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1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするとき
dy
dx=
f(x)
g(y)(形式的には g(y)dy = f(x)dx) (1)
の形の常微分方程式を変数分離形の微分方程式とよぶ.
この形の微分方程式の解は
で与えられるの原始関数 とおき を の解とする
このとき
となる よって両辺を で積分して
つまり
が解である
I.常微分方程式の初等積分法 – p.4/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするとき
dy
dx=
f(x)
g(y)(形式的には g(y)dy = f(x)dx) (1)
の形の常微分方程式を変数分離形の微分方程式とよぶ.この形の微分方程式の解は
Z
g(y)dy =
Z
f(x)dx
で与えられる.
の原始関数 とおき を の解とするこのとき
となる よって両辺を で積分して
つまり
が解である
I.常微分方程式の初等積分法 – p.4/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするとき
dy
dx=
f(x)
g(y)(形式的には g(y)dy = f(x)dx) (1)
の形の常微分方程式を変数分離形の微分方程式とよぶ.この形の微分方程式の解は
Z
g(y)dy =
Z
f(x)dx
で与えられる.
··· G(y) =
Z
g(y)dy (g(y) の原始関数)とおき, y = y(x)を (1) の解とする.
このとき
となる よって両辺を で積分して
つまり
が解である
I.常微分方程式の初等積分法 – p.4/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするとき
dy
dx=
f(x)
g(y)(形式的には g(y)dy = f(x)dx) (1)
の形の常微分方程式を変数分離形の微分方程式とよぶ.この形の微分方程式の解は
Z
g(y)dy =
Z
f(x)dx
で与えられる.
··· G(y) =
Z
g(y)dy (g(y) の原始関数)とおき, y = y(x)を (1) の解とする.
このとき,d
dx{G(y(x))} =
dG
dy
dy
dx= g(y(x))
dy
dx(x) = f(x)
となる.
よって両辺を で積分して
つまり
が解である
I.常微分方程式の初等積分法 – p.4/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするとき
dy
dx=
f(x)
g(y)(形式的には g(y)dy = f(x)dx) (1)
の形の常微分方程式を変数分離形の微分方程式とよぶ.この形の微分方程式の解は
Z
g(y)dy =
Z
f(x)dx
で与えられる.
··· G(y) =
Z
g(y)dy (g(y) の原始関数)とおき, y = y(x)を (1) の解とする.
このとき,d
dx{G(y(x))} =
dG
dy
dy
dx= g(y(x))
dy
dx(x) = f(x)
となる. よって両辺を xで積分して
G(y) =
Z
f(x)dx つまりZ
g(y)dy =
Z
f(x)dx
が解である.
I.常微分方程式の初等積分法 – p.4/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[例題]
y′ =
„
1 +2
x
«
y の一般解を求めよ.
解答 解は
は積分定数
すなわち なので とおいて
は定数
また は恒等的に も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.5/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[例題]
y′ =
„
1 +2
x
«
y の一般解を求めよ.
[解答]解はZ
dy
y=
Z „
1 +2
x
«
dx
は積分定数
すなわち なので とおいて
は定数
また は恒等的に も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.5/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[例題]
y′ =
„
1 +2
x
«
y の一般解を求めよ.
[解答]解はZ
dy
y=
Z „
1 +2
x
«
dx
··· log |y| = x + 2 log |x| + c (cは積分定数)
すなわち なので とおいて
は定数
また は恒等的に も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.5/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[例題]
y′ =
„
1 +2
x
«
y の一般解を求めよ.
[解答]解はZ
dy
y=
Z „
1 +2
x
«
dx
··· log |y| = x + 2 log |x| + c (cは積分定数)
すなわち |y| = ecx2ex なので, ±ec = C とおいて
は定数
また は恒等的に も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.5/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[例題]
y′ =
„
1 +2
x
«
y の一般解を求めよ.
[解答]解はZ
dy
y=
Z „
1 +2
x
«
dx
··· log |y| = x + 2 log |x| + c (cは積分定数)
すなわち |y| = ecx2ex なので, ±ec = C とおいて
y = Cx2ex (C 6= 0 は定数)
また は恒等的に も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.5/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[例題]
y′ =
„
1 +2
x
«
y の一般解を求めよ.
[解答]解はZ
dy
y=
Z „
1 +2
x
«
dx
··· log |y| = x + 2 log |x| + c (cは積分定数)
すなわち |y| = ecx2ex なので, ±ec = C とおいて
y = Cx2ex (C 6= 0 は定数)
また y ≡ 0 (y は恒等的に 0) も解なので, C = 0も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.5/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[例題]
y′ =
„
1 +2
x
«
y の一般解を求めよ.
[解答]解はZ
dy
y=
Z „
1 +2
x
«
dx
··· log |y| = x + 2 log |x| + c (cは積分定数)
すなわち |y| = ecx2ex なので, ±ec = C とおいて
y = Cx2ex (C 6= 0 は定数)
また y ≡ 0 (y は恒等的に 0) も解なので, C = 0も含めて最終的な答えは
y = Cx2ex (C は任意の定数)
I.常微分方程式の初等積分法 – p.5/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[練習問題]
x2y′ = (x − 1)y の一般解を求めよ.
解答 この方程式は形式的に と書けるので変数分離形である
従って 両辺を積分して より
また も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.6/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[練習問題]
x2y′ = (x − 1)y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式は形式的に dy
y=
„
1
x−
1
x2
«
dxと書けるので変数分離形である.
従って 両辺を積分して より
また も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.6/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[練習問題]
x2y′ = (x − 1)y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式は形式的に dy
y=
„
1
x−
1
x2
«
dxと書けるので変数分離形である.
従って,両辺を積分してZ
dy
y=
Z „
1
x−
1
x2
«
dxより y = Cxe1
x (C 6= 0)
また も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.6/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[練習問題]
x2y′ = (x − 1)y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式は形式的に dy
y=
„
1
x−
1
x2
«
dxと書けるので変数分離形である.
従って,両辺を積分してZ
dy
y=
Z „
1
x−
1
x2
«
dxより y = Cxe1
x (C 6= 0)
また y ≡ 0も解なので, C = 0も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.6/30
1.変数分離形 (単に両辺を積分するだけ)
[練習問題]
x2y′ = (x − 1)y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式は形式的に dy
y=
„
1
x−
1
x2
«
dxと書けるので変数分離形である.
従って,両辺を積分してZ
dy
y=
Z „
1
x−
1
x2
«
dxより y = Cxe1
x (C 6= 0)
また y ≡ 0も解なので, C = 0も含めて最終的な答えは
y = Cxe1
x (C は任意の定数)
I.常微分方程式の初等積分法 – p.6/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするとき
dy
dx= f
“ y
x
”
(2)
の形の常微分方程式を同次形の微分方程式とよぶ.
この形の微分方程式は すなわち とおくとなので 方程式は
すなわち
となり についての変数分離形となるこれを について解き
として解が得られる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.8/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするとき
dy
dx= f
“ y
x
”
(2)
の形の常微分方程式を同次形の微分方程式とよぶ.
この形の微分方程式は, u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおくと,
なので 方程式は
すなわち
となり についての変数分離形となるこれを について解き
として解が得られる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.8/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするとき
dy
dx= f
“ y
x
”
(2)
の形の常微分方程式を同次形の微分方程式とよぶ.
この形の微分方程式は, u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおくと,
dy
dx= x
du
dx+ u
なので,
方程式は
すなわち
となり についての変数分離形となるこれを について解き
として解が得られる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.8/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするとき
dy
dx= f
“ y
x
”
(2)
の形の常微分方程式を同次形の微分方程式とよぶ.
この形の微分方程式は, u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおくと,
dy
dx= x
du
dx+ u
なので, 方程式は
xdu
dx+ u = f(u) すなわち du
dx=
f(u) − u
x
となり uについての変数分離形となる.
これを について解き
として解が得られる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.8/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするとき
dy
dx= f
“ y
x
”
(2)
の形の常微分方程式を同次形の微分方程式とよぶ.
この形の微分方程式は, u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおくと,
dy
dx= x
du
dx+ u
なので, 方程式は
xdu
dx+ u = f(u) すなわち du
dx=
f(u) − u
x
となり uについての変数分離形となる.これを u = u(x)について解き
y(x) = xu(x)
として解が得られる.
I.常微分方程式の初等積分法 – p.8/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[例題]
2xyy′ = x2 + y2 の一般解を求めよ.
解答 この方程式は
と変形できるので同次形であるすなわち とおいて より 方程式は
すなわち
となり についての変数分離形となる これを解くと
は積分定数
すなわち は定数 とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.9/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[例題]
2xyy′ = x2 + y2 の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
x2 + y2
2xy=
1 +`
y
x
´2
2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
すなわち とおいて より 方程式は
すなわち
となり についての変数分離形となる これを解くと
は積分定数
すなわち は定数 とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.9/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[例題]
2xyy′ = x2 + y2 の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
x2 + y2
2xy=
1 +`
y
x
´2
2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより
方程式は
すなわち
となり についての変数分離形となる これを解くと
は積分定数
すなわち は定数 とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.9/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[例題]
2xyy′ = x2 + y2 の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
x2 + y2
2xy=
1 +`
y
x
´2
2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
1 + u2
2uすなわち du
dx=
1 − u2
2xu
となり uについての変数分離形となる.
これを解くと
は積分定数
すなわち は定数 とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.9/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[例題]
2xyy′ = x2 + y2 の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
x2 + y2
2xy=
1 +`
y
x
´2
2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
1 + u2
2uすなわち du
dx=
1 − u2
2xu
となり uについての変数分離形となる. これを解くとZ
2u
u2 − 1du = −
Z
dx
x··· log |u2 − 1| = − log |x| + c (cは積分定数)
すなわち は定数 とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.9/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[例題]
2xyy′ = x2 + y2 の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
x2 + y2
2xy=
1 +`
y
x
´2
2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
1 + u2
2uすなわち du
dx=
1 − u2
2xu
となり uについての変数分離形となる. これを解くとZ
2u
u2 − 1du = −
Z
dx
x··· log |u2 − 1| = − log |x| + c (cは積分定数)
すなわち (u2 − 1)x = C (C 6= 0は定数).
とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.9/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[例題]
2xyy′ = x2 + y2 の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
x2 + y2
2xy=
1 +`
y
x
´2
2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
1 + u2
2uすなわち du
dx=
1 − u2
2xu
となり uについての変数分離形となる. これを解くとZ
2u
u2 − 1du = −
Z
dx
x··· log |u2 − 1| = − log |x| + c (cは積分定数)
すなわち (u2 − 1)x = C (C 6= 0は定数). u(x) = y
xとおいて y2 − x2 = Cx.
また も解なので も含めて最終的な答えはは任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.9/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[例題]
2xyy′ = x2 + y2 の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
x2 + y2
2xy=
1 +`
y
x
´2
2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
1 + u2
2uすなわち du
dx=
1 − u2
2xu
となり uについての変数分離形となる. これを解くとZ
2u
u2 − 1du = −
Z
dx
x··· log |u2 − 1| = − log |x| + c (cは積分定数)
すなわち (u2 − 1)x = C (C 6= 0は定数). u(x) = y
xとおいて y2 − x2 = Cx.
また y = ±xも解なので, C = 0も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.9/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[例題]
2xyy′ = x2 + y2 の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
x2 + y2
2xy=
1 +`
y
x
´2
2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
1 + u2
2uすなわち du
dx=
1 − u2
2xu
となり uについての変数分離形となる. これを解くとZ
2u
u2 − 1du = −
Z
dx
x··· log |u2 − 1| = − log |x| + c (cは積分定数)
すなわち (u2 − 1)x = C (C 6= 0は定数). u(x) = y
xとおいて y2 − x2 = Cx.
また y = ±xも解なので, C = 0も含めて最終的な答えはy2 − x2 = Cx (C は任意の定数)
I.常微分方程式の初等積分法 – p.9/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[練習問題]
(x − 2y)y′ = 2x − y の一般解を求めよ.
解答 この方程式は
と変形できるので同次形であるすなわち とおいて より 方程式は
すなわち
となり についての変数分離形となる これを解くと
は積分定数
すなわち は定数 とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.10/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[練習問題]
(x − 2y)y′ = 2x − y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
2x − y
x − 2y=
2 −`
y
x
´
1 − 2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
すなわち とおいて より 方程式は
すなわち
となり についての変数分離形となる これを解くと
は積分定数
すなわち は定数 とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.10/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[練習問題]
(x − 2y)y′ = 2x − y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
2x − y
x − 2y=
2 −`
y
x
´
1 − 2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより
方程式は
すなわち
となり についての変数分離形となる これを解くと
は積分定数
すなわち は定数 とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.10/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[練習問題]
(x − 2y)y′ = 2x − y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
2x − y
x − 2y=
2 −`
y
x
´
1 − 2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
2 − u
1 − 2uすなわち du
dx= 2
1 − u + u2
x(1 − 2u)
となり uについての変数分離形となる.
これを解くと
は積分定数
すなわち は定数 とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.10/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[練習問題]
(x − 2y)y′ = 2x − y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
2x − y
x − 2y=
2 −`
y
x
´
1 − 2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
2 − u
1 − 2uすなわち du
dx= 2
1 − u + u2
x(1 − 2u)
となり uについての変数分離形となる. これを解くとZ
1 − 2u
1 − u + u2du = 2
Z
dx
x··· − log |1 − u + u2| = 2 log |x| + c (cは積分定数)
すなわち は定数 とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.10/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[練習問題]
(x − 2y)y′ = 2x − y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
2x − y
x − 2y=
2 −`
y
x
´
1 − 2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
2 − u
1 − 2uすなわち du
dx= 2
1 − u + u2
x(1 − 2u)
となり uについての変数分離形となる. これを解くとZ
1 − 2u
1 − u + u2du = 2
Z
dx
x··· − log |1 − u + u2| = 2 log |x| + c (cは積分定数)
すなわち (u2 − u + 1)x2 = C (C 6= 0は定数).
とおいてまた も解なので も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.10/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[練習問題]
(x − 2y)y′ = 2x − y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
2x − y
x − 2y=
2 −`
y
x
´
1 − 2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
2 − u
1 − 2uすなわち du
dx= 2
1 − u + u2
x(1 − 2u)
となり uについての変数分離形となる. これを解くとZ
1 − 2u
1 − u + u2du = 2
Z
dx
x··· − log |1 − u + u2| = 2 log |x| + c (cは積分定数)
すなわち (u2 − u + 1)x2 = C (C 6= 0は定数). u(x) = y
xとおいて
x2 − xy + y2 = C.
また も解なので も含めて最終的な答えはは任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.10/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[練習問題]
(x − 2y)y′ = 2x − y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
2x − y
x − 2y=
2 −`
y
x
´
1 − 2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
2 − u
1 − 2uすなわち du
dx= 2
1 − u + u2
x(1 − 2u)
となり uについての変数分離形となる. これを解くとZ
1 − 2u
1 − u + u2du = 2
Z
dx
x··· − log |1 − u + u2| = 2 log |x| + c (cは積分定数)
すなわち (u2 − u + 1)x2 = C (C 6= 0は定数). u(x) = y
xとおいて
x2 − xy + y2 = C. また x2 − xy + y2 = 0も解なので, C = 0も含めて最終的な答えは
は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.10/30
2.同次形 (u =y
xとおいて変数分離形に帰着)
[練習問題]
(x − 2y)y′ = 2x − y の一般解を求めよ.
[解答]この方程式はdy
dx=
2x − y
x − 2y=
2 −`
y
x
´
1 − 2`
y
x
´
と変形できるので同次形である.
u(x) =y(x)
xすなわち y(x) = xu(x)とおいて,
dy
dx= x
du
dx+ uより方程式は
xdu
dx+ u =
2 − u
1 − 2uすなわち du
dx= 2
1 − u + u2
x(1 − 2u)
となり uについての変数分離形となる. これを解くとZ
1 − 2u
1 − u + u2du = 2
Z
dx
x··· − log |1 − u + u2| = 2 log |x| + c (cは積分定数)
すなわち (u2 − u + 1)x2 = C (C 6= 0は定数). u(x) = y
xとおいて
x2 − xy + y2 = C. また x2 − xy + y2 = 0も解なので, C = 0も含めて最終的な答えはx2 − xy + y2 = C (C は任意の定数)
I.常微分方程式の初等積分法 – p.10/30
3.完全微分方程式
y を xの関数 y = y(x)として,常にdy
dx= f(x)
の関係が成り立つ訳ではないが,
毎に
または
のどちらかが成り立つとき
と書くこの微分方程式に対し の関数 で となるものが
あれば が の一般解になるが について解けて と が の関数として表せる場合の両辺を で微分して
が について解けて と が の関数として表せる場合の両辺を で微分して
よって は を満たす
I.常微分方程式の初等積分法 – p.12/30
3.完全微分方程式
y を xの関数 y = y(x)として,常にdy
dx= f(x)
の関係が成り立つ訳ではないが, (x, y)毎に
M(x, y) + N(x, y)dy
dx= 0 または M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
のどちらかが成り立つとき,
と書くこの微分方程式に対し の関数 で となるものが
あれば が の一般解になるが について解けて と が の関数として表せる場合の両辺を で微分して
が について解けて と が の関数として表せる場合の両辺を で微分して
よって は を満たす
I.常微分方程式の初等積分法 – p.12/30
3.完全微分方程式
y を xの関数 y = y(x)として,常にdy
dx= f(x)
の関係が成り立つ訳ではないが, (x, y)毎に
M(x, y) + N(x, y)dy
dx= 0 または M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
のどちらかが成り立つとき,
M(x, y)dx + N(x, y)dy = 0 (3)
と書く.
この微分方程式に対し の関数 で となるものが
あれば が の一般解になるが について解けて と が の関数として表せる場合の両辺を で微分して
が について解けて と が の関数として表せる場合の両辺を で微分して
よって は を満たす
I.常微分方程式の初等積分法 – p.12/30
3.完全微分方程式
y を xの関数 y = y(x)として,常にdy
dx= f(x)
の関係が成り立つ訳ではないが, (x, y)毎に
M(x, y) + N(x, y)dy
dx= 0 または M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
のどちらかが成り立つとき,
M(x, y)dx + N(x, y)dy = 0 (3)
と書く.
この微分方程式に対し x, y の関数 u(x, y)で, M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yとなるものが
あれば, u(x, y) = C が (3)の一般解になる.
が について解けて と が の関数として表せる場合の両辺を で微分して
が について解けて と が の関数として表せる場合の両辺を で微分して
よって は を満たす
I.常微分方程式の初等積分法 – p.12/30
3.完全微分方程式
y を xの関数 y = y(x)として,常にdy
dx= f(x)
の関係が成り立つ訳ではないが, (x, y)毎に
M(x, y) + N(x, y)dy
dx= 0 または M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
のどちらかが成り立つとき,
M(x, y)dx + N(x, y)dy = 0 (3)
と書く.
この微分方程式に対し x, y の関数 u(x, y)で, M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yとなるものが
あれば, u(x, y) = C が (3)の一般解になる.··· u(x, y) = C が xについて解けて, u(x, y(x)) = C と y が xの関数として表せる場合
の両辺を で微分して
が について解けて と が の関数として表せる場合の両辺を で微分して
よって は を満たす
I.常微分方程式の初等積分法 – p.12/30
3.完全微分方程式
y を xの関数 y = y(x)として,常にdy
dx= f(x)
の関係が成り立つ訳ではないが, (x, y)毎に
M(x, y) + N(x, y)dy
dx= 0 または M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
のどちらかが成り立つとき,
M(x, y)dx + N(x, y)dy = 0 (3)
と書く.
この微分方程式に対し x, y の関数 u(x, y)で, M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yとなるものが
あれば, u(x, y) = C が (3)の一般解になる.··· u(x, y) = C が xについて解けて, u(x, y(x)) = C と y が xの関数として表せる場合u(x, y(x)) = C の両辺を xで微分して,
が について解けて と が の関数として表せる場合の両辺を で微分して
よって は を満たす
I.常微分方程式の初等積分法 – p.12/30
3.完全微分方程式
y を xの関数 y = y(x)として,常にdy
dx= f(x)
の関係が成り立つ訳ではないが, (x, y)毎に
M(x, y) + N(x, y)dy
dx= 0 または M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
のどちらかが成り立つとき,
M(x, y)dx + N(x, y)dy = 0 (3)
と書く.
この微分方程式に対し x, y の関数 u(x, y)で, M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yとなるものが
あれば, u(x, y) = C が (3)の一般解になる.··· u(x, y) = C が xについて解けて, u(x, y(x)) = C と y が xの関数として表せる場合u(x, y(x)) = C の両辺を xで微分して,
∂u
∂x+
∂u
∂y
dy
dx= M(x, y) + N(x, y)
dy
dx= 0
が について解けて と が の関数として表せる場合の両辺を で微分して
よって は を満たす
I.常微分方程式の初等積分法 – p.12/30
3.完全微分方程式
y を xの関数 y = y(x)として,常にdy
dx= f(x)
の関係が成り立つ訳ではないが, (x, y)毎に
M(x, y) + N(x, y)dy
dx= 0 または M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
のどちらかが成り立つとき,
M(x, y)dx + N(x, y)dy = 0 (3)
と書く.
この微分方程式に対し x, y の関数 u(x, y)で, M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yとなるものが
あれば, u(x, y) = C が (3)の一般解になる.··· u(x, y) = C が xについて解けて, u(x, y(x)) = C と y が xの関数として表せる場合u(x, y(x)) = C の両辺を xで微分して,
∂u
∂x+
∂u
∂y
dy
dx= M(x, y) + N(x, y)
dy
dx= 0
u(x, y) = C が y について解けて, u(x(y), y) = C と xが y の関数として表せる場合
の両辺を で微分して
よって は を満たす
I.常微分方程式の初等積分法 – p.12/30
3.完全微分方程式
y を xの関数 y = y(x)として,常にdy
dx= f(x)
の関係が成り立つ訳ではないが, (x, y)毎に
M(x, y) + N(x, y)dy
dx= 0 または M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
のどちらかが成り立つとき,
M(x, y)dx + N(x, y)dy = 0 (3)
と書く.
この微分方程式に対し x, y の関数 u(x, y)で, M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yとなるものが
あれば, u(x, y) = C が (3)の一般解になる.··· u(x, y) = C が xについて解けて, u(x, y(x)) = C と y が xの関数として表せる場合u(x, y(x)) = C の両辺を xで微分して,
∂u
∂x+
∂u
∂y
dy
dx= M(x, y) + N(x, y)
dy
dx= 0
u(x, y) = C が y について解けて, u(x(y), y) = C と xが y の関数として表せる場合u(x(y), y) = C の両辺を y で微分して,
よって は を満たす
I.常微分方程式の初等積分法 – p.12/30
3.完全微分方程式
y を xの関数 y = y(x)として,常にdy
dx= f(x)
の関係が成り立つ訳ではないが, (x, y)毎に
M(x, y) + N(x, y)dy
dx= 0 または M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
のどちらかが成り立つとき,
M(x, y)dx + N(x, y)dy = 0 (3)
と書く.
この微分方程式に対し x, y の関数 u(x, y)で, M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yとなるものが
あれば, u(x, y) = C が (3)の一般解になる.··· u(x, y) = C が xについて解けて, u(x, y(x)) = C と y が xの関数として表せる場合u(x, y(x)) = C の両辺を xで微分して,
∂u
∂x+
∂u
∂y
dy
dx= M(x, y) + N(x, y)
dy
dx= 0
u(x, y) = C が y について解けて, u(x(y), y) = C と xが y の関数として表せる場合u(x(y), y) = C の両辺を y で微分して,
∂u
∂x
dx
dy+
∂u
∂y= M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
よって は を満たす
I.常微分方程式の初等積分法 – p.12/30
3.完全微分方程式
y を xの関数 y = y(x)として,常にdy
dx= f(x)
の関係が成り立つ訳ではないが, (x, y)毎に
M(x, y) + N(x, y)dy
dx= 0 または M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
のどちらかが成り立つとき,
M(x, y)dx + N(x, y)dy = 0 (3)
と書く.
この微分方程式に対し x, y の関数 u(x, y)で, M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yとなるものが
あれば, u(x, y) = C が (3)の一般解になる.··· u(x, y) = C が xについて解けて, u(x, y(x)) = C と y が xの関数として表せる場合u(x, y(x)) = C の両辺を xで微分して,
∂u
∂x+
∂u
∂y
dy
dx= M(x, y) + N(x, y)
dy
dx= 0
u(x, y) = C が y について解けて, u(x(y), y) = C と xが y の関数として表せる場合u(x(y), y) = C の両辺を y で微分して,
∂u
∂x
dx
dy+
∂u
∂y= M(x, y)
dx
dy+ N(x, y) = 0
よって, u(x, y) = C は (3)を満たす.
I.常微分方程式の初等積分法 – p.12/30
3.完全微分方程式
[判定法]
M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yならば,
∂M(x, y)
∂y=
∂2u
∂y∂x,
∂N(x, y)
∂x=
∂2u
∂x∂yなので,
*
が成り立つ は二回連続的微分可能とする * が成り立つ場合 は完全であるというの求め方
の両辺を で積分して
は のみの関数
これを で偏微分して
より を求めると が求まる注
として から を求めても良い
I.常微分方程式の初等積分法 – p.13/30
3.完全微分方程式
[判定法]
M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yならば,
∂M(x, y)
∂y=
∂2u
∂y∂x,
∂N(x, y)
∂x=
∂2u
∂x∂yなので,
∂M(x, y)
∂y=
∂N(x, y)
∂x(*)
が成り立つ.(uは二回連続的微分可能とする.)
* が成り立つ場合 は完全であるというの求め方
の両辺を で積分して
は のみの関数
これを で偏微分して
より を求めると が求まる注
として から を求めても良い
I.常微分方程式の初等積分法 – p.13/30
3.完全微分方程式
[判定法]
M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yならば,
∂M(x, y)
∂y=
∂2u
∂y∂x,
∂N(x, y)
∂x=
∂2u
∂x∂yなので,
∂M(x, y)
∂y=
∂N(x, y)
∂x(*)
が成り立つ.(uは二回連続的微分可能とする.) (*)が成り立つ場合, (3)は完全であるという.
の求め方
の両辺を で積分して
は のみの関数
これを で偏微分して
より を求めると が求まる注
として から を求めても良い
I.常微分方程式の初等積分法 – p.13/30
3.完全微分方程式
[判定法]
M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yならば,
∂M(x, y)
∂y=
∂2u
∂y∂x,
∂N(x, y)
∂x=
∂2u
∂x∂yなので,
∂M(x, y)
∂y=
∂N(x, y)
∂x(*)
が成り立つ.(uは二回連続的微分可能とする.) (*)が成り立つ場合, (3)は完全であるという.[uの求め方]
の両辺を で積分して
は のみの関数
これを で偏微分して
より を求めると が求まる注
として から を求めても良い
I.常微分方程式の初等積分法 – p.13/30
3.完全微分方程式
[判定法]
M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yならば,
∂M(x, y)
∂y=
∂2u
∂y∂x,
∂N(x, y)
∂x=
∂2u
∂x∂yなので,
∂M(x, y)
∂y=
∂N(x, y)
∂x(*)
が成り立つ.(uは二回連続的微分可能とする.) (*)が成り立つ場合, (3)は完全であるという.[uの求め方]
∂u
∂x= M(x, y)の両辺を xで積分して
u(x, y) =
Z
M(x, y)dx + k(y), (k(y)は y のみの関数)
これを で偏微分して
より を求めると が求まる注
として から を求めても良い
I.常微分方程式の初等積分法 – p.13/30
3.完全微分方程式
[判定法]
M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yならば,
∂M(x, y)
∂y=
∂2u
∂y∂x,
∂N(x, y)
∂x=
∂2u
∂x∂yなので,
∂M(x, y)
∂y=
∂N(x, y)
∂x(*)
が成り立つ.(uは二回連続的微分可能とする.) (*)が成り立つ場合, (3)は完全であるという.[uの求め方]
∂u
∂x= M(x, y)の両辺を xで積分して
u(x, y) =
Z
M(x, y)dx + k(y), (k(y)は y のみの関数)
これを y で偏微分して∂u
∂y=
∂
∂y
Z
Mdx +dk
dy= N(x, y)
より k(y)を求めると u(x, y)が求まる.
注 として から を求めても良い
I.常微分方程式の初等積分法 – p.13/30
3.完全微分方程式
[判定法]
M(x, y) =∂u
∂x, N(x, y) =
∂u
∂yならば,
∂M(x, y)
∂y=
∂2u
∂y∂x,
∂N(x, y)
∂x=
∂2u
∂x∂yなので,
∂M(x, y)
∂y=
∂N(x, y)
∂x(*)
が成り立つ.(uは二回連続的微分可能とする.) (*)が成り立つ場合, (3)は完全であるという.[uの求め方]
∂u
∂x= M(x, y)の両辺を xで積分して
u(x, y) =
Z
M(x, y)dx + k(y), (k(y)は y のみの関数)
これを y で偏微分して∂u
∂y=
∂
∂y
Z
Mdx +dk
dy= N(x, y)
より k(y)を求めると u(x, y)が求まる.[注] u(x, y) =
Z
N(x, y)dy + l(x)として,∂u
∂x= M(x, y)から l(x)を求めても良い.
I.常微分方程式の初等積分法 – p.13/30
3.完全微分方程式
[例題]
2x sin 3ydx + 3x2 cos 3ydy = 0 を解け
解答
よりこの方程式は完全である 従って
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.14/30
3.完全微分方程式
[例題]
2x sin 3ydx + 3x2 cos 3ydy = 0 を解け
[解答]
∂
∂y(2x sin 3y) = 6x cos 3y =
∂
∂x(3x2 cos 3y)よりこの方程式は完全である.
従って
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.14/30
3.完全微分方程式
[例題]
2x sin 3ydx + 3x2 cos 3ydy = 0 を解け
[解答]
∂
∂y(2x sin 3y) = 6x cos 3y =
∂
∂x(3x2 cos 3y)よりこの方程式は完全である. 従って
u(x, y) =
Z
2x sin 3y dx + k(y) = x2 sin 3y + k(y).
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.14/30
3.完全微分方程式
[例題]
2x sin 3ydx + 3x2 cos 3ydy = 0 を解け
[解答]
∂
∂y(2x sin 3y) = 6x cos 3y =
∂
∂x(3x2 cos 3y)よりこの方程式は完全である. 従って
u(x, y) =
Z
2x sin 3y dx + k(y) = x2 sin 3y + k(y).
これを y で微分して∂
∂y
`
x2 sin 3y + k(y)´
= 3x2 cos 3y +dk
dy= 3x2 cos 3y
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.14/30
3.完全微分方程式
[例題]
2x sin 3ydx + 3x2 cos 3ydy = 0 を解け
[解答]
∂
∂y(2x sin 3y) = 6x cos 3y =
∂
∂x(3x2 cos 3y)よりこの方程式は完全である. 従って
u(x, y) =
Z
2x sin 3y dx + k(y) = x2 sin 3y + k(y).
これを y で微分して∂
∂y
`
x2 sin 3y + k(y)´
= 3x2 cos 3y +dk
dy= 3x2 cos 3y
よって dk
dy= 0
即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.14/30
3.完全微分方程式
[例題]
2x sin 3ydx + 3x2 cos 3ydy = 0 を解け
[解答]
∂
∂y(2x sin 3y) = 6x cos 3y =
∂
∂x(3x2 cos 3y)よりこの方程式は完全である. 従って
u(x, y) =
Z
2x sin 3y dx + k(y) = x2 sin 3y + k(y).
これを y で微分して∂
∂y
`
x2 sin 3y + k(y)´
= 3x2 cos 3y +dk
dy= 3x2 cos 3y
よって dk
dy= 0 即ち k = C′ (定数)
従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.14/30
3.完全微分方程式
[例題]
2x sin 3ydx + 3x2 cos 3ydy = 0 を解け
[解答]
∂
∂y(2x sin 3y) = 6x cos 3y =
∂
∂x(3x2 cos 3y)よりこの方程式は完全である. 従って
u(x, y) =
Z
2x sin 3y dx + k(y) = x2 sin 3y + k(y).
これを y で微分して∂
∂y
`
x2 sin 3y + k(y)´
= 3x2 cos 3y +dk
dy= 3x2 cos 3y
よって dk
dy= 0 即ち k = C′ (定数) 従って一般解は
x2 sin 3y = C
I.常微分方程式の初等積分法 – p.14/30
3.完全微分方程式
[練習問題1]
x2 + y2 = C を一般解とする完全微分方程式を導け.
解答とおくと よって求める微分方程式は
両辺を 割って でも同じ
練習問題2が完全であることを示し、解け
解答
より この方程式は完全である 従って
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.15/30
3.完全微分方程式
[練習問題1]
x2 + y2 = C を一般解とする完全微分方程式を導け.
[解答]
u(x, y) = x2 + y2 とおくと
よって求める微分方程式は
両辺を 割って でも同じ
練習問題2が完全であることを示し、解け
解答
より この方程式は完全である 従って
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.15/30
3.完全微分方程式
[練習問題1]
x2 + y2 = C を一般解とする完全微分方程式を導け.
[解答]
u(x, y) = x2 + y2 とおくと ∂u
∂xdx +
∂u
∂ydy = 2xdx + 2ydy
よって求める微分方程式は
両辺を 割って でも同じ
練習問題2が完全であることを示し、解け
解答
より この方程式は完全である 従って
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.15/30
3.完全微分方程式
[練習問題1]
x2 + y2 = C を一般解とする完全微分方程式を導け.
[解答]
u(x, y) = x2 + y2 とおくと ∂u
∂xdx +
∂u
∂ydy = 2xdx + 2ydy よって求める微分方程式は
2xdx + 2ydy = 0 (両辺を 2 割って xdx + ydy = 0でも同じ )
練習問題2が完全であることを示し、解け
解答
より この方程式は完全である 従って
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.15/30
3.完全微分方程式
[練習問題1]
x2 + y2 = C を一般解とする完全微分方程式を導け.
[解答]
u(x, y) = x2 + y2 とおくと ∂u
∂xdx +
∂u
∂ydy = 2xdx + 2ydy よって求める微分方程式は
2xdx + 2ydy = 0 (両辺を 2 割って xdx + ydy = 0でも同じ )
[練習問題2]ydx + xdy = 0 が完全であることを示し、解け.
解答
より この方程式は完全である 従って
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.15/30
3.完全微分方程式
[練習問題1]
x2 + y2 = C を一般解とする完全微分方程式を導け.
[解答]
u(x, y) = x2 + y2 とおくと ∂u
∂xdx +
∂u
∂ydy = 2xdx + 2ydy よって求める微分方程式は
2xdx + 2ydy = 0 (両辺を 2 割って xdx + ydy = 0でも同じ )
[練習問題2]ydx + xdy = 0 が完全であることを示し、解け.
[解答]
∂
∂y(y) = 1 =
∂
∂x(x)より,この方程式は完全である.
従って
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.15/30
3.完全微分方程式
[練習問題1]
x2 + y2 = C を一般解とする完全微分方程式を導け.
[解答]
u(x, y) = x2 + y2 とおくと ∂u
∂xdx +
∂u
∂ydy = 2xdx + 2ydy よって求める微分方程式は
2xdx + 2ydy = 0 (両辺を 2 割って xdx + ydy = 0でも同じ )
[練習問題2]ydx + xdy = 0 が完全であることを示し、解け.
[解答]
∂
∂y(y) = 1 =
∂
∂x(x)より,この方程式は完全である. 従って
u(x, y) =
Z
y dx + k(y) = xy + k(y).
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.15/30
3.完全微分方程式
[練習問題1]
x2 + y2 = C を一般解とする完全微分方程式を導け.
[解答]
u(x, y) = x2 + y2 とおくと ∂u
∂xdx +
∂u
∂ydy = 2xdx + 2ydy よって求める微分方程式は
2xdx + 2ydy = 0 (両辺を 2 割って xdx + ydy = 0でも同じ )
[練習問題2]ydx + xdy = 0 が完全であることを示し、解け.
[解答]
∂
∂y(y) = 1 =
∂
∂x(x)より,この方程式は完全である. 従って
u(x, y) =
Z
y dx + k(y) = xy + k(y).
これを y で微分して∂
∂y(xy + k(y)) = x +
dk
dy= x
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.15/30
3.完全微分方程式
[練習問題1]
x2 + y2 = C を一般解とする完全微分方程式を導け.
[解答]
u(x, y) = x2 + y2 とおくと ∂u
∂xdx +
∂u
∂ydy = 2xdx + 2ydy よって求める微分方程式は
2xdx + 2ydy = 0 (両辺を 2 割って xdx + ydy = 0でも同じ )
[練習問題2]ydx + xdy = 0 が完全であることを示し、解け.
[解答]
∂
∂y(y) = 1 =
∂
∂x(x)より,この方程式は完全である. 従って
u(x, y) =
Z
y dx + k(y) = xy + k(y).
これを y で微分して∂
∂y(xy + k(y)) = x +
dk
dy= x
よって dk
dy= 0
即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.15/30
3.完全微分方程式
[練習問題1]
x2 + y2 = C を一般解とする完全微分方程式を導け.
[解答]
u(x, y) = x2 + y2 とおくと ∂u
∂xdx +
∂u
∂ydy = 2xdx + 2ydy よって求める微分方程式は
2xdx + 2ydy = 0 (両辺を 2 割って xdx + ydy = 0でも同じ )
[練習問題2]ydx + xdy = 0 が完全であることを示し、解け.
[解答]
∂
∂y(y) = 1 =
∂
∂x(x)より,この方程式は完全である. 従って
u(x, y) =
Z
y dx + k(y) = xy + k(y).
これを y で微分して∂
∂y(xy + k(y)) = x +
dk
dy= x
よって dk
dy= 0 即ち k = C′ (定数)
従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.15/30
3.完全微分方程式
[練習問題1]
x2 + y2 = C を一般解とする完全微分方程式を導け.
[解答]
u(x, y) = x2 + y2 とおくと ∂u
∂xdx +
∂u
∂ydy = 2xdx + 2ydy よって求める微分方程式は
2xdx + 2ydy = 0 (両辺を 2 割って xdx + ydy = 0でも同じ )
[練習問題2]ydx + xdy = 0 が完全であることを示し、解け.
[解答]
∂
∂y(y) = 1 =
∂
∂x(x)より,この方程式は完全である. 従って
u(x, y) =
Z
y dx + k(y) = xy + k(y).
これを y で微分して∂
∂y(xy + k(y)) = x +
dk
dy= x
よって dk
dy= 0 即ち k = C′ (定数) 従って一般解は
xy = C
I.常微分方程式の初等積分法 – p.15/30
4.積分因子
与えられた微分方程式P (x, y)dx + Q(x, y)dy = 0
は完全ではないが,適当な関数 F (x, y)を全体に掛けることにより,
F (x, y)P (x, y)dx + F (x, y)Q(x, y)dy = 0
を完全に出来るものがある.
この様な を この微分方程式の積分因子と呼ぶ注意積分因子は 存在する場合 一つではない 実は無限箇例題
は微分方程式
の積分因子であること示し この方程式を解け解答元の方程式に を掛けた微分方程式
は完全であり その一般解は である
I.常微分方程式の初等積分法 – p.17/30
4.積分因子
与えられた微分方程式P (x, y)dx + Q(x, y)dy = 0
は完全ではないが,適当な関数 F (x, y)を全体に掛けることにより,
F (x, y)P (x, y)dx + F (x, y)Q(x, y)dy = 0
を完全に出来るものがある. この様な F (x, y)を,この微分方程式の積分因子と呼ぶ.
注意積分因子は 存在する場合 一つではない 実は無限箇例題
は微分方程式
の積分因子であること示し この方程式を解け解答元の方程式に を掛けた微分方程式
は完全であり その一般解は である
I.常微分方程式の初等積分法 – p.17/30
4.積分因子
与えられた微分方程式P (x, y)dx + Q(x, y)dy = 0
は完全ではないが,適当な関数 F (x, y)を全体に掛けることにより,
F (x, y)P (x, y)dx + F (x, y)Q(x, y)dy = 0
を完全に出来るものがある. この様な F (x, y)を,この微分方程式の積分因子と呼ぶ.[注意]
積分因子は (存在する場合)一つではない (実は無限箇).
例題は微分方程式
の積分因子であること示し この方程式を解け解答元の方程式に を掛けた微分方程式
は完全であり その一般解は である
I.常微分方程式の初等積分法 – p.17/30
4.積分因子
与えられた微分方程式P (x, y)dx + Q(x, y)dy = 0
は完全ではないが,適当な関数 F (x, y)を全体に掛けることにより,
F (x, y)P (x, y)dx + F (x, y)Q(x, y)dy = 0
を完全に出来るものがある. この様な F (x, y)を,この微分方程式の積分因子と呼ぶ.[注意]
積分因子は (存在する場合)一つではない (実は無限箇).[例題]
F (x, y) = 1x2は微分方程式
−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.
解答元の方程式に を掛けた微分方程式
は完全であり その一般解は である
I.常微分方程式の初等積分法 – p.17/30
4.積分因子
与えられた微分方程式P (x, y)dx + Q(x, y)dy = 0
は完全ではないが,適当な関数 F (x, y)を全体に掛けることにより,
F (x, y)P (x, y)dx + F (x, y)Q(x, y)dy = 0
を完全に出来るものがある. この様な F (x, y)を,この微分方程式の積分因子と呼ぶ.[注意]
積分因子は (存在する場合)一つではない (実は無限箇).[例題]
F (x, y) = 1x2は微分方程式
−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.[解答]
元の方程式に F (x, y)を掛けた微分方程式
−y
x2dx +
1
xdy = 0
は完全であり,
その一般解は である
I.常微分方程式の初等積分法 – p.17/30
4.積分因子
与えられた微分方程式P (x, y)dx + Q(x, y)dy = 0
は完全ではないが,適当な関数 F (x, y)を全体に掛けることにより,
F (x, y)P (x, y)dx + F (x, y)Q(x, y)dy = 0
を完全に出来るものがある. この様な F (x, y)を,この微分方程式の積分因子と呼ぶ.[注意]
積分因子は (存在する場合)一つではない (実は無限箇).[例題]
F (x, y) = 1x2は微分方程式
−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.[解答]
元の方程式に F (x, y)を掛けた微分方程式
−y
x2dx +
1
xdy = 0
は完全であり, その一般解は y
x= C である.
I.常微分方程式の初等積分法 – p.17/30
4.積分因子
[練習問題]
F (x, y) = 1x2+y2
は微分方程式−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.
解答 元の方程式に を掛けた微分方程式
について
よりこの方程式は完全である
従って
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.18/30
4.積分因子
[練習問題]
F (x, y) = 1x2+y2
は微分方程式−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.[解答]元の方程式に F (x, y)を掛けた微分方程式
−y
x2 + y2dx +
x
x2 + y2dy = 0
について,
よりこの方程式は完全である
従って
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.18/30
4.積分因子
[練習問題]
F (x, y) = 1x2+y2
は微分方程式−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.[解答]元の方程式に F (x, y)を掛けた微分方程式
−y
x2 + y2dx +
x
x2 + y2dy = 0
について,∂
∂y
„
−y
x2 + y2
«
=y2 − x2
(x2 + y2)2=
∂
∂x
„
x
x2 + y2
«
よりこの方程式は完全である.
従って
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.18/30
4.積分因子
[練習問題]
F (x, y) = 1x2+y2
は微分方程式−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.[解答]元の方程式に F (x, y)を掛けた微分方程式
−y
x2 + y2dx +
x
x2 + y2dy = 0
について,∂
∂y
„
−y
x2 + y2
«
=y2 − x2
(x2 + y2)2=
∂
∂x
„
x
x2 + y2
«
よりこの方程式は完全である.
従ってu(x, y) = −
Z
y
x2 + y2dx + k(y)
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.18/30
4.積分因子
[練習問題]
F (x, y) = 1x2+y2
は微分方程式−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.[解答]元の方程式に F (x, y)を掛けた微分方程式
−y
x2 + y2dx +
x
x2 + y2dy = 0
について,∂
∂y
„
−y
x2 + y2
«
=y2 − x2
(x2 + y2)2=
∂
∂x
„
x
x2 + y2
«
よりこの方程式は完全である.
従ってu(x, y) = −
Z
y
x2 + y2dx + k(y) = −
1
y
Z
1
1 +“
x
y
”2dx + k(y)
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.18/30
4.積分因子
[練習問題]
F (x, y) = 1x2+y2
は微分方程式−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.[解答]元の方程式に F (x, y)を掛けた微分方程式
−y
x2 + y2dx +
x
x2 + y2dy = 0
について,∂
∂y
„
−y
x2 + y2
«
=y2 − x2
(x2 + y2)2=
∂
∂x
„
x
x2 + y2
«
よりこの方程式は完全である.
従ってu(x, y) = −
Z
y
x2 + y2dx + k(y) = −
1
y
Z
1
1 +“
x
y
”2dx + k(y) = − tan−1 x
y+ k(y).
これを で微分して
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.18/30
4.積分因子
[練習問題]
F (x, y) = 1x2+y2
は微分方程式−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.[解答]元の方程式に F (x, y)を掛けた微分方程式
−y
x2 + y2dx +
x
x2 + y2dy = 0
について,∂
∂y
„
−y
x2 + y2
«
=y2 − x2
(x2 + y2)2=
∂
∂x
„
x
x2 + y2
«
よりこの方程式は完全である.
従ってu(x, y) = −
Z
y
x2 + y2dx + k(y) = −
1
y
Z
1
1 +“
x
y
”2dx + k(y) = − tan−1 x
y+ k(y).
これを y で微分して∂
∂y
„
− tan−1 x
y+ k(y)
«
=1
1 +“
x
y
”2
x
y2+
dk
dy=
x
x2 + y2
よって 即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.18/30
4.積分因子
[練習問題]
F (x, y) = 1x2+y2
は微分方程式−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.[解答]元の方程式に F (x, y)を掛けた微分方程式
−y
x2 + y2dx +
x
x2 + y2dy = 0
について,∂
∂y
„
−y
x2 + y2
«
=y2 − x2
(x2 + y2)2=
∂
∂x
„
x
x2 + y2
«
よりこの方程式は完全である.
従ってu(x, y) = −
Z
y
x2 + y2dx + k(y) = −
1
y
Z
1
1 +“
x
y
”2dx + k(y) = − tan−1 x
y+ k(y).
これを y で微分して∂
∂y
„
− tan−1 x
y+ k(y)
«
=1
1 +“
x
y
”2
x
y2+
dk
dy=
x
x2 + y2
よって dk
dy= 0
即ち 定数 従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.18/30
4.積分因子
[練習問題]
F (x, y) = 1x2+y2
は微分方程式−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.[解答]元の方程式に F (x, y)を掛けた微分方程式
−y
x2 + y2dx +
x
x2 + y2dy = 0
について,∂
∂y
„
−y
x2 + y2
«
=y2 − x2
(x2 + y2)2=
∂
∂x
„
x
x2 + y2
«
よりこの方程式は完全である.
従ってu(x, y) = −
Z
y
x2 + y2dx + k(y) = −
1
y
Z
1
1 +“
x
y
”2dx + k(y) = − tan−1 x
y+ k(y).
これを y で微分して∂
∂y
„
− tan−1 x
y+ k(y)
«
=1
1 +“
x
y
”2
x
y2+
dk
dy=
x
x2 + y2
よって dk
dy= 0 即ち k = C′ (定数).
従って一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.18/30
4.積分因子
[練習問題]
F (x, y) = 1x2+y2
は微分方程式−ydx + xdy = 0
の積分因子であること示し,この方程式を解け.[解答]元の方程式に F (x, y)を掛けた微分方程式
−y
x2 + y2dx +
x
x2 + y2dy = 0
について,∂
∂y
„
−y
x2 + y2
«
=y2 − x2
(x2 + y2)2=
∂
∂x
„
x
x2 + y2
«
よりこの方程式は完全である.
従ってu(x, y) = −
Z
y
x2 + y2dx + k(y) = −
1
y
Z
1
1 +“
x
y
”2dx + k(y) = − tan−1 x
y+ k(y).
これを y で微分して∂
∂y
„
− tan−1 x
y+ k(y)
«
=1
1 +“
x
y
”2
x
y2+
dk
dy=
x
x2 + y2
よって dk
dy= 0 即ち k = C′ (定数). 従って一般解は tan−1 x
y= C
I.常微分方程式の初等積分法 – p.18/30
4.積分因子
[積分因子の求め方]
一般に積分因子を求めるのは難しいので, F が以下の様な形をしていると仮定して求める場合が多い:
のみの関数 又は のみの関数
又は例題
の積分因子を求め 解け
解答より この方程式は完全ではない
を積分因子とするとより
従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.19/30
4.積分因子
[積分因子の求め方]
一般に積分因子を求めるのは難しいので, F が以下の様な形をしていると仮定して求める場合が多い:(i) F = F (x) (xのみの関数)又は, F = F (y) (y のみの関数)
又は例題
の積分因子を求め 解け
解答より この方程式は完全ではない
を積分因子とするとより
従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.19/30
4.積分因子
[積分因子の求め方]
一般に積分因子を求めるのは難しいので, F が以下の様な形をしていると仮定して求める場合が多い:(i) F = F (x) (xのみの関数)又は, F = F (y) (y のみの関数)(ii) F = xmyn
又は例題
の積分因子を求め 解け
解答より この方程式は完全ではない
を積分因子とするとより
従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.19/30
4.積分因子
[積分因子の求め方]
一般に積分因子を求めるのは難しいので, F が以下の様な形をしていると仮定して求める場合が多い:(i) F = F (x) (xのみの関数)又は, F = F (y) (y のみの関数)(ii) F = xmyn
(iii) F = F (x + y), F = F (x − y),又は F = F (xy)
例題の積分因子を求め 解け
解答より この方程式は完全ではない
を積分因子とするとより
従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.19/30
4.積分因子
[積分因子の求め方]
一般に積分因子を求めるのは難しいので, F が以下の様な形をしていると仮定して求める場合が多い:(i) F = F (x) (xのみの関数)又は, F = F (y) (y のみの関数)(ii) F = xmyn
(iii) F = F (x + y), F = F (x − y),又は F = F (xy)
[例題](xy + y2)dx + (x2 − xy)dy = 0 の積分因子を求め,解け
解答より この方程式は完全ではない
を積分因子とするとより
従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.19/30
4.積分因子
[積分因子の求め方]
一般に積分因子を求めるのは難しいので, F が以下の様な形をしていると仮定して求める場合が多い:(i) F = F (x) (xのみの関数)又は, F = F (y) (y のみの関数)(ii) F = xmyn
(iii) F = F (x + y), F = F (x − y),又は F = F (xy)
[例題](xy + y2)dx + (x2 − xy)dy = 0 の積分因子を求め,解け
[解答]∂
∂y(xy + y2) = x + 2y 6= 2x − y =
∂
∂x(x2 − xy)より, この方程式は完全ではない.
を積分因子とするとより
従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.19/30
4.積分因子
[積分因子の求め方]
一般に積分因子を求めるのは難しいので, F が以下の様な形をしていると仮定して求める場合が多い:(i) F = F (x) (xのみの関数)又は, F = F (y) (y のみの関数)(ii) F = xmyn
(iii) F = F (x + y), F = F (x − y),又は F = F (xy)
[例題](xy + y2)dx + (x2 − xy)dy = 0 の積分因子を求め,解け
[解答]∂
∂y(xy + y2) = x + 2y 6= 2x − y =
∂
∂x(x2 − xy)より, この方程式は完全ではない.
F (x, y) = xmyn を積分因子とすると,
より
従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.19/30
4.積分因子
[積分因子の求め方]
一般に積分因子を求めるのは難しいので, F が以下の様な形をしていると仮定して求める場合が多い:(i) F = F (x) (xのみの関数)又は, F = F (y) (y のみの関数)(ii) F = xmyn
(iii) F = F (x + y), F = F (x − y),又は F = F (xy)
[例題](xy + y2)dx + (x2 − xy)dy = 0 の積分因子を求め,解け
[解答]∂
∂y(xy + y2) = x + 2y 6= 2x − y =
∂
∂x(x2 − xy)より, この方程式は完全ではない.
F (x, y) = xmyn を積分因子とすると,∂
∂y(xm+1yn+1 + xmyn+2) =
∂
∂x(xm+2yn − xm+1yn+1)より
従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.19/30
4.積分因子
[積分因子の求め方]
一般に積分因子を求めるのは難しいので, F が以下の様な形をしていると仮定して求める場合が多い:(i) F = F (x) (xのみの関数)又は, F = F (y) (y のみの関数)(ii) F = xmyn
(iii) F = F (x + y), F = F (x − y),又は F = F (xy)
[例題](xy + y2)dx + (x2 − xy)dy = 0 の積分因子を求め,解け
[解答]∂
∂y(xy + y2) = x + 2y 6= 2x − y =
∂
∂x(x2 − xy)より, この方程式は完全ではない.
F (x, y) = xmyn を積分因子とすると,∂
∂y(xm+1yn+1 + xmyn+2) =
∂
∂x(xm+2yn − xm+1yn+1)より m = −2, n = −1.
従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.19/30
4.積分因子
[積分因子の求め方]
一般に積分因子を求めるのは難しいので, F が以下の様な形をしていると仮定して求める場合が多い:(i) F = F (x) (xのみの関数)又は, F = F (y) (y のみの関数)(ii) F = xmyn
(iii) F = F (x + y), F = F (x − y),又は F = F (xy)
[例題](xy + y2)dx + (x2 − xy)dy = 0 の積分因子を求め,解け
[解答]∂
∂y(xy + y2) = x + 2y 6= 2x − y =
∂
∂x(x2 − xy)より, この方程式は完全ではない.
F (x, y) = xmyn を積分因子とすると,∂
∂y(xm+1yn+1 + xmyn+2) =
∂
∂x(xm+2yn − xm+1yn+1)より m = −2, n = −1.
従って F (x, y) = 1x2y
が積分因子で„
1
x+
y
x2
«
dx +
„
1
y−
1
x
«
dy = 0
は完全になる.
この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.19/30
4.積分因子
[積分因子の求め方]
一般に積分因子を求めるのは難しいので, F が以下の様な形をしていると仮定して求める場合が多い:(i) F = F (x) (xのみの関数)又は, F = F (y) (y のみの関数)(ii) F = xmyn
(iii) F = F (x + y), F = F (x − y),又は F = F (xy)
[例題](xy + y2)dx + (x2 − xy)dy = 0 の積分因子を求め,解け
[解答]∂
∂y(xy + y2) = x + 2y 6= 2x − y =
∂
∂x(x2 − xy)より, この方程式は完全ではない.
F (x, y) = xmyn を積分因子とすると,∂
∂y(xm+1yn+1 + xmyn+2) =
∂
∂x(xm+2yn − xm+1yn+1)より m = −2, n = −1.
従って F (x, y) = 1x2y
が積分因子で„
1
x+
y
x2
«
dx +
„
1
y−
1
x
«
dy = 0
は完全になる. この方程式を解いて,一般解は xy = Cey
x (C 6= 0)
I.常微分方程式の初等積分法 – p.19/30
4.積分因子
[練習問題]
(4x2y3 − 2y)dx + (3x3y2 − x)dy = 0 の積分因子を F = F (x)の形で求め,解け
解答より この方程式は完全
ではないを積分因子とすると
より よって従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.20/30
4.積分因子
[練習問題]
(4x2y3 − 2y)dx + (3x3y2 − x)dy = 0 の積分因子を F = F (x)の形で求め,解け[解答]∂
∂y(4x2y3 − 2y) = 12x2y2 − 2 6= 9x2y2 − 1 =
∂
∂x(3x3y2 − x)より, この方程式は完全
ではない.
を積分因子とすると
より よって従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.20/30
4.積分因子
[練習問題]
(4x2y3 − 2y)dx + (3x3y2 − x)dy = 0 の積分因子を F = F (x)の形で求め,解け[解答]∂
∂y(4x2y3 − 2y) = 12x2y2 − 2 6= 9x2y2 − 1 =
∂
∂x(3x3y2 − x)より, この方程式は完全
ではない.F = F (x)を積分因子とすると,
より よって従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.20/30
4.積分因子
[練習問題]
(4x2y3 − 2y)dx + (3x3y2 − x)dy = 0 の積分因子を F = F (x)の形で求め,解け[解答]∂
∂y(4x2y3 − 2y) = 12x2y2 − 2 6= 9x2y2 − 1 =
∂
∂x(3x3y2 − x)より, この方程式は完全
ではない.F = F (x)を積分因子とすると,∂
∂y
˘
F (4x2y3−2y)¯
= F (12x2y2−2) = F ′(3x3y2−x) + F (9x2y2−1) =∂
∂x
˘
F (3x3y2−x)¯
より
よって従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.20/30
4.積分因子
[練習問題]
(4x2y3 − 2y)dx + (3x3y2 − x)dy = 0 の積分因子を F = F (x)の形で求め,解け[解答]∂
∂y(4x2y3 − 2y) = 12x2y2 − 2 6= 9x2y2 − 1 =
∂
∂x(3x3y2 − x)より, この方程式は完全
ではない.F = F (x)を積分因子とすると,∂
∂y
˘
F (4x2y3−2y)¯
= F (12x2y2−2) = F ′(3x3y2−x) + F (9x2y2−1) =∂
∂x
˘
F (3x3y2−x)¯
より dF
dx=
1
xF .
よって従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.20/30
4.積分因子
[練習問題]
(4x2y3 − 2y)dx + (3x3y2 − x)dy = 0 の積分因子を F = F (x)の形で求め,解け[解答]∂
∂y(4x2y3 − 2y) = 12x2y2 − 2 6= 9x2y2 − 1 =
∂
∂x(3x3y2 − x)より, この方程式は完全
ではない.F = F (x)を積分因子とすると,∂
∂y
˘
F (4x2y3−2y)¯
= F (12x2y2−2) = F ′(3x3y2−x) + F (9x2y2−1) =∂
∂x
˘
F (3x3y2−x)¯
より dF
dx=
1
xF . よって
Z
dF
F=
Z
dx
x.
従って が積分因子で
は完全になる この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.20/30
4.積分因子
[練習問題]
(4x2y3 − 2y)dx + (3x3y2 − x)dy = 0 の積分因子を F = F (x)の形で求め,解け[解答]∂
∂y(4x2y3 − 2y) = 12x2y2 − 2 6= 9x2y2 − 1 =
∂
∂x(3x3y2 − x)より, この方程式は完全
ではない.F = F (x)を積分因子とすると,∂
∂y
˘
F (4x2y3−2y)¯
= F (12x2y2−2) = F ′(3x3y2−x) + F (9x2y2−1) =∂
∂x
˘
F (3x3y2−x)¯
より dF
dx=
1
xF . よって
Z
dF
F=
Z
dx
x.
従って F (x) = xが積分因子で(4x3y3 − 2xy)dx + (3x4y2 − x2)dy = 0
は完全になる.
この方程式を解いて 一般解は
I.常微分方程式の初等積分法 – p.20/30
4.積分因子
[練習問題]
(4x2y3 − 2y)dx + (3x3y2 − x)dy = 0 の積分因子を F = F (x)の形で求め,解け[解答]∂
∂y(4x2y3 − 2y) = 12x2y2 − 2 6= 9x2y2 − 1 =
∂
∂x(3x3y2 − x)より, この方程式は完全
ではない.F = F (x)を積分因子とすると,∂
∂y
˘
F (4x2y3−2y)¯
= F (12x2y2−2) = F ′(3x3y2−x) + F (9x2y2−1) =∂
∂x
˘
F (3x3y2−x)¯
より dF
dx=
1
xF . よって
Z
dF
F=
Z
dx
x.
従って F (x) = xが積分因子で(4x3y3 − 2xy)dx + (3x4y2 − x2)dy = 0
は完全になる. この方程式を解いて,一般解は
x4y3 − x2y = C
I.常微分方程式の初等積分法 – p.20/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするときdy
dx+ p(x)y = q(x) (4)
の形の常微分方程式を一階線形微分方程式とよぶ.
この形の微分方程式は 先ず次の変数分離形の方程式を解く:
*
この方程式を 方程式 に対応する線形同次方程式とよぶ * の解は
より は定数
ここで と定数が変化すると考えて に代入すると
× ×従って となり の
解はとなる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.22/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするときdy
dx+ p(x)y = q(x) (4)
の形の常微分方程式を一階線形微分方程式とよぶ.この形の微分方程式は,先ず次の変数分離形の方程式を解く:
dy
dx+ p(x)y = 0 (*)
この方程式を 方程式 に対応する線形同次方程式とよぶ * の解は
より は定数
ここで と定数が変化すると考えて に代入すると
× ×従って となり の
解はとなる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.22/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするときdy
dx+ p(x)y = q(x) (4)
の形の常微分方程式を一階線形微分方程式とよぶ.この形の微分方程式は,先ず次の変数分離形の方程式を解く:
dy
dx+ p(x)y = 0 (*)
この方程式を,方程式 (4) に対応する線形同次方程式とよぶ.
* の解は
より は定数
ここで と定数が変化すると考えて に代入すると
× ×従って となり の
解はとなる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.22/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするときdy
dx+ p(x)y = q(x) (4)
の形の常微分方程式を一階線形微分方程式とよぶ.この形の微分方程式は,先ず次の変数分離形の方程式を解く:
dy
dx+ p(x)y = 0 (*)
この方程式を,方程式 (4) に対応する線形同次方程式とよぶ. (*) の解はZ
dy
y= −
Z
p(x)dx より y = C exp{−
Z
p(x)dx} (C は定数)
ここで と定数が変化すると考えて に代入すると
× ×従って となり の
解はとなる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.22/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするときdy
dx+ p(x)y = q(x) (4)
の形の常微分方程式を一階線形微分方程式とよぶ.この形の微分方程式は,先ず次の変数分離形の方程式を解く:
dy
dx+ p(x)y = 0 (*)
この方程式を,方程式 (4) に対応する線形同次方程式とよぶ. (*) の解はZ
dy
y= −
Z
p(x)dx より y = C exp{−
Z
p(x)dx} (C は定数)
ここで, C = C(x)と定数が変化すると考えて (4) に代入すると
× ×従って となり の
解はとなる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.22/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするときdy
dx+ p(x)y = q(x) (4)
の形の常微分方程式を一階線形微分方程式とよぶ.この形の微分方程式は,先ず次の変数分離形の方程式を解く:
dy
dx+ p(x)y = 0 (*)
この方程式を,方程式 (4) に対応する線形同次方程式とよぶ. (*) の解はZ
dy
y= −
Z
p(x)dx より y = C exp{−
Z
p(x)dx} (C は定数)
ここで, C = C(x)と定数が変化すると考えて (4) に代入するとdy
dx+ p(x)y =
dC
dxexp{−
Z
p(x)dx} − Cp(x) exp{−
Z
p(x)dx} + p(x)C exp{−
Z
p(x)dx}
× ×従って となり の
解はとなる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.22/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするときdy
dx+ p(x)y = q(x) (4)
の形の常微分方程式を一階線形微分方程式とよぶ.この形の微分方程式は,先ず次の変数分離形の方程式を解く:
dy
dx+ p(x)y = 0 (*)
この方程式を,方程式 (4) に対応する線形同次方程式とよぶ. (*) の解はZ
dy
y= −
Z
p(x)dx より y = C exp{−
Z
p(x)dx} (C は定数)
ここで, C = C(x)と定数が変化すると考えて (4) に代入するとdy
dx+ p(x)y =
dC
dxexp{−
Z
p(x)dx} − Cp(x) exp{−
Z
p(x)dx} + p(x)C exp{−
Z
p(x)dx}× ×
従って となり の解は
となる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.22/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするときdy
dx+ p(x)y = q(x) (4)
の形の常微分方程式を一階線形微分方程式とよぶ.この形の微分方程式は,先ず次の変数分離形の方程式を解く:
dy
dx+ p(x)y = 0 (*)
この方程式を,方程式 (4) に対応する線形同次方程式とよぶ. (*) の解はZ
dy
y= −
Z
p(x)dx より y = C exp{−
Z
p(x)dx} (C は定数)
ここで, C = C(x)と定数が変化すると考えて (4) に代入するとdy
dx+ p(x)y =
dC
dxexp{−
Z
p(x)dx} − Cp(x) exp{−
Z
p(x)dx} + p(x)C exp{−
Z
p(x)dx}× ×=
dC
dxexp{−
Z
p(x)dx} = q(x)
従って となり の解は
となる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.22/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするときdy
dx+ p(x)y = q(x) (4)
の形の常微分方程式を一階線形微分方程式とよぶ.この形の微分方程式は,先ず次の変数分離形の方程式を解く:
dy
dx+ p(x)y = 0 (*)
この方程式を,方程式 (4) に対応する線形同次方程式とよぶ. (*) の解はZ
dy
y= −
Z
p(x)dx より y = C exp{−
Z
p(x)dx} (C は定数)
ここで, C = C(x)と定数が変化すると考えて (4) に代入するとdy
dx+ p(x)y =
dC
dxexp{−
Z
p(x)dx} − Cp(x) exp{−
Z
p(x)dx} + p(x)C exp{−
Z
p(x)dx}× ×=
dC
dxexp{−
Z
p(x)dx} = q(x)
···dC
dx= q(x) exp{
Z
p(x)dx}
従って となり の解は
となる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.22/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするときdy
dx+ p(x)y = q(x) (4)
の形の常微分方程式を一階線形微分方程式とよぶ.この形の微分方程式は,先ず次の変数分離形の方程式を解く:
dy
dx+ p(x)y = 0 (*)
この方程式を,方程式 (4) に対応する線形同次方程式とよぶ. (*) の解はZ
dy
y= −
Z
p(x)dx より y = C exp{−
Z
p(x)dx} (C は定数)
ここで, C = C(x)と定数が変化すると考えて (4) に代入するとdy
dx+ p(x)y =
dC
dxexp{−
Z
p(x)dx} − Cp(x) exp{−
Z
p(x)dx} + p(x)C exp{−
Z
p(x)dx}× ×=
dC
dxexp{−
Z
p(x)dx} = q(x)
···dC
dx= q(x) exp{
Z
p(x)dx} 従って C(x) =
Z
q(x) exp{
Z
p(x)dx}dxとなり,
の解は
となる
I.常微分方程式の初等積分法 – p.22/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
x を独立変数とし, y = y(x) を未知関数とするときdy
dx+ p(x)y = q(x) (4)
の形の常微分方程式を一階線形微分方程式とよぶ.この形の微分方程式は,先ず次の変数分離形の方程式を解く:
dy
dx+ p(x)y = 0 (*)
この方程式を,方程式 (4) に対応する線形同次方程式とよぶ. (*) の解はZ
dy
y= −
Z
p(x)dx より y = C exp{−
Z
p(x)dx} (C は定数)
ここで, C = C(x)と定数が変化すると考えて (4) に代入するとdy
dx+ p(x)y =
dC
dxexp{−
Z
p(x)dx} − Cp(x) exp{−
Z
p(x)dx} + p(x)C exp{−
Z
p(x)dx}× ×=
dC
dxexp{−
Z
p(x)dx} = q(x)
···dC
dx= q(x) exp{
Z
p(x)dx} 従って C(x) =
Z
q(x) exp{
Z
p(x)dx}dxとなり, (4) の解は
y =
„Z
q(x) exp{
Z
p(x)dx}dx
«
exp{−
Z
p(x)dx} となる.
I.常微分方程式の初等積分法 – p.22/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[例題]
y′ +2x
x2 + 1y = 4x の一般解を求めよ. (5)
解答 対応する線形同次方程式は
この解は すなわち
として に代入すると
は積分定数
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.23/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[例題]
y′ +2x
x2 + 1y = 4x の一般解を求めよ. (5)
[解答]対応する線形同次方程式は
dy
dx+
2x
x2 + 1y = 0
この解は すなわち
として に代入すると
は積分定数
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.23/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[例題]
y′ +2x
x2 + 1y = 4x の一般解を求めよ. (5)
[解答]対応する線形同次方程式は
dy
dx+
2x
x2 + 1y = 0
この解は log |y| = − log(x2 + 1) + cすなわち y =C
x2 + 1
として に代入すると
は積分定数
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.23/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[例題]
y′ +2x
x2 + 1y = 4x の一般解を求めよ. (5)
[解答]対応する線形同次方程式は
dy
dx+
2x
x2 + 1y = 0
この解は log |y| = − log(x2 + 1) + cすなわち y =C
x2 + 1
y =C(x)
x2 + 1として (5) に代入すると
は積分定数
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.23/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[例題]
y′ +2x
x2 + 1y = 4x の一般解を求めよ. (5)
[解答]対応する線形同次方程式は
dy
dx+
2x
x2 + 1y = 0
この解は log |y| = − log(x2 + 1) + cすなわち y =C
x2 + 1
y =C(x)
x2 + 1として (5) に代入すると C′
x2 + 1= 4x i.e. C′ = 4x(x2 + 1)
は積分定数
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.23/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[例題]
y′ +2x
x2 + 1y = 4x の一般解を求めよ. (5)
[解答]対応する線形同次方程式は
dy
dx+
2x
x2 + 1y = 0
この解は log |y| = − log(x2 + 1) + cすなわち y =C
x2 + 1
y =C(x)
x2 + 1として (5) に代入すると C′
x2 + 1= 4x i.e. C′ = 4x(x2 + 1)
··· C(x) = x4 + 2x2 + c (cは積分定数)
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.23/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[例題]
y′ +2x
x2 + 1y = 4x の一般解を求めよ. (5)
[解答]対応する線形同次方程式は
dy
dx+
2x
x2 + 1y = 0
この解は log |y| = − log(x2 + 1) + cすなわち y =C
x2 + 1
y =C(x)
x2 + 1として (5) に代入すると C′
x2 + 1= 4x i.e. C′ = 4x(x2 + 1)
··· C(x) = x4 + 2x2 + c (cは積分定数)
従って解は y =x4 + 2x2 + c
x2 + 1(cは任意の定数).
I.常微分方程式の初等積分法 – p.23/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[練習問題]
y′ −1
xy = x cos x の一般解を求めよ. (6)
解答 対応する線形同次方程式は
この解は すなわち
として に代入すると
は積分定数
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.24/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[練習問題]
y′ −1
xy = x cos x の一般解を求めよ. (6)
[解答]対応する線形同次方程式はdy
dx−
1
xy = 0
この解は すなわち
として に代入すると
は積分定数
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.24/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[練習問題]
y′ −1
xy = x cos x の一般解を求めよ. (6)
[解答]対応する線形同次方程式はdy
dx−
1
xy = 0
この解は log |y| = log |x| + cすなわち y = Cx
として に代入すると
は積分定数
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.24/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[練習問題]
y′ −1
xy = x cos x の一般解を求めよ. (6)
[解答]対応する線形同次方程式はdy
dx−
1
xy = 0
この解は log |y| = log |x| + cすなわち y = Cx
y = C(x)x として (6) に代入すると
は積分定数
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.24/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[練習問題]
y′ −1
xy = x cos x の一般解を求めよ. (6)
[解答]対応する線形同次方程式はdy
dx−
1
xy = 0
この解は log |y| = log |x| + cすなわち y = Cx
y = C(x)x として (6) に代入すると C′x = x cos x i .e. C′ = cos x
は積分定数
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.24/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[練習問題]
y′ −1
xy = x cos x の一般解を求めよ. (6)
[解答]対応する線形同次方程式はdy
dx−
1
xy = 0
この解は log |y| = log |x| + cすなわち y = Cx
y = C(x)x として (6) に代入すると C′x = x cos x i .e. C′ = cos x
··· C(x) = sin x + c (cは積分定数)
従って解は は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.24/30
5.一階線形微分方程式 (定数変化法)
[練習問題]
y′ −1
xy = x cos x の一般解を求めよ. (6)
[解答]対応する線形同次方程式はdy
dx−
1
xy = 0
この解は log |y| = log |x| + cすなわち y = Cx
y = C(x)x として (6) に代入すると C′x = x cos x i .e. C′ = cos x
··· C(x) = sin x + c (cは積分定数)
従って解は y = x sin x + cx (cは任意の定数).
I.常微分方程式の初等積分法 – p.24/30
6.一その他
[変数分離形に帰着出来る微分方程式]
y′ = f(ax + by + c)
の形の方程式は u = ax + by + cとおくと変数分離形に帰着できる.
練習問題 の一般解を求めよ
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.26/30
6.一その他
[変数分離形に帰着出来る微分方程式]
y′ = f(ax + by + c)
の形の方程式は u = ax + by + cとおくと変数分離形に帰着できる.
[練習問題] y′ = (x + y)2 の一般解を求めよ.
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.26/30
6.一その他
[変数分離形に帰着出来る微分方程式]
y′ = f(ax + by + c)
の形の方程式は u = ax + by + cとおくと変数分離形に帰着できる.
[練習問題] y′ = (x + y)2 の一般解を求めよ.
[解答] y = tan(x + c) − x (cは任意の定数)
I.常微分方程式の初等積分法 – p.26/30
6.一その他
[クレーローの方程式]
の形の方程式はクレーローの方程式という この形の方程式は とおいての両辺を微分して
つまり
となる の場合 定数 より解は
一般解または1パラメタ解とよぶ
の場合 解は を媒介変数として:
特異解とよぶ
練習問題次の方程式を解け:
解答及び
I.常微分方程式の初等積分法 – p.27/30
6.一その他
[クレーローの方程式]
y = xy′ + f(y′)
の形の方程式はクレーローの方程式という.
この形の方程式は とおいての両辺を微分して
つまり
となる の場合 定数 より解は
一般解または1パラメタ解とよぶ
の場合 解は を媒介変数として:
特異解とよぶ
練習問題次の方程式を解け:
解答及び
I.常微分方程式の初等積分法 – p.27/30
6.一その他
[クレーローの方程式]
y = xy′ + f(y′)
の形の方程式はクレーローの方程式という. この形の方程式は, p = y′ とおいてy = xp + f(p)の両辺を微分して
y′ = p + xp′ + f ′(p)p′ つまり (x + f ′(p))p′ = 0
となる.
の場合 定数 より解は
一般解または1パラメタ解とよぶ
の場合 解は を媒介変数として:
特異解とよぶ
練習問題次の方程式を解け:
解答及び
I.常微分方程式の初等積分法 – p.27/30
6.一その他
[クレーローの方程式]
y = xy′ + f(y′)
の形の方程式はクレーローの方程式という. この形の方程式は, p = y′ とおいてy = xp + f(p)の両辺を微分して
y′ = p + xp′ + f ′(p)p′ つまり (x + f ′(p))p′ = 0
となる. p′ = 0の場合, p = C (定数)より解は
一般解または1パラメタ解とよぶ
の場合 解は を媒介変数として:
特異解とよぶ
練習問題次の方程式を解け:
解答及び
I.常微分方程式の初等積分法 – p.27/30
6.一その他
[クレーローの方程式]
y = xy′ + f(y′)
の形の方程式はクレーローの方程式という. この形の方程式は, p = y′ とおいてy = xp + f(p)の両辺を微分して
y′ = p + xp′ + f ′(p)p′ つまり (x + f ′(p))p′ = 0
となる. p′ = 0の場合, p = C (定数)より解は
y = Cx + f(C) (一般解または1パラメタ解とよぶ)
の場合 解は を媒介変数として:
特異解とよぶ
練習問題次の方程式を解け:
解答及び
I.常微分方程式の初等積分法 – p.27/30
6.一その他
[クレーローの方程式]
y = xy′ + f(y′)
の形の方程式はクレーローの方程式という. この形の方程式は, p = y′ とおいてy = xp + f(p)の両辺を微分して
y′ = p + xp′ + f ′(p)p′ つまり (x + f ′(p))p′ = 0
となる. p′ = 0の場合, p = C (定数)より解は
y = Cx + f(C) (一般解または1パラメタ解とよぶ)
x + f ′(p) = 0の場合,解は pを媒介変数として:
特異解とよぶ
練習問題次の方程式を解け:
解答及び
I.常微分方程式の初等積分法 – p.27/30
6.一その他
[クレーローの方程式]
y = xy′ + f(y′)
の形の方程式はクレーローの方程式という. この形の方程式は, p = y′ とおいてy = xp + f(p)の両辺を微分して
y′ = p + xp′ + f ′(p)p′ つまり (x + f ′(p))p′ = 0
となる. p′ = 0の場合, p = C (定数)より解は
y = Cx + f(C) (一般解または1パラメタ解とよぶ)
x + f ′(p) = 0の場合,解は pを媒介変数として:
x = −f ′(p) y = xp + f(p) (特異解とよぶ)
練習問題次の方程式を解け:
解答及び
I.常微分方程式の初等積分法 – p.27/30
6.一その他
[クレーローの方程式]
y = xy′ + f(y′)
の形の方程式はクレーローの方程式という. この形の方程式は, p = y′ とおいてy = xp + f(p)の両辺を微分して
y′ = p + xp′ + f ′(p)p′ つまり (x + f ′(p))p′ = 0
となる. p′ = 0の場合, p = C (定数)より解は
y = Cx + f(C) (一般解または1パラメタ解とよぶ)
x + f ′(p) = 0の場合,解は pを媒介変数として:
x = −f ′(p) y = xp + f(p) (特異解とよぶ)
[練習問題]
次の方程式を解け:y = xy′ +1
2(y′)2
解答及び
I.常微分方程式の初等積分法 – p.27/30
6.一その他
[クレーローの方程式]
y = xy′ + f(y′)
の形の方程式はクレーローの方程式という. この形の方程式は, p = y′ とおいてy = xp + f(p)の両辺を微分して
y′ = p + xp′ + f ′(p)p′ つまり (x + f ′(p))p′ = 0
となる. p′ = 0の場合, p = C (定数)より解は
y = Cx + f(C) (一般解または1パラメタ解とよぶ)
x + f ′(p) = 0の場合,解は pを媒介変数として:
x = −f ′(p) y = xp + f(p) (特異解とよぶ)
[練習問題]
次の方程式を解け:y = xy′ +1
2(y′)2
[解答]
y = Cx +1
2C2 及び y = −
1
2x2
I.常微分方程式の初等積分法 – p.27/30
6.一その他
[ベルヌーイの方程式]
の形の方程式はベルヌーイの方程式という この形の方程式は とおき 方程式全体に を掛けた
を考えると 一階線形微分方程式
に帰着出来る
練習問題 の一般解を求めよ
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.28/30
6.一その他
[ベルヌーイの方程式]
y′ + p(x)y = q(x)yα (α 6= 0, 1)
の形の方程式はベルヌーイの方程式という. この形の方程式は u = y(1−α) とおき,方程式全体に (1 − α)y−α を掛けた
(1 − α)y−αy′ + (1 − α)p(x)y(1−α) = (1 − α)q(x)
を考えると,一階線形微分方程式:
に帰着出来る
練習問題 の一般解を求めよ
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.28/30
6.一その他
[ベルヌーイの方程式]
y′ + p(x)y = q(x)yα (α 6= 0, 1)
の形の方程式はベルヌーイの方程式という. この形の方程式は u = y(1−α) とおき,方程式全体に (1 − α)y−α を掛けた
(1 − α)y−αy′ + (1 − α)p(x)y(1−α) = (1 − α)q(x)
を考えると,一階線形微分方程式:
u′ + (1 − α)p(x)u = (1 − α)q(x)
に帰着出来る.
練習問題 の一般解を求めよ
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.28/30
6.一その他
[ベルヌーイの方程式]
y′ + p(x)y = q(x)yα (α 6= 0, 1)
の形の方程式はベルヌーイの方程式という. この形の方程式は u = y(1−α) とおき,方程式全体に (1 − α)y−α を掛けた
(1 − α)y−αy′ + (1 − α)p(x)y(1−α) = (1 − α)q(x)
を考えると,一階線形微分方程式:
u′ + (1 − α)p(x)u = (1 − α)q(x)
に帰着出来る.
[練習問題] y′ + y =4x(x + 1)
yの一般解を求めよ.
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.28/30
6.一その他
[ベルヌーイの方程式]
y′ + p(x)y = q(x)yα (α 6= 0, 1)
の形の方程式はベルヌーイの方程式という. この形の方程式は u = y(1−α) とおき,方程式全体に (1 − α)y−α を掛けた
(1 − α)y−αy′ + (1 − α)p(x)y(1−α) = (1 − α)q(x)
を考えると,一階線形微分方程式:
u′ + (1 − α)p(x)u = (1 − α)q(x)
に帰着出来る.
[練習問題] y′ + y =4x(x + 1)
yの一般解を求めよ.
[解答] y2 = ce−2x + 4x2 (cは任意の定数)
I.常微分方程式の初等積分法 – p.28/30
6.一その他
[リッカチの方程式]
の形の方程式はリッカチの方程式という この方程式の特殊解 が一つ分かっているとき とおいて方程式に代入すると
両辺に を掛けて
これを整理すると に関する一階線形常微分方程式を得る:
これを について解いて が元の方程式の一般解である
練習問題 の一般解を求めよ
解答 及び は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.29/30
6.一その他
[リッカチの方程式]
y′ = p(x)y2 + q(x)y + r(x)
の形の方程式はリッカチの方程式という.
この方程式の特殊解 が一つ分かっているとき とおいて方程式に代入すると
両辺に を掛けて
これを整理すると に関する一階線形常微分方程式を得る:
これを について解いて が元の方程式の一般解である
練習問題 の一般解を求めよ
解答 及び は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.29/30
6.一その他
[リッカチの方程式]
y′ = p(x)y2 + q(x)y + r(x)
の形の方程式はリッカチの方程式という. この方程式の特殊解 y = y1(x)が一つ分かっているとき y = y1(x) + 1
uとおいて方程式に代入すると
両辺に を掛けて
これを整理すると に関する一階線形常微分方程式を得る:
これを について解いて が元の方程式の一般解である
練習問題 の一般解を求めよ
解答 及び は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.29/30
6.一その他
[リッカチの方程式]
y′ = p(x)y2 + q(x)y + r(x)
の形の方程式はリッカチの方程式という. この方程式の特殊解 y = y1(x)が一つ分かっているとき y = y1(x) + 1
uとおいて方程式に代入すると
y′
1(x) −u′
u2= p(x)
„
y1(x) +1
u
«2
+ q(x)
„
y1(x) +1
u
«
+ r(x)
両辺に を掛けて
これを整理すると に関する一階線形常微分方程式を得る:
これを について解いて が元の方程式の一般解である
練習問題 の一般解を求めよ
解答 及び は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.29/30
6.一その他
[リッカチの方程式]
y′ = p(x)y2 + q(x)y + r(x)
の形の方程式はリッカチの方程式という. この方程式の特殊解 y = y1(x)が一つ分かっているとき y = y1(x) + 1
uとおいて方程式に代入すると
y′
1(x) −u′
u2= p(x)
„
y1(x) +1
u
«2
+ q(x)
„
y1(x) +1
u
«
+ r(x)
両辺に u2 を掛けてy′
1(x)u2 − u′ = p(x) (y1(x)u + 1)2 + q(x)`
y1(x)u2 + u´
+ r(x)u2
これを整理すると に関する一階線形常微分方程式を得る:
これを について解いて が元の方程式の一般解である
練習問題 の一般解を求めよ
解答 及び は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.29/30
6.一その他
[リッカチの方程式]
y′ = p(x)y2 + q(x)y + r(x)
の形の方程式はリッカチの方程式という. この方程式の特殊解 y = y1(x)が一つ分かっているとき y = y1(x) + 1
uとおいて方程式に代入すると
y′
1(x) −u′
u2= p(x)
„
y1(x) +1
u
«2
+ q(x)
„
y1(x) +1
u
«
+ r(x)
両辺に u2 を掛けてy′
1(x)u2 − u′ = p(x) (y1(x)u + 1)2 + q(x)`
y1(x)u2 + u´
+ r(x)u2
これを整理すると uに関する一階線形常微分方程式を得る:
u′ + (2p(x)y1(x) + q(x)) u = −p(x)
これを について解いて が元の方程式の一般解である
練習問題 の一般解を求めよ
解答 及び は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.29/30
6.一その他
[リッカチの方程式]
y′ = p(x)y2 + q(x)y + r(x)
の形の方程式はリッカチの方程式という. この方程式の特殊解 y = y1(x)が一つ分かっているとき y = y1(x) + 1
uとおいて方程式に代入すると
y′
1(x) −u′
u2= p(x)
„
y1(x) +1
u
«2
+ q(x)
„
y1(x) +1
u
«
+ r(x)
両辺に u2 を掛けてy′
1(x)u2 − u′ = p(x) (y1(x)u + 1)2 + q(x)`
y1(x)u2 + u´
+ r(x)u2
これを整理すると uに関する一階線形常微分方程式を得る:
u′ + (2p(x)y1(x) + q(x)) u = −p(x)
これを uについて解いて y = y1(x) +1
u(x)が元の方程式の一般解である.
練習問題 の一般解を求めよ
解答 及び は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.29/30
6.一その他
[リッカチの方程式]
y′ = p(x)y2 + q(x)y + r(x)
の形の方程式はリッカチの方程式という. この方程式の特殊解 y = y1(x)が一つ分かっているとき y = y1(x) + 1
uとおいて方程式に代入すると
y′
1(x) −u′
u2= p(x)
„
y1(x) +1
u
«2
+ q(x)
„
y1(x) +1
u
«
+ r(x)
両辺に u2 を掛けてy′
1(x)u2 − u′ = p(x) (y1(x)u + 1)2 + q(x)`
y1(x)u2 + u´
+ r(x)u2
これを整理すると uに関する一階線形常微分方程式を得る:
u′ + (2p(x)y1(x) + q(x)) u = −p(x)
これを uについて解いて y = y1(x) +1
u(x)が元の方程式の一般解である.
[練習問題] y′ = xy2 − (2x − 1)y + x − 1 の一般解を求めよ.
解答 及び は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.29/30
6.一その他
[リッカチの方程式]
y′ = p(x)y2 + q(x)y + r(x)
の形の方程式はリッカチの方程式という. この方程式の特殊解 y = y1(x)が一つ分かっているとき y = y1(x) + 1
uとおいて方程式に代入すると
y′
1(x) −u′
u2= p(x)
„
y1(x) +1
u
«2
+ q(x)
„
y1(x) +1
u
«
+ r(x)
両辺に u2 を掛けてy′
1(x)u2 − u′ = p(x) (y1(x)u + 1)2 + q(x)`
y1(x)u2 + u´
+ r(x)u2
これを整理すると uに関する一階線形常微分方程式を得る:
u′ + (2p(x)y1(x) + q(x)) u = −p(x)
これを uについて解いて y = y1(x) +1
u(x)が元の方程式の一般解である.
[練習問題] y′ = xy2 − (2x − 1)y + x − 1 の一般解を求めよ.
[解答] y = 1 及び y = 1 +1
1 − x + Ce−x(C は任意の定数)
I.常微分方程式の初等積分法 – p.29/30
6.一その他
[一階に帰着出来る二階の微分方程式]
独立変数 従属変数 の二階の常微分方程式が 含まず
の形をしているとき とおくと方程式は の一階の方程式になる
練習問題 を一階の方程式に帰着させて解け
解答 は任意の定数
独立変数 従属変数 の二階の常微分方程式が 含まず
の形をしているとき とおくと となり を独立変数とする についての
一階の常微分方程式が得られる
練習問題 を一階の方程式に帰着させて解け
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.30/30
6.一その他
[一階に帰着出来る二階の微分方程式]
独立変数 x従属変数 y の二階の常微分方程式が, y 含まず
F (x, y′, y′′) = 0
の形をしているとき, y′ = pとおくと方程式は pの一階の方程式になる.
練習問題 を一階の方程式に帰着させて解け
解答 は任意の定数
独立変数 従属変数 の二階の常微分方程式が 含まず
の形をしているとき とおくと となり を独立変数とする についての
一階の常微分方程式が得られる
練習問題 を一階の方程式に帰着させて解け
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.30/30
6.一その他
[一階に帰着出来る二階の微分方程式]
独立変数 x従属変数 y の二階の常微分方程式が, y 含まず
F (x, y′, y′′) = 0
の形をしているとき, y′ = pとおくと方程式は pの一階の方程式になる.
[練習問題] xy′′ + y′ = 0 を一階の方程式に帰着させて解け.
解答 は任意の定数
独立変数 従属変数 の二階の常微分方程式が 含まず
の形をしているとき とおくと となり を独立変数とする についての
一階の常微分方程式が得られる
練習問題 を一階の方程式に帰着させて解け
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.30/30
6.一その他
[一階に帰着出来る二階の微分方程式]
独立変数 x従属変数 y の二階の常微分方程式が, y 含まず
F (x, y′, y′′) = 0
の形をしているとき, y′ = pとおくと方程式は pの一階の方程式になる.
[練習問題] xy′′ + y′ = 0 を一階の方程式に帰着させて解け.
[解答] y = C1 log |x| + C2 (C1, C2 は任意の定数)
独立変数 従属変数 の二階の常微分方程式が 含まず
の形をしているとき とおくと となり を独立変数とする についての
一階の常微分方程式が得られる
練習問題 を一階の方程式に帰着させて解け
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.30/30
6.一その他
[一階に帰着出来る二階の微分方程式]
独立変数 x従属変数 y の二階の常微分方程式が, y 含まず
F (x, y′, y′′) = 0
の形をしているとき, y′ = pとおくと方程式は pの一階の方程式になる.
[練習問題] xy′′ + y′ = 0 を一階の方程式に帰着させて解け.
[解答] y = C1 log |x| + C2 (C1, C2 は任意の定数)
独立変数 x従属変数 y の二階の常微分方程式が, x含まず
F (y, y′, y′′) = 0
の形をしているとき, y′ = pとおくと y′′ =dp
dypとなり, yを独立変数とする pについての
一階の常微分方程式が得られる.
練習問題 を一階の方程式に帰着させて解け
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.30/30
6.一その他
[一階に帰着出来る二階の微分方程式]
独立変数 x従属変数 y の二階の常微分方程式が, y 含まず
F (x, y′, y′′) = 0
の形をしているとき, y′ = pとおくと方程式は pの一階の方程式になる.
[練習問題] xy′′ + y′ = 0 を一階の方程式に帰着させて解け.
[解答] y = C1 log |x| + C2 (C1, C2 は任意の定数)
独立変数 x従属変数 y の二階の常微分方程式が, x含まず
F (y, y′, y′′) = 0
の形をしているとき, y′ = pとおくと y′′ =dp
dypとなり, yを独立変数とする pについての
一階の常微分方程式が得られる.
[練習問題] y′′ + (y′)2 = 0 を一階の方程式に帰着させて解け.
解答 は任意の定数
I.常微分方程式の初等積分法 – p.30/30
6.一その他
[一階に帰着出来る二階の微分方程式]
独立変数 x従属変数 y の二階の常微分方程式が, y 含まず
F (x, y′, y′′) = 0
の形をしているとき, y′ = pとおくと方程式は pの一階の方程式になる.
[練習問題] xy′′ + y′ = 0 を一階の方程式に帰着させて解け.
[解答] y = C1 log |x| + C2 (C1, C2 は任意の定数)
独立変数 x従属変数 y の二階の常微分方程式が, x含まず
F (y, y′, y′′) = 0
の形をしているとき, y′ = pとおくと y′′ =dp
dypとなり, yを独立変数とする pについての
一階の常微分方程式が得られる.
[練習問題] y′′ + (y′)2 = 0 を一階の方程式に帰着させて解け.
[解答] y = log(C1x + C2) (C1, C2 は任意の定数)
I.常微分方程式の初等積分法 – p.30/30