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ICP-MS iCAP-Q トラブルシューティングガイド ver 2.2 Date2015.05

ICP-MS iCAP -Q...3 Proprietary & Confidential 事前確認1 まず最初に確認してください (全てのトラブルシューティング共通) まず、装置ユーティリティの確認を行ってください。

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Page 1: ICP-MS iCAP -Q...3 Proprietary & Confidential 事前確認1 まず最初に確認してください (全てのトラブルシューティング共通) まず、装置ユーティリティの確認を行ってください。

ICP-MS iCAP-Q トラブルシューティングガイド ver 2.2

Date:2015.05

Page 2: ICP-MS iCAP -Q...3 Proprietary & Confidential 事前確認1 まず最初に確認してください (全てのトラブルシューティング共通) まず、装置ユーティリティの確認を行ってください。

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主なトラブルについて

プラズマが点火しない ・・・P.3

オペレートにならない ・・・P.7

カウントが出ない ・・・P.10

感度が低い ・・・P.12

通信不良 ・・・P.13

真空ポンプが動作しない。ポンプがまわらない。 ・・・P.14

計画停電時の装置停止、起動手順 ・・・P.15

Proprietary & Confidential

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3 Proprietary & Confidential

事前確認1 まず最初に確認してください (全てのトラブルシューティング共通)

まず、装置ユーティリティの確認を行ってください。

① Arガスは供給されていますか?

目視確認 オペレート状態で圧力0.6 MPa以上確保されていること。

目視確認 装置コントロールプログラムのコントロールパネル/プラズマ内の

‘アルゴン供給’がOKになっている。

②トーチボックスは排気されていますか?

目視確認 装置コントロールプログラムのコントロール

パネル/プラズマ内の‘プラズマ排気’が

0.3-0.7mbarを指している。

③冷却水は正常ですか?

目視確認 冷却水の量(水位)が適量であること。

目視確認 冷却水が汚れていないこと。

目視確認 ON状態で20℃-25℃を示すこと。

目視確認 圧力がかかっていること。(送液していること) 圧力計をみる。

水が汚れていると流路のつまりの原因となります。電磁バルブやフローセンサの故障の原因となりますので必ず確認してください。

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トラブル1 プラズマが点火しない

プラズマ点火シーケンスのエラーによって、考えられる対処が異なります。

1.「ガスラインをパージ」の後にネブライザーガスセット値でエラー

→Arガス0.6MPaかかっていることをご確認ください。

上記確認後装置がスタンバイ状態であることをご確認の上、一度iCAPQ左側面の電源を切り、

20~30秒待ってから再度電源を入れてください。

2.「水で待機」から進まない

→冷却水循環装置の電源が入っていること、冷却水循環装置正面の

下ボタンを押して水圧がかかっていることを確認。

それでも症状改善しない場合は装置内部で水漏れ

が起きている可能性があるため、弊社にご連絡ください。

※もう一度下ボタンを押すと温度表示に戻ります。

3.「プラズマが点火できませんでした」のエラー

→チャンバー、トーチを一度分解して、水分の付着や、溜まっていないことをご確認ください。

またトーチホルダーにOリングが2つ付いていることをご確認ください。

以上のことをしても、復帰しない場合は下記手順にて調査願います。

プラズマオンボタンを押して、プラズマ点火しますか?で‘はい’を押す。

その後下記のリードバックプロットをクリック

下記画面が出てくるので、2か所にチェックマークを入れる。

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‘プラズマ点火中’の時に下記のように2本の線が出ればハードウェアは正常です。

導入系(トーチ、インジェクター等)の交換をお願い致します。

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6 Proprietary & Confidential

装置がスタンバイ状態であることを確認後、iCAPQ左側面の電源を一度落として20~30秒待ってからもう一度ONしてください。

装置正面のvacuumのLEDが緑になったことを確認してから、プラズマ点火を試みてください。

それでもダメな場合はパーツの交換が必要となります。

弊社にご連絡ください。

下記のような1本線しか出ない場合は、次の手順をお願い致します。

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トラブル2 オペレートにならない (オペレートになる前にプラズマ消える場合)

エクスパンジョンポンプアウト時間=エクスパンジョンチャンバーのポンプアウト最小時間 (例5→15)

最大エクスパンジョンポンプアウト時間=エクスパンジョンチャンバーのポンプアウト最大時間 (例25→50)

上記の時間を延ばす方向で調整してください

オペレートになるまでのエラーによって対処が異なります。

①「ピラニー圧が---mbarに達しません」エラーの場合

→サンプルコーン(カズケット)、スキマーコーンの取付確認または交換をお願い致します。取付方が悪い場合リークが考えられます。

それでも改善しない場合は下記設定値の変更をお願い致します。

‘configurator’を立上、それぞれの設定値を調整

右クリック

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エクスパンジョンポンプアウト時間=エクスパンジョンチャンバーのポンプアウト最小時間 (例5→15)

最大エクスパンジョンポンプアウト時間=エクスパンジョンチャンバーのポンプアウト最大時間 (例25→50)

最大ピラニ圧=次のステップに進むために必要な真空度値 (例2.2→2.1)

上記時間を延ばす、最大ピラニ圧は下げる方向で調整してください

Proprietary & Confidential

右クリック

②「スライドバルブが開けません」エラーの場合

→サンプルコーン、スキマーコーンの洗浄または交換をお願い致します。スキマーコーンの穴が小さくなっている可能性が考えられます。

それでも改善しない場合は下記設定値の変更をお願い致します。

‘configurator’を立上、それぞれの設定値を調整

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・コーンは汚れていませんか?

汚れている場合 →水で超音波洗浄してください。

コーン先端が変形している場合→新品に交換してください。

・コイルは汚れていませんか?

汚れている場合 →水またはエタノールを浸したウエスでコイルを拭いてください。

汚れがひどい場合は1%硝酸を浸したウエスですばやく拭いてください。

・トーチは汚れていませんか?

汚れている場合 →エタノールを浸したウエスで拭いてください。

ふき取り後は完全に乾燥させてから使用してください。

・トーチに変形や欠けはありませんか?

変形や欠けがある場合 →新品に交換してください。

・ネブライザの噴霧状態は良いですか?

ネブライザ先端の噴霧部を目視確認してください。噴霧にムラがあれば、

→ネブライザを交換してください。

・スプレーチャンバーのドレインが正常に流れず、たまっていませんか?

→詰まりがあれば取り除いて下さい。

③その他、不意にプラズマが消える場合

Proprietary & Confidential

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トラブル3 カウントが全く出ない ほとんど出ない

STEP1 まず確認する項目

①各レンズ、検出器電圧は印加されていますか?

Instrument Control>コントロールパネル>メイン、アドバンスト等 の中の各レンズおよび検出器のリー ドバックが保存値と一致しているか確認してください(停電後など、装置を再起動した際にはゼロに戻るため)→保存値と一致しない場合はSTEP2へ

②導入系に異常はありませんか?

a) チューニング溶液を吸い上げて、ドレインから廃液されていますか?

b) サンプルコーン、スキマーコーン(インサート)の穴に異常はありませんか?

③ Quad RF Frequency(MHz)は1.900~2.00の間でしょうか?

→上記①と②でも改善しない場合はSTEP2③を実施してください

STEP2

①レンズの電圧が保存値と一致しない場合

もう一度レンズの条件を読み込んでください。もしくは他のレンズ条件に一度変更し、また戻し

ます。それでも改善されない場合はスタンバイ状態にし、一度装置の電源OFF-ONを行ってください。

③四重極の周波数調整

デスクトップ上のInstrument Controlを立ち上げる。

Experiment Configuration

iCAPQもしくはfactory View

を選択する

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11 Proprietary & Confidential

四重極周波数が1.90~2.00MHz付近で止まりチューニングが終了した後、Experiment Configuration画面にて

Installer with ASX520もしくはInstaller with ESI-2DXに戻し(前頁参照)、STDモード、Setup solutionにて

マス較正を実施ください。

Startボタンクリック

自動的に実行され止まります。

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トラブル4 感度が低い

STEP1 まず確認する項目

①チューニング溶液が吸われていて、ドレインが流れていますか?

②コントロールパネルの各パラメータのリードバック値が保存値と一致していますか?

→一致していなければレンズ条件を再度読み込んでください

③オート調整を行ってください

STEP2 チューニングしても感度が回復しない場合

④マス較正、検出器セットアップを行ってください

STEP3 それでも感度が回復しない場合 (一旦、プラズマを消して、以下の項目を確認してください。)

⑤グラスウェアの取り付けに問題はありませんか?コネクタ部の緩みなど

⑥ネブライザの噴霧状態に問題はありませんか?

→安定した噴霧常態でない場合、洗浄(吸引洗浄)するか、新品に取り替えてください。

⑦コーン先端が変形していませんか?コーン開孔部が詰まっていませんか?

→汚れならば超音波洗浄をしてください。変形等であれば新品に交換してください。

⑧スキマーコーンにインサートは付いていますか?

⑨トーチ部分に変形はありませんか? →変形があれば新品に交換してください。

⑩STDモードでTuneB溶液はどのくらいのカウントが出ますか?

→Co:10万cps In:20万cpsほど出ているのであれば装置的には問題ありません。

→CCTガスのボンベがあいているのか確認してください

⑪STDモードで上記カウントが出ない場合はコーンの交換をお願いします。

→それでも回復しない場合はSTDモードの際にCCTガスが流れていないか確認してください

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トラブル5 通信不良

通信が取れている、取れていないはInstrument controlのオンオフボタンでご判断ください

但し、分析中や装置がビジー状態(何かしら作業をしている)時は

グレーアウトしています

通信が取れなくなった場合、以下の項目を確認、実施してください。

・instrumnet controlのプログラムを一度閉じて、もう一度開く。

・PCの再起動

・上記をしても改善せずプラズマが点いている場合はトーチボックスのドアノブを90度ひねり、プラズマを消す

・スタンバイ状態で装置の電源オフ。20秒後に電源をオンする。(装置再起動)

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トラブル6 真空ポンプが動作しない。

真空が落ちてから復帰する場合

①Arガス0.6MPaの圧力が装置にかかっている事を確認。圧かかっていない場合はボンベを開けてください。

②装置側面のメイン電源が入っていない場合はオンしてください。

③ロータリーポンプの電源を確認してください。(通常は常時ONです)

④電源オンした時に真空引きを開始しない場合は下記コントロールパネルから

真空システムをオンしてください。

ポンプスイッチ |:オン O:オフ

④上記のターボポンプスピードが徐々に上がっていき1000Hz付近になり、

ペニング圧が-----e-006もしくはe-007になっていれば、真空引きが行われています。

5e-007以下にペニング圧が上がるまで待っていただいてから、プラズマを点けて

ください。それより前にプラズマを点けても感度が低い、もしくはプラズマが消えて

しまう可能性があります。

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計画停電時の装置停止、起動手順

Proprietary & Confidential

計画停電時の装置停止手順

①装置へ0.6MPaのArガス圧力がかかっている事を確認。もし圧かかっていない場合はボンベを開けてください。

※スライドバルブがArガス圧力で稼動しているため、圧力をかけておく必要があります。

②PCおよび付属装置の電源をOFFします。

③装置フロントパネルの青色LEDが点滅していることを確認します。点滅していればOK

④iCAP Q装置側面のメイン電源(ブレーカー)をOFFします。

④約15~20分後、お客様設備上のメイン電源をお切りください。

計画停電時の装置起動手順

①お客様設備上のメイン電源をON

②装置へ0.6MPaのArガス圧力がかかっている事を確認。もし圧かかっていない場合はボンベを開けてください。

※スライドバルブがArガス圧力で稼動しているため、圧力をかけておく必要があります。

③iCAP Q装置側面のメイン電源(ブレーカー)をONします。

④PCを起動します。

⑤Instrument Controlを開き、真空画面にて下記を確認ください。

ターボポンプスピードが徐々に上がっていき999~1000Hzで安定します。

ペニング圧が-----e-005~e-007になっていれば、真空引きが行われています。

5e-007以下にペニング圧が下がれば、装置は使用可能です。

真空度が悪い状態でプラズマを点灯されても感度が低かったり、プラズマが消えてしまう可能性があります。

検出器にも悪影響を及ぼしますので、ご注意ください。