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FT法とU-Pb法のノモグラム 檀原有吾*・岩野英樹*・檀原徹*・横山隆臣**・平田岳史** Nomogram of FT and U-Pb dating methods Yugo Danhara*, Hideki Iwano*, Tohru Danhara*, Takaomi Yokoyama** and Takafumi Hirata** * 株式会社京都フィッション・トラック, Kyoto Fission-Track Co., Ltd ** 京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻, Division of Earth and planetary Sciences, Graduate school of Science, Kyoto University はじめに FT法において,結晶に蓄積した自発FT密度 は,その結晶の年代とU濃度含有量の関数で表わ される (兼岡, 1998).すなわち,年代が古いほ ど,U濃度が高いほど自発FT密度は比例して高く なる.FT年代を測定するには自発FT密度の計数 が可能であることが前提となるため,古い試料 ほどウラン濃度が低く,若い試料ほどウラン濃 度が高いことが求められる.これはFT法のみな らず,他の年代測定法においても年代と放射性起 源同位体濃度とは同様な関係にある (伊藤ほか, 2009). FT法では,測定試料中のU濃度と測定可能な年 代領域の関係を示したノモグラム(Nomogram)が 利用されてきた (Kaufhold and Herr, 1967).“ノモグラム”とは,計算図表あるいは 3変数の関係を表す図表のことで,FT法において はKaufhold and Herr (1967)らの報告などによ り,縦軸にFT年代 (Ma),横軸にU濃度をそれぞ れlogスケールでとり,それらに45° 斜交する自 発FT密度ρs (tr/cm 2 )を等検出強度線として描い ている (図1 a).この図を用いることにより,年 代測定の適用範囲が明示され,未知試料の年代 測定の可能性や適切な測定条件が容易に見極め られる. 一方,U-Pb法ではこれまで比較的古い(> 100Ma)試料に適用されることが多く,ノモグ ラムが作成されなかった.しかし最近では, 1Maまで適用範囲が広がっており,さらに著者 らは,これまで測定が困難であった1Maよりも 若いジルコンのU-Pb年代測定の可能性を検討し 始めた(詳細は本号の横山ほかを参照).そこで今 回横山ほか(本号)のFTおよびU-Pbデータを用 い,両法のノモグラムを作成し,比較した.なお U-Pb法の場合,FT法の自発FT密度に対応するの が,放射壊変起源の 206 Pb, 207 Pbの検出強度ある いは総カウント数となる(表1). FT法のノモグラム まず表2の28試料のFTデータを用いてFT法の ノモグラムを作成した.ここで扱われた試料は, 若い年代値をもつ試料の年代測定を良好な条件で 行うため,高ウラン濃度試料が多く選ばれてい る.また測定精度を高めるため,若い試料ほど 多数粒子(最大で約830粒子)を対象に測定されて いる. FT法のノモグラム(図1a)を見ると,FT法が 適用可能な自発FT密度の上限はLake Mountain R h y o d a c i t e ( L M R ) 試 料 ( 3 . 7 億 年 , U 濃 度 90 ppm,ρs = ~10 7 cm 2 )付近で与えられる.ま た特異的に高ウラン濃度の2試料(Kirigamine 02(Kiri02),8000 ppm,およびKirigamine 03 (Kiri03) 14000 ppm)は,1Maと若い試料であ るにも関わらず,Kawamoto Granodiorite (OD-03)試料(33 Ma)やFish Canyon Tuff (FC3) 試料 (28 Ma)に匹敵する測定条件を有することが 一目でわかる.一方最も若いUnzen Mayuyama 試料 (5000年,U濃度240 ppm, ρs = ~10 2 cm 2 ) は,800粒以上測定した(=測定面積を広げた) ことで,妥当な年代測定が実行できていると考え られる. U-Pb法のノモグラム 今回用いるU-Pbデータはフェムト秒レーザー によるアブレーションでサンプリングを行うた め,クレーター径は通常15 μmとし,1 Maを切 るFT年代をもつジルコンに対しては20μm径と した.年代測定は基本的にシングルグレイン(単 結晶)で行い,測定粒子数はどの年代試料も10粒 子で固定した.すなわち,FTデータのように, 若い試料ほど信号を多く取得する措置(レー ザー径を広げサンプリング量を増やす,測定粒子 フィッション・トラック ニュースレター 第24号 41 - 45 2011年 41

FT法とU-Pb法のノモグラムSKなど)は,検出強度を10倍にすることで測定が 可能になると考えられる.すなわち,レーザー径 を広げやすいエキシマレーザーを用いることに

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Page 1: FT法とU-Pb法のノモグラムSKなど)は,検出強度を10倍にすることで測定が 可能になると考えられる.すなわち,レーザー径 を広げやすいエキシマレーザーを用いることに

FT法とU-Pb法のノモグラム檀原有吾*・岩野英樹*・檀原徹*・横山隆臣**・平田岳史**

Nomogram of FT and U-Pb dating methodsYugo Danhara*, Hideki Iwano*, Tohru Danhara*, Takaomi Yokoyama** and Takafumi Hirata**

* 株式会社京都フィッション・トラック, Kyoto Fission-Track Co., Ltd** 京都大学大学院理学研究科地球惑星科学専攻, Division of Earth and planetary Sciences, Graduate school of Science, Kyoto University

はじめにFT法において,結晶に蓄積した自発FT密度は,その結晶の年代とU濃度含有量の関数で表わされる (兼岡, 1998).すなわち,年代が古いほど,U濃度が高いほど自発FT密度は比例して高くなる.FT年代を測定するには自発FT密度の計数が可能であることが前提となるため,古い試料ほどウラン濃度が低く,若い試料ほどウラン濃度が高いことが求められる.これはFT法のみならず,他の年代測定法においても年代と放射性起源同位体濃度とは同様な関係にある (伊藤ほか, 2009).FT法では,測定試料中のU濃度と測定可能な年代領域の関係を示したノモグラム(Nomogram)が利用されてきた (K a u f h o l d a n d H e r r , 1967).“ノモグラム”とは,計算図表あるいは 3変数の関係を表す図表のことで,FT法においてはKaufhold and Herr (1967)らの報告などにより,縦軸にFT年代 (Ma),横軸にU濃度をそれぞれlogスケールでとり,それらに45° 斜交する自発FT密度ρs (tr/cm2)を等検出強度線として描いている (図1 a).この図を用いることにより,年代測定の適用範囲が明示され,未知試料の年代測定の可能性や適切な測定条件が容易に見極められる.一方,U-Pb法ではこれまで比較的古い(>100Ma)試料に適用されることが多く,ノモグラムが作成されなかった.しかし最近では,1Maまで適用範囲が広がっており,さらに著者らは,これまで測定が困難であった1Maよりも若いジルコンのU-Pb年代測定の可能性を検討し始めた(詳細は本号の横山ほかを参照).そこで今回横山ほか(本号)のFTおよびU-Pbデータを用い,両法のノモグラムを作成し,比較した.なおU-Pb法の場合,FT法の自発FT密度に対応するのが,放射壊変起源の206Pb,207Pbの検出強度ある

いは総カウント数となる(表1).

FT法のノモグラムまず表2の28試料のFTデータを用いてFT法のノモグラムを作成した.ここで扱われた試料は,若い年代値をもつ試料の年代測定を良好な条件で行うため,高ウラン濃度試料が多く選ばれている.また測定精度を高めるため,若い試料ほど多数粒子(最大で約830粒子)を対象に測定されている.FT法のノモグラム(図1a)を見ると,FT法が適用可能な自発FT密度の上限はLake Mountain Rhyodac i te (LMR)試料(3 .7億年,U濃度 90 ppm,ρs = ~107 cm2)付近で与えられる.また特異的に高ウラン濃度の2試料(Kirigamine 02(Kiri02),8000 ppm,およびKirigamine 03 (Kiri03) 14000 ppm)は,1Maと若い試料であるにも関わらず,Kawamoto Granodiorite (OD-03)試料(33 Ma)やFish Canyon Tuff (FC3) 試料 (28 Ma)に匹敵する測定条件を有することが一目でわかる.一方最も若いUnzen Mayuyama試料 (5000年,U濃度240 ppm, ρs = ~102 cm2)は,800粒以上測定した(=測定面積を広げた)ことで,妥当な年代測定が実行できていると考えられる.

U-Pb法のノモグラム今回用いるU-Pbデータはフェムト秒レーザーによるアブレーションでサンプリングを行うため,クレーター径は通常15 μmとし,1 Maを切るFT年代をもつジルコンに対しては20μm径とした.年代測定は基本的にシングルグレイン(単結晶)で行い,測定粒子数はどの年代試料も10粒子で固定した.すなわち,FTデータのように,若い試料ほど信号を多く取得する措置(レーザー径を広げサンプリング量を増やす,測定粒子

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数を増やすなど)を採っていない.その他の詳しい測定条件は横山ほか(本号)を参照されたい.今回28試料のうち19試料でU-Pb年代測定データが得られた(表2).ただし207Pb-235U年代では,207Pbの存在量が少ないため,207Pbの信号がジルコン表面の鉛の汚染やベースライン補正の影響を強く受けるから(横山ほか,本号),ここでは206Pb-238U年代データのみを採用している.これらのデータを利用して,横軸にNancy 91500スタンダードジルコンで補正したU濃度,縦軸に206Pb-238U年代としたノモグラムを作成した(図1b).今回の実験条件での正確な年代測定が実行できる206Pbの等検出強度線(下限)はおよそ~102 countsに対応している.この図から,同じ1Maの試料でもウラン濃度が非常に高いKiri01,Kiri02,Kiri03の3試料は,今回の測定条件で十分測定できる範囲内にあること,一方ウラン濃度が約100 ppmのPink Tuff (OGPK),Vietnam zircon (VNZ-05) 試料は等検出強度線の下限から下方にプロットされ,今回の測定条件では測定できないことがわかる.実際に測定可能領域外にあるSanbe Kisuki (SK),Sanbe Oda (SOd)試料を測定した結果はFT年代と一致せず,誤差も大きい(表2).レーザービーム径を15~20 μmとした時,フェムト秒レーザーでのLA-ICP-MSシステムにおいて,安定した測定ができるウラン濃度-年代領域は,20 ppm-10 Ma,10000 ppm- 0.02 Maを結ぶ等検出強度線の上方領域になる.このこと

は,ウラン濃度 ( p pm )と年代 (Ma )の積が 200 ppm・Ma (=20 ppm × 10Ma=10000 ppm × 0.02 Ma)以上であれば測定可能であることを意味する.今回の実験条件では測定が難しいと判断される~101 counts と ~102 counts の2本の等検出強度線の間にある試料(OGPK,VNZ-05,SKなど)は,検出強度を10倍にすることで測定が可能になると考えられる.すなわち,レーザー径を広げやすいエキシマレーザーを用いることによってU-Pb年代測定が実行可能と予想される.今後,エキシマレーザーで実験データを取得し,ノモグラムを作成していきたい.

文献伊藤久敏,倉橋克聡,田村明弘,千田大詩,荒井章司,森下知晃,2009, LA-ICP-MSを用いたジルコンFT用年代標準試料のU-Pb年代測定-Nd-YAGレーザーとエキシマレーザーの比較-.フィッション・トラックニュースレター, 22, 11-19.

兼岡一郎, 1998, 年代測定概論. 東京大学出版会,124-138.

Kaufhold, J and Herr, W., 1967, Influence of experimental factors on dating natural and man-made grass by the fission track method, In Radioactive Dating and Method of Low-Level Counting, IAEA, 403-411.

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表1.ノモグラムの構成

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表2. 年代標準試料を主としたジルコンのFT,U-Pb年代とU濃度� �����������������������������

Sample name average ��������238U-206Pb

age (Ma)�������� FT U-Pb

91500

Lake Mountain Rhyodacite 367.6 ± 3.1 90

Kawamoto Granodiorite 32.7 ± 0.8 32.0 ± 1.9 400 514

Fish Canyon Tuff 27.8 ± 0.4 28.6 ± 1.9 300 437

Kumano Acidic Rock 15.1 ± 0.4 15.7 ± 2.1 300 285

Kitamura Tuff 13.6 ± 1.4 12.9 ± 0.5 150 320

Baba Tuff 10.7 ± 0.6 12.3 ± 0.5 350 320

Taitao ophiolite (268) 5.9 ± 0.8 7.13 ± 3.8 30 12

Taitao ophiolite (244) 5.8 ± 0.4 6.53 ± 0.8 600 161

Togamidake Andesite 2.85 ± 0.32 3.47 ± 0.73 130 210

Fukuda Volcanic Ash (Ebs-Fkd) 1.83 ± 0.26 ± 170

Omine Tephra (Omn) 1.56 ± 0.16 1.64 ± 0.22 350 276

Mesa Fall Tuff (crystal rich) 1.44 ± 0.28 ± 320

Mesa Fall Tuff (pumice) 1.32 ± 0.24 1.37 ± 0.20 500 414

Pink Tuff 1.00 ± 0.08 ± 90

Kirigamine 01 0.92 ± 0.10 0.94 ± 0.07 2000 4824

Kirigamine 02 0.94 ± 0.08 0.95 ± 0.10 8000 8532

Kirigamine 03 0.94 ± 0.08 0.92 ± 0.04 14000 14386

zircon megacryst from Vietnam 0.85 ± 0.10 ± 130

Bishop Tuff 0.79 ± 0.04 0.72 ± 0.07 2500 2723

Lava Creek Tuff A 0.70 ± 0.10 0.72 ± 0.38 1370

KaishioKamitakara tephra(KMT) 0.60 ± 0.08 0.68 ± 0.16 490

Toga pumice 0.42 ± 0.08 0.51 ± 0.21 1600

Ata-Toihama 0.24 ± 0.08 ± 150

Tagashira Tephra 0.14 ± 0.06 ± 520

Sambe Kisuki 0.106 ± 0.026 0.39 ± 0.48 600

Sambe Oda 0.064 ± 0.024 0.20 ± 0.40 800

Sambe Ikeda 0.04 ± 0.028 ± 400

Unzen Mayuyama 0.0051 ± 0.0030 ± 240

FT age (Ma) U-Pb age (Ma) U (ppm)

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FT$age$(M

a)

U$(ppm)

UNZEN$(Mayuyama)

LMR

OD03FC3

BabaKAR5Kitamura

TPG268TPG244

Kiri03Kiri02Kiri01

Bishop

OGPK

VNZD05

AtaDTh

KS22Lava creak$A

TOGA

SK

Sod

SI

TG

W62

Kd38 Kd25

Mesa01 Mesa02

Not$applicable

Applicable

1(a)���������-�� FT+������ � � � 5� FT%�,"3'��(102. FT#& �s(tr/cm2)1�/��FT

%������������4$!����) �s����������* ���/� ��

図1(a).マルチ・グレインを用いた FT法のノモグラム.青丸はFT年代測定試料を,斜線は等自発FT密度ρs(tr/cm2)線を示す.FT年代値はマルチ・グレインの加重平均値で,一方ρsもマルチ・グレインで求めた値で示される.

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図1(b).シングル・グレインにおけるU-Pb法のノモグラム.赤丸,青丸はそれぞれLA-ICP-MSによるU-Pb年代測定が出来た試料と出来なかった試料を示す.斜線は206Pbの1粒子あたりの等総カウント数線を示す.この等総カウント数線の位置は実験条件(レーザービームの径や出力など)によって変化する.