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情報システム運用管理におけるIT全般統制 管理者特権、特権IDによる操作ログの監査 White Paper エンカレッジ・テクノロジ株式会社

情報システム運用管理におけるIT全般統制 · 2019-02-19 · 情報システム運用管理におけるit全般統制 管理者特権、特権idによる操作ログの監査

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情報システム運用管理におけるIT全般統制 管理者特権、特権IDによる操作ログの監査

White Paper

エンカレッジ・テクノロジ株式会社

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情報システム運用管理におけるIT全般統制 管理者特権、特権IDによる操作ログの監査

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背景

情報漏洩、データ改ざん事故の多発

企業の顧客情報などの重要情報の漏洩や、重要データの改ざん事故は、情報セキュリティ技術の進歩

により、企業外部からの不正アクセスによって実行されるケースは減少傾向にあります。しかし最近では、

企業内部の社員・契約社員が行ってしまった事故が増加傾向にあります。

企業では、これまでにも内部への情報セキュリティ強化策として、認証、データへのアクセス制限・制御、

特定操作の禁止などの方策を駆使して、事故防止の対策を行ってきました。それでも内部からの事故が

増加傾向にあるのは、重要情報を扱う部門で重要情報を直接扱うことのできる管理者特権を持つ社員や

契約社員、システム運用管理部門で社内のシステム全体に対する変更や修正を可能とする特権 ID を付

与された社員や契約社員が存在し、これらの人がシステム操作で誤操作、または不正操作を行うことがあ

るからです。

ひとたび重大な事故を起こしてしまうと、企業にとっては甚大な負のインパクトを被ることから、これらの

事故を防止するための施策を用意することは、これからの企業にとって非常に重要なことになります。

また、このような事故が万が一発生してしまった場合、早期に発生を認知し、すばやく発生原因を特定し、

迅速な対応ができる仕組みの構築も同じように重要です。

法令対策

一方、これらの事故が多発することを鑑みて、法令によって企業行動を律する動きも顕著です。企業は、

これらの法令への対応を講じることも必要となり、企業のシステム運用における点検・監査をしっかり行うこ

とで、法令遵守していかなくてはなりません。

個人情報保護法による企業内で所有している個人情報の取り扱いの厳格化

金融商品取引法や新会社法による内部統制や BCP(事業継続性)に対する取り組みの強化

財務報告書の記載に影響を及ぼすリスクの発見

IT 全般・業務処理統制への対応

外部委託先への統制活動

各種認証(プライバシーマーク、ISO 9000、ISO/IEC 27001)取得のための管理プロセス強化

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ISO/IEC 27001 では、システム操作時の利用者の活動、例外処理及びセキュリティ事象を記録した監

査ログの取得と、将来の調査等に供する一定期間のログの保存を求めています。 (附属書 A 「管理目

的及び管理策」 A.10.10.1)

また、システムの実務管理者及び運用担当者の作業は記録しなければならないとして、システム運用

時のログの取得と標準化された管理手順の遵守のための監視、管理者による作業内容の監査を求めて

います。 (附属書 A「管理目的及び管理策」A.10.10.4)

企業内では、データのオーナー部門を明確化し、オーナー部門以外はデータの修正ができないよう、

職務分掌を明確にする必要があります。 しかし、システム運用管理部門などの管理者特権、特権 ID で

の作業では、データベースの直接修正や、アプリケーションロジックの変更、さらには、その痕跡を消すこ

とすら可能です。データのオーナー部門に修正権限を与えているにもかかわらず、別の部署で修正が十

分に可能ということは、内部統制不十分となります。

多くの企業が監査人から、管理者特権の操作記録の取得と、その管理についての問題が指摘されてい

ます。

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情報システム運用管理におけるIT全般統制 管理者特権、特権IDによる操作ログの監査

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管理者特権、特権 ID でのシステム操作の監査

「背景」で確認したように、管理者特権、特権 ID によるシステムの運用や、管理作業におけるシステム

操作を監査し、間違いなく業務が遂行されていることを監視する必要があります。

システムの管理、運用、実行時のオペレータのある特定の操作を監査するには、

ユーザーID (Who : 誰が)

実行時の時刻 (When : いつ)

端末情報 (Where : どこで、どの端末から、どの機器に)

操作対象 (What : 何に対して)

操作内容 (How : どのような操作を実行したか)

結果 (Result : 実行した結果)

といった操作内容の取得が必要です。

一般的に普及しているテキストログ系のログソリューションは、インベントリの取得と操作ログが同時に取

得できる製品が多く、安価に構築が可能です。しかし、テキストログ系ログソリューションは、ある特定の操

作(ERP やスプレッドシート実行時の操作、クリップボードを利用したコピーペースト時の操作、ブラウザ

を利用した操作、ターミナルサービス実行時の操作)については、システム監査時に必要な正確な情報の

取得ができません。また、テキストログは取得したログを解析する際、ログの行間の操作内容を監査する

人が頭の中でイメージしている為、客観的な証拠とはなりえません。

監査の目的は、システムが正しく運用されているかを確認するためであり、誰でもコンピュータ操作の熟

練度に関係なく客観的に行った操作内容の可視化を行い、適切に監査を行うことが必要なため、テキスト

ログ系ログソリューションでは、内部統制や ISO/IEC 27001 などに十分に対応することが困難です。

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ESS REC による解決策

ESS REC の推奨

このような問題を解決するため、エンカレッジ・テクノロジでは ESS REC / Remote Access Auditor1

による動画像をベースにした監査システムの利用を推奨しています。ESS REC / Remote Access

Auditorは操作ログを動画像で取得するとともに、画面に表示された文字や、キーボードの入力情報、実

行したプロセス、使用した通信ポート、ファイル、USB 機器などの情報も同時に取得しているため、単な

る操作ログではなく、どのような操作を実行したか

この「操作記録」の意義は、

を再現させることができる「操作記録」を提供します。

‘何をしたか’だけではなく、‘何をしなかったか’の証明が可能

また、操作記録(画面表示文字

なことです。

2

ESS REC / Remote Access AuditorはWho(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、What(何に対

して)、に加えて、肝心の

含む)を検索できるため、すべての操作記録を再生する必要はなく、

REC Auditorを用いてチェックすべき操作をピックアップして操作証跡レポートを作成することができます。

しかも操作証跡レポートをクリックするだけで、動画像で操作画面を再生できることから、テキストログの限

界を超えた、システム監査時に必要な正確な情報の取得ができ、一目瞭然で誰にでもわかりやすく操作

内容を点検・監査できます。

How(どのような操作を実行したか)、さらにResult(実行した結果)

ユーザーID (Who : 誰が)

を捉えること

ができます。

実行時の時刻 (When : いつ)

端末情報 (Where : どこで、どの端末から、どの機器に)

操作対象 (What : 何に対して)

操作内容 (How : どのような操作を実行したか)

結果 (Result : 実行した結果)

1 Remote Access Auditor に関するホワイトペーパーは「リモート保守作業の IT 全般統制」をご参照ください。

2 ESS REC / Remote Access Auditor は画面に表示された文字列を検索する機能を提供します。特定の文字列が画面に表示された箇

所を検索するなど、さまざまな利用方法があります。(アプリケーション構造や環境により画面表示文字列を取得できない場合もあります。)

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操作証跡レポートを定期的に点検・監査するほかに、リアルタイムにルール外の操作発生を点検・監査

者に通報することも可能で、瞬時に上記の 6 項目が操作画像の動画を含めて克明に確認できます。これ

によって迅速な対応が可能になります。

ESS REC の基本構成

ESS REC は操作端末にインストールされ、操作端末の操作記録を取得するREC Agentと、記録され

たデータを蓄積保存する REC Server、蓄積された記録データを操作証跡レポートとして生成する REC

Auditor、記録データの点検・監査を行う点検・監査者用の REC Administratorの 4 つのモジュールで

構成されています。

【ESS REC の基本構成】

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ESS REC の動作(操作ログの取得、データの蓄積)

REC Agent は動画像を克明な記録(操作ログ)を取得します。

REC Agent が記録する項目群一覧

ユーザーID (Who : 誰が)

- ログオンしたユーザー ID や実行するアプリケーションのユーザー認証情報を記録

実行時の時刻 (When : いつ)

- ログオンログオフ、プロセスの実行時刻、キーボードの入力、ファイルアクセスなどすべて

オペレーションの時刻を記録

端末情報 (Where : どこで、どの端末から、どの機器に)

- 実行端末の情報(IP Address , MAC Address)、接続先の情報(IP Address , Port)、

使用した USB デバイス情報を記録

操作対象 (What : 何に対して)

- アクセスしたファイルやドライブ情報を記録

操作内容 (How : どのような操作を実行したか)

- 操作内容の動画、マウスの軌跡、入力したコマンドとキーボードの入力情報、画面に表

示された文字、実行したプロセスを記録

結果 (Result : 実行した結果)

- 画面に表示された結果情報を記録

REC Agent は記録した操作ログをメモリ上で暗号化し、暗号化された操作ログを REC Server に暗

号化された状態で送信します。REC Server はデータを受信、復号化することなくデータを保存します。

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ESS REC の動作(レポート作成)

点検・監査者は、REC Auditor で監査が必要なオペレーション(監査ルール)を定義することができま

す。REC Auditor は、保存された操作ログを点検・監査者が定義した監査ルールに基づいて解析、監

査ルールに該当する箇所を抽出し、レポートを作成します。監査ルールとしては、図にあるように「違反行

為」と「監視が必要な操作」というようにレベル分けした操作内容を事前に定義しておくことができます。

ESS REC の動作(点検・監査者による監査)

REC Auditor で作成されたレポートを、点検・監査者が監査が必要な行為を動画像で確認、必要な

場合は処置を実行します。事前定義した違反行為や、監視が必要な操作に符合する操作があれば、レ

ポート上にマーキングされ、この部分をクリックすると、その時点の操作画像が再生され、動画像による点

検・監査ができます。

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点検・監査を必要とする操作や、不正操作の可能性がある操作がリストアップされます。

操作証跡レポートをクリックすると、該当操作が動画像で再生されます。

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ESS REC による特権 ID 操作の点検・監査(システム管理操作統制モデル)

一般的にミッションクリティカルなコンピュータの操作を行う業務では、システムやアプリケーションに対

する操作が適切に行なわれていることを保証するために、作業申請書の提出、作業内容の審査・承認、

作業結果に対する報告書の提出、作業内容の妥当性保証、作業結果の分析を含む多様な業務プロセス

を企業では独自に構築されています。

しかし、オープンシステムへの移行や作業端末のWindows化に伴い、操作手段がGUIに変わるなど

多様化し、作業申請書/報告書の記載内容が正しい範囲で行われていることを証明するための「操作記

録」をテキストログで記録することが困難であることから、作業内容と操作証跡の照合による統制が機能し

ない事実があります。

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ESS REC では、内部統制の仕組みを組み込んだシステム管理業務をモデル化し、システム管理者特

権、特権 ID での「オペレーションの実施結果を記録」する機能、「実施計画と実施結果の差異分析」の支

援機能を提供します。

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ESS REC による特権 ID 操作の点検・監査(違反検知とアクション)

ESS REC は、リアルタイムな監視とアクションが可能です。違反行為に当たる操作を事前定義すること

で、その操作が発生した時点で検知し、点検・監査者に通報することが可能です。この機能で、前述の

『システム管理操作統制モデル』とともに、有事におけるすばやい対応が可能になります。

情報漏洩やデータ改ざん事故が発生した場合、企業の報道発表が大きく遅れることがしばしば見受け

られます。これは、リアルタイムに操作ログ内容を可視化した管理ができておらず、事故発生後しばらく経

ってから気付き、さらには原因特定のための調査、解析に時間がかかってしまったことが原因です。リアル

タイムに違反行為が検知され、適正なアクションがされれば、違反行為はあっても事故を水際で防ぐことも

可能です。

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点検・監査サイクル(PDCA サイクルによる業務改善)

ESS REC の大きな特長として、レポートによって定期的に操作記録を点検・監査すること以外に、過

去の操作記録内容を解析・検討することで、業務フローの変更・改善に繋げることができることが挙げられ

ます。

誤操作を起こしやすい作業部分を抽出し、業務フローに変更改善をかける、複数のオペレータの作業

時間の差異を一連の操作内容とともに分析し、より効率的な操作手順を導き出す、といったことが可能に

なります。また、オペレータの誤操作により、システム障害が発生したケースでも、操作内容、操作手順、

システム応答情報等を実際の操作場面を再現させることにより、迅速な障害復旧と恒久的な誤操作対策

が図れます。

さらに、これらの運用改善提案は、通常多くの企業が書面で提出させていますが、これらの改善内容の

理解を得るために ESS REC が提供する具体的な可視化機能を用いることができます。 これにより、社

内における改善内容の理解が高まり、その評価や具体的な実施がスピーディーにできるようになるため、

多くのお客様が業務効率と作業品質の向上を実感されています。

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【エンカレッジ・テクノロジ株式会社について】

エンカレッジ・テクノロジは、ネットワークを中核としたコンピュータ、およびコンピュータ機器やデジタル情

報機器への依存がますます浸透する社会において、より健全な IT インフラストラクチャマネージメントとし

て、その確実性、正確性、永続性を保証する仕組みと機能を提供することを通し、社会の発展に貢献す

ることを目的としております。

エンカレッジ・テクノロジは、2002 年 11 月に設立され、同年 12 月に複雑なコンピュータシステムの維持

管理業務を最適化する製品として、統合運用プロセス監視システム ESS(Encourage Super Station)を

リリースいたしました。 また、内部統制/内部情報漏洩対策製品として 2004 年 8 月に ESS REC をリリー

スしております。

今後もお客様、パートナー様の目線での製品開発ならびに技術サポート、コンサルティングを提供して

まいります

TEL. 03-5623-2622

URL: http://www.et-x.jp/

* 文中に記載されている会社名、商品・サービス名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。

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情報システム運用管理におけるIT全般統制 管理者特権、特権IDによる操作ログの監査

第 2版 2010年 1月 4日

エンカレッジ・テクノロジ株式会社

〒103-0007 東京都中央区日本橋浜町 3-3-2

トルナーレ日本橋浜町 7F

URL : http://www.et-x.jp/

Phone : 03-5623-2622

Fax : 03-3660-5822

* 文中に記載されている会社名、商品・サービス名は、それぞれ各社の商標または登録商標です。