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Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism 「標準的なバス情報 フォーマット」について 令和元年10月16日 国土交通省総合政策局 モビリティサービス推進課 資料1-3

「標準的なバス情報 フォーマット」について「標準的なバス情報フォーマット」の整備 (平成 29年3月) 中小バス事業者等と経路検索事業者等との情報の受渡しが効率化

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Page 1: 「標準的なバス情報 フォーマット」について「標準的なバス情報フォーマット」の整備 (平成 29年3月) 中小バス事業者等と経路検索事業者等との情報の受渡しが効率化

Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

「標準的なバス情報フォーマット」について

令和元年10月16日

国土交通省総合政策局

モビリティサービス推進課

資料1-3

Page 2: 「標準的なバス情報 フォーマット」について「標準的なバス情報フォーマット」の整備 (平成 29年3月) 中小バス事業者等と経路検索事業者等との情報の受渡しが効率化

バス事業者の経路検索対応状況(平成28年4月公共交通政策部調べ)

21

89

79

11

0% 50% 100%

30両未満の事業者

30両以上の事業者 対応済

未対応

経路検索の状況

【中小バス事業者が対象から外れている要因】①時刻表等の情報が電子データ化

されていない場合も多く、データ化作業が必要②情報の受渡しをするための

フォーマットが定まっていないため、データの作成に多大な手間が発生③大手と比較し検索される頻度が

少ないため、経路検索事業者によるデータ収集が進みにくい

インターネット等の経路検索は広く利用されているが、鉄道や大手バス事業者はほとんどが検索対象となっている一方、中小バス事業者は対象から外れているケースが多いのが実情。

路線バスの経路等を調べる際の情報取得先(平成28年12月内閣府世論調査)

7.18.5

11.829.1

41.3

0 10 20 30 40 50

インターネット等の経路検索バス停の掲示物交通事業者配布の時刻表交通事業者への問合せ交通事業者のHP

(%) N=1,899

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「標準的なバス情報フォーマット」の整備 (平成29年3月)

中小バス事業者等と経路検索事業者等との情報の受渡しが効率化されることで、経路検索におけるバス情報の充実が期待される。

*バス情報の効率的な収集・共有に向けた検討会(座長:東京大学 伊藤昌毅助教)にて作成

○データ形式は、他のシステムで活用しやすいCSV形式○データ項目は、停留所の位置や通過時刻表等一般路線バスの基本的な案内に必要な項目

○北米や欧州で広く普及するフォーマット(GTFS※)と互換性を確保○事業者や自治体が「標準的なバス情報フォーマット」を利用するための「解説書」をあわせて作成

※GTFSとは…(General Transit Feed Specification)

• 公共交通機関の時刻表とその地理的情報に使用される共通形式を定義したもの• 当初はGoogle社向けのフォーマットとして作成されていたが、現在はオープン化され、誰もが使用できるものとなっている。

• 中小事業者の利用も視野に、表計算ソフトでの閲覧が容易なCSV形式を採用し、使用ができるものとなっている

効果

概要

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「標準的なバスフォーマット」概要

■ データ形式は、他のシステムで活用しやすいCSV形式■ データ項目は、停留所の位置や通過時刻表等一般路線バスの基本的な案内に必要な項目

■ 北米や欧州で広く普及するフォーマット(GTFS)と互換性を確保

agency.txt routes.txt trips.txt stop_times.txt stops.txt transfers.txt★agency_id ★route_id ★trip_id trip_id ★stop_id from_stop_idagency_name agency_id route_id arrival_time stop_code to_stop_idagency_url route_short_name service_id departure_time stop_name transfer_typeagency_timezone route_long_name trip_headsign frequencies.txt stop_id stop_desc min_transfer_timeagency_lang route_desc trip_short_name trip_id stop_sequence stop_lat*agency_phone route_type direction_id start_time stop_headsign stop_lon*agency_fare_url route_url block_id end_time pickup_type zone_id fare_attributes.txtagency_email route_color shape_id headway_secs drop_off_type stop_url fare_id

route_text_color wheelchair_accesible exact_times shape_dist_travel location_type priceagency_jp.txt jp_parent_route_id bikes_allowed timepoint parent_station currency_type

agency_id jp_trip_desc stop_timezone payment_methodagency_official_name routes_jp.txt jp_trip_desc_symbol wheelchair_boarding transfersagency_zip_number route_id jp_office_id calendar.txt transfer_durationagency_address route_update_date ★service_id calendar_dates.txtagency_president_pos origin_stop office_jp.txt monday service_idagency_president_name via_stop ★office_id tuesday date fare_rules.txt

destination_stop office_name wednesday exception_type ★fare_idfeed_info.txt office_url thursday route_id

feed_publisher_name office_phone friday origin_idfeed_publisher_url saturday GTFS destination_idfeed_lang sunday contains_idfeed_start_date start_date Extensions to GTFSfeed_end_date end_datefeed_version GTFS_jp

shapes.txt Requiredtranslations.txt ★shape_id

trans_id shape_pt_lat Required_jplang shape_pt_lontranslation shape_pt_sequence Optional

shape_dist_traveled★=key

_name/ _desc_headsign/ _url

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「標準的なバス情報フォーマット」の広がり

情報源:嶋田鉄兵「GTFS・『標準的なバス情報フォーマット』オープンデータ一覧http://tshimada291.sakura.ne.jp/transport/gtfs-list.html

図表作成:伊藤昌毅

全国90社(2019年2月時点)のバス事業者や自治体が標準フォーマットによるオープンデータ配信を行っています

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「標準的なバス情報フォーマット」の拡充

・バスの運行は道路混雑状況により日常的に遅延が発生することが多いため、バス利用者にとってバスロケーションによる動的情報は極めて重要な情報ですが、情報提供はバス事業者の作成しているホームページや自社アプリケーションに限定されていることが多く、複数事業者が運行している路線などでは利用者にとって使いにくい状況です。

・このことから、「GTFSリアルタイム」を動的データの標準的なフォーマットとして定め、「標準的なバス情報フォーマット」に追加しました。(平成31年3月)

区分 フォーマット名 対象とする情報

静的データ GTFS-JP(2017年3月~) 停留所、路線、便、時刻表、運賃 等

動的データ GTFSリアルタイム(2019年3月~) 遅延、到着予測、車両位置、運行情報等

概要

目的

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「標準的なバス情報フォーマット」のメリット①

1小規模バス事業者やコミュニティバスも経路検索サービス等に掲載される

2 バスロケ情報が経路検索に掲載される

これまで経路検索サービスに載りづらかったバスについても、より多くの経路検索サービスに掲載されやすくなります。

大手事業者を含めても現状ごく限定的な、経路検索サービスを通じたリアルタイムのバスロケ情報を簡易に行えるようになります。

標準的なバス情報

フォーマット

バス事業者 情報利用者

その他の経路検索

B社

時刻表停留所情報等

A社

C社

「標準的なバス情報フォーマットによる情報提供のイメージ」

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「標準的なバス情報フォーマット」のメリット②

3 運行情報が経路検索に掲載される災害時やイベント開催中の、運休、迂回、増発等の情報を利用者に伝えることができます。

台風時の運休予告(宇野自動車) イベント時の続行便・混雑案内(永井運輸)

Sujiya Systems Twitter投稿より 永井運輸「 GTFSデータの取組みと災害時への対応」より 8

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「標準的なバス情報フォーマット」のメリット③

多様な活用ができる(ワンソース・マルチユース)

事業者自身が案内の正確さを向上できる

業務の効率化ができる

経路検索以外の情報提供(デジタルサイネージ等)や交通分析も可能になります。

特別ダイヤや運休を反映し、バス停情報もより正確に多言語で整備できます。

経路検索事業者等へのデータ提供の一本化や、業務のIT化に繋がります。

4

6

5

My時刻表*1

マップ*1

交通分析*1

*1 トラフィックブレイン「公共交通オープンデータ活用事例と発展への期待」より*2 Sujiya Systems「その看板」

サイネージ*2

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全国の導入事例

宇野自動車:日本初の標準的フォーマットによるオープンデータ配信両備グループ:商用バスロケとして日本初の標準的フォーマットによるオープンデータ

宇野自動車・両備グループ(岡山県市) 岐阜県中津川市市内のバス路線の「GTFS-JP」「GTFS-RT」データを整備しオープン化多言語整備しインバウンド需要に対応、デジタルサイネージも低コストで導入

佐賀県 群馬県県内主要バス事業者の「GTFS-JP」データを整備、佐賀市交通局は「GTFS-RT」も提供アップロードするためのシステムを「公共財」として整備しオープン化

県内全29事業者のバス路線を「GTFS-JP」形式でデータ整備し、オープンデータ化2社がダイヤ編成システム「その筋屋」を導入し自社で高精度なデータを整備

トラフィックブレイン 太田恒平『岡山の公共交通はマーケティングで改善できる』https://trans-market.jimdofree.com/app/download/14159227829/20181210_transmarket_startup_okayama_ota.pdf

『群馬県内バス路線情報』 https://gma.jcld.jp/GMA_OPENDATA/

中津川市「公共交通オープンデータ"最先端田舎"への挑戦」http://www.city.nakatsugawa.gifu.jp/page/083350.html

岡電バス

宇野バス

両備バス

下電バス

バス会社 バスロケ

時刻表オープン化

バスロケオープン化

宇野バス バスまだ?

済 済下電バス 済 デモ提供岡電バス両備バス Bus-

Vision

済 済

中鉄バス β版 β版

オープンデータでみるバス路線図

岡山都市圏 統合バスロケマップ

佐賀県 前山恵士郎『佐賀県における バス情報オープンデータ化の取組』 http://wwwtb.mlit.go.jp/kyushu/content/000090553.pdf

動的民間1

3

2

4動的県主導

動的コミバス

静的県/民間

県整備

自社整備

永井運輸 水野羊平「GTFSデータを構築したバス会社の実践例」https://www.slideshare.net/YoheiMizuno1/gtfs-121044697

イベント臨時便の運行情報をGoogle Mapsに掲載

運行情報を追加

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静的・動的データのデータ化の方法

■ MaaS関連データのうち、静的・動的データのデータ化(MaaSデータプラットフォームで活用できるフォーマットにすること)には、大きく①システムからのデータ化と②データ作成代行事業者に委託の2通りの方法がある

■ それぞれメリット・デメリットがあり、各交通事業者の実情に応じて選択されている(その結果、データ化に至っていない事業者も交通モードによっては多く存在)

類 型 概 要 メリット デメリット

システムからのデータ化 データフォーマットの出力機能を備えたダイヤ編成システム、バスロケシステム等を導入

※システムは自社又は事業者に発注することにより構築

(広く流通するシステムを活用することで、システムに詳しい社員(個人)のスキルによって構築するケースあり)

○システム導入後において、コストを抑えたデータ作成が可能

○臨時の増減便等のサービス変更に柔軟に対応可能

○組織としてデータに係る知見が蓄積される

△システムの導入コストが必要

データ作成代行事業者に委託

紙媒体、PDF、エクセル等をデータ作成代行事業者に提出し、当該事業者がデータフォーマットに変換

○システムの導入や人員・時間に係るコストが不要

△ダイヤ改正等のたびに、代行業者への支払いが必要(契約によっては無償の場合がある)

△臨時の増減便等のサービス変更に柔軟に対応困難

△組織としてデータ化に係る知見が蓄積されない

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日本版MaaS推進・支援事業

新たなモビリティサービスであるMaaS(Mobility as a Service)の全国への普及を図り、地域や観光地の移動手段の確保・充実や公共交通機関の維持・活性化等を進めることを目的として、地域の実情に応じたモデルによる実証実験やMaaSの普及に必要な基盤づくりへの支援、オープンデータを活用した情報提供の実証実験を行う。

令和2年度予算要求額 10億円

MaaSのモデル構築

多様なサービスと連携した新たなMaaSモデルに係る実証実験への支援(案件形成から実施まで)

MaaSの普及に向けた基盤づくり

MaaSの実装に不可欠だが、民間主導では進みにくい施策への支援

新型輸送サービスの育成・キャッシュレス決済対応

QRコード決済の導入

AIオンデマンド交通の立上げ

• 交通データ・APIの標準仕様化

• コミュニティバス・自家用有償運送への予約・配車システムの導入

データ・システム基盤づくり

オープンデータを活用した実証実験

鉄道・バス等の静的・動的データ

オープンデータ整備

公募アプリでの実証

様々なアプリの創出

交通事業者によるデータ提供

データ・API提供

全国各地でのMaaSの普及⇒日本版MaaSの実現

地域や観光地の移動手段の確保・充実公共交通機関の維持・活性化 等

MaaSに係るデータの国際的な共有・活用を可能とする環境整備、完全自動運転時代におけるMaaSのあり方について検討

MaaSの国際協調、完全自動運転時代のMaaSのあり方に向けた検討

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