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就労アセスメントシート について -Handbook-

就労アセスメントシート について · 「就労アセスメントシート」の構成 本人の現状を把握するためのアセスメント項目として、次の4

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Page 1: 就労アセスメントシート について · 「就労アセスメントシート」の構成 本人の現状を把握するためのアセスメント項目として、次の4

就労アセスメントシート

について

-Handbook-

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はじめに

就労経験のない者(50歳以上の者や障害基礎年金1級受給者を除 く)が就労継続支援B型事業の利用を希望する場合については、各 支援機関による継続的な就労支援を行うために、必要な情報を把握 することを目的とした就労アセスメントが実施されることとなって います。 就労アセスメントの実施にあたっては、各就労移行支援事業所等 がそれぞれの尺度、基準、様式をもって評価(アセスメント)する ことが県内において一般的に行われているところですが、継続的な 就労支援においては、各支援機関がより連携して支援を行う必要が あります。 そのため、本人、保護者、そして本人に関わる支援者や関係機関 の間で共通言語となり、課題や目標等を共有することができるツー ルとして、本アセスメントシートを作成しました。

「就労アセスメントシート」とは?

1

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① 就労アセスメントは、単に一般就労が可能かどうかを判定す るものではなく、また就労継続支援B型の「可否」を判定する ためのものではありません。サービス等利用計画の作成、市町 村の支給決定、個別支援計画の作成等の参考となりますので、 本人の本来のニーズや就労の可能性に着目したアセスメントを 実施してください。

② 本人の就労上の課題のみに着目す るのではなく、本人の将来的な就労 能力の伸び(成長力)をアセスメン トしたうえで、結果を本人や保護者 に必ず伝えてください。

就労アセスメントを行う際の留意点

「就労アセスメントシート」は、支援者の皆様が情報を共有することによって、よりよい支援ができるようにするために作られたものですが、利用方法を間違えると個人情報が流出するという危険性があります。 情報の取扱いには、くれぐれもご注意ください。

③ 支援に関わる各関係機関に対して、「就労アセスメントシー ト」の情報を提供する際には、個人情報保護の観点から、本人 や保護者の同意を得てください。

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「就労アセスメントシート」の構成

本人の現状を把握するためのアセスメント項目として、次の4つの分野における24項目についての段階チェック(4段階)としています。 1 基本的なルール(5項目) 2 社会生活(5項目) 3 作業態度(7項目) 4 作業遂行力(7項目) ※4段階チェックにおける各段階の達成の目安は、原則、次の とおりです。 1、セールスポイント 90%~100% 2、問題なし 70%~80% 3、努力ポイント 50%~60% 4、努力ポイント 0%~50%

アセスメント項目一覧

基本的なルール 1 欠勤等の連絡 2 身だしなみ 3 働く場のルールの理解 4 健康管理の状況 5 感情のコントロール

社会生活 6 あいさつ 7 会話・言葉づかい 8 作業上の報告・相談 9 協調性 10 仕事の準備と後片付け

作業態度

11 集中力の維持 12 作業能力の向上 13 指示の内容の理解 14 作業の正確性 15 巧緻性(丁寧さ) 16 質問・相談 17 忍耐力・責任感

作業遂行力 18 判断力 19 作業時間と休憩時間の区別 20体力 21 作業意欲 22 危険への対処 23 作業スピード 24 適応性

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アセスメント項目について(補足説明)

1 欠勤等の連絡

欠勤や遅刻なく出勤できる、欠

勤や遅刻をした場合の連絡を行

うことができる

・家族の支援でできる場合でも可。その場合には、特記事項欄に家族の支援が必要な旨を記載する。

・電話がかけられるか。

 →聴覚障害者の場合等、電話連絡以外の方法で連絡する場合には、特記事項に記載する。

2 身だしなみ 清潔な服装や爪や髭剃り等

・身だしなみをきちんとしているとは、場(TPO)等に合った身なりをしていること、体や顔などが清潔であ

ることを指す。

・家族の支援でできる場合でも可。その場合には、特記事項欄に家族の支援が必要な旨を記載する。

・服装の大きさが合っていない、暑さ寒さによって服装を変えられない等については、特記事項欄に記載す

る。

3 働く場のルールの理解規則を理解して守ることができ

る作業場面等において働く場のルールを理解しているか。

4 健康管理の状況健康管理や体調不良時の対処が

できる(温度調整、水分補給等)家族の支援でできる場合でも可。その場合には、特記事項欄に家族の支援が必要な旨を記載する。

5 感情のコントロール

無視・反発・拒否せず、指示や

注意を受け入れることができ

る、情緒が安定している

感情が安定しているか。

・感情を出せない、感情が分かりにくい等があれば、特記事項欄に記載する。

6 あいさつ自分からすすんであいさつ等す

ることができる

その場に応じたあいさつができること、あいさつするときの声の大きさ、視線(相手の顔を見て)や表情(笑

顔で)などが適切であること等から判断する。問題があれば特記事項欄に記載する。

7 会話・言葉づかい相手や場に応じた会話・言葉づ

かいができる

相手や場に応じた会話や言葉づかいができるか。

・自らは話しかけない等があれば、特記事項欄に記載する。

8 作業上の報告・連絡自分から報告・連絡することが

できる

作業場面等において仕事の報告・連絡ができるか。

・慣れた環境とはじめての環境で異なる場合、報告するときのタイミング、声の大きさ、内容等に問題がある

場合には、特記事項欄に記載する。

12 作業能力の向上慣れるにしたがい、作業能率が

向上する

作業能力の向上がみられるか。(作業への慣れが速いか。)

(「23 作業スピード」の項目については、各対象者の作業スピード自体を評価することに対して、本項目に

ついては、作業スピードの伸び率(作業への慣れの速さ)を評価する項目である)

13 指示の内容の理解 口頭での指示が理解できる・言葉で理解できなくても、その他の方法で可能な場合には、特記事項欄に記載する。

・理解できても実行できない、実行しない等がある場合には、特記事項欄に記載する。

14 作業の正確性 正確な作業ができる

作業をミスなくできるか。

→ミスとは、不良品の発生、手順を間違える、作業中に注意を受ける等、作業場のミスを指す。

→ミスをした時の反応(ミスを改善できる、ミスに気づくが報告できない、ごまかす等)については、特記事

項欄に記載する。

17 忍耐力・責任感途中で投げ出さず、作業に取組

むことができる

作業に対する成果から判断する。

(「21 作業意欲」の項目については、作業前、作業中の作業に対する意欲(やる気)を評価することに対し

て、本項目については、・忍耐力・責任感を持って作業に取組み、成果が一定上がったことを評価する項目で

ある)

20 体力一日に6時間以上働くことができ

・作業場面等における本人の言動などから判断する。

・1日6時間勤務はできるが、1日おきにしかできない等がある場合は、特記事項欄に記載する。

21 作業意欲積極的に作業に取組むことがで

きる作業意欲の強弱について、作業場面等における対象者の言動などから判断する。

22 危険への対処危険を認識し、回避することが

できる危険な場所に立ち入らない、動いている機械に手を入れない等、危険に対処できるか。

23 作業スピード期待されている速度で作業がで

きる作業場面等において、各対象者に対して期待されている作業速度と比べてどの程度かを判断する。

24 適応性作業の内容、手順等の変化に対

応できる作業手順の変化、作業の種類の変更、上司の交代等の作業環境の変化に対応できるか。

具体的項目 各項目の補足説明(着眼点、特記事項に記載すること等)

項目小項目

4

【解釈や判断に迷う主な項目】

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アセスメント項目について(補足説明)

基本的な ルール

1 欠勤等の連絡 2 身だしなみ 3 働く場のルールの理解 4 健康管理の状況 5 感情のコントロール

1 欠勤等の連絡

〇就業前に連絡できない 〇家族などに連絡を頼むことができない 〇連絡することを思いつかない 〇電話がかけられない

2 身だしなみ

〇服装が場に合っていない 〇服装がきちんとしていない 〇髪、爪、ひげなどが清潔でない 〇化粧や髪形が場に合っていない 〇洗顔、歯みがきなどが不十分である

3 働く場のルール の理解

〇就業規則を理解していない 〇仕事の命令系統を理解していない 〇変則勤務などがあることを理解していない 〇勤務時間内に勝手な行動をする

4 健康管理の状況

〇うがいや衣服の調整などをして病気の予防を することができない 〇体調が悪いときにきちんと養成せず、回復が 遅れたり悪化させたりする 〇怪我などの応急処置ができない 〇体温などを自分で測ることができない 〇体調が悪いことに気づかない 〇体調が悪いことを家族などに伝えられない

5 感情のコント ロール

〇自傷他害行為がある 〇自分の殻に閉じこもり、黙り込む 〇パニックを起こす

評価が「努力ポイント(3又は4)」の場合 以下の項目をチェックして、必要に応じて特記事項欄に記入してください。

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アセスメント項目について(補足説明)

8 作業上の報告・ 相談

〇次の作業の指示をもらいに来ない 〇作業が終わっても報告をしない 〇作業が終わると勝手に持ち場を離れる 〇作業内容が分からなくても質問しない 〇必要以上に報告する

9 協調性

〇共同や分担がスムーズにできない 〇同僚の手伝いを受けられない 〇同僚の仕事を手伝おうとしない 〇話しかけすぎる 〇仕事以外での話ができない 〇他人とのトラブルが多い

社会生活 8 作業場の報告・連絡 9 協調性

評価が「努力ポイント(3又は4)」の場合 以下の項目をチェックして、必要に応じて特記事項欄に記入してください。

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アセスメント項目について(補足説明)

13 指示の内容の理 解

〇指示の細かい点について言葉で理解できない 〇自分の考えと違う指示は受け入れない 〇時間が経つと忘れてしまう 〇何度も繰り返さないと理解できない 〇一度に複数の指示を出されると理解できない

17 忍耐力・責任感

〇分担した仕事を上手にやり遂げようとしない 〇分担した仕事を最後までやり遂げようとしな い 〇分担した責任を果たすことの重要性をわかっ ていない 〇自分の作業をあきらめている 〇責任が理解できていない

作業態度 13 指示の内容の理解 17 忍耐力・責任感

評価が「努力ポイント(3又は4)」の場合 以下の項目をチェックして、必要に応じて特記事項欄に記入してください。

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Page 9: 就労アセスメントシート について · 「就労アセスメントシート」の構成 本人の現状を把握するためのアセスメント項目として、次の4

アセスメント項目について(補足説明)

22 危険への対処

〇危険な状況が判断できない 〇危険の表示や合図が分からない 〇危険について知っているが、正しい手順で行 わない 〇禁止事項を理解できない 〇禁止事項を守れない

24 適応性 〇作業手順の変化に対応できない 〇作業の種類の変更に対応できない 〇上司の交代に対応できない

作業遂行力 22 危険への対処 24 適応性

評価が「努力ポイント(3又は4)」の場合 以下の項目をチェックして、必要に応じて特記事項欄に記入してください。

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「就労アセスメントシート」の利用に当たって

「就労アセスメントシート」の利用に当たっては、以下の点にご留意ください。 ① 本人の状態の変化を継続的に把握する際には、同一期間に同 一人(サービス管理責任者等)がチェックする等、評価にばら つきが出ないようにすることが望ましいこと。 ② 本アセスメントシートをひととおり記載した後に本人と十分 な話し合いをして理解を得る、あるいは、本人とともに話し合 いながら記載する等、本人の現状等についての認識を共有する ことに配慮すること。 ③ 本アセスメントシートは、全ての就労移行支援事業者等で必 ず利用していただくことを想定しているものではないが、作成 の趣旨等を踏まえて、積極的にご活用いただきたいこと。

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「就労アセスメントシート」の記載例(表紙)

26氏 名

こうち けんた

生年月日高知 県太

平成2年2月2日

事業所名 就労支援事業所かつお 所在地

平成28年9月1日 平成28年9月30日~

 就労アセスメントシート

記入日

支援対象者

平成28年10月1日

サービス管理責任者

障害種別

ふりがな

記入者名 南国 ゆず 役 職

精神障害 利用期間

こうちし〇〇ばんち

高知市〇〇番地

アセスメント実施機関

☆記載POINT☆

記入日を先に入力してください。

(生年月日を入力すると、記入日時

点の年齢が自動計算されます。)

☆記載POINT☆

このシートは、全ての欄について、

記載してください。

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「就労アセスメントシート」の記載例(基本情報)

☆記載POINT☆

・「健康状態」について、複数医療機関を利用している、複数の処方薬がある場合は、別紙をお使

いください。また、発作がある場合についても、詳しい状況等を別紙に記載してください。(そ

の場合は、「別紙有」にチェック☑を入れてください。)

・「就労について」の希望欄は、複数チェック☑可能です。

・「就労について」の通勤方法(移動手段)は、本人が利用可能な手段について、全てチェック☑

を入れてください。

✔ 男 女

一人暮らし ✔ 家族同居

その他 ( )

 緊急連絡先(氏名・住所・電話番号)

別紙有 ✔

 薬名:            無

無 ✔ 有 (頻度:         )回 )   無 ✔ 有 ( )

利用無 ✔ 利用有 (事業所名: )

✔ ✔

  ✔

 

✔ ✔

事業所名(サービス名) 期 間 ~

電話番号 090-〇〇〇〇-〇〇〇〇

 

 

年1

事業所名(サービス名)ヘルパーステーションくじら

(居宅介護(家事援助))期 間 平成28年8月1日

卵、金属

相談支援センターとさとさ

 

6

 

 

精 神 3

配慮事項慣れた環境や工程の中では、スムーズに動くことができるが、急に環境等が変わると戸惑う場面が多くなるため、例

えば作業内容が変わる場合などには、一つ一つ丁寧に伝えるといった配慮が望まれます。

希  望

免許・資格 普通自動車運転免許通勤方法

(移動手段)

本人 保護者

一般就労したい

就労移行支援事業所で就職するための訓練をしてから就職したい

就労継続支援A型事業所で働きたい

就労継続支援B型事業所で就職するための訓練をしてから就職したい

就労継続支援B型で働きたい

得意なところ パソコンが使えます。モノづくりが好きです。製造の仕事が好きです。

苦手なところ

医療機関名(頻度)

初対面の人と話をすることが苦手です。

疾病名 統合失調症 疾病の状況

期 間 ~

〇〇〇処方薬 通院状況 月1

医療サービスの

利用状況

医療機関名(頻度) はりまやばしホスピタル(デイケア週2回) 期 間 平成28年2月1日 ~ 現在

統合失調症による認知の低下、不眠

相談支援機関

平成29年7月31日

現在、受診している医療機関

27平成

発  作 アレルギー

福祉サービスの

利用状況

手  帳

種 類 等 級 取 得 年 月

身 体  、 級 年 月

知 的   度 年 月

主な障害

はりまやばしホスピタル

精神障害 重複障害

基礎情報(個人情報・プロフィール・フェイスシート)

 

性 別

氏  名 高知 県太 住 所 高知市〇〇番地

その他(月額)円

65,000

20,000

生年月日 平成2年2月2日 連絡先 080-〇〇〇〇-〇〇〇〇

経済的状況

障害年金(月額) 円

暮らしの状況

ふりがな こうち けんた

( )心身障害者扶養共済年金

ふりがな

親や学校の先生の意見を聞いて決めたい

よく分からない

考えたことがない

汽車

バイク

バス

徒歩自転車

自家用車

こうち けんいちろう

同上

氏  名 高知 県一郎 続 柄 父

住  所 高知市〇〇番地

級 年

11

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「就労アセスメントシート」の記載例(別紙)

☆記載POINT☆

・必要に応じて別紙を記載してください。

12

 薬名:            無  薬名:            無

 薬名:            無  薬名:            無

 薬名:            無  薬名:            無

 薬名:            無

 薬名:            無  薬名:            無

 薬名:          ✔ 無  薬名:            無

 薬名:            無  薬名:            無

 薬名:            無

 薬名:            無  薬名:            無

 薬名:            無  薬名:            無

 薬名:            無  薬名:            無

 薬名:            無

意識消失を伴う大発作が年1回程度あり。自宅で大発作が起こることが多いが、自身で対処できる。

小発作(まばたき、くいしばり)が日中もたまにみられるが、数分で落ち着く。

処方薬 処方薬

別 紙

処方薬 処方薬

現在、受診している医療機関

疾病名 疾病の状況

処方薬 処方薬

回処方薬 通院状況

丸ノ内クリニック

疾病名 ぜん息 疾病の状況 季節の変わり目やストレスが溜まると発症する

処方薬 3ヵ月に1 回

処方薬 処方薬

現在、受診している医療機関

処方薬 処方薬

はりまやばしホスピタル

疾病の状況 統合失調症による認知の低下、不眠

●●●

▲▲▲

処方薬

処方薬

疾病名 統合失調症、てんかん

処方薬

処方薬

処方薬

処方薬

現在、受診している医療機関

処方薬

〇〇〇

△△△

□□□

◇◇◇(頓服)

処方薬

■■■

▼▼▼

通院状況

月1

処方薬

通院状況

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「就労アセスメントシート」の記載例(アセスメント項目)

☆記載POINT☆

1~4までのうち、当てはまるもの

について、選択してください。

☆記載POINT☆

・各項目における評価について、補足すること(強み、伸びしろ、配慮すること、アセス

メント期間中の変化、関係機関からの情報など)がある場合には、特記事項に自由記述し

てください。

氏 名 : 高知 県太

1、セールスポイント 2、問題なし 3、努力ポイント 4、努力ポイント

できる(できている)だいたいできる

(だいたいできている)

あまりできない

(あまりできていない)

できない

(できていない)

1 欠勤等の連絡欠勤や遅刻なく出勤できる、欠勤や遅刻をした場合

の連絡を行うことができる欠勤、遅刻を一度もしない。

欠勤、遅刻があれば、事前に連絡でき

る。

欠勤、遅刻があれば、始業時間後に連

絡できる。欠勤、遅刻などを連絡できない。 2

2 身だしなみ 清潔な服装や爪や髭剃り等場に応じた身だしなみをいつもきちん

としている。

身だしなみをだいたいきちんとしてい

る。

身だしなみをあまり気にしない。指摘

されれば改める。常に指摘や支援が必要である。 1

3 働く場のルールの理解 規則を理解して守ることができる 働く場のルールを理解している。働く場のルールをだいたい理解してい

る。

働く場のルールをあまり理解していな

い。働く場のルールを理解していない。 2

4 健康管理の状況健康管理や体調不良時の対処ができる(温度調整、水

分補給等)

健康管理をしており、体調不良時に自

ら対処できる。

健康管理や体調不良時でもだいたい自

ら対処できる。

健康管理や体調不良時の対応に指示を必要

とする。

健康管理や体調不良時の対応に常に指

摘や支援が必要である。 1

5 感情のコントロール無視・反発・拒否せず、指示や注意を受け入れるこ

とができる、情緒が安定している

自己コントロールを含め、感情は安定

している。

右記(4、努力ポイント)の行動があ

るが、自分で安定させることができ

る。

右記(4、努力ポイント)の行動が見

られるが、周囲の助言で安定する。

大声を出す、泣く、暴れる、反抗的に

なる、沈み込むなどの行動が頻繁にあ

る。2

6 あいさつ 自分からすすんであいさつ等することができる 相手や場に応じたあいさつができる。 きまったあいさつはできる。相手からあいさつされれば、応じるこ

とはできる。返事やあいさつができない。 2

7 会話・言葉づかい 相手や場に応じた会話・言葉づかいができる相手や場に応じた会話・言葉づかいが

できる。

相手や場に応じた会話・言葉づかいが

だいたいできる。

相手や場に応じた会話・言葉づかいが

あまりできない。

相手や場に応じた会話・言葉づかいが

できない。 2

8 作業上の報告・連絡 自分から報告・連絡することができる報告・連絡が適切なタイミングででき

る。

報告・連絡は概ねできるが、たまに忘

れることがある。

忘れることが多く、促しを要す。必要以上

にすることがある。特定の人であれば、援

助の依頼ができる。

自分からはできない。 2

9 協調性お互いの個性を認めあい、他人と力を合わせて助け

合うことができる

役割を理解し、他人と共同して作業が

できる。

共同作業はできるが、たまに相手の動きに

合わせることができない。

共同や分担がスムーズにできない。落ち着

かない態度や和を乱すことが多い。

協調性はない。他人とのトラブルが多

く、個別の対応が必要である。 2

10 仕事の準備と後片付け 作業上の準備、整理整頓ができる物を大切にし、準備、片付け、整理が

自発的にできる。

だいたいできるが、時に不十分なこと

がある。指示があるとできる。 常に支援が必要である。 2

11 集中力の維持 集中して作業に取り組むことができる1日、周囲の状況に左右されず、集中

し、安定した作業ができる。

1日の作業の中で、1回程度右記(4、努

力ポイント)の行動がある。

1日の作業の中で、2回以上右記

(4、努力ポイント)の行動がある。

たびたび飽きて手休め、おしゃべり、

離席などがある。 1

12 作業能力の向上 慣れるにしたがい、作業能力が向上する 作業にすぐ慣れて、作業能力が高い。慣れるにしたがい、作業能力は向上す

る。作業能力はあまり向上しない。

作業能力は上がらず、低下することも

ある。 2

13 指示の内容の理解 口頭での指示が理解できる口頭指示を理解し、守ることができる。理

解したことは忘れない。

口頭指示を理解し、だいたい守る。手順書

やメモがあれば、指示を忘れることはな

い。

モデリングで手順を示せば理解できるが、

時々確認が必要である。

手添えで繰り返し指示をしてもなかなか理

解できず、すぐに忘れる。 2

14 作業の正確性 正確な作業ができる 正確に作業をする。 だいたい正確に作業をする。 あまり正確に作業できない。 正確に作業できない。 2

15 巧緻性(丁寧さ) 細かい作業ができる細かい作業ができ、作業の質、量とも

高く、支援者と同等程度である。

機器・道具をだいたい正しく使える。

手順書やメモがあれば、使える。

質を目指すと量が少なくなる。機器・

道具をあまり正しく使えず、見守り、

助言を要する。

器用とはいえず、質にばらつきがあ

る。 2

16 質問・相談 自分から質問・相談することができる質問や意見、体調悪化、トイレなど、

意思表示が適切にできる。

質問・相談は概ねできるが、たまに忘

れることがある。

忘れることが多く、促しを要す。必要以上

にすることがある。特定の人であれば、援

助の依頼ができる。

自分からはできない。 2

17 忍耐力・責任感 途中で投げ出さず、作業に取り組むことができる与えられた作業や当番などを最後まで

やり遂げる。

声かけがあれば、作業や当番など最後

までできる。

作業や当番などいい加減にしたり、ム

ラがある。

作業や当番などを最後までやらず、注

意しても改めない。 2

18 判断力 自分で状況判断しながら作業できる 部品や不良品の判別能力が高い。部品や不良品の判別能力は平均的であ

る。

部品や不良品の判別があまりできな

い。部品や不良品の判別ができない。 2

19作業時間と休憩時間の区

別作業時間と休憩時間の区別が理解できる 作業と休憩時間の区別を理解できる。

作業と休憩時間の区別をだいたい理解

できる。

作業と休憩時間の区別をあまり理解で

きない。

作業と休憩時間の区別を理解できな

い。 1

20 体力 一日に6時間以上働くことができる 1日に7~8時間作業ができる。 6時間程度作業ができる。 半日(4時間)作業ができる。 半日(4時間)の作業ができない。 2

21 作業意欲 積極的に作業に取り組むことができるどんな作業にも、自ら積極的に取り組

む。

好きな作業は積極的に取り組む。嫌いな作

業も取組むが積極的ではない。おおよそ指

示どおり遂行が可能。

単純、反復作業は遂行できるが、確認

を要す。作業意欲は低い。 2

22 危険への対処 危険を認識し、回避することができる危険を認識し、身を処せる。危なくな

いように作業ができる。

危険な状況を理解しているが、時々守

れないことがある。

危険な状況をあまり理解できず、安全

な行動ができない。

危険な状況が判断できない。禁止事項

を理解できない。禁止事項が守れな

い。2

23 作業スピード 期待されている速度で作業ができる 期待されている速度である。期待されている速度の8~9割であ

る。

期待されている速度の6~7割であ

る。

期待されている速度の5割以下であ

る。 3

24 適応性 作業の内容、手順等の変化に対応できる 急な作業環境の変更に対応できる。予告すれば作業環境の変更に対応でき

る。

作業環境の変更に抵抗感があり、なか

なか対応できない。

作業環境の変更が理解できず、作業が

できなくなる。 1

作業開始より5~10分前に作業場に入って準備することができる。

好きではない作業については、人任せでぼーっとすることがあるが、概ね好き嫌いせず取り組むことができる。

作業内容によっては、疲労がたまり胃腸が弱るなど症状が出ることがあるので調整が必要。

自己判断で危険を回避することは難しいが、決まりを守ることができる。周囲への危険配慮はできにくい。

順応性がある。作業準備を抜かりなくしようとする意識ができている。

次の作業への取り掛かりが早くなってきたが、基本的にマイペースでスピードに課題がある。

最後まで本人に責任があることを確認すると責任が持てるが、基本的に人任せなところがあり、時間になると自己判断

で終わってしまうことがある。

経験を積むと進んで援助したり手助けすることができる。さりげなくドアを開けて待っていたりと配慮がみられる。

気付いて報告できる場面が増えてきた。

効率を考えて工夫しようとする。

工程や決まりを意識する力があるので覚えたことは正確にできる。

経験して覚えることで、準備や片付けができる。

作業スピードは速くないが、細かい作業ができる。

指示書やマニュアルがあるほうが望ましいが、言語指示を聞いて理解しようと意識することができるようになってき

た。

分からないときに聞くことができる。

特 記 事 項

促しや働きかけには、適切に挨拶・返事ができるが、経験が不足しているため、自発的な挨拶に結び付きにくい。

初期は、指示を待って立ち尽くす場面が見られたが、徐々に報告や連絡をすることができるようになってきた。

一日の作業が決まっていると継続して集中して作業に取り組むことができる。

規則を守ることはできるが、自分ルールで判断し行動することがあった。

処方通りに服薬もできる。

思い込みに対して、段階をおって丁寧に説明をする必要がある。

臨機応変に会話ができるが、答えるテンポがゆっくりで声が小さいので、分かってもらいにくい。

アセスメント期間中、1度の欠席があったが、携帯電話を使って、事前に連絡することができる。

場面を考えて、服装を変えることができる。

作業遂行力

アセスメント項目

大項目 具体的項目

評 価

作業態度

基本的なルール

社会生活

小項目

13

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「就労アセスメントシート」の記載例(アセスメント結果票)

☆記載POINT☆

・総合所見欄は、複数チェック☑可能です。具体的な総合所見別のイメージは以下の通り

です。

① (障害者就業・生活支援センターや障害者職業センターの支援を交えながら)

一般就労を目指すことが望ましい。

② 継続して、就労移行支援での支援が望ましい。

③ まずは、就労継続支援A型若しくは就労継続支援B型での支援が望ましい。

④ まずは、就労継続支援B型を含めた福祉的支援が望ましい。

<評価者>

<対象者>

  一般就労の可能性があると思われる

✔ 将来的に一般就労の可能性があると思われるため、継続して就労支援が必要である

✔ 将来的に(作業面では)一般就労の可能性はあると思われるが、

  ・日常生活の安定感や対人技能の習得の必要性がある

✔ ・就労意欲や体力・持久力向上の必要性がある

  一般就労の可能性は現状において低いため、福祉的支援が必要である

順応性がある。作業準備を抜かりなくしようとする意識ができている。

総合所見

(自由記述欄)

 就労したい希望を強く持っている。施設外就労に取組んだことにより働く体力がつく、重いものを持つ、大きな声で報告ができるなどの課題に一定成果が出た。また事業所内の作業場面でも作業開始前に準備

して取りかかることができる、次の作業への移動をスムーズにできるなどの良い変化もみられた。当初、課題と捉えていた部分も経験を積むことによって容易にクリアできる場面も多くみられるようになってき

た。就労に向けての一番の課題は、本人からも課題として挙がっていた作業スピードである。周囲への関心が薄く、他人との職能の比較が出来にくいため、どの程度早くなれば良いのか目標設定を自主的に出来

にくいので、支援者側で指標となるものを設定し、経験値を上げることで作業スピードを速くするよう意識づける支援が必要である。

24 適応性 作業の内容、手順等の変化に対応できる ○

作業遂行力

自己判断で危険を回避することは難しいが、決まりを守ることができる。周囲への危険配

慮はできにくい。

23 作業スピード 期待されている速度で作業ができる ○次の作業への取り掛かりが早くなってきたが、基本的にマイペースでスピードに課題があ

る。

22 危険への対処 危険を認識し、回避することができる ○

○作業内容によっては、疲労がたまり胃腸が弱るなど症状が出ることがあるので調整が必

要。

21 作業意欲 積極的に作業に取り組むことができる ○好きではない作業については、人任せでぼーっとすることがあるが、概ね好き嫌いせず取

り組むことができる。

20 体力 一日に6時間以上働くことができる

気付いて報告できる場面が増えてきた。

19 作業時間と休憩時間の区別 作業時間と休憩時間の区別が理解できる ○作業開始より5~10分前に作業場に入って準備することができる。

18 判断力 自分で状況判断しながら作業できる ○

最後まで本人に責任があることを確認すると責任が持てるが、基本的に人任せなところが

あり、時間になると自己判断で終わってしまうことがある。17 忍耐力・責任感

途中で投げ出さず、作業に取り組むことができ

る○

作業スピードは速くないが、細かい作業ができる。

16 質問・相談 自分から質問・相談することができる ○分からないときに聞くことができる。

15 巧緻性(丁寧さ) 細かい作業ができる ○

作業の正確性 正確な作業ができる ○工程や決まりを意識する力があるので覚えたことは正確にできる。

13 指示の内容の理解 口頭での指示が理解できる ○

作業能力の向上 慣れるにしたがい、作業能率が向上する ○効率を考えて工夫しようとする。

経験して覚えることで、準備や片付けができる。

作業態度

11 集中力の維持 集中して作業に取り組むことができる ○一日の作業が決まっていると継続して集中して作業に取り組むことができる。

12

10 仕事の準備と後片付け 作業上の準備、整理整頓ができる ○

指示書やマニュアルがあるほうが望ましいが、言語指示を聞いて理解しようと意識するこ

とができるようになってきた。

14

9 協調性お互いの個性を認めあい、他人と力を合わせて

助け合うことができる○

経験を積むと進んで援助したり手助けすることができる。さりげなくドアを開けて待って

いたりと配慮がみられる。

8 作業上の報告・連絡 自分から報告・連絡することができる ○

会話・言葉づかい 相手や場に応じた会話・言葉づかいができる ○臨機応変に会話ができるが、答えるテンポがゆっくりで声が小さいので、分かってもらい

にくい。

思い込みに対して、段階をおって丁寧に説明をする必要がある。

社会生活

6 あいさつ 自分からすすんであいさつ等することができる ○促しや働きかけには、適切に挨拶・返事ができるが、経験が不足しているため、自発的な

挨拶に結び付きにくい。

7

5 感情のコントロール無視・反発・拒否せず、指示や注意を受け入れ

ることができる、情緒が安定している○

基本的な

ルール

初期は、指示を待って立ち尽くす場面が見られたが、徐々に報告や連絡をすることができ

るようになってきた。

○規則を守ることはできるが、自分ルールで判断し行動することがあった。

4 健康管理の状況健康管理や体調不良時の対処ができる(温度調

整、水分補給等)○

処方通りに服薬もできる。

3 働く場のルールの理解 規則を理解して守ることができる

アセスメント期間中、1度の欠席があったが、携帯電話を使って、事前に連絡することが

できる。

2 身だしなみ 清潔な服装や爪や髭剃り等 ○場面を考えて、服装を変えることができる。

1 欠勤等の連絡欠勤や遅刻なく出勤できる、欠勤や遅刻をした

場合の連絡を行うことができる○

評 価 項 目セールス

ポイント問題なし

努力

ポイント特記事項

【就労アセスメント結果票】

就労アセスメント実施機関: 就労支援事業所かつお 記入者: 南国 ゆず

氏名  : 高知 県太 利用期間: 平成28年9月1日 平成28年9月30日~

☆記載POINT☆

各項目の評価、特記事項については、

アセスメント項目表から自動で入力

されます。(フォントサイズは調整

可能です。)

☆記載POINT☆

総合所見は複数チェック☑可能です。

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参 考

事業概要 対象者

就労移行支援事業

就労希望する65歳未満の障害者で、通常の事業所に雇用されることが可能と見込まれる者に対して、 ①生産活動、職場体験等の活動 の機会の提供その他の就労に 必要な知識及び能力の向上の ために必要な訓練 ②求職活動に関する支援 ③その適性に応じた職場の開拓 ④就職後における職場への定着 のために必要な相談等の支援 を行う。 (利用期間:2年) ※市町村審査会の個別審査を経て、必要性が認められた場合に限り、最大1年間の更新可能

企業等への就労を希望する者

就労継続支援A型事業

通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能である者に対して、雇用契約の締結等による就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練等の支援を行う。 (利用期間:制限なし)

①就労移行支援事業を利用したが、 企業等への雇用に結びつかな かった者 ②特別支援学校を卒業して就職活 動を行ったが、企業等の雇用に 結びつかなかった者 ③企業等を離職した者等就労経験 のある者で、現に雇用関係の状 態にない者

就労継続支援B型事業

通常の事業所に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が困難な者に対して、就労の機会の提供及び生産活動の機会の提供その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、その他の必要な支援を行う。 (利用期間:制限なし)

①就労経験がある者であって、年 齢や体力の面で一般企業に雇用 されることが困難となった者 ②50歳に達している者又は障害 基礎年金1級受給者 ③①及び②に該当しない者で、就 労移行支援事業者等によるアセ スメントにより、就労面に係る 課題等の把握が行われている者

各就労系サービスについて

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「就労アセスメントシート」について

「就労アセスメントシート」は、高知県地域福祉部障害保健福祉課のホームページからダウンロードできます。

http://www.pref.kochi.lg.jp/soshiki/060301/

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