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はじめに今回我々はパルボウイルスB19慢性持続感染
が原因と考えられたネフローゼ症候群の一例を経験したので報告する。
症 例症 例:67歳 女性主 訴:蛋白尿既往歴:32歳 帝王切開,50歳 高脂血症,
59歳 左下肢リンパ浮腫,59歳 びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(放射線化学療法により完全寛解),64歳 蜂巣織炎
家族歴:父:関節リウマチ・糖尿病,弟:関節リウマチ,妹:糖尿病,次女:全身性硬化症
現病歴:妊娠中毒症の既往あり。20年以上前にレイノー現象を認めたがその後は認めず。また,日光で増悪する蝶型紅斑を認めたことがある。約15年前に対称性の両手指の疼痛や腫脹・朝のこわばりを約1年間認めたが,経過観察により消失した。2年前より眼球乾燥・口渇を認めているが経過観察。入院2 ヶ月前に左下肢蜂窩織炎を呈し,この入院時に初めて尿蛋白
(2+),尿潜血(+)と尿異常及び梅毒反応生物学的偽陽性を認めたが経過観察。約1 ヶ月の蜂窩織炎の入院治療の後も蛋白尿は持続し当科紹介され2008年3月8日入院。尿蛋白(4+),尿潜血(+),Cre 1.07mg/dLと腎障害,尿異常を認めた。
入院時内服薬:なし1/8 ~ 2/24 ロキソプロフェン180mg3X,テ
プレノン150mg3X 1/24 ~ 30 アモキシシリン750mg3X
入院時現症:体温36.8℃,血圧126/68mmHg,脈拍80回 /分・整,眼瞼結膜に貧血なし,眼球結膜に黄疸なし,甲状腺を触知せず,胸部にラ音・心雑音なし,腹部は平坦かつ軟で圧痛及び血管雑音なし,左優位の両下腿浮腫あり,表在リンパ節を触知せず
入院時検査所見(表1,2):尿所見では尿蛋白が(3+),尿潜血が(±)であり,24時間蓄尿で尿蛋白は10.68gであった。生化学検査ではAlb 2.2 g/dlと低値であり,脂質異常を認めた。免疫学的検査では,抗核抗体がHomogenous 80
倍,Speckled 80倍 を 示 し,CH50が24 U/ml,C4が7.4 mg/dlと低下が見られたが,C3は161
mg/dlと上昇していた。抗 ss-DNA抗体は166.5
AU/mlと上昇が見られ,抗SS-A抗体は陽性であった。血液のパルボウイルスB19は,IgM抗体・IgG抗体共に陽性であったが,DNAはPCR
法で陰性であった。その他の検査所見:フルオレセイン 右0点,
左1点,ローズベンガル染色 右3点、左3点,Schirmer試験 右10mm,左12mm,ガムテスト
10.5-11mL
骨髄穿刺:Normocellular bone marrow, aspira-
tion biopsy. erythroblastによるerythronの形成を認める。骨髄中のパルボウイルスB19(以降
パルボウイルスB19慢性持続感染が原因と考えられたネフローゼ症候群の一例
本 田 謙次郎 石 岡 邦 啓 岡 真知子真栄里 恭 子 池 江 亮 太 守 矢 英 和日 高 寿 美 大 竹 剛 靖 小 林 修 三
湘南鎌倉総合病院腎臓内科 Key Word:パルボウイルスB19感染症,SLE,膜性腎症,間質性腎炎
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HPB) DNA(PCR法)は陽性であった。口唇生検所見:明らかな炎症細胞浸潤なし。腎生検所見(図1-14):腎生検では11個
の糸球体が採取され,そのうち3個が荒廃していた。半月体形成は認められなかった。糸球体は軽度のメサンギウム基質の増生を認め,明らかなスパイク形成は見られないものの一部に点刻像を認めた。間質には軽度の線維化と核崩壊を伴うような強い炎症細胞浸潤をfocalに認め,一部に尿細管炎と思われる所見も見られた。間質
への浸潤細胞はCD8陽性T細胞が主体であった。蛍 光 抗 体 で はcapillaryとmesangiumにIgG・
C3,またIgMもわずかに沈着していたが,C1qは陰性であった。電顕では上皮下及びparamesan-
giumにElectron-dense-depositの沈着を認めた。また,腎組織凍結生標本中のパルボウイルス
B19 DNA(PCR法)は陽性であった。
WBC 5100 /μ l
(Lym 43.4 %)Hb 11.1 g/dl
Plt 24.2×104 /μlTP 6.0 g/dl
Alb 2.2 g/dl
AST 31 IU/l
ALT 13 IU/l
LDH 310 IU/l
ChE 588 IU/l
BUN 16.6 mg/dl
Cre 1.07 mg/dl
Na 135 mEq/l
K 4.6 mEq/l
Cl 100 mEq/l
BS 107 mg/dl
HbA1c 5.3 %
T.chol 384 mg/dl
TG 374 mg/dl
HDL-C 80.6 mg/dl
LDL-C 216 mg/dl
PT-INR 1.08
APTT 23.8 秒(対照 27.4 秒)Fbg 548.2 mg/dl
ESR 100mm以上 (1hr) 100mm以上 (2hr)TPAb (-)HBsAg (-)HCVAb (-)
尿pH 6.0
U-Pro (3+)U-OB (±)U-Glu (-)U-RBC 1-4 /HPF
U-WBC 5-9 /HPF
U-TP 10.68 g/day
U-Cre 1120 mg/day
U-β2MG 817 μg/l]
U-NAG 29.2 U/l
CCr 83.5ml/min/1.73m2
selectivity index 0.10 %
U-BJP (-)CRP 0.55 mg/dl
RAテスト (-)抗核抗体 80倍 Homogenous 80 倍 Speckled 80 倍CH50 24 U/ml
C3 161 mg/dl
C4 7.4 mg/dl
IC-C1q 1.5 以下IgG 1336 mg/dl
IgA 345 mg/dl
IgM 223 mg/dl
MPO-ANCA (-)PR3-ANCA (-)抗GBM抗体 (-)ASO 460 倍ASK 1280 倍
sIL-2R 356 U/ml
LEテスト (-)抗 ss-DNA抗体 166.5 AU/ml
抗ds-DNA抗体 10.9 IU/ml
抗Sm抗体 <7.0 U/ml
抗RNP抗体 <7.0 U/ml
抗SS-A抗体 (+)抗SS-B抗体 (-)Cryo (-)抗CL-β2GP1複合体抗体 <1.3 U/ml
LAC/DRVVT 1.0
抗CL抗体 1 U/ml
パルボウイルスB19 IgM抗体 (+)抗体価 8.29
パルボウイルスB19 IgG抗体 (+)抗体価 14.36
パルボウイルスB19 DNA (-)TSH 7.098 μ IU/ml
fT3 2.5 pg/ml
fT4 1.0 ng/dl
抗TPO抗体 17.6 U/ml
抗Tg抗体 100 未満CD4/CD8 0.31
HTLV-1 (-)EBV-VCA IgG 320 倍EBV-VCA IgA (-)EBV-VCA IgM (-)EBNA抗体 (-)
入院時検査所見
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図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図7
図8
図9
図10
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図13
図14
図15
図16
図17
図18
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臨床経過臨床的には,HPB持続感染症,SLE,シェーグレ
ン症候群の疑い,橋本病,悪性リンパ腫(びまん性大細胞型リンパ腫;Complete Remission)が考えられた。HPB感染症は血中の IgM抗体が陽性となり,骨髄・腎組織中のHPB DNAがPCR法で陽性であることが示されたが,血液中ではDNAは陰性であった。SLE
については蝶型紅斑・日光過敏症・生物学的偽陽性・腎障害・抗核抗体陽性と診断基準のうちの5つを満たしていた。また,眼球乾燥・口腔乾燥感の症状はあるものの診断基準からはシェーグレン症候群の疑いとなり,確定診断には至らなかった。
一方,腎組織では上皮下及びparamesangiumにEDDを伴う膜性腎症及びCD8陽性T cellが主体の間質の高度な炎症が見られた。
本例ではパルボウイルスB19感染症の関与を強く考えIVIgで治療を行った。HPBの IgM抗体価及び高度蛋白尿共に改善が見られた(図15)。
考 察HPB感染に伴う腎障害はendocapillary proliferative
glomerulonephritisが多く報告されている。Interstitial
nephritisの報告は1例1)のみであり,きわめて稀。膜性腎症については報告がない(図16)。また,col-
lapsing glomerulopathyは正常よりも腎組織中のHPB
DNA陽性率がはるかに高く,HPB感染との関連性が考えられている。
HPB感染は多くは経過観察で軽快する。赤芽球癆を発症する場合には IVIgにより治療し,ステロイド・免疫抑制剤(特に tacrolimus)により増悪するとされる。本例では経過観察を行うも蛋白尿の改善が見られず IVIgを開始した。
SLEとHPB感染症は臨床的にも酷似している。レイノー現象はSLEのみで認めるという報告2)(図17)もある一方で,これとは全く逆の報告もある。なお,本例では腎組織の蛍光抗体でC1qは陰性であったが,ループス腎炎の腎糸球体においてC1qが陽性となるのは72.8%とされる3)。
本症例はCD8陽性T細胞主体の間質の高度炎症を
伴う膜性腎症であるが,HPB感染症に伴う膜性腎症は報告がない(図18)。しかし,各種検査及び臨床経過からHPB感染症による影響が考えられた。
問題点①膜性腎症とするならば間質の核崩壊を認めるよう
な著明な炎症細胞浸潤を伴うことがあるのか。これらの変化は一元的に説明しうるか。
②本症例の腎障害にパルボウイルスB19感染症,SLE,シェーグレン症候群は如何に関与しているのか。
③ループス腎炎としてステロイドor免疫抑制薬を使用した場合,パルボウイルスB19感染の悪化が懸念される。臨床病理学的にこの症例の診断は何か?
参考文献1) Ramirez JA et al. Tubulointerstitial nephritis associ-
ated with parvovirus beta 19 infection. Medicina(B
Aires), 65(4): 333-7, 2005
2) Pascal Seve et al. Lupus-Like Presentation of parvo-
virus B19 infection. Semin Arthritis Rheum, 18(5):
435-7, 2007
3) Jennette JC, Olson JL, Schwartz MM, Silva FG Ed.
Heptinstallʼs PATHOLOGY OF THE KIDNEY, 6th
ed. Philadelphia, Lippincott, Vol.1, Chapter 12, P.537,
2007
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討 論 座長 それでは第3席,「パルボウイルスB19
慢性持続感染が原因と考えられたネフローゼ症候群の一例」。湘南鎌倉総合病院腎臓内科の本田先生,お願いいたします。本田 よろしくお願いします。「パルボウイルスB19慢性持続感染が原因と考えられたネフローゼ症候群の一例」について発表します。臨床的に判断の難しい症例に出会いましたので,今日はフロアの皆様からご意見をいただければと思います。 症例は67歳の女性です。主訴は蛋白尿です。妊娠中毒症の既往がある方です。20年以上前にレイノー現象を認めましたが,その後は改善して認めておりません。また日光で増悪する蝶形紅斑を認めたことがあります。約15年前に対称性の両手指の疼痛を腫脹,朝のこわばりを約1年間認めましたが,経過観察により消失したということです。2年前より眼球乾燥,口渇を認めていますが,経過観察されていました。入院2カ月前に左下肢の蜂窩織炎を呈し,この入院時に始めて尿蛋白2+,尿潜血+と尿異常および梅毒反応の生物学的偽陽性を認めましたが,経過観察されております。 記載がないんですが,この前までは半年に1
回尿検査,採血をされておりますが,尿検査では尿異常を全く認めず,クレアチニンも0.8程度で横ばいで数年間推移しております。約1カ月間,下肢の蜂窩織炎で入院しましたが,そのあとも蛋白尿は持続し,当科を紹介され,2008
年3月8日に入院となりました。紹介時の時点で尿蛋白が4+,尿潜血が+,クレアチニンが1.0などと腎障害を認めました。 既往歴ですが記載のとおりとなっております。59歳のときにびまん性の大細胞型リンパ腫を診断され,放射線化学療法により完全緩解となっております。 家族歴ですが,父に関節リウマチと糖尿病,母は肝疾患,弟は関節リウマチ,妹は糖尿病,
次女が全身性硬化症です。 入院時の内服薬はありませんが,下肢の蜂窩織炎で入院の折にロキソニンとセルベックス,退院後サワシリンの内服をされておりました。 入院時の身体所見ですが,体温は36.8℃,血圧126/68,脈は80で整でした。身長は156cm,体重61.8kgで身体所見は左有意の両下肢の浮腫がある以外は特記すべき所見はありませんでした。 入院時の検査所見です。白血球減少やリンパ球減少はなく貧血も正常下限程度でした。総蛋白は6.0,アルブミン2.2と低値を認め,LDHは310と軽度上昇しておりました。コリンエステラーゼも上昇を認めました。BUNは16.6,クレアチニンは1.07,脂質は全体的に上昇をしておりました。fibrinogenは548と上昇しており,血沈も亢進しておりました。前回入院時,約2カ月前ですが,そのときに見られた生物学的偽陽性は今回の入院時は認めませんでした。尿はpH
が6.0,蛋白が3+,潜血が±,定量では一日尿蛋白が10.68gでした。尿中のβ2-ミクログログリン,NAGの上昇を認めました。CRPは0.55で抗 核 抗 体は80倍,homogeneous型,speckled型ともに80倍でした。CH50,C4は低値でしたが,C3は軽度上昇しておりました。C1qの上昇は見られませんでした。ASOは460倍と高値であり,抗 single-stranded DNA抗体が166と上昇しておりました。抗double-stranded DNA抗体は正常でした。また抗SS-A抗体は陽性で,抗SS-B抗体は陰性でした。パルボウイルスB19に関して検査を行ったところ,IgM抗体が陽性,IgG抗体が陽性ですが,パルボウイルスB19のDNAはPCR法で陰性でした。TSHは軽度上昇しており,抗TPO抗体も陽性でした。 入院時の検査所見の続きになりますが,胸部レントゲンは心胸比が56%と心拡大を認め,また口渇や眼球乾燥の症状がありましたので諸検査を行ったところ,涙液分泌の低下を示唆する所見が認められました。ガムテストは10ml以上で一応ぎりぎり低下を認めないという結果でした。骨髄穿刺は特に正常の骨髄で特記すべき所
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見はありませんでした。正常な赤芽球の形成を認めておりました。こちらは口唇生検ですが,明らかな炎症細胞浸潤は見られませんでした。 腎生検です。採取された糸球体は11個でglobal sclerosisは3個,半月体形成は認めませんでした。PASの弱拡大になりますが,尿細管間質への著明な炎症細胞浸潤を認めます。この糸球体では invaginationも認めます。こちらも間質に糸球体の周囲に集簇するような炎症細胞浸潤が見られます。糸球体は軽度の基質の増生を認める程度の変化でした。こちらは間質の強拡大になりますが,核崩壊を伴うようなかなり激しい炎症細胞浸潤を認めます。こちらはPAMの弱拡大です。強拡大で見ますと,わずかにbubblingを認めるような所見が一部に見られましたが,明らかなスパイク形成などは認められませんでした。 Masson trichrome染色では軽度の間質の線維化とmesangium基質の軽度の増生を認めるのみでした。明らかなdepositの沈着を示唆するような所見は見られませんでした。蛍光抗体です が,capillaryとmesangiumに IgGと IgAが +,C3もわずかに沈着しておりました。C1qは陰性でした。電顕では上皮下およびparamesan-
giumにelectron dense depositの沈着を認めました。こちらは免疫染色ですが,間質の炎症細胞浸潤の場所にCD3およびCD8が染まっていました。B細胞やマクロファージもわずかに浸潤しておりましたが,間質の浸潤する細胞は主にCD8陽性のT細胞でした。 腎生検をまとめると次のようになります。膜性腎症およびCD8陽性のT細胞が主体の間質の高度の炎症細胞浸潤になります。臨床像も併せると本症例の腎障害については,ループス腎炎,あるいはシェーグレン症候群,あるいはパルボウイルスB19に関連した腎障害などが考えられました。 さて,それぞれについて検査をまとめていきます。SLEについては蝶形紅斑・日光過敏症・前回入院時に認めた生物学的偽陽性・腎障害・
抗核抗体陽性の5項目があり,SLEの診断基準を満たしました。シェーグレン症候群については涙液分泌の低下は認めるものの唾液分泌の低下は認めず,また口唇生検では病理学的にも唾液腺組織の炎症細胞浸潤が認めなかったので,これらはシェーグレン症候群の疑いどまりで確定診断には至りませんでした。パルボウイルスB19感染症に関する検査結果ですが,血液検査では IgG抗体および IgM抗体も陽性でしたが,PCR法でDNAは陰性でした。一方で骨髄の組織をパルボウイルスB19のDNAを検査したところ,こちらはPCR法で陽性,また腎組織でもDNAは陽性でした。血液中にはパルボウイルスは存在しないが,骨髄組織および腎組織にはパルボウイルスが存在するという結果となりました。 プロブレムリストをまとめますと,パルボウイルスB19感染症,SLE,シェーグレン症候群の疑い,橋本病,悪性リンパ腫,これは既往にある悪性リンパ腫,diffuse large B-cell lym-
phomaで, い ま はcomplete remissionの 状 態 になっています。 ここでパルボウイルスB19感染症と腎障害についてまとめます。パルボウイルスB19感染に伴う腎障害はendocapillary proliferative glomeru-
lonephritisが多く報告されています。interstitial
nephritisの報告はわずか1例のみであり極めてまれです。またcollapsing glomerulopathyとの関連も言われていますが,こちらについては正常というか,あるいはminimum changeとかそういうふうな像よりも,腎組織中のパルボウイルスB19のDNAは陽性率がはるかに高い。つまりそこからはパルボウイルスB19の関連があるのではないかと考えられています。パルボウイルスB19は多くは経過観察で軽快しますが,赤芽球癆を発症するような場合,経過観察で改善しない場合には免疫グロブリン投与による治療をし,ステロイドや免疫抑制剤,特にタクロリムスにより増悪するとされています。 本症例では臨床経過は後ほど示しますが,経
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過観察をしても蛋白尿は改善しないことから,パルボウイルスB19の影響を考慮し,免疫グロブリンで治療を開始しました。パルボウイルスB19に関連した腎障害をもう少し詳しくまとめると次のようになります。endocapillary
proliferative glomerulonephritisが圧倒的に多く,またmesangial proliferative glomerulonephritisも7
例ありました。うち5例は IgA腎症でした。尿細管間質性の腎炎についてはわずか1例で,膜性腎症の報告はありませんでした。またendo-
capillary proliferative glomerulonephritisでは IgC,IgM,C3がmesangiumとcapillaryに沈着するという報告が圧倒的に多く,これに加えてC1qが沈着したという報告は,昨年の東部会で報告された2例のみでした。 SLEの蛍光抗体ですが,C1qは今回の本症例では陰性でしたが,どのぐらいC1qが染まるかというと,約7割ということで,3割はC1qが陰性になるということがHeptinstall's
PATHOLOGY OF THE KIDNEYの本に書いてありました。こちらは症状や血液検査についてのパルボウイルスB19感染症とSLEの比較です。オレンジの線で書かれたところが今回の本症例で認められたところです。それに加えて赤い枠でくくったレイノー現象はこの症例では認めましたが,レイノー現象については,この論文ではSLEのほうに特異的に認めると書いてありましたが,ほかの報告では逆にパルボウイルスB19のほうに認めると書いている報告もあり,そちらは一致しない見解でした。 臨床経過をまとめます。もともと10gあった尿蛋白は経過観察で改善しないため,免疫グロブリン15gを2回,それでも改善が不十分なために50gを投与しました。パルボウイルスのIgM抗体は一時上昇しましたが,その後低下していき,また尿蛋白も徐々に低下していきました。アルブミンは初めの時点で1.8であったものが,いちばん最後の時点ではアルブミンは2.7
まで改善しております。 以上,まとめますとこのようになります。腎
臓の組織としては,膜性腎症とCD8陽性のT細胞の間質性腎炎があり,臨床像ではSLEの診断基準を満たすという部分,ただし,C1qの上昇は血液中ではなく,また腎組織でもC1qは陰性でした。一方でループス様の症候群を来すパルボウイルスB19感染については,抗 single-
stranded DNAが陽性,パルボウイルスB19のIgM抗体が先ほど経過にお示ししましたとおり,半年以上の長きにわたり持続陽性,また骨髄,腎組織中のパルボウイルスB19のDNAが陽性という結果でした。SLEと間質性腎炎,あるいはSLEと膜性腎症は当然関連がありますが,パルボウイルスB19との関連は膜性腎症では報告はされておらず,間質性腎炎との関連はわずか1例のみでした。またシェーグレン症候群については疑いのレベルですが,膜性腎症の報告も中にはあるようでした。 以上,問題点をまとめますと,膜性腎症とするならば,間質の核崩壊を認めるような著明な炎症細胞浸潤を伴うようなことがあるのかという部分,そしてこれらの変化は一元的に説明しうるのか。本症例の腎障害にパルボウイルスB19感染症,SLE,シェーグレン症候群はいかに関与しているのか。ループス腎炎としてステロイドあるいは免疫抑制剤をもし仮に使用した場合,パルボウイルスB19感染の悪化が懸念される状態で,どのように対応すればいいのかという部分があります。臨床病理学的にこの症例の診断は何かということについて皆様のご意見をうかがいたいと思います。以上です。座長 ありがとうございました。この症例もSLEですね。それからシェーグレン症候群の疑い,そういうものがありまして,その腎病変をどのように考えるか。またパルボウイルスの感染をこの病変とどういうふうに関連づけて考えるかというようなご呈示であったかと思います。それではご質問,ご意見をお願いいたします。どうぞ。大竹 共同演者の湘南鎌倉総合病院腎臓内科の大竹と申しますが,この患者さんは我々の施設
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の検討では,いま現在パルボウイルスB19の感染症が原因ではないかと考えておりますが,タイトルにも書いたように,補足ですが,パルボウイルスB19のacute infectionではなくて,この人の臨床的特徴というのは,chronic continu-
ousな持続的なウイルス感染症がバックにあるということをぜひ理解しておいていただければと思います。 パルボウイルス感染症のときの関連腎症については,acute infectionのときには当然,deposit
を伴うendocapillary patternというのが先ほどのスライドでも非常に多いわけですが,chronic
なviral infectionということになりますと,例えば代表的なウイルス感染症であるB型肝炎もしくはC型肝炎関連腎症のchronicな infectionの場合には,膜性腎症の形態を取りうるというので,そのへんを先生方,今日,皆さんがどういうふうに考えるかというのをぜひお考えをお聞きしたくて症例を呈示させていただいたことと,それから実際にその腎病変にパルボがどれだけ関連しているかということについて,組織の凍結切片でのPCRで腎臓にウイルスのDNAがあるということが証明されたわけですが,局在までは証明されていなくて,我々にはツールがないものですから,それについてもまたいろいろ教えていただければというふうに思って症例を呈示させていただきました。座長 ありがとうございました。急性感染ではなくて,慢性感染があるときに腎病変も変わってくるのではないかということを検討されるというお話ですが,いかがでしょうか。どうぞ。森田 昭和大学藤が丘の森田と申します。IgM
が半年間ポジティブだったということで持続感染があるというのはいいと思います。それから骨髄と腎臓でPCR法によって抗原が証明されたということで,そこにウイルスがあるということ,これも確かだと思います。では,糸球体病変がパルボウイルスの持続感染に関連しているかどうかということに関しては,何とも言えないというのがわたしの印象です。というのは
もちろん可能性としてそれは否定できないし,説明として非常にアトラクティブなのですが,例えば骨髄で,たしか赤血球の前駆細胞といちばん(★25:01 /一語不明)が強いということで,貧血の症状が出るというのが一つの血球系の異常となると思うんですが,この症例の場合はボーダーラインぐらいの貧血であって,あまり血球系の異常が出ていないということから,骨髄にウイルスが存在しても,臨床症状としてはあまり前面に出てこないということがあるので,糸球体病変が,ウイルスがいることと本当に関係があるかどうかは,積極的にそれを支持する所見として乏しいのではないか。もちろん否定はできないけれども,もう少しエビデンスがあったときに,強くそこが結ばれるというのが正直な印象なのです。僕もそんなに深く勉強しているわけではないんですが,印象としてはそんなことを思いました。 蛋白尿の推移と,確かに IgMの抗体価というのが,ある意味ではパラレルな部分もあったかなという感じはあったんですが,そこもものすごく強く関係しているというのは,そういう印象は個人的にはなかったんです。座長 どうぞ。大竹 先生のおっしゃるviral infectionと実際の腎病変のリンクをダイレクトに証明するとしたら,やはり局在を見ていくのが大事なのかなと思うんですが,それに迫るツールがないというのがあって。座長 ほかにご意見がありますでしょうか。どうぞ。平和 横浜市大の平和です。非常に興味深い症例をありがとうございます。けっこう難しくて,いろいろな要因があるので病理の先生方のお話を聞きたいなと思うんですが,一つ臨床医として見ると,治療の効果をどう考えて,その病態を考えるかというのが一つ大事なことかなと思うんですね。immunoglobulinを投与されてよくなっているんだということはわかるんですが,この方はこの間ずっと入院していらっしゃった
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第50回神奈川腎炎研究会
のでしょうか?本田 いいえ,退院されています。3月のときに1カ月ぐらい入院しましたが,その後は免疫グロブリンの点滴のときのみ入院。それ以外は外来で元気にされています。平和 その他に全く何も薬は入っていませんでしょうか。経口薬を含めて,血圧の薬とか,普通,蛋白尿が多いと血圧が維持されていても入れたくなってしまうんですが,そのようなのことはどうでしょうか?本田 初めの時点でオルメサルタンを5mgのみが開始になっております。ただ,オルメサルタン5mgを開始しましたが,あまり初めの時点では見極めがまだ短かったかもしれませんが,あまり蛋白尿の改善に乏しかったため,また蛋白尿の程度を考えて,これは免疫グロブリンの投与のほうが望ましいだろうと考えました。平和 その後はずっと使っていないんですか。本田 いや,5mgを。平和 継続して使って。その後は増やしていない。本田 増やしていないです。平和 あと減塩はしているということですね。本田 そうです,減塩はかなり厳しくしています。大竹 オルメサルタンの5mgというのは非常に奇異だと先生方は思われるかもしれません。この方の血圧はもともとベースが80というところで,low doseしか使えないということはご理解ください。平和 あと一つ。この方は5年前に lymphomaがあって,治療されているんですが,そのあたりと蛋白尿の関係はどうお考えになっていますか。本田 それは約8年前のことの話で,またそれ以降もずっとCHOP療法を3クール施行して,それからそのあと radiationを施行して完全緩解になっているんですが,その後もずっと尿蛋白が陰性のまま続いていたんです。ここ最近になって出てきたので,ただ,lymphomaが出るような何か素地がないかと思いまして,ウイルスのEB virusとか,HTLV-1とかいろいろ検索をしましたが特にそれらもありませんでしたの
で,難しいですけれども,何らかの免疫異常がこの人にあって,それが今回こういうパルボウイルスの持続感染を引き起こしているとか,そういう可能性は否定できませんが,直接的な関連を証明するのは難しいというふうに思っています。平和 完全緩解は8年前ですか。本田 完全緩解をずっと維持している。その後もCTなどで撮影されています。平和 入院中もいろいろ調べられたと思うんですが,lymphomaに伴う腎病変とかはないということですね。ありがとうございました。座長 ほかにご発言ありますでしょうか。どうぞ。長浜 横浜市大病理の長浜と申します。教えていただきたいんですが,核内封入体みたいなのはなかったんですか。ウイルス感染で見られるような。本田 そういうのは見られませんでした。長浜 さっき尿細管の上皮がすりガラス状になっているような気もしたんですが。気のせい。わからないんですが。骨髄,markとかで,もし,あるいは普通,pancytopeniaとか血球現象がパルボでは来ると思うんですが,markのcellularityと血球の数のdiscrepancyがあるとか,そういうのはなかったのですか。本田 少なくともそういう核内封入体は認めなくて正常の骨髄でした。長浜 ありがとうございます。座長 ありがとうございました。それでは病理の先生にご意見をうかがいたいと思います。よろしくお願いいたします。重松 最後にいちばん難しい症例が出てきたんですが,パルボウイルスの持続感染があって,持続的に IgM antibodyができている。そして糸球体病変はmembranousだと。ですから,もしIgMがmembranous nephropathyを起こしているということになると,これはかなりパルボウイルスというものが間質性腎炎と糸球体腎炎の両方を regulateしていると言ってもいいと思うんですが。はたして形態で言えるかどうかですね,
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腎炎症例研究 25巻 2009年
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第50回神奈川腎炎研究会
それが難題だと思います。【スライド01】これは間質性病変が明らかにあって,そしてその中に糸球体病変も埋め込まれているんですよね。光顕では糸球体病変はあまり強い増殖性の変化ではないということがわかります。
【スライド02】こういうふうに一見,prolifera-
tive changesはあまりない。少し遊走細胞が入っていますが,あまり強いものではない。間質のほうの炎症はかなり強いですね。ウイルス感染と間質炎というのは,僕あまり経験がないんですが。
【スライド03】尿細管は明らかに萎縮はしていますが,尿細管炎が起こっていて,そして上皮もあるところでは増殖をしているんですが,核の腫大はあまり強くもないし,inclusionがあるとはとても言えないとわたしは思いました。山口先生がどうおっしゃるかわからないんですが,ヒヤヒヤしています。
【スライド04】それからかなり強い上皮の剥離ですね。そしてこういうふうな腫大した核を持った上皮細胞がありますので,かなり持続して尿細管炎が起こっているということはあると。だからdecoy cellとか,そういうふうなウイルスが感染している細胞というのは同定できないけれども,持続感染があるとすると,そういうものが起こっている間質性腎炎と見ておかしくはないと思います。
【スライド05】糸球体病変なんですが,これは一見して光顕上ではとてもmembranousGNとは,なかなか言えないと思うんですね。
【スライド06】Massonで見ても上皮下のdeposit
がわからない。mesangial depositもはっきりしないですね。
【スライド07】PAM染色弱拡大でほとんどmi-
nor abnormalityみたいに見えます。【スライド08】400倍の拡大で,パワーポイントで撮るにはこれぐらいが精一杯の拡大なんですが,はっきりした点刻像をとるところがありませんでした。
【スライド09】ここのところを見てもらうと,膜がそり切りになって,ここが少し点刻が出ていて,membranousなパターンが一部ではあるということが言えると思います。
【スライド10】動脈のエラストーレスです。【スライド11】それで問題は IFパターンなんですが,IgGが係蹄壁に顆粒状に強く染まっていて,C3がやはり同じようなパターンで出ている。ところが IgMはmesangialパターンであまりperipheryにない,むしろ軸部に集まっている。IgG,C3のパターンとかけ離れたパターンを示していると思います。
【スライド12】そして電顕で見ると,membra-
nousでかなりフレッシュな immune depositがある。かなり大きな immune depositがある。一方でmesangium depositがありますから,これはセカンダリーのmembranous nephropathyであるということは明らかだと思います。
【スライド13】ここではmesangiumのdepositがかなりあって,一部に subendothelial depositがほんの少しある。
【スライド14】ここでもmixed membranous and
mesangial depositということで両方にあるということですね。
【スライド15】これはむしろ subendothelial。こういうところから見ると,演者がおっしゃったように,腎炎はmembranous lupusみたいなかたちで起こっていると考えてもいいだろうということですね。
【スライド16】これはかなり特殊な上皮下沈着パターンです。イレギュラーな非常に変わったmembranous derositでmesangial depositもあるし,subendothelial depositあると。 ということで,これはなかなか一概に僕は結論を言いにくいんだけれど。間質性腎炎はおそらくウイルス関連のものであると思いますが,糸球体の病変は軸部の IgMが有意にmesangial
depositのかたちであるところは,これはパルボウイルスの感染症的な持続的な IgMのantibody
responseが高くて,そしてmesangial depositをつ
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くったと考えていいのではないかと思います。 実際,IgM腎症とか,あるいは熱帯熱マラリア,こういうのは感染症で IgMがmesangiumに沈着するというのはかなり報告されています。パルボウイルスではありませんが。山口 これはなかなか簡単に結論はいかないと思います。
【スライド01】4,5本ですが,つぶれた糸球体は目立たない。被膜下のcyst形成は,エージングで出てきます。動脈硬化も軽度から中等度だと思います。
【スライド02】糸球体が少し大きめで,糸球体には炎症がなくても,間質に浸潤細胞が見られている。acuteな感じではない。慢性の炎症細胞浸潤,fibrosisも強くない。
【スライド03】核が断片化したように見えるのですが,組織をつくるときの生検後挫滅と思います。focal,localに単核球の浸潤があると思います。
【スライド04】多核化した尿細管上皮があり,これがviralなcytopathicな変化かどうかはよくわかりません。ウイルスの抗体で確認する必要はあると思います。
【スライド05】硬化した糸球体でエージングに伴う変化も多いと思います。
【スライド06】糸球体には係蹄の肥厚も目立たないんです。それから炎症,細胞の増殖も軽いです。電子顕微鏡で subendoとかmesangialにある。慢性化した間質性腎炎があると思います。
【スライド07】銀を見ただけだと膜性かどうかはわからないです。
【スライド08】C3と IgGがperipheralで,IgMがmesangialで,陽性になってくる。この症例はC1qがネガティブ。ループス腎炎では経験がないです。ループス腎炎でC1qネガティブのは経験がないので,ループスで全部説明できるかは疑問です。
【スライド09】電子顕微鏡には非常に多彩な沈着がありました。
【スライド10】上皮下,大小があって分布もイ
レ ギ ュ ラ ー で subendo,paramesangial,mesan-
gial matrix内にもあり,上皮下沈着物が連続性に見られている。ループスでは少し濃淡がある上皮下沈着物が多く,virus-like particleも見た限りでははっきりしない。 セカンダリーの膜性腎症で,さらに subendo
か らparamesangialに 沈 着 が あ っ て,tubular-
interstitial nephritisはcytopathicな変化を取るかどうか,難しいように思います。パルボウイルスの19で慢性化した lupus-like syndromeのが適当なのかどうかわかりません。その可能性はあると思います。 直接パルボB19のcapsidのproteinに対する抗体で染めて,糸球体に陽性に見られる方法も必要とは思います。以上です。座長 ありがとうございました。パルボウイルスの lupus-like syndromeというお話もありました。先生,何かご意見がありますか。本田 パルボウイルスB19のDNAというのは一応調べたところによると,過去の報告では例えばFGSとかでも2割,3割とか一応陽性になるみたいなんですが,さっきお示ししたcollapsing
glomerulopathyでは8割ぐらい陽性になるみたいで,ただパルボウイルスB19のDNAがいるということがどれだけ病気に関与しているのか。ただのバイスタンダーなのかとかいうところについては調べた限りではよくわからなかったんですが,そういうことについてはいかがでしょうか。微妙なあれかもしれないんですが。座長 山口先生にですか。先生,お答えいただければ。山口 我々もほとんど経験がないんです。SLE
がベースにあって,パルボB19が陽性も何割かあるんです。本田 そうですね。山口 ですから,どちらが関与しているのか,なかなか難しい。乳原 虎の門病院の乳原ですが,私はまだパルボウイルスを測ったことはないんですが,いっぱいあるウイルスマーカーの中でこのパルボウ
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イルスを測定したのはなぜですか。本田 一応 single-strandedが陽性だった。乳原 だから single-strandedが陽性なものはパルボを疑えということですか。本田 はい。乳原 そこからきたということですか。座長 ほかにご意見がありますでしょうか。本田 よろしいですか。一応ウイルスと間質性腎炎の関係について過去の報告を見てみたんですが,パルボウイルスはもちろん1例しかなくて,あとはC型肝炎のウイルスと,あとBKウイルス,子どもの免疫抑制状態の子どもに起こるようなそのぐらいの報告だけが見つかりました。一応コメントというか。座長 ありがとうございました,本田先生。まだご意見はおありかと思いますが,時間も過ぎてしまいましたし,このあと情報交換会もあるということですので,本日はこれで神奈川腎炎研究会を終わりにいたします。ありがとうございました(拍手)。平和 横浜市大の市民総合医療センターの平和でございます。本日は第50回という記念の会に皆さんご参加いただきましてありがとうございました。予定をおよそ30分を超えまして大変申し訳ないんですが,例年のように1時間,2時間延長というのはございませんでしたのでお許しいただけと存じます。今の後は,ぜひこのあとおなかを満たしていただければと思います。今回も非常に難しい症例を出していただきまして本当にありがとうございました。次回もまたよろしくお願いします。次回は第51回ですが,来年平成21年2月7日の土曜日に昭和大学藤が丘の吉村先生が当番世話人で開催していただきます。場所はこちら,また同じ場所で横浜シンポジアで開催することになっておりますので,来年2月7日土曜日,またよろしくお願いいたします。そして来年の秋,第52回は21
年の9月26日の土曜日に虎の門病院の乳原先生が世話人でしていただくことなりますので,ぜひスケジュールを入れていただいてぜひご参加
ください。本日はどうもありがとうございました。ロビーのほうで食事が取れますのでどうぞお立ちください。どうもありがとうございました。またよろしくお願いします(拍手)。司会 続きまして,ロビーのほうで情報交換会のほうをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
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