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COMSOL Days第1回流体セミナー
層流~マイクロフルイディクス
橋口真宜、米大海第1技術部
東京都千代田区内神田1-9-5 SF内神田https://www.kesco.co.jp/https://www.comsol.jp/
2019年4月15日15:40-16:10
加筆修正版
内容
非常に遅い流れ
層流 遷移Re数よりも低いRe数での流れ
遷移Re数よりも高いRe数での流れ
三次元性
非定常性
回転機械での流れ
第1回 層流~マイクロフルイディクス
第2回 回転機械~乱流
2
計算シミュレーションの仕事の流れ
ジオメトリ材料設定
フィジックス
境界条件初期条件
行列方程式
計算
ポスト処理
メッシュ
偏微分方程式(常微分、代数方程式、数式入力なども含む)
各要素に未知数を置く。
作業の流れ
有限要素法の例
3
COMSOL Desktopのモデルビルダーの利用
モデル構築モデル開発
COMSOL Desktop 統合型GUI (プリ・任意のフィジックス・メッシュ・ソルバ・ポスト処理)
モデルビルダ
アプリケーションビルダ
マルチフィジックス解析
4
有限要素法との関係𝜌 𝑢
𝜕𝑢
𝜕𝑥+ 𝑣
𝜕𝑢
𝜕𝑦=
𝜕
𝜕𝑥−𝑝 + 𝜏𝑥𝑥 +
𝜕
𝜕𝑦𝜏𝑥𝑦 + 𝐹𝑥
0 = න 𝜑𝜕
𝜕𝑥−𝑝 + 𝜏𝑥𝑥 +
𝜕
𝜕𝑦𝜏𝑥𝑦 − 𝜑 𝜌 𝑢
𝜕𝑢
𝜕𝑥+ 𝑣
𝜕𝑢
𝜕𝑦+ 𝜑𝐹𝑥 𝑑𝑉
−𝜑 𝜌𝑢𝜕𝑢
𝜕𝑥
𝜑𝜕
𝜕𝑥−𝑝 + 𝜏𝑥𝑥 =
𝜕
𝜕𝑥𝜑 −𝑝 + 𝜏𝑥𝑥 − (−𝑝 + 𝜏𝑥𝑥)
𝜕𝜑
𝜕𝑥
𝜑をtest(𝑢)に、𝜕𝑢
𝜕𝑥をd(u,x)に
Gaussの発散定理で境界条件へ移行
test 𝑢𝑥 と書く0 = −න𝜓𝜕𝑢
𝜕𝑥+𝜕𝑣
𝜕𝑦continuityEquation
実際には積分した結果となり、“数値”になるのでx方向とy方向の成分や連続の式を足し合わせて構わない。
5
弱形式 方程式の残差に重み関数をかけたものを積分区間で平均的に0にする
ガラーキン法 解の補間関数と重み関数の補間関数を同じものにする
流線拡散横風拡散
定常解を計算する疑似時間法
強形式方程式残差を各点ごとに0にする
𝜑𝐹𝑥 test(u)*Fx
①
①
②
②
③
③④
④
時間方向の取り扱い
6
線の方法(Method of lines)
𝜌𝜕𝑢
𝜕𝑡+対流項 =圧力項+粘性項+外力項
𝜌𝜕𝑢
𝜕𝑡= −対流項+圧力項+粘性項+外力項
𝜌𝜕𝑢𝐼𝜕𝑡
= 𝑅𝐻𝑆𝐼
FEMによる離散化
空間の離散化を行うと、上記のような多元連立の時間に関する常微分方程式を得る。(I=1~N)
連立常微分方程式の数値積分解法は提案されているものが豊富にあるので、それらを使って、時間積分を行うことができる。
空間の離散化と時間方向の離散化を独立に考える点に特徴がある。
半離散化
𝑡
𝑡 + ∆𝑡
𝐼
𝐼+1𝐼+2
何故、いろいろなことが計算できるか
弱形式に変換 (弱形式からの直接入力も可)FEM プログラムの自動作成(コンパイル)
解きたい方程式
インターフェース
テンプレート
有限要素解析
PDEからの構築専門分野別モジュールによる構築任意の連成が可能
メッシュ生成
ソルバーシーケンス設定結果処理
ダイナミックな設定(試行錯誤可)同じルック&フィールの設定
7
FEMは弱形式が与えられれば、積分は数値積分によって定型化されているので離散化式をルーチン的に求めることができる。
非常に遅い流れ
http://www.megachem.co.jp/Fluid_mechanics/Photo/H9.png
Hele-Shaw実験装置 上下壁の隙間が狭い流路の中の遅い流れ
8
Hele-Shawの粘性非圧縮流れとポテンシャル流との等価性
http://daedalus.k.u-tokyo.ac.jp/laboratory/research/HeleShawReport.pdf
実験装置の作成法も掲載されている。
Z方向の流路幅は狭い。すべり無しを満たし、Z方向の速度成分w=0u,vはZ方向には放物型の速度分布をもつ。
ポテンシャル流れ
Hele-Shaw流れ
9
円柱まわりのHele-Shaw流れ
http://www.megachem.co.jp/Fluid_mechanics/Photo/H9_flow_round_disc_2.jpg
比較のため、左右反転した
本3D Navier-Stokes計算結果 ReD=1
本計算は何も仮定しない3次元のNavier-Stokes計算であるので、Hele-Shawの理論仮定が正しいことを示している。
10
傾斜平板まわりのHele-Shaw流れ
http://courses.washington.edu/mengr543/handouts/Album-Fluid-Motion-Van-Dyke.pdf
本3D Navier-Stokes計算結果
11
実験結果
地面板上の正方形柱の流れ
Re=0.02Re=0.02
http://courses.washington.edu/mengr543/handouts/Album-Fluid-Motion-Van-Dyke.pdf
流線の比較においては、包絡線での描画方法に工夫が要る。本計算は3次元のNavier-Stokes方程式を解いており、実験結果に対応した解が得られている。
実験による写真は貴重な情報をもっている。
本3D計算結果
12
低速でもこの場合にはポテンシャル流とは異なって流れのはく離と渦が観察される。
流路内円柱を過ぎるRe=140の流れ
Application libraryにあるRe=100の円柱流れの2次元計算を利用して説明する。パラメタは少し変更し、Re=140とした。計算領域の上下は固体壁で囲まれている。
U_mean➔ U_mean*1.4
ある瞬間の渦度の絶対値表示
𝐶𝑑 𝐶𝑙
すべり無し
すべり無し
非定常性が現れる。
流入口の速度分布は放物型を与えている。上下の壁では速度0であることを満たす。
13
自由空間でのRe=140の流れ
http://courses.washington.edu/mengr543/handouts/Album-Fluid-Motion-Van-Dyke.pdf
ある瞬間の渦度の絶対値表示
流脈表示による実験結果
Re=140
14
抗力、揚力に与える影響
𝐶𝑑 𝐶𝑙
𝐶𝑑
𝐶𝑙
ブロッケージ比S/C=25%
ブロッケージ比S/C=5%
𝑐
𝑆
15
従来の結果との比較
三次元性*
主流速度および上下壁の影響
16
*“二次元の実験”には三次元(スパン方向)の影響が含まれている。計算領域をかなり大きく(~100d)とっても差がある場合には三次元計算を行ってみる必要があろう。
三次元性J.M. Cimbala, Large structure in the far wakes of two-dimensional bluff bodies,J. Fluid Mech. (1988), Vol.190, pp.265-298.
17
上面に移動壁を有する空洞内の流体運動と三次元効果
Re=100
18
メッシュの差異すべり無し
開放境界
開放境界
開放境界
COMSOLのフィジックス制御メッシュで自動化できる。
19
マイクロフルイディクス
https://www.ijert.org/research/star-shaped-microchannel-chip-IJERTV1IS7396.pdf
20
COMSOL MultiphysicsのApplication Librariesに例題がある。問題の説明、基礎式、操作手順を示したpdfも付属している。
https://www.comsol.jp/model/star-shaped-microchannel-480
マイクロフルイディクスハーゲン・ポアズイユ流れを考察すると,粘性が高いものを輸送するには相当な圧力差を要する。そこで、壁面で速度を滑らせることで改善する。
電圧をかけて電気浸透流を起こし、滑らせる。
流速は遅いので、Stokes流れ解析(NS方程式の対流項なし)を行うことができる。
接線電界に比例した壁面速度
https://www.comsol.jp/model/optimizing-band-dispersion-in-an-electroosmotic-flow-through-a-curved-microchann-16157
21
流路形状の最適化前(左)と後(右)の時間変化の様子
𝜁:ゼータ電位E:電界Et:接線電界
ニュートン流と非ニュートン流
https://en.wikipedia.org/wiki/Non-Newtonian_fluid
http://physiology.jp/wp-content/uploads/2014/01/066070234.pdf22
COMSOLでの非ニュートン流体
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ユーザー定義も行える。
粘性係数とせん断速度との実験結果を表関数として組み込むことも可能である。
https://www.comsol.jp/model/non-newtonian-flow-171
非ニュートン流体の計算結果
Carreau モデル
粘性係数も変化する
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https://www.comsol.jp/model/non-newtonian-flow-171
PC実演
モデルビルダーによるモデル開発
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計算条件が明記されていること実験値、計算値がそろっていること
中山司、流れ解析のための有限要素法入門、東京大学出版会、2008.
問題の設定
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計算結果
𝑥/𝐻
Re=191
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解の比較X方向流速成分の比較
座標不明
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PC実演
アプリケーションによるアプリ作成
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アプリ作成の詳細手順は下記を参照ください。
1) 橋口,米:フィジックス教育用のアプリ開発,第23回計算工学講演会, ベンダー・ユーザーセッションD-04-04, 2018.
2) M. Hashiguchi, D. Mi : Education and business style innovation by COMSOL Apps, 2018,https://www.comsol.jp/paper/download/565982/masanori_paper.pdf.
3) 「アプリを作成し,サーバーやコンパイラを利用できるようにしよう」 , COMSOLカンファレンス東京2018 ランチョンセミナ資料(5月13日第2回流体セミナー会場で配布予定).
アプリ化=教育改革、業務改革
アプリ化
サーバーによるWeb配信
コンパイラによる実行形式ファイルの作成と配布
モデル開発が終われば、たくさんの人に活用してもらう。ソフトウェアの利用法を知らなくても、PCをもっていない人でも場所を選ばず、計算解析を行うことができる。
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ご清聴ありがとうございました。
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