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Form Magic/WAVE ラジオ・テレビ番組表を InDesign で自動組版 多様なフォーマットでお客様への納品が可能に ラジオ・テレビ番組表を InDesign で自動組版 多様なフォーマットでお客様への納品が可能に 株式会社日刊編集センター 多様なフォーマットで出力できる InDesign 自動組版システムを 日刊編集センターでは、元々 Quark を使 用したラテ番組表制作システムを使用し ていたそうです。 そのシステムでは、手入力の部分が多くて ミスが発生したり、連続処理ができない ため、1 ファイルずつオペレーターが組版 を実行する必要があり、繁忙期には日中 に組版作業が集中してしまうというような 問題がありました。 また、そのシステムは、WindowsNT の サーバーでデータを管理し、MacOS9 の Quark で組 版するシステムだったため、 機器のリプレースが必要な時期を迎え、 それに伴い制作システムのリプレースも必 要になったそうです。 「イラストレーター EPS 形式で番組表デー タがほしいという要望は、地方の新聞社 からの声としてありました。InDesign で 組版すれば、イラストレーターEPSや1ビッ トTIFF 等多様なフォーマットに出力でき るので、InDesign を使った自動組版シス テムにターゲットを絞って探し始めました」 と宮谷氏。 そこで宮谷氏の目に留まったのが、いち 早く InDesign での自動組版に対応して いた、富士フイルムシンプルプロダクツの 《DTPSpider》でした。 しかし、《DTPSpider》では、InDesign タ グを使っての組版に対応していなかった ため、独自システムとして「ラテ番組表組 版システム」を制作することになりました。 夜に送信されてくるデータを自動 組版し、朝からチェック可能 ラジオ・テレビ欄のデータは、放送局か ら日刊編集センターに配信されます。その データを日刊編集センターの他の部署で 組版用のタグ付きテキストに変換したデー タが、夜「ラテ番組表組版システム」のサー バーに届きます。 ラテ番組表組版システムでは、ラテ番組 表用のデータの到着を常時監視し、あら かじめ準備しておいたテンプレートを使っ て、制作担当者のパソコンの InDesign で自動組版していきます。 夜届いたラテ番組表用データが、朝には InDesign 形式の番組表になるため、制 作担当者が午前中に校正をし、問題な ければ、すぐに客先に送ることができる ようになったそうです。また、番組表は InDesign 形式になっているため、必要に 応じて手作業での修正も可能です。 「自動組版により、早く確実に番組表を制 作できるようになりました。以前は組版に 使っていた昼間の時間を他の作業に使え るようになり、残業減や合理化につながっ たのが大きなメリットです。番組表の追 加訂正が発生したときも、他部署からデー タが送られてくるとリアルタイムに組版で きるので、迅速な対応が取れるようにな りました」と鎌田氏。 「開発の際には、なるべく負担が少なく、 動きの取れるシステムを考えました。組版 用のデータは汎用的なタグ付きテキストと し、組版は InDesign のテンプレート側 で工夫しています。テンプレートを作成 するところで多少の苦労はありましたが、 いったん作ったらレイアウトをリニューア ルするまで変更の必要がないのがいいで 地上波から BS・CS まで、日本全国のテレビ・ラジオ局の番組表を編集・ 制作している株式会社日刊編集センター。毎日の番組表から週間・月間の 番組表まで、全国約 130 の新聞・雑誌媒体へ提供しています。 この番組表の制作作業を自動化するために導入されたのが、富士フイルム シンプルプロダクツの「ラテ番組表組版システム」です。今回は、編集制作 局 局長の鎌田 亨 氏と制作部の宮谷 明義 氏に現在のシステムの稼働状況と 今後の展望についてお話を伺いました。 1982 年 7 月15 日 1 億 7000 万円 〒 104 - 0045 東京都中央区築地 3-5-10 日刊スポーツ新聞社ビル TEL:(03)3546-5980 URL:http://www.nikkanhc.co.jp/ 従業員数 159 名(2008 年4月現在) 事業内容 ラジオ・テレビ番組表の制作・配信 新聞・雑誌等の編集・組版・校閲 プロ野球・J リーグほかスポーツ情報の配信 InDesign 自動組版 編集制作局 局長 鎌田 亨 氏 自動組版されたラジオ・テレビ番組表

ラジオ・テレビ番組表をInDesignで自動組版 多様なフォーマット …ffgs.fujifilm.co.jp/products/pack/pdf/casestudy/casestudy_catalog_020.pdf · ラジオ・テレビ番組表をInDesignで自動組版

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Form Magic/WAVE

ラジオ・テレビ番組表をInDesignで自動組版多様なフォーマットでお客様への納品が可能にラジオ・テレビ番組表をInDesignで自動組版多様なフォーマットでお客様への納品が可能に

株式会社日刊編集センター

多様なフォーマットで出力できるInDesign自動組版システムを日刊編集センターでは、元々Quarkを使用したラテ番組表制作システムを使用していたそうです。そのシステムでは、手入力の部分が多くてミスが発生したり、連続処理ができないため、1ファイルずつオペレーターが組版を実行する必要があり、繁忙期には日中に組版作業が集中してしまうというような問題がありました。また、そのシステムは、WindowsNTのサーバーでデータを管理し、MacOS9のQuarkで組版するシステムだったため、機器のリプレースが必要な時期を迎え、それに伴い制作システムのリプレースも必要になったそうです。「イラストレーターEPS形式で番組表データがほしいという要望は、地方の新聞社からの声としてありました。InDesignで組版すれば、イラストレーターEPSや1ビットTIFF等多様なフォーマットに出力できるので、InDesignを使った自動組版システムにターゲットを絞って探し始めました」と宮谷氏。そこで宮谷氏の目に留まったのが、いち早くInDesignでの自動組版に対応していた、富士フイルムシンプルプロダクツの《DTPSpider》でした。

しかし、《DTPSpider》では、InDesignタグを使っての組版に対応していなかったため、独自システムとして「ラテ番組表組版システム」を制作することになりました。

夜に送信されてくるデータを自動組版し、朝からチェック可能ラジオ・テレビ欄のデータは、放送局から日刊編集センターに配信されます。そのデータを日刊編集センターの他の部署で組版用のタグ付きテキストに変換したデータが、夜「ラテ番組表組版システム」のサーバーに届きます。ラテ番組表組版システムでは、ラテ番組表用のデータの到着を常時監視し、あらかじめ準備しておいたテンプレートを使って、制作担当者のパソコンのInDesignで自動組版していきます。夜届いたラテ番組表用データが、朝にはInDesign 形式の番組表になるため、制作担当者が午前中に校正をし、問題なければ、すぐに客先に送ることができるようになったそうです。また、番組表はInDesign形式になっているため、必要に応じて手作業での修正も可能です。「自動組版により、早く確実に番組表を制作できるようになりました。以前は組版に使っていた昼間の時間を他の作業に使えるようになり、残業減や合理化につながっ

たのが大きなメリットです。番組表の追加訂正が発生したときも、他部署からデータが送られてくるとリアルタイムに組版できるので、迅速な対応が取れるようになりました」と鎌田氏。「開発の際には、なるべく負担が少なく、動きの取れるシステムを考えました。組版用のデータは汎用的なタグ付きテキストとし、組版は InDesignのテンプレート側で工夫しています。テンプレートを作成するところで多少の苦労はありましたが、いったん作ったらレイアウトをリニューアルするまで変更の必要がないのがいいで

地上波からBS・CSまで、日本全国のテレビ・ラジオ局の番組表を編集・制作している株式会社日刊編集センター。毎日の番組表から週間・月間の番組表まで、全国約130の新聞・雑誌媒体へ提供しています。この番組表の制作作業を自動化するために導入されたのが、富士フイルムシンプルプロダクツの「ラテ番組表組版システム」です。今回は、編集制作局 局長の鎌田 亨 氏と制作部の宮谷 明義 氏に現在のシステムの稼働状況と今後の展望についてお話を伺いました。

設 立 1982 年 7 月15 日

資 本 金 1 億 7000 万円本 社 〒104-0045

東京都中央区築地 3-5-10日刊スポーツ新聞社ビルTEL:(03)3546-5980URL:http://www.nikkanhc.co.jp/

従業員数 159 名(2008 年4月現在)

事業内容 ラジオ・テレビ番組表の制作・配信新聞・雑誌等の編集・組版・校閲プロ野球・J リーグほかスポーツ情報の配信

InDesign自動組版

編集制作局 局長鎌田 亨 氏

自動組版されたラジオ・テレビ番組表

すね。生産性は大幅に上がったと思います」と宮谷氏。

安定稼働を達成し、災害対策システムや日刊番組表の制作を計画ラテ番組表組版システムは、現在では安定稼働し、1ビットTIFFやイラストレーターEPS等の多様なフォーマットの番組表データをスピーディーに正確に制作するという当初の目的は達成できました。今後の展望を尋ねると鎌田氏は「まずは、災害対策のバックアップシステムを構築し、どこの拠点からでも番組表を制作できるようにする予定です。そして、それを寝かしておくのももったいないので、日刊の番組表制作にも使えるようにしていきたいと考えています。現在のラテ番組表組版システムでは、運用上の問題から日刊の番組表は組版していません。日刊の場合は、のべつ幕なしに訂正が入り、お

客様ごとに仕分けするのも大変なのです。しかし、将来的にはデータの変更が入ったら自動的に再流し込みされるなどの方法でそれらの課題を解決し、日刊の番組表もこのシステムで制作できるようにしていきたいです」と語ってくれました。また、「現状のシステムでデータを入れれば番組表が自動組版されるというベースの部分はできました。今後はデータ管理

の部分を見直して、より強固なシステムにし、お客様の信頼をより高めていけるようにしたいです。また、サーバー組版も考えていきたいです」と宮谷氏。日刊編集センターのラテ番組表組版システムは、今後も発展し、より安定した、多様な組版に対応できる、日刊編集センターのコアシステムとして成長を続けていきそうです。

株式会社日刊編集センター

入稿・制作用サーバー

ラテ番組表用データ

(バックアップ) 入稿・制作用サーバー 校正用プリンター

多様な フォーマットで

納品

制作担当者 InDesign 確認・修正

制作担当者 InDesign 確認・修正

制作担当者 InDesign 確認・修正

制作担当者 InDesign 確認・修正

InDesign自動組版

■ラテ番組表組版システム

自動組版された番組表は朝からチェックにかかれる

InDesign ファイルになっているので、後編集も可能