日本企業の人材採用 - Hiroshima Universityntsunema/assets/pdf/...留学生の採用動向について～留学生を採用する理由～企業は「優秀な人材」であれば採用したいと考えている。

広島大学の留学生の皆様へ

日本企業の人材採用

について～企業が求める留学生～

株式会社ディスコ田口香織

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留学生の採用動向について～企業の留学生採用意欲～

大手企業は４６%が留学生採用をする予定

株）ディスコ「外国人留学生採用に関する調査」（2011年８月）

2011年度の採用実績

14.9

29.9

93.9

85.1

70.1

6.1

0% 20% 40% 60% 80% 100%

～299人

300～999人

1000人以上

採用した(予定を含む) 採用していない（予定もない）

2012年度の採用見込み

17.2

23.4

46.0

82.8

76.6

54.0

0% 20% 40% 60% 80% 100%

～299人

300～999人

1000人以上

採用する採用しない

2011年度の採用実績 2012年度の採用見込み

採用していない（予定もない）

採用した（予定を含む）

採用しない

採用する

８６．９％

１３．１％２４．５％

７５．５％

外国人留学生の就職状況

昨年までの就職実績数２年連続減少。

金融危機以降の丌景気と、東日本大震災の影響許可申請件数・許可件数

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

14,000

申請件数 3,071 3,039 4,132 3,600 4,254 5,820 6,788 9,034 11,410 11,789 10,230 8,467

許可件数 2,989 2,689 3,581 3,209 3,778 5,264 5,878 8,272 10,262 11,040 9,584 7,831

平成11年

平成12年

平成13年

平成14年

平成15年

平成16年

平成17年

平成18年

平成19年

平成20年

平成21年

平成22年

2年連続で申請件数が減少し、ビザ取得の件数も減少

ビザの

許可件数

ビザの

申請件数

資料出所：法務省入国管理局「平成22年における留学生等の日本企業等への就職について」平成23年7月


資料出所：法務省入国管理局「平成20年における留学生等の日本企業等への就職について」（平成21年７月）

（人）


13.9%

1.5%

1.2%

4.1%

2.3%

2.2%

2.6%

2.0%

1.3%

1.4%

10.2%

8.3%

26.7%

7.3%

0.4%

1.3%

1.7%

1.3%

3.7%

3.8%

2.7%

0.0% 5.0% 10.0% 15.0% 20.0% 25.0% 30.0%

その他

不動産

報道

飲食業

ホテル・旅館

土木・建設

旅行業

運輸

人材派遣

金融保険

教育

コンピュータ関連

商業・貿易

その他製造業

金属・鉄鋼

化学

繊維・衣料

運送機器（自動車等）

食品

電機

機械業種別許可人員の推移

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

製造業　合計 1,898 2,326 3,018 2,971 2,488 1,738

非製造業　合計 3,980 5,946 7,244 8,069 7,096 6,093

平成17年平成18年平成19年平成20年平成21年平成22年

非製造業の企業に就職する人が多い。


（人）

半数以上の学生が従業員１００名以下の中小企業に入社


従業員数別許可人員の構成比

50～99人,7.3%

100～299人,9.7%

300～999人,7.5%

1,000～1,999人, 3.0%

2,000人～,10.9%

その他（不明）, 10.9%

１～49人,50.6%

従業員数別許可人員の推移

0

2,000

4,000

6,000

8,000

10,000

12,000

その他（不明） 852 989 1,073 1,053 852

2,000人～ 879 1,144 1,304 1,275 857

1,000～1,999人 355 464 457 375 236

300～999人 841 1,093 1,183 988 587

100～299人 1,065 1,613 1,464 1,058 763

50～99人 801 1,012 1,004 777 573

１～49人 3,479 4,245 4,555 4,058 3,963

平成18年平成19年平成20年平成21年平成22年

資料出所：法務省入国管理局「平成22年における留学生等の日本企業等への就職について」平成23年7月


震災後の影響（留学生の状況）

外国人留学生対象「就職活動に関する特別調査－東日本大震災の影響について」 2011年6月調査期間：2011年4月28日～5月17日

約７６％の留学生が、震災後も日本で就職したいと考えている

震災によって就職や進路に対する意識の変化があったか

0.9

0.2

0.9

2.2

6.2

13.8

75.8

0 10 20 30 40 50 60 70 80

その他

就職ではなく、他国での進学を考えるようになった

震災前から日本以外の国で就職したいと考えていた

就職ではなく、日本での進学を考えるようになった

日本以外の国での就職を考えるようになった

日本で就職すべきか迷っている

変わらず日本で就職したいと思っている


日本の企業について日本企業の採用活動とは・・・


Ｑ１日本には企業が何社あるでしょう？

Ｑ２資本金10億円以上の企業は何％？

みなさんに問題です

日本の企業について～基礎知識～


みなさんに問題です

Ｑ３創業100年以上の会社は、何社ある？

答えは…

会社にはそれぞれの「文化」がある。

日本の企業について～基礎知識～


入社時の知識・能力ではなく、伸びるポテンシャル

新卒入社 ≠ 即戦力

入社後の仕事(OJT)・研修・自己啓発を通じて、

素養・能力・知識・スキルを成長させ、

社内外の信頼を得て、大きな仕事を任されるようになる。

日本企業が新入社員に求めること


組織にとって有益な人材かどうかを総合的に判断。

人間性 ≧ 能力・知識

企業は「今すぐ力を発揮できる個人」かどうかよりも、

「会社の方針」に従って、社内外との信頼関係を築き、

チームで会社に貢献できる人かどうかを見極めようとする。

日本企業が面接で確認するポイント


従来、存在していた日本の雇用制度として知っておこう。

①「終身雇用」

②「年功賃金」

③「企業別労働組合」

従来の日本の雇用慣習について

－かつての、日本の経済成長を支えたのは

日本の雇用慣習の「三種の神器」といわれるもの－

この考え方は変化し、現在は姿を消しているところも多い。


日本人：最初の会社に、最後までいたい留学生：最初の会社は、ファーストステップ

終身雇用「制度」はなくなったが、「気持ち」は残っている

33.7 35.2 26.2

2.7 2.2

56.3 23.2 8.4 10.7

1.4

0% 20% 40% 60% 80% 100%

一つの会社に定年まで勤めたい一つの会社にこだわらず、転職などでキャリアアップを図りたい

ある程度会社勤めをしたら、いずれは独立・企業したいある程度会社勤めをしたら、いずれは家庭に入りたい

その他

日本人学生

外国人留学生

日本人のキャリアに関する考え方

－将来のキャリアについての考え方－


雇用制度以外にも、一般的な日本的経営には特徴があります。

日本企業での仕事のすすめ方や価値観を左右するのと同時に、

企業の成長をおし進める「強み」だったと考えられていました。

①「新卒一括採用」

②「企業内教育・キャリア形成」

③「企業内福利厚生」

④「集団的意思決定」

日本企業の制度的な特徴


顧客第一志向

顧客の満足度を高めるため

顧客の立場になって

考え、行動する

顧客第一主義

時間は何があっても守る。

それによって信頼関係を築く

時間・納期厳守

信頼される品質を保つ。

よりよい品質を目指す

品質管理

個人ではなく組織で動く。

組織の一員として

報連相を行いながら進める

チームワーク

日本企業の仕事に対する考え方

－企業によって価値観は異なるが、

多くの日本企業がこれらを大切に考えています－


「結果さえ出せば、問題ない」は、日本企業ではNG

報・連・相

報告・連絡・相談の略。日本企業で仕事を進める上での基本姿勢。

仕事は「報告」して、始めて結果として認められる。

会社や部署の方針に従って、仕事を進めているか、

随時、「連絡」「相談」しないと社内外で信頼されない。

日本企業の仕事の基本となるルール


活躍できる人材

求める

人材像

企業が

求める

人材像

自分の

能力・適性

価値観

日本における正社員の就職活動・採用活動とは

学生＝組織の一員として、成長に貢献できる場を探す。企業＝組織の成長のために一緒に働ける仲間を探す。


日本企業が留学生（グローバル人材）に

求める能力とは



留学生の採用動向について～留学生を採用する理由～

企業は「優秀な人材」であれば採用したいと考えている。

企業が外国人留学生を採用する理由

2.5

4.0

5.5

38.7

39.7

40.7

44.2

77.4

2.2

8.6

5.4

36.0

37.6

38.2

36.6

80.6

0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100

その他

日本では確保しにくくなった専門分野の人材を補うため

日本国内の新卒採用だけでは充足できない数的補完のため

日本人社員への影響も含めた社内活性化のため

外国人としての感性・国際感覚等の強みを発揮してもらうため

自社（またはグループ）の海外法人に関する業務を行うため

海外の取引先に関する業務を行うため

優秀な人材を確保するため

理系

文系


株）ディスコ「グローバル人材採用に関する調査」（2011年８月）

外国人留学生枠を持っている企業は２１．５％

留学生の採用動向について～企業の留学生の採用枠～

75.0

76.2

83.7

25.0

23.8

16.3

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

～299人

300～999人

1000人以上

日本人学生と同じ枠で募集・採用外国人留学生は別枠で募集・採用

「外国人留学生」採用枠を持っている企業は少ない。

中小企業は別枠にする企業が増加傾向


「外国人留学生」採用の背景や目的が異なります。

大手企業中小企業

外国人が欲しいのではない、

優秀な人材がたまたま外国人

既にグローバル化が進んでいる

ため、新人にはまかせない。

社員が多いので、外国人を特別扱いできない（研修／人事制度も日本人と同じ）

今後の事業のために、

「外国人留学生」が欲しい。

まだグローバル化が本格化していないため、外国人社員に期待

社員が少ないので、外国人のための人事制度や研修なども個別に考えている


日本人同等以上の「能力」か、「留学生」の特徴を生かすか

大手企業と中小企業の採用目的の違い


企業の留学生採用モデルパターン

「外国人採用」「グローバル人材」の定義は、

企業の海外進出状況によっても様々。

海外国内

活用高

活用低

海外進出真っ只中ようやくグローバル

国籍・年齢不問卒業大学不問日本語能力不問（英語重視）専門性重視（高度人材）配属地不問厳選採用

国籍特定日本または現地大学卒業日本語能力はある程度必要配属地特定採用人数多数（30名～）

国籍不問・または特定日本の大学卒業日本語能力重視配属地日本日本人と別のルートで採用採用人数10名程度

国籍特定（こだわりあり）日本の大学卒業日本語能力重視配属地日本。今後は海外の可能性も。日本人と同じルートで採用採用人数２～３名

世界トップレベル国内グローバル

約２％

多くの企業がここ。

約７５％

約17％

先進国中心の時代は現地採用で十分だった。一転、新興国では、大卒採用が困難に・・・

企業がグローバル人材に求める能力とは

－日本人学生に求める能力とまったく異なるものではない－

問題解決力

リーダーシップ

コミュニケーション

言語適応力

環境適応力

ビジネスリテラシー（仕事をする上で必要な力）

グローバルリテラシー（グローバル人材に求める力）


－毎年「コミュニケーション能力」がトップに－

専門知識よりも、コミュニケーション能力を求めている。


企業が留学生に求める能力

順位文系％順位理系％

1位コミュニケーション能力 55.2 1位コミュニケーション能力 47.3

2位日本語力 43.8 2位日本語力 44.6

3位バイタリティー 34.8 3位専門知識 36.0

4位日本語以外の語学力 23.9 4位バイタリティー 30.6

5位基礎学力 19.9 5位基礎学力 23.1

6位協調性 18.4 6位日本語以外の語学力 19.9

7位熱意 12.9 7位熱意 16.7

8位発想の豊かさ 12.9 8位協調性 13.4

9位専門知識 9.5 9位発想の豊かさ 12.4


約７０％の企業がビジネスレベルの日本語力を求めている株）ディスコ「外国人留学生採用に関する調査」（2011年８月）

外国人留学生に期待する日本語力

18.9

12.4

53.2

54.8

25.4

29.0

3.8

2.5

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%

文系

理系

ネイティブレベルビジネスレベル日常会話レベル特にこだわらない

企業が外国人留学生に期待する日本語力


日本における就職活動の流れ

業界・企業研究

自己分析をする

エントリー

エントリーシート提出

会社説明会

面接試験（複数回）

内々定

１２月 START

５月 GOAL

採用試験（筆記試験）

就職先を探すのに、半年～１年かかる。

内定

１０月


どんな人物なのか？

能力・適性価値観・人柄

自社に合う人材か？

仕事の理解度熱意・決意

自己ＰＲ志望動機

魅力ある（面接したくなる）人物かどうかを事前に確認

－質問の内容と、企業の意図－

エントリーシート・履歴書・面接の内容


しぐさ

雰囲気振舞い

熱意

決意

言葉

トータル（＝人間性）で認識


企業は面接で何を見ているのか

面接官が考えていること。

最終的には・・・

「一緒に働きたいか？」

ということ。

企業は面接試験で何を考えているのか

入試とは違う。優秀かどうかではない。


～日本語能力・専門能力・知識・ビジネススキル～

日本企業が求める人材の観点

１．社会人の心構えができている人

２．優秀な人・将来性のある人

３．合う人・一緒に働きたい人

～日本の商習慣・マナーを理解し、ルールを守れる人～

～企業理念を理解し、価値観を共有できる人～変えにくい

学びにくい

理解すれば

身につく

努力次第で

得られる


ご静聴ありがとうございました。


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