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Hitotsubashi University Repository Title Author(s) �, Citation �, 93(2): 169-188 Issue Date 1985-02-01 Type Departmental Bulletin Paper Text Version publisher URL http://doi.org/10.15057/12922 Right

カルテルの違法性判断と対市場効果 URL Right - …...カ〃テルの違法性判断と対市場効果 平 川 幸 彦 (5ア) カルテルの違法性判断と対市場効果

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Hitotsubashi University Repository

Title カルテルの違法性判断と対市場効果

Author(s) 平川, 幸彦

Citation 一橋論叢, 93(2): 169-188

Issue Date 1985-02-01

Type Departmental Bulletin Paper

Text Version publisher

URL http://doi.org/10.15057/12922

Right

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カ〃テルの違法性判断と対市場効果

川  幸  彦

(5ア) カルテルの違法性判断と対市場効果

1 序

 独占禁止法二条六項はカルテルの対市場効果の要件と

して競争制隈の「実質性」を要求する。これに対して西

ドイツ競争制限禁止法(ΩO器旨零Oq昌峯9ま署實9げO-

竃巨叫一岸昌oq9以下GWB)一条一項はそのような限定

を有していない。「市場関係に影響を及ぼす蓋然性(雲㎝-

….、一〇貝)」で十分であるとする。ではかかる対市場効果の

画定の方向は何か。市場支配カの形成を規制するという

視点は導入され、具体化されうるのか。そもそも対市場

効果の右要件はカルテルの違法性判断においていかなる

位置を占めているのか。これらが本稿で検討されるべき

課題である。

 考察の出発点はGWBカルテル禁止原則の明確化に求

められる。けだし従来のカルテル法理の研究においては、

当原則がその中心をなす一条と二五条一項との相互関係

において十分に検討されてきたとはいえないからである。

 なお本稿は競争政策の観点からGWBの競争制隈概念

           ^1)

を評価する試みの一環である。

皿 カルテルの違法性判断

 Lカルテル禁止原則

 競争制限の形態とその法的な取り扱いという視点から、

GWBに規定されている競争制限は通常、「状態による

(庄自、〇一一N。ω鼻、一〇)」競争制限と「措置による(ま邑一

               ^2)

巨昌、、、一、目Φ)」競争制限に分類される。前者は市場構造

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一橋論叢第93巻第2号(58)

が競争制限的であることに係り、原則として濫用規制に

                {3)

服する(濫用主義一婁書量=o冨窄巨じ勺)。市場支配(二

二条)や中小規模の競争者に優越する市場カ(三七、条

        ^4)

三項)がこれに属する。後者は事業者の競争制限的行動

に係り、原則として禁止される(禁止主義、く。、σ。十、、.

 ?一              ?一

ユ冒号)。カルテルはこの類型に属している。

 事業者間の競争制限契約あるいは決議という形態をと

ったカルテルは、GWB一条一項によってその私法上の

      ^フ〕

効力を奪われる。無効を無視して契約や決議が実施され

た場合、法は秩序違瓦として過料の制裁(三八条一項一

号、同条四項)でもって威嚇し、さらに差止(三七、条

一項)を用意する。かかる規定は当該契約や決議の実施

        ^呂)

禁止を意味している。また契約や決議ではなく相互協調

行為という形式をとったカルテルは二五条一項によって

禁じられる。禁止への違反は一条一項の場合と同じく秩

序違反としての過料の賦課(三八条一項八号、同条四

項)並びに差止(三七a条二項)をもって対処される。

なおカルテルヘの教唆、強制は二五条二項によって禁止

され、禁止への違反はカルテルヘの勧奨とともに秩序違

反を構成し(それぞれ三八条一項八号、洞項一〇、一一

号)、過料の制裁(三八条四項)およぴ差止(三七a条

二項、。但し三八条一項一〇号の場合を除く)を用意され

る。カルテルの禁止が教唆、強制、勧奨という手段によ

                 ^9〕

って潜脱されることを防止する趣旨である。

 以上のカルテル禁止原則にとって大きな問題は一条と

二五条一項の相互関係である。どちらが当原則の中心に

置かれるべきなのか。

 GWBの法体系上の相互関係を重視する立場からは一

           ^10〕

条がより基本的な規定となる。この見解は二五条一項が

相互協調行為という形式による一条の潜脱をその要件と

       ^11)

している点に着目し、一条を第一次禁止規定(唱巨箒g

<曾げo汁)、二五条一項を第二次禁止規定(血。岸目目轟、g

            ^”)

<①}o汁)と位置づけるのである。従ってカルテルに関す

る二五条一項の違法性判断は、もしも当該相互協調行為

が契約による拘束の対象とされた場合、一条によって無

                  ^o)

効とされうるか否かの検討ということになる。一条の個

々の要件はカルテル契約というフィルターを通して、水

平的な相互協調行為の要件として二五条一項の相互協調

            ^“)

行為概念の中に書き込まれる。

 カルテル禁止政策を選択した立法者の意思を重視する

170

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(59) カルテルの違法性判断と対市場効果

立場からは二五条一項がカルテル禁止原則の中心に置か

       ^”)

れるべきこととなる。この見解はすでに一条と三八条一

項一号の中に水平的相互協調行為の禁止すなわちカルテ

ルそれ自体の禁止原則が規定されているとするのである

が、一九七三年の第二次改正によってGWBの中に相互

協調行為を禁ずる現行二五条一項が導入されるに至った

以上、カルテル禁止を契約という形態と結ぴつけて考え

ることはもはや明らかに意味がなくなったとするのであ

^帖)る

。この態度はヨーロソパ経済共同体(以下EWG)設

立条約八五条一項が協定、決議とともに相互協調行為を

掲げ、カルテルをも他の事業者間の競争制限行動と同じ

                    ^〃)

く一様に禁じているのと軌を一にするものである。

 一条は二五条一項にいう相互協調行為の一つの形態、

すなわち契約や決議を手段とする水平的な相互協調行為

        ^蝸〕

をとらえるにすぎない。一条の意義は、二五条一項の特

別規定としてカルテル契約や決議に無効の制裁を付与す

           ^19)

る点に求められることになる。一条のカルテル契約は二

五条一項において前提とされはしない。一条との法体系

上の連結点は梱互協調行為に求められる。水平的相互協

調行為であるカルテルはその相互協調行為のゆえに禁じ

られるのであって、相互協調行為に替えて契約という形

態をとりうるがゆえに禁じられるのではない。一条に規

定されている個々の要件は契約というフィルターを通す

ことなく水平的な相互協調行為の要件としてそのまま二

                    ^20〕

五条一項の相互協調行為概念の中に刻み込まれる。一条

の要件へのかかる連結の中に二五条一項とEWG設立条

約八五条一項との基本的相違が見い出されることになる。

 右の考察からすでに明らかなように、一条はGWBの

カルテル禁止原則においていまだその存在意義を失って

                      ^21)

はいない。「契約上の真正な含意の証明を前提としない」

としてカルテルの立証を緩和すべく導入された二五条一

項は、カルテル禁止原則を契約概念のドグマティークか

ら確かに一応解放し、一条の実際上、理論上の意義を大

きく減殺した。しかし二五条一項がその文言において一

条の適用領域を拡大する形で規定されているという法体

系上の視点においては、逆に一条の個々の要件の重要性

を確認する結果となったのである。加えて二五条一項は

協調それ自体の立証の困難性のゆえに、実務においてほ

           ^22〕

とんど適用されてこなかった。カルテル禁止原則は二五

条一項導入後も一条を中心に展開してきたのである。G

171

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一橘論叢 第93巻 第2号(60)

WBのカルテル法理もかかる認識の下にその発展が位置

づけられ評価されねぱならない。

 2.カルテル法理の展開

 GWB一条一項はカルテルを、契約あるいは決議(以

下「契約」で総称)という形式をとった事業者間の競争

行動の拘束と、生産または市場関係への影響(以下「対

市場効果」で総称)という二つの大きな要素から構成し

ている。契約による事業者間の競争制限が原因となって

当該契約が対市場効果という結果をもたらす藍然性

(ヨo阜昌素)を有する隈り、かかる契約を私法上、無効

            売)

(昌ξ}墨∋)とするのである。

 カルテル法理は一条申心説にいうカルテル禁止原則に

依拠して展開してきた。中心となった間題はカルテル契

約の下に競争制隈を捕捉し、これに無効という法偉効果

を賦与すること、一条の文言に則していえぱ「競争を制

限することによって」という要件の「契約」への帰属間

   ^洲)

題であった。

 通説であった対象理論(9oq窒黒竃ま艘8ユ①)は、競

争制限は共通の目的によって締結される契約の償務法上

                  ^妬〕

の内容(「対象」)でなければならないという。これに対

して結果理論(勺o膏匡・8ま)は競争制隈効果をもたら

す蓋然性を有する隈りで当該契約は一条のカルテル契約

    ^26)

となるとする。従って対象理論にいう競争制隈とは、契

約によって事業者間の競争行動が拘東されること、すな

わち契約によるIu〔彗号o鼻教援のいう-「形式的

  ^27〕

競争制隈」(h9昌巴Oミ9εOξO『σ昏OωO~箒冒Oq彗)で十

分であるのに対し、結果理論においては契約による事業

者間の拘東は形式的競争制隈さえその対象とする必要は

なく、対市場効果との係りにおいてのみ競争制隈的性格

        ^㎎〕

を獲得するにすぎない。結果理論は契約による事業者間

の拘束ではなく、第三者  契約参加者以外の事業者や

消費者ーへの競争制隈効果を決定的に璽視するのであ

^29)

る。

 問題は寡占という現実の経済状況であった。寡占市揚

における市場支配カを捕捉するため、一条の解釈は対象

理論から離脱しなけれぱならなかったのである。確・かに

対象理論はカルテルを組合契約(氏法七〇五条)と構成

する点において、一九二三年公布されたカルテル規制令

(宍害置~彗oa昌奏)以来のカルテル概念の歴史的展

                       ^30〕

開を踏まえており、法的安定性の要講を非常によく満す。

271

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(6ユ) カルテルの違法性判断と対市場効果

しかし市場情報を情報受託機関に通知し、その受託機関

が当該組織構成事業者からの個々の照会に対し、個別取

引の詳細を取引の当事者の名前とともに知らせるという、

同一性確認のための市場情報組織(a實彗ま・昌O窃OP

○冨;辻。冨昌霧峯胃ζ,{昌自崖叶一昌竃實匡旨昌)や、当該

機関構成事業者が共同販売所に対して商品引き渡し義務

を負わないという不完全共同販売所(↓o易o{邑豪津)

の事例において、具体的な個々の競争制眼効果をとらえ

         ^珊)

ることはできなかった。競争制隈効果と契約とを結ぴ合

           ^㏄)

せる糸は細すぎたのである。市場傭報組織は市場の透明

性(峯串、ζ叶、串目ω逼冨旨)を高める。市場の透明性の上昇

は製品の等質化や価椿の斉一化をもたらす可能性を生ぜ

                 ^珊〕

しめ、協調的な寡上]を作り出す原因となる。しかし当該

組織がたとえ契約により創設、されたとしても、市場情

報の交換が結果的に競争制隈効果をもたらすことを評価

して、これを当該組織構成事業者の共通の目的でありか

つ契約内容をなす競争制限義務と見ることはできない。

塑言すれぱ情報交換の結果協調的行動をとり、製品の等

質化や価格の斉一化をもたらすことは、契約によって定

                ^胸)

められた法偉上の義務ではないのである。また当該組織

が寡占的相互依存性のカを借りて契約を締結することな

く創設された場含、対象理論は全く無カとなってしまう。

不完全共同販売所の事例もまた同様である。共同販売所

への商晶の集中は引き渡し義務なくとも寡占的相互依存

性を利用して容易に達成され、対象理諭は全くなす術が

ない。

 個々の競争制隈効果を重視する結果理論は右の事例を

とらえることができる。しかしむしろ問題は競争制隈効

                      ^班〕

果と契約とを結ぴ合せる糸が太すぎるところにあった。

結果理論の極端な適用においては事業者のほとんどすぺ

ての共同行為が捕捉される危険性があり、競争政策上適

   轟)

切でない。また例えぱ、多占市場で創設されたがゆえに

競争促進的と評価されうる同一性確認のための市場情報

組織が、その後市場構造が寡古となったがゆえに競争制

限と評価されねぱならない場合のように、変転する市場

関係のいずれの時点において判断を下すかにより無効か

       茅〕

否かの評価が分れる。まず第一に契約と競争制限効果と

の因果関係が整序され、法的安定性が維持されなけれぱ

        ^珊〕

ならなかったのである。

 一条中心説にとつてもはや解決の方向は明白であった。 閉

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一橋論叢第93巻第2号(62)

事業者間の競争行動の拘東から対市場効果の要件に違法

性判断の重点を移動させつつ第三者への個々の競争制限

効果を契約に帰属させること、墾言すれぱまず第一に対

市場効果の「董然性」を検討すること、これこそが新た

            ^39)

な問題とならねぱならなかった。解決の具体的な指針は、

一方で競争制隈効果と契約との因果関係の隈定を強調す

る方向において、他方で競争制限効果の契約参加者への

帰責を強調する方向において与えられることになった。

 前者は主として次のように行われた。競争制隈効果を

惹起する具体的な董然性が一般的、類型的に見て存する

  ^柵)

か否か。この見解は「客観的に限定された結果理論

(9冨090ζ~9轟霧9H腎ζO句O済O艘8、一。)」と呼ばれ

^41)

る。             .

 後者を強調する見解は目的理論(N葦鼻艘8ま)ある

                       ^㎎〕

いは信義則領域理論(宇芒監邑o穿艘8ま)と呼ぱれる。

この見解によれぱ一条によって捕捉される競争制限は次

        ^柵)

のように分けられる。

 川契約の構成要素としての共通の目的となっていると

は隈らないが、契約内容すなわち契約の対象である場合。

 倒契約の構成要素としての共通の目的にも契約内容に

もなっておらず契約参加者も競争制限につき何ら認識し

ていないが、契約を有効であると仮定した場合に契約参

加者が信義則(民法二四二条)によって当該競争制限の

発見を義務づけられるという意味で契約の信義則領域に

合まれる場合。

 ㈹契約の内容にも信義則領域にも属しないが契約の動

機として契約外の共通の目的となっている場含。

 ωにおいては競争制隈が契約という法律行為の構成要

素であるという点において対象理論の枠組みが維持され

ている。しかし②においては競争制隈は契約に含まれは

するものの法律行為の構成要素として契約の内容をなす

には至っておらず、㈹においては競争制限は契約に金く

含まれない。②、㈹における競争制隈とはもはや契約に

よる事業者間の競争行動の拘束ではなく、個々の競争制

限効果である。基本的枠組みはすでに結果理論へと移行

している。

 実務の動向を決定づけたのは連邦通常裁判所(以下B

GH)のNo昌竃?o鼻彗沫閉益一-①Z}&。、蜆曽。冨。目(以下Z

    ^糾〕

VN)決定である。BGHはいまだ一条をめぐる学説の

対立について明確な態度をとってはいないものの本決定

471

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(63) カルテルの違法性判断と対市場効果

において、寡占市場における市場支配力把握のため少く

                 ^帖〕

ともその結論において目的理論に歩み寄る。目的理論へ

大きく傾斜している前審のベルリン高等裁判所の判断を

支持しつつ契約の目的としての合意に注目し、「法律行

為の内容に従えぱ目的とされる縞果についての合意」

(U庁 向ヲ耐冒目σq 皇U睾 9目o目 目昌} ρo目 ■ま巴け qε

内、o巨晶窃o冨茅σo量8ζ而目厚{o釘)は契約による拘束

                 ^郁)

の対象とされなくともよいとするのである。

                  ^仰)

 二五条一項中心説は法的安定性を重視する。この見解

によれぱ二五条一項において選択されるのは、禁止に向

けられた対象理論(5烏彗<胃σ〇一〇ま鼻一睾豆Ω晶昌-

        ^朝〕

m叶彗象ま8、一。)である。カルテルは水平的相互協調行為

という形態における競争制限を協調の対象とするがゆえ

    ^仰)

に禁じられる。その行動の協調が契約において明示され

ているか、当事者の目的として契約の根底に存するか、

あるいはまた契約締結後生じたものであるのかはカルテ

                   ^50〕

ルの禁止それ自体については何ら考慮されない。一条に

よってカルテルに無効の法律効果を賦与すべきか否かと

いう間題はカルテル禁止の制裁に係るカルテル内部の問

題にすぎない。二五条一項申心説においては一条中心説

に見られたような競争制隈の契約への帰属閲魑はカルテ

               ^帥)

ル禁止とは次元を異にするのである。

 カルテルの対市場効果は二五条一項中心説においても

重視される。カルテルの禁止においては右の,ことく協調

参加者間の競争制隈が間魎とされるものの、競争制隈の

                  (駆)

決定的な徴表は第三者への影響に求められる。カルテル

は協調参加者以外の第三者に競争制隈効果を及ぼすゆえ

         ^53〕

に禁じられるのである。

 対市場効果の蓋然性の要件は右の競争制隈の要件の中

    ^“)

に含まれる。蓋然性それ自休は市場に係る協調のみが競

                ^聖

争制隈となりうることを示すにすぎない。蓋然性のメル

クマールは事後の予測の問題として競争制眼効果の検討

     ^肪)

の一部をなし、その判断は「客観的に隈定された結果理

論」を圭張する望胃に依拠して一般的、典型的に行わ

      ^研〕

れることになる。

 以上の考察・から明らかなように、今やGWBカルテル

法理は、契約当事者間の競争行動の拘束から競争制隈効

果へという違法性判断の重点の移動の中で議論を展開さ

せつつある。では一条の対市場効果の要件の画定方向は

何か。

571

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一橋論叢 第93巻 第2号(64)

皿 対市場効果の画定

 1.実務の動向

 BGHは当初一条の対市場効果の要件を何ら具体化し

       一珊)              壼一

ようとはしなかった。しかし一九六二年の㎝勺>射判決

によって次の原則が確立され、以後の実務の展開に大き

            (60〕

な影響を与えることになった。

「市場関係という概念からは当該契約のこの関係に及ぼす影

響が一定の最低範囲を越えなければならないという結論を導

くことはできない。むしろ市場参加者の行動に対し一般的な

経済的経験から見て知覚可能な({旨σ胃)影饗が認められれ

ぱ、GWB一条のいう市場関係に影響を及ぽす蓋然性ありと

いえるのである、いずれにせよ市場への影響の単に理論上考

えられるにすぎない藍然性では十分ではない。」

                  ^ω〕

 本判旨に対しては二つの疑間が提起される。まず、第

一番目の文章と第二番目の文章の後半とは矛盾しないか。

前者はカルテルの対市場効果の量的な最低基準を全く否

定し、逆に後者はそれを肯定しているようにも見える。

次に第二番目の文章はω呈『σ胃という文言によって具

体的に何を意味しているのか。

 第一番目の文章の否定と毛旨σ弩という概念の具体

              ^醜)

化は一九六六年のらぎぎ・決定の後、一九七六年の

      ^63〕

寄まoqσg昌判決において明確となる。対市場効果の画

定について、市場支配カ形成の規制という視点が導入さ

れるのである。

 ヨ,ぎH決定は当該協定が毛葦げ胃な対市場効果を

有するか否かにつき、一方で個々の事例における総合的

判断を強調しつつ、他方でその総合的判断は買い手の選

択の自由の減殺を重視して行われるべきだと判示する。

すなわち「㎝忌昏胃な影響が認められるか否かはいずれ

にせよ常に個々の事例において観察されうるあらゆる状

況を注意深く検討してはじめて認定されうる」としつつ、

結局は「買い手が実質上同様な性質を有する他の讐㎜に

困難なく(O巨Oω昌三〇晶ぎま目)乗り換えうる」か否か

が総合的判断の標的とされたのである。しかし本決定の

問題点はまさしくこの「困難なく棄り換えうる」という

文言の中にあった。BGHはクリンカータイルが非常に

運賃がかさむという特殊性を有しているため市場が北西

176

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(65) カルテルの違法性判断と対市場効果

ドイツ地域に隈定されるとし、当該市場におけるクリン

カータイルの利用目的、価格状態などの質的検討と、カ

ルテル参加事業者数という量的な検討を考慮する。けれ

どもω勺>カ判決の第一番目の文章をその判旨において

繰り返しながら他方で対市場効果の、量的な検討を考慮

することは明らかに矛盾しているといわざるをえなかっ

た一榊一

 前述のZVN決定後に出された黒『蔚σ9昌判決はま

ず一条の違法性判断の重点が契約当事者間の行動の自由

の拘束にあるのではなく、その対市場効果にあることを

    ^肇

明確にした。依拠するのは競争の自由というGWBの客

観的な法目的の実現であり、カルテル契約参加者以外の

第三者が活動可能性や選択可能性を現実に有しているか

     ^“〕

否かであつた。競争の自由を重視した対市場効果のかか

る目的解釈は、同様の目的解釈によって一条の契約は拘

束効果を伴わない法律行為上の合意でよいとしたZVN

      ^研〕

決定の補完であり、また論理必然的な帰結でもあった。

 、菖、σ印、な対市場効果については個々の事例の総合的

判断に関する宍=ヨざ『決定の右文言をそのまま繰り返

し、市揚参加者の経済活動の可能性や選択可能性が目に

 つく程度に(目。、雲。})侵害されるか否か、第三者が過

度の困難なく(。巨①言く堅曇巨ω昌竃{O司①ω昌皇邑Oq訂一・

一。自)他の供給者や需要者に取引を変更しうるか否かを

強調する。さらにかかるω呂}弩な対市場効果が実際

に生じたことを立証する必要はないものの契約がそのよ

うな対市場効果を生ぜしめうるという呉体的な事実認定

を要求している。本判決の強調する事実認定とは市場の

地理的、事物的な画定を前提に、市場参加者の市場占拠

率、市場構造の確定という藷基準であ一、檀毫覧判

決の第一番目の文章は実質上否定されたので糺雛。

 右のようにBGHの判例実務においては市場支配カの

形成を規制するという視点が対市場効果の画定について

も導入されることになった。それは当事者間の競争制限

から対市場効果へというカルテルの違法性判断の重点の

移動の中でGWBの立法目的、競争政策との調和を保つ

                ^柵)

ための一つの解答であったともいえようパ

 一方連邦経済省はカルテルの対市場効果の問題に対し

立法的解決を用意することになった。一九六八年の同省

のGWB第二次改正草案において一a条の導入を企図し、

「非実質的な」(冒奏ω彗;〇一一)対市場効果を与えること

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一橋論叢 第93巻 第2号 (66)

となるにすぎない影響軽徴なカルテル(}晶津。亭里、け。二)

を一条から適用除外することによって中小企業の協同を

          ^n)

促進しようとしたのである。

 中小企業の協同の促進という競争政策はすでに以前か

らGWBに導入され実施されてきていた。カルテル庁は

同省によって一九六三年に公表された協同のためのガイ

        ^召                 、、

ドライン「協同手引書」 (宍OO電量ぎ易穿。一)に沿し

                     ^乃〕

対象理論の枠の中で中小企業の協同を促進してきた。ま

た一九六五年のGWB第一次改正では専門化カルテルの

適用除外が中小企業に対して緩和されるべく、合理化カ

ルテルの適用除外規定(五条二項)とは分離して五乱条

で規定され、さらに許可カルテルから異議カルテル

                  ^む

(ミ昌胃{;o臣一・彗置一)へ移されたのである。それにも

かかわらず対象理論という一条の解釈や五、条を通して

ではなく、個々の事例における確実性を確保するためさ

らに団晶呉①冒胃叶o=の一般的な適用除外によって中小

企業の協同の促進が試みられたのは一九六七年の経済政

策の転換、その後の競争政策の明瞭な転換を背景に協同

促進政策が中小企業について新たに強い支持を得たから

         売〕

だといってよいだろう。新しい競争政策の中核となった

宍彗s昌訂旨の有効競争概念にとっては中小企業の協

同の促進は、最適な競争強度を確保する「広い寡占」

(蓋まωO蒜毛〇一)創出のための不可欠な手段の一つで

糺㎎・かかる協同政策観からすると一条の対市場効果の

要件が実務において重視されてきたとはとうてい考えら

れなかっ一池。カルテル庁も裁判所も一九六二年のBGH、

ω勺>勾判決の叩呈}胃の基準を十分に活用せず、たと

え影響軽微な事例であつたとしても実際には協定当事者

間において経済行動の自由が契約上拘東されていればよ

いと一条を理解してきたので、中小企業の協同の促進に

               ^柵)

とって大きな障害だとされたのである。

 田晶算o豪胃置一を一条から適用除外するという試みは、

一九七三年GWB第二次改正において一条から中小企業

カルテルを適用除外する五b条の新設となって実現する

ことになった。五b条は競争制隈効果の非実質性ととも

に合理化を対象とすること、中小企業の業綴能カを促進

することを要件として掲げ、一a条に対する疑念を弱め

るとともにその競争政策上の意図を明確にしている。

 五b条の導入後、連邦経済省は一九七六年に協同手引

書を改定し、BGH,ZVN決定の採用する目的理論の

871

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(67) カルテルの違法性判断と対市場効果

枠内で協同を促進することを明示しながら、ω呂}彗の

基準が量的、質的に具体化される必要のあることを指摘

 ^η〕

する。加えて一九七八年にはカルテル禁止によって捕捉

されない協同の余地の解釈、特にω呂・σ胃の領域の解

釈についての行政上の原則をGWB五〇条に基き明確に

                      ^呂o)

するよう連邦ヵルテル庁に一般的な指示を行っている。

 連邦カルテル庁は右の一般的指示に応えて一九八O年

に田串oq津。=斥凹、ド。=に関する告示を発表する。同庁は従

来からカルテルの対市場効果の問題を一方で実体法上の

問題とし、ω呂}胃の基準を具体化する方向を示唆しな

 ^酬)が

ら、他方において手続法上の問題として沌処理すると

いういわゆる「複線化路線」(N美①一{昌掃ぎ6を採って

  ^醜〕

きたが、右告示は基本的には後者の立場を維持しかつ強

化するものである。すなわち告示は手続法上の見地に立

ち、秩序違反法(Ω99・旨雪Oa昌目oqωミδユ腎筆彗)

四七条一項、GWB三七a条の裁量の枠内で同庁が今後

とも一条、二五条一項違反による訴追や差止をしない方

針である5晶呉o旨領域を具体化するものだったのであ

箏 すでに連邦経済省の協同促進政策に支持を与えていた

連邦カルテル庁はさらにBGHの茅三等9冨判決の強

                  ^幽)

い影瑠をも受けて田晶牡①=領域を形成する。告示にお

いて最初に挙げられたのは、業綬を向上させる企業間協

カであること、法的経済的に独立している中小企業の、こ

く一部しか参加していないこと、参加企業の市場占拠率

が合せて五%を超えないことという三要件であり、さら

に、これに価格協定、割り当て協定、市場分割協定、入

札への応募に係る協定は業綬を向上させる企業間協カの

手段とは認められないとの一般的な基準が付加されてい

るが、個々の事例の検討.もまた強調されたのである。

 まず関連市場の画定においては同庁が実務において確

                  ^舶〕

立した原則、特に地理的部分市場に係る原則が前提とさ

れる。かかる関連市場において右三要件の存在にもかか

わらず例外的に本法の措置が要講されると審決部が確信

するに至った場合、原則として三七a条による差止だけ

が許される。そのような例外的な場合として挙げられて

いるのは、競争制限によって他の競争者の競争上の地位

が非実質的に(冒毒眈昌;争)悪化せしめられるのでは

ない場合、あるいは供給者や需要者の市場における取引

条件の悪化が予期されうる場合である。また協同参加事

971

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一橘諭叢 第93巻 第2号 (68)

業者の依頼により同庁は全く非公式に協同計画を審査す

る。そして必要とあれぱ協同計画に関する、特に販売高、

市場における地位に関する十分な報告を行う者に対し、

提示された資料や報告に基くならぱ訴追や差止への何ら

                ^脆〕

の動機を有しないことを明瞭に通知する。加えて市場関

係、特に当該事業者の市場での地位が変化する場合、あ

るいは競争者、供給者、需要者が市場における自らの地

位の悪化を主張する場合には新たな検討が留保されてい

る。

 右のように一条の対市場効果の要件は市場支配カの規

制という役割を担うことになり、立法者による中小企業

政策の推進を背景として、現在その画定問題は中小企業

カルテルを一条から適用除外する五b条の新設、連邦カ

ルテル庁の処理方針としての団晶洋o=領域の設定の中

で展開しつつある。毛旨σ胃領域画定の方向は特に両者

との関連において探求されなければならない。

 2.ω呈}胃領域画定の方向

 五b条は中小企業による合理化カルテルとして一条の

適用除外を形成する。岩葦σ胃に至らない対市場効果の

領域は一条の構成要件に金く該当せず、五b条によって

とらえられはしない。一条に該当する{雪σ害な対市

場効果である隈りにおいてのみ五b条による適用除外の

対象となることができるのである。けれども間題はかか

る理論上の結論が実際上の結論として貫徹し、一札ないとこ

ろにあった。一条の適用を免れる毫享σ竃に至らない

対市場効果の領域と五b条によって捕捉されない非実質

的な競争侵害の領域とは法適用においてほとんど利用可

             ^帥〕

能に区別されえなかったのである。

 立法者は一条に該当することのない協同について「市

場への影響」(峯胃巨σ8巨書覇冒的)という基準を採用

し、一条からの適用除外手続の必要な五a条、五b条、

七条においては「競争の制限」(ξ等σ婁①。σ昏、、。プ、ぎ.

斥冒oq)という塞準を採用する。しかしながら両概念の相

                   (鯛)

違は立法者によって何ら明確にされてはおらず、両基準

それ自体からは前者から後者へという対市場効果の段階

的増大は明らかとはならない。

 五b条導入の沿革もまた解決をもたらさない。立法過

程においては唱旨σ胃に至らない対市場効果の領域と

非実質的な競争侵害の領域との混同を見い出すことがで

ポ苧

180

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(69) カルテルの違法性判断と対市場効果

 BGHの判例の動向は右の二つの領域が実際上十分に

区別できないという前提に立っている。強調されてきた

のは個々の事例への留保であり、具体的な事実認定であ

る。加えて寒『屠σ9昌判決は一方で、一条は毛亭σ胃

な対市場効果への蓋然性を要求しているのであって必ず

しも笑質的な対市場効果を要しないと確認しながら、他

方において非実質的な競争侵害と名旨σ胃に至らない

対市場効果との具体的な差異に何隻言及していないので

ある。

 ではかかる影響軽微な対市場効果の領域の画定基準は

何か。近時の学説は通常、固定された一般的基準として

            ^90〕

量的基準と質的基準をあげる。量的基準としては当該協

定によってとらえられる売り上げ高、市場占拠率、質的

基準としては協定の性質、内容などがあげられる。この

うち特に有用と評価されているのは第一に、個々の市場

との関連性を保持しうる市場占拠率基準であり、次に当

該協定が競争にとって中心的と見られている価格や品質

                      ^飢〕

などの行動変数に係るか否かという質的基準である。し

かしながらこれらめ固定された一般的基準もまた市場の

繭定および市場関係の変化に際し、その不確実性を決定

的に露呈せざるをえなかった。個々の市場画定の困難性

は固定された市場占拠率基準とは本来なじまなかったし、

競争者の参入や撤退、代替競争の変化などの市場関係の

変化は特に一般的な質的基準と調和するものではなかっ

    ^92)

たのである。問題の解決は、状況証拠となりうるような

重要なメルクマールを列挙しつつ蜆呂『σ胃な対市場効

果か否かの呉体的判断を個々の事例に留保するという前

                        ^兜)

記冒H品σg昌判決の方向に求められざるをえなかった。

この解決方向の最大の欠陥はいうまでもなく法的安定性

の欠如である。

 連邦カルテル庁はかかる法的安定性の欠如をガイドラ

インによるチェックリストの明示という手段で回避しよ

うとした。一九八○年の田晶箒o=告示は手続法上一条

およぴ二五条一項違反による訴追や差止をしない方針で

ある影響軽微な対市場効果の領域を、量的質的に重要な

メルクマールの到挙と個々の事例の検討の中で具体化し

ようとしたのである。理論上、右告示は影響軽微な対市

場効果を、五b条によって適用除外されえない非実質的

な競争侵害でありかつ一条によって捕捉される蜆呂『σ嘗

な対市場効果の領域に関し明確にしようとしたものであ

181

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一橋論叢 第93巻 第2号 (70)

って、毛旨σ胃に到達しない対市場効果の領域を対象と

        ^眺)

するものではなかった。また価楕協定、割り当て協定、

市場分割協定を個々の事例に係りなく全く認めないとし

たのはチェックリストそれ自体の一貫性を失わせること

になった。さらに中小企業の協同の促進という特定の

経済政策目的を秩序違反法四七条一項の起訴便宜主義

(o電oユ冒§冨肩巨・号)の解釈基準として導入しうるか

            ^%)

否かはもとより問題であったし、そもそも連邦カルテル

庁は非常に高度な立証を要求するBGHの霊H品σ98

判決を重視しすぎたのかもしれない。裁判所が右ガィド

ラインのチェックリストに何ら拘束されない以上、影響

軽徴た対市場効果の認定をめぐって、裁判所の実務と連

邦カルテル庁の実務が乖離する危険性は少くないと指摘

せざるをえない。けれども五b条によって適用除外され

る非実質的な競争侵害に関して、一九七五年の連邦経済

     ^96)

省の覚え書きと整合性を保持しようとしている点、チェ

ヅクリストによる不確実性を、当該事業者の依頼による

全く非公式な事前審査や三七a条の差止の活用によって

減少せしめようとしている点、市場関係の変化に対して

新たな検討を留保する点は評価することができる。チェ

ックリスト方式を採用することによって、少くも影響軽

微な対市場効果具体化の一応の方向を示しえたというこ

とはできよヶ。なお右ガイドライン発表の後、学説の中

には疑念なく促進されるぺき協同を経験的な類型化を通

                     ^蛎)

じ一層明確にしていこうとする試みもなされている。

 老葦臣『領域の画定は影響軽徴な対市場効果の具体化

それ自体の困難性のゆえに、状況証拠となりうるような

重要なメルクマールの列挙、ならぴに具体的判断の個々

の事例への留保というBGH、勺①;oqσ98判決のチェ

ックリスト方式に向わざるをえなかった。かかる方向は

チェックリストに盛られる個々のメルクマールの妥当性

という極めて大きな間題を将来に残してはいるが、市場

支配カの規制という視点からするならば着実な前進であ

ったと述べることが許されよう。

w 結びに換えて

 カルテル禁止原則は一九七三年の現行二五条一項導入

後も一条の構成要件を中心に展開することになった。そ

の一条においては学説、判例ともに協定当事者間の競争

行動の拘束から第三者への競争制隈効果へと違法性判断

182

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(71) カルテルの違法性判断と対市場効果

の重点を移動させつつ議論を展開してきた。一条の射程

距離を拡大して寡占市場における市場支配カの形成を捕

捉せんがためである。一方、市場支配力の規制という視

点は対市場効果の要件の確定についても具体化されるこ

とになる。ω忌・σ胃領域の画定問題は事実認定の問題と

して、BGH、黒まoqσ99判決が採用するチェヅクリ

スト方式に向うことになったのである。かかるカルテル

禁止原則の実施は同様の視点から厳楮に規律されてきた

GWB結合規制との乖離を埋めるものであり、競争政策

上の整合性を確保するものと評価することもできる。け

れども中小企業政策を背景として市場支配カ形成の規制

を図るという方向自体がカルテル禁止原則と調和しうる

か否かはチュックリストに採用される個々のメルクマー

ルの妥当性の判断に先立つ大きな検討課題といわざるを

  ^㎎)

えない。EWG設立条約八五条一項、理事会規則一七号、

一九七七年に改正された}晶黒o寿彗邑一に関するEG

    ^”)

委員会告示、並ぴに我国独占禁止法三条、二条六項との

比較も、まず各法制における中小企業政策の位置づけを

                   ^…)

慎重に検討して後、行われるべきものであろう。

 (1) 平川「カルテル法理の展開とZVN事件」 一橘研究七

 巻一号(昭五七)。また次の邦語文献を特に参照した。大

 村須賀男「カルテルの対外的効果関係についてH、⇔」企

 業法研究二一九輯、二二〇輯(昭四八)。和困健夫「戦後

 西ドイツにおけるカルテル規利の変遷H~㈲」北大法学論

 集三一巻二号(昭五五)、三二巻一号、二号(昭五六)、三

 三巻一号(昭五七)、三四巻二号(昭五八)。

(2)ミーまぎミ隻ミ一書・斤8訂茅曇耳曇9}昌-8“

 boH-(ぎ宣oqo昌g幸‘=名宛、)一ω’s①ご◎-吻§ミ§ぎ

 Ω昌邑冨o日ユ黒ま血oo器so蜆oq晶彗奏g3血ミq訂σ鶉o竿腎-

 巨轟g一呂旨g竃5轟(一昌巨oqg{昌隼‘:Ω昌邑冨-

Oqユ鶉、)一ω・8一津両競争制限概念の訳語は次に依る。フ

 ィケンチャー、丹宗昭信監訳『競争と産業上の権利保護』

 (昭五五・六法出版社)五〇頁。

(3)ミーきぎミ竃ぎさミ戸ω一SN1

(4)ミ.皇書募き§婁貝ω」旨申

(5) ミー、幕雨ミ竃ぎご毫タoo.sN一

(6)ミ.ミぎ募きミ一ミ貝ω1~曽曽

(7) 「権利保護拒絶原則」(宛89覇9鼻ミ彗ミO耐O『冒Oq毛『ぎ・

 ^甘)と呼ぱれる。申㌧、ミ婁“§§ぎさξ胃自目ρ鶴肉胃・

 冨旨≦『げg邑og帥目勺ユく黒冨o巨8旨o岸睾砕ニヨ射8巨自■匡

 α弄o目o昌尿o5蜆oo竃貝団固o彗-}里oo目δN0〇一uo.蟹ω1

(8)、要§ミぎ5・巨・耐o耳占ぎ~…富ぎ目婁~一

 ω一さ一

(9) ω1、-向§§ミざぎ凹.串O-一ω一ωナωo申

183

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橘諭護 第93巻 第2号 (72)

(10)ミ§§零㌔ミ邑§き申ミーO冬螂一穴o昌冒鼻胃彗ヨ宍胃.

匡一。・婁員竃雪o冨目ち。。-(冒}品雪ま目鼻㌔峯、)一㎝冒

 宛o田ーひ{.

(11)ミー、幕§ぎぎ)≦戸ω・N杜午

(12)卜§零ミ峯雨ミ§ミ轟ミ、き§ミω§§§ーぎ昌冒。目.

 冨『豊目宍胃置一〇・婁頁σ.>邑-一寿;匡自姜-一竃N(ぎ

 }o雷邑雪睾.=卜§軸§、)一警射旨NH・

(13)、き鴛血カ旨N

(14)ミ§ミーま§§這争ぎ宮ミる婁}o昌同胃毛夢o5ω

  丙胃一〇二冨o巨一〇〇昌9畠o茅家ぎ冒目昌冨『一“>昌」穴2目

 自姜二竃o(ま『o曾邑彗聞岸.=o宍、)一醐旨□元旨=一

 ト§恥§醐8内旨8一く。日一.民.黒§一冒oき『薫印一〇目

 峯警σ窒雪gσ鶉o~彗斥冒窃竃・げgo冨o巨雪穴胃斤o旨需器冨.

 目OくO二〇 一〇N少N=宛 一ωO (-岨N㎞∀ ω一 ひO… 、. b. ド島}}雨、}

 -〕鶴<gσg告。・鶉ユ昌巨2一<邑邑訂易巨ま鼻餉go目…ご

畠8思ぎブ彗宍葦巴『OOヌ匡望室σ胃O・6ご一ω・軍

(∬)宍いま…§界胃邑ξoま耳雪竃o巨宍算色一き・毒一-

  巨轟胃邑子雲『唱昌O臣岬雰O耳嚢ヨ筥竃・HξN(ぎ

  }o雷邑g津二旨弩匡一く艮曽・g竃o窯、)一ωニニしN肇

(16)宍.いき§§一肉胃邑ξ胃片筈冨畠曇鼻ω二N饒・

(17)-き鴛㎞宛旨F蜆.掌卜§軸雨ミ内O勾賢}・

(18)-き㎜旨射旨R宍.掌ぎミ一一内胃置一く胃σ9言o

  =竃冨晶耐婁o葦署oま餉庁鶉o耳誉斥冒。・s:一丙含目冨亀・δ嵩

  (弐巨需邑8洋=肉葦耐一ぎ}g、)ら・旨申・

(19)きいき§§」^胃邑寿・σoグω.;[

(20)きい9§§一宍胃邑ぎ胃σo戸ω二㎞・

(21)黒ま巨o鶉ぎ窒o巨蜆器蜆葦ミま蜆oぎ津くo昌鼻ひ・

  6ご昌宗昌向昌毫…『色目o餉Nξ①詳雪Ωo器旨鶉豊『>亨

痔『言o目ま蜆o窪冨蜆oqo。・o目婁葦ま蓋}&鶉o耳音片冒o・畠一

 ■↓U・目艮蜆.N,a(昌o昌o尿N㌔$α)ω・p

(22)O宍一吻豊-宛旨Nニミ閉昌肉⊆・・㎞・

(23) 学説や判例においては「競争を制隈することによっ

  て」という要件と対市場効果の要件とはしぱしぱ混同され

  てきた。原因の一つは「市場関係」という要件を「市場を

  特色づけるあらゆる属性の総体」(寅Ω§きき目鼻害肝.

 くo『き耐昌。・雪・昌5碁=o月窃g・o鼻…貝冒>-8N一ω

 阜N… 吋Ω匡’ 一u『一〇自 くo目一 Nひ. -一. Hoα-ー く1自考、両  団〔■{ 卓㎞一

  =両老o斗o;oミωω、)と位置づけ、契約当事者閥の関係

  を含めたあらゆる市場状況をその構成要素としたからであ

  る。(〇一b軸ミき雨ミ軋o§ミ顯ω{津冒目叶o『、.■o9目φ自蜆望]目o筍qo『

  巨胃ζ毒ま竺巨竃、.ま吻-皆蜆oo器註o貝晶昌婁oけま毫彗茅.

 σ馨~音片冒O・昌豊く婁片9昌ンミ勾}H鵯員ω二嵩ニミ

 警カ旨室9卜§恥§竈宛旦・.畠一〇ーい§ミsぎ9冒匝.

 σ晶ユ員ω.ミN一ト§迂冊卜冒血ぜ胃げ胃一・呉急・髪胃ζ.

 冨音旨詔彗o・註皇ε翌竃茅く實彗㎜器冨冒帥ま㎝警Ωミ貝

 毫自峯6轟一ω.含u)一条の解釈の出発点として、第一に

  右の二つの要件が原因と結果の関係にあるこ。とが確認され、

  「市場関係」という要件から契約当事者間の関係が除去さ

481

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(73) カルテルの違法性判断と対市場効果

  れなけれぱならない。学説、判例ともにすでに「市場関

  係」のかかる理解に到達するに至っている。(Oき吻-肉旨・

  ㎞o串・…m・p・トト雨ミ}∫U-o向目叶ミーo片巨目岬oo蜆くo冨叶與目α目尿-

 ω窃く8讐Ω婁ω二三ξ9艘O書・σ巨ミ竃宣一田邑昌-

 田邑昌一署9ω・畠ooおよぴ本稿第三章第一節)

(洲)  -ミー吻- カαN1Nooo1

(妬)  ミ一、}申耐S、吻O¥軸) 4く勾一ω-N㎞O〇一

(%) 01いSミ~、OOぎO斗一』目μげOOq『-虫Pω.NωN1

(η) o・吻昌s軋、ooぎΩコ』自oげoo目H-饒9ω1~山ooφ∴ くo冒-. }、.、“-

 ホ雨s、餉o“舳“ 毫射,ω.旧-o饒.’-目蜆σ.NHN.

(蝸) o.寒s札、oo声(}H自目oσooロユ申9ωINωド

(90…) ω1、.要§雨、{O“、P芭-O..ω.合N…㌧ミi 一 射α固- 心OO-

 曽oo.

(30)ミ繧ぎ§ミーN自黒。・・一饒冒φ司…葦昌婁、。・9

 目o山目蜆葭昌o目Nミoo斤蜆.、-旨- 〇一〇岨o自岨oす凹津叩1■目o 宍串『一〇-写oo匡F

 -目“司ω{饒-■雪・く、o津o『昌曽目~宍嘗二閉『自巨o-oN全(山員1ho-o目o冒-

 oo昌 N岸■=}o胴ユ饒=)’ω.-oNド…、耐、肋㎞、庁♪ ~く宛’ω160㎞o.

(刎)  、一向§§雨、}O¥一四.串一◎一-ω-阜N-

(犯)  ミ.、}ホ雨s“}o“雨さ く、勾-ω一〇〇㎞o1

(33) 向・宍ssミ雨暑}昌oぎ O庁 句o昌岸ユo目艮畔巨耐斤o岸~o咀 妻o冨-

 σ血ミo-。σ” N・>自饒joα-斤-目oq仙昌 】oαメω.卓ひ-

(拠)  、.bミ…§軸、“o“i里-臼.◎’ ω1{oo.

(珊)  ミ.、{}雨詩、}o、雨“ 冬宛一ω一N㎞o.

(36) 戸饒ミミ¥ざミ一冒閏耳o=’,o『σ9…一旦邑〕的o9=一一目8蜆 <o『-

  す臼岸o昌’-目”}ω片島『o「}顯『片員-胆自目-穴α-自 -oN9ω.ひo… ミ.

  、}沖耐§、崎o昏雨さ ■ooqユ虫一ω1].oω一

(η) ㌧1,b目S“b凹肋H閏一σ09固目O蜆目-O『庁目’P】=≦^W算σ①ミ^W『σ-、

 N葭射Hω#(-ONO)-ω.-Nω…b.串曼Sミミ一N自『(…OOq^w目唖一P昌ρ餉-.

 N考而o片-口目旦弓O-oq〇一すoOユo-自㎜- 〇一く、■一■団 -ON少ω.0NP

(鎚)  Hミー……- 肉oド ~Hoo虫1

(犯) ω. ミ‘、札和雨ミ“}o“雨“ く、射-ω.N伽N饒-

(仙)  ミ.、沽}雨ミδo“雨さミ射-m.~㎞oH∴Hミi吻一宛{ドωNド

(伽)  トミー ㎜- 射oド いNド

(仰)  ミ.、舳}雨s、}o¥㎞“ 一く射.ω一N①H饒一

(輔)  ミー、叫}雨詩-}o“冊“ 4く射’ωlNα一h.

(44) 碗Ω葭-田o蜆o巨巨bくo自-一ρひ.一〇N仰 一く目考、向 田Ω雪

  一ωひN. =N①目-^w目一<価『斥印自h眈餉“o昌o ]Z-^wOo『蜆芭o}蜆o自...

(姑)

(46)

(〃)

(48)

(49)

(50)

(引)

(52)

(53)

(“)

(5)

卜ss恥雨si ……H

平川、前摺註

宍. 吻o昏§}、“

向σo目o凹一

同σo目口凹一

向σ①目o凹.

本稿第一一章第

㌧(‘ 吻o¥ミ}}軋、

向σo目o串

宍. 吻o“§{軋、

向σo;ら宵一

勾oN一ご一

(1)、二七頁以下。

穴顯H叶o昌くo『、串フ『耐冒岬『oo庁ゴ

一節参照。

宍顯『一〇;くo『h寧ブ『o昌血『ooす戸

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185

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(74)橘論叢 第93巻 第2号

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(研)氏.9奪§一5註自く邑き冨富曇昇ω・圭く。・Fト

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  ご肋.

(㎎) その原因は一条の沿革にあるとも考えられているが、

  一条の要件「市場関係」と「競争を制隈することによっ

  て」との混同にもよる、蜆■苧㌧N§軋&嘗、掌O。ω。傘Hミ、

  和田、前掲註(1)、O、一九七頁、註(21)。本稿註(23)。

(59)呂坪9邑く昌、ひ二〇員ミ目≦目口oj嵩①・

  .、ω勺>宛、.なお本判例の訳出については和田、前掲註(1)、

o、

(60)

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(61)

 旨H

(62)

一八七頁以下を参照した。

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(63)由O声9茎;目弄一〇・-oN9婁巨≦向零=;負

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(64) くo〇一.和田、前掲註(1)、O、一九五員以下。

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(67)、.S§§三婁-ξN一ω二〇伽・

(68) もっとも具体的な嬰実認定はこれまでカルテル庁や高

  裁によってある程度行われてはいた。oき吻-宛旨.一8.

  和田、前掲誼(1)、㈲、八○員以下。<o阜F卜§吹§ふH宛旨

  、o・ZVN事件については平川、前掲註(1)、二三頁以下

  参照。

(69) 同旨、和田、前掲註(1)、四、八四員。

(70)ω.申寒§き§閏;・O’ω・㎞芦

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(76) 向、きミ“§9峯串苧◎・菊川貞巳、「西ドイツにお

681

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(75) カルテルの違法性判断と対市場効果

 けるカンツェンバッハの最適競争強度論L経済経営論叢一

 三巻二号(昭五三)、一〇三頁、詑m参照。

(η)ミ宍ミミ一■算巨pω二旨・

(凋)ミー宍ミミ一9亭畠一ω.8萬-二さ.

(η)曳ミミ一穴8潟量匡昌島巨9髪竃邑・雰…6N9ω・

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(81) 本稿註(68)参照。

(82) トNぎきト苧苧O-ω.占㎞一血.P宍-籟-肉9ぎミ雨恥異

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  ルテル庁も採用した。ω$冒.乞H.sき昌Ho。.N二〇〇。o・

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(舶)ωーミー宍ミ§一峯o姜o峯o量ω二案

(86) 但し同庁の事業者へのかかる説明は契約や決議の民事

  法上の有効性に何ら影響を及ぼさないと明言されている。

(87) 記ーまミ竃}s雨註ミー甲甲Ol一ω.一〇団{・

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(91) 記.きミ竃“ミ雨§ミ一葭.苧O.一ω1一〇〇〇{∴ 、-串一嚢-.

  ぎ§ぎN昌零o巨o昌芭爵ρ胃蜆o。・冒量鼻彗}晶與邑一罫・.

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(92) 勾.寅oミ竃“s雨迂ミ一酉・串O・

(93) 司一きミ竃“ミ雨這ミ一葭-閏1O1一ω・-oo・

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187

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橋論叢第93巻第2号(76)

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(97)、.ω冬.“芭;.◎.一ω1ζ饒∴蜆.寧、向§ミ§㌻宙-里1

 〇一一ω一餉ω-ミ一ミ募o申雨ト射oo-一〇宰4く9まoミ彗σ叩σ躬o巨『叫目-

  斤冒o司昌一穴9目o竃.6員勾費易α.

(98)ω・向.き書§§き冒o蜆品昌冨目雪望。司き寿貫o旨o

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(99)宍§§婁§乱ミ向P零斤凹;蔓顯9…口竈くo冒二〇.一N.

  6ミ夢胃<o邑島弩冒o目竃く昌oo雪冒o・鶉雰箒暮冒。・一箒

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 ㎜庄昌O月一易葦界O冒員里〇一9①5H轟少ω1SO印1

                         (一橋大学犬学院博士課程)

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