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1 インターネットの 進化と可能性 慶應大学 環境情報学部 村井純/湧川隆次 インターネットの役割 デジタル情報が流通する基盤 コンピュータとコミュニケーションの技術 インターネット技術と、通信技術 インターネット基盤と、通信基盤 すべての産業と人に貢献する共通基盤 グローバル 応用は自由 The Internet for everything Communication Technology Internet Technology Society Cell Phone: W-CDMA, CDMA2000, 1x EVDO, HSDPA WLAN: 802.11a/b/g WMAN: 802.16, 802.20 WPAN: 802.15.3, zigbee, bluetooth IP Telephony: VoIP, SIP, ENUM IP Mobility: MIP, NEMO IP dynamic network: MANET IPv6 AAA Satellite Unwired World 何時でも、何処でもネットワーク 人、物は、固定されている時代じゃない 動くことにより通信環境はDynamicに変わっていく インターネットの新しいパラダイム インターネットはもともと固定計算機の上でデザインされている 移動体計算機のためのプロトコルの登場 Mobile IPv6 (計算機の移動透過性) Mobile Network (ネットワークの移動透過性) Mobile Ad-hoc Network (ダイナミックなネットワークの経路制 御) Unwired Worldへ向けて 次世代インターネットの特徴 Mobilityのサポート MobileIP, NEMO, MANET 無線アクセス IEEE802.11, 802.16e, 802.20 規模性 IPv6 インターネットの総人口の比率の変化 自動車8億台 携帯電話15億台 モバイル/ワイヤレスが主流へ Internet backbone IPv6! Wired Broadband Network: FTTH,ADSL Wired Broadband Network: FTTH,ADSL Celluler W-CDMA, CDMA 2000, Celluler W-CDMA, CDMA 2000, Wireless LAN IEEE 802.11a,b,g Wireless LAN IEEE 802.11a,b,g Wireless MAN IEEE 802.16e,802.20 Wireless MAN IEEE 802.16e,802.20 Broadcasting Broadcasting Mobile Adhoc Network (MANET) Personal Area Network, Vehicle-to-Vehicle MANET

インターネットの役割 インターネットの 進化と可能性 z...1 インターネットの 進化と可能性 慶應大学環境情報学部 村井純/湧川隆次 インターネットの役割

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1

インターネットの進化と可能性

慶應大学環境情報学部

村井純/湧川隆次

インターネットの役割

デジタル情報が流通する基盤

コンピュータとコミュニケーションの技術

インターネット技術と、通信技術

インターネット基盤と、通信基盤

すべての産業と人に貢献する共通基盤

グローバル

応用は自由

The Internet for everything

Communication Technology

Internet Technology

Society

Cell Phone: W-CDMA, CDMA2000, 1x EVDO, HSDPA

WLAN: 802.11a/b/gWMAN: 802.16, 802.20WPAN: 802.15.3, zigbee, bluetooth

IP Telephony: VoIP, SIP, ENUM

IP Mobility: MIP, NEMO

IP dynamic network: MANETIPv6 AAA

Satellite

Unwired World

何時でも、何処でもネットワーク

人、物は、固定されている時代じゃない

動くことにより通信環境はDynamicに変わっていく

インターネットの新しいパラダイム

インターネットはもともと固定計算機の上でデザインされている

移動体計算機のためのプロトコルの登場

Mobile IPv6 (計算機の移動透過性)Mobile Network (ネットワークの移動透過性)Mobile Ad-hoc Network (ダイナミックなネットワークの経路制御)

Unwired Worldへ向けて次世代インターネットの特徴

MobilityのサポートMobileIP, NEMO, MANET無線アクセス

IEEE802.11, 802.16e, 802.20規模性

IPv6

インターネットの総人口の比率の変化自動車8億台

携帯電話15億台

モバイル/ワイヤレスが主流へ

Internetbackbone

IPv6! Wired Broadband Network: FTTH,ADSL

Wired Broadband Network: FTTH,ADSL

CellulerW-CDMA, CDMA 2000,

CellulerW-CDMA, CDMA 2000,

Wireless LANIEEE 802.11a,b,g

Wireless LANIEEE 802.11a,b,g

Wireless MANIEEE 802.16e,802.20

Wireless MANIEEE 802.16e,802.20

BroadcastingBroadcasting

Mobile Adhoc Network (MANET)Personal Area Network, Vehicle-to-Vehicle

MANET

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2

インフラ設備の拡充

無線インフラの整備

無線HotSpot (マクドナルド、スターバックス、飛行場等)携帯電話網の帯域向上 (KDDI EVDO)固定課金の携帯電話通信システム (AirH, bmobile, FreeB)道路網 (ETC, DSRC)

通信インタフェースの充実

携帯電話 (3G, PHS)無線LAN IEEE 802.11やDSRC狭域無線インタフェース

Bluetooth (KDDI AU A5504T)IrDA Wireless PAN 802.15.1(Bluetooth), 802.15.3a(UWB), 802.15.4(Zigbee)

Wireless LAN 802.11 a/b/g/n

Wireless MAN 802.16e, 802.20, iburst

Wireless WAN / Satellite HSDPA, CDMA2000 1x EvDo

High SpeedSmall Cell size

Low SpeedBig Cell size

移動体通信の普及

電話はもはや“モバイル”が主流:7割強がインターネット対応自動車のおよそ10台に1台はカーナビを装着インターネット対応ナビの登場

G-BOOK、CARWINGS、InterNAVI等のサービスの開始“移動しながら”のインターネット利用へのパラダイムシフト

5.6

6.6

6.9

7.0

7.9

7.9

9.4

13.8

16.5

59.1

72.3

0 20 40 60 80

日本

韓国

フィンランド

カナダ

シンガポール

米国

ドイツ

イタリア

英国

台湾

フランス

主要国・地域における携帯電話のインターネット対応比率

%

02,0004,0006,0008,00010,00012,00014,00016,00018,00020,000台数(千台)

1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003

年(西暦)

カーナビとVICSの普及台数の推移

VICS

カーナビ

Mobile IPv6

Mobile IPv6の前にIPv6….

Networkプレフィクス インターフェイスID+

3ffe:0501:100c:d220 0200:39ff:fe0a:c11c

IPv6グローバルアドレスの構造

ルータ

ルータ広告

インターフェイスID

ルータ広告に含まれるnetworkプレフィクスと固有のインターフェイスIDからアドレスを設定する。

Networkプレフィクスが含まれる

移動透過性/着信可能性の定義

移動透過性ノードが移動しても確立されたコネクションが維持できること

現状では、コネクションは切れる

着信可能性ノード識別子が移動によって変化しない

現状では、相手のIPアドレスが変わると通信を開始できない

移動移動

コネクションが切断

通信相手が不明

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3

MobileIPv6とは?

着信可能性の提供IPアドレスが不変のため着信可能性の実現IPアドレスを計算機の識別子として用いることが可能

移動透過性の提供IPアドレスの変化を隠蔽通信に利用するIPアドレスが不変のため通信が遮断されない

IETFで標準化作業RFC3775, RFC3776

不変なアドレスを移動体ノードに割り当てる!

ホームアドレスとbinding

移動体ノード(MN)は常に一意なアドレスを保持ホームアドレス (Home Address)移動体ノードの固定識別子

移動ノードは,移動先でアドレスを取得

ケアオブアドレス (Care-of Address)移動体ノードの実際の移動場所の識別子

ホームアドレスとケアオブアドレスのマッピングを管理

Binding固定識別子と移動場所の識別子のマッピング

HoA, CoA, Binding移動ノードはHome Address (HoA)を割り当てられる

HoAはインターネット上で普遍なアドレス

移動ノードは移動先で利用可能なアドレスCare-of address (CoA)を取得する

BindingとはHome AddressとCoAの関係を保持したものBindingにはライフタイムがあり定期的に更新されるMNの移動等によりCoAが変更した場合も更新が行われる

Mobile IPv6Reverse Tunneling

MN

InternetInternet HA

CN

Binding CacheMN HoA – MN CoA

IP-in-IP Encapsulation

Bi-directional Tunnel

MN

Home Link

Mobile IPv6Route Optimization

MN

InternetInternet HA

CN

Binding CacheMN HoA – MN CoA

IP-in-IP Encapsulation

Bi-directional Tunnel

MN

Binding CacheMN HoA – MN CoA

Mobile IPv6のシグナル1.Home Registration

MN

InternetInternetHA

Binding CacheMN HoA – MN CoA

1. Binding Update

2. Binding Acknowledgement

IP header HoA BUBinding Update

IPsec IP header HoA BABinding Acknowledgement

IPsec

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4

Mobile IPv6のシグナル2.Return Routability

HoAとCoAの到達性を確認HoAの到達性

Home Test Init (HoTI)とHome Test (HoT)メッセージの交換CoAの到達性

Care-of Test Init (CoTI)とCare-of Test(CoT)メッセージの交換到達性確認の間に、鍵を同時に交換し、その鍵を用いてBinding Updateを送信

MN

InternetInternetHA

CN

CoTI/CoT

HoTI/HoTBU/BA

Binding CacheMN HoA – MN CoA

Binding CacheMN HoA – MN CoA

移動検地

アドレスからアドレス(CoA)のライフタイムの終了default routeの無効

L2の情報LINK_UP, LINK_DOWN, LINK_POOR, etc.位置情報 GPS等

IPアドレスは誰のもの?IPアドレスはもともと個人或いはグループベースで割当を行っていた(初期)アドレスの枯渇や経路制御の非効率性の問題

ISPがまとめてアドレスブロックを保持し、それを個人、グループに貸し出すモデルへのシフト(1990年~現在まで)アドレスの割当の効率化やアドレスブロックを用いた経路集約制御の実現

個人はISPが変わったり、移動するとアドレスも当然変わる

移動体ネットワークの台頭(近い将来?!)移動体通信プロトコルを用いれば、IPアドレスは計算機を一意に識別するものとして扱える

ISPベース、トポロジーベースのIPアドレスの制約からの解放電話番号のようにIPアドレスが使われることもありうる

過去

未来

2004

Network Mobility

InternetInternet

移動ネットワーク(NEMO)The NEMO Basic Support プロトコルトンネル技術を用いたシームレス通信と不変な通信アドレスの提供

インターネット通信技術標準化団体で標準化活動中

Mobile Router (MR): 自動車をインターネットに接続するルータHome Agent (HA): MRの移動を支援するエージェント

MR

sensor

PDA

navigation

laptop

HA

MR MRMR

NEMO Basic Support Protocol

MR

InternetInternet HA

CN

MNN

Bi-directional Tunnel

MNP – MR HoA

Binding CacheMR HoA – MR CoA

IP-in-IP Encapsulation

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5

NEMOのシグナル

MR

InternetInternetHA

Binding CacheMR HoA – MR CoA

MNP – MR HoA1. Binding Update

2. Binding Acknowledgement

IP header HoA BU (R) MNP/len

Explicit Binding Update

IP header HoA BU (R)

Implicit Binding Update

Prefix TableMR HoA - MNP

IPsec IPsecMobile Network Prefix Option

KEIO UniversityJun Murai Lab.collaboration with

2004 Nagoya ITS World Congress IPv6 Mobility Technology for ITS

Port Messe

AONAMI LINE

IPv6 Mobility System for Vehiclesインターネットと自動車

自動車の情報化

カーナビゲーション

エンターテイメント

自動高速料金システム(ETC)渋滞,事故,気象情報 (VICS)

インターネットの利点

共通で安価な通信基盤

誰でもどこでも利用可能

オンデマンド,リアルタイム通信

多くの様々な情報

アプリケーションの例

WEBブラウジングメール

音楽及び映像配信

家電コントロール

オンラインゲーム

交通情報配信・地図配信

センサー情報配信

InternetInternet

システム構成

ノートPC(保守用)

SD?

1 2 3 45 6 7 8FDX100MLINK/ACTPWR CentreCOM FS708E 8MDI-X 8MDI

OR

1X 2X 3X 4X 5X 6X 7X

10BASE-T/100BASE-TX8PORTFASTETHERNETSWITCH

L2スイッチ

USB

DO-BOX

IEEE 802.11b

KDDIIPv6・

R

R

R

R

HA

R

R

WIDEIPv6

AP

大手町

800MHz EV-DO網

WLAN網(IPv6)

R

RR

2GHz EV-DO網 R

カメラカー(3台同一構成)

MRPCサーバ(WinXP)

IEEE 802.11b

800MHz EV-DO

ツアーバス(1台)

MR

PCサーバ(WinXP)

カメラ

カメラSD

?

1 2 3 45 6 7 8FDX100MLINK/ACTPWR CentreCOM FS708E 8MDI-X 8MDI

OR

1X 2X 3X 4X 5X 6X 7X

10BASE-T/100BASE-TX8PORTFASTETHERNETSWITCH

L2スイッチ

IEEE 802.11bPDA

マイク

ITS世界会議展示ブース

PCサーバ(WinXP)

カメラ

マイク

IPv6 over IPv4 トンネル

IPv6 over IPv4 トンネル

ADSL網

R

コンテンツサーバ

WIDEとKDDIのMRを両方設置し適宜切替え

カメラカー用にはWIDE MR 2台とKDDI MR 2台を準備

ノートPC(保守用)

WIDE HA 2台、KDDI HA 2台いずれのHAも全MRを収容可能

デモンストレーションシナリオ概要

800MHz EV800MHz EV--DODOエリアエリア

ポートメッセ(慶応ブース)

IP CameraIP Camera

※ポートメッセ会場は有線回線有り

WLAN

WLAN

WLAN遠隔ガイド

MR(WIDE) MR(KDDI)

800MHz EV-DO802.11b

WebサイトまたはDB

PDA

Pocket MIMAS

WLAN

WLAN

WLAN

2GHz EV2GHz EV--DODOエリアエリア

MR(WIDE) MR(KDDI)

2GHz EV-DO802.11b

カメラ映像

カメラ映像

ツアーバス

カメラカー(3台)

名古屋中心地名古屋中心地

車に設置したカメラから名古屋中心地の映像を展示会場およびポートメッセ会場周辺を回るツアーバスに対して送る。

カメラカーからの映像を800MHz EV-DOとWLANで切り替える。シームレス通信とメディアによる情報量の変化をアピール

Pocket MIMASを用いたモバイルネットワーク通信の体験

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6

ITS backbone

Wireless LAN

1x EV-DOPHS

DSRC CDMA2000 1x Internet

無線ネットワークインターネットに接続するには?

家:ADSL, 光,有線車:無線ネットワーク

多様な無線ネットワーク技術

無線LAN携帯網システム (CDMA 2000 1x)

様々な通信特徴

無線通信範囲

通信帯域

課金

自動車のための無線ネットワーク

移動範囲をカバーするために複数の無線を利用

最適な無線メディアの選択

Servers

Home Office

InternetInternet

ポリシーに応じた通信メディア選択

802.11

MR

sensor

PDA

navigation

laptop

1x EV-DO(800MHz、2GHz)

MR

HA

policy

policy

policy

メディアの通信特性や通信状況に応じた最適な通信メディアの選択例:プローブ情報は, CDMA 2000 1x EV-DO ,メールや音楽は無線LANを利用

ポリシーに応じた選択判断利用者の好み (オンラインゲームは高速通信でプレイしたい)

通信環境における利用可能な通信メディア(無線LANが利用可能)通信中のデータフローの特性

メール,音楽

プローブ情報(気温,位置情報)

InternetInternet

アプリケーションの動的適応

802.11

MR

sensor

PDA

navigation

laptop

1x EV-DO(800MHz、2GHz)

MR

HA

利用可能な通信に応じてアプリケーションが動的に対応する技術無線LANが利用出来ない場合でも,通信品質を下げても通信を継続など

ビデオアプリケーションではフレームレートや解像度を変えるCDMA2000 1x EV-DO:・64kbps (4~5fps) for upstream, 98kbps (15fps) for downstream. 160x120 resolution無線LAN(802.11b): 192kbps (15fps) for upstream and downstream, 320x240 resolution

320x240320x240320x240

160x120160x120160x120

相互接続試験

Internet

慶應大学 とKDDIのIPv6ネットワーク網を用いたオペレーション

利用可能技術

移動体ネットワーク

マルチホーミング技術

MR

HA

MR

HA

KDDI MR慶應MR

Mobile Ad-hoc Network

Mobile Ad-hoc Network(MANET)とはMobile:動的なトポロジー変化ノードは移動する

Ad-hoc: 自立的トポロジー生成インフラ設備に依存せず

No server, No Access Point, etcNETwork: 全てのノードはルータ機能をもつ中間ノードはルータとして動作する、マルチホップ通信

Source

Destination

Source

Destination

AP/AR

Internet

既存のインターネット MANET

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7

アドホックネットワークの特徴

計算機の多様性演算能力、バッテリー、通信性能の多様性

PDA、ラップトップ、携帯電話、センサー、自動車等

動的なトポロジー変化に対する対応固定ルータなどは存在せず、各ノードの移動に応じて経路情報を伝播

自立的ネットワーク編成の実現経路情報の伝播

アドレス情報などの取得

インターネット階層構造の新たな概念

リーフ間の接続 (階層構造のスキップ)

動的な、ツリーの継ぎ足し

リーフ

ツリーの継ぎ足し

名刺の紙は無くしたい

1万km離れたコンピュータ同士でも、インターネットで楽々通信

インターネットは世界的情報基盤

互いのEndは、IPアドレスあるいはFQDNが固定信頼ある、バックボーン経路制御

なぜ、1m離れたPCへの通信が面倒なの?

→ アドレスやプロトコルの問題もあるが、End同士での経路制御が無い為、インターネットに接続してインターネットの経路制御をはさむ必要があるため

赤外線、Bluetoothがあるけど全然使われてない

名刺は今でも殆ど紙だ

飛行場でファイルを隣の人に送りたい!!!インターネット繋がってる?

携帯電話でつなげる

アドレス取得できた?

アドレスの値は何?

じゃー送るよ

ネットワークの更なる応用

直したい現実

会議室内で、全員がダイアルアップしてファイルを交換

災害時、公衆電話に殺到する

ネットワークの構築は大変

アドレスの割当

ルーターの設定

経路の設定

DNSの設定無線の場合

基地局の設置

チャネルの割当

セキュリティー

無線インタフェースがあるのだから、即座にネットワーク構築

周りに計算機があれば何となく繋がる

インターネットステーションとなる災害自動車が乗り入れる

被災地でネットワークが構成されインターネットに接続される

災害ロボットは、動的にネットワーク通信して災害活動

災害報告は、ネットワーク経由

リモートコントロールもネットワーク越し

アドホックネットワークの活用

災害時ネットワーク

ロボットネットワーク

AIBO, SDR3X, ASIMOパーソナルエリアネットワーク(PAN)自動車間ネットワーク

路車間ネットワーク

軍事への応用

歩兵間ネットワーク、戦車間ネットワーク

センサーネットワーク

中央サーバにデータを収集

アドホックネットワークの歴史

1970年代DARPAにおいて、ALOHAプロジェクトやPacket Radio Network (PRNET)の活動無線ブロードキャスト特性を生かした、シングル/マルチホップ通信の可能性

1990年代IETF MANET Working Groupで、経路制御のプロトコル標準化スタートIEEEで802.11委員会で無線LANのプロトコル標準化スタートEricsson、IBM、Intel、東芝、Nokiaで、Bluetoothの開発および標準化活動スタート

2000年代IEEE 802.11a,b,gなど、無線LAN技術の急速なデプロイ化IETFで経路制御プロトコルの標準化終了

AODV,DSR,OLSR,TBRPF

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8

Flooding の必要性Internet経路情報は、インターネットの階層構造に応じてaggregationが行われて共有. IPアドレスの割当てに応じてトポロジーが決定され、何処にパケットを配送すれば良いか検討が付く

アドホックネットワークIPアドレスはノードの識別子でしかなく、移動によりトポロジーも変更

あるノードを探したいときインターネット: IPアドレスを元に経路検索アドホックネットワーク:

ネットワーク全体に問い合わせが必要(proactive)ネットワーク全体での経路交換が必要(reactive)

A B C DAはDに配送するためには、Bに配送すれば良いと分かる

A B

CD

AはDに配送するためには、Dが何処にいるかネットワーク全体で検索する

インターネット:秩序 MANET:無秩序

Flooding方式送信ノードXはY発見のため経路探索要求をネットワーク全体にFlooding近隣ノードにブロードキャスト

近隣ノードはパケット受け取り後、宛先が自分(Y)だったら処理して返答

ID*が同一のパケットは、複数回処理しないで破棄

宛先が違う場合はさらに近隣ノードにブロードキャスト

* 同一パケットの配送を避けるため、送信パケットにIDを割当てる

X

Y

•無駄なパケットの送受信•帯域やバッテリーの消費•無線の輻輳によるデータ損失•伝播遅延の増大

問題点

経路制御の区分

Reactive ProtocolOn-demand型経路が必要なときのみ経路探索および管理

通信開始時に経路探索が開始

通信期間中のみ経路を管理保持

シグナルメッセージを減らす

Proactive ProtocolTable駆動型既存のRIPやOSPFのように常に経路を管理通信時に即座に経路利用可能

Hybrid ProtocolReactiveとProactive両方を用いた経路制御

AODVAd-hoc On-demand Distance Vector Routing Protocol

RFC3561.txt (experimental) 2003年7月発行 37ページテーブル駆動型経路制御プロトコル

中間ノードが経路情報を持つため、エンドノードで全ての経路を知る必要は無い

uni-directionalリンクもサポートシーケンス番号を用いたループ防止

ノードは、各自のシーケンス番号を管理

経路制御を行う場合、番号を増やす

古いシーケンス番号の経路は使わない

AODV Spec.

AODVのメッセージRREQ: 経路要求メッセージ (flood)RREP: 経路応答メッセージ (unicast)RERR: 経路無効メッセージ(unicast/flood)RREP-ACK: 経路応答メッセージへの応答確認 (unicast)

AODVの経路表宛先アドレス

次ホップアドレス

宛先ノードのシーケンス番号

有効期間

precursor-list本経路を用いている、下位ノード群アドレス

経路要求Route Request (RREQ)の送信

経路通知Route Reply (RREP)の送信

AODV無効経路削除

Route Error (RERR)の送信

切断検知

経路修復

切断検知

RREQ

RREP

経路削除

経路削除

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9

OLSR

Optimized Link State Routing Protocol RFC3626.txt (experimental) 2003年10月発行 75ページ

テーブル駆動型経路制御プロトコル

中間ノードが経路情報を持つため、エンドノードで全ての経路を知る必要は無い

uni-directionalリンクもサポート効率的なFlooding方式

Multi-Point-Relay (MPR) floodingdraft-perkins-manet-mprf-00.txt

Flooding vs. MPR Flooding

全てのノードが隣接ノード群にブロードキャスト

ネットワークの端まで繰り返される

最小のノードでネットワーク全体にパケットを配送する技術青いノード:MPRノード赤いノード:MPR選択者 (MPR selector)青いノード群:MPRセット

MPR selectorはMPRに再送を許可全てのノードはMPRセットを持つ

MPRの選択方法

全てのノードは2ホップ先のノードの状態を常に管理

HELLOメッセージの交換

1-hopノード

2-hopノード

on

m

l

kj

i

1 2

e

d

cb

a

fg

h

X

on

m

l

kj

i

1 2

e

d

cb

a

fg

h

X

MPRの選択方法1→a,o,n2→a,b,o3→b,c4→c,d,e,f5→e,f,g6→g,h,i7→i,j,k,l,m8→l,m,n

1→a,o,n2→a,b,o3→b,c4→c,d,e,f5→e,f,g6→g,h,i7→i,j,k,l,m8→l,m,n

1→a,o,n (3)2→a,b,o (3)3→b,c (1)4→c,d,e,f5→e,f,g6→g,h,i7→i,j,k,l,m8→l,m,n (1)

1→a,o,n (3)2→a,b,o (3)3→b,c (1)4→c,d,e,f5→e,f,g6→g,h,i7→i,j,k,l,m8→l,m,n (1)

1. 唯一の2ホップノードを持つ1ホップノードを選ぶ2. 既に選択された2ホップノードしか持たない1ホップノードを削除3. 残った1ホップノードのうち一番多くの2ホップノードを持つものを選ぶ4. 選択されない2ホップノードが無くなるまで1ホップノードを選ぶ

MPRの選択方法 (willingness)

各ノードは Willingness という 0 ~ 7 の範囲の値をもっており、この値が高いほどMPRとして選ばれやすくなる。

WILL_NEVER: 0WILL_LOW: 1WILL_DEFAULT: 3WILL_HIGH: 5WILL_ALWAYS: 7

例えば、電源供給を備えた固定ノードは WILL_ALWAYS に設定しておく

TCメッセージの配信

MPRは必ずTopology Controlメッセージの配送をしなくてはならない

MPRとして選ばれていないノードはメッセージの配送をしてはいけない

MPRとして選ばれたかどうかは、HELLOメッセージを用いて知る

Topology ControlメッセージMPRとして自分を選んだノード(MRP選択者)のリストを入れて送信

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10

ルーティングテーブルの構築

TCメッセージのフラッディングにより、すべてのノードは、すべてのノードのMPR集合を知ることができる。あるノードのMPR集合がわかるということは、「そのノードまでの最後の1ホップの経路がわかる」ということ。

TCテーブルからルーティングテーブルを作成TCテーブルにより任意の2ノードの経路がわかる。

ダイクストラ法により最短経路を計算する

MANETのインターネット接続性

MANETをインターネットに接続するためのInternet GatewayInternet GatewayはInternetとMANETをつなぐインフラReactiveとProactive両方サポート

機能NodeのInternet Gatewayの発見Global Prefixを取得しglobalアドレスの生成

Internet Gatewayをインターネットへの経路として追加

インターネット経路の検索方法

利用される経路の検査

Mobile IPv6のサポート

IG

InternetInternet

新たな通信経路

MANETMANET

InternetInternet

InternetInternet

MANETMANET

InternetInternet

InternetInternet

MANETMANET MANETMANET

既存の通信 MANET内通信

MANET-Internet通信MANET-Internet-MANET通信

通信環境に応じた経路制御

現在の経路制御技術は、常に有効か?

802.11, BlueTooth, IrDAで直接通信すれば事足りるアプリケーションも多い

車車間通信、名刺交換、ファイル交換など

移動体通信プロトコルを考えると、経路の最適化が行えない

経路制御技術の住み分けバックボーン

IGP (AS内部)、EGP (AS間)Endノード

MANET(EndNodeの通信範囲内)

HA1 HA2

移動体通信プロトコル利用時

既存経路制御

EndNodeのアドレス情報に応じて階層を辿る必要

HAを経由した冗長経路を用いた通信

Convergence

MANET/NEMO,MIP相互補完

MANETとMIP/NEMOは相互補完する技術

MANET最適化された経路(経路の階層構造のバイパス)

Nested Mobility (双方向トンエルの回避)MIP/NEMOアドレス割当て(ホームアドレス・モバイルネットワークプレフィックス)

通信の継続(移動透過性)

分類MANET:ローカルモビリティーとショートカット経路NEMO: グローバルモビリティーと移動透過性

Page 11: インターネットの役割 インターネットの 進化と可能性 z...1 インターネットの 進化と可能性 慶應大学環境情報学部 村井純/湧川隆次 インターネットの役割

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MIP/NEMOの無駄な経路無駄経路の発生

MN/MRとHA間の双方向トンネルの利用インターネットの経路階層構造が経路のパスを伸ばす

Endノード間でMANETによる経路確立階層構造のバイパスによるパスの縮短

双方向トンネル回避による,通信性能の向上

Home Agent

Home Agent

Home Agent

Home Agent

Nested Mobility!?

MANETを使った双方向トンネルの回避

VMN1 VMN2

sub-MR1

sub-MR2

sub-MR3

sub-MR4

root-MR1

Access router(s)

root-MR2

VMN1 VMN2

sub-MR1

sub-MR2

sub-MR3

sub-MR4

root-MR1

Access router(s)

root-MR2

Home Agents

MG

MG

MGMG

Overlay MANET for inter mobile network connectivity

Mobile Network

MG: Mobile Gateway

InternetInternet

Internet Connectivity with NEMO support

Mobile Gateway (MG)Mobile Gatewayは二つの技術の統合

NEMO Basic SupportInternet Gateway

MG(モバイルネットワーク)間を繋ぐオーバーレイネットワークPrefixによる経路集約各MGが、モバイルネットワークプレフィックスをMANETで交換

連続性

Internet Gateway機能を用いたインターネットへのワイアレスアクセスMANET経路を用いた、宛先へのワイヤレスマルチホップアクセス

経路の選択

MG

MG

MG

InternetInternet

直接経路

MG

MG

MG

InternetInternet

nemo 経路

MG

MG

MG

InternetInternet

回避経路

HA

HA

MANET+NEMO = MANEMO

MANETとNEMOの相互補完を目指す統合するための必須機能フロー制御・パス制御

規模性

セキュリティー

マルチホーム・マルチパス

統合を前提としたアーキテクチャのデザインが重要個別の技術ではモバイルインターネットアーキテクチャは成立しない

技術の連携による相乗効果の重要性