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第005号 1 2 014 年(平成 2 6 年)3月31日 http://www.roppongiartnight.com 発行所 水産経済新聞社 〒106-0032 東京都港区六本木6丁目8番19号 電話03-3404-6531(代) FAX 03-3404-0863 3 31 (月) MONDAY 2014年 (平成26年) WASHING POTATOES TIMES 春爛漫! 今年も『六本木アートナイト』の 季節がやって来た!! 2014年4月19日(土)~20日(日)開催 『六本木アートナイト2014』の楽しみかた Special 全ての領域には「アート」が存在している。 26 19 20 http://www.roppongiartnight.com HIBINO TSUBUYAKI ©ROPPONGI WASHING POTATOES TIMES ©ROPPONGI IMOARAIZAKA SHINBUN 第3回 アーティスティックディレクター日比野克彦の「動け、カラダ!」の掛け声とともに集合したスタッフ陣。 いよいよ 4.19 スタート! SAT

アーティスティックディレクター日比野克彦の「動 …...×PechaKucha 」を開催。 ている。トークイベントを予定しトナの夜の多ジャンルな方巻き作家も招いて、オ日本酒ライターやエロ恵

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Page 1: アーティスティックディレクター日比野克彦の「動 …...×PechaKucha 」を開催。 ている。トークイベントを予定しトナの夜の多ジャンルな方巻き作家も招いて、オ日本酒ライターやエロ恵

第005号1 2014年(平成26年)3月31日http://www.roppongiartnight.com

発行所 水産経済新聞社 〒106-0032 東京都港区六本木6丁目8番19号 電話03-3404-6531(代) FAX 03-3404-0863

331(月)

MONDAY

2014年(平成26年)

WASHING POTATOES TIMES

春爛漫!今年も『六本木アートナイト』の季節がやって来た!!2014年4月19日(土)~20日(日)開催

『六本木アートナイト2014』の楽しみかた

  「アート」は全ての領域

に通じている。建築や自然

の視覚的な事はもとより、

教育、福祉、医療の人間に関

わる事柄にも、そして科学、

数学などの理論の世界に於

いても「アート」は存在して

いる。

 

社会は「あったらいいな」

「なりたいな」「知りたいな」

という個人の気持ちが源に

なり、人から人へと受け継が

れながら、欲する力が創って

きた。かたやもう一方「なく

なったらいいな」「なりたく

ないな」「知りたくないな」

という力も世の中を創りだ

す源になってきた。欲望を否

定する欲望もまた欲望であ

る。全ての人の欲望が同じ

方向を向くことはあり得な

い。たとえ一見同じ方向に見

えていても、欲望の内容を

精査するとその方向は少し

ズレている。「大体同じだか

ら同じでいいね」という場合

もあれば、「そのズレ故に決

定的に同じではない」となる

場合もある。どうしてこう

なるのか?

それは個人個人

の価値観が違うから。人の

数だけの価値観があるから。

「〜したい」の源には個人差

があるから。この個々が集

まっているのが社会であり、

各領域でもある。しかし何

故、異なる個々が集まるこ

とが出来るのか?

それはそ

こには、その差異を感じ取

ることが出来る能力である

「アート」が機能しているか

ら。だから全ての領域には

「アート」が存在している。

一枚の絵を「アート」と呼ぶ

のではない、異なった色を生

かしつつ一枚の絵にしていく

ことが「アート」なのだ。

日比野克彦

Special

全ての領域には「アート」が存在している。

 

街全体が一夜限りの美

術館に変貌する『六本木

アートナイト』。2014

(平成26)年4月19日(土)

〜20日(日)の開催まで

ついにカウントダウンが

始まった。普段とは違い、

深夜や朝まで展覧会を見

ることができたり、レス

トランやカフェでは楽し

い仕掛けやメニューが味

わえ、六本木をまるごと

体感できる夜になる。

 『六本木アートナイト』

に限らず、大型アートフェ

スティバルを「めいっぱ

い楽しみたい」、「出来る

だけ多くの企画に参加し

たい」という方は、ガイ

ドブックや公式ホーム

ページ(下記のアドレス

を参照)をチェックし、

特定の時間にしか行われ

ないイベントやパフォー

マンスを見逃さないよう

に計画するのがオスス

メ。特に今年は、『六本木

パレード』や屋外でのパ

フォーマンス、来日アー

ティストによるフードプ

ログラムなどが行われる

ので、計画すればするほ

ど楽しみのチャンスが増

える。また一方で、予備

知識なくふらっと六本木

にやって来て、街中をグ

ルグル巡る「出会い頭」

なスタイルも楽しみかた

のひとつ。この夜の六本

木は各地で様々なプロ

ジェクトが行われている

ので、どんな形の参加で

も満喫できるのだ。また、

日曜日の昼だけ行う体験

型プログラムもあり、名

称は「アートナイト」だ

が昼も盛りだくさん。さ

らに六本木商店街振興組

合による一夜限りのフー

ドコードも登場するので

食の面も充実。新しい

アートや人との出会い、

多くの発見がある2日間

になるはずだ。

ht tp : / /www. roppong ia r tn igh t . com

ヒビノ

ツブヤキ

HIBINOTSUBUYAKI

©ROPPONGI WASHING POTATOES TIMES

©ROPPONGI IMOARAIZAKA SHINBUN

第3回

アーティスティックディレクター日比野克彦の「動け、カラダ!」の掛け声とともに集合したスタッフ陣。

いよいよ

4.19 スタート!

SAT

Page 2: アーティスティックディレクター日比野克彦の「動 …...×PechaKucha 」を開催。 ている。トークイベントを予定しトナの夜の多ジャンルな方巻き作家も招いて、オ日本酒ライターやエロ恵

アートナイトを

楽しくする作り手たち

の生みの苦しみ

 

前回、前々回に続き、『六

本木アートナイト201

4』開催までの月に1度、

制作プロセスや舞台裏を

公開してきた「六本木アー

トナイトスクール」。1ヶ

月後の開催を前に、スクー

ル最後の回となる第3回

が3月19日、国立新美術

館の講堂で行われた。今

回は「今年のアートナイ

トの楽しみかた」という

お題のもとに、アートナ

イトのメインテーマ『動

け、カラダ!』に基づいて、

実際に広域プログラムと

してどのようなアーティ

ストの作品が展示される

のか、各館でのプログラ

ムの詳細や見どころなど

も発表された。

 

冒頭に、アーティス

ティックディレクターの

日比野克彦氏。「今回の裏

テーマは〝アートナイト

を楽しんでもらうための

苦労〞。あの計画が実際は

こう着地したのか、とい

う努力や苦しみの部分も

分かってもらいたいと思

う。ドタバタの舞台裏を

見て、みんなの中に〝が

んばれ!〞という一体感

が生まれてくればいいか

なと思います」。

 

まず、登壇したのは、

森ビルの谷川浩太郎氏と

アートプランナーの臼井

ちか氏。西尾美也氏が約

2000枚もの古着を

使って作るパッチワーク

作品のプロジェクト《カ

ラダひとつプロジェクト》

について、「予想を上回る

2800枚という古着が

集まったのは嬉しいこと。

先日、六本木ヒルズアリー

ナでスカート作品の吊り

実験を行いました」。

 

この《人間の家﹇スカー

ト﹈》という約4m×

9m

×

12

枚の巨大作品の他、

ミッドタウンで花柄の布

を使った作品、国立新美

術館でボタンを雨に見立

てた作品を展示する予定

だ。現状の苦労点に関し

て谷川氏は「果たして間

に合うのか、というとこ

ろ」という。「西尾さんは

六本木内で作業をしてい

ますが、そろそろヤバく

なってきた、と。焦ると

関西弁全開になってきて

います(笑)」。スカート

の作品は現在、12枚中6

枚が完成しているが、こ

の6枚で約1ヶ月の制作

期間がかかったそうだ。

花柄の作品はこれから…

という状況、ボタンの作

品が半分くらいという進

捗。ギリギリな状況の中、

会場の観客に制作への参

加を呼びかけるヘルプ

メッセージも。これに日

比野氏は「考え方によっ

ては、完成しなくてもい

いかもしれない。それよ

りは、完成を目指してい

くプロセスや、そうやっ

て過ごした時間の方が大

切だと思う。とはいえ、

がんばってください!」

各館独自のユニークな

企画も次々と発表

 

広域プログラムに続い

て、各館プログラムにつ

いても、それぞれの担当

から、展示や企画の詳細

が発表された。

 

国立新美術館は4月19

日を特別に、22時まで開

館延長、さらに『イメー

ジの力』、『中村一美展』

を入場無料とする。また

『イメージの力』展にあわ

せて、美術館の外壁への

プロジェクションマッピ

ング、ダンスユニット・プ

ロジェクト大山による仮

面を用いたダンスパ

フォーマンスが特別プロ

グラムとして予定されて

いるほか、若手アニメー

ション作家の作品を大型

スクリーンで投影する

『TOKYO

_ANIMA! 2014

』、

楽器に触れながら楽しく

学べる雅楽のコンサート

もあり、子供と一緒の参

加もオススメだ。

 

東京ミッドタウンのア

トリウムには「天才ハイ

スクール!!!!

」が造作した

ステージが登場。ここで

ライブやパフォーマンス、

トークなど様々なイベン

トが企画されている。ま

た、毎年恒例の『Tokyo

Midtown Award

』のアート

コンペ受賞者の作品展示

も。21_21 DESIGN SIGHT

は24時まで開館。コメに

着目した『コメ展』に合

わせ、会場で9〜10組の

クリエイターやデザイ

ナーが話をする「コメ展

×PechaK

ucha

」を開催。

日本酒ライターやエロ恵

方巻き作家も招いて、オ

トナの夜の多ジャンルな

トークイベントを予定し

ている。サントリー美術

館は24時まで一律500

円で入館可。『のぞいて

びっくり江戸絵画』展に

あわせ、江戸時代後期に

注目された、光と影の面

白さを体験する影絵の

ワークショップが2つ。

その他に、新しい視覚体

験ができる「ガリバース

コープ」を使った体験も。

 

六本木ヒルズはオール

ナイトで街全体を美術館

にすることを目指して、

各所でインスタレーショ

ン展示を行う。66プラザ

では人が近づくとセン

サーが反応して絵が描か

れるLEDのボールの作

品、ウエストウォークで

は、とても入らなそうな

モノを小さい入り口から

入れる、悪魔のしるしの

《搬入プロジェクト》。チー

ムラボの《チームラボカ

メラ》、八谷和彦の《視聴

覚交換マシン》、毛利庭園

をピンクと緑の蛍光色で

染める小松宏誠の作品な

ど。展望台

東京シティ

ビューと森美術館『アン

ディ・ウォーホル展』は

日曜早朝まで時間延長で

開館。

 

六本木商店街では、フ

ラッグで街をアートナイ

ト一色に染める他、アマ

ンドの前の時計塔を吉田

一郎氏がデコレーション、

ラピロス六本木のピロ

ティにフードコートも出

現するという。

 

最後に「食」をテーマ

としたプログラムの制作

を担当しているマライ

エ・フォーゲルサンク氏

が、日本に到着したその

足で、スペシャルゲスト

として登場。彼女がコン

セプトとする「人に食べ

させる/食べさせられ

る」という違和感を通し

た実験的な作品が、アー

トナイト期間中に展開さ

れる旨が伝えられた。

 

約1ヶ月後に迫る本番

を前に、様々なプログラ

ムが発表された第3回ス

クール。まだまだギリギ

リの本番当日まで、内容

も詳細も動き続けること

になる。今年も、ライブ

感のある一夜を体験する

ことになりそうだ。

(大池明日香)

第005号 WASHING POTATOES TIMES 2014年(平成26年)3月31日 2

School #03

『街なかウォーク』も見逃すな!

『六本木アートナイト2014』の楽しみのひとつは、街を散策して出会えるアート作品やパフォーマンス、総称して『街なかウォーク』と呼ばれている作品群だ。例えば国立新美術館の隣、政策研究大学院大学内では篠田太郎による《月面反射通信技術》の特別展示、東京ミッドタウンのオープンスペースでは八谷和彦やリー・ウェンの作品が公開され、六本木ヒルズノースタワー前ではコンタクトゴンゾによる《黒い家》がお目見えする。また、ファッションビル・ピラミデでは東野祥子、三河台公園では岩渕貞太やhyslom(ヒスロム)のパフォーマンスが行われる。その他、開催直前までアーティストやプランナーたちが新たな楽しい企画を考え続けているので乞うご期待!

http://www.roppongiartnight.com/

『六本木パレート』について語るプログラムディレクターの森真理子氏(手前)と森ビル井上紗彩氏。映像はアーティスト・吉田一郎氏による衣裳のラフスケッチ。頭に光る人型をつけるアイデア。

公開スクール第3弾!

いよいよ本番目前!

今年はどうなる?

どう楽しむ?

六本木アートナイトの打ち合わせのため、オランダから来日したばかりのマライエ・フォーゲルサンク氏(写真右)と日比野克彦氏(左)。

篠田太郎 《月面反射通信技術》

東野祥子

Page 3: アーティスティックディレクター日比野克彦の「動 …...×PechaKucha 」を開催。 ている。トークイベントを予定しトナの夜の多ジャンルな方巻き作家も招いて、オ日本酒ライターやエロ恵

 昨年好評を博した、六本木のお店を舞台にアーティストや各界のプロフェッショナルが意見を交換する場《六本木夜楽会》を今年も開催。少人数でアーティストを囲み、食事を楽しみながら、ここでしか聞くことのできないクロストークを満喫し、ともに語らう、貴重な夜となることでしょう。

【会場】アマンド 六本木店、アンディアーモ、いろは、キャンティ飯倉本店、サントリー美術館 Shop×cafe、セルベッサ(CERVEZA)、創作料理 薫風花麗、PRIVATE DINING 点(TOMORU)六本木六門店、ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ、わいわい居酒屋にんにん本舗

【出演予定アーティスト】50音順

 食べるという行為は、生きることに直結しています。そしてその味覚や過ごした時間の記憶はその人の人生を形づくる重要なファクターの一部です。オランダを中心に活躍するイーティングデザイナーのマライエ・フォーゲルサンク(Marije Vogelzang)が、視覚を用いずに食するという体験を通して、味覚や嗅覚を総動員し自らの記憶を掘り起こすという、斬新なフードプログラムを展開します。食を通して、自分のカラダに眠る何かを思い出してみませんか。  [特別助成]オランダ王国大使館 [協賛]西武・そごう

第005号3 2014年(平成26年)3月31日 WASHING POTATOES TIMES

参加者募集!!

第二回六本木夜楽会

六本木夜楽会フードスペシャル 《フィード・ラブ》

(写真左)2005年の『愛・地球博』で数千人規模のパレードを成功させた、ダンサー・振付家の伊藤キムさん。国内外で活躍し、京都造形芸術大学客員教授として学生にダンスや「身体論」を教えている。(右)カラダ全体を解放させ、踊りの稽古に励む参加者たち。

 《ふわりたい

ながれた

つなぎたい》と題し、

六本木の夜の街を約13

0名にも及ぶ集団が練り

歩く市民参加型のパ

フォーマンス・パレード。

ダンサー・振付家の伊藤

キムさん監修によるダン

スパフォーマンスは、今

年のアートナイトを飾る

大きなイベントのひとつ。

 

六本木ヒルズアリーナ

をスタートする一団は、

六本木通りを練り歩き、

途中、東京ミッドタウン

でのパフォーマンスをは

さんで終点の星条旗通り

まで行く、およそ3時間

のビッグパレードを行う

予定だ。

「2005年の『愛・地球

博』でも前夜祭パレード

の総合演出を務めたこと

があるのですが、街場で

のパフォーマンスは、舞

台とはひと味もふた味も

違う面白さがあります。

良い意味で雑になるとい

うか、キチッと用意され

た舞台とは違い、街で起

こる様々なノイズが入る

ことで崩され、刺激され、

雑味をたっぷり内包して

予定不調和のエネルギー

を放出する。ハプニング

が起こらないような手段

を考えなくちゃいけない

んだけど(笑)、そこから

こぼれ落ちるものは必ず

ある。それが楽しみ。しゃ

かりきにならず、みんな

で音に合わせて前を向い

て進み、気づいたらふわっ

とつながっていた。そん

な一夜になると嬉しいで

すね」

 

音楽監修を務めた作曲

家の川瀬浩介さんによる

リズムと一体化したキム

さんの振付けは、〝腕グイ

〜ン〞、〝膝ガクガク〞、〝肘

グリグリ〞など愉快で誰

でも真似できるほどシン

プル。自然とカラダが動

き出す仕掛けがあるよう

だ。

「動き自体は人間のカラダ

そのものにフォーカスし

たもので極めてシンプル。

僕は〝カラダつかい体操〞

と呼んでいて、街中で集

団ラジオ体操をするよう

なイメージです。カラダ

が連想ゲームをするよう

に、途中からどんどんお

かしな方向へ脱線したり

しもしますが、ナレーショ

ンの言葉に合わせてカラ

ダを動かすだけで、とに

かく誰でも楽しめるよう

になっています。僕は長

年ダンスに携わっている

ので、一般の人が意識す

る以上にカラダそのもの

について常に考えてきま

した。自分のカラダが今

ここに在ることを実感す

る不思議さや大切さ、人

間本来の在り方について。

そういう日常の〝カラダ〞

に対する僕なりの思考

を、今回のパフォーマン

スに込めています。都会

という日常の中にカラダ

を放り出すことで出現す

る〝非現実感〞みたいな

ものを、参加者全員で体

感できたら嬉しいですね」

 

さらに今回のパフォー

マンス・パレードは、衣

裳にもひと工夫がある。

「衣裳の監修は美術家の

吉田一郎さん。カラダの

パーツをパッチワークに

してカラダにペタペタと

貼り付け、頭にはヒトガ

タの光るヘッドセットを

装着。さらにパレードの

人波の中に『ろ・っ・ぽ・ん・

ぎ』の文字装飾も出現さ

せて、たくさんのカラダ

とモノが夜の街をふわふ

わと流れていく予定で

す。モノを介することで

人と人が繋がり、僕が最

初に六本木に抱いた、〝人

やモノが流通する街〞と

いうイメージを、カラダ

と、舞台となる街全体を

使って表現していきます。

〝みなさん一緒に動きま

しょう〜!〞の声が聞こ

えたら、ぜひ一緒にカラ

ダを動かして、参加して

もらいたいですね」

(西野入智紗)

Parade

伊藤キムさんと一緒に

六本木の街を

人とモノがふわり流れる。

http://w

ww.roppongiartnight.com/

だい に かい ろく ほん もく よ らく え

★第二回六本木夜楽会、《フィード・ラブ》ともに、詳細および参加方法は、公式ホームページにてお知らせいた します。また、全てのプログラムの内容は変更になる可能性がございますので、予めご了承ください。

浅葉克己 卯城竜太(Chim↑Pom)

大巻伸嗣 小沢 剛 クリス智子

光嶋裕介 篠田太郎 辛酸なめ子 鈴木康広 舘鼻則孝

津田大介 椿 昇 遠山正道 南條史生 八谷和彦

真鍋大度 森本千絵 箭内道彦 山川冬樹 山本浩

今年の2月に入ってから、日本女子体育大学や六本木のビルの一室などでパレードに向けた本格的な練習が行われている。

Marije V

ogelzang

マライエ・フォーゲルサンク/2000

年、アイントホーヘンのデザインアカデミー(オランダ)を卒

業。食を主題とした「デザイナー」ではなく、食の起源、空間や食

べ方、その場の空気も含めた「食の体験」を作り出す、世界初の

「イーティングデザイナー」である。実験的なコンセプトで彼女

のデザインを体感できる

「Proef

」というレストランを展開

後、さらに自身の実験をひろげ、「食べる」という動詞をデザイ

ンするという展望へと発展させ、世界各地で賞賛を浴びてい

る。また、長期にわたる病院での療養プロジェクトや、教育や思

考のワークショップなど社会プログラムも行い、「食」を通した

多岐にわたる提案や問題解決のためのデザインを実践する。

日時:2014年4月19日(土)20:00-22:00場所:21_21 DESIGN SIGHT(東京ミッドタウン・ガーデン内)司会:アストリッド・クライン/マーク・ダイサム

21_21 DESIGN SIGHT企画展「コメ展」開催中!六本木アートナイト特別開館時間:4月19日(土)11:00-24:00(入場は23:30まで)

photo: Masako Nakagawa

Page 4: アーティスティックディレクター日比野克彦の「動 …...×PechaKucha 」を開催。 ている。トークイベントを予定しトナの夜の多ジャンルな方巻き作家も招いて、オ日本酒ライターやエロ恵

第005号 WASHING POTATOES TIMES 2014年(平成26年)3月31日 4

 

東京の中でもとりわけ

「都会」のイメージが強い

六本木の街に、公立の中

学校があると聞いて、副

校長の上野目浩一先生を

訪ねた。芋洗い坂を下り、

港区立六本木中学校の門

をくぐると、グランドで

サッカーボールを追いか

ける元気のいい生徒たち

の声が響き渡る。

「この学校に赴任するまで

は、私も六本木はもっと

ドライな街だと思ってい

ました。〝作られた街〞と

いうイメージがあったの

が、いざ来てみるととん

でもない。庶民的であっ

たかく、暮らしに根づい

た商店街まであるような

土地だったのです」

 

これまでに大田区や渋

谷区など様々な学校で教

えてきた上野目先生は、

常に「学校は街のランド

マークとして地域の人の

誇りであって欲しい」と

考えてきた。そのために

も自らが地元に密着する

ことが大切なのだと。

「赴任先の地元民として生

活したいと思うので、飲

み食いも近所でするよう

にしますし、普段から地

元の方と交流を持つよう

に心がけています。仕事

は仕事と割り切る人も多

いけれど、私のスタンス

はごっちゃにしたいほう。

どっぷり土地に入り込み、

考えたいのです」

 

現在は副校長として先

生方を支援する立場にい

るが、長年、美術教師と

して教鞭を執ってきた上

野目先生。六本木アート

ナイトにも関心は深い。

「六本木中学校は周りに美

術館がいくつもあり、素

晴らしい庭園もあり、アー

トに触れる環境としては

とても恵まれていると思

います。子供たちの好奇

心の芽を伸ばしてあげる

チャンスはたくさんある

ので、〝アートの街〞を活

用しないのは本当にもっ

たいない。子供の興味に

教師がひとさじ加えてあ

げることが本当に大切な

のです。六本木アートナ

イトも、子供たちが参加

できる日中のプログラム

もありますし、何かに出

会うきっかけとして楽し

んでもらえたらと私から

もアナウンスしています。

昨年、私も体験しました

が、堅苦しいアートイベ

ントではなく、お祭りっ

ぽさがあっていいなと思

いました。サッカーのヒ

ビノカップも我が校で開

催しましたし、これから

も街のイベントとは関わ

りを持っていきたいです

ね」     (吉田直子)

Project

今月の「六本木人」

港区立六本木中学校 副校長

上野目浩一さん 

地元にどっぷり入り込む六本木の熱血先生

People

発行人◎ 六本木アートナイト実行委員会編 集◎ 芋洗い坂新聞編集局 総括=日比野克彦 企画=武村俊/田中美知子/西谷枝里子 企画協力=角張敏郎 編集=吉田直子 AD:内田雅之(VOLTAGE) 取材:大池明日香/西野入智紗 撮影:鈴木陽介/藤田慎一郎印 刷◎ 水産経済新聞社

学校の門をくぐると行きは六本木ヒルズが、帰りは東京タワーが見える港区立六本木中

学校。平成25・26年度と、東京都教育委員会より「人権尊重教育推進校」に指定された。

六本木リサーチプロジェクト②

RO

PPON

GI PA

TT

ER

NS

六本木の街のエッセンスを

パターン化してみると…

すぎやま・なつみ/東京都生まれ。最近場所と人の関係をテーマにした活動を始めました。六本木を見直したくなる視点を発信します。

A-1現在の道A-2江戸時代の道A-3緑地図A-421_21

B-1夜の光B-2群衆B-3植栽B-4建物地図

C-1スカイラインC-2ストリートファニチャーC-3地形地図C-4排水溝ふた

D-1雑踏D-2ケヤキの樹皮D-3働く光D-4人のキャラクター

E-1首都高速高架E-2国立新美術館E-3街灯E-4六本木通りの夕陽

E D C B A

1

2

3

4

かみのめ・こういち/港区立六本木中学校副校長。幼小中高校の美術教育を担う、全国造形教育連盟事務局に所属。金属工芸の作家として1年に1作品のペースで制作も行っている。

 

第2回六本木リサーチ

プロジェクトは、「ROPPO-

NGI PATTERNS

」です。街

というものは多様な要素

が混在しながら出来上

がっています。ここでは、

街の一片一片をパターン

にしました。

 

さて、あなたは街を歩

くと、一体何に遭遇するで

しょうか?

いくつもの印

象的な建造物、雑踏を行

き交う様々な人、照明、

不思議な形のイスに、足

下のマンホール等々。大

きなもの、動かないもの

から小さなもの、移り変

わるものまで、無数の物

事が集積して場が出来上

がっている事に気づく事

でしょう。そしてそれら

は少しずつ六本木のエッ

センスを表しています。

この街での植物は、手入

れされて電球を身にまと

い、まるでストリートファ

ニチャー。江戸時代にはな

かった六本木通りは正面

から差し込む夕陽で黄金

色に染まり、街の顔が変

換する時を迎えます。遊

ぶ夜の光がうごめく横で

はまだまだ働く人たちの

光がそびえ立っています。

巨大なビルの印象が強く

とも、実際のスカイライ

ンは大きな建物いくつか

以外は意外に低い建物も

多く、広い空があります。

ここに挙げたザワザワう

ごめく街の断片はごくご

く一部ですが、あなたは

街でどんなものが気にな

りますか? 

(杉山夏実)