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Contacts: David Simmonds Head of Currency & EM Strategy +44 20 7085 2455 [email protected] www.rbs.com/cib FX 月間見通し─概要 2015 7 24 日号 政策のかい離が再び焦点に 政策のかい離が再び焦点に 政策のかい離が再び焦点に 政策のかい離が再び焦点に 6 15 FX FRB FRB 2 2.5 FRB FRB 9 9 9 FRB ECB QE 3 ECB QE QE 7 ECB QE ECB QE EUR/USD FX 1 1.05 7 13 This is not Independent Research, as defined by the Financial Conduct Authority. Not intended for Retail Client distribution. This material should be regarded as a marketing communication and may have been produced in conjunction with the RBS trading desks that trade as principal in the instruments mentioned herein. All data is accurate as of the report date, unless otherwise specified,

FX Monthly Jul15-J(15FTNJ19490) · Source: RBS Trading Desk FX Strategy. CEEMEA FX Forecasts taken from an Independent Research Report, CEEMEA FX Monthly, 7 July 2015 . *Currency

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Contacts:

David Simmonds

Head of Currency & EM Strategy

+44 20 7085 2455

[email protected]

www.rbs.com/cib

FX 月間見通し─概要 2015 年 7 月 24 日号

政策のかい離が再び焦点に政策のかい離が再び焦点に政策のかい離が再び焦点に政策のかい離が再び焦点に 前回 6月 15日号「FX月間見通し」の発行時からさほど大きな変化はみられず、市場は米連邦準備制度理事会(FRB)が年内利上げに対し(極めて慎重ながらも)積極的になっているが、それも経済指標に大きく依存しているということをよく理解している。これから数週間後も、市場は(依然として)FRB が年内利上げに対し(極めて慎重ながらも)積極的になっているが、それも経済指標に大きく依存しているということをよく理解しているだろう。ことわざにかけて言うなら、この状況には、糖蜜の中を歩いて(困難の中を進んで)いるような要素がある。つまり、世界金融危機の収束から数年が過ぎたが、米国経済は現在、より決定的で成長経路へ乗れるだけの速度にまでは達していない。米経済指標は総じて、市場の利上げ観測をさらに推し進めるほどは強くない。ただ、利上げ時期の見通しをさらに先送りさせるほど低調でもない。また、経済指標は年率 2%~2.5%成長を示唆する水準まで回復しているものの、インフレ率は FRBが責務としている水準に遠く及ばない。 全体的に言えば、弊社は依然として FRB が 9 月に利上げすると予想している。また、9 月利上げについては短期金利先物市場でわずかしか織り込まれていないため、その「イベント」(利上げ)にかけてドル高が再燃する可能性がある。ただ、最初の利上げが 9 月だった場合、その後の利上げペースは極めて緩やかなものとなる可能性が高い。これによって、ドルの上昇はそのペースと規模の双方において限定されるだろうが、ドル高という方向性自体が変わることはないだろう。

FRB が少しずつ利上げへと向かっている一方、欧州中央銀行(ECB)はまだ量的緩和策(QE)の初期段階にある。この 3 カ月ほどの間、市場では、ECB の QE の「打ち上げ」が極めて効果的にインフレ期待を押し上げる正のショックを生んだため、早々に勝利宣言が行われ、QE は早い時期に縮小、もしくは終了するとみられていた。しかし、原油価格が再度じりじりと下落に向かい、欧州でディスインフレ圧力が高まる中、7 月下旬ころまでにはこうした見方も「スローフレーション」(低調なインフレ)のためすっかり萎れてしまった。弊社は、ECBが QEを縮小するという見通しを極端なほど信じておらず、ECB は(最終的に)インフレ率を目標水準まで回復させるため、縮小どころか QE の拡大を余儀なくされると考えている。数カ月前よりもはっきりと投機資金が EUR/USD 市場に流入してきたため、弊社の FX 見通しに対するリスクは(依然として)、これまで見通しで示してきたより早期に 1ユーロ=1.05ドルへと下落することだ。 前号の発行以降、ギリシャ危機は極めて悪い、という状態から悲惨で瀬戸際の状態へと、一層大幅に悪化した。そして現在は、ただ不透明な状態へと戻ってきている。ただ、この概要では、「ギリシャ」という単語をこれ以上、特にこのパラグラフ以降は記すことはしないでおこう。ここではこう言うだけで十分だろう。7月 13日にギリシャ政府と国債債権団の間で交わされた、第三次救済策の協議を開始するという「合

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as defined by the Financial

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the instruments mentioned herein.

All data is accurate as of the

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specified,

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意」は極めて危ういもののように思われる、と。弊社は、数カ月後に合意が崩壊している可能性が高いとみている。ただし、ギリシャ関連のリスクは当面、低下している。 英ポンドの実質実効レートは今年、着実に増価している。英ポンドは現在、超長期平均(実質実効レート)に対し明らかに割高ではないが、かつてよりはかなり高い水準にある。英ポンドの上昇は、イングランド銀行の金融政策委員会(MPC)で一部委員(カーニー総裁も含む)が利上げに賛成票を投じる姿勢に傾いているため、さらに長期化する可能性もある。この「イングランド銀行はまるで FRB のようだ」というテーマは、GBP を数カ月にわたり支える可能性が高い。ただ、弊社は、最終的には、欧州連合(EU)離脱をかけた国民投票、巨額の経常赤字、高水準の家計債務などが重しとなり、英ポンドが弱さを抱えることになるとみている。英ポンドは、上昇(これも実質実効レートで)すればそれだけ、(最終的には)大きく下落することになる。 弊社はエネルギー関連通貨について、極めて軟調のままにとどまるとみている。原油価格が完全な弱気相場に直面しているからだ。イラン核協議が合意に至り、市場はイラン産原油の大幅な供給増加を織り込み始めている。一方、サウジアラビアは再び増産を行っている。また、世界の需要は依然として低調だ。そして、イエメン海峡付近の地政学的緊張でさえやや緩和しているものとみられる。これらの材料は全て、エネルギー通貨にとって極めて弱材料であり、弊社は戦略として、RUB、NOK、MYR、MXNおよび COPについて特に弱気とみている。 弊社は、これ以外のコモディティー通貨についてもより弱気で推移すると予想している。ニュージーランド準備銀行とオーストラリア準備銀行はさらに緩和策を取り、(まだ)通貨安の必要性があると表明する公算が大きい。両国の通貨、特に NZD はすでに大きく下げているが、両通貨とも実質実効レートでの長期平均に対してはかなり割高であり、一層の減価が必要だ。 弊社は、アジア通貨についても引き続き警告を発している。過去数年間、日本は積極的な QEを実施し、大幅な円安を誘導してきた。その後、ECBも QEを実施し、これがユーロ相場を大きく押し下げた。こうした状況は、韓国などのかなり大きな経済規模を持ち、工業製品の輸出に大きく依存しているアジアの国にとって、競争力という観点から非常に大きなストレスとなる。非公式ながら依然として強い中国人民元と連動しているため、韓国(および他のアジア諸国)は報復的な緩和策や一定の自国通貨安を模索せざるを得ない。このため、最小限のより緩和的な政策が予想される。弊社がアジア通貨についてこれ以外に抱く大きな懸念要因は、FRB が QEを行ってきたこの数年間、アジア諸国が、自国通貨を対ドルで大幅に管理するという自らの方針を通じ、どの程度まで直接的に米国の金融政策による環境を体験(もしくは輸入)してきたのか、という点だ。日本を除いたアジア諸国は、ドル高にともなう自国通貨の競争力低下に加え、大規模なドル建て債務も抱えている。こうした債務は現在、返済すべき価値が大幅に上昇してしまっているのだ。

David Simmonds

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Forecast summary table, end of period

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

Rates per US dollar

EUR* 1.095 1.125 1.070 1.050 1.040

JPY 123.9 127.0 128.0 128.0 130.0

GBP* 1.548 1.563 1.529 1.500 1.465

CHF 0.961 0.933 0.991 1.029 1.048

AUD* 0.727 0.700 0.700 0.680 0.670

NZD* 0.657 0.630 0.620 0.600 0.590

CAD 1.308 1.300 1.310 1.320 1.330

ZAR 12.662 12.700 12.900 12.950 13.100

TRY 2.747 2.950 3.000 3.150 3.180

RUB 58.49 64.50 60.40 52.00 54.50

MXN 16.27 16.34 16.58 16.83 16.83

BRL 3.32 3.30 3.35 3.40 3.40

COP 2848 2550 2600 2400 2400

CLP 661 625 625 620 620

Rates per euro

JPY 135.7 142.9 137.0 134.4 135.2

GBP 0.707 0.720 0.700 0.700 0.710

CHF 1.052 1.050 1.060 1.080 1.090

SEK 9.43 9.20 9.00 8.80 8.80

NOK 8.99 9.00 9.00 8.80 8.60

PLN 4.13 4.25 4.25 4.20 4.18

CZK 27.03 27.10 27.15 27.18 27.15

HUF 311 322 325 317 318

RON 4.42 4.47 4.44 4.38 4.36

Source: RBS Trading Desk FX Strategy. CEEMEA FX Forecasts taken from an Independent Research Report, CEEMEA FX Monthly, 7 July 2015.

*Currency at head column per currency at end of row

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USD

段階的で不安定ながらも上昇段階的で不安定ながらも上昇段階的で不安定ながらも上昇段階的で不安定ながらも上昇 米国の経済指標は今年第2四半期も引き続き改善を見せ、米シティグループのエコノミック・サプライズ指数も、まだマイナスの領域とはいえ5月以降は着実に上昇している。雇用の伸びは、労働市場の改善継続というFRBの目標に沿ったものとなっており、6月は平均時給の伸びが前年同月比2.0%に低下したものの、イエレンFRB議長は半年に1回の議会証言で、「賃金の伸びが拡大した暫定的兆しが見られた」と述べた。住宅関連指標は好調だ。住宅在庫の不足が新規着工を促すとともに、堅調な消費者信頼感と雇用の伸びに支えられている。製造業も堅調であり、ISM製造業景況指数は昨年10月の57.9から今年3月と4月には51.5まで落ち込んでいたが、その後は2カ月連続の上昇となった。燃料価格の下落や雇用改善によって将来の個人消費見通しは支えられているが、それでも、小売売上高はわずかしか改善していない。

USDに対する投資家のポジションは、年初に見られたような極端なロングが減少しているものの、依然として買い越しのままだ。米商品先物取引委員会(CFTC)が発表した建玉明細報告によると、シカゴIMM通貨先物市場では投機筋の買い越しが合計270億ドルに達している。投機筋によるUSDの買い越しは2014年5月から続いているが、2015年に入ってからは減少傾向にあり、昨年11月の482億ドルを下回っている。 市場は現在、9月のFOMCでの利上げを34%織り込んでおり、2015年内の利上げ幅については100bpを下回るとみている。弊社は、利上げ開始が9月となり、USDは各国中銀間の政策のかい離が続くというテーマ(材料)を背景にある程度は上昇するとみている。利上げ時期が弊社の予想より先送りされた場合でも、FOMCの引き締め姿勢自体、引き締めでなく緩和政策が引き続き潮流となっている世界の中銀の中では異端であることに変わりはない。

USDの上昇は、米国の貿易や製造業、企業の設備投資にとって逆風となっている。ドル指数は高値からわずか2.5%程度しか下げていないため、すでにUSDを買い越している市場参加者は、USDが3月につけた高値に接近する中、FOMCの引き締め予想を引き下げる可能性がある。この場合、USDは2014年後半から2015年前半にかけて見せた力強い上昇局面と比較すると、より不安定で一貫性のない上昇となる可能性もある。 弊社のドル見通し(対主要通貨)はほぼ据え置きである。 弊社は、段階的なドル高が続くとみているが、過去数カ月よりさらに不安定な形での上昇となるとみている。また、弊社は EUR と JPY については引き続き弱気だ。両通貨は今後も資金調達通貨の地位を維持するだろう。商品(コモディティー)価格の下落と中国の成長減速に対する懸念が引き続きコモディティー通貨に対する圧力になると予想している。 Brian

Daingerfield

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

EUR/USD 1.095 1.125 1.070 1.050 1.040

USD/JPY 123.9 127.0 128.0 128.0 130.0

GBP/USD 1.548 1.563 1.529 1.500 1.465

Inflation Expectations Rebounded

Source: Federal Reserve, Bloomberg

1.5%

1.7%

1.9%

2.1%

2.3%

2.5%

2.7%

2.9%

Jan-14 Jul-14 Jan-15

5y5y forw ard inflation expectations

Speculative Positioning Still Long

Source: CFTC, RBS

-40

-20

0

20

40

60

Jan-06 Jan-09 Jan-12 Jan-15

CFTC Speculative Positioning Estimate($bn)

Employment Gains Hold Above 200K

Source: BLS, Bloomberg

-200K

-100K

0K

100K

200K

300K

400K

Jan-10Jan-11Jan-12Jan-13Jan-14Jan-15

Non-Farm Payrolls Change (3mma)

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CAD 利下げ後に利下げ後に利下げ後に利下げ後に 2009年の高値試す年の高値試す年の高値試す年の高値試す カナダ中銀は 7 月、25bp の利下げを行い、政策金利を 0.5%に引き下げた。中銀は現在、第 2四半期について 2期連続のマイナス成長を予想している。ただ、それでも中銀は同四半期より後については総じて楽観的な見通しを維持しており、追加緩和策を講じる前に第 3 四半期の動向を見極める姿勢だ。こうしたことを踏まえると、追加利下げが 9月上旬の次回政策会合で決定される可能性は低いと思われる。

CAD は、原油を中心とした各種のコモディティー価格が手掛かりとなる可能性が高い。弊社は、原油相場について、今後もさらに下げるとみている。中国の成長が減速し、世界的に需要が低迷する中、ブルームバーグは石油輸出国機構(OPEC)の産油量を日量 3,278 万バレルと推定している。これは、サウジアラビアとイラクが増産する中、2012 年以来の高水準だ。イランが西側諸国と核協議で合意に達したため、同国に対する制裁措置が解除されることから、原油供給はさらに大きく増加するとみられる。 カナダ中銀は、指標の WTI 原油について 1 バレル=60 ドル、もしくは「慣例により、ここ数週間に見られた水準付近」を予想している。弊社は、エネルギー価格の下振れリスクを見込んでおり、原油価格はすでにこの今週発表された予想の水準を大幅に下回っているため、弊社はカナダの経済成長についても下振れリスクがあるとみている。重要なのは、カナダ中銀が金融政策報告(MPR)の中で、カナダの経済活動は米国とのデカップリング(かい離)があると予想していることだ。 追加利下げの余地はかなり大きいが、近いうちに再利下げを行うことにはいくつかの障害がある。成長を促進することと家計の抱える不均衡に関連した金融安定リスクが発生することとのトレードオフは、低金利政策の中で変化している可能性がある。FOMCが 9月にも利上げしようとしている中で、弊社は、カナダ中銀が政策金利を米国の政策金利より低くするのはハードルが高いのではないかとみている。10 月の総選挙(奇しくも同じ週に中銀は最新経済見通しを発表する)を控え、野党新民主党(NDP)が世論調査でやや優勢となる中、財政見通しが不透明なため、短期的には着実な政策こそが賢明な選択となりそうだ。政策金利についてのフォワード・ガイダンスを再導入することはリスクとなる。 非エネルギー部門で回復の兆しが見られ、通貨安は引き続き、こうした部門に対する圧力緩和にとって重要な価値を持っている。フルタイムの雇用者数はこの数カ月間、大幅に増加している。カナダ中銀によると、非エネルギー部門の輸出の伸びは「説明がつかない」ものの、カナダドル安と米国の消費回復見通しによってカナダの輸出業者は恩恵を被るだろう。 弊社の CAD についての見通しは、小幅ながら上方修正された。主な理由は、コモディティー価格の弱気見通しだ。ただ、目先の利下げ可能性が低いため、USD/CAD についてはわずかな強気にとどまると弊社はみている。 Brian Daingerfield

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

USD/CAD 1.308 1.300 1.310 1.320 1.330

EUR/CAD 1.432 1.463 1.402 1.386 1.383

CAD/JPY 94.73 97.69 97.71 96.97 97.74

Outperformance vs. US Waning

Source: Citigroup, Bloomberg, RBS

-100

-50

0

50

100

Jan-12 Jan-13 Jan-14 Jan-15

US Surprise Index

Canada Surprise Index

Trade Yet to Recover From Oil Shock

Source: Statistics Canada, Bloomberg, RBS

-6

-4

-2

02

4

6

810

Jan-08 Jan-10 Jan-12 Jan-14

Canada Merchandise Trade Balance ($bn)

USD/CAD Closely Tracks Rate Spread

Source: Bloomberg, RBS

1.01

1.06

1.11

1.16

1.21

1.26

1.31

-1.1

-0.9

-0.7

-0.5

-0.3

-0.1

0.1

0.3

Jun-13 Feb-14 Oct-14 Jun-15

US - Canada 2-Year Swap Rate Spread (%, LHS)

USD/CAD Spot (RHS)

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MXN

新興国通貨の代表として売られる新興国通貨の代表として売られる新興国通貨の代表として売られる新興国通貨の代表として売られる メキシコの経済指標はまだら模様ながらも、弱気へと傾いている。マークイット社が発表した 6 月の景況感指数(PMI)は 53.3 から 52 へと低下したほか、5 月の鉱工業生産は前年同月比 0.9%減少と、2014 年 4 月以来の大幅な悪化となった。MXN は新興国の窮状を伝える流動性を持った代理通貨として取引されているように思われるが、こうした状況は、最近の通貨下落でさらに大きくなっている可能性がある。MXN は、中国に対するエクスポージャーが比較的小さい一方、米国へのエクスポージャーが相対的に大きいにもかかわらず、中国の成長懸念や世界的なコモディティー価格の下落に追随して急落している。 メキシコの成長、より具体的には海外直接投資(FDI)にとって好材料となる(可能性のある)一つのファンダメンタルズ的な要因は、エネルギー部門の投資だろう。しかし、メキシコ湾の浅瀬地域開発における民間海外投資家向けの第一回入札は予想よりも低調だった。14鉱区のうち割り当てが行われたのは 2鉱区にとどまった。エネルギー価格の下落がこの一因だった可能性はあるが、今回の鉱区入札の低調によって、こうした主要部門に対する海外からの投資が予想より減速するリスクが一層高まっている。 メキシコ中銀は最近、FRB と足並みをさらにそろえるため、2015 年内の政策会合予定を変更した。弊社はこの理由について、FRB とメキシコ中銀の政策に対するペソの反応も関係しているとみている。通貨安定策の実施で、(メキシコ中銀が)よりハト派的政策を行う余地はさらに大きくなりそうだ。中銀は追加的な通貨下落抑制策を実施することも可能であり、これによって、ペソはやや軟調な(とはいえ大幅に弱いというわけではないが)国内景気見通しに合う水準へと調整するうえでの柔軟性を得るだろう。MXN がさらに大きな売りを浴びる(これは弊社のベースシナリオではないが)としたら、強力な口先介入と新たな措置が講じられる公算が大きい。

6 月の時点で USD/MXN についての弊社の見通しは、メキシコ中銀がよりタカ派的姿勢を取っていたことから、最近のレンジ上限付近を維持し、その後、安値を再度試すとしていた。だが、MXN が広く新興国のストレスを示す代理変数となっているため、USD/MXN は近く、新高値をつけるものとみられる。弊社の MXN に関する中期の基本的見通しは、メキシコ中銀がペソ高のペースを抑制し、同国が最終的には、国内の引き締め策と米国の成長加速による恩恵を受けるとみられるため、これまでと変わっていない。 Brian Daingerfield

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

USD/MXN 16.27 16.34 16.58 16.83 16.83

EUR/MXN 17.81 18.38 17.74 17.67 17.50

Speculative Positions All Time Low

Source: CFTC, Bloomberg

-100000

-50000

0

50000

100000

1/3/2014 1/3/2015

IMM Speculative Net Positioning: MXN(# of Contracts)

Inflation Slightly Under Target

Source: INGEI, Bloomberg

22.5

33.5

44.5

55.5

Headline CPI (% y/y)

Banxico Target

Current Account Deficit Widening

Source: Banco De Mexico, Bloomberg

-12000

-10000

-8000

-6000

-4000-2000

0

2000

4000

Mar-80 Mar-90 Mar-00 Mar-10

Mexican Current Account Balance($mn)

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BRL

再び政治主導の展開再び政治主導の展開再び政治主導の展開再び政治主導の展開 ブラジルの経済成長の勢いはさらに減速した。月次の経済活動を示す指数(GDPの代理変数とされる)は 5 月、前月比 4.75%低下した。これは 2009 年以来最大の落ち込み。製造業 PMIは 5カ月連続で 50を下回り、サービス業 PMIも 2月の 52.3から 6月には(2012 年 7 月の統計開始以来)最低の水準である 39.9 まで低下した。5 月の鉱工業生産は前月比で増加したものの、前年同月比では 8.8%減少。5月は消費も低迷し、小売売上高が前月比 1.8%減、前年同月比では 10%を超える落ち込みを見せた。 成長の減速が見られる中でも、ブラジル中銀は、近いうちに引き締め姿勢を緩める兆しを見せていない。同時に、中銀は 2016 年末までにインフレ率とインフレ期待が4.5%へと低下するよう、長期にわたって政策金利を高めに維持するというタカ派的姿勢を維持している。同国の総合インフレ率は 6 月、前年同月比で 9.0%を上回った。中銀が毎週実施しているエコノミスト調査では 7 月 20 日現在、ICPA インフレ率が2016 年末までに前年比 5.4%となるとの平均予想が示された。この予想はやや低下傾向にあるものの、依然として中銀目標を上回っている。ある中銀関係者は、2016 年中にインフレ率が目標まで低下するとの中銀予想が示されるまで、政策金利は引き上げるべきだとの考えを最近になって示している。 ブラジルの政界は再び汚職疑惑に揺れており、これが改革の足かせとなる恐れもある。現政権の支持率が極端に低いため、政府はさらに成長刺激策を講じる必要に迫られる可能性が高い。政府が混乱し、成長が減速する中で、ブラジルは投資適格格付けを失うリスクがある。この場合、さらに海外からの投資流入見通しは悪化するだろう。 ファンダメンタルズ的な見通しは依然として悪いものの、弊社は BRLについて、ブラジル中銀がタカ派的姿勢を取っていることが大きな要因となり、キャリー取引で支えられる余地があるとみている。しかしながら、国内政局の混乱再燃やブラジルの投資適格格付けから脱落するリスクが高まっていることから、BRL について弊社がより弱気とみる余地はある。弊社の見通しは現在、USD/BRL の上昇トレンドを想定している。 Brian Daingerfield

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

USD/BRL 3.32 3.30 3.35 3.40 3.40

EUR/BRL 3.64 3.71 3.58 3.57 3.54

Inflation Edges Up To Above 9%

Source: IBGE, Bloomberg

0

5

10

15

20

Jan-00 Jan-05 Jan-10 Jan-15

Brazil CPI IPCA-15 (% y/y)

BCB Target (4 .5%)

Fixed Capital Formation Negative

Source: IBGE, Bloomberg

-6

-4

-2

0

2

4

6

Mar-10 Jul-11 Nov-12 Mar-14

Brazil Fixed Gross Capital Formation(% q/q)

Economic Activity Declines Further

Source: BCB, Bloomberg

-10

-5

0

5

10

15

Economic Activity Index (% y/y)

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FX Monthly

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EUR 1.05ドルへの下落、再び視野にドルへの下落、再び視野にドルへの下落、再び視野にドルへの下落、再び視野に 今年半ばの時点で、弊社は EUR/USD について極めて弱気だった。弊社は、米欧間の金融政策のかい離を、市場の方向性に関して、主要外為市場で過去何年もの間に見られた中で最大級の「贈り物」と考えた。弊社はこの贈り物をありがたく受け取り、喜々としてこの EUR/USD下落の流れに乗った。

5 月中旬(まだほんの数週間しかたっていないのだが)までに、弊社は初めて、市場で高まる EUR/USD の弱気見通しに警告を発した。その後、6 月 15 日号の「FX月間見通し」(「EUR の弱気後退」)で、EUR/USD の今後 1 年間の目標水準を 0.95 から 1.05へと上方修正した。今月、この水準に変更はない。ただし、弊社は、数カ月間の一服相場を経て EUR/USDがこの 1.05の目標までより速いペースで下落するリスクがあるとみている。 この見通しは、ギリシャ問題によって大きく左右されてはいない。ギリシャの状況が極めて重要だということは議論を待たない。これはまさに通貨統合が恒久的なものとなるかどうかの問題であり、弊社はギリシャ救済策をめぐる「合意」が、有意義な債務軽減をもたらすことなく、比較的早期に崩壊する恐れがあると懸念している。ただ、具体的な数値の「算定」が再び先送りされる中、目先の外為市場に対する影響は限定的だろう。おそらく最も直接的に外為市場と関連しているのは、ギリシャ問題が一服した時点で、マイナス金利で EUR を借り入れている市場は、どのようにキャリー取引の資金を他の市場から調達することができるか、ということだろう。 年内に EUR/USD の再下落を後押しする要因としては、これ以外に以下のようなものがある。EUR/USD 市場でポジションを建てる投機資金の動きは、数カ月前と比べ大幅に少なくなり、EUR/USD のショート・ポジションはかなり少なくなっている。また、ドイツ国債が 3 月に急落したことで、EUR/USD のショートなど持ち高の多くに懸念が広がったが、現在は同国債市場が落ち着きを取り戻している。さらに、原油価格が再びじりじりと下げている。原油が再度下落する中では、ユーロ圏内のリフレ期待が後退する。このため、ECBの QEがインフレ期待に即効性のある決定的な影響を与え、これにより ECB は早期に勝利宣言を発表し、政策の解消を始められる、という予想は信頼できなくなる。逆に、原油安のため、ECBの QEは、これまで発表されているようなユーロ圏のインフレを目標へと回復させる、という可能性がより低くなるものとみられる。この結果、最終的には QE の縮小どころか、拡大が必要となる可能性もある。 もう一つの重要な変数は、言うまでもなく米国の経済指標と FRB の動向だ。弊社はEUR/USDの下落を予想しているが、そのうえで想定しているのは FRBの 9月利上げだ。これは際どい予想である。ただ、9 月の利上げはまだ市場に十分織り込まれておらず、(もしこの利上げ実施が声明で示されれば)第 4 四半期にかけてのドルは押上げられるだろう。

David Simmonds

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

EUR/USD 1.095 1.125 1.070 1.050 1.040

EUR/JPY 135.7 142.9 137.0 134.4 135.2

EUR/GBP 0.707 0.720 0.700 0.700 0.710

EU and US 5y5y inflation expectations

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15

%

Year

US

EU

EUR/USD vs. 5y Swap Spread

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

-1.8

-1.3

-0.8

-0.3

0.2

0.7

1.2

1.00

1.05

1.10

1.15

1.20

1.25

1.30

1.35

1.40

1.45

1.50

May-10 May-12 May-14

%

Spo

t

Date

EUR/USD

5y rate spread, rhs

Euro-zone Economic Sentiment & GDP

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

-7

-5

-3

-1

1

3

5

7

65

75

85

95

105

115

125

00 02 04 06 08 10 12 14

%

Index

Years

Economic Sentiment

GDP (% yoy) RHS

Page 9: FX Monthly Jul15-J(15FTNJ19490) · Source: RBS Trading Desk FX Strategy. CEEMEA FX Forecasts taken from an Independent Research Report, CEEMEA FX Monthly, 7 July 2015 . *Currency

FX Monthly

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GBP

より早く、より速くより早く、より速くより早く、より速くより早く、より速く 世界の金融政策のかい離をめぐる議論において、イングランド銀行は重要な主人公の一人だ。英ポンドの市場心理は利上げ開始期日と、その後の利上げペースについての観測に左右されている。英国経済が比較的堅調なため、2015 年後半もポンドは主要通貨に対しさらに上昇するとみられる。主な例外は USDくらいだろう。 中銀にとって主に焦点となるのは、賃金の伸びだ。賃金は力強く伸びているが、年後半にはベース効果が足かせとなる中、年初来の最高水準(年率ベース)はすでに達成してしまっているのかもしれない。弊社は、賃金の伸びが頭打ちとなる要因として、供給サイドが大きな役割を果たしているものとみている。より広範に見てみると、他の先進国および新興国と同様、物価上昇率は加速の兆しを示していない。ただ、賃金の上昇加速は MPC の注目を集めており、このため、イングランド銀行はよりタカ派に傾くと思われる。7 月に財務委員会(TSC)に対して出されたコメントから判断すると、MPC 委員は、ペースの速い金融引き締めや、EU 離脱についての国民投票、国外の逆風、家計のバランスシート、為替レート高などに対しあまり懸念を抱いていないとみられる。最新の MPC 議事録では、国民投票への言及はなく、財政政策について限定的な指摘があっただけだが、賃金の伸びについては多くの段落を費やしていた。夏に発表された新予算案は弊社が懸念していたほど積極的なものではなかった。赤字削減の前倒しは見られた一方、財政均衡策はさらに 1 年間先送りされそうだ。全体としては、財政政策が成長への大きな足かせとはなるが、投資家や MPC にとってこれは現時点で十分に予想済みのこととなっている。 イングランド銀行の利上げ開始が 2016 年 2 月になる、という弊社の見解に変更はない。この見通しに対するリスクとしては、先送りよりも前倒しとなる可能性が高いようだ。8 月の政策会合では、利上げへの賛成票が 1 票ないし 2 票見られるだろうが、他の委員が賛成に転じるのはまだ先のこととなるだろう。ただ、短期金利先物市場では引き続き、11 月の利上げを織り込む動きが拡大しており、その後の利上げペースもより速いものとなるとみられている。 英ポンドはコモディティー通貨(AUD、NZD、NOK および CAD)と欧州で緩和策を取っているノルウェーやスウェーデンといった国の通貨に対して最も上げ余地を持っている可能性がある。EUR に対しては、ECB の緩和策がユーロ圏の成長とインフレを押し上げられるかどうかに左右されるだろう。ギリシャ問題の長期化による不透明感が企業や消費者の信頼感に打撃を与え、原油価格が再び下落に向かうとすれば、ECB は結局、中期的な追加緩和を強いられるだろう。この場合、EUR の軟化が見込まれる。 相対的な金利差の中、今後数カ月の短期資本の動向によって GBP が支えられる可能性がある一方、さらに GBP が上値を伸ばすかに関しては、長期的なバリュエーションにおける逆風が高まる可能性がある。弊社は引き続き、2016 年に実施されるとみられる英国の EU 離脱をかけた国民投票を控えた経常赤字(海外直接投資とポートフォリオ)、そして、生産性の改善が低調な中での実質実効レート上昇について懸念している。 Paul Robson

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

GBP/USD 1.548 1.563 1.529 1.500 1.465

GBP/JPY 191.8 198.5 195.7 192.0 190.4

EUR/GBP 0.707 0.720 0.700 0.700 0.710

UK | PMIs

Source: Ecowin, RBS Trading Strategy

45

50

55

60

65

Jul-12 Jul-13 Jul-14

Inde

x

Date

Manufacturing

Services

Construction

UK | Balance of Payments

Source: Ecowin, RBS Trading Strategy

-20

-15

-10

-5

0

5

10

15

97 99 01 03 06 08 10 12 15

Basic Balance

C\A

Longterm Capital

UK | Average Earnings (yoy)

Source: Ecowin, RBS Trading Strategy

-7.0

-5.0

-3.0

-1.0

1.0

3.0

5.0

7.0

04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15

yoy

Year

Headline

Excluding bonuses

2y Generic Swap Spreads

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.2

1.4

Oct-14 Dec-14 Feb-15 Apr-15 Jun-15

%

Date

GBP EUR USD

Page 10: FX Monthly Jul15-J(15FTNJ19490) · Source: RBS Trading Desk FX Strategy. CEEMEA FX Forecasts taken from an Independent Research Report, CEEMEA FX Monthly, 7 July 2015 . *Currency

FX Monthly

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SEK 中銀は警戒姿勢を維持中銀は警戒姿勢を維持中銀は警戒姿勢を維持中銀は警戒姿勢を維持 スウェーデン中銀は、来年春の重要な賃上げ交渉期を前にインフレ率の年内目標達成を熱望している。交渉の要求内容は年内にまとめられる予定であり、刻々と期限が迫っている。雇用主は、生産性の伸びが弱く、低インフレが続いていることを理由に賃上げは限定的であるべきだと主張しており、これは中銀が目標とする約 2%のインフレ目標にとって打撃となっている。賃金の伸びが低ければ、低インフレがよりしっかりと定着するリスクもさらに高まる恐れがある。ただ、最新統計によると、インフレ率は予想外の低下を見せており、回復の兆しは見られない。原油価格が再度下落に転じたため、中銀はインフレ期待の不安定化を警戒する必要がある。ギリシャ問題を背景として、外需に対する下振れリスクが悪材料に加わっている。中銀は 7 月の政策会合で予想外の利下げ(政策金利をマイナス 0.35%へ 10bp 引き下げ)と資産購入の拡大(450 億クローナ増)を実施することにより、市場にあらためて、インフレ率を目標まで引き上げる意向を示した。インフレ率は中銀見通しに沿って上昇しているが、中銀は海外での不透明感が高まっているとしたうえで、SEK は予想よりやや大きく増価しているとの見解を示した。より重要なのは、油断すればさらに為替レートが上昇する恐れがあるという明確な懸念を表明したことだ。 中銀は、大幅な緩和姿勢を維持しており、通例の政策会合のない時期であっても必要な場合は追加緩和に踏み切る用意が十分にあると発表している。9 月の政策会合に先立ち、8 月 20 日と 25 日には中銀理事会が開催される。弊社の見解では、これらの理事会では、政策見通しという観点からみて「動きがあり得る」と思われる。スウェーデン中銀は、追加利下げの可能性はあり、国債購入もさらに拡大の余地があるとしている。ただ。政策金利はすでにマイナス 0.35%であり、中銀がマイナス 0.75%という、マイナス 0.50%を切るところまで引き下げるのは難しそうだ。同様に、中銀は現在、国債残高のかなりの部分を購入しており、住宅市場への懸念もあって、カバード債の購入に踏み切ることには依然として消極的であるようにみられる。このため、焦点はやはり為替レートとなる。中銀は、例えば「市場における極めて問題の大きい展開」が見られるなど、インフレ率の上昇が脅威となった場合には、外為市場で介入を行う用意があると表明している。これは、ECBが少なくとも 2016年 9月までバランスシート拡大を行うこともあって、EUR/SEK の上げ余地に限界があることを示唆している。 ギリシャ問題への懸念が和らいだことで、EUR が安心感から上昇し、SEK への資金逃避の流れが反転したことから、EUR/SEK は最近のレンジ上限へと水準を戻している。スウェーデン中銀は今後、インフレ率やインフレ期待の低下、または、新たな通貨高への警戒姿勢を維持するだろう。ただ、主要な世界の資金調達通貨としての EURの役割が見直されようとしている中、SEK はバリュエーションという意味では割安に思われる。また、すでに政策金利がマイナスにあるうえ、国債市場の規模も比較的小さいことから、スウェーデン中銀がどこまで緩和策を維持できるかは疑問であり、弊社は EUR/SEK について、今後数カ月には徐々に下降トレンドを再開するとみている。

Nick Mannion

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

EUR/SEK 9.428 9.200 9.000 8.800 8.800

USD/SEK 8.611 8.177 8.411 8.381 8.462

GBP/SEK 13.33 12.78 12.86 12.57 12.39

Sweden | Inflation

Source: Bloomberg, Riksbank, RBS Trading Strategy

-2

-1

0

1

2

3

4

5

06 07 08 09 10 11 12 13 14 15

% y

oy

Year

CPI

CPIF

Riksbank

Target

Sweden | Inflation Expectations

Source: Ecowin, RBS Trading Strategy

0.0

0.5

1.0

1.5

2.0

2.5

3.0

02 04 06 08 10 12 14

% y

oy

Year

5 years ahead

2 years ahead

Target

Sweden | Activity

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

-35

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

5

10

15

55

65

75

85

95

105

115

125

07 08 09 10 11 12 13 14 15

Economic Tendency

Industrial Production (yoy)

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FX Monthly

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NOK

実体経済の厳しさ実体経済の厳しさ実体経済の厳しさ実体経済の厳しさ ノルウェーの経済指標は、原油安の影響が明らかとなる中、悪化のペースを加速させている。5月の鉱工業生産は前月比 2.1%減となった。最大の落ち込みは造船と石油プラットフォーム建設であった。同生産は昨年夏、過去最高水準まで増加していたが、ここ 3 カ月は 2013 年第 1 四半期以来の低迷となっている。食品部門は、海外からの魚介類需要に支えられているが、これ以外の伝統的部門については、通貨安による効果がまだ、原油供給部門の低迷を十分に補うに至っていない。これは、弊社の見通しにとって予想外ではなく、多くの伝統的産業はこの 10 年間、通貨高と賃金上昇に圧迫され、縮小傾向をたどってきた。失業率も上昇する中、原油安が本土経済に与える影響は、ノルウェー中銀の当初の予想を大幅に上回る恐れがある。 中銀は6月の政策会合で、予想どおり政策金利を25bp引き下げたが、それだけでなく、予想以上にハト派的な姿勢を表明した。これは、9月に25bpの追加利下げがある可能性が60%あることを示している。これについて市場は現在、より大きく織り込んでいる。ただ、金利市場は9月以降の利下げをほとんど織り込んでいない。弊社は、通貨安を通じ、減速する景気を支え経済のリバランスを後押しするため、ノルウェー中銀が予想以上に積極的な利下げを強いられるのではないか、と予想している。6月のインフレ率は前年同月比3.2%に上昇し、中銀見通しの2.5%を大きく上回った。主因は航空運賃だった。中銀はまた、通貨安がインフレに及ぼす影響について重視してはいない。稼動率の低下と賃金の伸び鈍化で、こうした影響は相殺されるとみられる。政府が新たに発表した住宅市場の過熱抑制策は、予想以上に厳しいものであり、このため、中銀はより緩和的な政策を取りやすくなるとみられる。

原油安のため、為替レートにはさらに圧力が加わる可能性が高い。国際エネルギー機関(IEA)は、「大規模な供給過剰」によって原油価格がさらに下落する可能性があると警告している。エネルギー・インテリジェンス・グループによると、原油の純供給量は 10 年ぶり高水準に達している。石油基金であるノルウェー政府年金基金グローバル(GPFG)の仕組みが交易条件による影響を低下させる中、原油価格の下落が原油供給業界をさらに圧迫する一方、失業率を押し上げ、賃金の伸びを抑え込む恐れがある。NOKは引き続き原油相場を高い相関性を維持している。 ノルウェーは財政が強力なため、必要な場合、政府が景気を支える大きな余地がある。GPFGはここ数年、通貨安と資産価格の上昇を背景に急拡大した。だが、政策担当者は、民間部門に対するクラウディング・アウト効果に対する懸念から、あまり大規模な財政出動はしたくないと考えており、このため、金融政策が依然として主な景気対策となっている。とはいえ、失業率の上昇が続けば、財政出動への圧力が高まる公算は大きい。その場合、海外からの投資がNOKに回帰するとみられるため、同通貨には好材料となる可能性が高い。 Nick Mannion

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

EUR/NOK 8.994 9.000 9.000 8.800 8.600

USD/NOK 8.215 7.999 8.411 8.381 8.269

GBP/NOK 12.72 12.50 12.86 12.57 12.11

Norway | Inflation

Source: Ecowin, RBS Trading Strategy

-6%

-4%

-2%

0%

2%

4%

6%

03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14

Imported Inflation (% yoy)

Domestic Inflation (% yoy)

Manufacturing Divergence

Source: Ecowin, RBS Trading Strategy

40

80

120

160

200

06 07 08 09 10 11 12 13 14 15

Ind

ex

(2

00

6 =

10

0)

Year

Total Manufacturing

Machinery & Equipment

Ships, Boats & Oil Platforms

Chemicals

Paper

Petroleum Investment & Oil Price

Source: Ecowin, RBS Trading Strategy

0

20

40

60

80

100

120

140

12

17

22

27

32

37

42

47

52

85 88 91 94 97 00 03 06 09 12

Oil

Pri

ce

($

bb

l)

Inv

es

tme

nt

(NO

K b

n)

Year

Investment in Extraction &Transport

Oil Price (RHS)

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FX Monthly

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CHF

下値堅下値堅下値堅下値堅さ示すさ示すさ示すさ示す

CHFは、前号の6月12月号以降、G10通貨の中でも特に強い通貨の一つだ。海外のイベントで最も顕著なのはギリシャ問題だが、こうした背景の中、スイスの大幅な経常黒字、政治的安定性などが材料となり、CHFには安全通貨として注目が集まっている。7月5日に実施されたギリシャ国民投票の前後には、スイスフランに対する上昇圧力が高まったため、スイス国立銀行はCHF安定のため市場介入を行ったことを確認した。週次で発表されるサイトデポジット(要求払預金)統計によると、介入規模は比較的小さいものだった。ただ、スイス中銀が為替レートの上昇に対し、口先介入と予防的措置の双方について準備していることは明らかだ。

CHFは実効ベースで過去最高値に接近しており、この影響で2015年前半の同国輸出は減少し、最近の調査でも景気の弱さが示されている。ただ、7月のPMIは50.0の水準を回復しており、同国経済が通貨高の影響を予想よりうまく乗り切るとの期待感がある程度は浮上した。中銀は6月の政策会合で、経済が勢いを回復し、年後半はプラス成長に回帰するとの見通しを示したが、通年のGDP成長率見通しは「1%弱」で据え置かれた。また、中銀はインフレ見通しを小幅上方修正したが、依然として2017年初めまでにデフレとなるとはみていない。CHF高が持続すれば、デフレ圧力が高まる可能性もある。 スイス中銀は先月、政策を据え置いたが、CHFについては「大幅に過大評価されている」との見方を明確にした。マイナス金利を背景に資本流入は後退する可能性がある一方、マイナス金利の適用除外となる金融機関数が減少したため、国内投資家は海外へと資金を移す可能性がある。しかし、海外でも金利は超低水準かマイナスであるため、投資家は海外投資に消極的となり、これがCHFへの上昇圧力となる可能性がある。弊社は、スイス中銀が選択する手法として、すでに低水準にある金利ではなく為替レートを管理する可能性の方が高いとみている。だが、中銀はバランスシートの「管理不能な拡大」を回避するためEUR/CHFの下限を撤廃したことを踏まえると、これ以上の大規模な市場介入には慎重になるだろう。したがって、CHFの上昇が加速した場合、中銀はバランスシートの規模に対する配慮から、政策金利をよりマイナス方向に引き下げることが考えられる。 総合的には、スイス中銀が、特に2015年内のFRBによる利上げが見込まれているUSDに対し、CHFを下落させるような政策を新たに行う可能性が高いとみられる。だが、EURに対しては、ギリシャに関連したユーロ圏内のリスクによって、企業や個人消費の信頼感が低下し、ECBがさらに長期的な緩和策を行ってこれがEURを圧迫する可能性があることを考えると、CHFの下落はよりゆるやかなものとなりそうだ。 Melinda

Burgess

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

EUR/CHF 1.052 1.050 1.060 1.080 1.090

USD/CHF 0.961 0.933 0.991 1.029 1.048

GBP/CHF 1.487 1.458 1.514 1.543 1.535

Swiss KOF lead indicator and PMI

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

30

40

50

60

70

60

70

80

90

100

110

120

08 09 10 11 12 13 14 15

Ind

ex

Ind

ex

Years

SZ KoF

SZ PMI

SNB total sight deposits at the SNB

Source: Bloomberg, SNB, RBS Trading Strategy

200

250

300

350

400

450

500

12 13 14 15

CH

F b

n

Years

CHF real TWI & long run averages

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

60

70

80

90

100

110

120

130

70 75 80 85 90 95 00 05 10 15

TW

I

Years

CHF

Avg. since '70

10y avg.

20y avg.

Page 13: FX Monthly Jul15-J(15FTNJ19490) · Source: RBS Trading Desk FX Strategy. CEEMEA FX Forecasts taken from an Independent Research Report, CEEMEA FX Monthly, 7 July 2015 . *Currency

FX Monthly

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JPY

徐々に弱気へ徐々に弱気へ徐々に弱気へ徐々に弱気へ

USD/JPYは昨年後半から徐々に上昇してきたが、円は4月から5月にかけ、ギリシャの債務交渉が難航し、ドイツ国債の利回りが乱高下するなど不透明感が高まる中、強含んでいる様子だった。 日本銀行が積極的な量的緩和策(QE)を一貫して続けている現在の状況は引き続き、USD/JPYの上昇と整合的だ。QE実施の一方、ゆっくりとではあるが着実に年金基金や郵貯などの機関投資家による資金が投資対象の分散化を進め、日本国債から離れて外国株式などのリスク資産に向かっている。また、FRBが金利政策の正常化に近づく中、短期および中期国債の利回りスプレッドがUSDに有利な方向へ変動していることもUSD/JPYの段階的な上昇と合致する動きだ。 日本経済の回復は他のアジア諸国よりもしっかりとしている。ただ、近い将来に日銀がQEを縮小することを現実的に期待できるほど強いものではない。むしろ、インフレ率を2%に引き上げるという目標の達成は引き続き遅れており、日銀がさらに非伝統的政策を実施するのではないかとの観測が高まる場合すらある。 弊社が最も可能性の高いとみるシナリオは、日銀が必要だと考える限り、また、労働市場の逼迫や需給ギャップが好ましい方向に向かっていると考える限り、ひたすら現行の政策を維持するというものだ。日銀はつい最近、需給ギャップはプラスに転じたとみており、今後1年間はインフレ圧力がさらに高まりを見せると予想している。 日銀の黒田東彦総裁は先月初めて、円はすでに極めて弱くなっており、さらに大きく下落することはないとの見通しを示し、これが一因となってUSD/JPYの上値は抑えられた。これは新しく重要な情報のようにも思われた。ただ、日銀は依然として早期に2%の持続可能なインフレを達成することを目指している。日銀は、外因的なショックが何もなければ、この目標は来年9月に達成されると考えている。このため、QEは今後も継続し、景気回復が低迷するようならさらに拡大される可能性もある。弊社は、今後1年間、USD/JPYはさらに小幅上昇するとみている。 Greg Gibbs

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

USD/JPY 123.9 127.0 128.0 128.0 130.0

EUR/JPY 135.7 142.9 137.0 134.4 135.2

GBP/JPY 191.8 198.5 195.7 192.0 190.4

Higher US rates lifting USD/JPY

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

95

100

105

110

115

120

125

Jun-14 Dec-14 Jun-150.00

0.10

0.20

0.30

0.40

0.50

0.60

0.70

0.80

0.901 yr swap spread

2yr swap spread

JPY

Japan wages growing gradually

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

-2.5

-2.0

-1.5

-1.0

-0.5

0.0

0.5

1.0

01 03 05 07 09 11 13 15

Scheduled cashearnings (+0.2%y/y)

Page 14: FX Monthly Jul15-J(15FTNJ19490) · Source: RBS Trading Desk FX Strategy. CEEMEA FX Forecasts taken from an Independent Research Report, CEEMEA FX Monthly, 7 July 2015 . *Currency

FX Monthly

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AUD

非鉱山部門が改善非鉱山部門が改善非鉱山部門が改善非鉱山部門が改善

AUD は、他のコモディティー通貨と同様、幅広いコモディティー価格の下落を背景にこのところ新安値をつけている。下落したコモディティーにはオーストラリア産の鉄鉱石や石炭も含まれる。このため、同国の国際収支は今年、大幅に悪化しており、4月と 5月の貿易赤字は GDP比 2.6%となった。これは、鉱山部門への資金流入が低下した第 2 四半期の経常収支が同 5%前後の赤字になることを示唆している。こうしたことから、AUDはさらに軟化する可能性がある。 ただ、追加利下げの可能性は後退しつつある。長期の低迷が続いていた非鉱山部門で回復が見られるうえ、住宅建設が強力に伸び続けているからだ。多くの観点から見て、鉱山部門の低迷は十分に受け入れられており、コモディティー価格の下落がさらに続いた場合でも、同部門が打撃を受けることはないかもしれない。ただ、同国全体について、所得の伸びは今後も低調だとみられる。 最近の指標には、AUD の下落が非鉱山部門の回復に寄与していることを示す兆しが見られる。特に住宅建設は極めて好調だ。豪州準備銀行(RBA)は、昨年の GDP に対するサービス純輸出の寄与度が約 0.5 パーセントポイントだったと発表した。これは、鉄鉱石輸出の伸びとほぼ同水準だ。為替レートの減価と中国からの需要拡大により、観光や教育を含むサービス部門のほか、不動産投資が支えられている。これは、中国の民間人に対する旅行やオフショア投資の規制が緩和された結果だ。

6 月のナショナル・オーストラリア銀行(NAB)の信頼感指数調査によると、信頼感指数および現況指数がいずれも 2010年の最高水準近く(これは 1997年の平均をも上回っている)へ上昇した。今年に入って労働市場はある程度改善している。5 月に発表された準備銀行の予想(四半期声明)では、2016 年中盤まで改善が続くとされた。ニューサウスウェールズ州とビクトリア州といった非鉱山部門に依存する州を中心に、雇用の伸びは拡大しており、鉱山部門が盛んなウェスタン・オーストラリア州およびクイーンズランド州では、移民が減少しているため、失業率が昨年第 4 四半期の約6.25%から 6.0%へ低下した。

RBA は、依然として労働市場に大幅なスラック(たわみ)があるとみており、単位賃金の伸びはこの 4年間ほぼゼロであり、統計が入手可能な 1999年(前年比 2.3%増だった)以来、最低水準である。このため、RBA にはまだ緩和バイアスがある。しかし、家計のレバレッジが高く、さらに上昇する傾向にある(債務所得比率は 150%を超えている)ため、中銀は追加利下げに慎重だ。AUD が下落し、全体として成長と雇用のトレンドが改善に向かっているため、追加利下げの可能性は低下している。 弊社は、AUD について、USD の上昇やコモディティー価格の軟化に沿って下落するとみている。ただ、すでにこうした修正安は実現してしまった可能性もあり、下落の勢いは大方の予想より緩やかなものとなるかもしれない。Greg Gibbs

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

AUD/USD 0.727 0.700 0.700 0.680 0.670

NZD/USD 0.657 0.630 0.620 0.600 0.590

AUD/NZD 1.107 1.11 1.13 1.13 1.14

Business confidence rises above average levels

Source: Bloomberg, RBS

-5

-4

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0

1

2

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Sep-05 Sep-08 Sep-11 Sep-14

Current conditions

business confidence

Labour market stronger this year

Source: Bloomberg, RBS

4.0

4.5

5.0

5.5

6.0

6.5

7.0

7.5

-0.5

0.0

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1.5

2.0

2.5

3.0

3.5

4.0

4.5

00 02 04 06 08 10 12 14

employment growth %y/y

Unemployment rate RHS

Page 15: FX Monthly Jul15-J(15FTNJ19490) · Source: RBS Trading Desk FX Strategy. CEEMEA FX Forecasts taken from an Independent Research Report, CEEMEA FX Monthly, 7 July 2015 . *Currency

FX Monthly

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NZD 下下下下振れの勢い振れの勢い振れの勢い振れの勢い

NZD の市場心理は、コモディティー価格の下落とニュージーランド準備銀行(RBNZ)の利下げ観測が相まって、ますます弱気へと傾いている。乳製品価格は 15年ぶりの安値に落ち込んでおり、これが企業や消費者の信頼感に影響を与えている。乳製品の価格は、中国経済の減速で需要が落ち込んだうえ、粉ミルク供給の過剰で下落し、2013 年につけた過去最高値からは約半分になっている。今後の中国のコモディティー需要に関しては、経済が減速していることから疑問符が残る。そのうえ、ニュージーランドの国内農家は来月からの牛乳出荷期に備えているため、さらに価格は下落する可能性がある。このため、同国最大の主要産業であり輸出市場である乳製品産業はさらに圧迫を受ける公算が大きく、NZDには下押し圧力となるだろう。 ニュージーランドドルはすでに、今年に入って USD に対し約 17%下落しており、G10 通貨の中では年初から見て、最も弱い通貨となっている。第 1 四半期の GDP 成長率は大幅に予想を下回り、前期比 0.2%にとどまった。これは、同国経済が当初の見通しより大幅に減速しており、今年になってから勢いを失っている他の指標と整合的であることを示唆している。RBNZ は今月、景気見通しを大幅に下方修正し、今年の成長見通しを 2.5%と発表した。6 月の金融政策声明では 3.0%としていた。この弱気な見通しは、カンタベリー地域の震災復興活動がピークを迎えた可能性があるうえ、乳製品輸出が急減したことを反映したものだ。インフレ率は引き続き、RBNZ の目標を大幅に下回り、第 2 四半期には前年比 0.3%と 1999 年以来 2 番目の低さだった。NZD の急落を受け、RBNZ はインフレ率が当初見通しより数四半期早く、2%(目標レンジの中央値)に達すると予想していた。ただ、為替レートの動向や貿易財価格の変動は、内需の動向ほどには長期的なインフレに影響を与えなかった。 ニュージーランドドルはすでに、今年に入って USD に対し約 17%下落しており、G10 通貨の中では年初から見て、最も弱い通貨となっている。第 1 四半期の GDP 成長率は大幅に予想を下回り、前期比 0.2%にとどまった。これは、同国経済が当初の見通しより大幅に減速しており、今年になってから勢いを失っている他の指標と整合的であることを示唆している。RBNZ は今月、景気見通しを大幅に下方修正し、今年の成長見通しを 2.5%と発表した。6 月の金融政策声明では 3.0%としていた。この弱気な見通しは、カンタベリー地域の震災復興活動がピークを迎えた可能性があるうえ、乳製品輸出が急減したことを反映したものだ。インフレ率は引き続き、RBNZ の目標を大幅に下回り、第 2 四半期には前年比 0.3%と 1999 年以来 2 番目の低さだった。NZD の急落を受け、RBNZ はインフレ率が当初見通しより数四半期早く、2%(目標レンジの中央値)に達すると予想していた。ただ、為替レートの動向や貿易財価格の変動は、内需の動向ほどには長期的なインフレに影響を与えなかった。 Melinda

Burgess

RBS FX Forecasts

24/07/15 Q3:15 Q4:15 Q1:16 Q2:16

NZD/USD 0.657 0.630 0.620 0.600 0.590

AUD/USD 0.727 0.700 0.700 0.680 0.670

AUD/NZD 1.107 1.11 1.13 1.13 1.14

NZD & NZ commodity price index

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

70

90

110

130

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Ind

ex

Ind

ex

Years

NZD TWI, lhs

NZ Commodity price

index (USD)

NZD TWI & long run averages

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

60

70

80

90

100

110

120

70 75 80 85 90 95 00 05 10 15

TW

I

Years

NZDAvg. since '7010y avg.20y avg.

New Zealand’s key commodity price indices

Source: Bloomberg, RBS Trading Strategy

0

50

100

150

200

250

300

01 03 05 07 09 11 13 15

Index

Years

Forestry (USD)

Livestock (USD)

Dairy (USD)

Page 16: FX Monthly Jul15-J(15FTNJ19490) · Source: RBS Trading Desk FX Strategy. CEEMEA FX Forecasts taken from an Independent Research Report, CEEMEA FX Monthly, 7 July 2015 . *Currency

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