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ニュースレター Monthly update by PwC Australia August 2020

ニュースレター Monthly update by PwC AustraliaAugust 2020 2 PwC Monthly update 金融業 担当者 濱田 由有子、シニアアカウンタント [email protected]

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ニュースレターMonthly update by PwC AustraliaAugust 2020

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PwCMonthly update

会計および監査

COVID-19の影響を受けて

担当者

1. ASICの重点分野-2020年6月の財務報告 

ASICは、2020年6月末の財務報告に関する重点分野を発表しました。ASICは、新型コロナウイルス感染症      (COVID-19)による多くの企業への悪影響を考慮し、次の5つの分野に焦点を当てるように取締役、作成者、監査人に助言しています。

● 資産価値

● 引当金

● ソルベンシー及び継続企業の前提に関する評価

● 期末日後財務報告を完了するまでに起きた事象

● 開示及びオペレーティング ファイナンシャルレ

ビュー(OFR)

PwC Australiaが発行したIFRS bulltein Straight Away Alert (21 July 2020発行) で上記の内容を詳しく説明しています。

2. IASBがIFRS第16号のCOVID-19に関連する賃料減免にかかる修正を公表

COVID-19のパンデミックの結果として、借手に対して賃料減免が付与されています。このような賃料減免は、支払猶予やリース料の繰延べなどのさまざまな形態をとる可能性があります。2020年5月28日、国際会計基準審議会(IASB)は、リースの借手に対し、COVID-19に関連する賃料減免がリースの条件変更であるかどうかの評価を免除する任意の実務上の便法を設けた、国際財務報告基準(IFRS)第16号の修正を公表しました。リースの借手は、このような賃料減免を、リースの条件変更でないとした場合の会計処理と同じ方法で会計処理を行うことを選択できます。これは、多くの場合において、支払減免が発生する契機となった事象または条件が生じた期間において、変動リース料として会計処理されます。

PwC Australiaが発行したIFRS bulltein Straight Away Alert (4 June 2020発行) で上記の内容を詳しく説明しています。

3. ポッドキャストシリーズ:IFRSトーク

IFRSは、グローバルな資本市場における財務報告上の言語です。 新しい基準が適用開始され、複雑化する財務報告環境において最新の情報をパソコンやスマートフォンでエピソードごとにお聴きいただけます。直近ではIFRS第16号のCOVID-19に関連する賃料減免にかかる修正、基本財務諸表などについて解説しています。ポッドキャストシリーズ;IFRSトーク配信ご希望の方は こちら からご登録下さい。

4.PwCあらた有限責任監査法人による会計・監査ニュースレター 2020年7月号 PwCあらた有限責任監査法人では、会計基準の最新動向や海外拠点からのホットトピックなどをお届けしており、今月号のハイライトの一部をリンク先にて紹介します。

【新型コロナウイルス感染症に係るCFOの検討事項シリーズ】資金計画の変更

COVID-19の影響から資金計画の変更を検討する企業が増加しています。借入条件の緩和やコミットメントライン契約などに関する会計上のポイントを考えます。

基本戦略・ビジネスモデルに内在するコンダクトリスクと取締役会の役割・責任

コンダクトリスクの発生の要因は、自社の基本戦略・ビジネスモデルそのものに内在していることが少なくありません。取締役会が果たすべき責任や、リスク発生の可能性の捉え方について紹介します。

殿村 果林、シニアアカウンタント[email protected]

佐川 由紀、アソシエイト[email protected]

江川 竜平、シニアマネジャー[email protected]

August 20202

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PwCMonthly update

金融業

担当者

濱田 由有子、シニアアカウンタント[email protected]※本記事は、PwCAustraliaが発行した「 Financial services talent trends 2020 」を抄訳したものです。訳には正確を期しております

が、英語版と解釈の相違がある場合は、英語版に依拠してください。

17%「従業員・経営層のテクノロジーに関する知識と業務への適用に大幅な進歩を遂げた」と回答したCEOは全業種平均20%である一方、金融業では17%。

24%「自社のスキルアッププログラムがより大きなイノベーションとデジタル化への加速につながった」と回答したCEOは、全業種平均30%であるのに対し、金融業では24%。

16%「スキルのギャップとミスマッチに対する低減策を効果的に実行している」と回答したCEOは、全業種平均20%であるのに対し、金融業では16%。

第23回世界CEO意識調査 | 金融業 調査結果  

世界における金融機関のCEOは多くのジレンマに直面しています。業界、市場環境が急速に変化していることから、企業は将来も競争を続けるために、適切なスキルを構築する必要があります。PwCが実施した 第23回世界CEO意識調査 において、「スキルアップの取組みを通じ自社が大幅な進歩を遂げた」と回答するCEOの割合は、金融業において他業種よりも低いという結果が示されました。さらに、これらの取組みにより自社が「まったく進歩していない」と認める金融機関のCEOが多いということも、当該調査結果(PwCレポート「 Financial services talent trends 2020 」)は示しています。

アップスキリング:6つの戦略

アップスキリング(スキル向上)とは、企業が明確な意志を持って、従業員の能力・雇用可能性の向上に取り組み、事業と個人のパフォーマンス強化に必要な知識・スキル・姿勢の発展に注力することを意味します。 PwCの調査では、自社がアップスキリングの成果を出していると回答したCEOは、該当しないCEOよりも自社の成長見通しをより楽観視している傾向が示されました。PwCレポート「 Financial services talent trends 2020 」では、アップスキリングを成功させるため、経営陣が重視すべき6つの戦略を紹介しています。

デジタルツールと新しい働き方に注力

スキルアップの重要性を組織内に伝達

一部組織における試験的導入

スキルアップイニシアチブと既存トレーニングの統合

従業員間の不安など想定される障壁への準備

成果の長期的な追及

金融業人材トレンド2020

August 20203

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PwCMonthly update

金融業

InsuranceAll financial

servicesAsset

managementBanking and

capital markets

PwC Australiaでは、豪州金融業に関連する各種規制アップデートを、月次で公表しています。PwC AustraliaのFinancial Serivicesの サイト にて公表されています。主要規制は以下のステークホルダー毎に要約、解説されています。

担当者

濱田 由有子、シニアアカウンタント[email protected]

- Prudential standards- Financial Accountability Regime (FAR) - CPS 511 Remuneration

● 政府機関:主に財務省(Treasury)による金利政策、会社法規制や市場規制等の動向。● 規制当局:主にAPRA (Australian Prudential Regulation Authority)、ASIC (Australian Securities and

Investments Commission)、RBA (Reserve Bank of Australia)、ASX (Australian Securities Exchange) 等規制当局による自己資本規制、財務報告規則、資本規制等の動向。

● 自主規制団体:主にASFA (Association of Superannuation Funds of Australia)、FSC (Financial Services Council)、AFMA (Australian Financial Markets Association) 等業界団体によるパブリックコメントや市場自主規制等の動向。

● 海外規制当局:主に国際規制設定母体のほか、アジア、米国、欧州におけるクロスボーダー取引規制や財務報告基準等の動向。

APRA

ASIC

Other regulators

- Design and Distribution Obligations- RG165 Internal Dispute Resolution- Close and Continuous Monitoring Program

- Best interests duty and remuneration reforms (The Royal Commission)- LIBOR transition (RBA)

- Capital management- Reporting Standard HRS 605.0 Private Health Insurance Reforms Data Collection (HRS 605.0)

- Life Insurance Advice Reforms- Consumer credit insurance lender review- Total and permanent disability insurance industry responses

- Superannuation Prudential Standard comprehensivereviews - SPS 515 Member Outcomes

- RG132 Funds management- RG97 Fees and cost disclosures in PDS andperiodic statements- Portfolio Holdings Disclosure

- Capital Management- RRS 710.0 for RegisteredFinancial Corporations (EFS Collection)- Basel III reforms

- School banking review- Review of the ePayments Code- Fees in deposit and savings account industry review

主要規制動向

豪州金融業 月次規制アップデート

August 20204

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PwCMonthly update

アジャイル原則:不確定な環境のなかビジネスを強化する4つの方法

※本記事は、PwC Australiaが発行した「 Undercutting uncertainty: Four Agile principles that will bolster your business 」の一部を抄訳したものです。訳には正確を期しておりますが、英語版と解釈の相違がある場合は、英語版に依拠してください。

担当者

斉藤 領朗、シニアアソシエイト[email protected]

馮 小珂、シニアアソシエイト[email protected]

伊藤 恵、シニアマネジャー[email protected]

テクノロジーコンサルティング

第4次産業革命とデジタル化は、ビジネス全体に影響をもたら

しており、企業が加速する競争の中で先頭に立つには、いま

までの運営方法を変える必要があります。

現社会では、新型コロナウイルスに対し様々な方法で 対応

をしていますが、中でもアジャイルの利点が更に明白になっ

てきています。組織が(完全に)アジャイルな方法で運用をし

ていなくても、この方法から学ぶことがたくさんあります。以下

に企業が新型コロナウイルスの環境でより効果的に対応する

4つのアジャイル原則を紹介します。

1. 集中しやすい仕組みを立てる

物事が不確定な状況において、人々は焦りやすくなります。

計画や優先順位が日々変化する中、集中力を失い、チーム

の稼働率に悪影響を与える可能性があります。

アジャイル手法では、定期的に行われる進捗報告会が構造

をもたらし、チームの集中力の向上に役立ちます。どんなに

環境が変化していても、チームは区切られた作業期間「スプ

リント」の初めに、期間内にやるべき事「バックログ」を定義し

ます。そして、毎日進捗を確認し、次の作業に適応する作業

方法を確認します。これによって、チームの連携を定期的に

調整でき、各メンバーの懸念や困難を共有することができま

す。

2. 迅速に意思決定をする

企業は高いプレッシャーの下、迅速に多数の決断をする必要

があります。アジャイル手法で運用している組織は、従業員

の意思決定能力を信頼しています。これらの組織は、危機を

乗り越えるには個人の力ではなく、組織全体の努力が必要で

あることを認識しています。

アジャイル手法で運用しているチームは、自分達の責任範囲

内で意思決定を自由に行うことができます。また、機能横断

型チームで働く事により、意思決定能力も高まります。

3. 完璧を求めない

新型コロナウイルスの展開や世界がニューノーマルを見つけ

るまでにかかる時間を予測することは不可能です。中長期的

な 復旧計画 は、限られたシナリオのみに焦点を当てたり、柔

軟性に欠けている場合が多いので、作成するのが困難です。

そんな中、アジャイルチームは完璧を求めなくとも開発プロセ

スを信頼し、実行することで、素早く顧客のニーズに応え、付

加価値を提供する事が可能です。同様に、リーダーとチーム

は完璧を求めず、段階的かつ柔軟に進歩することにより、現

状による変化や細かいことで行き詰まることなく、顧客のニー

ズを満たすことが可能となります。

4. 顧客ニーズを常に把握する

顧客のニーズは、新型コロナウイルスにより大きく変わりつつ

あります。アジャイル組織にとって顧客満足度は重要な指標

です。アジャイル宣言の最初の原則は、「顧客満足を最優先

し、価値のあるソフトウェアを早く継続的に提供する」ことで

す。この原則は、ソフトウェア開発に言及していますが、ア

ジャイルの幅広い用途にも当てはまります。つまり、早期に顧

客に価値をもたらすことが鍵となるのです。

アジャイルチームは顧客を中心に、機敏に対応します。商品

やサービスの設計段階から顧客を取り込み、プロトタイプに

関するフィードバックを収集します。アジャイル組織は、市場

進出を果たした後も、製品やサービスを使用する顧客を観察

し、継続的に調整することで顧客ニーズに応え続けます。

つまり、商品やサービスの特定部分に責任を持たされている

ため、連携部門に問題を発生させることなく、単独で遂行する

ことができます。

August 20205

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PwCMonthly update

6

高齢者介護品質基準について老人施設のケアの質を向上させるための施策 介護施設に部屋の隅に設置されている監視カメラから、ケアプロバイダーの入居者に対するケアの質における問題が露呈され近年は度々メディアでも取り上げられました。その後、要介護者に対するケアの質の向上はオーストラリア政府が取り組むべき最重要課題のひとつとして挙げられ、対策を打つべく検討がなされてきました。これらの動きを受けて2019年7月1日から、新しい高齢者介護品質基準が施行され、高齢者介護サービスを提供するすべての組織がこれに準拠するよう義務付けられました。新しい基準下での主な変更点のひとつは、非通知(抜き打ち)の認定訪問の導入でした。これは、ケア・プロバイダーが常に認定に備え、認定訪問を受けられるように準備する必要があることを意味します。

レポーティングの義務と老人施設に与える財政的影響 2019年6月までに国が264の非通知訪問を実施したところ、16.5%が要是正措置とされました。現在、パフォーマンスデータが公開されておりオンラインでのアクセスが可能となっています。また是正措置の費用は平均で150万豪ドル(2020年8月現在のレートで約1.1億円)に上ります。

これは無視できる大きさのコストではなく、これらの抜き打ち訪問に耐え得る体系的なケアの質のモニタリングが必要となり、老人施設の課題となります。

認定に備えるには:レポーティングを効率化するデジタルツール PwCが開発したACAP(Aged Care Accreditation Platform)はPwCのデジタルツールを使用した高齢者施設認定メソッドです。データポイントや既存の認定ツールを使用して、監査ファイル構造と証拠収集プロンプトを活用し、自己評価および迅速なレポート準備を可能にし多施設の管理を容易にします。これらのサービスはPwCのデータポイントまたは適切なITセキュリティレベルを備えたプラットフォームで設定できます。デジタル・データ活用による付加価値の提供 高齢化社会において、介護のケアの質を高めることは高齢者のQOL向上における本質的かつ極めて重要な部分となります。これらの認定は、ケアの質が基準を満たしていることを保証するためにより効率的かつ体系的に行われる必要があり、すでに重労働・人手不足と言われる介護現場で、さらなる運営リスクを減らすためには、デジタルツールを活用してそのプロセスを効率化していくことが求められています。 

担当者

宮田 あや子、Trust & Risk シニアマネージャー[email protected]

オーストラリアの介護政策とケアの質

• Clinical Governance

Text

Text

Antimicrobial Stewardship

• Text

• Handover

• Text• Deteriorating

Patients

監査モジュールとエ

ビデンス

収集ツール

監査モジュールの例 コンプライアンス結果のファイル作成と

ダッシュボード出力

August 2020

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PwCMonthly update

August 20207

ATO Justified Trust Program

税務(1/2)

ATOはJustified Trust Program(Justified Trustとは、OECDの考え方であり、納税者が豪州での経済活動に対して適正な税額を支払っていることについての十分な証拠に基づく合理的な結論を意味します。)として、Top 1000 Tax Performance Program等を実施してきました。今回はこれまでに実施されているプログラムのうち日本企業に影響があるものについての状況を整理します。 

プログラムの内容および対象となる納税者

ATOが注視している事項 スケジュールおよび現況

Top 100 Justified Trust Program & Top 100 GST ProgramATOは、次の基準に従って当該レビューの対象となる納税者を選定しています。

● 年間売上高が50億豪ドル超● 業界大手

Justified Trust アプローチとAction Differentiation Framework (ADF(*1)) の分類によるコンプライアンス実施状況とリスクレベルのレビュー。 ATOは、Top 100 Justified Trust Programに基づく128件のTax Assurance レポートを完了させ、このセグメントの大部分の納税者が適切な税額を支払っていると結論付けています(1/3が高い”Assurance”を得ています)。(*1): ADFとは、ATOが各企業の規模や税務リスクの程度等を考慮して、効率的に各企業のリスクを評価し、Justified Trustを得るための戦略的なアプローチをいいます。

進行中進行状況:2019年11月にATOの中間レポートが発行されています。

Top 1000 Tax Performance Program

年間売上高250百万豪ドル超の大規模公開企業と多国籍企業が対象になります。

Streamlined Assurance Review において、ATOは以下の事項に係る”Assurance”を得ようとしています。

● 適切な税務リスク管理体制と税務ガバナンスのフレームワークが存在し、実際に運用されていること

● ATOが懸念している税務リスクが顕在化していないこと

● 非定型、新規、または大規模な取引に係る税務処理が適切であること

● 税務処理と会計処理の差異が説明可能であり、かつ適切であること

● オーストラリアに関連する事業から生じる利益に対して適正な税額がオーストラリアで認識されていること

2020年12月末までに完了予定進行状況:765件のレビューが完了し、164件が進行中、そして残り71件は2020年中に完了予定となっています。ATOからの更新レポートは未開示の状況です(本来は2020年1月に更新される予定でした)。

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PwCMonthly update

August 20208

ATO Justified Trust Program

税務(2/2)

担当者

寺崎 信裕、シニアマネージャー 高野 雄大、マネージャー 三浦 孝心、マネージャー[email protected] [email protected] [email protected]

プログラムの内容および対象となる納税者

ATOが注視している事項 スケジュールおよび現況

Top 1000 GST Assurance Program

Top 100 Reviewsで80社及びTop 1000 Reviewsで320社が対象となります。

GST Assurance Reviewでは、ATOは次の”Assurance”を得ようとしています。

● 適切なGSTに係る税務リスク管理体制と税務ガバナンスのフレームワークが存在し、実際に適用されていること

● ATOが懸念しているGSTに係る税務リスクが顕在化していないこと

● 非定型、新規、または大規模な取引に係るGSTの処理が適切であること

● 様々な経済活動の流れとそれに関するGSTがどのように処理されているかについての理解及び説明。これには、GST分析ツールを用いることもあります。

レビューは、GST計算およびBASレポートに関連するデータ、システム、プロセス、および統制に重点を置いており、取引データテストを含みます。このため、納税者はATOによる電子調査のために相当量のデータ(取引データ、試算表およびマスタデータ)を提供する必要があります。

進行中であり、2023年には完了予定進行状況:まだ公開されていませんが、50から100件のレビューが開始されたと推定しています。 ATOは8月から30件のレビューの開始により、当該プログラムを再開しました。 ATOは最近、GSTに係る統制とデータテストで期待されるレベルの詳細を記載したガイドをリリースしました。

Next Actions

Streamlined Assurance Reviewが完了し、Oveall Assuarance LevelがLowの価であった納税者、またはOveall Assuarance LevelがMediumの評価かつ個別項目で一つ以上のRedflag・Lowの評価を受けた納税者

各納税者のSARレポートに記載されている特定のエリア。我々の分析では以下のエリアが頻出項目になります。● 移転価格税制(特に金融取引、負債に関す

るPCG)● 税務リスクガバナンス● 新規投資及び投資撤退(連結処理、繰越欠

損金の有効性を含む)● CFC税制● R&D税額控除

進行中進行状況:約180社程度がNext Actionの記載を受けており、うち55社に関しては既に当該プログラムが開始しています。75社以上は2020年8月に開始すると見込まれています。

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PwCMonthly update

August 20209

COVID-19: グローバルモビリティ・アップデートグローバルモビリティ簡易調査

前回4月に行われたサーベイに引き続き、このたびPwCグローバルネットワークでは、新型コロナウイルス感染症    (COVID-19)拡大に対する各社の対応について、人事部門のリーダーの方々ならびにグローバルモビリティに携わる方々に向け第2回の簡易調査を実施いたしました。本調査は、感染危機の初期の段階以降、各社が現在の状況をどのように再評価し、将来に向けてどのように計画し、それらが海外派遣者と海外派遣の諸施策に対しどのような意味を有するかという点についてその変化を明らかにしています。本サーベイは6月22日までの10日間実施し、250社を超える企業の方々にご参加いただき、以下の3つのセクションに分けてまとめています。

1. 予定していた海外派遣ならびに現在の派遣状況について

2. ご担当者およびご担当部署について3. これからの海外派遣

約半数の企業が本国からの業務遂行による“異動”を引き続き認めており、その処遇水準は従前とほぼ同様ですが、

担当者

神山 雅央、パートナー 小幡 敦子、シニアマネージャー 田村 りか、マネージャー[email protected] [email protected] [email protected]濃添 博紀、シニアコンサルタント 山本 智、シニアコンサルタント 霜田 実侑、コンサルタント[email protected] [email protected] [email protected]

グローバルモビリティ

派遣形態の見直しを図る企業が見られます(例:バーチャル派遣、コミューティング)。約1/3の企業においては新型コロナウイルス感染症の拡大は海外派遣の在り方やグローバル異動の必要性について根本的インパクトを有するだろうと考えており、初回サーベイでの回答(12%)から上昇しています。一方で、1/4の企業が通常業務に従前と同等の海外派遣規模で戻るだろうと予想していますが、これは初回サーベイの44%から減少しています。また、クロスボーダーでのリモートワーク形態による勤務者については約半数の企業が今後は増加すると予測しています。リモートワークを採用しないと考えている企業は1/4にも満たない状況です。現在計画されている海外派遣者処遇の見直しについては、派遣者選定と派遣理由の一層の明確化、派遣者の健康管理とサポートならびにコスト効率の一層の追求が回答が上位を占めました。同サーベイの日本語版レポートにつきましては、下記担当者まで、お問い合わせください。

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PwCMonthly update

August 202010

2019/2020年度の確定申告におけるホームオフィスに関わる所得控除の計算方法

グローバルモビリティ

従来の2つの計算方法に加え、簡易な方法として”Shortcut method"が加わりました。駐在員の皆様の豪州の税金は企業が負担しているのが常ですので、控除を取らない(取れない)あるいはどの計算方法を採用されるのかは企業のご判断によります。

いずれの計算方法においても下記の3点は共通しています。

● 家賃は所得控除不可。

● 雇用主が光熱費や電話代等の費用を直接払う或いは補填した場合、個人の確定申告書で所得控除は不可。

● 在宅勤務に紐づく追加の費用のみ所得控除することが可能。

記録保存の要件 利点 欠点

Shortcut method

COVID-19によるパンデミックにより、在宅勤務を強いられた状況下で豪州課税当局(ATO)が暫定措置として施行した所得控除のための簡便法。 2020年3月1日から2020年6月30日の間 の在宅勤務時間に80セントを乗じてホームオフィス関連の所得控除額を算出します。

80セントには在宅勤務に伴い発生したホームオフィス関連の以下に挙げる全ての費用が含まれます。

● 光熱費、電話代、インターネット代、家具やPC等の減価償却費、文房 具費用等

● 実際の在宅勤務状況と時間を証明する記録

● 会社の方針で一定の時期から在宅勤務に勤務形態が一時的に変更された場合、全員に同じ所得控除額を適用することが可能

● 計算方法が3つの方法の中で一番シンプル

● モニターや机などを各人が購入してる場合、他の2つの方法よりも所得控除できる額が小さい可能性がある

Fixed Rate method

2019年7月1日から2020年6月30日の在宅勤務時間に52セントを乗じてホームオフィス関連の所得控除額を算出する方法。

52セントには在宅勤務に伴い追加で発生したホームオフィス関連の以下の費用が含まれます。

● 光熱費、家具等(机など)の減価償却費

以下の費用は含まれない為、別途計算し、控除項目に入力します。

● 電話代、インターネット代、パソコン関連の消耗品や文房具費用(紙やプリンターのインクなど)そしてPC等の減価償却費

● 実際の在宅勤務状況と時間を証明する記録

● PC等の領収書・各アイテムの業務用使用率

● 電話代の場合、仕事用と私用の通話履歴が記載された明細

● 場合によっては、Shortcut methodやActual methodよりも多くの所得控除が可能

● Actual methodよりも計算方法が簡便

● 個人が領収書等必要書類を準備する必要がある

● 場合によっては、在宅勤務記録の証明のための追加資料が必要

Actual method

2019年7月1日から2020年6月30日の間で在宅勤務に伴い発生した実際の費用を算出する方法。

光熱費、有形固定資産(デスク、椅子、パソコンやモニター等)の減価償却費、電話代、インターネット代、パソコン関連の消耗品や文房具費用(紙やプリンターのインクなど)等々の在宅勤務に紐づく追加費用を計算します。

● 実際の在宅勤務状況と時間を証明する記録

● PC等の領収書及び各アイテムの業務用使用率

● 電話代の場合、仕事用と私用の通話履歴が記載された明細

● 場合によっては、Shortcut methodやFixed rate methodよりも多くの所得控除が可能

● 個人が領収書等必要書類を準備する必要がある

● 他の方式に比べて計算が複雑

● 場合によっては、在宅勤務記録の証明のための追加資料が必要

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PwCMonthly update

11

インフラストラクチャが生み出す回復計画

インフラストラクチャの定義は幅広く、ユーティリティ(発電、送電、配電、ガス、水道、通信など)、交通機関(鉄道、道路、港湾、空港など)、社会インフラ(病院や学校など)を網羅しています。インフラストラクチャの提供は、所謂Horizontal Construction(橋、道路、鉄道など)のみならず、住宅やさらなる経済成長をサポートし社会的ニーズにも応えるVertical Construction(アパート、オフィスビル・商業施設など)も実現させるような様々な利益・恩恵をもたらすものです。COVID-19の大流行をきっかけに、「インフラ主導の回復」について多くの議論がなされてきました。インフラストラクチャは、経済を刺激し、雇用を維持する上で直接的な役割を果たすことができます - 十分に検討されたインフラストラクチャプロジェクトは生産性と経済成長を実現する主要な要因になるという十分な証拠があります。ただし、調達、利用可能な労働力、計画と資源管理法(Resource Management Act)の課題、地方自治体の資金調達に関する制約、需要の変化など、インフラセクターが対処しなければならない重要な課題があります。ニュージーランドの リビルドシリーズ の最新のレポートでは、インフラセクターの機会と、経済的および社会的結果の両方の観点から、このセクターがどのように国の回復に極めて重要な役割を果たすことができるかについて考察しています。インフラストラクチャ主導の回復とはどのようなものでしょうか?投資の決定は、持続可能性や公平性など、より広範な経済的および社会的結果をサポートする必要があります。インフラストラクチャの投資機会が生産性、成長、持続可能な雇用創出などに関して永続的な恩恵をもたらすことを確約するために、大胆な投資判断が必要になります。ニュージーランド全体的にインフラストラクチャの開発・実施方法を変える機会があり、それは効率性を改善しコストを削減することになります。担当者

森田 悠貴、アソシエイトディレクター、オークランドオフィス[email protected]

ニュージーランドのインフラストラクチャ

さまざまなインフラストラクチャにおいて、今回のCOVID-19の影響によって生じたいくつかの重要なテーマと課題として、下記が挙げられます。

中央政府のサポート地方政府の制約建設セクターの課題行動(働き方)の変化渡航制限住宅

「shovel-ready(インフラストラクチャプロジェクト)」は早急に経済を刺激する必要性に応じましたが、ニュージーランドの持続可能な回復を図るためには、「通常のビジネス」とは別により包括的な中長期インフラストラクチャプログラムが必要であると考えています。そのプログラムは、過去数十年のインフラへの大きな投資不足に対処するものになる必要があります。詳しくは、PwC New Zealand発行の RebuildNew Zealand:infrastructure をご覧ください。

August 2020

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PwCMonthly update

August 202012

7月号のまとめ

1. コンプライアンスと労働安全衛生

2. オーストラリアにおけるサイバー攻撃・脅威への対応方法

3. COVID-19財務報告ハブ、COVID-19の影響による会計上の検討

4. 豪州金融業の展望

5. 豪州税制の展望

6. COVID-19: グローバルモビリティ・アップデート

7. 特別編:ニュージーランドの取り組み より詳しい内容については こちらからご確認下さい。 日本企業部(ジャパンサービスデスク)では、先月より日本語によるニュースレターを定期的に配信しています。配信登録ご希望の方は こちらからご登録下さい。

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PwCMonthly update

Adelaide

Melbourne

Perth

Brisbane

Newcastle

Sydney

Greater Western Sydney

Canberra August 202013

PwC Australiaの日本企業部(ジャパンサービスデスク)では、日本企業のあらゆるご相談に対して、各分野の専門性を備えたプロフェッショナルが日本語でサービスを提供しています。現在では、各サービスラインに日本人スタッフが在籍しており、日本企業の幅広いニーズを十分に満たせるよう体制を整えています。PwC JapanグループおよびPwCのグローバルネッ トワークが持つ豊富な専門知識を駆使し、迅速かつシームレスなサービス提供が可能です。

お問い合わせ先

神山 雅央 日本企業部 統括代表パートナー [email protected]+61 (3) 8603 4383

会川 徹ディールズ パートナー [email protected]

伊藤 恵コンサルティング シニアマネージャー [email protected]

江川 竜平アシュアランス シニアマネージャー [email protected]

小幡 敦子税務、人事・労務 シニアマネージャー [email protected]

寺崎 信裕税務 シニアマネージャー [email protected]

宮田 あや子アシュアランス シニアマネージャー [email protected]

高野 雄大税務マネージャー [email protected]

田村 りか税務、人事・労務 マネージャー [email protected]

ローレン チョンディールズ マネージャー [email protected]

萩庭 一彦ディールズ マネージャー [email protected]

三浦 孝心税務マネージャー [email protected]

城戸 慎平アシュアランス シニアアソシエイト [email protected]

斉藤 領朗コンサルティング シニアアソシエイト [email protected]

高橋 優忠アシュアランス シニアアカウンタント [email protected]

殿村 果林アシュアランス シニアアカウンタント [email protected]

長坂 卓アシュアランス シニアコンサルタント [email protected]

濃添 博紀税務、人事・労務 シニアコンサルタント [email protected]

濱田 由有子アシュアランス シニアアカウンタント [email protected]

福井 一生アシュアランス シニアアカウンタント [email protected]

山本 智税務、人事・労務 シニアコンサルタント [email protected]

佐川 由紀アシュアランス アソシエイト [email protected]

霜田 実侑税務、人事・労務 コンサルタント [email protected]

森田 悠貴ディールズ アソシエイトディレクター オークランドオフィス [email protected]

Page 14: ニュースレター Monthly update by PwC AustraliaAugust 2020 2 PwC Monthly update 金融業 担当者 濱田 由有子、シニアアカウンタント yuko.a.hamada@pwc.com

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