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データポータビリティに関する 調査・検討について 2018年7月 経済産業省

データポータビリティに関する 調査・検討について...経済産業省・総務省「データポータビリティに関する調査・検討会」 2017年3月「データ流通環境整備検討会AI、IoT時代におけるデータ活用WG

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Page 1: データポータビリティに関する 調査・検討について...経済産業省・総務省「データポータビリティに関する調査・検討会」 2017年3月「データ流通環境整備検討会AI、IoT時代におけるデータ活用WG

データポータビリティに関する調査・検討について

2018年7月

経済産業省

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1.データポータビリティに関する調査・検討会

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経済産業省・総務省「データポータビリティに関する調査・検討会」 2017年3月「データ流通環境整備検討会 AI、IoT時代におけるデータ活用WG 中間とりまとめ」

⇒「パーソナルデータの主体である本人の意向を踏まえたデータ流通・活用を推進するためには、本人が提供した官民が保有するデータを、再利用しやすい形で本人に還元又は他者に移管できるデータポータビリティは重要な機能である。」

2017年11月から2018年4月まで、経産省と総務省の合同で、今後の我が国におけるデータポータビリティに関する検討・実施のために各国事例や法制度等の基礎調査を実施。

検討事項主要分野(金融・医療・電力)毎の論点整理 データポータビリティの在り方・対応状況 データポータビリティの効果(メリット等) データポータビリティ実現に向けた法的、技術的課題

調査事項 消費者アンケート

データポータビリティ制度の必要性等の把握 国内事例調査

有識者、事業者等のヒアリングにより、国内での取組状況、課題等を調査

海外事例調査海外の先行的な制度や取組状況等の調査

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金融分野の深掘り ヘルスケア分野の深掘り 電力分野の深掘り

<構成員名簿>東 博暢 株式会社日本総合研究所 プリンシパル

生貝 直人 東京大学大学院情報学環 客員准教授

小笠原 治 さくらインターネット株式会社 フェロー

加藤 綾子 文教大学情報学部メディア表現学科 専任講師

神武 直彦 慶応義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科 准教授

瀧 俊雄 株式会社マネーフォワード 取締役 Fintech 研究所長

中川 裕志 東京大学情報基盤センター 教授

橋田 浩一 東京大学大学院情報理工学系研究科 ソーシャル ICT 研究センター新融合サービス ICT 分野 教授

林 いづみ 桜坂法律事務所 弁護士

古谷 由紀子 公益社団法人日本消費生活アドバイザー・コンサルタント・相談員協会常任顧問

森 亮二 英知法律事務所 弁護士

山本 隆一 一般財団法人医療情報システム開発センター 理事長 (自治医科大学 客員教授)

若目田 光生 一般社団法人日本経済団体連合会 情報通信委員会 企画部会データ 戦略WG 主査日本電気株式会社 データ流通戦略室長

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データポータビリティに関する各国取組状況の整理英国EU

米国 日本

個人は自身のデータを機械可読な形式で受け取ること、他の事業者に移行することが可能

個人は自身のデータを機械可読な形式で、受け取ること、他の事業者に移行することが可能(企業規制改革法)

個人に対し、データへのアクセスや修正権等、データを自己管理する権利を付与(各法共通)金融:ドッド=フランク・ウォール街改革・消費者保護法医療:HIPPA Privacy Rule及びHITECH法電力:エネルギー自立・安全保障法

取組内容

一般データ保護指令⇒一般データ保護規則(GDPR)(2018年5月施行)

「Midata」による分野別の取組※「企業規制改革法」(2013年)による法的裏付け

「改正データ保護法」(2018年)によるGDPRスタンダードに依拠した個人データ保護

オバマ政権による「Smart Disclosure」→「My Dataイニシアチブ」による各種取り組み

(Blue Button、Green Button、Get Transcript、My Student Data)

分野毎の法律に依拠

取組内容

分野毎の環境整備金融:改正銀行法によるAPI開放

クレジットデータのAPI開放検討電力:電力データの個人によるコントロールについて検討医療:地域医療連携ネットワークの推進(約250)・カルテ電子化

取組内容

取組内容

法的根拠

法的根拠

法的根拠

法的根拠

個人が積極提供したデータ氏名・住所等の登録情報

観測データ検索履歴・位置情報・再生数 等

※推計データ(クレジットスコア等)は対象外

エネルギー、モバイル、口座、クレジットカード事業者保有データ

対象データ

対象データ

対象データ

分野毎の法律に依拠金融:金融商品、取引記録、利用データ 等医療:診療情報、検査データ 等電力:電力使用量、電力料金 等

対象データ

金融:電子決済等代行業者を介した、個人によるデータコントロール権の確保

電力:電力使用量データに関する個人によるコントロール 医療:個人情報保護法、各種GL・指針に基づく診療情報等

の開示請求権の担保

金融: 口座情報照会、カード請求額、入出金明細 等 電力: 電力使用量、利用時間、利用料金 等 医療: 診療情報、健診情報 等

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海外事例:EU(GDPR)

パーソナルデータに関する個人の基本的権利を保護するため、パーソナルデータの保護に関するEU域内での統一的なルールを制定するもの。

EEA(EU+3か国)全域に直接適用。

4

一般データ保護指令(1995)

一般データ保護規則(2016採択、2018.5全面施行)General Data Protection Regulation : GDPR

・透明性の重視・パーソナルデータの処理に対する個人の明示的同意の原則化・訂正権、忘れられる権利(消去権)・データポータビリティ権・プロファイリングに対する異議申立権・パーソナルデータ侵害発生時の通知義務・データ保護影響評価・データ保護責任者の設置義務

<GDPRにおけるパーソナルデータの保護ルール>

パーソナルデータに関する個人の一般的権利として、データポータビリティを規定

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データポータビリティ権の意義・目的 (欧州委員会 Q&Aより)①個人にとっては、パーソナルデータをコントロールするという基本的権利を強化するもの。②新興企業や中小企業にとっては、デジタル・ジャイアンツに支配されたデータ市場にアクセスし、

より多くの消費者を得ることを可能とするもの。

●データポータビティ権(20条) 自らのパーソナルデータを、機械可読性のある形式で取り戻す権利 技術的に可能な場合には、自らのパーソナルデータを、ある管理者から別の管理者に直接的に移行させる

権利●忘れられる権利(17条) 当初の目的上不要となったデータや同意を撤回したデータ等について削除を請求する権利

<GDPRにおけるデータポータビリティの概要>

対象:①当該個人に係るパーソナルデータ②当該個人により事業者に提供されたパーソナルデータ

※スマートメーターで取り扱われた生データ、行動記録、ウェブサイト利用履歴、検索履歴等の観測データを含む。※匿名化されたデータ、管理者が作成した推計データ、派生データは含まない。

個人の負担する費用:・無償(明らかに根拠のない請求である場合、過剰な請求である場合を除く。)

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個人が、民間企業が保有する個人データをリアルタイムに、利用しやすい形式で提供を受け、当該データを用いることで他の事業者からより良いサービスを受けられるようになる政府主導のシステム

【立ち上げ】2011年4月

【主務官庁】ビジネスイノベーション・職業技能省(BIS)

【目的】・個人が、民間企業が保有する自己のデータを機械判読可能なフォーマットにて、安全に入手できるシステム・エネルギー、銀行、携帯電話、クレジットの4分野の個人データが対象。現在の運用はエネルギー、銀行の2分野

【法的根拠】なし。ただし、2013年、企業規制改革法(Enterprise and Regulatory Reform Act)を改正し、政府が規則制定によってデータ提供を強制することが可能となった(現時点では制定例なし)。

個人が自己のデータを取得、第三者に提供して活用することで、各企業の提供サービスの比較等が可能になり、自己にとってより良いサービスを選択できる。

海外事例: 英国(midata)

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<midataの概要>

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第一部英国グリーン投資銀行第二部 雇用第三部 競争・市場当局第四部 競争の改革第五部 立法負担の軽減第六部 雑則

-パフォーマンスに係る著作権と権利-見積会社の役員への支払い-救済スキーム:賃貸や不動産管理エージェント-顧客データの提供

89条.顧客データの提供90条.顧客データの提供:執行91条.顧客データの提供:補足

-倒産:必需品の保護-王室認可-同一賃金監査一般

第89ー91条に「midata」の促進を図る規制を設ける場合の条項が置かれている。

89条 顧客データの提供1. 大臣は、規則に基づき、「被規制者」に対し、以下のとおり「顧客データ」を提供することを求めることができる。a)顧客から要求があった場合に、当該顧客に対して提供することb)顧客から要求があった場合に、当該顧客からデータの受取りを承

認された者に対して提供すること(規則が許容する場合には、顧客からデータの受取りを承認された者から要求することも可能)

2. 「被規制者」とは、以下の者を指す。a)ガス・電気に関連する事業者b)携帯電話サービス提供に関連する事業者c)口座もしくはクレジットカード機能提供を担う金融サービスに関連す

る事業者d)規制による特定された商品・サービス提供に係る事業者

3. 「顧客データ」とは、次の情報を意味する。a)被規制者によって/のために電子的形式で保有されるもの であり、b)被規制者と顧客間の取引に関連するもの であること

企業規制改革法2013(Enterprise and Regulatory Reform Act 2013)

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①長期にわたり契約(利用)すること②頻繁に取引を行うこと③料金体系が複雑で競合との比較が難しいことから、上述の4分野が、マイデータのコンセプト(個人の意思に基づくパーソナルデータの流通と事業者によるイノベーション促進)に合うと判断され、規制を置く対象として選定された。

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<Smart Disclosureの概要>

<My Dataイニシアチブの概要>

背景

・2010年、オバマ大統領はデータポータビリティ拡大を目指したMy Dataイニシアチブを発表。自らの個人情報を安全、適時、電子的にやり取りする技術的な枠組みを連邦政府主導で進める。・具体的には、

Blue Button(医療データ)、Green Button(電気利用データ)、Get Transcript(国税サービスデータ)、My Student Data(学生個人データ)

オバマ政権の取組み

2011年7月大統領府国家科学技術評議会(NSTC)

NSTCの科学委員会(Committee on Science)が、Smart Disclosureタスクフォースを設立

2011年9月大統領府行政管理予算局(OMB)

OMB情報・規制問題室(OIRA)が、「Smart Disclosure を通した消費者への情報提供」を発表し、連邦政府機関によるSmart Disclosure実施におけるガイダンスを提供

2011年9月 大統領府「米国オープンガバメント国家行動計画」において、1年間以内に、各連邦政府機関が、統一されたフォーマットで、機械可読なデータとして情報を公開できる体制の整備を掲げる

2012年3月 大統領府、国立公文書記録管理局(NARA)

Smart Disclosureサミットを開催し、産官学の関係者が今後の情報公開のあり方について協議を実施

2013年5月大統領府国家科学技術評議会(NSTC)

Smart Disclosureタスクフォースの最終報告書を発表し、 Smart Disclosureの利点、政府による取組みの現状、根拠法等を説明し、連邦政府機関による今後のステップを提言

社会にあふれる情報を、消費者が利用しやすい形でアクセスを提供、消費者の製品・サービスの選択能力を高めることを目的に「Smart Disclosure」に取組む

情報過多のため、消費者が有益な情報を取捨選択し、適切な製品・サービスを購入するために、多大な労力がかかる

・トランプ大統領周辺から、My Dataに関する直接的な言及は見られない。・Blue Buttonを所管するONCは、トランプ大統領が予算の大幅削減を提案する等、医療IT政策が後退する懸念が広まっている。

・2017年11月13日にAlex Azar氏がHHS長官に指名され、ONC設立時に法的側面から支援した同氏の着任により、一部の医療IT関係者からは期待を寄せるコメントが寄せられている。

トランプ政権の取組み

年月 関連省庁 概要

海外事例:米国(Smart Disclosure、My Dataイニシアチブ)

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<Blue Buttonの概要>海外事例:米国(Blue Button)

画像は、HealthIT.govのホームページよりダウンロード 出典:パーソナルデータ利活用に関する海外事例調査 報告書 2013年9月30日 国際社会経済研究所出典:米国HIT 最新動向調査報告~ HHS/ONC、NIST、Kaisar Permanente、HIMSS13 を訪ねて~ 平成25年6月 JAHIS標準化推進部会国際標準化委員会

ダウンロードできるデータ項目 氏名、住所、連絡先 医療機関、かかりつけ医院と連絡先、病院名

加入している健康保険 過去の受診日 退役軍人病院の病歴 処方医薬品名 保険薬剤調剤データ OTC(一般用医薬品) アレルギー歴 医療処置 予防接種歴 バイタルサイン、検査歴 等

9

法的根拠 Smart Disclosure 公的分野の個人データ開示(Ⅰ):1974年プライバシー法

※公共部門に対するものであり、自分自身のデータにアクセスしたり、修正できる旨が記載されている。 非政府分野の個人データ開示(Ⅱ):医療(HIPAA)、教育、信用報告、金融、電力分野の個別法

Blue Button HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)

※プライバシールールでは、幾つかの例外を除き、プライバシールールがカバーする医療保険と医療機関によって保有される自己の医療記録および請求記録を調査し、レビューし、コピーを受領する権利を個人に与えている。

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HITECH法によるEHR導入インセンティブ ディスインセンティブ

42%48% 51%

57%

72%78% 83% 87%

0%

20%

40%

60%

80%

100%

2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015

EHR導入状況

311,943件医師(Medicare)

$9,634,405,673(最大 5か年で $44,000/件)

HITECH法で進められたEHR Incentive Programは、Medicare(連邦政府)、Medicaid(州政府)からEHR導入支援金として一定額を各医療機関に提供

209,673件医師(Medicaid)

$6,067,789,251(最大 6か年で $63,750/件)

5,001件病院

(Medicare, Medicaid)

$21,693,840,8197

(2017年12月時点)

HITECH法よるIncentive Programの開始

Medicare Programでは、受給の要件となるパフォーマンス基準MU(Meaningful Use)を満たさない場合、2015年からペナルティとして診療報酬を1%ずつ削減

※Medicaid Programではペナルティはなし

MUではステージ毎にクリアすべき条件が設定 2017年からMACRA法によるMIPS(Merit-Based

Incentive Payment System)に統合可能

EHR Incentive ProgramによるEHR導入促進が進み、導入率が2011年から2012年で15%上昇

出典:Center for Medicare Medicaid Services(2014)

出典:Center for Medicare Medicaid Services(2018)

出典:Healthit.gov (2015)

支給件数 支援額

海外事例:米国(HITECH法)

申請者

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日本でのアンケート調査結果

分野別に見たデータポータビリティの必要性

20代~60代を対象としたWebアンケートを実施2017年11月29日~30日、男女4,129名から回答

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1.0 % 1.0 % 11.2 % 1.5 % 1.6 %9.3 %

12.3 %4.8 %

1.7 % 1.1 % 1.6 % 3.4 %31.8 %

32.9 %

34.8 %

29.2 %40.2 %

60.2 %

63.6 %

52.9 %

56.6 %41.0 %

41.5 %

48.4 %

0.0 %

20.0 %

40.0 %

60.0 %

80.0 %

100.0 %

有料でも利用したい 無料であれば利用したい N=4,129

電子家計簿アプリ

家計アドバイスサービス

購買履歴を元にポイント・

クーポン

カード情報の賃貸住宅会社

への提供

運転情報の自動車保険会社

への提供

セカンドオピニオン

旅先での通院時に情報提供

健康情報の共有サービス

電気の使用状況情報を

電力会社間で共有

電気使用状況情報を

家電量販店に提供

電力使用状況情報を

宅配会社に提供

電力使用状況情報を

自治体や民生委員に提供

金融 ヘルスケア 電力

パーソナルデータを活用した各サービスの利用意向

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データポータビリティの利用意向別に見た、情報銀行(依頼型)の利用意向

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日本:電力分野におけるデータポータビリティ

※1 エネルギー基本計画で、2020年代早期に全世帯・全事業者にスマートメータを導入することを目標※2 スマートメータのデータは、「HEMS 情報基盤-HEMS データ利活用事業者間 API 標準仕様書」により標準化※3 機械可読可能な状態で消費者に開示する事例も登場(関西電力のはぴeみる電:消費者にPDF等でデータを開示)

データ開放データ標準化電子化 二次利用を目的とする事業者への提供

<開示>消費者が機械可読な状態で情報を取り出す

<移転>消費者個人の意思で移転させる

サービス切り替えに伴うデータ移行

スマートメータ※1 一部実現※3 未対応

電力分野におけるデータポータビリティの実態

可能性と課題 個人:電力使用状況のデータは、居住人数、生活リズム、使用している家電の種類、在宅・不在の時間帯等を表す。

法人:工場の稼働時間帯の調整や、契約先・プランの選択に活かす可能性もあり。⇒・電子化・データ標準化は進展。

・今後、個人間の電力取引が広がった場合には電力の生産や消費に係るデータ開放のニーズも広がる可能性があるところ、さらにデータの移転まで進むためには、高齢者等の見守りサービスのようなデータを活かした付加価値の高いサービスの考案が課題。

API 標準仕様書※2

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日本:金融分野におけるデータポータビリティ金融分野におけるデータポータビリティの実態

銀行口座情報

クレジットカード決済情報

ID-POS※1購買データ

データ開放データ標準化電子化 二次利用を目的とする事業者への提供

サービス切り替えに伴うデータ移行

対応済(改正銀行法)

<開示>

検討中

未実施対応済

検討中 未実施

未実施一部対応済(実証事業等)

銀行

カード会社小売店舗

<移転>

可能性と課題 日々の消費行動:口座管理サービス、電子送金サービスや電子レシート等による合理的な資産運用の実現 データの2次利用:マーケティング、プロモーション、サービス開発等への2次利用による新たな金融サービス創出⇒・銀行法改正によりAPI開放や中間的事業者(電子決済等代行業者)が法制化するなど、開示の取組が

進展しつつある。・もっとも、今後、データの移転を促進するためには、例えば以下の事項について検討を要する。

①接続コストをデータ保有者と中間的事業者との間でどう負担するか②金融制度全体の中で、中間的事業者が果たすべき機能や責任をどのように設計していくか③中間事業者から2次接続先、3次接続先へのデータ流通に関するルール整備

データ保有者 対象データ

※1 購入者を識別可能なPOSデータ

対応済

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日本:医療分野におけるデータポータビリティ医療分野におけるデータポータビリティの実態

健康情報

特定健診

介護情報

医療情報

データ開放データ標準化電子化

電子カルテで保存

HL7等で標準化済み 紙で開示※3

未実施

厚生労働省・協議会※1

で標準化

一部実施※2

一部紙で開示

紹介状、EHR※4で一部実現 未実施

未実施

未実施

※1 日本医学健康管理評価協議会で標準化※2 スマートフォンのカメラで紙の健診結果を読み取り、スマートフォンに取り込むサービスが提供されている※3 診療情報の提供等に関する指針(厚生労働省)※4 日本全国で約250の地域医療連携ネットワーク(EHR)が存在(「医療・介護・健康×ICT」の推進について/平成29年10月/総務省)

未実施(一部事業者で実施)

その他健診

特定健診は標準化された項目にて電子保存の義務化(2008年度)

一部実施※2

<開示> <移転>サービス切り替えに

伴うデータ移行サービス切り替えに

伴うデータ移行

可能性と課題 医療連携:電子データによる「紹介状」の送信 他職種間連携:病院、診療所、居宅介護支援事業者等が患者情報(医療スケジュール、バイタルデータ、診

療結果、介護記録等)を共有 地域共生社会:オーダーメイドによる包括ケアサービス等⇒・種々の情報が関係する中、分野によっては、電子的な開示の取組み自体が十分に進展せず

・民間による取組加速に加え、国による支援策(法制化、基盤整備等)の在り方につき今後も検討を要する

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横断的アプローチ

データポータビリティに関する検討会 主な論点

分野別アプローチ

金融) 中間業者とデータ保有事業者間のAPI接続におけるコスト(改修コスト、接続コスト等)の問題が、API化の趣旨であるデータ流通促進の阻害となるのかどうか

中間事業者から他事業者へのデータ移転(第三者提供)において、どのような弊害があるのか 個人起点のデータ流通の仕組みを検討するにあたっては、データ保有事業者がデータ収集において負担した投資コストをどのように回収できるかという観点も必要かどうか

データポータビリティ権が自己実現のための情報コントロール権であるとした場合、個人由来のデータに基づく利益は個人に還元するという観点から、あらゆる個人由来のデータに対し個人のコントロール権を認めるべきかどうか

⇔ ポータビリティによるデータ流通が、事業者による公正競争やデータ利活用、イノベーション創出に繋がるという観点での検討が有効かどうか

個人による情報コントロールという観点での検討においては、ポータビリティ権と削除権はセットの権利として議論すべきか⇔ 開示・移転・削除権等の個別議論ではなく、「個人のコントロールをどこまで認めるか」という観点での検討が必要ではな

いか API化等によるデータ開放、エコシステム形成、ビジネス拡大を各分野で規制的なアプローチで推進するのか、事業者主

体での検討を促し規制は必要最小限とするのか、いずれの検討が有効か 特権と義務の共同規制型として、データポータビリティ制度と中間業者認定制度の組合せは有効か⇔ データ保有件数を要件化する等、小規模事業者に配慮したGDPR類似の直接規制型の制度が有効か

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中間業者の機能

中間業者に求められる機能■セキュリティ ■トレーサビリティ ■開示コントロール ■ポータビリティ等

データポータビリティに関する検討会 主な論点

消費者および事業者のメリット

キャッシュレス決済やPHR、HER等の普及に伴い膨大な消費データが生成され、個人によるデータの活用における中間業者の役割が増大し、社会インフラ化した場合、安全性、信頼性、機能性等の観点で中間業者にどのような機能が求められるのか。たとえば、以下のような観点は必要かどうか。

個人起点のデータ流通を促進するにあたって、個人にメリットを示すことが有効ではないか。データを上手く活用することによって得られる便益を具体的なサービス事例等で示す場合、どのような方法が効果的か。

個人によるデータ活用を促すには、まず、個人が自分のデータの流れを把握しコントロールできることが重要ではないか。中間業者にはどのような役割が期待されるのか。

多くの事業者は、個人から提供されたデータであっても、競争力の源泉となるデータを返したくない傾向が強いのではないか。海外の先行事例等も用いて、事業者のメリットを分野毎に具体的に示すことが重要ではないか。

医療) データポータビリティの実現にあたっては、まずは、健診、医療、介護それぞれのデータを電子化促進することが有効かどうか⇔ 電子化自体はそれほど難しくなく、むしろ対応は進んでいるのではないか⇔ 移転に柔軟に対応できない形式・方法でデータが収集、管理されている等、電子化以外に課題があるのかどうか⇔ データポータビリティを実現しないインセンティブが存在するのかどうか⇔ 米国の例に倣って、国主導でのインセンティブとディスインセンティブを組み合わせたデータポータビリティ対応を促す仕組み

が有効かどうか

分野別アプローチ(続き)

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2.パーソナルデータの流通・利活用に関する取組み(参考)

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Connected Industries実現のためのデータ関連制度の整備個人情報産業データ( ≑非個人情報)

データ利活用に関する制度

情報の保護 個人情報保護法

ガイドライン

指定信用情報機関

(貸金業法)

4-

2.情報銀行

2.「産業データ活用事業の認定制度」の創設

基本方針で示す重要分野の協調領域

→協調領域におけるデータ活用を促進

指定信用情報機関

(割賦販売法)

匿名加工医療情報作成事業者

(医療分野の研究開発に資するための

匿名加工医療情報に関する法律)

・「データと競争政策に関する検討会 報告書」 (公取委CPRC)の公表。(H29.6)

1.データ契約ガイドラインの改訂

5.個別の利活用ガイドライン(

カメラ画像等)

6.データ取引の促進

4-

1.パーソナルデータの

ポータビリティ

3.不正競争防止法「データの不正流通に対し差止めを可能とする制度」の創設

「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」

2018年6月15日公表「生産性向上特別措置法」

2018年6月6日施行

改正「不正競争防止法」2018年5月30日公布

「カメラ画像利活用ガイドブックver2.0」

2018年3月30日公表

「データポータビリティに関する調査・検討会」2018年8月公表予定

「新たなデータ流通取引に関する検討事例集ver2.0」2018年8月公表予定

「情報信託機能の認定に係る指針ver1.0」2018年6月26日公表

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経済産業省と総務省が協力し、分野・産業の壁を超えたデータ流通取引の活性化を目的として、IoT推進コンソーシアムの下に「データ流通促進ワーキンググループ」を設置(2016年1月)。事例集ver1.0を2017年1月に公表。Ver2.0を8月中に公表予定。○ IoT を活用したBtoBでのデータ取引を希望する事業者が多数現れてきている。

他方、消費者の炎上リスク等のデータ取引に付随して生じる問題を懸念して利活用を躊躇している状況がある。○ 事業者が検討を進めるユースケースをベースに、事業者が抱える課題(消費者からの同意取得の方法や、

データの利活用権限の考え方等)および課題へのアプローチ方法を議論し整理する。それにより、当該事業者のみならず業界を横断したデータ利活用を後押しする。

データ流通促進WG(お悩み相談所)を通じた利活用ガイドラインの策定

データ流通促進WG事業者の懸念事項 【主な相談の観点】

1.契約における検討事項 データの内容や利用目的毎に特有な契約条件 データの権利帰属の考え方 など2.個人情報・プライバシー関連の条件 同意の取り方や通知方法 など

ユースケースベースで議論

法的観点、技術的観点、社会受容性の観点等から

助言

事業者WG委員

○データ流通市場の公平性・中立性データを登録した個人または企業と、データ利活用したい企業との売買をマッチングさせるプラットフォーム構築における、市場の公正性・中立性について

○タクシープローブデータの流通交通機関がアプリ等で取得した乗客のプローブデータ(車両ID・乗降時刻等で個人が特定される情報は含まれない)をデータ利用事業者に提供する際に留意すべき契約条件やデータ加工方法

○電子レシートデータの利活用顧客から専用アプリで取得した電子レシートデータをデータ利用事業者に提供し販促等に活用する際に、当該販売等を行う事業者が利用規約に記載すべき内容及び第三者提供先が増えた場合の対応

主な検討テーマ

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カメラ画像利活用ガイドブックVer2.0について

生活者と事業者間での相互理解を構築するための参考とするもの(記載された配慮事項を事業者へ強制するものではない)。これらを基に、事業者の業界・業態に応じた利活用ルールの設定を期待。位置づけ

個人情報保護法等関係法令を遵守し、個人を特定する目的以外の目的でのカメラ画像の利活用を検討する事業者。※防犯目的で取得されるカメラ画像は対象外。適用対象

事業者において、カメラを設置し、風景及び不特定多数の人物を対象として撮影し、そのデータを、個人を特定する目的以外の目的で利活用する場合を想定。配慮事項を、①基本原則②事前告知時の配慮③取得時の配慮④取扱い時の配慮⑤管理時の配慮として取りまとめ。

配慮事項

IoT推進コンソーシアム・データ流通促進ワーキンググループ(座長:森川博之東京大学大学院教授)の下に設置した、カメラ画像利活

用サブワーキンググループ(座長:菊池浩明明治大学教授)において、利活用ニーズの高いカメラ画像を安全安心に利活用するために事業者が配慮すべき事項等を検討し、2017年1月に『カメラ画像利活用ガイドブック』を公表。

特にニーズの高い「リピート分析」に関するユースケースを本ガイドブックに反映し、2018年3月に改訂版を公表。

改訂版Ver.2.0で追加した「リピート分析」に関するケース

同一人物が来店した際に、来店履歴や購入履歴等を分析する『リピート分析』をユースケースとして追加。2018年1月18日~2月19日に実施したパブリックコメントの内容も踏まえ、2018年3月に『カメラ画像利活用ガイドブック』の改訂版を公表。

顔特徴量データ(個人識別符号)精製後に生画像は速やかに廃棄顔特徴量データは同一人物の2回目以降の来店の

判定キーとして活用来店履歴や購入履歴等を紐づけたリピートデータとし

て保存保存期間経過後は、レコード自体を削除、もしくは個

人情報ではない情報に変換会員カード情報等と紐づけないとともに、共同利用

(法人をまたいだ利用)や第三者提供も行わない。

カメラ画像利活用ガイドブックver1.0事業展開を想定している事業者より提供されたユースケース等の情報を参考とし、以下の5つの適用ケースを掲載し2017年1月に「カメラ画像利活用ガイドブック」を公表。①店舗内設置カメラ(属性の推定)店舗内設置カメラやセンサを用い、来店者の人物属性(年齢・性別)を推定し、レジ混雑状況等を予測するケース

②店舗設置カメラ(人物の行動履歴の生成)店舗内設置カメラやセンサを用い、来店者の行動履歴(店舗内の移動状況や棚前での行動)を取得・分析するケース

③屋外に向けたカメラ(人物形状の計測)通行する人・車等を形状認識し、通行者の人数を計測するケース

④屋外に向けたカメラ(映り込みが発生し得る風景画像の取得)タクシーのダッシュボードにカメラを設置し、街中の構造物や道路概況を取得・分析するケース

⑤駅構内設置カメラ(人物の滞留状況把握)画像解析により人の居場所や動静をアイコン化し、駅の混雑情報や入場規制等を配信するケース⇒事業者からのニーズが高い「リピート分析」に関するユースケースを追加で検討。

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革新的データ産業活用計画〔データ連携事業〕

IoTの進展により流通量が爆発的に増えているデータについて、産業における競争力強化や社会課題解決に向けた利活用を促進するため、協調領域におけるデータの収集・活用等を行う民間事業者の取組を、セキュリティ確保等を要件として主務大臣が認定し支援。2018年5月16日成立、6月6日施行。

特定革新的データ産業活用〔データ共有事業〕

→ 協調領域におけるデータの共有を行う事業者を支援[想定主体:共同出資会社、業界団体等]

:認定革新的データ産業活用事業者が、専門機関による調査の上で、一定水準の情報の安全管理がされえていることについて確認を受ける

→ データの収集・活用を行う事業者を広く支援

事業者は、「革新的データ産業活用計画」を主務大臣に提出し、認定を受ける

民間のデータ保有者データ利活用者データ提供

他の事業者・事業所

データ連携 IoT投資(設備投資)に対する減税措置

【コネクテッド・インダストリーズ税制】

金融上の支援【中小機構による債務保証、中小企業信用保険の特例】

主務大臣を経由し、国の機関等が保有するデータを提供する手続を創設

〈支援等〉

※生産性向上等一定の要件を満たす設備投資を行った事業者

主務大臣※が計画認定※事業所管・総務・経産

保有個人データを用いる場合又はオプトアウトで第三者提供する場合は、個人情報保護委員会に事前協議。

主務大臣

事業者

支援計画の申請

計画認定に加えて、一定水準の情報の安全管理について確認

主務大臣が確認

主務大臣

確認の申請

データ提供の求め

関係行政機関

独法等

要請

情報処理推進機構

調査支援

事業者

データ提供

要請

公的データの提供要請制度の創設

「産業データ共有事業の認定制度」の創設

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産業データ活用促進事業 生産性革命新法においてデータ共有認定制度が創設されているところ、Connected Industries重点5分野の協調領域における事業者等が保有するデータのさらなる活用(共有・共用)のため、その基盤となるシステムの構築や実証運用、システム構築に向けたデータ標準・互換性、API連携等の検証調査を幅広く補助。

予算額:18億円 (定額補助、数千万円~最大3億円、約20件)

○支援条件のイメージ• Connected Industries重要5分野を中心とした広範な事業領域を想定。• 複数企業間でのデータ収集・活用(共有・共用)に向けた取組。

※対象データは産業データに限らない。事業者等が保有するあらゆるデータの収集・活用に関する取組が対象※収集、蓄積、解析等したデータの取り扱い条件は個別の事業毎に設定可能。無条件での公開等を求めるものではない。

• 特定のベンダーやメーカー等に限られない、様々な IoT機器等からのデータ収集・利活用を見通した取組。• 加点要素として、以下を検討中。

国内の他の共有基盤や諸外国の共有基盤との連携等、今後の拡張性が高い取組。 データ解析等における最先端のAI技術の利活用等、先進的な取組。 データ共有認定制度(生産性革命新法)における認定を目指した取組。

⇒上記の要件を有する者のデータ標準・互換性、API連携、あるいはデータ共有・共用に向けた基盤構築を検証するFS調査を補助。

補助対象事業

業界内

原材料

仕入れ

製造 卸 小

サプライチェーン

川上から川下までデータ活用

業界標準検討会議

A社 B社 C社

業界内でのデータ標準化や活用

調査研究事業 システム構築・実証事業

利用者、対象データ、サービスの拡張性

A社 B社 C社

DB

マーケットプレイス

マッチング型

※システム構築や実証事業の前段階である業界内でのデータ標準化やAPI連携に向けた検討調査を主目的とする事業も対象。

※データ活用(共有・共用)実現に向けたシステム開発・運用事業を支援。データ活用を目的とした事業であれば、実装方法や事業運営スキーム等は問わない。

システム構築イメージ

B社A社 C社

DB

利用者、対象データ、サービスの拡張性

シェア型(中央管理)

A社

B社

C社バリューチェーン関

連データ

利用者、対象データ、サービスの拡張性

バリューチェーン型

A社

B社

C社

D社

E社

F社

シェア型(分散管理)各社共通の目的下でデータを共有 各社のDBから必要なデータのみ共有各社が設定する条件の下データを公開 工程の自動化、効率化等の目的でデータを共有

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【参考】産業データ共有促進事業 1次公募採択者一覧(13件)幹事社名 (共同申請者・コンソーシアム事業者) 事業概要公益社団法人 関西経済連合会(国立循環器病研究センター、田辺三菱製薬、日本ユニシス)

健康・医療等のパーソナルデータを自組織内で解析、結果を統計データ化し集約(仮想統合)することでビッグデータ化、それを用いた新商品・サービス創出の可能性を検証、あわせて、プラットフォーム化の可能性を検証する。

国立がん研究センター(ファインデックス、デジタルデータソリューション)

病院内部の患者情報や診療データ、紹介元・紹介先及び患者や家族の診療外データ等を患者同意のもとに収集し一元的に管理する環境を構築する。収集したデータを共有し、産業創出につなげる。

さくらインターネット株式会社 JAXA保有衛星データと欧州宇宙機関等の海外データとの連携・共有可能性の調査及び国内地上空間データ統合API等の開発事業。共通基盤としての衛星データ及びAPIの環境整備を行う。

株式会社JTB(エブリセンスジャパン株式会社)

宿泊ビッグデータを保有する観光予報プラットフォームを基本にし、観光に関する多様なデータを継続的に蓄積する仕組みを構築する検証事業。

学校法人 慈恵大学(株式会社アルム)

医療機関等からの医療情報とヘルスケアデバイスのデータを個人同意の上で多面的なPHRとして統合し、二次利用を行うことでサービス改善や新規サービス創出を推進する。

株式会社シップデータセンター 運航データの収集・蓄積等、船舶に関わるデータ基盤を構築、一元管理することで利活用が促進される環境を整備、産業界全体におけるビックデータの活用機会を最大化する。

一般財団法人 石油エネルギー技術センター 業界横断的に製油所の各種データや解析モデルをプラットフォーム上に共有し、製油所保安へ適応する。他業界からも多くのデータを収集し、解析モデルの適用を検討する。

株式会社大学成績センター(日本オープンオンライン教育推進協議会)

現在、一部企業の新卒採用場面の利用に限られている履修履歴データの利用を社会人でも継続可能とするDBとすることで、さらなる履修履歴データの共有・利活用を推進する。

ダイナミックマップ基盤株式会社(株式会社スマートドライブ)

高精度3次元地図データの共有を行う事業効率的な地図メンテナンスや自動走行・安全運転支援システムでの利活用に貢献する。

株式会社ちとせ研究所(三井化学、味の素)

微生物等の培養に関する基礎データを収集、共有する事業。最適な培養条件を決定するAI分析等にて、バイオ産業の生産性効率を目指す。

株式会社日本総合研究所(慶應大、ウォーターセル株式会社)

自律多機能型農業ロボットの各種センサーやデバイス等を利用し、農作業、植物体、土壌、気象、市況等のデータを収集・共有し、農業者、流通業者、メーカー等の連携や新サービス創出の基盤を構築。

日本電気株式会社(中部電力、関西電力、アイホン株)

街頭カメラや車載カメラ等で収集した映像データを基盤上に管理・共有し、人流データ等から都市計画へ貢献、また顔特徴データから宅配事業者他へ新サービス展開を図る。

横河ソリューションサービス株式会社(Hmcomm、日本ゼオン株式会社)

パイプラインを含む生産プロセスラインで発生する音声を収集、AI解析を用いて、パイプの「つまり」を中心としたプロセス異常の予知・予兆把握に活用する。

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【参考】産業データ共有促進事業 2次公募採択者一覧(12件)

幹事社名 (共同申請者・コンソーシアム事業者) 事業概要一般社団法人 インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ(DMG森精機、日立、ファナック、三菱電機)

製造業の生産現場に存在するデータを利活用するため、個々の製造プラットフォーム間をオープンで共通的な枠組みでつなぐことを目的に、企業を超えた利活用、連携に向けた共通辞書の仕組みを構築する。

株式会社インテージテクノスフィア(ジャパン・インフォレックス、ジーエフケー マーケティングサービスジャパン、Payke)

消費流通業界におけるビックデータ活用に必須の「商品マスター」は様々なプレイヤーが構築・収集・整備しているが、より効果的/効率的に活用するため、「商品マスター」を統合する仕組みを検討する。

SGシステム株式会社(国際大学) 車両運用効率の向上及び車両運行に関するデータ蓄積基盤構築を目的に、共有基盤構築及びモビリティデータの仕様の標準モデル策定、利用に関する契約等ガイドラインの作成等を実施する。

株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 多様な業界のデータ利活用者への水道業務データを共有を目的に、水道施設台帳データの共有データ項目、データ提供者向けインターフェイス、データ利活用者向けのAPI等の仕様案の策定等を実施する。

国立研究開発法人 国立国際医療研究センター(イノメディックス、エフエスユニマネジメント)

医療機器の物流データ、医療現場での消費データを一元化し、その情報を製造・流通・病院の各ステークホルダーで共有し、インターフェースの標準設定及びプロトタイプ作成、登録情報の有用性検証を実施する。

一般財団法人 さっぽろ産業振興財団 各都市のオープンデータや民間データを市民や企業が活用できるプラットフォームの構築を目的に、札幌市ICT活用プラットフォームの機能追加(1kmメッシュ単位での予測等)の構築と精度検証を実施する。

千代田化工建設株式会社(JXTGエネルギー、コスモ石油)

プラント老朽化の進行や熟練の運転員・保全員の定年退職に伴う人員不足等、石油・化学プラントが抱える共通課題の解決を目的に、個社のプラントデータを収集し、共有活用及びデータ分析・解析から得られる運転・保全に関するベストプラクティスを提供する「保安高度化プラットフォーム」の実証を実施する。

東京電力フュエル&パワー株式会社(鹿島共同火力)

発電事業者及びデータ共有基盤利用者がプラントの運転データを利用できるように、パブリッククラウドによるシェア(中央管理)型のデータ共有システムを構築し、アプリケーション開発や環境整備を実施する。

株式会社日本総合研究所(関西電力株式会社)

自動走行関連デバイスから収集する移動・走行・環境データを地域内外の企業に共有し、移動サービス以外の付加価値創出を目的に、データ収集アプリ整備やデータ連携用API等の設計・開発等を実施する。

日本電気株式会社(日本気象協会)

食品バリューチェーン上の企業間連携により需要を予測し、業務効率化、生産性向上を図るため、気象・市場データ等を収集する「需要最適化プラットフォーム」構築に向けたデータ標準化ルール作りを実施する。

阪急阪神ホールディングス株式会社(理化学研究所、OKEIOS)

企業・自治体・健診機関等が分散管理する個人のライフログデータを、個人の要請に基づきPDS(Personal Data Store)に集約し、利活用できるデータ流通基盤を構築する。

ユニバーサルマテリアルズ インキュベーター株式会社(化学品イー・データ開発)

個別の技術要素やデータベースに分散して存在する素材・化学産業の多種多様な技術及び周辺情報を、事業・案件毎に分類、分析を加えることで新事業情報として整理・分析・登録・集積を実施する。