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地盤解析事例紹介 実務者のための⾮線形地盤構成則のご紹介 科学・⼯学技術部 松浦

地盤解析事例紹介 実務者のための⾮線形地盤構成 ......地盤解析事例紹介 実務者のための 線形地盤構成則のご紹介 科学・ 学技術部 松浦敦

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地盤解析事例紹介

実務者のための⾮線形地盤構成則のご紹介

科学・⼯学技術部 松浦 敦

2

1. 背景および⽬的

2. 応⼒ひずみ関係の定式化による⾮線形構成則の概念

3. 室内試験結果と構成則モデルの対応関係の⾮線形特性

4. SoilPlusに搭載されている代表的な構成則モデル

5. 修正GHEモデルおよびGHE-Sモデル

6. ⼀次元地盤応答解析の事例紹介

7. 実務における⼀次元地盤解析の活⽤

8. 追加機能紹介

9. まとめ

地盤解析事例紹介実務者のための⾮線形地盤構成則のご紹介

(多重せん断ばね本数追加、修正GHEモデル+Bowlモデル)

(SHAKE、修正R-O、修正H-D、修正GHE、GHE-Sモデル)

1.背景および⽬的

3

●地盤解析における⼟の動的特性のモデル化

①等価線形解析 過去の実績が多く現状でも使⽤②逐次⾮線形解析(応⼒ひずみ関係を定式化) 実務での実績は最も多い③逐次⾮線形解析(弾塑性理論) 研究レベルでは実績あり

●SoilPlusにおける地盤の⾮線形構成則の使⽤頻度

・修正R-Oモデル : 使⽤頻度はもっとも⾼いです。・修正H-Dモデル : ほとんど使われていません。

※H-Dモデルの⾻格曲線に最⼤減衰⽐hmaxを考慮した定式化を修正H-Dモデルと呼ぶ場合もあります。

SoilPlusでは修正GHE-Sモデルのパラメータを調整することで適⽤します。

・修正GHEモデル : 修正ROモデルに⽐べるとまだまだ頻度は低いです。・GHE-Sモデル : 鉄道系の案件で徐々に使⽤頻度が増えてきています。

鉄道系以外でも問合せは増えています。

修正GHEモデル、GHE-Sモデルの頻度を上げていきたい。

2.応⼒ひずみ関係の定式化による⾮線形構成則の概念

4

●地盤の⾮線形解析に使われる構成則モデル

室内試験で得られる動的変形特性

せん断応⼒

せん断ひずみ

動的変形特性試験で得られるのは、ひずみと対応する剛性および減衰の関係(G-γ、h-γ)です。⾮線形動的解析では動的変形特性を応⼒ひずみ関係の関数形(構成則モデル)として表現します。構成則モデルでは、処⼥載荷時の挙動(⾻格曲線)と除荷が起こってから⾻格曲線に戻るまでの挙動(履歴曲線)に分けてそれぞれ関数形を定義しています。→ ⾮線形の元になる物理的な意味をもつデータはSHAKEと同⼀です(ひずみ依存特性のみ)

⾮線形解析で使⽤する構成則モデル

⾻格曲線

履歴曲線

3.室内試験結果と構成則モデルの対応関係

5

動的変形特性(G-γ、h-γ関係)は構成則モデル(応⼒ひずみ関係)では以下のように表現されます。

・剛性 :原点から除荷点を結ぶ割線剛性

・減衰 :正弦波で1ループ載荷時に消費される塑性エネルギーの⽐(応⼒ひずみ関係の中で⾯積⽐として表現される)

●室内試験で得られる動的変形特性と応⼒ひずみによる構成則モデルの関係

G0 G’ G’’

WWh

41

G-γ関係と構成則の対応 h-γ関係と構成則の対応

ループ⾯積⊿W ループ⾯積⊿W

W W

6

4.SoilPlusに搭載されている代表的な構成則モデル

Rumberg-Osgoodモデル修正GHEモデル

双曲線モデル

・必要なパラメータはG0,γrのみのため,パラメータの設定は⽐較的簡易。

・せん断強度を正確に考慮することが可能。

・G/G0〜γを忠実に表現することは難しい。

・履歴曲線はメイジング則を⽤いるため,ひずみが⼤きいレベルでは減衰が過⼤に評価されてしまう。

・必要なパラメータはG0,γr,hmaxのため,パラメータの設定はそれほど煩雑ではない。

・γr,hmaxで⾻格曲線を決定するため,「双曲線」よりは,G/G0〜γを反映できるが,すべてのひずみレベルでフィッティグすることは不可能。

・せん断強度の概念が⽋落するため,特に⼤ひずみ領域を対象とした解析では注意が必要

・双曲線を⼀般化したもので,必要なパラメータは,G0,C1(0),C2(0),C1(∞),C2(∞),α,β,β1となり若⼲フィッテングに⼿間がかかる。

・せん断強度を正確に考慮することが可能。

・G/G0〜γ関係を正確に考慮することが可能。

・履歴曲線はh〜γと⼀致するように仮想の⾻格曲線を想定し,その曲線にメイジング則を適⽤させるため,減衰が適切に考慮される。

※指針等で修正H-Dモデルとして基準ひずみγrとhmaxが指定されていることがあります。SoilPlusでは修正GHEモデルで対応可能です。

・⾻格曲線は修正GHEモデルと同⼀

・せん断強度を正確に考慮することが可能。

・G/G0〜γ関係を正確に考慮することが可能。

・履歴曲線はメイジング則を改良して適⽤。

・相似⽐λをひずみの2次関数とすることで⼤ひずみ時のスリップ形状の応⼒ひずみ関係を表現することができる。

・除荷時の剛性には⾮線形性を考慮したモデルを適⽤。(修正GHEモデルでは最⼤経験ひずみに依存)

(修正R-Oモデル)(修正H-Dモデル) GHE-Sモデル

λ=2

λ=1

構成則モデルにより⾻格曲線、履歴曲線の関数形を規定するパラメータを⼊⼒データで与えます。ただし、設定パラメータはひずみ依存カーブを合わせる調整⽤パラメータで物理的な意味はあまりありません。ただし、双曲線型モデルでは、せん断強度τf = 基準ひずみγr×初期せん断剛性G0となるので、⼟質試験の強度定数(C、Φ)との整合を確認しておくことが望ましいです。

τf

7

「GHE」とは

“General Hyperbolic Equation”の略で双曲線を一般化した構成則のこと。

⼟の変形特性(G-γ関係)を忠実に表現し,せん断強度の概念も取り⼊れることのできるモデル

●⾻格曲線

C1(0)=1.00

C1(1)=0.75

C1(∞)=0.20

C2(0)=0.45

C2(1)=0.60 C2(∞)=1.00

6個の切⽚を調整しフィッテング

γ/γr=1.0

C1(0) , C2(0) : 微 小 ひ ず み 領 域

C1(∞),C2(∞) :大ひずみ領域

5.修正GHEモデルおよびGHE-Sモデルについて

8

●点Aで除荷されると,通常は,A→B‘→C’

●GHEモデルは,点Aを通る仮想の骨格曲線を想定し,こ

れにメイジング則を適用。

●さらに,等価減衰定数を満足するようにGmax(γ),γr

を設定

β1=1.0

β1=2.0

β1=1.5

●減衰および履歴法則

下式の減衰を満⾜するように履歴曲線を決定する。1

5.修正GHEモデルおよびGHE-Sモデルについて

修正GHEモデル

9

5.修正GHEモデルおよびGHE-Sモデルについて

●減衰および履歴法則下式の減衰を満⾜するように履歴曲線を決定する。

1

●GHE-Sモデルはメイジング則の相似比λをひずみの2次関

数として変化させる。

●A点からB点にはひずみに応じて相似比λの曲線を乗り移り

ながら移動する。→S字形状の履歴となる。

●λの関数形のパラメータであるαは等価減衰定数を満足す

るように設定

●除荷時の剛性は関数形で定義し、減衰に依存せずに設定で

きる。

GHE-Sモデル

修正GHE-Sモデルでは⼤ひずみ経験時には除荷剛性が⼩さくなる。

10

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●解析概要および解析対象地盤の諸元

地層 地層 層厚 せん断波 N値 ポアソン比 単位体積 せん断 平均 粘着力 内部 せん断耐力速度 重量 弾性係数 粒径 摩擦角

No h Vs N νd γ G0 D50 C Φ τf(m) (m/s) (-) (-) (kN/m3) (kN/m3) (mm) (kN/m2) (deg) (kN/m2)

0.000 ~ -1.000 1.000

-1.000 ~ -2.000 1.000

-2.000 ~ -3.000 1.000

-3.000 ~ -4.000 1.000 地下水位

-4.000 ~ -5.000 1.000

-5.000 ~ -6.000 1.000

-6.000 ~ -7.000 1.000

-7.000 ~ -8.000 1.000

-8.000 ~ -9.000 1.000

-9.000 ~ -10.000 1.000

-10.000 ~ -12.000 2.000

-12.000 ~ -14.000 2.000

-14.000 ~ -16.000 2.000

-16.000 ~ -18.000 2.000

-18.000 ~ -20.000 2.000

-20.000 ~ -22.000 2.000

-22.000 ~ -24.000 2.000

-24.000 ~ -26.000 2.000

-26.000 ~ -28.000 2.000

-28.000 ~ -30.000 2.000

基盤 基盤 -30.000 ~ 400 --- --- 21.0 3.429E+5 --- --- --- ---

109.85

12.86

10.80

43.05

66.55

109.85

23.2

0.00

0.00

10.80

0.453

2

0.30

0.02

2.645E+4

粘性土

1

標高

G.L.(m)

120

260

2 160

5

粘性土

粘性土

4

3

砂質土

3.600E+4

18.0

砂質土 0.49

0.4911220

140

17.0

18

0.49

0.30

0.02

0.49

5

8.396E+4

15.0 3.918E+4

1.242E+5

18.0 25.4

0.00

0.00

0.00

66.55

18.0 0.02

架空の地盤モデルに対して⼀次元地盤応答解析を実施し構成則モデルの違いによる応答差を確認する。

・等価線形解析 : SHAKE

・逐次⾮線形解析 : 修正ROモデル、修正HDモデル、修正GHEモデル、修正GHE-Sモデル

11

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●解析対象地盤の動的変形特性(代表例として1層⽬を表⽰)実験値がないため動的変形特性は安⽥・⼭⼝式で設定し、各構成則のパラメータをフィッティング

(3) GHEおよびGHE-Sモデル (4) SHAKE

(1) R-Oモデル (2) H-Dモデル

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.0E-6 1.0E-5 1.0E-4 1.0E-3 1.0E-2 1.0E-1

減衰

h (-

)

剛性

低下

率G

/G

0

せん断ひずみγ (-)

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.0E-6 1.0E-5 1.0E-4 1.0E-3 1.0E-2 1.0E-1

減衰

h (-

)

剛性

低下

率G

/G

0

せん断ひずみγ (-)

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.0E-6 1.0E-5 1.0E-4 1.0E-3 1.0E-2 1.0E-1

減衰

h (

-)

剛性

低下

率G

/G0

せん断ひずみγ (-)

0.0

0.1

0.2

0.3

0.4

0.5

0.0

0.2

0.4

0.6

0.8

1.0

1.0E-6 1.0E-5 1.0E-4 1.0E-3 1.0E-2 1.0E-1

減衰

h (

-)

剛性

低下

率G

/G0

せん断ひずみγ (-)

12

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●⼊⼒地震動(⼯学基盤波:2E)最大値: -207.3 (Gal) 発生時刻: 22.85 (sec)

-400

-200

0

200

400

0 10 20 30 40 50 60

加速

度(G

al)

時間 (sec)

0

200

400

600

800

1000

0.01 0.1 1 10

加速

度応

答ス

ペク

トル

(Gal

)

周期 (sec)

h=5%

●解析条件解析⼿法 : 直接積分法数値積分⼿法 : Newmark-β法(β=1/4、γ=1/2)減衰評価⼿法 : 剛性⽐例減衰(β=3.183E-4)⾮線形解析法 : 接線剛性法収束回数 : 収束計算は実施しない残差処理 : 次ステップで荷重として加える解析時間 : 60.00秒(地震波の継続時間)積分時間間隔 : 0.002秒

0.00

0.01

0.02

0.03

0.04

0.05

0 5 10 15 20

振動数 (Hz)

減衰

(-)

減衰は履歴減衰で評価することを意図し、計算安定のための微⼩な減衰を設定(10Hz、1%の剛性⽐例減衰)

13

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●最⼤応答分布

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

0 100 200 300 400

加速度 (Gal)

深度

GL (

m)

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

0 2 4 6 8

変位 (cm)

深度

GL (

m)

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5

せん断ひずみ (%)

深度

GL (

m)

SHAKE 修正GHEモデル修正R-Oモデル GHE-Sモデル修正H-Dモデル

14

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●最⼤ひずみ発⽣個所(GL-4m〜-5m)の応⼒ひずみ履歴の⽐較

15

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●加速度応答スペクトル(h=5%)の⽐較

SHAKE 修正GHEモデル修正R-Oモデル GHE-Sモデル修正H-Dモデル

0

500

1000

1500

2000

0.01 0.1 1 10

周期 (sec)

加速

度応

答ス

ペク

トル

(G

al)

加速度応答スペクトル⽐較(G.L.0m)

-400-300-200-100

0100200300400

10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

SHAKE

修正R-Oモデル

-400-300-200-100

0100200300400

35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

SHAKE

修正R-Oモデル

(1)加速度波形(G.L.0m)※SHAKE vs 修正R-Oモデル

●地表⾯加速度波形の⽐較

16

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●地表⾯加速度波形の⽐較

-400-300-200-100

0100200300400

10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

SHAKE

修正GHEモデル

-400-300-200-100

0100200300400

35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

SHAKE

修正GHEモデル

-400-300-200-100

0100200300400

10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

修正GHEモデル

GHE-Sモデル

-400-300-200-100

0100200300400

35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

修正GHEモデル

GHE-Sモデル

(3) 加速度波形(G.L.0m)※修正GHEモデル vs GHE-Sモデル

(2) 加速度波形(G.L.0m)※SHAKE vs 修正GHEモデル

17

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●応答結果の確認①最⼤せん断ひずみ分布の形状→ 凸凹の形は同じになっているか?

②せん断ひずみの⼤⼩の確認→ ひずみ依存特性のフィッティングが明らかな影響を与えていないかを確認する。

必要であればパラメータスタディや他の構成則で感度を押さえておく。→ 構成則間の差異は応⼒ひずみの形とひずみの⼤⼩関係整合がとれているかを確認する。→ 双曲線型モデルで過度なせん断ひずみが⽣じる場合はせん断強度が適当かを確認する。

③最⼤加速度の形状→ ひずみの分布と加速度の分布を確認する。→ せん断ひずみが⼤きくなる箇所では加速度応答が落ちるのが⼀般的です。

④加速度波形、応答スペクトルの⽐較→ 加速度波形で⻑周期のトレンドが⼀致していることを確認する。→ 短周期成分の表現は構成則により異なるので影響の程度を確認する。

⼤ひずみ(SHAKEの適⽤範囲外)になると?傾向的には同様です。ただし、差異の程度が⼤きくなっていきます。

18

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●最⼤応答分布SHAKE 修正GHEモデル修正R-Oモデル GHE-Sモデル修正H-Dモデル

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

0 200 400 600 800

加速度 (Gal)

深度

GL (

m)

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

0 10 20 30

変位 (cm)

深度

GL (

m)

-30

-25

-20

-15

-10

-5

0

0.0 5.0 10.0 15.0

せん断ひずみ (%)

深度

GL (

m)

※基盤波を2倍にスケール倍して⼊⼒

19

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●最⼤ひずみ発⽣個所(GL-4m〜-5m)の応⼒ひずみ履歴の⽐較

(1)修正R-Oモデル (2)修正H-Dモデル

(3)修正GHEモデル (4)GHE-Sモデル

-60

-40

-20

0

20

40

60

-0.06 -0.04 -0.02 0 0.02 0.04 0.06

せん断ひずみ (-)

せん

断応

力 (

kN/m

2)

-60

-40

-20

0

20

40

60

-0.06 -0.04 -0.02 0 0.02 0.04 0.06

せん断ひずみ (-)

せん

断応

力 (

kN/m

2)

-60

-40

-20

0

20

40

60

-0.06 -0.04 -0.02 0 0.02 0.04 0.06

せん断ひずみ (-)

せん

断応

力 (

kN/m

2)

-60

-40

-20

0

20

40

60

-0.06 -0.04 -0.02 0 0.02 0.04 0.06

せん断ひずみ (-)

せん

断応

力 (

kN/m

2)

※基盤波を2倍にスケール倍して⼊⼒

20

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●加速度応答スペクトル(h=5%)の⽐較

SHAKE 修正GHEモデル修正R-Oモデル GHE-Sモデル修正H-Dモデル

加速度応答スペクトル⽐較(G.L.0m)

※基盤波を2倍にスケール倍して⼊⼒

0

500

1000

1500

2000

0.01 0.1 1 10

周期 (sec)

加速

度応

答ス

ペク

トル

(G

al)

●地表⾯加速度波形の⽐較

-600

-400

-200

0

200

400

600

10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

SHAKE

修正R-Oモデル

-600

-400

-200

0

200

400

600

35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

SHAKE

修正R-Oモデル

(1)加速度波形(G.L.0m)※SHAKE vs 修正R-Oモデル

21

6.⼀次元地盤応答解析の事例紹介

●地表⾯加速度波形の⽐較

(3) 加速度波形(G.L.0m)※修正GHEモデル vs GHE-Sモデル

(2) 加速度波形(G.L.0m)※SHAKE vs 修正GHEモデル

※基盤波を2倍にスケール倍して⼊⼒

-600

-400

-200

0

200

400

600

10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

SHAKE

修正GHEモデル

-600

-400

-200

0

200

400

600

35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

SHAKE

修正GHEモデル

-600

-400

-200

0

200

400

600

10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

修正GHEモデル

GHE-Sモデル

-600

-400

-200

0

200

400

600

35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45

時間 (sec)

加速

度 (G

al)

修正GHEモデル

GHE-Sモデル

22

7.実務における⼀次元地盤解析の活⽤

(1)まずは⾃由地盤に対する1次元地盤解析で応答性状を確認する。→ 2次元、3次元解析を⾏う前に1次元地盤で検討を⾏う。→ 解析時間も短く、以降の⾒通しにも役⽴つ、

また複雑なモデルだと要因の把握が難しいためパラメータの感度はこの段階で確認する。

(2)複数の解析⼿法の結果を⽐較し妥当性を⽰す。→ 過去の実績が多く、認知度の⾼いSHAKEとの⽐較を⾏う。→ または複素応答法による等価線形解析でSHAKE相当の解析を⾏う。(SoilPlusで解析可能)→ 動的変形特性の設定だけでなく、レーリー減衰の設定が適切かなど解析条件の判断も⾏う。

(3)検討対象モデルに対してクリティカルとなる要因を想定し影響の多いパラメータを把握する。→ 地中構造物であれば地盤変位(ひずみ)、地上構造物であれば慣性⼒の影響が⼤きい。

その他、対象物の振動特性(固有周期)なども考慮してパラメータの感度を押さえておく。

(4)多次元モデルの地盤応答の妥当性確認→ 遠⽅地盤の応答⽐較に使⽤。境界条件、モデル化範囲の妥当性を⽰すことできる。

23

8.追加機能の紹介

●多重せん断ばねの本数追加(現状、2次元のみ対応)多重せん断ばねの本数を2本から複数本の設定ができるように機能追加。→ 最⼤変形⽅向の影響をより反映しやすくなる。

●修正GHE-SモデルとBowlモデルのカップリング(ソルバーのみ対応)従来、有効応⼒解析では修正R-OモデルとBowlモデルのカップリングのみに対応。修正GHEモデルとBowlモデルのカップリングを追加。

【モールの応力円】【全体座標系の応力成分】

θ

,

,

3 1

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8.追加機能の紹介(その1:多重せん断ばね本数追加)

●純せん断、多重せん断とは?

純せん断モデルでは全体座標系のXY⽅向(2次元問題を想定)のせん断変形τxyに対して⾮線形性を考慮する。→ XYせん断⽅向と最⼤せん断⽅向が揃っていない場合、⾮線形を考慮するせん断変形を過⼩評価となる。→ せん断の⾮線形を多重の多⽅向ばねで捉えることで最⼤せん断の⽣じる⽅向に対しても評価できる。

XY⽅向のせん断では過⼩評価?多重せん断ばねとすることで応⼒の傾きに対応できる。

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●多重せん断ばねモデルが効果的なケース

①斜め⽅向のせん断が卓越するケース斜⾯、傾斜地盤、護岸などの切⽋き部などのモデルでは、⾮線形を考慮している変形成分と最⼤変形⽅向が異なってくるため、純せん断モデルでは変形状態をスムーズに表現できないことが多いです。

②地盤内の剛性差が⼤きいケース隣接する要素間の剛性差が著しくなるとアワーグラスモードが⽣じる場合があります。純せん断でモデル化するとひずみ分布が階段形状になることで、隣接する要素間で剛性低下に極端な差異となり上記のような現象が起こってきます。有効応⼒解析では起こりやすい事象ですのでご注意ください。

※データ上はチェックをつけるだけなので⽐較してみてください。

8.追加機能の紹介(その1:多重せん断ばね本数追加)

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●直接基礎モデルによる応答結果の⽐較

せん断ばね:2本 せん断ばね:4本 せん断ばね:6本 せん断ばね:18本

液状化を考慮した有効応⼒解析による動的解析を実施し、多重ばねの本数による応答差を確認します。→ 最終ステップにおける変位分布、合ひずみ分布の⽐較図は以下の通りです。→ ばね本数を増やすことで変形しやすくなっています。→ ただし、本モデルでは4本以上は概ね同程度の結果です。

8.追加機能の紹介(その1:多重せん断ばね本数追加)

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8.追加機能の紹介(その2:修正GHE+Bowlモデル)

●SoilPlusによる有効応⼒解析について

ひずみ成分

過剰間隙⽔圧

拘束圧依存性により応⼒ひずみ関係を低減

・応⼒ひずみ関係は修正R-Oモデル(修正GHEモデルを追加)を適⽤する。(※拘束圧依存を考慮)・ダイレイタンシー特性にBowlモデルを適⽤、せん断ひずみと体積ひずみ、過剰間隙⽔圧を関連付け。

※定式化中に⾮排⽔条件を仮定・過剰間隙⽔圧に応じて、拘束圧(平均有効応⼒)を⾒直し、応⼒ひずみ関係を更新する。

⾮排⽔状態を仮定できる地震時の応答には有効な解析⽅法ですが、側⽅流動、残留変形などポスト液状化挙動は直接的な適⽤は難しいです。

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8.追加機能の紹介(その2:修正GHE+Bowlモデル)

●修正GHEモデルを組み込むことのメリット①全応⼒レベルでの応⼒ひずみ関係のフィッティング時の⾃由度が向上します。②応⼒ひずみ関係に破壊の概念が⼊ることで有効応⼒経路上で破壊線を表現できます。

破壊線を表現

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9. まとめ

構成則の内容を理解することは簡単ではありませんが、ソフトとしては⽐較的簡単に使えます。

→ まずは使ってみて応答を⾒ながら各構成則についての理解を深めて頂ければと思います。