リアルタイムオプティマイザー導入と今後の展望...項目／装置 RF装置 FCC装置 DCU装置評価 ①収益率の高く改善効果が期待できる装置

リアルタイムオプティマイザー導入と今後の展望

© 2019 AVEVA Group plc and its subsidiaries. All rights reserved.

コスモ石油製造技術部運転管理グループ山本雅之

3/12/2019


１．会社概要

２．リアルタイムオプティマイザー導入経緯

３．常圧蒸留装置導入結果

４．流動接触分解装置フィジビリティスタディ結果

５．プロジェクト紹介

６．当面の課題

７．今後の展望

1．会社概要


１．会社概要（１）コスモエネルギーグループ


• 2015年10月1日より、持株会社体制に移行。

• 2016年1月1日、持株会社および中核3社による事業体制を確立

コスモエネルギーホールディングス株式会社

コスモエネルギー開発（株）【資源開発会社】

コスモ石油（株）【供給会社】

コスモ石油マーケティング（株）【販売会社】

１．会社概要（２）コスモ石油株式会社


●：本社（東京）■：中央研究所（埼玉）★：製油所（千葉、四日市、堺）◆：物流基地・油槽所(函館、坂出）

堺製油所原油処理能力：100kBD

四日市製油所原油処理能力：86kBD

千葉製油所原油処理能力：177kBD





✓人口減少、エコカー、エネルギー多様化などに伴い石油需要の減退

✓同業他社の合併により市場競争の激化

市場環境

✓ リアルタイムオプティマイザー（RTO）は海外・国内の主要な石油会社、化学・石油化学

会社では既に導入。

競合環境

✓当社千葉製油所震災による財務環境影響の改善

✓世界標準の製油所競争力および安全・安定運転の確立

内部環境



✓ 投資採算性を確認、堺製油所TP装置に導入を決定

✓ 2017年度から着手し、2018年1月完了

2016年度TP装置

フィジビリティスタディを実施

堺製油所常圧蒸留装置（TP装置）への導入

✓ 堺製油所製造部門からRTO導入による収益改善提案を本社に上程

✓ 堺製油所は他製油所に比べ高度制御稼働率が高く、RTO導入に最適

３．常圧蒸留装置導入結果


３．常圧蒸留装置導入結果（１）


✓堺の導入結果から他製油所も同様の効果が見込める。

✓他製油所の原油能力を考慮しても投資採算性が見込める。

✓以上のことから他製油所はフィジビリティスタディは不要と判断

✓計画的にTP装置へのRTO導入を決定。

他製油所のTP装置への展開

✓フィジビリティスタディと同様の収益改善を確認

✓収益性の高い製品の得率改善を確認

✓モデル精度、高度制御の制御性も良好

導入評価

➢ 最適化操作

①プレフラッシュドラム圧力の最適化

②還流比の最適化

③ストリッピングスチームの最適化

④原料予熱熱交換器最適化

⑤加熱炉出口温度最適化

etc

導入結果（一例）

製品

LPG

LN

HN

KERO

LGO

HGO

AR

得率改善額/年

2.6億円

３．常圧蒸留装置導入結果（２）


TP装置のフィジビリティスタディ結果および導入後の結果から他装置への展開を模索

他装置への展開

装置選定

項目／装置 RF装置 FCC装置 DCU装置評価

①収益率の高く改善効果が期待できる装置〇〇〇収益率が高く、処理能力・共通装置としてFCC装置に決定

②処理能力の高い装置 △ 〇 △

③各製油所共通する装置〇〇 ×

✓反応モデル精度確認のためフィジビリティスタディを行い、評価を行うこととした。

✓対象製油所を決めるにあたり、事前にプレフィジビリティスタディとして生産方針/

稼働状況/運転制約/高度制御状況等確認、優位性のある堺製油所に決定した。



製品得率変化年間

改善効果

C3

2.4億円

C4

GASO

LCO

HCO

SLO



✓最適化ポイント

加熱炉出口温度最適化

反応温度、触媒循環量最適化

主蒸留塔圧力最適化

ストリッピングスチーム最適化、etc

✓モデル評価ポイント

実装置を反映したモデル精度を確認

最適化計算結果の妥当性を確認

投資採算性が高いことを確認

フィジビリティスタディ評価

堺製油所FCC装置導入を決定

導入結果（一例）


FCC装置のフィジビリティスタディ結果から他装置への展開を検討

他製油所への展開


TP装置 FCC装置

プレFS

FS

導入実績

導入後評価

無

有

有

有

有

有

無

無

✓ プレフィジビリティスタディを実施し、各製油所とも

にRTO導入の期待効果を事前に確認。

✓ TP装置の実績からFCC装置も展開可能と判断。

✓ フィジビリティスタディを実施する場合、導入が遅れメ

リット享受まで期間を要す。

✓ 以上のことから投資採算性が高いと判断し、早期

メリット享受を目指し、フィジビリティスタディをせず、

計画的にFCC装置に導入を決定。

まとめ





✓製油所主体の体制

プロジェクト全体の管理は主に技術課

モデル、システム構築は主に製造部署

✓本社は製油所間連携、フォロー

プロジェクト体制

体制表（一例）

✓プロジェクト当初から製造部署（オペレーター）が参画することでRTOの理解が深まる

✓モデル精度、日常管理、稼働率管理に加え導入後の課内展開などのフォローが充実

✓プロジェクト業務に直接的にかかわることでスキルアップ、キャリアアップなど次につながる。


2017年度 2018年度 2019年度 2020年度 2021年度

千葉製油所

四日市製油所

堺製油所


1TP装置（計画中）

2TP装置（計画中）

FCC装置（計画中）

6TP装置（実行中）

FCC装置（実行中）

FCC装置（実行中）TP装置（導入済）

2019年度3装置導入完了予定

2020年度以降も3装置導入計画中

TP装置（改修中）

VDU装置（実行予定）

現在進行中、計画中のプロジェクトの予定

６.当面の課題


６．当面の課題✓ 2021年度末を目途にTP装置4装置、FCC装置3装置へRTO導入完了を計画。

✓当面は収益改善状況、活用状況、課題・問題洗い出しに注力。

✓教育、維持管理といった体制については不十分、定着に向けた活動、体制が急務。

現状

担当のみ設定

メーカー教育

稼働率確認

メーカー対応

部分最適化

組織体制

自社教育体制

稼働率改善

自社対応メーカー対応

全体最適化

理想

最適化

改修・新規構築

維持・管理

教育・定着

資源・体制資源・体制の充実

教育の充実

管理基準の統一

最適化達成

更なる収益改善

目指す姿

７.今後の展望


７.今後の展望コスモグループにおける第6次連結中期計画

✓長期的方向性を見据え、事業ポートフォリオ強化

✓石油開発や石油事業での収益力強化を基に財務基盤を確立

石油事業の収益力回復戦略投資の確実な回収アライアンス戦略推進CSR経営推進

第5次連結中期計画

第６次連結中期計画・CSR中計

2018年

2013年

財務体質改善

第６次中計ｺﾞｰﾙ2022年

再生投資可能な収益力確保

財務体質の健全化グループ経営基盤の強化将来に向けた成長ﾄﾞﾗｲﾊﾞｰの拡大

Oil&New

長期的方向性・脱化石燃料動向

・石油関連事業競争力強化

・再生エネルギー事業の拡大・持続的企業成長SDGs実現へ貢献

装置から製油所最適化を視野に、展開すべき装置の選定、方針の確立を目指す

APC/ROMeo/LPプランニングモデルとのインテグレーション導入を目指す。

もう少し

まだまだこれから

ご清聴ありがとうございました。

linkedin.com/company/aveva

@avevagroup

ABOUT AVEVA

AVEVA is a global leader in engineering and industrial software driving digital transformation across the entire asset and operational life cycle of capital-intensive industries.

The company’s engineering, planning and operations, asset performance, and monitoring and control solutions deliver proven results to over 16,000 customers across the globe. Its customers are supported by the largest industrial software ecosystem, including 4,200 partners and 5,700 certified developers. AVEVA is headquartered in Cambridge, UK, with over 4,400 employees at 80 locations in over 40 countries.

aveva.com


Documents

リアルタイムオプティマイザー 導入と今後の展望...項目／装置 RF装置 FCC装置 DCU装置 評価 ①収益率の高く改善効果が期待できる装置

リアルタイムオプティマイザー導入と今後の展望...項目／装置 RF装置 FCC装置 DCU装置評価 ①収益率の高く改善効果が期待できる装置