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ICHQ8,Q9の概念を導入した 効果的・効率的なGCP監査を 目指して ー導入の意義並びに具体的な導入に係る一提言ー 日本QA研究会 GCP部会 下向 東紅 2017/3/7 日本医師会 ネットワークフォーラム

ICH Q8,Q9の概念を導入した 効果的・効率的なGCP監査を 目 …ICH‐Q8,Q9の概念を導入した 効果的・効率的なGCP監査を 目指して ー導入の意義並びに具体的な導入に係る一提言ー

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ICH‐Q8,Q9の概念を導入した効果的・効率的なGCP監査を

目指してー導入の意義並びに具体的な導入に係る一提言ー

日本QA研究会 GCP部会 下向 東紅

2017/3/7     日本医師会 ネットワークフォーラム

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背景・目的

治験で取り扱う資料の膨大化

監査を効果的かつ効率的に実施するための基本的な考え方・具体的な方法を同調させることを目的としたひとつの考え方を提示

品質を確保する際の基本的な考え方や具体的な方法に、「温度差」がある可能性限られた資源の

有効活用

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基本的な考え方~どのような概念を用いるのか~

CRO

臨床検査会社ベンダー

■ 国際的に認められた概念・用語・定義を利用

◆ Q8 製剤開発に関するGL

◆ Q9 品質リスクマネジメントに関するGL

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Q8_GLの概念を応用することの有用性

製剤開発と臨床開発では、「最終製品」が「物質」か「データ」の違いはるが、 「規格」に合致した「最終製品」を効果的かつ効率的に製造するための基本的な考え方は応用可能。

重要工程パラメータ(CPP)に主眼をおいて、重要品質特性(CQA)をコントロールする。

即ち

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重要品質特性(Critical Quality Attribute:CQA)

最終製品である製剤の特性が規格に合致するように作り上げるためには、各製造工程における製品(中間製品)の「特性」のうち最終製品の規格を左右する重要な特性を重要品質特性という。

重要工程パラメータ(Critical Process Parameter:CPP)

工程パラメータのうち、その変動が重要品質特性に影響を及ぼすことから、当該工程が望ましい品質を生み出すことを保証するために監視や管理をする必要があるもの

例えば、

「ラセミ体を光学分割する製造工程」を考えると、「光学純度」がCQA、光学純度を「●±●%」に収めるパラメータがCPPと考える。

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Q9_GLの概念を応用することの有用性 「危険源」によって発生する「危害」に対するリスクを分

析し、容認できるか否かを評価する手法が応用可能

発生の予防措置・是正措置を講じる手法が応用可能

CPPが管理範囲を逸脱した場合、どのような“危害”が発生し、その危害が容認できるか否かということを、リスク分析による「重み付け」という観点から整理する。

故に

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Q8,Q9概念導入した基本的な考え方

• 重要工程パラメータ(CPP)に主眼をおいて、重要品質特性(CQA)をコントロールする。

最終製品の特性に影響を与えるCPPを特定し、当該CPPに特化した製造工程の品質管理を行うことで、効果的かつ効率的な品質システムが可能になる。

• CPPが管理範囲を逸脱した場合、どのような“危害”が発生し、その危害が容認できるか否かということを、リスク分析による「重み付け」という観点から整理する。

治験の工程において、導入を検討する

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具体的な導入方法

1. “治験の工程”をいくつかの工程に分割する。

2. 各工程におけるアウトプット(中間製品)の重要品質特

性(CQA)を洗い出す。

3. 各工程をいくつかの副工程に分割する。

4. 各副工程で発生した危害を洗い出す。

5. 危害に係る工程パラメータ(PP)を洗い出す。

6. 中間製品のCQAに影響を与える各副工程の重要工程

パラメータ(CPP)を特定する。

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情報源

情報公開制度を活用して、

独立行政法人医薬品医療機器総合機構から入手したGCP実地調査及び承認申請資料適合性書面調査の結果に関する資料(2008年~2012年分)

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対象とする治験の製造工程の選択

中間製品を再同意書とし、

「SAEの発見から再同意取得まで」の工程

(SAEに係る再同意取得工程)

について検討した。

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治験の工程

品質システム

実施医療機関選定

治験依頼

初回IRB

治験契約締結

同意取得

被験者登録

治験薬投与

検査・観察・評価

治験終了報告

症例報告書

監査

中間製品のCQA当該プロセスのCPPは?

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SAEに係る再同意取得工程における副工程

1.SA

E

情報の提供要請

2.SA

E

の発見と評価

3.SA

E

情報の報告・入手

4.SA

E

情報の社内分析・評価

5.

当局への報告

6.

情報提供・審査依頼

7.

口頭での再同意

8.IR

B審査

9.

文書による再同意取得

再同意書

中間製品のCQA

当該副工程のCPPは?

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予備分析結果

各副工程における指摘事例(危害)の発生件数

数値:件数

副工程 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9

合計

依頼者 3 2 4 - 1 115 1 26 8

医療機関 2 6 7 - - 9 4 120 25

情報源から得られた指摘事例(危害)が再同意取得工程のどの副工程に該当するか分類した。

(2006年~2012年分)

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予備分析の結果(2006年~2012年分)

本結果をもって本分析(2008年~2012年分)に移行した。

■ 指摘事例(危害)は、依頼者側、実施医療機関側の各々で、以下の2つの副工程に局在

◆ 第6副工程治験責任医師・実施医療機関の長への情報提供,同意説明文書の変更申請・審査依頼

◆ 第8副工程IRBでの治験継続・再同意書の審査

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指摘先該当する副工程No.

1. 危害は何か2. 該当工程パラ

メータ3. 当該工程パラメータの逸脱内容(危険源)

依頼者 6

A 実施医療機関への情報提供が遅れた。

B 実施医療機関への情報提供が行われなかった。

A 情報提供日(規定期間内)

A 治験依頼者は、治験責任医師・実施医療機関の長に対し、被験者の意思に影響を与える有害事象情報の伝達が遅れた。

B 治験依頼者は、治験責任医師・実施医療機関の長に対し、被験者の意思に影響を与える有害事象情報を伝達しなかった。

医療機関 8

A IRBでの治験継続の適否・同意説明文書の改訂に係る審査が成立していなかった。

B IRBでの治験継続の適否・同意説明文書の改訂に係る審査が実施されなかった。

C 実施医療機関の長は治験継続の適否を通知していなかった。

D 実施医療機関の長は治験継続の適否を決定できなかった。

A 治験継続の適否・同意説明文書の改訂に係る審査方法

B IRB審査依頼

C IRB審査参加委員の構成

D IRB審査結果の通知

A IRBは、治験継続の適否・同意説明文書の改訂に係る審査を行なわず、報告対象としていた。

B IRBは、治験継続の適否・同意説明文書の改訂に係る審査を迅速審査により実施していた。

C 実施医療機関の長は、治験継続の適否・同意説明文書の改訂に係る審査をIRBに依頼していなかった。

D IRB審査参加委員の構成が不適切であった。

E 一貫した審議(初回審査を含めた継続審査)が成されていなかった。

F IRBは、実施医療機関の長に審査結果を通知していなかった。

G 実施医療機関の長は、治験継続の適否を治験依頼者及び治験責任医師に通知していなかった。

分析用の雛形(2008年~2012年分)

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本分析結果

A42

(98)

B1

(2)A1

(2)

A42

(98)A42

(98)

B1

(2)

依頼者

43

第6副工程

PPの逸脱内容(危険源)

PP危害

アルファベット:スライド15参照数値:件数(%)

(2008年~2012年分)

第6副工程:依頼者

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医療機関

65

第8副工程

PPの逸脱内容(危険源)

PP

危害

アルファベット:スライド15参照数値:件数(%)

C22

(34)

F2

(3)

G4

(6)

D2

(3)

D4

(6)

D2

(3)

C4

(6)

B23

(35)B23

(35)

A1

(2)

D4

(6)C4

(6)

E1

(2)B1

(2)

D1

(2)

A1

(2)

B29

(45)A31

(48)

A36

(56)

(2008年~2012年分)

第8副工程:医療機関

本分析結果

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発生頻度の高い危害とCPP及びCPPの逸脱内容(危険源)

副工程

指摘先

危害 CPP CPPの逸脱内容(危険源)

No. 副工程の名称 内容発生頻度

内容発生頻度

内容発生頻度

6

治験責任医師・実施医療機関の長への情報提供,同意説明文書の変更申請,審査依頼

依頼者A 実施医療機

関への情報提供が遅れた。

42(98)

A 情報提供日(規定期間内)

42(98)

A 治験依頼者は、治験責任医師・実施医療機関の長に対し、被験者の意思に影響を与える有害事象情報の伝達が遅れた。

42(98)

8IRBでの治験継続・再同

意書の審査医療機関

A IRBでの治験継続の適否・同意説明文書の改訂に係る審査が成立していなかった。

36(56)

A 治験継続の適否・同意説明文書の改訂に係る審査方法

31(48)

B IRBは、治験継続の適否・同意説明文書の改訂に係る審査を迅速審査により実施していた。

29(45)

B IRBでの治験継続の適否・同意説明文書の改訂に係る審査が実施されなかった。

23(35)

B IRB審査依頼

23(35)

C 実施医療機関の長は、治験継続の適否・同意説明文書の改訂に係る審査をIRBに依頼していなかった。

22(34)

数値: 件数 (%)

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対象とする治験の工程の選択

中間製品を診療録とし、

「検査・観察・評価」の工程

について検討した。

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品質システム

実施医療機関選定

治験依頼

初回IRB

治験契約締結

同意取得

治験薬投与

症例報告書

検査・観察・評価

中間製品のCQAは?

C R F 作成・

入手・S D V

当該プロセスのCPPは?

監査

治験の工程

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検査・観察・評価工程における副工程

次回来院日確認)

1.評価

(問診・患者日誌確認・

MR

I

等)

2.検査

(血液・心電図・X

線・

3.併用薬・併用療法の調査

クシート・CR

C

メモ)

4.原資料の作成

(カルテ・ワー

5.原資料の保存

診療録

中間製品のCQAは?

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(2008年~2012年分)

指摘先副工程No.

1.危害内容 2.該当工程パラメータ3. 当該工程パラメータの逸脱内容

(危険源)

医療機関 11.適切な方法で評価が実施されなかった。

2.適切な時期に評価が実施されなかった。

1.評価方法

2.評価時期

1.医師による評価方法のミス

2.医師による評価時期のミス

医療機関 2

1.検査が実施されなかった。

2.適切な時期に検査が実施されなかった。

3.PRTに規定された回数以上に実施された。

4.PRTにない検査が実施された。

1.検査回数

2.検査時期

3.検査実施に関する基準

4.再測定基準

1.医師による検査方法のミス

2.情報伝達のミス

3.CRCによる検査方法のミス

4.検査体制の不備

医療機関 3

1.併用禁止薬が投与された。

2.適切な用法用量で併用薬が投与されなかった。

3.併用療法が適切に実施されなかった。

1.併用薬投与規定

2.併用療法規定

1.医師の処方ミス

2.情報伝達のミス

医療機関 41.原データが確認できなかった。

2.盲検性が維持されなかった。1.原資料の作成方法

1.原データの未記載

2.原データの不適切な記載

医療機関 51.原資料が保存されなかった。

2.電子データが読み取れなかった。1.原資料の保存方法

1.原データの紛失

2.原データの見読性の不備

分析用の雛形

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分析結果

副工程No. 1 2 3 4 5

件数 28 93 54 6 42

各副工程における指摘事例(危害)の発生件数

情報源から得られた指摘事例(危害)が「検査・観察・評価」工程のどの副工程に該当するか分類した。

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分析結果

124

(86)

24

(14)2

11

2

28件

PP危害

第1副工程:評価

選択番号

件数(%)

第1副工程

PPの逸脱内容(危険源)

選択番号:スライド22参照数値:件数(%)

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PPの逸脱内容(危険源)

93件

第2副工程 2

PP

危害

11

(1)

3

1

1

4

13

(3)

21

(1)

2

分析結果第2副工程:検査

41

(1)

142

(45)

33

(3)

27

(8)

115

(16)

23

(3)

34

(4)

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12

(2)3

4

1

13

3

11

(1)

11

(1)

21

(1)

41

(1)

31

(1)

22

(2)

13

(3)

21

(1)

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分析結果第3副工程:併用薬・併用療法の調査

54件

第3副工程

PP危害

3

2

1

34

(7)

1

136

(67)

31

(2)

1

111

(20)

31

(2)

2

11

(2)

PPの逸脱内容(危険源)

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分析結果第4副工程:原資料の作成

PPの逸脱内容(危険源)

15

(83)

21

(17)1

11

2

6件

第4副工程

PP危害

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分析結果第5副工程:原資料の保存

PPの逸脱内容(危険源)

141

(98)

21

(2)1

11

2

42件

第5副工程

PP危害

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発生頻度の高い危害とCPP及びCPPの逸脱内容(危険源)

副工程 危害 CPP CPPの逸脱内容(危険源)

発生頻度No. 副工程の名称 内容 内容 内容

2検査(血液・心電図・

X線・MRI等)1.検査が実施されなかった。

1.検査回数1.医師による検査方法のミス

42(45)

3併用薬・併用療法

の調査

1.併用禁止薬が投与された。

1.併用薬投与規定 1.医師の処方ミス36

(67)

5 原資料の保存1.原資料が保存されなかった。

1.原資料の保存方法 1.原データの紛失41

(98)

数値: 件数 (%)

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結論■2008年から2012年の直近の4年間におけるGCP適

合性調査の危害、PPおよびPPの逸脱内容に「局在性」が存在するという事実が明らかになった。

■日本の治験の工程のうち「SAEに係る再同意取得」

「検査・観察・評価」を対象とした監査においては、あ

る特定のパラメータに主眼をおくことにより、当該品

質管理システムに対する効果的かつ効率的な評価

並びに当該評価結果に基づく適切な予防措置・是

正措置の提言による継続的な品質システムの改善・

維持が可能であることが示唆された。

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今後の検討課題

■ 当該CPPの逸脱の根本原因

■ 根本原因を予防するあるいは取り除くための実効性のある具体的な施策

■ 「SAEに係る再同意取得プロセス」 および 「検査・観察・評価」以外の治験の工程に対する適用可能性