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〔海外調査資料57〕 カナダにおける木質バイオマス液化技術の 現状と動向に関する現地調査

カナダにおける木質バイオマス液化技術の 現状と動 …...- 1 - Ⅰ 調査の概要 1 調査目的 カナダは森林国であり、木質バイオマス利用に関する様々な技術開発が進んでいる。特

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〔海外調査資料57〕

平 成 2 2 年 9 月

カナダにおける木質バイオマス液化技術の

現状と動向に関する現地調査

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表紙の写真

左:ダイナモーティブ社のバイオオイル製造商用プラント

http://www.dynamotive.com/

右:アグリサーモ社の移動式バイオオイル製造プラント

http://www.agri-therm.com/solution.html

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目次

Ⅰ 調査の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

1 調査目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

2 調査内容・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

3 調査国及び調査対象機関・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1

4 調査期間・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

5 調査実施者・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2

Ⅱ 調査結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

1 バイオマスの液化によるバイオオイルの製造・・・・・・・・・・・・・・・ 3

(1)我が国における木質バイオマスからのエネルギー生産について・・・・・・ 3

(2)バイオマスの液化について・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

(3)「液化」と「可溶化」と「油化」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3

(4)急速熱分解によるバイオオイルの製造とは・・・・・・・・・・・・・・・ 4

(5)バイオオイルの性質・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4

(6)ダイナモーティブ社におけるバイオオイルの製造(バブリング流動床)・・ 5

(7)循環流動床・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6

(8)ウエスタンオンタリオ大学とアグリサーモ社のシステム・・・・・・・・・ 7

(9)バイオマスの急速熱分解の採算性・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9

(10)UBCにおけるバイオオイルのアップグレード研究・・・・・・・・・・・ 9

2 バイオマス・マテリアル研究・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

(1)UBCを中心としたバイオマテリアル研究ネットワーク・・・・・・・・・10

(2)リグノール社における研究開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10

(3)グエルフ大学における研究開発・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・11

Ⅲ 調査結果のまとめ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13

Ⅳ 参考文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

Ⅴ 謝辞・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14

海外調査資料既刊一覧・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15

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Ⅰ 調査の概要

1 調査目的

カナダは森林国であり、木質バイオマス利用に関する様々な技術開発が進んでいる。特

に、液化技術(バイオオイル製造技術)に関しては、民間企業(ダイナモーティブ社等)

がすでに商用プラントを稼働させていることが報道されている等、世界で も進んだ取組

を進めている。

現在、「バイオマス」委託研究プロジェクトでは、様々な木質バイオマスのエネルギー変

換技術の開発に取組んでいるが、林地残材を液化する技術が実用化されれば、運搬に関す

る問題の解決に大きく貢献することが考えられることから、木質バイオマスの液化に関す

る技術が木質バイオマス利用の鍵になると考えられる。

そこで、液化技術を中心とした木質バイオマス利用技術の現状について、カナダの大学

及び企業の技術開発の現状と我が国への適応可能性、今後我が国において取組むべき研究

分野について調査するとともに、今後の我が国における研究課題と推進方向について状況

を整理することを本調査の目的とする。

2 調査内容

以下の各項目について調査を行った。

カナダにおける木質バイオマス利用の現状

木質バイオマスからのバイオオイル製造の 新技術に関する情報

木質バイオマス利用における発酵法によるエタノール生産とバイオオイル製造の技

術の現状と実用的な製造規模の比較

3 調査国及び調査対象機関

カナダ、バンクーバー市及びトロント市周辺において、以下の調査対象機関を訪問して

情報を収集した(図1)。

ブリティッシュコロンビア大学 工学部 化学・生物工学科(バイオオイル製造の基

礎基盤的研究)

ブリティッシュコロンビア大学 森林学部(木質バイオマスマテリアル利用の基礎基

盤的研究)

ダイナモーティブ・エナジー・システム社(バイオオイル製造の企業の取組)

リグノール社(木質バイオエタノールとリグニン利用に向けた企業の取組)

ウエスタンオンタリオ大学(バイオオイルの製造システムの基礎研究)

アグリ・サーモ社(小規模で実用的なバイオオイル製造システム開発)

グエルフ大学(オンタリオ州のバイオマス利用の現状とバイオマテリアル開発)

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図1 カナダの調査訪問地

4 調査期間

平成 22 年 7 月 4 日から 7 月 11 日まで(8 日間)

5 調査実施者

農林水産技術会議事務局 研究開発官(環境)室

研究調整官 齋藤 昌義

独立行政法人森林総合研究所バイオマス化学研究領域

チーム長 山田 竜彦

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Ⅱ 調査結果

1 木質バイオマスの液化によるバイオオイルの製造

(1)我が国における木質バイオマスからのエネルギー生産について

我が国には、間伐材や枝葉が林地に残される林地残材が多く存在しており、バイオマス

として利用することが期待されている。しかし、木材の生産地までの路網の整備が遅れて

いることもあり、これらを運び出してエネルギー生産等を行った場合にコスト的に見合わ

ないのが現状である。林地残材等の利用を進めるためには、収集・運搬技術を効率化する

とともに、効率的な利用技術、特にエネルギー生産や副産物の高付加価値化技術が不可欠

な状況である。

木材からのエネルギー生産に関しては、直接燃焼させるためのペレット等の製造の他、

発酵法によるエタノール生産、ガス化技術、直接液化技術があげられる。

エタノール発酵法については、前処理の効率化、セルロース分解の効率化等検討が進め

られている。

ガス化技術に関しては、農林水産省においても既に「農林バイオマス 3 号機」が開発さ

れるなど、実証レベルまで達した技術開発が進められてきたところである。

一方、液化技術に関しては、未だ体系的な取組がなされていない。変換システムの規模

や変換技術等について、現場にあった技術開発とその実証には、更なる取組が必要な状況

である。

(2)バイオマスの液化について

近代工業において、資源が「液体」である意義は極めて高いといわれている。利点とし

ては、運送効率において液体が も高効率である点、燃料としての燃焼制御が容易な点等

は言うまでもないが、化学工業においては、液体を用いて初めて化学反応系が均一となり、

性能の制御された化学製品が製造できる点も重要とされる。これらの利点から、近代工業

における資源は固体である石炭から液体である石油に大きく移行してきた。また、固体資

源である石炭においても、液状化して石油と同等に利用するための「石炭液化」も多く試

みられてきた。

これらの点から考察し、固体バイオマスも液化することで、多くの優位性が生じること

が見込まれる。バイオマスの中で、エネルギーやマテリアルとして歴史的に も利用され

てきたのは木材であったこともあり、木材を液化して石油代替品にする試みが「木材液化」

として広く検討されてきた。その歴史は「石炭液化」と平行して進行し、手法は主として

熱分解によるものであった。

(3)「液化」と「可溶化」と「油化」

我が国において、この20年間、「木材液化」と称して広まった特異的技術が存在するの

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で、用語の混同を避けるために概説する。この特異的技術の典型的な手法は、フェノール

系の試薬(フェノール、レゾルシノール等)、もしくは高沸点のアルコール系の試薬(エチ

レングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン等)下で、少量の酸触媒等を用い

て木材を分解し、メタノールやアセトン等の汎用の有機溶媒に溶解する物質に変換する技

術であった。生成物には多量の試薬が結合しており、それを反応点としてポリマー合成の

原料として利用可能となる。この技術は、溶媒に溶解する物質への変換であるので、当初

は「木材の可溶化」と呼ばれたが、見かけ上、タール状の液状物を生じたため「木材液化」

として広く知られるようになり、農林水産省の研究プロジェクトでの課題化や、林野庁研

究組合等での研究開発も行われた。この技術は、ポリマー原料製造用にデザインされたも

のであり、生成物中の酸素元素含有量が多く、そのままでは液体燃料製造用には向かない

ものとされた。

一方、石炭液化に準じた、熱分解反応による液体燃料製造のための技術が古くから検討

されており、こちらは古くから木材液化と呼ばれていた。しかしながら、この20年間、

この昔ながらの木材液化は、上記技術との混同を避けるためか、オイル(油)への変換と

して「木材の油化」と標記される傾向にあった。

本報告では、分類的には、いわゆる木材油化に関する調査報告であるが、言葉の定義が

定まっていない現状であるため、液化によるバイオオイルの製造技術として整理した。実

際、以下に示す急速熱分解による液化技術の近年のめざましい発展により、再び熱分解系

の技術を「木材液化」とよぶ事が多くなってきている。

(4)急速熱分解によるバイオオイルの製造とは

石油に代替できるより良いバイオマスエネルギーを作り出すため、まずは原油に相当す

る液状バイオマスの製造が重要と考えられた。原油は古代の藻類等のバイオマスが地下の

高温高圧無酸素下で処理されて生成したと考えられ、それを簡易に再現するため「熱分解」

という技術が重要視された。木材等のバイオマスを無酸素下で加熱すると、熱分解反応が

生じ、タール状の液状物が生成される。しかし、通常の昇温下で熱分解を行った場合、そ

の収率は20~30%と低く、注目に値する技術とはみなされなかった。しかしながら8

0年代後半になって「急速熱分解」という画期的技術が開発されたことを契機に、実用化

に向けた開発競争が開始された。

急速熱分解は、微粒化したバイオマスを無酸素状態で急速に昇温し(通常約500℃)

発生気流をすばやくリアクターから排出(その間2秒以内)した後、急冷して液状物を得

る技術である。得られた液状物は「バイオオイル」と呼ばれた。特筆すべきはその収率で

あり、約70%にも達した。

(5)バイオオイルの性質

典型的な急速熱分解によるバイオオイルの性質を図2に示す。バイオオイルは粘性が高

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いタール状物質と考えられがちだが、実際の粘度はそれほど高くない黒色液体で、ボイラ

ーや精錬所燃料等、重油を使用している所においては代替燃料として、そのまま使用する

ことが可能である。しかし、発熱量がそれほど多くない点、含水率が高い点等の改善の余

地があり、これらの性質を改善するための高品質化(アップグレード)が課題とされ検討

されている。

なお、バイオオイルという言葉だが、Bio-Oil という言葉が化粧品としての登録商標があ

るため、当該バイオオイルにかかわる各社は呼び方を工夫している。例えば、エンシン社

では Pyrolysis oil(熱分解オイル)という呼び方をしている。一方、ダイナモーティブ社は

BioOil(←ハイフンなし)という言葉で商標登録した。なお、当報告書ではバイオオイルと

カタカナ表記で統一した。

図2 バイオオイルの性質(ダイナモーティブ社のデータ)

(6)ダイナモーティブ社におけるバイオオイルの製造(バブリング流動床)

ダイナモーティブ社(Dymamotive Energy System Corporation)は、急速熱分解によ

るバイオオイル製造を業務とする民間会社で1991年に設立された。現在既に商用プラ

ントを保持しており、その規模は一日で200トンのバイオマスを処理できる大規模なも

のである。

写真 ダイナモーティブ社;(右)Jeffrey Lin 氏 Vice President of Business Development (左)齋藤

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ダイナモーティブ社の急速熱分解技術は、「バブリング流動床」と呼ばれる技術を核とし

ている(図3)。これは、熱媒体に砂を利用するものである。バブリング流動床は、行程が

比較的シンプルであるため操作性が高く、スケールアップしやすい技術であり、ダイナモ

ーティブ社は、この手法の商用化に成功した。プラントからは、高い収率でバイオオイル

が得られるが、加えて固体燃料として利用可能なバイオチャー(炭)が得られる。商品となる

のはこの2つの燃料であるが、ダイナモーティブ社ではバイオオイルの改質に着手し、す

でに「BioOil plus」という商品を開発している。これはバイオオイルにチャーを添加して

チャーの粒子を約8μm まで摩砕したもので、バイオオイルより発熱量の高い液体燃料で

ある。また、バイオオイルのアップグレードは 重要課題と認識されており、将来的には

リファイナリーによる有用化合物の製造を目指しているとのことである。

図3 バブリング流動層を用いたバイオオイル製造工程(ダイナモーティブ社)

(7)循環流動床

バブリング流動床と共に、急速熱分解で主流と成っている技術に循環流動床と呼ばれる

技術がある。代表的なものにカナダのエンシン(Ensyne)社が開発したリアクターがあり、

図4に示す。このリアクターは熱分解反応器とチャー燃焼器を併設しており、流動媒体で

ある砂が熱分解反応器とチャー燃焼器の間を循環する点を特徴としている。エンシン社で

は生成したバイオオイルをパイロリシスオイル(熱分解オイル)と呼んでいる。スケール

アップが容易であり、既にパイロットプラントが稼働している。

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図4 循環流動床によるバイオオイル製造工程(エンシン社)

(8)ウエスタンオンタリオ大学とアグリサーモ社のシステム

ウエスタンオンタリオ大学は、オンタリオ州ロンドンに本部を置く総合大学である。バ

イオオイルの研究開発は、工学部のICFAR(アイシーファー:Institute for Chemicals

and Fuels from Alternative Resources:代替資源化合物燃料研究所)において行われてい

る。ICFARは Dr. Franco Berruti と Dr. Cedric Briens により設立され、 近、オンタ

リオ州政府から5百万ドルの設備投資を受けてロンドン近郊に施設を新設した。ICFA

Rの発展の基盤となったのが、両博士が開発した、可動式熱分解プラントである。

アグリサーモ社はウエスタンオンタリオ大学ICFAR発の民間会社(Spin-off

Company)で、可動式プラントのデザイン、製造を担当している。この会社はICFAR

とほぼ施設を共有しており、プラントの設計販売部門を担当していると位置付けることが

できる。

図5にアグリサーモ社の可動式熱分解プラントを示す。プラントの特徴はそのコンパク

トさで幅 2.4m長さ 8m のトレーラーの荷台に収まっている。つまりこのプラントは、バイ

オマスのある場所へ出向いて、稼働させ、現地でバイオオイルとチャーを製造することが

できる。このサイズで1時間あたり200kgものバイオマス処理可能を持つ。

このようなコンパクト化に成功したのは、高性能の熱分解リアクターを開発したことに

起因する(図6)。リアクターは2重構造になっており、外側が熱分解反応器であり、内側

が燃焼器で、基本的な流れは、循環流動床に類似している。しかし流動床である砂は激し

く循環するが、燃焼器内と直接循環せず、リフトチューブと呼ばれる管内を循環している。

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このリフトチューブがこの技術の一つの重要点で、チューブは燃焼器に張り出しているた

め十二分に加熱され、中を循環する砂により燃焼炉内の熱エネルギーを十二分に熱分解反

応器に移動することができる。加えて、リフトチューブ下部から流れ込むガスにより、熱

媒体である砂が高速で循環し、熱分解反応器内は極めて均一な状態となる。他の急速熱分

解リアクターと同様に、リアクターにバイオマスが投入され、バイオオイルとなるまで約

2秒間である。発生したガスは熱源として利用される。立ち上げの加熱にエネルギー(ガ

ス)を要するが、稼働後は外から他のエネルギーを加える必要はなく、投入バイオマスの

みで稼働される。一般にバイオオイル製造の熱分解プラントは熱源に電気を用いるが、こ

の可動式プラントでは全く電気を必要としないので、電気設備のない山間部でも稼働可能

と思われる。

図5 バイオオイル製造用の可動式熱分解プラント(アグリサーモ社)

図6 熱分解リアクター(アグリサーモ社)

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(9)バイオマス急速熱分解の採算性

可動式プラントをオンタリオ州で用いた場合の採算性についてウエスタンオンタリオ大

学で計算されているので、そのデータを示す。上記アグリサーモ社の可動式熱分解プラン

トを用いて木質バイオマス1トンを処理した場合、バイオオイルが約600kg、バイオ

チャーが約200kg、バイオガスが約200kg生産される。このうちバイオガスは1

00%プロセス内で消費されるので商品とはならない。現状の重油のカロリーに応じてバ

イオオイルの市場価格を設定すると、バイオオイルの価格は約$0.18/kgと想定さ

れる。600kgの生産でバイオオイルは$108となる。同様にバイオチャーの市価は

$0.6/kgと見積もられ、200kgの生産で$120となる。原料の木質バイオマ

ス1トンはオンタリオ州で約$60~80であるので、$70としても、儲けは(108

+120)-70=158、つまり木質バイオマス1トンの処理で約$158の利益を産

む。($はすべてカナダドル)

上記の計算は単純な価格計算であるが、実際には可動式バイオマスプラントを現場まで

運搬することは、現在大きな問題となっているバイオマスの減量化に大いに寄与すると考

えられる。また、山間部の林地残材等を取り出す場合の有効性を考慮した場合、可動式プ

ラントの貢献度は計り知れない。

(10)UBCにおけるバイオオイルのアップグレード研究

バイオオイルは石油化学でいうところの原油のようなものと考えると、いわゆるクラッ

キングやリファイナリー等を行って初めて付加価値を持った製品となると考えられる。ア

ップグレードにより付加価値が上がると前述の計算の利潤はますます向上するはずである

ことから、アップグレード技術は大きな検討課題となっている。UBC(ブリティッシュ

コロンビア大学)では、バイオオイルの高性能化に関する研究が進んでいる。

UBCは1908年創立のカナダ西部 大の名門総合大学である。ブリティッシュコロ

ンビア州は世界有数の森林地帯であることもあり、木材を中心とするバイオマスが豊富で、

UBCではバイオマス関連の研究が盛んとなっている。UBCでのバイオオイル関連の研

究は、学部横断的な組織であるクリーンエナジーリサーチセンター(CERC)で行われ

ている。CERCのミッションは持続可能なエネルギーを供与する技術に関する世界的研

究で、基礎基盤を中心とする 先端の研究が進行していた。

基礎研究段階ではあるが、バイオオイルをクラッキングしてガソリン同等燃料を目指す

研究や、バイオオイルをバイオディーゼル燃料とブレンドすることによる新規液体燃料化、

バイオオイルを原料にガス化後触媒による液体燃料合成に関する研究も行われていた。

バイオオイルのアップグレードは、バイオオイルに関するすべての企業、研究機関で注

目の的であり、効果的な手法開発が競争となっている。また、アップグレードについては、

バイオオイルの利用目的にあった品質、変換コスト等の評価も重要である。

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2 バイオマス・マテリアル研究

(1)UBCを中心としたバイオマテリアル研究ネットワーク

前述のように、UBCは豊富な木質資源を背景として、バイオマス研究が盛んであり、

そのマテリアル利用についても研究開発に動きが出ている。特筆すべきは昨年末より、バ

イオマテリアルに関して NSERC(Natural Sciences and Engineering Research Council of

Canada)の大規模なリサーチネットワークが形成され、研究プロジェクトが開始された点

である。このネットワークの正式名称は「NSERCのバイオマテリアル及びケミカルス

戦略的リサーチネットワーク( Biomaterials and Chemicals Strategic Research

Network)」で、UBCの John F Kadla 教授がリーダーを勤め、11の大学等研究機関が

参画している。

このリサーチネットワークのメインターゲットはリグニン利用であるため通称「カドラ

ー博士のリグニン・ネットワーク」と呼ばれている。テーマとして3つ設定されており、

ポリマー製造(Polymeric Products)、熱化学処理(Thermochemical Processing)、触媒処

理 (Catalytic Processing)が相互に連携して、リグニン由来マテリアル (Lignin-based

Materials)と機能性芳香族化合物(Functional Aromatics)の製造をめざす構成となっている

(図7)。芳香族化合物は主としてリグニン分解物を指すので、当プロジェクトはリグニン

を徹底的に利用するための技術基盤を作るものと考えられる。なお、熱化学処理チームの

リーダーは前述の可動式のバイオオイルプラントを開発したウエスタンオンタリオ大学の

Cedric Briens 博士が担当しており、カナダの総力を上げた体制(オールカナダ)との印象

を受けた。

写真 ジョン・カドラー博士(左)と齋藤 図7 カドラー博士のネットワークの構成

(2)リグノール社における研究開発

リグノール社はブリティッシュコロンビア州に本社を置くバイオリファイナリーのベン

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チャー企業である。この会社はセルロース系バイオエタノール製造の技術開発を中心に取

り組んでいるが、関連他社と異なり、副産リグニンのマテリアル利用を提唱している。リ

グノールのバイオエタノール製造技術は、酵素糖化法であり、前処理としての脱リグニン

処理を行っている。この脱リグニン処理として「アルセルパルプ化プロセス(Alcell

Process)」を応用している。

アルセルパルプ化プロセスとは、80年代に操業例のある紙パルプ製造プロセスで、エ

タノール等のアルコールでチップを蒸解してパルプを得ることを特徴とした。しかしなが

らこのプロセスは既存のパルプ化プロセス(クラフト法)を凌駕するような経済性は発揮

されず、操業停止していた。リグノール社は、このプロセスがバイオエタノール製造の前

処理としては機能すると考え、アルセルパルプ化プロセスの知財を買収し、自社の技術の

基盤としている。

アルセルプロセスの 大の特徴はアルコールで修飾され改質されたリグニンが得られる

点である。リグノール社ではこれら改質されたリグニンをHP-L(High Purity Lignin)と

称して商標登録している。このリグニンについて接着剤開発等、商用化をめざした様々な

アプリケーションを検討中である。なお、リグノール社は前述のカドラー博士のリグニン

ネットワークにも参画している。

写真 リグノール社、右よりバラクシン博士、ベルリン博士(副社長)、山田

(3)グエルフ大学における研究開発

グエルフ大学はオンタリオ州グエルフ市にある総合大学である。大学としての創立は1

964年であるが、1874年創立の農業大学が前身で、オンタリオ州の広大な農林地帯

を背景にした農林学系分野で有名である。オンタリオ州は北米 大の自動車製造台数を誇

る州でもあり、自動車産業と農林業を背景とした「オンタリオ・バイオカー・イニシアテ

ィブ」という研究開発事業が進行している。オンタリオ・バイオカー・イニシアティブと

は、公的研究機関と自動車業界とのパートナーシップで、バイオマスを自動車の素材にす

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る研究事業であり、オンタリオ州が 600 万カナダドルを出資し民間も同額出資して進行し

ている。フォード社等の自動車製造会社に加え、オンタリオ州の4つの公立大学が参画し

ており、グエルフ大学はその中核を担っている。

グエルフ大学では、生物材料開発センター(Bioproducts Discovery & Development

Centre)を設置して、バイオマスを原料とした複合材料、特に合成高分子とのブレンドに

よるバイオポリマーの製造技術で自動車内装材利用をめざして開発中であった。なお、当

該センターの研究者もカドラー博士のリグニンネットワークに参画している。

写真 自動車内装用コンポジット 写真 バイオプラスチックを用いたアイスホッケーパック

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Ⅲ 調査結果のまとめ

カナダにおけるバイオマス関連を調査した結果をまとめると以下のようになる。

バイオオイル開発としては、

カナダにおける急速熱分解でのバイオオイル製造の基本技術は商用段階にある。

技術的にはいくつかの手法が開発されているが、可動式プラントは特筆すべき技術。

研究課題はバイオオイルの高品質化に重点。

マテリアル利用としては、

基盤的研究ではブリティッシュコロンビア大学のカドラー博士がリーダーとなりリ

サーチネットワークが開始され、民間ではリグノール社がバイオエタノール副産リ

グニンの利用のR&Dを行っている。

オンタリオ州ではバイオマテリアルで自動車の素材を作る研究に産官学共同で取り

組んでいる。

リグニンの高付加価値マテリアル利用がキーポイントとの認識で、R&D段階の研

究開発が競争中。

以上の状況を基に、今後我が国でバイオオイルの利用を進める場合、以下の項目につい

て検討、整理して技術開発を進める必要があると考えられる。

原料の収集と適正規模の変換技術 :原料となる林地残材等の収集可能な範囲から、

一日に処理すべき原料量が規定される。その規模にあった変換システムを開発する

必要がある。この変換システムは、原料を求めて移動することで、原料の運搬コス

トを低減することも可能と考えられ、「可動式プラント」のメリットも大きい。

バイオオイルの性状解明と高品質化 :製造されたバイオオイルは、熱量が低い等の

課題もある。しかし、これをどの程度まで高品質化する必要があるかは、利用方法

に依存するものであり、高品質化の必要性とその処理にかかる経費とメリットの評

価が必要である。

バイオオイルの利用技術 :バイオマスの利用を地産地消型として進める場合、生産

されたバイオオイルの効率的利用技術の開発を生産技術の開発と平行して行う必要

がある。農業施設の暖房、農林業の機械の燃料、ガス化工程の原料として使用等の

用途が想定され、それぞれ利用システムの開発も課題である。

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Ⅳ 参考文献

ダイナモーティブ社 http://www.dynamotive.com/

アグリサーモ社 http://www.agri-therm.com/index.htm

ウエスタンオンタリオ大学 ICFAR http://www.eng.uwo.ca/icfar/

エンシン社の技術: Envergent Technologies, http://www.envergenttech.com/

UBC CERC http://www.cerc.ubc.ca/about/index.php

UBC バイオマテリアル http://www.forestry.ubc.ca/biomaterials/

リグノール社 http://www.lignol.ca/

グエルフ大学 http://www.bioproductsatguelph.ca/bddc/index.html

オンタリオ・バイオカー・イニシアティブ

http://www.bioproductsatguelph.ca/biocar/about/index.html

Ⅴ 謝辞

当調査を遂行するにあたり、快くご協力いただいた次の各研究機関・民間企業の関係各

位に深く感謝いたします。ブリティッシュコロンビア大学(UBC)、ダイナモーティブ社、

リグノール社、ウエスタンオンタリオ大学、アグリサーモ社、グエルフ大学。

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海外調査資料既刊一覧

No.1 海外先進国の農林水産関係試験研究における技術情報システムに関する調査 (S62.3刊行)

ヨーロッパ先進国の農林水産物の流通利用に関する試験研究動向調査

No.2 農林生態系に及ぼす酸性降下物の影響に関する研究動向調査 (S62.3)

作物育種へのバイオテクノロジー活用に関する研究動向調査

No.3 欧州における穀物多収栽培技術開発の動向調査 (S63.3)

No.4 アメリカ合衆国における動物分野のバイオテクノロジー研究の動向調査 (S63.3)

No.5 欧州における水産バイオテクノロジー研究動向調査 (H元.3)

No.6 欧州諸国における昆虫の生物機能解明と高度利用に関する研究動向調査 (H元.10)

No.7 欧州諸国の農山村地域における公益的機能の評価及び維持増進に関する調査 (H2.6)

No.8 欧州諸国における園芸作物の高品質化、高付加価値化に関する試験研究動向調査 (H3.1)

No.9 中南米における畑作物を中心とした遺伝資源の多面的な利用・加工に関する試験研究動向調査 (H3.3)

No.10 欧州諸国における機能性成分等の利用・加工技術に関する試験研究動向調査 (H3.10)

No.11 欧州諸国における水稲の低コスト・高品質化に関する機械化技術開発試験研究動向調査(H4.1)

No.12 欧米諸国における生態系活用型農業技術の現状把握と研究動向調査 (H4.3)

No.13 欧州諸国における園芸作物の高能率・省力生産システムに関する試験研究動向調査 (H5.2)

No.14 林業が自然生態系と調和するための関連研究の動向調査 (H5.2)

No.15 農業先進諸国の主要畑作物における品種改良目標と育種システムの動向調査 (H6.1)

No.16 環境調和型エネルギー資源としての生物の高度活用に関する研究動向調査 (H6.1)

No.17 ヨーロッパにおける畜産研究の動向に関する調査 (H7.1)

No.18 北米東部沿岸等における貝毒被害及び対策研究の実態調査 (H7.2)

No.19 アメリカ合衆国における高品質米の生産と稲作試験研究動向に関する調査 (H8.3)

No.20 欧州諸国の農水・食品産業における膜利用及び非熱的エネルギー応用技術に関する試験研究動向調査 (H8.3)

No.21 オセアニアの畜産における放牧、繁殖及び家畜衛生研究の現状並びに動向に関する調査(H9.3)

No.22 北米の木材生産戦略と林産研究動向に関する調査 (H9.3)

No.23 地中海・ヨーロッパ諸国における養殖漁業の現状と研究動向に関する調査 (H10.3)

No.24 欧州における生育調節剤によらない野菜・花きの生育制御技術に関する研究動向調査(H10.3)

No.25 欧州における先端的食品加工技術の開発とその国際的展開に関する状況調査 (H11.3)

No.26 オーストラリアの米輸出戦略と稲作関係研究動向調査 (H11.4)

No.27 ヨーロッパにおける環境研究の現状と動向に関する調査 (H11.4)

No.28 ヨーロッパにおける果樹のバイオテクノロジーの開発及び利用状況の調査 (H12.3)

No.29 EU諸国における農村振興研究の動向 (H12.5)

No.30 米国における小麦・大豆の品種開発に関する基礎調査 (H12.6)

No.31 ヨーロッパ等における家畜ゲノム研究の現状調査 (H13.3)

No.32 ヨーロッパにおける森林の多様な機能の発揮に関する研究の動向調査 (H13.3)

No.33 欧米における食品品質評価手法及びナノテクノロジー研究推進状況の現地調査 (H13.12)

No.34 ヨーロッパにおける遺伝子組換え作物を利用した有用物質生産システム構築に関する研究の現状調査 (H14.6)

No.35 ヨーロッパにおけるBSE研究の現状調査 (H15.3)

No.36 水田の高度利用に関する作物研究の北米地域調査 (H15.3)

No.37 欧米における小麦赤かび病のかび毒対策研究開発の現状調査 (H15.3)

No.38 ニュージーランド・オーストラリアにおける温室効果ガス及び木質バイオマス利用技術に

関する研究調査 (H15.9)

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No.39 諸外国の研究体制と研究計画に関する調査 (H16.3)

No.40 豪州における重要家畜感染症研究の現状と動向に関する調査 (H17.3)

No.41 欧州における半閉鎖性海域における有害化学物質・重金属類等の水産生物への影響評価の

研究に関する動向調査 (H17.3)

No.42 オセアニアにおける農業系研究者の人材マネージメントのあり方に関する動向調査

(H17.5)

No.43 西欧における有機農業研究の現状と動向に関する調査 (H17.6)

No.44 米国における植物比較ゲノム研究及び組換え作物を用いた物質生産に関する調査 (H17.12)

No.45 EUにおける家畜の免疫機能向上に関する飼養管理及びゲノム情報を利用した抗病性育種

に関する研究状況調査 (H18.2)

No.46 米国におけるダイズゲノム研究の現状と動向調査 (H19.1)

No.47 ブラジルにおけるさとうきびの効率的生産技術に関わる研究動向調査 (H19.2)

No.48 欧州における木質バイオマス利用システムの現状と動向に関する現地調査 (H19.4)

No.49 欧米における食品分野のナノテクノロジー安全性確保に関する研究動向調査 (H19.11)

No.50 米国における生食用野菜食品に起因する微生物学的危害の発生防止技術に関する研究動向

調査 (H19.12)

No.51 米国における有機農業研究の現状と動向調査 (H20.3)

No.52 欧州における生物の光応答メカニズムと利用技術に関する研究動向調査 (H20.11)

No.53 欧州における家畜の粘膜免疫ワクチン開発に関する研究動向調査 (H21.2)

No.54 北米におけるバイオエネルギーの実用化をサポートする技術の研究動向調査 (H21.3)

No.55 EUにおけるGMOの規制、一般作物との共存政策に関する状況調査 (H21.11)

No.56 オランダにおける藻類利用の技術開発と地域での実用化推進に関する状況調査 (H22.2)

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〔海外調査資料57〕

カナダにおける木質バイオマス液化技術の現状と動向に関する現地調査

2010年(平成22年)9月 発行

編集・発行 農林水産省 農林水産技術会議事務局 技術政策課 〒100-8950 東京都千代田区霞ヶ関 1-2-1 TEL:03-3501-9886(技術政策課情報調査班)

FAX:03-3507-8794