルディスタンス:2m以上)をあける,

又はベッド間をカーテン(パーティーション等)で仕切る。

□ 感染の疑いがある者の生活行動範囲(トイレ・入浴・食事)を可能な限り

制限する。(例:PCR検査の結果が出る間では,トイレ共有の場合は使用毎

に消毒、清拭または入浴の場合は使用毎に清掃,自室での食事、施設内の壁・

スイッチ等に触れないなど。)

□ 施設内における定期的な換気を実施する。

□ 感染の疑いがある者及び同室者は,サージカルマスクを常時着用し,行動

ごとに手指消毒の指導を徹底する。

□ 同室者は,感染の疑いがある者と社会的距離を保って行動するとともに,

施設内の壁・スイッチ等には触れない。

□ 職員は,感染の疑いがある者を介護する場合,必ず,手袋・サージカルマ

スク等・長そでガウン・眼の防護具(フェイスシールド又はゴーグル)を着

用,原則として 1 回ごとに取り換える。

□ 使用した防護具を着脱する場所は他の場所と明確に分け,未使用の防護具

は,机上に置く。特に,脱ぐ場所は汚染領域となるため,テープやロープで

仕切りをして,他の職員がその領域に誤って立ち入らないようにする。

□ 施設内で感染の疑いがある者が判明したときは,保健所等に連絡し,指示

を仰ぐとともに,ゾーニングを設定する。

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【感染者と判明したとき】

□ 感染者は,個室に移動する。基本的に個室が望ましいが,個室がない場合

はベッドの間隔を同室者と社会的距離(ソーシャルディスタンス:2m以上)

をあける,又はベッド間をカーテン(パーティーション等)で仕切る。

□ 感染者の生活行動範囲(トイレ・入浴・食事)を可能な限り制限する。(例:

トイレの空間は共有しない、清拭または入浴の場合は使用毎に清掃,自室で

の食事、施設内の壁・スイッチ等に触れないなど。)

□ 感染者及び非感染者の部屋の入れ替え,荷物の移動のときは,職員が部屋

等を必ず消毒してから入室する。

□ 複数階層がある施設では上位階,平屋等の施設では奥の部屋から感染者の

部屋とするなど,非感染者との接触防止や感染者の生活の動線を考慮したゾ

ーニングとし,感染者をまとめた区域をレッドゾーンとするのが望ましい。

□ 感染者の生活ゴミは,感染性廃棄物に準じて処理する。一時的なゴミ集積

場をレッドゾーン内に設置する。部屋の中のゴミは,委託業者又は職員が回

収し,ゴミ集積場に密封して保管する。指定曜日を決めて搬出業者がゴミ集

積場に入り運び出す。ゴミ搬出は,職員がレッドゾーンに出入りする動線と

は別とし,ゴミ搬出の動線には非感染者が入らないようにロープ等で仕切る。

□ トイレが共同の場合,施設内にトイレが複数あるときは,レッドゾーンに

近い場所を感染者専用とし,そこまで生活行動ができるようレッドゾーンを

広げる。非感染者用のトイレには,感染者が行かない動線や区分けをしっか

り行う。

□ お風呂が共同の場合は,浴室がレッドゾーン内であれば,感染者専用とし,

非感染者は清拭を基本とする。浴室がグリーンゾーン内であれば,感染者は

清拭を基本とする。

清拭で使用したタオル等は熱水洗濯機(80℃10 分間)で洗浄後,乾燥を行

うか,または,次亜塩素酸ナトリウム液浸漬後,洗濯,乾燥を行う。

□ 清掃は,各自対応を基本とするが,介護等が必要な感染者の場合は,委託

業者又は職員が防護具を着用して行う。感染者が触れる箇所(ドアノブ,つ

まみ,スイッチ等)は1日2回以上の消毒を徹底する。

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□ 食事は,弁当等を用意し,各部屋で摂る。食器類,コップ類も使い捨てを

用意する。

□ 感染者が入居する個室又は同室が決定したとき,今後の感染者の増加を見

込んだ部屋数,共同であればトイレ・入浴を考慮し,レッド・グリーン境界

線を設定し,そのレッドゾーンへの入口に防護具着脱場所のイエロー(グレ

ー)ゾーン)を設置する。

□ イエロー(グレー)ゾーンは,防護服の着脱ができるように,防護服(机

又は壁に箱を貼りつける。床に置かない。),感染性廃棄物用のゴミ袋入りの

ゴミ箱(足で開閉できる蓋付きが望ましい。),消毒液,椅子,机,鏡を用意

して置く。

□ レッドゾーンへの職員用出入口は,施設内1か所とすることが望ましい。

また,出入口は,ドアノブ,エレベーターなどの物に触れて出入りしないよ

うに設定を基本とし,パーティーション等などで,者に触れずに通り抜けで

きるようにする。

□ コロナウイルスは,接触感染, 飛沫感染により感染するため,窓を開ける

などの定期的な施設内の換気を行う。

全館空調の施設の場合,空気の循環があっても感染リスクは低いが,窓の開

閉ができる施設は,定期的に窓を開けて換気を行う。

□ 感染者は,サージカルマスクを着用し,行動あるごとに手指消毒を徹底す

る。

□ 感染者は,感染者どうしの社会的距離を保つとともに,壁等には触れない。

□ 職員は,感染者を介護する場合,必ず,手袋・サージカルマスク等・長そ

でガウン・眼の防護具(フェイスシールド又はゴーグル)を着用,原則とし

て 1 回ごとに取り換える。

□ 使用した防護具を着脱する場所は他の場所と明確に分け,未使用の防護具

は床ではなく,机上に置く。また,特に,脱ぐ場所は汚染領域となるため,

テープやロープで仕切りをし,他の職員がその領域に誤って立ち入らないよ

うにする。

【施設がクラスター化したとき】

□ 感染者の人数を把握し,レッドゾーンを拡大する。

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別紙2

   年  月  日

施設名

氏 名

連絡先

※時間,訪問場所,接触者及び接触状況を記入すること。

行動履歴記録票

行動内容日付

備考

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別紙2【記入例】

   年  月  日

施設名 ○○○○

氏 名 ○○ ○○

連絡先 ○○○-○○○○-○○○○

4月28日 火

4月29日 水

4月30日 木

5月1日 金

5月2日 土

5月3日 日

5月4日 月

5月5日 火

5月6日 水

5月7日 木

5月8日 金

5月9日 土

5月10日 日

5月11日 月

※時間,訪問場所,接触者及び接触状況を記入すること。

行動履歴記録票

日付 行動内容

施設勤務○○:○○~○○:○○ ○○にて,○○会社の○○○○さんと打合せ○○:○○~○○:○○ ○○○にて,○○会社の○○さんと食事

施設勤務

施設勤務

終日自宅

終日自宅

施設勤務○○:○○~○○:○○ ○○にて,○○会社の○○○さんと打合せ

施設勤務

施設勤務

施設勤務

施設勤務○○:○○~○○:○○ ○○宅にて,○○○○さんと話し合い

終日自宅

○○:○○~○○:○○ ○○店に,日常生活用品の買い物

施設勤務

施設勤務

備考・在宅及び外出時常時マスク着用を心掛けている。・毎日体温を測定し,いずれも平熱である。・倦怠感などはなく,健康状態は良好である。

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所属 職員名

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℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃

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℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃

: : : : : : :

℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃

: : : : : : :

℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃

咳 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

喀痰 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

息苦しさ 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

鼻汁・鼻閉 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

咽頭痛 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

嘔気・嘔吐 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

頭痛 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

全身倦怠感 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

筋肉痛 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

下痢 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

味覚障害 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

嗅覚障害 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

呼吸器症状

その他

特記事項

確認者(サイン)

別紙3              職員健康管理票

日付

バイタルサイン測定

出勤前

出勤時(必須)

勤務中

退勤時(必須)

必要時

  味覚・嗅覚障害の症状が出た場合

  ※これまで県内での感染時における症状を勘案し,目安として明示

●以下のいずれかの症状に該当する者は,協力医療機関(嘱託医)に相談してください。

  ・息苦しさ(呼吸困難),強いだるさ(倦怠感),高熱等の強い症状のいずれかがある場合

・発熱,咳,倦怠感,喉の痛みや違和感,頭痛,筋肉痛,鼻水・鼻づまり,喀痰,吐き気や嘔吐,下痢,

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利用者名 部屋番号

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SpO2 ℃ ℃ ℃ ℃

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℃ ℃ ℃ ℃

SpO2 % % % %

: : : :

℃ ℃ ℃ ℃

SpO2 % % % %

顔色が明らかに悪い 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

唇が紫色になっている 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

いつもと違う・様子がおかしい 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

咳やたんがひどくなっている 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

急に息苦しくなった 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

日常生活の中で少し動くと息があがる 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

息が荒くなった・息苦しさがある 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

胸の痛みがある 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

横になれない・座らないと息ができない 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

肩で息をしている・ゼーゼーしている 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

食事が食べられない 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

半日で一度も尿が出ていない 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

その他(鼻水・鼻づまり・のどの痛み・結膜充血・頭痛・関節筋肉痛・けいれん等)

無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

別紙4           健康観察票(感染者)

朝食前

午後

夜間

必要時

特記事項

観察者(サイン)

日付

その他

表情外見

午前中

バイタルサイン測定

【全身倦怠感】起きているのがつらい

【嘔気・嘔吐】嘔吐や吐き気が続いている

【下痢】下痢が続いている(1日3回以上)

意識障害

●ぼんやりしている。(反応が弱い)●もうろうとしている。(返事がない)●脈が飛ぶ、脈のリズムが乱れる感じがする

呼吸器症状

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部屋番号

利用者名

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℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃

SpO2 % % % % % % %

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℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃

SpO2 % % % % % % %

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SpO2 % % % % % % %

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℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃

SpO2 % % % % % % %

: : : : : : :

℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃ ℃

SpO2 % % % % % % %

咳 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

喀痰 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

息苦しさ 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

鼻汁・鼻閉 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

咽頭痛 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

嘔気・嘔吐 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

頭痛 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

全身倦怠感 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

筋肉痛 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

下痢 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

味覚障害 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

嗅覚障害 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有 無 ・ 有

呼吸器症状

その他

食事量の低下

排泄回数の低下

午前中

午後

夜間

必要時

バイタルサイン測定

別紙5                  健康観察票(濃厚接触者)

日付

朝食前

  味覚・嗅覚障害の症状が出た場合(これまで県内での感染時における症状を勘案し,目安として明示)

特記事項

 (※)高齢者、糖尿病、心不全、呼吸器疾患等の基礎疾患がある方や透析を受けている方、免疫抑制剤

   や抗がん剤を用いている方

・発熱,咳,倦怠感,喉の痛みや違和感,頭痛,筋肉痛,鼻水・鼻づまり,喀痰,吐き気や嘔吐,下痢,

●以下のいずれかの症状に該当する者は,協力医療機関(嘱託医)に相談してください。

  ・呼吸困難、倦怠感、高熱等の強い症状のいずれかがある場合

確認者(サイン)

  ・重症化しやすい方(※)で発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状がある場合

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