8
2015年6月25日 1 新しい年を迎え早くも一カ月 余りが過ぎました。私事ですが、 新年早々3番目の孫が生まれる 嬉しい出来事がありました。少子 化の中で喜ばしい事です。 パックス・アメリカーナの 終焉 今年は例年よりもいろいろ考 えさせられる新年でした。アメリ カンファーストを唱えるトラン プ大統領の登場により、アメリカ と世界各国の関係がどう変わる のか。第二次大戦後、70年にわ たって続いてきたアメリカが中 心となった世界秩序「パックス・ アメリカーナ」が終焉を迎えたと いうのが多くの識者の見方です。 アメリカは今でも世界最強の軍 事大国であり、経済大国であるこ とは変わりありませんが、アメリ カ大統領自らがアメリカンファ ーストを唱え、世界秩序維持の責 任に耐えきれなくなったと表明 したことはパックス・アメリカー ナの終焉と言えます。 50年後の日本の 将来ビジョン 日本は敗戦後、日米同盟を背景 に驚異的な経済成長を成し遂げ、 海外に多くの工業製品を輸出す る一方、海外から大量のエネルギ ーと食糧を輸入してきました。こ の間、多くの面でアメリカに依存 してきたことは否定できません。 それだけにこれからはアメリカ に過度に依存しない日本の在り 方を自らの力で構想しなくては なりません。 私は年末年始、日本の固有の地 理的、歴史的条件を見つめなおし、 新たな日本の将来ビジョンを考 えてきました。 まず人口は今から相当少子化 対策に力を入れたとしても、50 年後には8千万人程度まで減少 することは避けられず、今から政 策努力を重ねればそれ以上の減 少を食い止める事ができると考 えます。そして日本は太陽光など 自然エネルギーに恵まれており、 優れた技術を活用すればエネル ギーの国内自給が可能になりま す。エネルギーが自給できれば、 年間30兆円近いエネルギー資 源の輸入支払いが不要となり、経 済的にも安全保障上の観点から も自立性が高まります。そして、 水とエネルギーさえあれば、食糧 180-0006 武蔵野市中町1-2-9 サンローゼ武蔵野302 TEL0422‐55‐7010 FAX:0422‐55‐7768 E-Mail:[email protected] 編集発行:菅直人を応援する会 http://www.n-kan.jp 2017 2 月号 直人 《巻頭 OPINION 菅 直人 《囲み》 東京から 250 ㎞圏の 5 つの原発 東京 250 ㎞圏の原発の安全性検証委員会設置の直接請求 Activity Report2016.10 月~’17 年 1 月 「福島原発事故避難住宅の打ち切りに NO! 」 「営農型ソーラーシェアリングの可能性を探る」 市民の政治のつくりかた “安倍政権 NO!+野党共闘”大行進 in 渋谷 国会質問でエネルギー問題を中心に追及 ふれあいアルバム @ 地元 [府中・小金井・武蔵野] 《お知らせ》 映画『太陽の蓋』追加上映会、武蔵野で 4 月 1 日 民進党 18 区の公認予定候補者紹介

月号 - 菅直人公式サイト...市民政治レポート 2017年2月10日 2 も国内での自給が選択可能です。 これまでの国際紛争の多くは 人口増による資源や食糧の争奪

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市民政治レポート 2015年6月25日

1

タイトル

新しい年を迎え早くも一カ月

余りが過ぎました。私事ですが、

新年早々3番目の孫が生まれる

嬉しい出来事がありました。少子

化の中で喜ばしい事です。

パックス・アメリカーナの

終焉

今年は例年よりもいろいろ考

えさせられる新年でした。アメリ

カンファーストを唱えるトラン

プ大統領の登場により、アメリカ

と世界各国の関係がどう変わる

のか。第二次大戦後、70年にわ

たって続いてきたアメリカが中

心となった世界秩序「パックス・

アメリカーナ」が終焉を迎えたと

いうのが多くの識者の見方です。

アメリカは今でも世界最強の軍

事大国であり、経済大国であるこ

とは変わりありませんが、アメリ

カ大統領自らがアメリカンファ

ーストを唱え、世界秩序維持の責

任に耐えきれなくなったと表明

したことはパックス・アメリカー

ナの終焉と言えます。

50年後の日本の

将来ビジョン

日本は敗戦後、日米同盟を背景

に驚異的な経済成長を成し遂げ、

海外に多くの工業製品を輸出す

る一方、海外から大量のエネルギ

ーと食糧を輸入してきました。こ

の間、多くの面でアメリカに依存

してきたことは否定できません。

それだけにこれからはアメリカ

に過度に依存しない日本の在り

方を自らの力で構想しなくては

なりません。

私は年末年始、日本の固有の地

理的、歴史的条件を見つめなおし、

新たな日本の将来ビジョンを考

えてきました。

まず人口は今から相当少子化

対策に力を入れたとしても、50

年後には8千万人程度まで減少

することは避けられず、今から政

策努力を重ねればそれ以上の減

少を食い止める事ができると考

えます。そして日本は太陽光など

自然エネルギーに恵まれており、

優れた技術を活用すればエネル

ギーの国内自給が可能になりま

す。エネルギーが自給できれば、

年間30兆円近いエネルギー資

源の輸入支払いが不要となり、経

済的にも安全保障上の観点から

も自立性が高まります。そして、

水とエネルギーさえあれば、食糧

〒180-0006 武蔵野市中町1-2-9 サンローゼ武蔵野 302 TEL:0422‐55‐7010 FAX:0422‐55‐7768 E-Mail:kan-naoto@ir is .ocn.ne. jp

編集発行:菅直人を応援する会 http://www.n-kan.jp

2017

2月号

菅 直人

《巻頭 OPINION 》 菅 直人 1 《囲み》

東京から 250㎞圏の 5つの原発 2 東京 250㎞圏の原発の安全性検証委員会設置の直接請求 3 《Activity Report》2016.10月~’17年 1月 ・「福島原発事故避難住宅の打ち切りに NO! 」 4

・「営農型ソーラーシェアリングの可能性を探る」 5

・市民の政治のつくりかた 6

・“安倍政権NO!+野党共闘”大行進 in 渋谷 6

・国会質問でエネルギー問題を中心に追及 6

・ふれあいアルバム @ 地元 [府中・小金井・武蔵野] 7 《お知らせ》

・映画『太陽の蓋』追加上映会、武蔵野で 4月1日 8

・民進党 18区の公認予定候補者紹介 8

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市民政治レポート 2017年2月10日

2

も国内での自給が選択可能です。

これまでの国際紛争の多くは

人口増による資源や食糧の争奪

が原因となってきました。戦前日

本が満州を植民地化し、南方に石

油を求めたのもそうした背景か

らでした。適正な人口とエネルギ

ーと食糧の自給能力を持てば、国

際的な摩擦を起こさないで、平和

で格差の少ない民主的な文化国

家日本を構築できるはずです。目

指すのは「自立性の高い文化国

家」です。

人口の均衡には

子育て支援が必要

50年先に日本の人口が均衡

するためには今からしっかりし

た子育て支援政策が必要です。今

のままの政策では子ども二人を

大学まで卒業させるためには親

の年収が600万円あっても十

分ではありません。フランスなど

ヨーロッパ諸国では子どもの教

育費は全て社会が負担していま

す。民主党政権時代に児童手当を

拡充し、高等学校の授業料無償化

や就学支援金を支給したのも同

じ考えからです。将来の日本を考

えれば子どもを育てる経済的責

任は社会全体で負担すべきです。

そのことは女性が安心して社会

参加することにもつながります。

自然エネルギーで

「分散型社会」と

「強い経済」を実現

私は福島原発事故以来、脱原

発と並行して自然エネルギーの

活用に力を入れてきました。特に

農山村でのエネルギー事業を数

多く視察して回りました。その中

で、農山村こそが自然エネルギー

の宝庫であり、農業や林業と自然

エネルギーを生み出す事業を兼

業することで農山村でも安定し

た収入が確保でき、安定した子育

てが可能になることを確信しま

した。

具体的な例としては水田や畑

作の上方3メートル程度の高さ

に間隔をあけてソーラーパネル

を設置する「営農継続型太陽光発

電」事業で、農業を継続しながら

電力でも安定的な収入が確保で

きる実例をいくつか見てきまし

た。興味がある方はその一例とし

て「KTSE発電所」をネットで

検索してみてください。福島県の

川俣町で稲作を継続しながら太

陽光発電で安定した収入を得て

いる例です。考えてみると農山村

では江戸時代までは炭焼きなど

エネルギー供給を副業としてい

たはずで、それを新しい技術で復

活しようとするものです。

林業とバイオマス発電の連携

でもうまくいっている例も見ま

した。特に岡山県の真庭市では市

も出資した 1万 kwのバイオマス

発電所が林業と連携して地域お

こしに役立っています。従来は捨

てていた枝打ちした端材などが

買い取られて発電に利用されて

います。

重要な点は実際に農業や林業

に携わっている人にエネルギー

供給で得られたお金が戻るとい

うことです。農林業とエネルギー

生産で安定した収入が得られれ

ば、農山村でも仕事があり生活で

きることで、子育てを農山村です

る若者も増えるはずです。分散型

社会を構築することが十分可能

となります。

原発事故時の東京避難計

画を都議選の争点に

1月解散説がささやかれてい

ましたが、安倍総理は通常国会で

の予算審議を優先することを明

言し、衆議院の早期の解散はなく

なったとみられます。そうなると

政治的には6月の東京都議選が

注目されます。現在、都政は小池

劇場が続いています。私は、石原、

猪瀬、舛添の3代の都知事を支え

た都議会自民党中心の伏魔殿化

した都政を小池都知事が大改革

することには大賛成です。しかし

もう一つ都政が取り組むべき重

要な課題があります。それは原発

事故時の東京の避難計画です。

3.11の最悪のシナリオは「福島原

発から半径250㎞圏内が避難対象

となる」。こと。これを東京に当て

はめると、下記の 5 サイト(現在

は操業停止中だが20基以上の原

発が存在)が一つでも事故を起こ

すと、東京からの避難が必要にな

る可能性があるということです。 [A] 福島第一原発

[B] 福島第二原発

[C] 東海第二発電所

[D] 柏崎刈羽原発

[E] 浜岡原発

E

E

C

D

A

B

東京

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市民政治レポート 2017年2月10日

3

東電の原発稼働について、2012

年に都民投票条例制定の直接請求が

行われていたことを記憶している人

は多くないでしょう。この時、有権

者の 50 分の1を超える30万人以

上の署名が集まり、直接請求は成立。

「東電管内の原発稼働に関する都民

投票条例」が都議会に提出されまし

た。しかし、都議会では賛成少数で

否決。都議会民主党は賛成議員が多

かったのですが、自主投票にしたた

め一部反対した議員もいました。

福島原発事故から6年、当時近藤

駿介原子力委員長から福島第一原発

から250㎞圏、つまり東京のほぼ全

域からの避難が必要になる可能性を

当時の総理であった私に示されまし

た。今でも福島原発事故と同様な事

故が起きれば、250㎞圏避難が必要

となる可能性があります。これに対

して新潟県では泉田前知事の時から

独自での原発の安全性の検証を行っ

てきました。米山新知事も継続を約

束しています。しかし東京都はこれ

まで独自の原発の安全性の検証や避

難計画の立案は行っていません。

そこで、東京から250㎞圏内にあ

る原発の安全性を検証する検証委員

会を都に設置する条例制定を求める

直接請求を行ったらどうでしょう

か。原発差し止め裁判でも250㎞圏

内の住民は被害を受ける可能性があ

るため原告となることを裁判所は認

めています。

条例の内容は色々考えられます。参

考のため2012年に都議会に出され

た条例の骨子をつけておきます。こ

の時の条例は住民投票条例となって

いますが、私は今回は原発の安全性

を検証する検証委員会設置の条例が

よいのではないかと考えています。

内容や運動の進め方について、多く

の方からご意見をいただきたいと思

います。

問題は署名集めです。東京の有権者

の 50 分の1は 22 万人程度ですの

で、幅広い市民の参加があれば可能。

次には提案された条例が都議会で可

決されるかどうかですが、都議選が

間近ですので全候補者に賛否の態度

表明を求め、賛成することを約束し

●菅ブログ「今日の一言」 2017-1-22より●

た候補に投票し、過半数を超えれば

「原発安全検証委員会設置条例」の

制定にこぎつけられます。つまり都

議選の争点とすることです。

新潟や鹿児島県では原発の再稼働

の是非が知事選の大きな争点になり

ました。福島第一、第二、柏崎刈羽、

浜岡、東海第二の 20 基以上の原発

を 250 ㎞圏内に持つ東京として、

原発問題を都議選の争点にし、都民

の意思を示そうではありませんか。 <参考>------------------------

2012年提出の「東電管内の原発の

稼働に関する東京都民条例」

(都民投票)

第2条:原発の稼働の是非に関する都

民の意思を明らかにするため、都民に

よる投票を行う。

(投票結果の尊重)

第15条:都民投票において、過半数

が投票資格者総数の4分の1に達し

た時は、知事及び都議会は投票結果を

尊重し、東電、国及び関係者と協議し

て、東電管内の原発の稼働に関する都

民の意思が正しく反映されるように

努めなければならない。

豊洲は廃止、原発は廃炉

都議選に向けて脱原発を争点化

できないか、市民運動経験者と相

談を繰り返している。

私が提唱している「原発の安全

性を検証する委員会を東京都に設

置するための直接請求」について

は、都議選準備と重なり、署名集

めを成功させるための体制づくり

が難しいという意見が多かった。

現在都政では築地市場の豊洲へ

の移転に注目が集まっている。豊

洲の汚染も脱原発も東京都民の命

にかかわる重大問題。そこで、「豊

洲は廃止、原発は廃炉」という市

民運動として共通目標を掲げ、都

議会各党派に呼びかけて都議会で

の条例制定を目指すのはどうだろ

うという意見が出た。

「豊洲は廃止、原発は廃炉」を

求める市民運動を盛り上げること

ができるか、さらに協議を続ける

予定だ。

●「今日の一言」 2017-1-31より●

新潟県では昨年知事に就任し

た米山知事が福島原発事故の検

証が終わり、安全性が確認されな

い限り柏崎刈羽原発再稼働の話

し合いはできないと言明してい

ます。東京も他人ごとではありま

せん。

福島原発事故の時、当時の近

藤駿介原子力委員長は最悪のケ

ースとして東京のほぼ全域が含

まれる福島第一原発から250

㎞圏内からの避難が必要となる

最悪のシナリオを私に提出して

くれました。幸い最悪のシナリオ

は免れましたが、将来同じような

原発事故が起こった場合に備え

て、東京の避難計画を策定してお

く必要があります。

福島第一原発の6基の原発は

全て廃炉にすることは東電自身

決定していますが、東京に近い福

島第二原発の4基の原発につい

て、東電は廃炉を決めていません。

福島第二原発以外にも東京から

250㎞圏内にある東海原発や

浜岡原発、柏崎刈羽原発で事故が

起きた場合についても考えてお

く必要があります。

これまで都議会では原発事故

時の避難計画について十分な検

討を行ったとは聞いていません。

私は今回の都議選では原発事故

時の東京からの避難計画を争点

の一つとすべきだと考えます。そ

してもし避難が難しいとなれば、

250㎞圏にある原発の再稼働

に東京都としても反対すること

を決議すべきだと考えます。

都議選の日程は、6月 23 日告

示、7月2日投票と決まりました。

みなさんの力の結集で、東京から

脱原発を進める選択を推し進め

ましょう。 ■■■

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市民政治レポート 2017年2月10日

4

[2016 .10 月~ ’17 .1 月のピックアップ ] ■10.11 新潟で『太陽の蓋』上映会と県知事選の応援 ■10.13 大河まさこの湧湧カフェ 「今こそエネルギーシフト」で講演 ■10.14 日弁連院内学習会に参加

■10.18 環境委員会で「伊方原発の避難計画」など質問

■10.26 「原発事故被害者とともに立ち上がろう!10・26請願署名提出集会」に参加 ■10.30 武蔵野商工会館で講演「原発再稼働でこの国は大丈夫か」 ■11月 映画「太陽の蓋」上映会を府中・小金井・武蔵野・国会で開催 ■11.03 第1回「世界ご当地エネルギー会議」@福島に参加 ■11.04 城南信用金庫で講演 ■11.10 学生と政治家の交流イベント「居酒屋 ivote」に参加 ■11.11 首都圏反原連「11.11 再稼働反対!首相官邸前抗議」に参加 ■11.14 グリーンテーブル「2030 年代原発ゼロへ必要な政策」会議に参加 ■11.16 連合三多摩ブロック地協委員会で民進党を代表して挨拶 ■11.16 民進党弁理士・知財議連で意見交換

■11.19 こがねい市民連合「市民の政治のつくりかた」に参加

■11.21 決算行政監視委員会第三分科会で質問 ■11.28 キビタキの会「原発避難者の住宅支援」に関する政府担当者面談に参加 ■12.01 原発事故避難者の住宅支援に関する“質問主意書”を緊急提出 ■12.03 「もんじゅを廃炉へ! 全国集会」で講演 ■12.09 原子力問題特別委で住宅 支援打切りと東電経営について質問

■12.21 宮城県の稲作と 太陽光発電の兼業現場を視察 ■2017.1.01 大國魂神社

初太鼓打初式

■1.14「安倍政権NO!+野党共闘」イベント@渋谷に参加

■1.15 パッシブハウス@府中を見学 ■1.15 吉祥寺PEACE パレード参加

■1.18 福島県のソーラーシェアリング発電所を視察

■1.23 こども食堂@府中を見学

福島県は、今年3月までで避難

指示区域以外の自主避難者に対す

る無償住宅支援を打ち切ることを

決めています。

昨年10月26日、参議院議員

会館講堂で開催された表題の院内

集会(主催:原発事故被害者の救

済を求める全国運動)に紹介議員

として参加し、「住宅支援の打ち切

りは、なんとしても止めなければ

衆議院第一議員会館で開催され

た、キビタキの会[*]による「原発

避難者の住宅支援」に関する避難

者のみなさんと各省庁の担当者と

の面談をセット、出席しました。

司会は山本ひとみ武蔵野市議。

避難者のみなさんは震災以降、

都営住宅や公務員住宅などに割り

振られて住んでいますが、現在住

んでいる住居からの立ち退きを迫

られている方もいます。やっと慣

れてきた環境を変えたくないので、

家賃は払うから引き続き住まわせ

て欲しいなどの切実な願いが語ら

れました。

復興庁、内閣府、財務省、国土

3 月の住宅支援打ち切りついて、

関係各省庁の副大臣や政務官に質

問。避難者に通知された支援打

ち切りが福島県だけではなく

「総理大臣の同意」があって決

定されたことが確認されました。

これをもって、(災害救助法

や公営住宅法により)福島県に

頼まれないと支援を打ち切ら

ざるを得ないという各省に対

して、国としての責任が明確に

なりました。そこで、(子ども被

災者支援法に則って)公営住宅の

使用継続の検討を強く要請。都営住

宅を所管する国交省の副大臣から

前向きな発言を引き出しました。

なりません」とあいさつ。全国か

ら参加された被災者のみなさんか

ら、すでに5年半が経つ避難生活

の苦境などの声を聴き、「住宅支援

の継続」などを求める署名約 20

万筆が参加した国会議員に手渡さ

れました。

交通省、厚生労働省から参加した

担当者たちからは、行政は「災害

救助法」に基づいて動いているこ

と。住宅からの立ち退き(支援の

打ち切り)については、福島県に

住宅を貸している立場だから福島

県からの依頼がないと動けない旨

の反応がありました。

議論を聞いていた菅は、行政が

災害救助法に基づいていることも

わかるが、避難者のみなさんの身

になって考えて欲しいこと。そし

て、「子ども被災者支援法」ができ

たのだから、その精神で半歩踏み

込んで対応して欲しいと各省庁の

担当者に訴えました。

Activity Report 活 動 報 告

■10.26 「原発事故被害者とともに

立ち上がろう! 10・26請願署名

提出集会」に参加

■11.28 キビタキの会「原発避難者の住宅支援」に関する政府担当者面談

■12.09 原子力問題特別委員会で 住宅支援打切りについて質問

*キビタキの会/福島原発による放射能から健康を守るために避難してきた方たち

の集まり。避難先で安心して暮らせるよう、地域交流や要求実現に取り組む。

P6

P6

P5

P6

P6

P5

P6

原発事故避難者の住宅支援に

関する“質問主意書”を緊急提出

■政府は、「3月で住宅支援を打ち切る

のは福島県の判断。政府はそれに従っ

ているだけ」と説明してきた。しかし、

災害救助法施行令によれば、内閣総理

大臣の同意が必要。これについて質問

主意書を提出したところ、「内閣総理大

臣は、平成28年6月6日付で同意し

た」と答弁書が届いた。また

委員会質疑でもこれを

認めた。

■12.01■

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市民政治レポート 2017年2月10日

5

福島県内で実践されているソー

ラーシェアリング発電所3ヵ所を

視察しました。

太陽光発電と農業を両立させる

ソーラーシェアリング(営農型太陽

光発電)は、太陽電池パネルに一定

の間隔をあけて農地への日照を確

保。再生可能エネルギーの推進と農

業者の所得向上や地域社会の活性

化にも貢献する事業ですが、全国で

775件と普及が進んでいません。

その現状を知るため、川俣町で水

田ソーラーシェアリングを実践す

る『KTSE発電所』を視察。営農型

太陽光発電を始めたことで一定の

収入が確保でき、専業農家としてや

っていけているという斎藤広幸さ

ん。一方で、農作物の収穫量が周辺

農地比で2割以上減ると発電施設

の撤去が求められること。3年毎の

審査が融資の足かせになっている

ことなど、問題点もうかがいました。

次に福島原発事故により全村避

難となった飯舘村で、牧草ソーラー

シェアリングに取り組む『飯舘電

力』を視察。和牛肥育農家だった小

林稔社長は、避難していた宮城県か

ら 2013 年に喜多方市に移って酒

米の栽培を開始。2014年には故郷

の飯舘村に戻って会社を設立。地域

の自立と再生のためにも、分散型の

自然エネルギーで雇用を創ってい

きたいと話されました。

最後に、南相馬市で畑ソーラーシ

ェアリングを運営する『えこえね南

相馬研究機構』の高橋荘平さんらに

話を聞きました。菅は、農地の転用

継続に関する問題や電力会社によ

る近接立地の規制などを改善でき

れば「太陽光の売電と農業の両方で

安定した収入を得ることで人々が

戻り、被災地再生のきっかけにもな

り全国に広がるのでは」と新聞各社

にコメントしました。

■08.12 伊方原発再稼働反対集会に参加

@府中を開催

Activity Report 活 動 報 告

■1.18 福島のソーラーシェアリング発電所×3ヵ所を視察

@府中を開催

昨日の福島視察では、原発事故の被

害を受けた飯舘村でソーラーシェアリ

ング事業を展開する「飯舘電力」の小林

社長からいろいろと話を聞くことがで

きた。飯舘村は元々酪農が盛んで小林

社長も元々は優れた酪農家であった。

放射線量はかなり下がっているが現在

はまだ飯舘村では本格的に酪農を再開

することができない。そこで村に帰還

するために、放射能の影響を受けない

ソーラーシェアリング事業を活用しよ

うと飯舘電力を立ち上げたという。

原発事故で使えない農地や牧草地が

多いので、ソーラーシェアリングの設

置を希望する農家は多いとのこと。し

かし、50kw 以上の高圧については

東北電力が受け入れてくれず、50kw

以下でなくてはならないという。また

50kw 以下は分散が原則なので近接

した立地は制限されるという。

福島のように原発事故被害を受けて

農地の利用が制限されるところについ

ては特別の配慮措置をとるべきだ。関

係省庁に問い合わせてみるつもりだ。

●視察の様子は、次の動画から視聴することができます。

【きぼうチャンネル】2017年1月27日 『菅元首相、福島のソーラーシェアリング

を観る』 http://bit.ly/2k8pwon

篠原孝衆議院議員と共に視察。1200

平米の水田の上空3メートルの所に

100kw のソーラーパネルを設置。こ

の高さなら耕運機などの使用も可能

だ。パネルが比較的密に配置されてお

り、収量は少し落ちるが大差はないと

のこと。頑丈な設置枠で建設費が4千

万円かかったが、年間の電力収入が

400万円超で採算は合うという。

3年毎の収穫量調査で大きく減って

いると、発電施設の設置認可取り消し

の可能性があるが、水田による稲作と

太陽光発電の兼業は可能と感じた。

■12.21 宮城県名取市の稲作と太

陽光発電を兼業している現場を視察

●『福島民友』2017-1-19より●

●菅ブログ『今日の一言』2017-1-19より●

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市民政治レポート 2017年2月10日

6

主催は こがねい市民連合。第1部

講演会の講師は、昨年4月の北海道

5区の補選で、市民と野党の統一候

補(無所属)として大善戦した池田

まきさん。第2部シンポジウムのテ

ーマは「足音近づく衆院選、私たち

にできること」です。

池田さんは、「戦争させない北海道

をつくる市民の会」やSEALDsな

どとの協働で闘った市民選挙を当

事者として詳しく報告。その経験を

元に、次の衆院選で「勝つために」

地域でどんな活動をしているかに

ついてもシェアしてくれました。

菅は、新潟県知事選や参院選で統

一候補が各地で善戦したことから、

地域の市民による動きが重要であ

ること。こがねい市民連合のように、

市民から政党に対して統一候補を

求める活動が各選挙区で広がって

いくことが望ましいと話しました。

日本共産党の小金井市議・森戸洋

子さんは、前回の衆議院選挙(東京

18 区)では野党候補の得票数の合

計が自民党候補のそれを上回って

いたことから、「私たちは、共闘で

きれば与党候補を打ち破る力があ

ることを確認しましょう」と呼びか

けました。

『安倍政権NO!+野党共闘☆0114

大行進 in渋谷』@代々木公園に参加。

菅は「市民と野党が力を合わせれば

政治を変えられる」と民進党を代表

してスピーチしました。

吉良よし子議員(共産・参)、福島み

ずほ議員(社民・参)、渡辺浩一郎氏(自

由・元衆)も参加。集会後、強行採決

を連発する安倍政権に対して、「野党

は共闘!」「原発再稼働反対!」「最

低賃金上げろ!」などとコールしな

がら約2000人の参加者(主催者発

表)と共にデモ行進しました。

■11.19 こがねい市民連合主催の講演会@小金井市商工会館に参加

Activity Report 活 動 報 告

■10.18 環境委員会

「伊方原発の避難計画」

■01.14 「大行進 in渋谷」に参加

■11.21 決算行政監視委員会

「卸電力価格つり上げ問題」

■12.09 原子力問題特別委員会

「東電の経営問題」

経産省の東電の今後の経

営を検討する通称「東電委

員会」が、福島原発事故に

関する廃炉・賠償などの処

理費用が当初想定の倍の

22 兆円かかる見通しで、

新電力と国民への負担が増

えると公表。菅は、東電ホ

ールディングスの廣瀬直己社長に、巨額

の廃炉費用により東電が債務超過に陥る

可能性があるとして経産省に制度的な支

援を要求したことの真意を質しました。

5 年半が経ってみて巨額の廃炉費用や

除染、賠償を考えると東電という一企業

ではとても対応できないことが明らかに

なったこと。だからこそ経産省が東電委

員会を設置したこと。もう福島原発の廃

炉処理などは別会社にして、国が責任を

もつようにするなどの解体的な改革をす

るべき時期ではないかと質しました。た

だし、その場合の費用は国民が負担する

のではなく、配電網の売却などによる資

金を充てるなどの方法が検討できると提

案しました。

第三分科会で、経済産業副大臣の松村

祥史氏や資源エネルギー庁電力・ガス事

業部長の村瀬佳史氏らに質問しました。

まず、東電の電力販売子会社が 4 年以

上も卸電力価格をつり上げていた件。高

い価格で東電から電力を買うしかない新

電力は東電との競争に勝てず、公平な競

争にならない可能性が高いことを追及。

次に経産省の「卸電力取引の活性化に

向けた地方公共団体の売電契約の解消協

議に関するガイドライン」について。群

馬県議会での質問などで東電との契約変

更の際にいくら補償金が必要かなどの情

報を出さないことは、その趣旨に反する

と質しました。

さらに、検討されている「非化石価値

取引市場」について。自然エネルギー電

力を購入したいという消費者ニーズに応

えて、「CO2 を排出する化石燃料」を使

わない「非化石電力市場」から原発を分

けて、再生可能エネルギーだけによる『自

然エネルギー価値取引市場』の創設を提

案。経産副大臣から前向きに検討すると

の答弁を引き出しました。

内閣府の原子力防災担当大臣(避難の

責任者)も兼務する山本公一環境大臣に、

大臣の地元の伊方原発の避難計画につい

て質しました。9月に愛媛県の伊方町で

過酷事故に備えた海路避難訓練を実施し

た際、台風のために海が荒れて乗船でき

なかったことなどをあげて、「再稼働より

住民の安全を優先すべき」と迫りました。

原子力規制委員会は、これまで事故や

不祥事続きだった高速増殖炉「もんじゅ」

を所管する文科省に対して責任ある運転

主体に変えるように勧告。その結果、も

んじゅは廃炉に向かっています。田中俊

一原子力規制委員長と山本大臣に対し

て、原子力損害賠償・廃炉等支援機構の

見直し検討を提案しました。

最後に、昨年 11 月に発効された地球

温暖化に関するパリ協定(COP21)に

ついて。2大排出国のアメリカと中国が

参加したことで発効することになったパ

リ協定。両国は風力発電など自然エネル

ギー振興にも力を入れています。その流

れに乗り遅れた政府の対応を「世界の潮

流を見誤っている」と批判しました。

Page 7: 月号 - 菅直人公式サイト...市民政治レポート 2017年2月10日 2 も国内での自給が選択可能です。 これまでの国際紛争の多くは 人口増による資源や食糧の争奪

市民政治レポート 2017年2月10日

7

府 中

小金井

武蔵野

■1・26

税理士によ

る税の無料相談会を

見学

■11.12 ちはやふる in 府中フェスティバル

■1.15 どんど焼き

■11.05 紅葉丘文化センターの 地域文化祭で囲碁観戦

■11.05 武蔵野はらっぱ祭り

■1.01 大國魂神社初太鼓 打初式

■12.11 餅つき大会 ■10.30 市民芸術文化祭

■10.22 晴見町商店街ふれあいまつり。小山都議と ■1.07 消防団出初式で部隊検閲 ■1.23 こども食堂で夕食

■10.

22

コスモ保育園親子

合同運動会に参加。孫と同じ齢

頃の子らの演技を楽しむ

■11・

12

桜堤小学校

校舎

お別れ内覧会

■12.04 パパママぼくの脱原発ウォークに参加

■1.06 むさしの新春寄席で「むさしの亭玲々」こと 松下玲子前都議の高座を楽しむ

■10.29 武蔵野市子育てフェスティバルで「子育て、孫育てにやさしい武蔵野市をめざそう」と寄せ書き

■12.20 菅直人事務所忘年会。

伸子夫人と

■10.30 総合防災訓練。邑上 市長と

■1.08 消防団出初式

■10.22 仮移転の福祉会館を視察

■10.22 第50回消費生活展 マルシェこがねいに参加。地場野菜に触れ、地域防災を考えた

■11.12 農業祭で、江戸東京野菜について聞く

■10.23 「もりもり森クラブ収穫祭」では童心に帰って草笛などを楽しみ、「むさしの環境フェスタ」では飲み物の糖度測定や、ベランダ発電工作セミナー、玉川上水を未来遺産にする取り組みなど、特色ある企 画に興味深々で参加

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市民政治レポート 2017年2月10日

8

2017年の菅直人のポスターができ

ました。ご自宅や事業所などへの貼り

出しにご協力いただける方は、菅直人

地元事務所までご連絡ください。

℡ 0422-55-7010

■日時:4月1日(土) 19時~

(18:30開場)

■場所:武蔵野公会堂ホール

(武蔵野市吉祥寺南町1-6-22)

■鑑賞券:一般1,000円(当日1,200円)

学生500円(当日500円)

■主催:太陽の蓋武蔵野上映実行委員会 ■問合せ・申し込み:松下玲子事務所

Tel. 0422-50-0696

Fax 0422-50-0697

武蔵野市中町1-2-3 ミタカハイム501

※自主上映会を検討される方は、菅直人国会事務所にお問合せを。03-3508-7323

昨年7月に一般公開された「太陽の蓋」の自主上映会が全国でスタートしています。菅の地元18区の府中・小金井・武蔵野でも上映会が開かれ、たくさんの方にご来場いただきましたが、会場の都合で入場できなかった方、日程が合わずに見逃した方も多数。「ぜひもう一度」の声を受けて、追加上映会を開くことになりました。この機会にぜひご覧ください。

追加

(前職2期)

ひとをつなぐ まちをつくる *46歳、新潟県出身、小金井市本町在

住。明治大学卒業、国会議員秘書を経

て小金井市議2期、㈱ジェイコム東京

(2013~16年)、小金井桜の会会員。

府中市/定数2名 (現職2期)

府中から東京の未来あ す

を創る *千葉市生まれ、41歳、府中市宮

町在住。

*明治大学卒業、明治大学専門職

大学院修了、明治大学客員研究員、

国会議員秘書、府中市議会議員 2

期 6 年。NPO 法人地域教育ネッ

ト理事等として活動。

*都議会民進党幹事長代理

武蔵野市/定数1名 (前職2期)

命を守る東京へ *名古屋市生まれ、46歳、夫・子

どもと武蔵野市中町在住。

*苫小牧東高校、実践女子大学卒

業後、サッポロビール入社。早稲

田大学大学院修了、松下政経塾塾

生を経て都議会議員(`05~`13年)、

子どもの自立支援NPO等で活動。

*民進党東京都武蔵野市支部長

(現職 1期) ともに生きるまちへ

*38歳、小金井市桜町在住。聖霊幼稚

園、緑小、緑中、錦城高校、明治大学

卒業。民間警備会社を退職し、国会議

員公設第一秘書を経て小金井市議。

(現職2期) 守りたい人を守れるまちに

*57歳、小金井市貫井南町在住。貫井

保育園、第一小、第中を経て岩倉高校

卒業。家業の塗装業に従事。障害児の

父親の会メンバー。地元自主防災会長。

こ や ま