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タイ
日本
A国(非原産品)
第2207.10号
エタノール(C2H5OH)
第2916.12号
B国(非原産品)
アクリル酸
(CH2CHCOOH)アクリル酸エチル(CH2CHCOOC2H5)
第2916.11号
(3)加工工程基準
アクリル酸エチル(第2916.12号)は、非原産材料であるアクリル酸、エタノールの化学反応により、新たな構造を有する分子を生じていることから、加工工程基準を満たしタイの原産品と認められる。
日タイ協定品目別規則(第2916.12号):化学反応、精製、異性体分離若しくは生物工学的工程
◎変化をもたらすほどの加工であれば、大きな変化が起こっている、という考え方
23
(毛糸)(羊毛)
糸 編物 衣類繊維
1番目の工程 2番目の工程
1番目の工程 2番目の工程
繊維製品の「2工程ルール」(編物の衣類)
この2つの工程が1の国で行われることを要件とする規則のこと
羊毛を輸入して毛糸を製造するところからスタートすることが必要。
毛糸を輸入して編物を作っただけではダメ。
24
GSP
GSP品目別規則(第61類):紡織用繊維の糸からの製造
GSP
協定一般特恵(GSP)
シンガポール・マレーシア・タイ・インドネシア・ブルネイ・フィリピン・ベトナム協定
アセアン包括協定 インド包括協定
衣類(編物:HS第61類)
糸からの製造
【2工程ルール】
糸→編物→衣類
類の変更
(非原産材料の生地※1を使用する場合の製織・編上の工程は日本・アセアン加盟国に限定)
【2工程ルールの一部緩和】
糸→編物→衣類
類の変更
(非原産材料の生地※1を使用する場合の製織・編上の工程はアセアン協定締約国※2に限定)
【2工程ルールの一部緩和】
糸→編物→衣類
製織・編上の工程と製品化の工程がインドにて行われること
【2工程ルール】
糸→編物→衣類
衣類(織物:HS第62類)
織物からの製造
【1工程ルール】
織物→衣類
上記表は大まかな傾向を示したもので、厳密な品目別規則とは異なる。※1:各協定に税番の指定がされている。※2:アセアン協定締約国:日本及びASEAN構成国(ブルネイ、カンボジア、インドネシア、ラオス、 マレーシア、ミャンマー、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)のうちインドネシアを除く9カ国。
日本・アセアン加盟国可 日本・アセアン協定締約国可
25
繊維製品の品目別規則「2工程ルール」の比較表参考
一般特恵品目別規則(第18類):カカオ豆からの製造
ベトナム
カカオペースト
日 本第1803.10号
A国
第4類
牛乳
26
○
カカオ豆
インドネシア
第18類
実質的変更基準の例外-(a)アセアン5ヵ国累積GSP
最終的な産品の生産国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ及びベトナムの5ヵ国のうちのいずれかの国)における生産行為のみでは原産地基準を満たさない場合であっても、上記5ヵ国のうちの2以上の国における生産行為が当該最終的な産品の生産国において行われたとみなすことにより、当該輸出国を最終的な産品の原産地と認めることが可能。
⇒カカオペーストの原産地はベトナムであるとみなすことが可能=特恵適用可能
インドネシアとベトナムを一の国とみなす
○
品目別規則を満たしていないが
GSP
26
品目別規則(第18類):カカオ豆からの製造
ベトナム
カカオペースト
日 本第1803.10号
A国
第4類
牛乳
27
実質的変更基準の例外-(b)自国関与
○
カカオ豆
◎日本から輸出された材料について、特恵受益国等の原産品とみなすことができる。
• 輸入申告時に、原産地証明書(Form A)とともにANNEX (原産地証明書に記載された物品の生産に使用された日本からの輸入原料に関する証明書)の提出が必要。
日本
第18類
GSP
○
品目別規則を満たしていないが
GSP
日ベトナム協定品目別規則(第18類):CC(類の変更)
ベトナム
カカオペースト
日 本第1803.10号
A国
第4類
牛乳
28
実質的変更基準の例外-(c)累積
○
カカオ豆
日本
第18類
EPA
◎日本の原産品を自国の原産材料とみなすことができる。
• 適用しようとする協定の原産地規則のもとでの日本原産品でなければならない。
• 本規定の適用がある場合、原産地証明書にはACUと記載される。GSPのANNEXのような書類の添付は不要。
日本の原産品であればOK
品目別規則を満たしていないが
EPA
日ベトナム協定品目別規則(第18類):CC(類の変更)
ベトナム
カカオペースト
日 本第1803.10号
A国
第4類
牛乳
29
実質的変更基準の例外-(d)僅少の非原産材料
○
カカオ豆
ガーナ
第18類
EPA
○
◎関税分類変更基準を満たさない非原産材料があったとしても、それがごく僅かなものなら無視しよう、という考え方
第18類
カカオ豆
ココア粉の価額はココアペーストの価額の5%←ベトナム協定の場合、産品のFOBの10%以下なら僅少の非原産材料の規定が適用可能(注)各EPAにより、品目・割合等は異なる。
¥100¥2
¥5
ベトナム協定上のベトナム原産品と認めることが可能となる。=特恵適用可能
品目別規則を満たしていないが
繊維製品(第50類から第63類)についてのみ、非原産材料の総重量が産品の総重量の10%以下である場合は、一般特恵の適用が可能。
GSP
原産地証明書にDMIと記載される
ココア粉
30
実質的変更基準の例外-(e)原産資格を与えることとならない作業
包装等の簡単な作業であって、それが行われたことによって、産品に原産資格を与えることとはならないもの。
1. 輸送又は保存のための乾燥、冷凍、塩水漬け等
2. 単なる切断
3. 選別
4. 瓶、箱その他これらに類する包装容器に詰めること
5. 改装
6. 仕分け7. マーク、ラベル等の貼付8. 非原産品の単なる混合9. 単なる部分品の組立て10.セットにすること11.これらから成る操作
【関税暫定措置法施行規則第9条ただし書】
品目別規則(第61類):紡織用繊維の糸からの製造
31
ラベル(第58.07項)日本で製織
①縫糸(第54.01項)②ボタン(第96.06項)中国
裏生地(第54.07項)マレーシアで製織
カンボジア
ニット第61.10項
表生地(第60.04項)日本で編み立て
事例:ニット(61.10項)(一般特恵)
日本から輸出していれば自国関与制度適用可能
①規則を満たす。②50類から63類に該当しないものは検討しない。
日本から輸出していれば自国関与制度適用可能
製品の10%以下の重量であれば、僅少適用可能
備考5:関税定率法別表第61類から第63類までに該当する物品が原産品であるか否かを決定するに当たり、物品の生産に使用された原料又は材料であって同表第50類から第63類までに該当しないものについては、繊維を含むか否かを問わず、考慮しない。
日 本
GSP GSP
第61.10項の品目別規則:他の類の材料からの変更(第5007項、第5111項から第5113項までの各項、第5208項から第5212項までの各項、第5309項から第5311項までの各項、第5407項、第5408項、第5512項から第5516項までの各項又は第60類の非原産材料を使用する場合には、当該非原産材料のそれぞれがいずれかの締約国又は東南アジア諸国連合の加盟国である第三国においてメリヤス編みされ、又はクロセ編みされた場合に限る。)
32
ラベル(第58.07項)日本で製織
①縫糸(第54.01項)②ボタン(第96.06項)中国
裏生地(第54.07項)マレーシアで製織
タイ
ニット第61.10項
表生地(第60.04項)日本で編み立て
事例:ニット(61.10項)(タイ特恵)
規則を満たす
①②とも規則を満たす
規則を満たす
規則を満たす
日 本
EPA EPA
積送基準貨物が日本に到着するまでに原産品としての資格を失っていないかどうかを判断する基準
①直接運送(原則)
②第三国を経由する場合(条件付きでOK)
当該第三国で積卸し及び産品を良好な状態に保存するために必要なその他の作業以外の作業が行われていないこと
34
第三国で一旦輸入されている場合、あるいは保税地域であっても加
工・検品作業が行われている場合は条件を満たさない。
相手国
第三国
日本
☆特恵適用のための手続要件:
-原産地証明書
-運送要件証明書(通しB/L等)
☆原産地証明書の提出時期:輸入申告時(関税法施行令第61条第4項)
‐災害その他やむを得ない理由がある場合‐許可前引取(BP)を行う場合、原則として2か月以内で適当な期間、原産地証明書の
提出猶予の取扱いが可能 (関税法基本通達68‐5‐15, 16)
を提出すること
☆原産地証明書の有効期間:発給から1年間
35
税関における手続き
☆ 原産地証明書提出の免除– 課税価格の総額が20万円以下の貨物・関税法施行令第61条第1項第2号イ(EPA)
・関税暫定措置法施行令第27条第1項第2号(一般特恵)
– 輸入国が提出を免除する貨物(EPA)(現在、具体的な産品の指定はない。)
– 税関長が物品の種類又は形状によりその原産地が明らかであると認めた物品(一般特恵)・関税暫定措置法施行令第27条第1項第1号
☆ 運送要件証明書提出の免除
–課税価格の総額が20万円以下の貨物・関税法施行令第61条第1項第2号ロ(EPA)・関税暫定措置法施行令第31条第3項(一般特恵)
36
税関における手続き
特恵税率設定の有無・税率の確認
38
一般特恵(GSP) 経済連携協定(EPA)
【出典】税関ホームページ実行関税率表
http://www.customs.go.jp/
× × × × ×
特恵税率の設定なし
再掲
×
第19.05項品目別規則:第11類又は第19類に該当する物品以外の物品からの製造
ベトナム
ラスク(1905.40)
アメリカ(非締約国)
バター(0405.10)
第11類
第04類
○全ての非原産材料が11類、19類以外からの変更が必要
→ベトナムの原産材料である小麦粉・砂糖には、規則は適用しない。
→非原産材料(輸入材料)であるバター(4類)と、産品であるラスク(19類)は関税分類番号が異なっている。
→ラスクはベトナムの原産品である。
⇒特恵適用可能(小麦粉はアセアン5ヵ国の原産材料でも可能)
日本
第19類第17類
原産地基準の確認(GSP)
ベトナム原産材料
非原産
材料についてのみ考える
LDCなら無税!
39
第1905.40号品目別規則:CC(第11類からの変更を除く。)
ベトナム
ラスク(1905.40)
日本
カナダ (非締約国)
小麦粉(1101.00)
カナダ(非締約国)
小麦(1001.19)
第11類
第10類
第19類
ベトナム原産材料
アメリカ(非締約国)
第04類
○
バター(0405.10)
全ての非原産材料が11類、19類以外からの変更が必要
→ベトナムの原産材料である砂糖には、規則は適用しない。
→非原産材料(輸入材料)である小麦粉(11類)は類の変更はあるものの、規則から除かれている。
→ラスクはベトナムの原産品ではない。
⇒小麦粉(第11類)がFOB10%以下であれば僅少の規定により、また、ベトナム原産材料であれば特恵適用可能。
第17類
原産地基準の確認(日ベトナムEPAの例)
○
40
第1905.40号品目別規則:CC
ベトナム
ラスク(1905.40)
カナダ (非締約国)
小麦粉(1101.00)
アメリカ(非締約国)
バター(0405.10)
第11類
第04類
○
○
原産地基準の確認(日アセアン包括EPAの例)
全ての非原産材料が19類以外からの変更が必要
→ベトナムの原産材料である砂糖には、規則は適用しない。
→非原産材料(輸入材料)である小麦粉(11類)、バター(4類)はともに類の変更がある。
→ラスクはベトナムの原産品である。 ⇒特恵適用可能
日本ベトナム原産材料
第19類
第17類
Change of Chapter:他の類の材料からの変更
非原産
材料についてのみ考える
41
第1905.40号品目別規則:CC
ベトナム
ラスク(1905.40)
日本
カナダ (非締約国)
小麦粉(1101.00)
アメリカ(非締約国)
バター(0405.10)
全ての非原産材料が19類以外からの変更が必要
→ベトナムの原産材料である砂糖には、規則は適用しない。
→非原産材料(輸入材料)である小麦粉(11類)、バター(4類)はともに類の変更がある。
→非原産材料(輸入材料)である穀粉の混合物(19類)は類の変更がない。
→ラスクはベトナムの原産品でない。⇒穀粉の混合物(第19類)がFOB10%以下であれば僅少の規定により、また、ベトナム原産材料であれば特恵適用可能
第11類
第04類
第19類
韓国(非締約国)
穀粉の混合物(1901.20)
第19類
○
○第17類
原産地基準の確認(日アセアン包括EPAの例)
Change of Chapter:他の類の材料からの変更
ベトナム原産材料
42
第1905.40号品目別規則:他の類の材料からの変更(第10類又は第11類の材料からの変更を除く。)
マレーシア
ラスク(1905.40)
日本
カナダ (非締約国)
小麦粉(1101.00)
カナダ(非締約国)
小麦(1001.19)
第11類
第10類
第19類
マレーシア原産材料
アメリカ(非締約国)
第04類
○
バター(0405.10)
全ての非原産材料が10類、11類、19類以外からの変更が必要
→マレーシアの原産材料である砂糖には、規則は適用しない。
→非原産材料(輸入材料)である小麦粉(11類)、小麦(10類)は類の変更はあるものの、規則から除かれている。
→ラスクはマレーシアの原産品ではない。
⇒小麦(第10類)、小麦粉(第11類)がマレーシア原産材料であれば
特恵適用可能
第17類
原産地基準の確認(日マレーシアEPAの例)
43
品目別規則 適用しやすさ
税率
GSP 第11類又は第19類に該当する物品以外の物品からの製造⇒第11類及び第19類の材料がベトナム原産材料であればOK
2 4.5%
(LDC:0%)
日ベトナム CC(第11類の材料からの変更を除く。)⇒第11類及び第19類の材料がベトナム原産材料であればOK
2 3.4%
日アセアン CC:他の類の材料からの変更
⇒第19類の材料がベトナム原産材料であればOK
1 9%
日マレーシア 他の類の材料からの変更(第10類又は第11類の材料からの変更を除く。)⇒第10類、第11類及び第19類の材料がマレーシア原産材料であればOK
3 2.5%
ラスク(第1905.40号)をベトナムで製造する場合
44
ただし、日ベトナム協定3.4%<GSP4.5%なのでGSPが適用できないため、多国間協定に対してもGSPは適用できない。ベトナムで適用できる特恵税率は、日ベトナム協定、日アセアン協定のいずれか輸入者の選択による。
税関ホームページhttp://www.customs.go.jp/
『輸出入の手続き』をクリック
参考
『事前教示』はここをクリック
『経済連携協定(FTA/EPA)』はここをクリック
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