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- 1 - MITAC PROPRIETARY

国産リージョナルジェット旅客機 MRJの開発状況

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平成２６年９月４日

三菱航空機株式会社


目次

1. 航空機開発の歴史

2. 国産旅客機の意義

3. リージョナルジェット機市場

4. MRJの特徴

5. 開発状況

6. 販売状況

7. 耐空証明

8. まとめ


1. 航空機開発の歴史


（終戦までに航空機18,000機，エンジン52,000基を製作。ﾋﾟｰｸ時年産4000機、従業員約20万人）

日本の航空機産業 – 三菱航空機事業の変遷（戦前・戦中）

1920年 1930年 1940年 1945年

一Ｏ式艦上戦闘機

（1921初飛行）

零式艦上戦闘機

（1940制式化）

一式陸上攻撃機

試作局地戦闘機

「秋水」

海軍

陸軍神風号(1937訪欧)

（九七式司令部偵察機）

九七式重爆撃機

四式重爆撃機

「飛龍」

己式一型練習機

▼三菱内燃機製造設立

1920

▼三菱重工業名古屋航空機製作所に改称

1934

ニッポン号（1939世界一周）（九六式陸上攻撃機）

終

戦


日本の航空史－戦後の再生

日本の航空産業の再生を賭けた国家プロジェクトYS-11

初飛行： 1962年（昭和37年）8月30日製造終了： 1973年（昭和48年）販売機数： 180機 (国内 99機販売)

初飛行の様子（名古屋空港）


ﾍﾘｺﾌﾟﾀ（S-61,HSS-2,SH/UH-60)

F-86F F-104J F-4EJ F-15J

T-2/F-1

F-2

YS-11

MU-2, MU-300

B767

B777

B787

軍用機ライセンス生産による技術育成

国産戦闘機開発で技術力向上

国際共同開発の拡大

国産民間機事業の中断

T-2CCV開発

SH-60K

先進技術基盤確立

1950年 1960年 1970年 1980年 1990年 2000年 2010年

米軍機の修理

戦後の空白期（７年間）

MRJ ｲﾝﾃｸﾞﾚｰｼｮﾝ

技術

複合材技術

高品質・高効率

生産技術

日本の航空機産業 – 三菱航空機事業の変遷（戦後）


2. 国産旅客機の意義


出典：工業統計表出典：（一社）日本航空宇宙工業会

（兆円）

（兆円）

⇒ 米国の１／１0 英仏の１／３～４ ⇒ 自動車の１／４０

【産業別出荷額（日本）】（2012年）【各国航空宇宙産業規模】（2011年）

日本の航空機産業 - 事業規模比較


日本の航空機生産修理実績と民需比率の推移　（暦年）

0

100,000

200,000

300,000

400,000

500,000

600,000

700,000

800,000

900,000

1,000,000

1,100,000

1,200,000

1976 1981 1986 1991 1996 2001 2006

暦年

生産修理額　（百万円）

0%

5%

10%

15%

20%

25%

30%

35%

40%

45%

50%

55%

60%

民需比率　（％）

防需

民需民需比率　（右スケール）

生産額　（左スケール）

日本の航空機産業 - 民間機の伸長

・民間機の生産額は今後も拡大

・防衛機需要は横ばい

防衛機

民間機

(社)日本航空宇宙工業会調査結果ベース


出典：日本航空機開発協会

60-99席

2013年末合計 19,208機

2033年末合計 36,769機

民間航空機市場

• 世界の旅客機運航機数は今後20年で2倍以上に増加


今がチャンス！今しかない！

・市場を２分するＢｏｍｂａｒｄｉｅｒ（カナダ）

とＥｍｂｒａｅｒ（ブラジル）

・新規参入のＡＲＪ（中国）

とＳｕｐｅｒＪｅｔ（ロシア）

・市場が固まる前に参入！


3. リージョナルジェット機市場


70～100席リージョナルジェット新規需要（2012～2031年）

北米1,640(31%)

中南米740

(14%)欧州1,050(20%)

CIS370(7%)

アフリカ320(6%)

中東130(2%)

アジア3807%

中国650

(12%)

米国三菱航空機

ダラスオフィス

三菱航空機

本社

（名古屋）

アジア

1,030

(20%)

欧州/中東/アフリカ/CIS

1,870

(35%)

米州

2,380

(45%)

米国三菱航空機

シカゴオフィス

70-100席RJ

5,280機

欧州三菱航空機

（オランダ・アムステルダム）出典：三菱航空機需要予測 (2012年～2031年)

今後20年で5,000機以上の新規需要

東京

支社


4. MRJの特徴


MRJ Family

Commonality

Commonality

MRJ100X (Plan)

MRJ90

MRJ70 78 seats

92 seats

100 seats

Benefits of Commonality - Same Pilot Type Rating

- Same Engines

- Same Maintenance Program

- Same Spare Parts


TOKYO Shanghai

Taipei

Seoul

Beijing

Harbin

Guam

Okinawa

Sapporo

MRJ909/709-PF004 No Wind Range

MRJ90LR = 1,780nm

MRJ70LR = 1,820nm

MRJ90

MRJ70

どこまで飛べる？


MRJのビジョン

【ビジョン】最先端の幹線機技術をリージョナルジェットに適用し、次世代リージョナルジェットのスタンダードを創造する。

環境、乗客、エアラインへ従来にない新しい価値を提供する。

乗客

快適な客室 ■Passenger-Oriented Cabin

■New Slim Seat

エアライン

高い信頼性と

優れた運航経済性 ■ Game-changing Engine

■ Advanced Aerodynamics

■ Human-Centered Flight Deck

■ Composite Structure

環境

優れた燃費と低騒音

低排出ガス

■Game-Changing Engine

■Advanced Aerodynamics


先進技術の適用

環境負荷軽減

乗客快適性向上

効果

運航経済性向上

Collaborative

Partners

Aerodynamic and Composite Technology Aerodynamic Technology Composite Technology

複合材尾翼

最新空力技術 & 低騒音設計

次世代エンジン

先進フライトデッキ & FBW

乗客志向の客室設計


大型ローラーバック収納可

他機より大きい客室内荷物収納スペース

17.3in

16in

74.7in

106in

106.0in

19.13in

100.5in

79in

118.5in

18.25in

19.75in

132in

20.25in

108.0in

乗客に優しいキャビン

EMB170/190 CRJ700/900

* 乗客身長188cm（米国人男性の97.5%をカバー）で比較

MRJ70/90

客室高・客室幅ともに、競合機に対して優位

大型ローラーバック収納不可

16in

～競合機との比較～

18 in

116.5 in

116.5 in

108.5 in

80 in

18.5 in

787と同等


先進フライトデッキ

MRJ

4面大型液晶ディスプレイ（787と同じ）による状況認識向上、パイロットのワークロード軽減


GTFエンジン

bypass airflow

bypass airflow

bypass airflow

bypass airflow

LPC & LPT

speed optimized

Fan speed constrained by

low pressure spool

LPC & LPT

speed constrained by fan

従来ターボファンエンジン PurePower® PW1000G Engine

Gear

Ultra-efficient,

Light-weight,

Low-speed fan

Incremental Improvement Step Change Improvement

LPC : Low Pressure Compressor

LPT : Low Pressure Turbine


環境－低騒音

MRJ90

離陸時の騒音面積比較

４０％縮減

同クラス機

85 dBA

80 dBA

75 dBA

70 dBA

Flight Path

85 dBA

80 dBA

75 dBA

70 dBA

Flight Path

* オランダ・アムステルダム国際空港における三菱航空機推算


5. 開発状況


地上試験・飛行試験計画

地上試験機２機

飛行試験機５機

⇒T/C取得，初号機納入

強度試験 01号機

初飛行，飛行領域拡大，装備システム 1号機

2号機性能，荷重

3号機飛行特性，アビオニクス

4号機装備システム，防氷

5号機自動操縦

02号機疲労強度試験


住友精密工業

エンジン電源、空調、補助動力

油圧システム

アビオニクス (含フライト・コントロール・コンピュータ)

フライト・コントロールアクチュエーター

降着システム

スラット、フラップ、胴翼フェアリング、ラダー & エレベータ

AIDC

パイロン主要構造操縦室

最終組み立て

プログラム・ステータス – 協業パートナー

・世界のパートナーを取りまとめる“棟梁”仕事


MRJ試験機製造状況


静強度試験機技術試験場へ移動


MRJ試験機製造状況


飛行試験機初号機にエンジンを搭載


Mar 2008 プログラムローンチ Apr 2008 三菱航空機株式会社設立 Apr 2009 PDR (Preliminary Design Review：詳細設計中間審査) Sep 2010 CDR (Critical Design Review：詳細設計完成審査) Sep 2010 First Metal-Cutting 部品加工開始 Apr 2011 First Riveting 組立作業開始 Apr 2012 PW1217G エンジン飛行試験開始 2015 初飛行 2017 初号機納入

開発状況


MRJ量産拠点展開の概要


6. 販売状況


覚書

Order Option/

Purchase Right

全日本空輸（日） 15 10

トランスステーツ（米） 50 50

スカイウエスト（米） 100 100

エアマンダレー（ﾐｬﾝﾏｰ） 6 4

小計 171 164

335

イースタンエアラインズ（米） 20 20

日本航空（日） 32 －

小計 72

MRJ 受注状況


7. 耐空証明


品質の創込みによる耐空証明の取得

機体毎の検査共通の検査

設計検査製造過程検査

型式証明書

耐空証明書

耐空証明書

耐空証明書機体メーカが

証明書を取得機体所有者が

証明書を取得

耐空証明＝型式証明（共通の検査）＋機体毎の検査


環境

少ない排出物

と低騒音

乗客

快適な客室

エアライン

優れた経済性

価値の創造と品質の創込みによる耐空証明の取得

開発保証プロセスに沿った品質の創込み

価値の創造耐空証明の

取得

航空機の安全性

Process Assurance（プロセス保証）

Validation & Verification（妥当性確認と検証）

Configuration Management（形態管理）

Safety Assurance（安全性解析）

Quality Management System（品質マネジメントシステム）


8. まとめ


MRJを世界の空へ

環境にやさしく、乗客に快適で、エアラインに最大の収益を提供する次世代リージョナルジェット（価値の創造）

50年ぶりの国産航空機開発に挑戦

品質の創込みによる耐空証明の取得日本の翼を世界の空へ

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